JPH07272334A - 光磁気記録媒体とその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体とその製造方法

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JPH07272334A
JPH07272334A JP8785894A JP8785894A JPH07272334A JP H07272334 A JPH07272334 A JP H07272334A JP 8785894 A JP8785894 A JP 8785894A JP 8785894 A JP8785894 A JP 8785894A JP H07272334 A JPH07272334 A JP H07272334A
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layer
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magneto
recording layer
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Kiyoshi Noguchi
潔 野口
Yuji Honda
裕二 本田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成膜後の高温熱処理を必要とせずに、短波長
域で大きなθk、かつ大きな垂直磁気異方性を有するN
iAs型構造のMnSbPt薄膜を記録層として備える
光磁気記録媒体とその製造方法を提供することを目的と
する。 【構成】 本発明の光磁気記録媒体は、基板上に、層厚
20A以下のMnSb層と、層厚40A以下のPt層お
よび/またはPtSb層とを交互に積層して形成された
全厚50〜2000Aの人工格子膜、または厚さ50〜
2000AのMnSbPt薄膜を記録層とし、該記録層
が、NiAs型結晶構造を有し、かつ(002)面が基
板面に平行に優先配向し、加えて基板面に垂直な磁化容
易軸を有することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録の高密度化実現の手段として
使用レーザの短波長化が進められているが、現在光磁気
記録媒体用材料として主として用いられているTbFe
Coは短波長域でのカー回転角(θk)が0.2°以下
と低い。
【0003】これに比べ、Pt膜とCo膜を交互に繰り
返して成膜積層して形成される人工格子膜は、400〜
500nmの短波長域周波数λで、θkが0.4〜0.
5°となり有望であるが、充分に満足がゆくものではな
い。
【0004】一方、C1b構造のホイスラー型PtMn
Sb薄膜は、λ=633nm付近でθk=1〜2°と大き
いが、光磁気記録媒体に必要とされる条件の1つである
良好な垂直磁化膜が得られず、また、Ptを多く使用し
ているためコスト高となるといった欠点がある。
【0005】また、第17回 日本応用磁気学会学術講
演概要集(1993)の第51頁の「NiAs型構造を
有するMn−Sb−Pt薄膜の巨大磁気Kerr回転
角」(筆者:穂積 靖、高橋 研、荘司 弘樹、脇山
徳雄)には、六方晶構造のNiAs型Mn−Sb−Pt
(Pt:6at% )薄膜でλ=500nmにおいてθk=
1.2°が得られることが示唆されている。しかしなが
ら、この六方晶構造のNiAs型Mn−Sb−Pt(P
t:6at% )は、本発明らの解析によると、(110)
配向のため良好な垂直磁気異方性が得られていない。ま
た、成膜後に、高温熱処理が必要なため、基板が限られ
るという問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成膜後の高
温熱処理を必要とせずに、短波長域で大きなθk、かつ
大きな垂直磁気異方性を有するNiAs型構造のMnS
bPt薄膜を記録層として備える光磁気記録媒体とその
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)基板上に、層厚1〜40AのMnSb層と、層厚
0.5〜8AのPt層および/またはPtSb層とを交
互に積層して形成された全厚50〜2000Aの人工格
子膜を記録層とし、該記録層が、NiAs型結晶構造を
有し、かつ(002)面が基板面に平行に優先配向し、
加えて基板面に垂直な磁化容易軸を有することを特徴と
する光磁気記録媒体。 (2)基板上に形成され、NiAs型結晶構造を有し、
(002)面が基板面に平行に配向している厚さ50〜
2000AのMnSbPt薄膜を記録層とし、該記録層
が、基板面に垂直な磁化容易軸を有していることを特徴
とする光磁気記録媒体。 (3)基板と記録層の間にSb下地層が形成された上記
(1)または(2)の光磁気記録媒体。 (4)基板上に誘電体層が形成され、この誘電体層上に
記録層、またはSb下地層および記録層が形成された上
記(1)ないし(3)のいずれかの光磁気記録媒体。 (5)前記誘電体がSiの窒化物である上記(4)の光
磁気記録媒体。 (6)基板温度を50〜300℃に設定し、かつ0.5
A/秒以下の成膜速度でMnSb膜とPt膜および/ま
たはPtSb膜とを交互に成膜積層して、NiAs型結
晶構造を有し、かつ基板面に平行に(002)面が優先
配向し、加えて基板面に垂直な磁化容易軸を有する厚さ
50〜2000Aの記録層を形成することを特徴とする
光磁気記録媒体の製造方法。 (7)前記MnSb膜とPt膜および/またはPtSb
膜の成膜をイオンビームスパッタ法またはクラスターイ
オンビーム蒸着法によって行なった上記(6)の光磁気
記録媒体の製造方法。
【0008】
【作用】本発明の光磁気記録媒体の記録層を構成するM
nSb層とPt層および/またはPtSb層とを交互に
積層して形成された人工格子膜、あるいはMnSbPt
薄膜は、NiAs型構造を有しつつ、(002)面が基
板面に平行に優先配向しているので、短波長域でカー回
転角が0.8°以上、垂直方向の保磁力が1k0e以上
と大きく、かつ光磁気記録媒体として必要な基板面に垂
直な磁化容易軸を有している。
【0009】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0010】本発明の光磁気記録媒体は、その記録層と
して、MnSb層とPt層および/またはPtSb層と
を交互に積層して形成された人工格子膜、あるいはMn
SbPt薄膜を備えている。
【0011】これらの人工格子膜およびMnSbPt薄
膜における結晶構造は、NiAs型構造を有しつつ、
(002)面が基板面に平行に優先配向している。Ni
As型構造とは、陰イオンが最密充填をし、陽イオンが
その正八面体六配位位置を占めるとともに、陰イオンが
陽イオンの作る三方柱に配位し、そして、陰イオンが上
記のように六方最密充填しているため、面共有をした八
面体がC軸方向に走っている構造をいう。また、(00
2)面が基板面に平行に優先配向しているとは、基板面
に平行に配向する(002)面の割合が、70%以上で
あることを意味するものとする。上記の配向は、中角X
線回折によって分析することができる。また、平均グレ
インサイズは、50〜150A程度である。
【0012】本発明の記録層においては、θkが0.8
°以上、垂直磁気異方性を示す垂直方向の保磁力(Hc
⊥)が1kOe以上、特に1.5kOe以上、およびカー回
転角の角形比θkr/θksが0.8〜1であることが
好ましい。上記θkおよびHc⊥は大きければ大きい方
がよく、上限はない。
【0013】上記人工格子膜において、MnSb層の厚
さは1〜40A、Pt層および/またはPtSb層の総
厚は0.5〜8Aの範囲に設定することが好ましい。M
nSb層の厚さが、1Aより薄いとC1b型の結晶構造
になりやすく、垂直磁気異方性が低下し、一方、40A
を超えると、相対的にPt層、PtSb層の比率が下が
り、θkが低下する。Pt層、PtSb層の総厚が、
0.5Aより薄いと、θkが低下し、また8Aより厚い
と垂直磁気異方性が低下する。
【0014】以上の人工格子膜の人工周期性は、低角X
線回折により人工周期ピークを確認することにより判断
することができる。なお、後述のように成膜時の基板温
度が高い時には両層が拡散して単一の合金膜となる。そ
して、この人工格子膜と合金膜では、プラスチック基板
を用いることができるという点で、低温基板温度で作製
できる人工格子膜の方が望ましい。
【0015】本発明の記録層の総厚は、50〜2000
Aの範囲に設定されることが必要である。総厚が、50
A未満であるとθkが劣化し、2000Aを超えると、
垂直磁気異方性が劣化するため、Hc⊥およびθkr/
θksが低下する。
【0016】本発明においては、基板として、一般に用
いられているガラスの他、ガラス転移点が150℃程度
のプラスチックも用いることができる。これは、本発明
の記録層が、高温による熱処理を行なわなくとも良好な
磁気特性等を備えるからである。
【0017】上記基板上には、下地層としてSb層を形
成し、その上に記録層を形成することが望ましい。Sb
下地層の厚さは、30〜100A程度であることが好ま
しい。Sb下地層の厚さが上記の範囲未満であると実効
がなく、上記範囲を超えるとその上に形成する記録層の
グレインサイズが大きくなるため、媒体サイズが大きく
なり好ましくないからである。
【0018】上記基板上には、誘電体層が形成され、こ
の誘電体層上に記録層を単独で、またはSb下地層およ
び記録層を形成することが好ましい。この誘電体層に用
いられる誘電体材料は、Siの窒化物であるSiN、S
iAlONや、LaSiON等を用いることができる。
この誘電体層の厚さは、150〜800A程度であるこ
とが好ましい。誘電体の膜厚をこの範囲に設定すること
により、結晶配向性が向上するためである。
【0019】上記の記録層は、基板温度を50〜300
℃に設定し、かつ0.5A/秒以下の成膜速度でMnS
b膜とPt膜および/またはPtSb膜とを交互に成膜
積層することにより得られる。
【0020】NiAs型MnSb化合物は高温で規則相
となるため、高温熱処理を必要とする。しかし非平衡な
真空成膜プロセスでは原子の移動度が非常に高いため低
温でも規則配列しやすくなる。特に非常に遅い成膜速度
で非常にうすいMnSb層とPtまたはPtSb層を交
互に積層させると基板温度50〜300℃で規則相が形
成される。このとき、各膜の成膜時の厚さによって異な
るが、基板温度が50〜150℃で人工格子層が形成さ
れ、100〜300℃で合金層が形成される。
【0021】NiAs型MnSbは六方晶構造だが、通
常のスパッタ法や真空蒸着法で形成したものでは、粒子
エネルギが低いため(110)配向しやすい。このため
C軸が膜面内になってしまう。そこで、本発明において
は、イオンビームスパッタ法やクラスターイオンビーム
法(クラスター化した原料をイオン化し、加速して蒸着
する方法)などの成膜方法により、粒子エネルギーを大
きくするとともに、蒸発原料粒子の一部をイオン化する
ので、基板上で膜が生成される過程で、イオン化による
電荷により、マイグレーションが効果的に行われ、C軸
が膜面に垂直な(002)配向膜を得る。その結果、良
好な垂直磁気異方性が得られ、Hc⊥が大きくなる。こ
のとき、粒子エネルギーは、数十eV〜数百eVとされ
る。
【0022】基板温度が50℃未満だとNiAs型の結
晶構造の均一な層が生成されない。300℃を超えると
垂直磁気異方性が得られず、Hc⊥が低下する。50〜
300℃にすることにより(002)配向の垂直磁化膜
が得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0024】<試料作製方法>イオンビームスパッタ装
置を用い、以下の条件でコーニング7059ガラス基板
上に、基板を回転させながら、光磁気記録層を形成し
た。
【0025】直径7インチのMn−50at% Sbターゲ
ットとSbターゲットを用いた。Sbターゲット上には
100mm角のPtチップを10個置いた。また、場合に
よってはPtターゲットを用い、スパッタして膜を形成
した。この時ビーム電圧、ビーム電流を制御して成膜速
度を変化させ、実施例1〜8とした。また比較例につい
ても同様に作製。場合によってはアシスト用イオンガン
でArイオンを照射させながらアシストスパッタした。
【0026】<評価方法>日本分光(株)カー効果測定
装置(K−250)を用いて波長400〜900nmにお
けるカーループを測定し、それから垂直方向の保磁力H
c⊥、カー回転角θk、カー回転角の角形性θkr/θ
ksを求めた。印加磁場は10kOe とし、膜面側から光
を照射した。
【0027】<実施例1> 磁性層[MnSb(10A)/PtSb(3A)]40 スパッタ室到達圧力 1×10-7Torr Ar導入量 10SCCM スパッタ圧力 2×10-4Torr ビーム電圧 300V ビーム電流 30mA 成膜速度 0.3A/sec 基板温度 80℃ 使用ターゲット Mn−50at% Sb Sb(Pt10mmチップ10個置く)
【0028】以上の条件によりMnSb層10AとPt
Sb層3Aを交互に40周期積層して測定試料とした。
各々の層厚はスパッタ時間をかえて、所定の時間スパッ
タした。
【0029】得られた膜を中角X線回析で調べた結果を
図1に示す。NiAs型結晶構造MnSbまたはPtS
bの(002)ピークが強くでており、得られた膜がC
軸配向していることが確認できた。また、低角X線回析
で膜の人工周期性を調べた結果、図2に示すように人工
周期ピークが確認され、MnSbとPtSbが所定の層
厚で積層されていることがわかる。
【0030】図3に作製した膜の波長500nmにおける
θkループを示す。Hc⊥=3.0kOe 、θk=1.0
deg 、θkr/θks=0.9が得られ、垂直磁化膜で
あることがわかった。
【0031】図4にθkの波長依存性を示す。λ=50
0nm付近で最も大きなθkを示し、上記したように約
1.0deg であった。
【0032】<実施例2> 磁性層[MnSb(15A)/Pt(2A)]30 使用ターゲット Mn−50at% Sb Pt 到達圧力 1×10-7Torr Ar導入量 10SCCM スパッタ圧力 2×10-4Torr ビーム電圧 350V ビーム電流 25mA 成膜速度 0.2 /sec 基板温度 200℃
【0033】実施例1と同様の方法でMnSb層15A
とPt層2Aを30周期積層した。得られた膜の結晶配
向を中角X線回析で調べた結果、実施例1と同様にMn
Sb(002)配向性が強い。図5に低角X線回析の結
果を示す。人工周期は観察されず、基板温度200℃で
作製したため、各層が拡散し、NiAs型構造の合金膜
となっていることがわかる。図6にθkループを示す。
きれいな垂直磁化膜が得られ、Hc⊥=2.2kOe 、θ
k=1.2deg,θkr/θks=0.85が得られ
た。
【0034】<実施例3> 磁性層Sb(50A)/[MnSb(10A)/PtS
b(3A)]40
【0035】基板温度80℃でSb50Aを下地層とし
て形成した後、実施例1と同様の磁性層を形成した。図
7に得られた膜のθkループを示す。Sb下地層を形成
することにより膜の(002)配向が大きくなるため、
垂直異方性が大きくなり、Hc⊥=4.5kOe 、θkr
/θks=1.0が得られた。
【0036】<実施例4>SiN200Aを形成した
後、実施例3と同様の膜を形成し、θkループを測定し
た。結果を表1に示す。SiNを下地とすることにより
垂直異方性が更に向上するため、Hc=5.3kOe が得
られた。
【0037】<実施例5〜8>以下、表1に示すよう
に、本発明の条件に従って、SiN200A/[MnS
b(15A)/Pt(2A)]30(実施例5)、[Mn
Sb(18A)/Pt(4A)]20(実施例6)、[M
nSb(2A)/PtSb(0.5A)]80(実施例
7)および[MnSb(18A)/PtSb(5A)]
15(実施例8)を形成した。上記実施例のいずれにおい
ても、1.8kOe 以上のHc⊥、0.9deg以上のθ
k、および0.8以上のθkr/θksが得られ、望ま
しいものであった。
【0038】
【表1】
【0039】<実施例9>クラスターイオンビーム蒸着
装置を用い、[MnSb(12A)/PtSb(4
A)]15人工格子膜を作製した。作製条件は、次の通り
である。 基板:コーニング7059ガラス 基板温度:100℃(基板回転あり)
【0040】MnSb層:グラファイトルツボ内にMn
50Sb50(at% )を入れ、これをイオン化電流100m
Aでイオン化し、さらに加速電圧3kVで加速し、成膜
レート0.4A/秒で成膜した。
【0041】PtSb層:PtとSbを同時蒸着して、
PtSb層を得た。Ptはタングステンルツボを用い、
イオン化なしの中性クラスターで蒸着した。一方、Sb
はグラファイトルツボを用い、イオン化電流100mA
でイオン化し、さらに加速電圧1kVで加速した。Pt
Sb層の成膜レートは0.2A/秒とした。
【0042】なお、上記ガラス基板上には、下地層とし
てSb50Aを、基板温度30℃(加熱なし)、イオン
化電流100mA、加速電圧1kVで形成した。この
後、上記条件で、MnSb層12AとPtSb層4Aを
交互に15周期積層した。
【0043】この膜について、上記の特性を測定したと
ころ、3.9kOe のHc⊥、1.1deg(500nm
における)のθk、および1.0のθkr/θksが得
られ、良好な特性であった。
【0044】以上から次の結果が得られた。
【0045】1)Tsub=50〜120℃でMnSb
/PtSb多層膜を作製するとMnSb(002)配向
性の多層膜となり、Tsub=80℃のときHc⊥=3
kOe、θk=1.0°(500nm)、θkr/θks=
1.0が得られた。
【0046】2)Tsub=120〜300℃でMnS
b/PtSb多層膜を作製すると、MnSb(002)
配向性の合金膜が得られる。Tsub=200°のとき
Hc⊥=2.2kOe 、θk=1.2°(500nm)、θ
kr/θks=1.0が得られらた。
【0047】3)(001)配向したSb下地層50A
上に1)と同様に多層膜を作製した結果、垂直異方性が
大きくなり、Hc⊥=4.5kOe が得られた。
【0048】4)SiN膜200A上に3)と同様に多
層膜を作製した結果、更に垂直異方性が大きくなり、H
c⊥=5.3kOe が得られた。
【0049】5)SiN膜200A上に2)と同様に多
層化技術で合金膜を作製した結果、Hc⊥=3.4kOe
が得られた。
【0050】Sb下地層を設けることによりMnSb/
Pt(またはPtSb)多層膜またMnSbPt合金膜
の垂直異方性が大きくなり、Hc⊥が向上する。
【0051】SiN膜上に、多層膜または合金膜を設け
ると、やはりHc⊥が向上する。
【0052】<比較例1>基板温度350℃にして、実
施例1と同様の膜を形成した。図8にθkループを示
す。θk=1.0は得られるが、膜の結晶配向が(11
0)であり、C軸が膜面に平行のため、良好な垂直異方
性が得られない。その結果、Hc⊥=0.2kOe 、θk
r/θks=0.1と特性が悪い。
【0053】<比較例2>基板温度を10℃(水冷)に
して、実施例1と同様の膜を形成した。Hc⊥=0.3
kOe 、θk=0.2(500nmにおける)、θkr/
θks=0.05と全体的に非常に特性が悪かった。
【0054】<比較例3>成膜レートを0.8A/秒に
して、実施例1と同様の膜を形成した。Hc⊥=0.3
kOe 、θk=0.2(500nmにおける)、θkr/
θks=0.05と全体的に非常に特性が悪かった。
【0055】以上から明瞭なように、本発明によれば、
大きな垂直方向の保磁力(Hc⊥)、短波長領域である
500nmにおける大きなカー回転角、および良好なカ
ー回転角の角形比を持つ光磁気記録媒体を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の記録層の中角X線回析パターンを示
す図である。
【図2】実施例1の記録層の低角X線回析パターンを示
す図である。
【図3】実施例1の記録層のθkループ(λ=500n
m)を示す図である。
【図4】実施例1の記録層のθk波長依存性を示す図で
ある。
【図5】実施例2の記録層の低角X線回析パターンを示
す図である。
【図6】実施例2の記録層のθkループを示す図であ
る。
【図7】実施例3の記録層のθkループを示す図であ
る。
【図8】比較例1の記録層のθkループを示す図であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、層厚1〜40AのMnSb層
    と、層厚0.5〜8AのPt層および/またはPtSb
    層とを交互に積層して形成された全厚50〜2000A
    の人工格子膜を記録層とし、該記録層が、NiAs型結
    晶構造を有し、かつ(002)面が基板面に平行に優先
    配向し、加えて基板面に垂直な磁化容易軸を有すること
    を特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 基板上に形成され、NiAs型結晶構造
    を有し、(002)面が基板面に平行に配向している厚
    さ50〜2000AのMnSbPt薄膜を記録層とし、
    該記録層が、基板面に垂直な磁化容易軸を有しているこ
    とを特徴とする光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板と記録層の間にSb下地層が形成さ
    れた請求項1または2の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 基板上に誘電体層が形成され、この誘電
    体層上に記録層、またはSb下地層および記録層が形成
    された請求項1ないし3のいずれかの光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記誘電体がSiの窒化物である請求項
    4の光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 基板温度を50〜300℃に設定し、か
    つ0.5A/秒以下の成膜速度でMnSb膜とPt膜お
    よび/またはPtSb膜とを交互に成膜積層して、Ni
    As型結晶構造を有し、かつ基板面に平行に(002)
    面が優先配向し、加えて基板面に垂直な磁化容易軸を有
    する厚さ50〜2000Aの記録層を形成することを特
    徴とする光磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記MnSb膜とPt膜および/または
    PtSb膜の成膜をイオンビームスパッタ法またはクラ
    スターイオンビーム蒸着法によって行なった請求項6の
    光磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021523576A (ja) * 2018-05-15 2021-09-02 マックスプランク−ゲセルシャフト・ツール・フェーデルング・デル・ヴィッセンシャフテン・エー・ファウ 希土類金属フリー硬質磁石

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JP2021523576A (ja) * 2018-05-15 2021-09-02 マックスプランク−ゲセルシャフト・ツール・フェーデルング・デル・ヴィッセンシャフテン・エー・ファウ 希土類金属フリー硬質磁石

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