JPH0727065A - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

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JPH0727065A
JPH0727065A JP16763993A JP16763993A JPH0727065A JP H0727065 A JPH0727065 A JP H0727065A JP 16763993 A JP16763993 A JP 16763993A JP 16763993 A JP16763993 A JP 16763993A JP H0727065 A JPH0727065 A JP H0727065A
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Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Masahiro Takebayashi
昌寛 竹林
Isamu Tsubono
勇 坪野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】吐出行程における過圧縮損失を大幅に低減で
き、かつ寸法を小型化でき、内部漏れを低減して性能向
上が図れるスクロール形流体機械の提供。 【構成】基本的な渦曲線2a,2b,5a,5bとして
極座標形式で動径r,偏角θ,代数螺線の係数a,代数
螺線の指数kとしたとき次の式(3)で表される代数螺
線を用い、 【数3】 偏角θの巻き始め区間だけ代数螺線の係数a、または代
数螺線の指数kを変化させ、この基本渦曲線2a,2
b,5a,5bの包絡線により渦巻体の内側曲線2b,
5bおよび外側曲線2a,5aを形成し、巻き始め部の
壁厚を厚く構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容積形流体機械の一種
であるスクロール形流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール形流体機械は、互いに
偏心して組み合わされた同一形状の渦巻体をもつ固定ス
クロールと旋回スクロールからなり、渦巻形状として
は、一般に渦巻ピッチ,渦巻壁の厚さが一定となるイン
ボリュート曲線が用いられている。渦曲線としてインボ
リュート曲線を用いる利点は、渦巻きの法線ピッチが一
定のため単一のカッタで内側と外側の渦曲線が同時に加
工ができるという加工のし易さが挙げられるが、反面、
渦巻壁の厚さが一定のため最も高圧になる渦巻体の中央
部の応力が高くなり強度上問題になりやすい。また、渦
巻体の中央部は内部の圧力差も大きいため、流体の内部
漏れにより性能低下を生じやすいといった欠点を有して
いる。さらに、インボリュート曲線では渦巻ピッチが一
定のため、容積変化率も一定で、所定の寸法内で、最外
周での密封容積(行程容積)と最内周での密封容積との
比である内部容積比を大きくしようとした場合、渦巻き
の巻数を大きくすると渦巻ピッチが小さくなり、渦巻壁
厚さが一定のため旋回半径が小さくなって行程容積も小
さくなってしまうといった問題があった。
【0003】この問題点に対して、渦巻体の中央部付近
の渦巻壁厚さを厚くして高圧に耐えるようにした公知技
術として、米国特許3802809 号がある。また、渦巻ピッ
チを変化させて内部容積比を変える公知技術として、米
国特許第2324168 号,特開平3−11102号公報に見ること
ができる。
【0004】米国特許第3802809 号に開示された構造
は、渦巻体の巻き始めの渦巻壁厚さを厚くしているため
強度上の問題は解決されるが、渦巻壁の厚さが厚くなっ
ている範囲が巻き始めの一部分に限定されるため、渦巻
体の端面を通しての流体の内部漏れを低減する効果は小
さい。また、巻き始め部以外では渦巻壁の厚さは一定の
ためインボリュート曲線と同様に所定の寸法内で行程容
積と内部容積比をともに大きくすることはできなかっ
た。
【0005】また、米国特許第2324168 号,特開平3−1
1102号公報に開示されたスクロール形流体機械の場合、
渦巻ピッチを変化させて内部容積比を変える構造が示さ
れているが、例えば、内部容積比を大きくしようとして
渦巻きの外周から中央にかけて渦巻ピッチを小さくして
いった場合、渦巻壁の厚さは渦巻の中央部(巻き始め)に
いくほど薄くなり強度上の考慮がされていない。反対に
渦巻きの外周にいくほど渦巻壁の厚さは厚くなるため行
程容積は小さくなる。このように、行程容積と内部容積
比を共に大きくでき、同一の行程容積,内部容積比の場
合にインボリュート曲線よりも渦巻体の小型化が可能な
渦曲線は不明だった。また、渦巻ピッチや渦巻壁の厚さ
が変化する渦巻体の幾何理論、すなわち、渦曲線や渦巻
体の構成法等は明らかにされていなかった。
【0006】このようなスクロール形流体機械の渦巻体
の形状を決めるものは、例えば、本発明者らがさきに提
案した特願平3−338970 号,特願平4−298410号 公報
(以下、提案Iという)に詳細に述べたように、端板に
直立する渦巻体を備えた固定スクロールと旋回スクロー
ルとを備え、それぞれの渦巻体の内側曲線および外側曲
線を代数螺線または代数螺線の包絡線で形成することに
より、渦巻体寸法を小型化でき、内部漏れを低減して性
能向上が図れ、強度的にも優れた渦巻体を備えたスクロ
ール形流体機械を示した。
【0007】この提案によれば、渦巻体の強度や渦巻体
の寸法小型化については大きな効果が得られる。しか
し、性能上の要求から渦巻体の形状を一部改変する場
合、例えば、吐出行程における過圧縮損失を低減するた
めには吐出ポート径を大きくする必要があるが、内部容
積比を下げることなく吐出ポート径を大きくするために
は渦巻体の巻き始め部の壁厚を厚くしなければならず、
このように渦巻体の形状を一部改変する方法は明らかに
されていなかった。なお、インボリュート曲線の場合に
は、巻き始め部形状を一部改変する方法として特開昭59
−99085 号に、吐出ポート径を大きくできる渦巻体とし
ては特開平3−11103号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、渦巻
体の形状を一部改変する方法を提示するとともに、吐出
圧力損失を大幅に低減できる高性能のスクロール形流体
機械を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスクロール形流体機械は、基本的な渦曲線
として極座標形式で動径r,偏角θ,代数螺線の係数
a,代数螺線の指数kとしたとき次の式で表される代数
螺線を用い、
【0010】
【数2】
【0011】上式で、偏角θの特定区間だけ代数螺線の
係数a、または代数螺線の指数kを変化させ、この基本
渦曲線の包絡線により渦巻体の内側曲線および外側曲線
を形成したことを特徴とするスクロール形流体機械。
【0012】
【作用】基本的な渦曲線として、数1で表される代数螺
線を用い、偏角θの特定区間だけ代数螺線の係数a、ま
たは代数螺線の指数kを変化させ、この基本渦曲線の包
絡線により渦巻体の内側曲線および外側曲線を形成し
た。例えば、渦巻体の巻き始め部の壁厚を厚くする場合
は、巻き始めの特定区間における代数螺線の係数a、ま
たは代数螺線の指数kを偏角θの関数で表して残りの区
間よりも大きくなるようにし、この改変した基本渦曲線
をベースにして渦巻体を形成することにより容易に渦巻
体の巻き始め部の壁厚を厚く改変することができる。こ
のため、吐出ポート径を大きくすることができるととも
に、作動室の容積変化速度もおそくなり、過圧縮損失を
大幅に低減することができる。
【0013】また、基本渦曲線の原点(極)近傍に略円
形状の吐出ポートの中心を形成することによりトップク
リアランス容積が小さい状態で圧縮行程にある対の作動
室がほぼ同時に吐出ポート部に連通するようになり、作
動室の圧力アンバランスが防止されて振動を低減できる
とともに、過圧縮損失も低減される。以上により、性
能,信頼性ともに優れたスクロール形流体機械を提供す
ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の構成等を図に示す実施例によ
って詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明に係るスクロール形流体機
械のスクロール形状を示す平面図である。図において、
符号1は本発明に係る旋回スクロールで旋回側渦巻体2
と端板3よりなる。旋回側渦巻体2は旋回外側曲線2a
と旋回内側曲線2bから構成されている。Oは旋回スク
ロール1の中心である。4は本発明に係る固定スクロー
ル、5は固定側渦巻体である。固定側渦巻体5は固定外
側曲線5aと固定内側曲線5bからなる。O′は固定ス
クロール4の中心である。6は旋回側渦巻体2と固定側
渦巻体5の間に形成された作動室、7は圧縮された流体
が流出する吐出ポートである。ここで、旋回側渦巻体2
および固定側渦巻体5の構成は、数1で表される代数螺
線を基本渦曲線とし巻き始め部の渦巻壁厚さをより厚く
するために、巻き始め部の偏角θの区間だけ代数螺線の
係数a、または代数螺線の指数kの値を大きくなるよう
にし、これ以外の区間の代数螺線の係数a、または代数
螺線の指数kの値は一定としている。このように修正し
た基本渦曲線の包絡線によりそれぞれの渦巻体の内側曲
線および外側曲線を構成している(渦巻体構成法の詳細
は後述する)。これより、旋回側渦巻体2及び固定側渦
巻体5の渦巻壁の厚みはともに渦巻きの巻き始めから巻
き終わりにかけて連続的に変化しており、内部の流体の
圧力が最も高圧になる渦巻体の中央部が厚く、低圧にな
る巻き終わり部では薄くなっている。また、各渦巻体
2,5の、巻き始め部がより厚く構成されるように改変
され、内部容積比を下げることなく吐出ポート径を大き
く設定することができ、過圧縮損失を大幅に低減するこ
とができる。
【0016】図2は、本発明に係るスクロール形流体機
械を圧縮機として用いた場合の作動原理を示す平面図で
ある。
【0017】圧縮作用は以下のように行われる。固定側
渦巻体5を静止し、旋回側渦巻体2を固定スクロール中
心O′の周りに自転することなしに旋回半径e(=O
O′)で公転運動させることにより、二つの渦巻体2,
5間に複数の三日月状の密閉した空間、作動室6,6が
形成される。作動室6,6の容積は、図2の流体の吸込
みが終了した状態(a)から、90゜,180゜,270
゜と公転が進むにしたがって、(b),(c),(d)とその
容積を縮小し、流体の圧縮作用が行われる。そして、圧
縮された流体は最後に吐出ポート7から吐き出される。
【0018】次に、本発明における旋回側渦巻体2と固
定側渦巻体5の構成法を図3を用いて説明する。図3に
おいて、図(a),図(b)はそれぞれ旋回側と固定側
の基本渦曲線と、この基本渦曲線を旋回半径eの半分の
半径で円運動させたときに描く円軌跡の包絡線を示し、
図(c),図(d)はそれぞれ旋回側と固定側の渦曲線
の構成を示す。実線10は旋回側の基本渦曲線であり、
数1で表される代数螺線で偏角θの特定区間(巻き始め
部)だけ代数螺線の係数a、または代数螺線の指数kを
変化させたものである。破線11と12はこの基本渦曲
線10の包絡線で、11が外側包絡線、12が内側包絡
線である。また、実線20は固定側の基本渦曲線で、こ
の曲線は旋回側の基本渦曲線10を原点Oの周りに18
0゜回転させたものである。破線21と22はこの基本
渦曲線20の包絡線で、21が外側包絡線、22が内側
包絡線である。ここで、渦巻体は複数の密封容積を作る
ための両渦巻間の接触が幾何学的に保証されるように、
以下のように構成される。旋回外側曲線2aは旋回側の
基本渦曲線10の内側包絡線12が選ばれ、固定外側曲
線5aは固定側の基本渦曲線20の内側包絡線22が選
ばれる。渦巻体の内側曲線は、次のように決められる。
旋回内側曲線2bは固定外側曲線5aと接触するため固
定側の基本渦曲線20の外側包絡線21が選ばれ、固定
内側曲線5bは旋回外側曲線2aと接触するため旋回側
の基本渦曲線10の外側包絡線11が選ばれる。このよ
うな渦巻体構成法における渦巻体の巻き始め部の壁厚を
厚く改変する方法を図4,図5により説明する。図4
は、代数螺線の指数kを変えた場合の一例を示し、図5
は、図4における係数αによる渦巻体の巻き始め部の形
状変化を示す。図4において、横軸に代数螺線の偏角
θ,縦軸に代数螺線の指数kをとっている。θsは代数
螺線の巻き始め偏角、θeは代数螺線の巻き終わり偏
角、θiはθsとθeの間の偏角である。渦巻体の巻き
始め部の壁厚を厚く改変するため、偏角θの巻き始め区
間(偏角θs〜偏角θi間)だけ代数螺線の指数kの値
を大きくなるようにし、これ以外の区間(偏角θi〜偏
角θe間)の代数螺線の指数kの値はk=k1で一定と
している。偏角θs〜偏角θi間と偏角θi〜偏角θe
間とは指数kの変化としてなめらかに接続する必要があ
る。ここでは、巻き始め偏角θsのときの指数kの値を
k=α・k1で最大とし、偏角θs〜θi間は三角関数
型の曲線で変化させ、偏角θiのときk=k1で最小に
なるようにしている。この係数αの値による渦巻体の巻
き始め部の形状変化は、図5に示すようになる。ここ
で、k1=0.75 ,θs=0°,θi=180°とし
ている。これより、αの値が1.0 より大きくなるほど
渦巻体の巻き始め部の壁厚は厚くなるのが分かる。ま
た、αの値が1.0 より大きくなるほど内側曲線の最小
曲率半径は大きくなり、渦巻体を加工するためのカッタ
径を大きくでき、カッタの剛性が増すことから渦巻体の
加工精度,生産性を向上することができる。さらに、図
5に示すように渦巻体の巻き始め部の壁厚は厚くなる
が、この外側では一部壁厚が薄くなる部分があり、全体
として渦巻体の体積は増加せず、逆に減少して軽量化に
なる。このことはスクロール圧縮機の容積変化特性にも
好影響をもたらす。図6は、前述の係数αの値によるス
クロール圧縮機の容積変化特性を示す。図6において、
横軸は吸込終了からのクランク軸回転角φを、縦軸は作
動室容積Vの変化を理論吸込容積Vthとの比率で表
す。これより、αの値が1.0 より大きくなると圧縮過
程後半の容積変化速度が遅くなることから、吐出行程に
おける過圧縮損失を低減することができ、渦巻体の巻き
始め部の壁厚を厚く改変したことによる吐出ポートの大
径化と相俟って吐出圧力損失を大幅に低減できる高性能
のスクロール形流体機械を提供することができる。以
上、渦巻体の特定区間の形状を改変する例として、渦巻
体の巻き始め部の壁厚を厚くする場合を例に挙げて説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発
明で述べた方法は渦巻体の任意の区間の形状改変に拡張
できる。また、渦巻体構成法として、旋回側渦巻体と固
定側渦巻体は同一形状で基本渦曲線の包絡線により渦巻
体の内側曲線と外側曲線を構成する場合を説明したが、
本発明はこれ以外に提案Iに挙げた種々の渦巻体構成法
に適用することができる。また、旋回側渦巻体と固定側
渦巻体が非同一形状の場合にも同様に適用される。
【0019】次に、本発明の特徴である吐出ポートの配
設位置について説明する。図7は、本発明のスクロール
圧縮要素の要部縦断面図で、図2における(b)図、A
−A断面に相当する。図8は、図7のB−B断面に相当
する、作動流体の吐き出し動作の説明図、図9は、図7
における固定側渦巻体の巻き始め部を示す斜視図、図1
0は、固定側渦巻体の巻き始め部の他の実施例を示す斜
視図である。図7および図8において、本発明では略円
形状の吐出ポート7の中心を固定スクロール4の中心
O′、すなわち、基本渦曲線の原点(極)に設けてお
り、この吐出ポート7に合わせて固定側渦巻体5の一部
を切り欠く形で逃げ部5cを併設している。このような
構成により、圧縮された作動流体は図8の(a),
(b),(c)の順で、吐出ポート7を通って外部に吐
き出されるようになる。ここで、吐出ポート7の中心を
固定スクロール4の中心O′に設けているので、(b)
図に示すように吐出ポート7が通じている最内室6aの
容積が小さくなるまで作動室6,6と吐出ポート7の連
通が遮断されるためトップクリアランス容積を小さくで
きる。その後(c)図に矢印で示すように対の作動室
6,6がほぼ同時に吐出ポート7に連通するようにな
り、作動室6,6間の圧力アンバランスが防止されて振
動を低減できるとともに、作動流体がスムーズに吐き出
され過圧縮損失も低減されるようになる。固定側渦巻体
5の巻き始め部に形成された逃げ部5cは、図9に示す
ように、吐出ポート7の加工と同時に固定側渦巻体5の
巻き始め部の一部分を切り欠く形で設けてもいいし、図
10に示すように、固定側渦巻体5の加工時に渦巻体の
全幅(高さ)にわたって切り欠いて形成するようにして
もよい。以上により、性能,信頼性ともに優れたスクロ
ール形流体機械を提供することができる。
【0020】本発明の他の実施例を図11に示す。図1
1は、本発明のスクロール形圧縮機を適用した冷凍サイ
クル構成を示している。この冷凍サイクルは、本発明の
スクロール形圧縮機30,凝縮器31,膨張弁32,蒸
発器33から構成されている。また、本発明のスクロー
ル形圧縮機30は、それぞれ同一形状の渦巻体をもち、
渦巻体の厚みが渦巻きの巻き角に応じて連続的に変化す
る渦巻体によって形成された旋回スクロール1と固定ス
クロール4,旋回スクロール1を回転するクランク軸
9,クランク軸9を軸支するフレーム15,旋回スクロ
ール1の公転運動は許容し自転運動を防止するオルダム
リング16,クランク軸9を駆動するモータ17それに
吸入パイプ18と吐出パイプ19からなる。
【0021】このように構成されたスクロール形圧縮機
において、モータ17に通電することによりクランク軸
9が回転し、旋回スクロール1はオルダムリング16に
より自転することなく公転運動し、図2の作動原理図に
示したように両スクロール1,4間で冷媒の圧縮作用が
行われる。圧縮された高温・高圧の冷媒は矢印のように
吐出パイプ19から凝縮器31に流入し、熱交換を行っ
て液化し、膨張弁32で絞られて断熱膨張して低温・低
圧となり、蒸発器33により熱交換してガス化された
後、吸入パイプ18を経てスクロール形圧縮機30に吸
入される。この冷凍サイクルは、冷凍あるいは冷房専用
のサイクルであるが、本発明のスクロール形圧縮機を搭
載しているので、(1)渦巻体の巻き始め部形状を改変
し、トップクリアランス容積が小さい状態で吐出ポート
を大きく設定化でき、かつ、容積変化速度も遅くできる
ため、吐出圧力損失が低減され圧縮機の効率が大幅に向
上する。(2)渦巻体間の流体の内部漏れが低減でき、
寸法小型化により軸受荷重が低減されるため圧縮機の信
頼性が大幅に向上する。これより、エネルギ効率に優
れ、信頼性の高い冷凍・空調システムが得られる。
【0022】これまでに述べた実施例では、スクロール
形流体機械として圧縮機を例に挙げて説明したが、本発
明はこれ以外に膨張機,ポンプにも適用することができ
る。また、本発明ではスクロールの運動形態として、一
方のスクロールが固定しもう一方のスクロールが任意の
旋回半径で自転せずに公転運動を行う形式としたが、相
対的に上記の運動と等価な運動形態となる両回転式のス
クロール形流体機械にも適用することができる。さら
に、渦巻体の基本渦曲線として数1で表される代数螺線
を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
本発明で明らかにした渦巻体の構成法は、渦巻きの曲率
が連続的に変化するなめらかな任意の渦曲線に適用する
ことができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、基本的な渦曲線とし
て、数1で表される代数螺線を用い、例えば、渦巻体の
巻き始め部の壁厚を厚くする場合は、巻き始めの特定区
間における代数螺線の係数a、または代数螺線の指数k
を偏角θの関数で表して残りの区間よりも大きくなるよ
うにし、この改変した基本渦曲線をベースにして渦巻体
を形成することにより容易に渦巻体の巻き始め部の壁厚
を厚く改変することができる。このため、吐出ポート径
を大きくすることができるとともに、作動室の容積変化
速度もおそくなり、過圧縮損失を大幅に低減することが
できる。
【0024】また、基本渦曲線の原点(極)近傍に略円
形状の吐出ポートの中心を形成することによりトップク
リアランス容積が小さい状態で圧縮行程にある対の作動
室がほぼ同時に吐出ポート部に連通するようになり、作
動室間の圧力アンバランスが防止されて振動を低減で
き、過圧縮損失も低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスクロール形状を示す平面図。
【図2】本発明におけるスクロール圧縮機の作動の原理
図。
【図3】本発明におけるスクロール形状の構成法の説明
図。
【図4】本発明における指数kの変化を示す説明図。
【図5】本発明における係数αによる渦巻体の巻き始め
部の説明図。
【図6】本発明における係数αによる容積変化特性図。
【図7】本発明におけるスクロール要部縦断面図。
【図8】本発明における吐出動作の説明図。
【図9】本発明における固定側渦巻体の巻き始め部を示
す斜視図。
【図10】本発明における他の実施例を示す固定側渦巻
体の巻き始め部を示す斜視図。
【図11】本発明におけるスクロール圧縮機を搭載した
冷凍サイクルの説明図。
【符号の説明】
1…旋回スクロール、2…旋回側渦巻体、2a…旋回外
側曲線、2b…旋回内側曲線、3…端板、4…固定スク
ロール、5…固定側渦巻体、5a…固定外側曲線、5b
…固定内側曲線、6…作動室、7…吐出ポート。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端板とこれに直立している渦巻体とで形成
    された二つのスクロール部材が渦巻体を内側に向けた状
    態で互いにかみ合っており、一方のスクロール部材が他
    方のスクロール部材に対して見かけ上自転しないように
    所定の旋回半径で公転運動するものにおいて、渦巻体を
    構成する基本渦曲線として極座標形式で動径r,偏角
    θ,代数螺線の係数a,代数螺線の指数kとしたとき、
    以下の式で表される代数螺線を用い、偏角θの特定区間
    だけ代数螺線の係数a、または代数螺線の指数kを変化
    させ、この基本渦曲線の包絡線により渦巻体の内側曲線
    および外側曲線を形成したことを特徴とするスクロール
    形流体機械。 【数1】
  2. 【請求項2】請求項1において、基本渦曲線の巻き始め
    部の区間の代数螺線の係数a、または代数螺線の指数k
    を変化させたスクロール形流体機械。
  3. 【請求項3】請求項1において、略円形状の吐出口の中
    心を基本渦曲線の原点近傍に形成したスクロール形流体
    機械。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のスクロール形流体機械を
    用いた冷凍・空調システム。
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Cited By (7)

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