JPH07272631A - 水銀蒸気放電ランプの製造方法 - Google Patents

水銀蒸気放電ランプの製造方法

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JPH07272631A
JPH07272631A JP6115594A JP6115594A JPH07272631A JP H07272631 A JPH07272631 A JP H07272631A JP 6115594 A JP6115594 A JP 6115594A JP 6115594 A JP6115594 A JP 6115594A JP H07272631 A JPH07272631 A JP H07272631A
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JP
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mercury
releasing
temperature
substance
exhaust
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JP6115594A
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Takeo Hashimoto
剛夫 橋本
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】水銀を定量封入し、かつ残留不純ガス濃度を低
減した低圧水銀蒸気放電ランプの製造方法を提供する。 【構成】ランプ動作時の透光性気密容器11の管壁温度
を越え、かつ透光性気密容器11の溶融温度未満で溶融
するとともに、この温度範囲で水銀を放出し、水銀放出
後は実質的に再吸収しない水銀放出物質20を具備する
水銀蒸気放電ランプの製造方法であって、排気する工程
と、その後、内部を排気しつつ透光性気密容器11を徐
冷する徐冷工程と、透光性気密容器11が水銀放出物質
20の水銀放出温度未満になった後、常温に低下する前
に水銀放出物質20を排気管15を通して封入する水銀
放出物質封入工程と、水銀放出物質の封入後の一定期
間、内部を排気する後排気工程と、その後、排気管15
を封止する封止工程と、排気管15を封止後、水銀放出
物質20から水銀を放出させる水銀放出工程と、を具備
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水銀放出物質を有する
水銀蒸気放電ランプの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプに代表される低圧水銀蒸気放
電ランプに水銀を定量封入する方法として、水銀を含浸
させた無機多孔質のペレットを排気管に挿入固定する方
法(例えば特開平4-141940号)がある。この方法によれ
ば、水銀を滴下する方法よりは定量封入ができる。
【0003】しかしながら、この方法では、セラミック
を多孔質ペレットのベースにしているので、排気管内に
固定するのが極めて困難であり、また、水銀を放出させ
るために加熱する必要があるが、セラミックは熱伝導性
が低いため、水銀放出に時間がかかり、また放出量にや
やバラツキがあった。
【0004】そこで本発明者らは、亜鉛水銀のように水
銀が過飽和状態で合金を構成しており、比較的低温加熱
で溶融するとともに水銀を放出する粒状の水銀放出物質
を使用する技術を開発している。
【0005】この水銀放出物質を使用すれば、水銀放出
が容易であるとともに、比較的低温加熱で溶融するの
で、バルブに容易に固定できる利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
水銀放出物質は、それ自体が溶融するので、合金内部に
含有されていた不純ガスが放出され、殆どのランプがラ
ンプとして機能しないほどの影響が出ることが分かっ
た。セラミックを使用した場合も、その表面に吸着され
ていた不純ガスが放出されるため、通常は不純ガス吸収
用ゲッターが設けられるが、上記の水銀放出物質の場
合、表面吸着と内部吸着の両方の不純ガスが放出される
ため、その量が多く、ゲッターでも吸収しきれないとい
う問題があった。
【0007】本発明は、このような従来技術をさらに改
善しようとするもので、水銀を定量封入可能であるとと
もに、水銀放出物質の固定が容易にでき、不純ガスによ
る早期点滅不良、不点灯、短寿命という欠点を改善した
水銀蒸気放電ランプの製造方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の水銀蒸気放電
ランプの製造方法は、水銀を含む放電媒体を封入し、排
気管を有する透光性気密容器と、透光性気密容器内部に
放電を生起維持するための手段と、透光性気密容器内に
封入され、ランプ動作時の透光性気密容器の管壁温度を
越え、かつ透光性気密容器の溶融温度未満で溶融すると
ともに、この温度範囲で水銀を放出し、水銀放出後は実
質的に再吸収しない水銀放出物質と、を具備する水銀蒸
気放電ランプの製造方法であって、透光性気密容器を外
部から加熱しつつ内部を排気管を通して排気装置により
排気する工程と、その後、排気装置により内部を排気し
つつ透光性気密容器を徐冷する徐冷工程と、透光性気密
容器が水銀放出物質の水銀放出温度未満になった後、常
温に低下する前に水銀放出物質を排気管を通して封入す
る水銀放出物質封入工程と、水銀放出物質の封入後の一
定期間、排気装置により内部を排気する後排気工程と、
その後、排気管を封止する封止工程と、排気管を封止
後、水銀放出物質から水銀を放出させる水銀放出工程
と、を具備することを特徴とする。
【0009】水銀を含む放電媒体とは、水銀の外に、例
えばペニングガスとしてのアルゴン等が封入されている
ことを意味する。アルゴン等は、水銀放出物質と同時ま
たは前後のポジションで行われる。
【0010】透光性気密容器は、一般的にはガラス管か
らなるが、形状は直管形、環形等に限定されず、また、
透光性であれば透明でなくても良い。また、封止部分
や、容器の一部が金属であっても良い。排気管内も透光
性気密容器内の一部を構成する。
【0011】放電を生起維持するための手段とは、例え
ば電極である。この場合、透光性気密容器の内部に設け
られた通常のフィラメント電極や冷陰極の他、外部電極
であっても良い。
【0012】水銀放出物質は、一個または複数個いずれ
でも良い。実質的に水銀を再吸収しないとは、アマルガ
ムのように容器内の水銀蒸気圧が温度により変動して、
ランプ特性が変化するものではないことを意味する。水
銀放出物質は、容器内の適当な場所に固着されていて
も、されていなくてもよい。
【0013】さらにまた、水銀蒸気放電ランプとして
は、容器内壁に蛍光体が塗布された蛍光ランプのほか、
蛍光体を使用しない紫外線ランプを含み、さらに低圧に
限らず、高圧水銀ランプも含む。
【0014】水銀放出物質の封入後の一定期間とは、表
面から放出された不純ガスがある程度放出できる時間を
意味する。例えば、通常の量産用の排気装置の場合、排
気のために一つ以上の排気ポジションを設けることを意
味する。
【0015】請求項2の水銀蒸気放電ランプの製造方法
は、請求項1において、排気装置が排気工程、徐冷工
程、水銀放出物質封入工程、後排気工程および封止工程
を行う複数のポジションを有していることを特徴とす
る。
【0016】請求項3の水銀蒸気放電ランプの製造方法
は、請求項2において、水銀放出工程は、排気装置から
外されてから行われることを特徴とする。
【0017】請求項4の水銀蒸気放電ランプの製造方法
は、請求項3において、水銀放出物質は、水銀放出工程
により、水銀放出とともに溶融して透光性気密容器内壁
に固着されることを特徴とする。
【0018】請求項5の水銀蒸気放電ランプの製造方法
は、水銀放出物質が、不純ガス吸収用ゲッターを有する
ことを特徴とする。
【0019】
【作用】請求項1ないし4の水銀蒸気放電ランプの製造
方法は、ランプ動作時の透光性気密容器の管壁温度を越
え、かつ透光性気密容器の溶融温度未満で溶融するとと
もに水銀を放出する水銀放出物質を用いているので、水
銀を定量封入可能であるとともに、水銀放出物質の固定
が容易にできる。
【0020】また、水銀放出物質を気密容器が常温に下
がる前に封入しているので、水銀放出物質の表面に吸着
している不純ガスがバルブの余熱を受けて放出される
が、水銀放出物質封入後の一定期間、後排気工程により
不純ガスを排出するので、その分、不純ガス濃度を低減
できる。したがって不純ガスによる早期点滅不良、不点
灯、短寿命という欠点を改善できる。
【0021】さらに請求項2の水銀蒸気放電ランプの製
造方法によれば、排気装置が排気工程、徐冷工程、水銀
放出物質封入工程、後排気工程および封止工程を行う複
数のポジションを有しており、従来の排気装置に備えら
れている排気工程、徐冷工程、封止工程の設備をそのま
まにし、液体水銀にかわって水銀放出物質を封入できる
ように排気装置を若干改造するとともに、水銀放出物質
封入後に再度、排気できるように水銀放出物質封入のタ
イミングを取るだけで良い。したがって通常の排気装置
をわずかに改造するだけで、本発明を実施できる。
【0022】請求項3の水銀蒸気放電ランプの製造方法
は、水銀放出工程が排気装置から外されてから行われ
る。このため、水銀放出工程のために排気装置を大幅に
改造する必要がなく、また、水銀放出工程は、排気装置
と分離されているため、簡単な設備で水銀放出工程を達
成できる。したがってこの場合、トータルの設備改造が
少なくて済む。
【0023】請求項4の水銀蒸気放電ランプの製造方法
は、水銀放出物質が水銀放出工程により、水銀放出とと
もに溶融して透光性気密容器内壁に固着されるものであ
る。このため、水銀放出物質の固着のための設備は加熱
だけの簡単な設備で済む。
【0024】請求項5の水銀蒸気放電ランプの製造方法
は、水銀放出物質が、不純ガス吸収用ゲッターを有する
が、水銀放出物質封入工程と封止工程との間に一定期間
を設けているので、このときの残留ガスと水銀放出物質
の溶融時に発生する不純ガスとの合計値がゲッターの吸
収性能を越える可能性を小さくできる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図2を参
照して説明する。
【0026】図1は、本発明の第一実施例の製造方法に
より製造された環形蛍光ランプの正面図であり、図2
は、一方の端部を拡大した断面図である。環形蛍光ラン
プは、JISに規定されたFCL30W/28と称され
るものである。図において11は鉛成分を含まないソー
ダライムガラスバルブからなる環状のメインチューブで
あり、内部には水銀およびアルゴン等の封入ガスを含む
可電離性媒体が封入されている。12はメインチューブ
11内面に形成した蛍光体被膜である。この蛍光体被膜
12は、良く知られている3波長発光形蛍光ランプに使
用される希度類金属発光蛍光体である。このものは赤、
青、緑に各々発光する3種の混合蛍光体からこうせいさ
れる。これらの蛍光体のかわりに、従来から使用され、
安価なアンチモンマンガン共付活ハロりん酸カルシウム
蛍光体を使っても良い。
【0027】13は電極であって、電極13は鉛ガラス
からなるステム14に設置されている。一方のステム1
4には排気管15、他方のステム14には排気管を設け
ていないが、排気管として使用しない細管16(あるい
はサポート管と称されるもの)が設置されている。メイ
ンチューブ11とステム14の境界部18には節部19
がモールド整形されている。
【0028】節部19は本来直状のガラス管を環状に整
形するときにこの節部19をチャックで掴むためのもの
である。しかしながら、本実施例では節部19を環状に
整形するためだけでなく、水銀放出物質20を固定する
ためにも用いる。すなわち、この節部19のより端部側
に水銀放出物質20固定している。この水銀放出物質2
0は水銀を放出した後の金属であり、亜鉛Znを主成分
としたものである。このものの水銀放出前は水銀との合
金(水銀濃度50ないし60重量%)を形成している
が、水銀は過剰に含有しているので、熱が加わって過剰
水銀を放出し、あとには水銀を僅かに含んだZnが残留
する。また、封入量は、水銀放出前は水銀との合金の状
態で1.5mmの大きさのものである。この水銀放出物
質20は、水銀を放出した後は実質的に水銀を再吸収し
ない。実質的とは、アマルガムなどのように、バルブ内
の水銀蒸気圧に影響を与える程度に吸収することはない
という意味である。また、水銀放出物質20は2重量%
のZr−Alからなるゲッター物質が混合されている。
Zr−Al等のZr系ゲッター以外に、例えばTaなど
が使用できる。
【0029】このような蛍光ランプは、以下の製造方法
により形成される。蛍光体焼成行程等を経て内面に蛍光
体被膜12を形成したソーダライムガラスからなる直状
のメインチューブ11の両端に、電極13を具備した鉛
ガラスからなるステム14を封止する。この場合一方の
ステム14には排気管15が形成されており、他方のス
テム14には細管16が形成されている。また、ステム
14を封止するとき、ガラスが柔らかいうちに、メイン
チューブ11とステム14の境界部19に節部19が形
成されるようモールド整形される。メインチューブ11
の両端の封止、モールド工程を終了後、排気管が閉塞さ
れている端部を下にしてガラスバルブ全体(メインチュ
ーブ11)を約700℃に加熱し、メインチューブ11
を軟化させる。その後下側の節部19を掴んで、円形ド
ラムに巻き付けて環状に整形する。このとき、ガラスバ
ルブ内のガス圧を高めて、メインチューブ11が潰れな
いようにする。
【0030】この後、ランプは排気工程にうつる。排気
工程は、排気装置で行われる。図3は排気装置のスケジ
ュールと、そのポジションを示す概略図である。まずラ
ンプは、ポジション1で排気装置にローディングされ
る。そのあとポジション6からポジション22にかけて
ランプ全体を加熱炉で300℃ないし500℃に加熱し
ながら排気管から排気を行う。このとき、ランプの端部
は、上に位置させる。そのあとポジション23からポジ
ション44にかけて、徐冷工程をおこなうが、特にポジ
ション33でメインチューブ11の管壁温度が水銀放出
物質20の溶融水銀放出温度(約350℃)を下回り、
このあと水銀放出物質20が封入可能となる。電極13
はフィラメントタイプであり、そのため電極13に電流
を流して電極13を発熱させ、このときの熱で電極13
に塗布されているエミッタを分解活性化するライティン
グが徐冷工程の間におこなわれる。電極13が冷陰極で
あれば、ライティングは必要ない。
【0031】このポジション34以降、水銀放出物質2
0が排気管15を通してランプ内封入される。封入され
た水銀放出物質20は重力に従って、環形に成形された
メインチューブ11内の最下部、すなわち排気管15が
重力上側に位置しているので、環形に成形されたメイン
チューブ11内のほぼ中央部に移動する。このとき、水
銀放出物質20は、蛍光体被膜12に接触しているの
で、固定はされない。水銀放出物質20の封入後に、少
なくともポジション44で排気をおこなう。そのつぎに
ポジション45,46でアルゴン等の封入ガスを封入
し、つづいて排気管15をチップオフのための加熱が行
われ、ポジション47でランプが排気装置から外される
と同時に、排気管15がチップオフされる。
【0032】排気装置から外されたランプは、その姿勢
を変え(上下逆転させ)、特に水銀放出物質20を、メ
インチューブ11に形成した節部19近傍に移動させ
る。水銀放出物質20は、そこで高温のメインチューブ
11とステム14の境界部19に蛍光体被膜12を介さ
ずに直接接触し、そのまま、あるいは若干の加熱を加え
ることで溶融し、境界部19に溶融固着する。このとき
に必ず水銀は放出される。以上のようにして蛍光ランプ
は完成する。なお、ガラスバルブ内の11排気はアルゴ
ン等の封入ガスの封入と同時に行われる場合や各々が前
後して行われる場合など方法は種々あるが、要するにガ
ラスバルブ11の温度が溶融温度以下に下がってから水
銀放出物質20を投入するものである。
【0033】以上のように、水銀放出物質20の封入後
に後排気工程を設けた場合と、そうでない場合との違い
を、残留不純ガス濃度の違いを測定して表1に示す。こ
こで水銀放出物質20のポジションを変え、その後のポ
ジションから封止工程(ポジション45,46)の手前
までを後排気工程として、その効果の違いを測定した。
従来のポジション44の場合の残留不純ガス濃度を10
0%とした。
【0034】
【表1】 この表から明らかなとおり、後排気工程を設けることが
残留不純ガスの濃度低減に効果的である。
【0035】後排気工程でも排出しきれなかった不純ガ
スは、ランプ完成後、水銀放出物質20に含有されてい
るゲッターが吸収するため、ランプ完成後の残留不純ガ
ス濃度は、より一層低減する。このため、後排気工程に
より予め残留不純ガス濃度が低減されているランプにつ
いては、ゲッターがほとんどの残留不純ガスを吸収する
が、後排気工程を経ずに製造されたランプは、残留不純
ガスをゲッターで吸収しきれない場合がある。
【0036】この蛍光ランプの製造方法では、ガラスバ
ルブ11を排気する工程において、上記排気の際にガラ
スバルブ11の温度が常温に下がる前に、上記ガラスバ
ルブ11内に水銀放出物質20を投入し、上記ガラスバ
ルブ11の温度により、この水銀放出物質20の表面に
吸着している不純ガスを上記ガラスバルブ11内に放出
させているので、後排気工程の際に、特別な加熱工程を
別途設定する必要がなく、省エネルギー志向にかなって
いる。また、特別な加熱工程を施すと水銀放出物質20
が溶融して水銀が放出され、放出された水銀の一部がラ
ンプ外に排出されて、ランプ内に残る水銀が必要量に満
たなくなる問題があるが、上記製造方法によれば、この
ような問題がない。
【0037】また、この蛍光ランプでは、水銀放出物質
20は、固形であるから定量封入が容易であり、この固
着にあたり、上記実施例のように、節部19に固着する
ので、簡単にガラスバルブ11に溶融固着し、しかもガ
ラスバルブ11端部の節部19に固着すると、節部19
が縦断面図に現れるとおりに湾曲しているので固着接触
面積が大きくなり、脱落しにくい。また、水銀放出物質
20は鉛ガラスバルブ11部分に固着すれば、ガラスバ
ルブ11の鉛成分が水銀放出物質20と馴染み脱落しに
くい。また、ステム14は通常鉛ガラスなので、この部
分に水銀放出物質20を容易にかつ強固に固着できる。
【0038】さらに水銀放出物質20の導入を、排気管
15を通しておこなうことで、水銀放出物質のランプ内
への導入が比較的容易におこなえる。
【0039】上記実施例では、封入固定される水銀放出
物質20は1個であるが、複数個に分割して封入しても
良く、この場合、1つくらい固定されないものがあって
も全く問題はない。必要な分量の水銀放出物質が本発明
の趣旨を逸脱しない範囲で固定されていれば良い。
【0040】低圧水銀蒸気放電ランプとして、蛍光体被
膜12は必須ではなく、例えば水銀輝線の254nmを
直接利用する紫外線ランプであってもよい。この場合、
透光性気密容器は、通常の軟質ガラスでは、紫外線が透
過しないので、これを透過させるために、石英ガラスな
どを用いる必要がある。
【0041】さらに本発明は、低圧水銀蒸気放電ランプ
に限らず高圧水銀蒸気放電ランプであっても良く、さら
に無電極放電ランプと称されるものであって、透光性気
密容器の外壁に外部電極を添設して高周波電界を印加し
て放電させるものや、高周波コイルにより放電させるも
のなどでもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1ないし4の発明によれば、ラン
プ動作時の透光性気密容器の管壁温度を越え、かつ透光
性気密容器の溶融温度未満で溶融するとともに水銀を放
出する水銀放出物質を用いているので、水銀を定量封入
可能であるとともに、水銀放出物質の固定が容易にでき
る。
【0043】また、水銀放出物質を気密容器が常温に下
がる前に封入しているので、水銀放出物質の表面に吸着
している不純ガスがバルブの余熱を受けて放出される
が、水銀放出物質封入後の一定期間、後排気工程により
不純ガスを排出するので、その分、不純ガス濃度を低減
できる。したがって不純ガスによる早期点滅不良、不点
灯、短寿命という欠点を改善できる。
【0044】さらに請求項2の発明によれば、排気装置
が排気工程、徐冷工程、水銀放出物質封入工程、後排気
工程および封止工程を行う複数のポジションを有してお
り、従来の排気装置に備えられている排気工程、徐冷工
程、封止工程の設備をそのままにし、液体水銀にかわっ
て水銀放出物質を封入できるように排気装置を若干改造
するとともに、水銀放出物質封入後に再度、排気できる
ように水銀放出物質封入のタイミングを取るだけで良
い。したがって通常の排気装置をわずかに改造するだけ
で、本発明を実施できる。
【0045】請求項3の発明によれば、水銀放出工程が
排気装置から外されてから行われる。このため、水銀放
出工程のために排気装置を大幅に改造する必要がなく、
また、水銀放出工程は、排気装置と分離されているた
め、簡単な設備で水銀放出工程を達成できる。したがっ
てこの場合、トータルの設備改造が少なくて済む。
【0046】請求項4の発明によれば、水銀放出物質が
水銀放出工程により、水銀放出とともに溶融して透光性
気密容器内壁に固着されるものである。このため、水銀
放出物質の固着のための設備は加熱だけの簡単な設備で
済む。
【0047】請求項5の発明によれば、水銀放出物質
が、不純ガス吸収用ゲッターを有するが、水銀放出物質
封入工程と封止工程との間に一定期間を設けているの
で、このときの残留ガスと水銀放出物質の溶融時に発生
する不純ガスとの合計値がゲッターの吸収性能を越える
可能性を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して製造される環形蛍光ランプの
正面図である。
【図2】図1の環形蛍光ランプの端部を拡大表示した断
面図である。
【図3】本発明の製造方法を実施する排気装置のスケジ
ュールとポジションを表す概略図である。
【符号の説明】
11…ガラスバルブ、 12…蛍光体被膜、 13
…電極、14…ステム、 15…排気管、 16…
細管、19…節部、 20…水銀放出物質。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水銀を含む放電媒体を封入し、排気管を有
    する透光性気密容器と;透光性気密容器内部に放電を生
    起維持するための手段と;透光性気密容器内に封入さ
    れ、ランプ動作時の透光性気密容器の管壁温度を越え、
    かつ透光性気密容器の溶融温度未満で溶融するととも
    に、この温度範囲で水銀を放出し、水銀放出後は実質的
    に再吸収しない水銀放出物質と;を具備する水銀蒸気放
    電ランプの製造方法において、 透光性気密容器を外部から加熱しつつ内部を排気管を通
    して排気装置により排気する工程と;その後、排気装置
    により内部を排気しつつ透光性気密容器を徐冷する徐冷
    工程と;透光性気密容器が水銀放出物質の水銀放出温度
    未満になった後、常温に低下する前に水銀放出物質を排
    気管を通して透光性気密容器内に封入する水銀放出物質
    封入工程と;水銀放出物質の封入後の一定期間、排気装
    置により内部を排気する後排気工程と;その後、排気管
    を封止する封止工程と;排気管を封止後、水銀放出物質
    から水銀を放出させる水銀放出工程と;を具備すること
    を特徴とする水銀蒸気放電ランプの製造方法。
  2. 【請求項2】排気装置は、排気工程、徐冷工程、水銀放
    出物質封入工程、後排気工程および封止工程を行う複数
    のポジションを有していることを特徴とする請求項1記
    載の水銀蒸気放電ランプの製造方法。
  3. 【請求項3】水銀放出工程は、排気装置から外されてか
    ら行われることを特徴とする請求項2記載の水銀蒸気放
    電ランプの製造方法。
  4. 【請求項4】水銀放出物質は、水銀放出工程により、水
    銀放出とともに溶融して透光性気密容器内壁に固着され
    ることを特徴とする請求項3記載の水銀蒸気放電ランプ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】水銀放出物質は、不純ガス吸収用ゲッター
    を有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか一
    記載の水銀蒸気放電ランプの製造方法。
JP6115594A 1994-03-30 1994-03-30 水銀蒸気放電ランプの製造方法 Pending JPH07272631A (ja)

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