JPH07270137A - スポット光走査型3次元視覚センサ - Google Patents

スポット光走査型3次元視覚センサ

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JPH07270137A
JPH07270137A JP31240194A JP31240194A JPH07270137A JP H07270137 A JPH07270137 A JP H07270137A JP 31240194 A JP31240194 A JP 31240194A JP 31240194 A JP31240194 A JP 31240194A JP H07270137 A JPH07270137 A JP H07270137A
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spot
spot light
light beam
dimensional
detection
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JP31240194A
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伸介 ▲榊▼原
Shinsuke Sakakibara
Shin Yamada
慎 山田
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Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理時間の高速化が可能で経済性にも優れ、
被計測対象物の稜線部、凹部や凸部の縁部など被計測対
象物の外形の特徴部分を実時間で効率的に検出し得る3
次元視覚センサの提供。 【構成】 1はスポット光光源としてのレーザ、2,3
は各々Xスキャナ、Yスキャナであり、これらはスポッ
ト光ビームのプロジェクタを構成する。Xスキャナ2、
Yスキャナ3は各々偏向ミラーMX,MYを備え、その
偏向角θx ,θyに応じた方向に向けてスポット光ビー
ムGを投射する。PSD6はプロジェクタと適宜の距離
をおいて配置され、そのレンズ5を介して被計測対象物
となるワーク4上に形成されるスポットPを検出する。
スポット光ビームGを連続的に高速走査しながら、PS
D6の出力、その1次/2次微分データを得れば、スポ
ット光ビームGの投射方向を表わすデータと併せ、凹部
4bの縁部の検出、その3次元位置データを簡便に取得
することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばロボットによる
機械部品の組立作業のように、ロボットあるいは他の各
種FA機器を用いて自動化作業を行う製造ライン等にお
いて使用される視覚センサに関し、更に詳しく言えば、
スポット光走査ビームを被計測対象物に投射し、被計測
対象物上に形成された輝点を1次元位置検出型の検出器
(PSD)で観測して被計測対象物の3次元的な位置、
姿勢、形状等を計測(以下、単に「3次元計測」とい
う。)する3次元視覚センサに関する。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボット、各種FA機器を用いて
各種作業を自動化するシステムを構築する場合や、知能
ロボットのインテリジェント化を図る場合においては、
視覚センサの果たす役割が大きい。特に、ロボットを含
むシステムによる作業の自動化において、ワークの位
置、姿勢、形状等の計測に視覚センサが多く用いられて
いる。
【0003】このような用途を有する視覚センサは、そ
の機能によって、2次元測定用のものと、3次元測定用
のものとに分けられるが、被計測対象物の3次元的な位
置、姿勢、形状等を計測する必要がある場合には、後者
の3次元視覚センサが使用される。従来の3次元視覚セ
ンサは、一般に、ビデオカメラで捕捉された2次元画像
上の点の3次元位置を定める為の手段を備えている。該
手段として種々の型のものが提案されているが、その多
くは三角測量の原理を応用したもので、中でもスリット
状の光を対象物に所定の方向から投射し、対象物上に周
辺よりも高輝度の光帯を形成させ、これをビデオカメラ
で観測して対象物の3次元計測を行なうものが代表的で
ある。
【0004】このようなスリット光投射方式の3次元視
覚センサは、計測範囲が狭くなり易く、被計測対象物の
存在位置にばらつきがある場合には、スリット光を走査
する為の光学系が必要なことや、設定されたスリット光
によって形成される光帯と平行な方向に延在するエッジ
部分の計測を行なう為にはスリットの方向が互いに異な
る2台の投光器とその制御機構を設ける必要が生じる等
の問題があった。
【0005】更に、従来技術においては、スリット光束
を生成する手段として円柱レンズ(シリンドリカルレン
ズ)を用いることが通常であり、投光器と被計測対象物
の間の距離や被計測対象物の大小に応じてスリット光束
のサイズを変更する為には、円柱レンズを交換しなけれ
ばならず、極めて不便であった。また、遠方に置かれた
比較的大寸法の被計測対象物にスリット光を投射する為
にレーザ光源からの光を大きく拡張してスリット光束を
形成した場合には、投射される光帯の照度が低下するこ
とが避けられない。
【0006】そこで、本出願人はこれらの問題点を回避
する為に、旧来用いられていたスリット光に代えてスポ
ットビームで被計測対象物を走査して対象物の被計測部
分を横切る光帯を形成しながらこれをビデオカメラで観
測し、得られた画像を画像処理装置を用いて解析するこ
とによって対象物の3次元位置情報を得る方式の3次元
視覚センサに係る発明を出願している(特願平5−32
407号)。
【0007】この方式によれば、スポット光ビームを高
速偏向走査する手段を有する投光装置によって3次元計
測に必要な光投射が行われるので、被計測対象物の遠
近、大小、存在方向、形状、最終的に必要な3次元情報
の内容、精度等に自在に適応した光帯を形成することが
可能となると共に、光源の発する光量を3次元計測に有
用な部分に集中させて明るい光帯を形成させた条件下で
ビデオカメラによる観測を行うことが可能となるから、
作業効率と測定精度に優れた3次元計測が実現される等
の長所がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
リット光を投射する旧来型あるいはスポット光走査型の
3次元視覚センサのいずれにおいても、対象物上に形成
される光帯をCCDアレイ等を備えたカメラで2次元画
像として取り込み、これを連続的な1次元アナログ信号
に変換した後、画像処理装置に転送して2次元信号への
再変換とデジタル信号化を行なった上で、フレームメモ
リに蓄えて画像処理を実行するという形がとられるの
で、膨大な記憶容量を有するフレームメモリが必要とさ
れる。
【0009】また、画像の転送、変換、メモリへの書込
/読出等に時間を要する為、画像処理自体のアルゴリズ
ムに相当する部分を高速化することが出来たとしても、
全体の処理時間を短縮することには限界が生じていた。
更に、画像処理自体についても、汎用のプロセッサを使
用してフレームメモリ内に蓄えられた画像データを処理
する為にメモリアクセスに時間をとられることも、処理
速度に限界を与える要因となる。そして、通常の画像処
理においては、変換、転送、デジタル化等の処理を画面
全体分の信号に対して行われ、また、画像処理自体も全
画面のデータを汎用プロセッサ等で処理することが行な
われているから、対象物についての必要な3次元情報を
得る上で不必要なデータまで含む膨大な処理を実行して
いることになり、3次元視覚センサ装置全体が高価とな
るにも拘らず非効率的であった。
【0010】前記CCDを用いた3次元視覚センサの他
に、スポット光ビームによって形成された輝点を観測す
る位置検出型検出器として2次元位置検出機能を有する
位置検出型検出器(2次元PSD)を用いたものや、ス
ポット光ビーム投射手段としてポリゴンミラーを用いた
用いたものがある。しかし、前者は装置全体を安価に構
成する上で不利である。また、後者にはスポット光ビ−
ムの投射方向を2次元的にランダムに制御出来ず、従っ
て、計測途中において先行して得られた検出出力に基づ
いて以降のスポット光ビ−ムの投射方向を自由に選択す
るというような制御は実行出来ない。
【0011】本願発明の基本的な目的は、このような従
来技術の問題点を克服し、処理時間の高速化が可能で経
済性にも優れた3次元視覚センサを提供することにあ
る。更に、本願発明は、被計測対象物の稜線部、凹部や
凸部の縁部など被計測対象物の外形の特徴部分を効率的
な計測プロセスによって簡単に検出し得る3次元視覚セ
ンサを提供することを企図したものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記目的を
達成する為の基本的な構成として、「投射方向を2次元
的にランダムスキャン制御し得るスポット光ビーム投射
手段と、該スポット光ビームが被計測対象物に入射した
位置に形成されるスポット状輝点を検出する1次元位置
検出型光検出手段と、前記スポット光ビームの投射方向
と前記位置検出型光検出手段の検出出力に基づいて前記
被計測対象物上に形成された前記スポット状輝点の位置
を決定する手段を備えたスポット光走査型3次元視覚セ
ンサ」、を提案したものである。
【0013】また、特に、被計測対象物の稜線部、凹部
や凸部の縁部など被計測対象物の外形の特徴部分を簡単
に検出し得る構成として、「投射方向を2次元的にラン
ダムスキャン制御し得るスポット光ビーム投射手段と、
該スポット光ビームが被計測対象物に入射した位置に形
成されるスポット状輝点を検出する1次元位置検出型光
検出手段と、前記スポット光ビームの投射方向と前記1
次元位置検出型光検出手段の検出出力に基づいて前記被
計測対象物上に形成された前記スポット状輝点の位置を
決定する手段と、前記スポット光ビームの投射方向を連
続的に変化させた時に得られる前記1次元位置検出型光
検出手段の検出出力の変化に基づいて被計測対象物の外
形特徴部を検出する手段を備えたスポット光走査型3次
元視覚センサ」、を併せて提案したものである。
【0014】更に、計測プロセスの途上において、先行
して得られた検出出力に基づいて以降のスポット光ビ−
ムの投射方向を自由に選択し、計測プロセス全体をより
効率化することを可能にするために、「計測プロセスの
途上において、先行して取得された前記位置検出型検出
器の検出出力に基づいて、それ以降の前記スポット光ビ
ーム投射方向を変化させるように前記ランダムスキャン
制御を行なわせる手段を更に備えている」、と言う要件
を上記各構成に課したものである。
【0015】
【作用】本願発明の3次元視覚センサは、投光方向を2
次元的なランダムスキャン制御により高速で自由に変え
ることの出来るスポット光投射手段と1次元位置検出機
能を有する位置検出型の検出器(PSD;Position Sen
sing Detector の略称。以下、この略称を使用する。)
を利用した光学式変位センサに相当する手段を組み合わ
せて計測系を構成することにより、被計測対象物の遠
近、大きさ、形状や必要とする3次元位置情報に応じた
自在な計測をより効率的に行えるようにしたものであ
る。
【0016】スポット光投射手段によって被計測対象物
上に形成されたスポット状の輝点はPSDの検出面上に
投影される。投影された輝点像の位置(一般には、重心
位置)が簡単な電気的な出力で取り出される。従って、
スポット光投射手段からのスポット光ビームの投光方向
を2次元的なランダムスキャン制御により高速で変化さ
せた時、輝点像の位置の変化を連続的に変化する信号と
して取り出し、これを実時間的に処理することが可能で
ある。
【0017】この特徴を生かし、スポット光ビームの投
光方向を2次元的に高速で変化させながらPSDの検出
出力の変化(例えば、検出出力レベルの不連続な変化)
に基づいて、被計測対象物の外形特徴部(凹部、凸部、
稜線部等)を実時間で高速に検出することが出来る。こ
のような特徴は、検出面上の輝点像の位置を求めるため
に画像処理を要したCCDアレイを用いた従来方式では
事実上期待し得ないものである。
【0018】ここで、本願発明の原理の理解を容易にす
るために、レーザ変位センサの基本的な構成と計測原理
について、図1を参照して説明しておく。同図を参照す
ると、符号1はスポット光光源としてのLD(半導体レ
ーザ)で、その出射光はコリメータレンズ2で平行化さ
れ、更に集光レンズ3によりビーム径が絞られて、被計
測対象物4上にスポット光として投射される。この投射
スポット光像をレンズ5を介して1次元的な位置検出機
能を有するPSD(位置検出型光検出器)6の検出面上
に検出スポット像として入射させる。被計測対象物4の
位置が入射光の光軸Gに沿って変位(P→P’)する
と、検出スポット像もPSD上で移動する(Q→
Q’)。
【0019】1次元的な位置検出機能を有するPSD6
は、スポット光の入射位置に応じて2つの電流出力I1
、I2 のを生成するもので、I12=(I1 ―I2 )/
(I1+I2 )がPSD上での入射位置を表わす基本式
である。各電流出力I1 、I2を電流電圧変換回路7で
電圧V1 、V2 に変換し、演算回路8により演算Δ12=
(V1 ―V2 )/(V1 +V2 )を行えば、光軸G上に
おける検出スポット光(輝点)の位置が判り、それに基
づいて被計測対象物4の3次元位置(投射スポット光に
よって形成された輝点の3次元位置)を求めることが出
来る。適当なキャリブレーションを実行しておけば、光
軸G上の基準点を原点とする位置データが求められる。
【0020】なお、符号10は、LD1の出力光強度を
モニタする為にLD1に付属装備されたモニタ光検出器
で、その出力に基づいてコントローラ11を介して光源
駆動回路12が制御され、LD1の出力光強度が一定に
保たれる。
【0021】以上がレーザ変位センサの基本的な構成と
計測原理であるが、ここでLD1の入射ビームを偏向走
査可能なものとすれば、被計測対象物上においてスポッ
ト光が形成される位置が3次元的に移動し、それに応じ
てPSD上のスポット像入射位置が2次元的に変化す
る。従って、入射ビームの偏向走査状態を表わす量(例
えば、偏向ミラーの偏向角)とPSDへのスポット像入
射位置検出結果に基づいて、被計測対象物上におけるス
ポット光形成位置を求めることが可能になる。以下、こ
れを具体的に説明する。
【0022】図2は、上記原理に従って3次元計測を行
なう為の基本配置を例示したものであり、各要素の符号
は図1に準じて付されている。図中、1はスポット光光
源としてのレーザ、2,3は各々Xスキャナ、Yスキャ
ナであり、これらはスポット光ビームのプロジェクタP
Rを構成している。Xスキャナ2、Yスキャナ3は各々
偏向ミラーMX,MYを備えており、その偏向角θx ,
θy に応じた方向に向けてスポット光ビームGを投射す
る。
【0023】一方、PSD6はプロジェクタPRと適宜
の距離をおいて配置され、そのレンズ5を介して被計測
対象物4上に形成されるスポット状輝点(以下、単に
「輝点」と言う。)Pを検出する。ここで、PSD6の
レンズ乃至レンズ系(以下、単にレンズと言う。)5の
光心を原点Oとし、X軸方向をレーザ1からのレーザビ
ーム出射方向にとり、Z軸方向をPSD6の光軸に一致
させた座標系Σを定義し、偏向ミラーMX,MYの回転
軸の方向を図示した通り、Z軸及びX軸方向に平行に設
定するものとする。
【0024】また、PSD6として1次元的な位置検出
機能を有するものを使用し、検出面6a上の基準線位置
6bから測った検出点QのX軸方向成分qの関数で検出
出力が得られるようにその姿勢を定めるものとする。
【0025】そして、レンズ5に関するPSD6の検出
面6aのイメージプレーンH(検出面6aのレンズ5に
よる像形成面)がX’Y’平面と一致し、原点O’が座
標系ΣのZ軸上に乗るように座標系Σ’を定義する。P
SD6は、被検対象物4の検出対象面がこのイメージプ
レーンHの近辺(レンズ5による輝点Pの像が検出面6
b上でぼけない範囲、一般的にはレンズ5の焦点深度の
範囲内)に来るように配置される。図では、被検対象物
4のプロジェクタPRに対向する面4aの手前側にイメ
ージプレーンH(X’Y’平面)がある状態が描かれて
いる。
【0026】プロジェクタPR、被計測対象物4、PS
D6及び座標系Σ、Σ’に以上の関係を想定した場合、
各偏向ミラーMX,MYの配置位置等を含むプロジェク
タの装置定数と各偏向角θx ,θy によってスポット光
ビームGを表現する直線の方程式が決まり、輝点Pの位
置は被計測対象物4の面4aと直線Gの交点として与え
られることになる。座標系Σ上における輝点Pの位置ベ
クトルを<r>で表わすことにする。
【0027】各偏向ミラーMX,MYの偏向角θx ,θ
y を、次式(1),(2)で表わされるように、各々微
小角Δθx 及びΔθy を最小単位としてセット値(m,
n;但し、m,nは0または正整数)を指定する形でデ
ィスクリートに制御することを考えると、このセット値
(m,n)に応じてスポット光ビームGを表わす方程式
が一意的に決まり、これに対応するイメージプレーンH
との交点位置Hmnも決定されることになる。座標系Σ上
における点Hmnの位置ベクトルを<hmn>で表わすこと
にする。
【0028】 θxm=θx0+mΔθx ・・・(1) θyn=θy0+nΔθy ・・・(2) ここで、θx0,θy0は、各偏向ミラーMX,MYの最小
偏向角度である。各偏向ミラーMX,MYの偏向角を指
定するセット値(m、n)の集合を考えると、この集合
に対してほぼ格子状に並ぶ交点位置Hmnの集合が1対1
で対応する。従って、スポット光ビームGの投射状態
(Gmn)をこのイメージプレーンH上の交点位置Hmnで
代表させることが出来る。ここで、交点Hmnに対応する
検出面6a上の検出点をKmnとし、Kmnに対するq値
(基準線6bからの符号付きの偏差)をkmnとし、点H
mnからPへ向かうベクトルを<Δrmn>で表わした場
合、上述したレーザセンサの測距原理から理解されるよ
うに、輝点Pに対応する検出面6a上の検出点QのX座
標値qは、直線Gmn上における点Hmnと点Pの位置の違
いに応じて点Kmnの座標値kmnと異なった値を有するこ
とになり、その相違量をΔqmnとすれば、 Δqmn=q−qmn ・・・(3) と表わされる。そして、直線Gmn上における点Hmnと点
Pの位置の違いを点HmnからPへ向かうベクトル<Δr
mn>で表わすと、ベクトル<Δrmn>の方向は(m,
n)で決っており(直線Gmnの方向と一致)、向きと大
きさはΔqmnに依存したPSD6の検出出力て決まる。
この依存関係を次式(4)で表せば、下記の(5)が成
立する。 <Δrmn>=<gmn>×fmn(Δqmn) ・・・(4) <r>=<hmn>+<Δrmn> =<hmn>+<gmn>×fmn(Δqmn) ・・・(5) ここで、<gmn>は、スポット光ビームの方向に一致す
る方向を向いた単位ベクトルである。
【0029】点Hmnの位置を表わす<hmn>、スポット
光ビームの方向に一致する方向を向いた単位ベクトル<
gmn>及び依存関係fmn(Δqmn)を具体的に表わすデ
ータは、いずれも視覚センサシステムの設計データある
いは適当なキャリブレーションによって事前に獲得し得
るものである。
【0030】従って、これらデータを、すべてのm,n
乃至適当な刻みで選択されたm,nについて、予め3次
元視覚センサのメモリに用意しておき、必要に応じてこ
れを読み出して上記(5)式に相当する計算を実行すれ
ば、輝点Pの3次元位置を求めることが出来る。なお、
このようなイメージプレーンH上の点Hmnを基準にした
データではなく、偏向角(θx ,θy )とPSD6の検
出出力の値から直接的に輝点Pの3次元位置を決定する
テーブルデータ、計算式等を準備しておく方式を採用す
ることも可能である。
【0031】次に、本願発明の3次元視覚センサにおけ
る被計測対象物外形特徴部分(稜線部、凹部や凸部の縁
部など)の検出原理について説明する。図3は、被計測
対象物の特徴部分(ここでは、凹部の縁部)をY軸方向
に沿ってスポット光ビームで走査した場合のPSD6の
出力変化を概念的に説明したもので、(1)は凹部周辺
におけるスポット光ビーム入射位置の推移を断面図で表
わしており、(2),(3),(4)は各々その際のP
SD6の検出出力の推移、1次微分の推移、2次微分の
推移を表わしている。
【0032】図3(1)において、4は被計測対象物で
4bは奥行き方向(Z軸方向)に形成された凹部であ
る。この凹部がY軸方向に縦断するように偏向ミラーM
Yからスポット光ビームがG1 〜G5 の走査範囲で走査
される場合を考える。スポット光ビームと凹部4bが図
示された位置関係にあるケースでは、スポット光ビーム
の偏向方向がG1 →G2 →G3 →G4 →G5 と連続的に
推移した場合のスポット光状輝点位置は、P1 →P2 →
P3 →P4 →P5 と推移する。P2 →P3 の位置変化は
不連続に起る。
【0033】このような推移があった場合のPSD6の
出力推移は、図3(2)に示したようなパターンを描く
ことになる。即ち、輝点がP1 〜P2 間では、被計測対
象物4の外形にZ軸方向の変化が無いことに対応してP
SD出力はほぼ一定値で推移する。しかし、P2 からP
3 に輝点位置がジャンプすると、これに対応してPSD
出力が不連続に変化する。P3 〜P4 の間は再び外形に
Z軸方向の変化が無いことに対応してPSD出力はほぼ
一定値で推移し、P4 〜P5 では輝点位置がZ軸方向に
連続的に変化することに対応して、PSD出力も連続的
に変化する。そして、P5 〜P6 間では、再度被計測対
象物4の外形にZ軸方向の変化が無い区間に入り、PS
D出力はほぼ一定値で推移する。
【0034】このようなPSD出力の推移の1次微分及
び2次微分は、図(3)及び(4)のようなパターンを
有するグラフとなる。これらのグラフから判るように、
輝点の奥行き方向位置が不連続に変化する部分では1次
微分に明確なピークが現れ、輝点の奥行き方向位置の連
続的な変化の開始/終了部分では2次微分に明確なピー
クが現れるということである。
【0035】従って、PSD6の出力の1次微分及び2
次微分のピークを検出することによって、被計測対象物
4の3次元的な特徴部(縁部、稜線部など)を検出出来
る。1次微分及び2次微分のピーク検出は、近接した2
点以上におけるPSD出力の「差分」及び「差分の差
分」を計算し、適当なしきい値と比較することによって
実行することが出来る(後述、実施例参照)。
【0036】以上が本願発明のスポット光走査型3次元
視覚センサにおける3次元位置データの取得原理及び外
形特徴部分の検出方法であるが、実際の計測にあたって
は、被計測対象物の全表面の正確な3次元位置データを
必要とすることは稀であり、凹凸部の縁部、稜線等の特
徴部分についてのみ3次元位置データを収集し、それに
基づいて被計測対象物の位置や姿勢の計測、形状判定等
を行なえば良い場合が殆どである。従って、次に述べる
実施例に示したように、プロジェクタによるスポット光
ビーム走査の利点を活かし、計測目的に応じて必要な部
分を選択的に走査すると共に特に重要な部分(例えば、
縁部周辺)については他の部分よりも密な走査を行なっ
て3次元位置データを獲得する形態をとることが望まし
い。
【0037】従来のカメラ手段によって得られた画像デ
ータを蓄積してこれを解析する方式ではこのような選択
的な情報取得やデータ収集密度の粗密制御は困難である
のに対し、本願発明では投射方向を自在に選択しながら
3次元位置情報を収集出来るから、選択的な情報取得や
データ収集密度の粗密制御が容易となる。また、収集し
たデータの記憶/読み出し/演算等の処理に大容量のフ
レームメモリや高性能の画像処理プロセッサを用意する
必要がなく、データ処理時間が短縮されることも本願発
明の特徴である。
【0038】
【実施例】図4は、本願発明のスポット光走査型3次元
視覚センサを円形の凹部4bを有するワークの円形凹部
中心4cの3次元位置計測に適用した事例における全体
配置を表わしたものである。同図に示されている3次元
視覚センサの各構成要素及びスポット光ビームGmn、輝
点P、イメージプレート上の対応点Hmn、検出点Q等に
ついての相互位置関係は、図2に示したものと基本的に
同じであり、それらに準じた符号が付されている。
【0039】即ち、1はスポット光光源としてのレー
ザ、2,3は各々Xスキャナ、Yスキャナであり、これ
らはスポット光ビームのプロジェクタを構成する。Xス
キャナ2、Yスキャナ3は各々偏向ミラーMX,MYを
備え、その偏向角θx ,θy に応じた方向に向けてスポ
ット光ビームGを投射する。PSD6はプロジェクタと
適宜の距離をおいて配置され、そのレンズ5を介して本
実施例における被計測対象物となるワーク4上に形成さ
れるスポットPを検出面6a上で検出する。PSD6と
しては、1次元的な位置検出機能を有するものを使用
し、基準位置6aから測った検出点QのX軸方向成分q
に依存した検出出力が得られるようにその配置姿勢が設
定されている。
【0040】そして、図2における描示と同じく、レン
ズ5に関するPSD6の検出面6aのイメージプレーン
HがX’Y’平面と一致し、原点O’が座標系ΣのZ軸
上に乗るように座標系Σ’が定義されている。ワーク4
は、凹部4bを有する面4aがプロジェクタPRに対向
するように配置され、面4aの手前側にイメージプレー
ンH(X’Y’平面)があるものとする。面4aはイメ
ージプレーンHに対してやや傾斜した関係にあるものと
する。
【0041】図5は本願発明の3次元視覚センサのシス
テム構成の1例を要部ブロック図で示したものである。
システム全体は、図3に示したプロジェタPRとPSD
6に加えて主制御装置20、プロジェタPRを制御する
プロジェクタ制御装置30並びにPSD6の検出信号の
処理回路を含むPSD検出信号処理装置40から構成さ
れている。
【0042】主制御装置20は、マイクロプロセッサか
らなる中央演算処理装置(以下「CPU」と言う。)2
1を備え、CPU21には所要の記憶容量を有するRO
Mメモリ22及びRAMメモリ23、キーボード24及
び入出力装置(I/O)25が、バス26を介して接続
されている。また、プロジェクタ制御装置30及びPS
D検出信号処理装置40にも同様に、所要の処理能力を
有するCPU31、41、所要の記憶容量を有するRO
Mメモリ、RAMメモリ、入出力装置(I/O)等が装
備されている(個別の図示は省略)。
【0043】主制御装置20、プロジェクタ制御装置3
0、PSD検出信号処理装置40相互間、プロジェクタ
制御装置30とプロジェクタPR及びPSD検出信号処
理装置40とPSD6は、各入出力装置を介して接続さ
れており、各装置のメモリに格納されたプログラムに基
づくソフトウェア処理の為の指令あるいはデータの授受
が行なわれる。
【0044】主制御装置20のキーボード24は、シス
テム各部に必要な設定値やプログラムの記憶・編集・転
送、あるいは実行プログラムの指定・起動等を主制御装
置20のCPU21を介して実行する為の指令を入力す
る為に使用出来る。プロジェクタPRは、前記(1),
(2)式に関連して述べたように、偏向ミラーMX及び
MYの偏向角θx ,θy を微小角Δθx 及びΔθy 刻み
で指定して制御出来るものとする。例えば、前記
(1),(2)式における走査開始偏向角をθx0=θy0
=90°に設定し、Δθx =Δθy =0.1°とすれ
ば、(θx ,θy )の値は、m,nを0または任意の正
整数1,2,3・・・として、(90.0°+m×0.
1°,90.0°+n×0.1°)で表わされる。
【0045】本実施例では、主制御装置20、プロジェ
クタ制御装置30及びPSD検出信号処理装置40にソ
フトウェア処理を割り当てて、次の様な疎密/局所繰り
返し走査方式によるスポット光ビーム走査を遂行し、円
形凹部4bの中心位置、半径及び向き(面4aの向き)
を計測するプロセスについて述べることにする。説明を
判り易くする為に、先ず、本実施例における疎密/局所
繰り返し走査方式の概要について説明する。
【0046】図6は本実施例におけるスポット光ビーム
Gの走査経路全体の概略を示した図である。同図におい
て、4は被計測対象物で4bはその円形凹部である。凹
部4bは外側縁部4cと内側縁部4dを有している。P
start ,Pend は指定された偏向ミラーMX,MYの走
査開始/終了偏向角に対応する輝点位置である。ここで
は、被計測対象物4の位置にはそれほど大きなバラツキ
が無く、図示された近辺にPstart ,Pend が形成さ
れ、これらの点を対角線とする四辺形の中に円形凹部4
bが収まるという条件はワーク4が変わっても崩れない
ものとする。
【0047】走査は上記四辺形領域の中で、縦ピッチα
をα=10α0 、横ピッチβをβ=β0 として、X軸方
向の走査位置をβ0 づつづらせながらY軸方向のピッチ
10α0 毎に輝点を一旦停止させることを繰り返す疎モ
ード走査に、縦ピッチαについてα=α0 のピッチでY
軸方向に走査を行なう密モード走査を組み合わせたもの
とする。
【0048】密モードは、図中50,60,70で例示
したような外形の特徴部(奥行き方向に位置変化を生じ
る変化部分)の近傍について、疎モードの1ピッチ分
(10α0 )だけ走査位置を後戻りさせてから、再度α
0 刻みでY軸方向に走査位置を変えていく局所繰り返し
走査を行なうものである。このような密走査モードによ
る繰り返し走査を行なうべき特徴部の特定は、疎モード
走査実行中にPSD6の出力の1次微分及び2次微分を
繰り返しチェックすることによって行なわれる(図3関
連説明及び後述する処理フローチャートを参照)。そし
て、この密走査モード時には、作用の説明の欄で述べた
3次元位置計測原理に基づいて、当該特徴部の3次元位
置データが取得される。
【0049】図7は、1例として符号50及び60で示
した特徴部分領域の近傍における繰り返し走査経路を拡
大描示したものである。これを簡単に説明すると、図中
下方からスポット光ビームは疎走査モード状態にあり、
先ずA点に輝点を形成し、PSD6の出力を得た上でピ
ッチα=10α0 ででB点に移動し、B点についてPS
D6の出力を得る。AB間に縁部は存在しないから、ス
ポット光ビームは再びピッチα=10α0 でC点に移動
して輝点を形成し、C点についてPSD6の出力を得
る。
【0050】今度は、作用の説明の欄で述べた原理によ
り、点Bと点Cの間に縁部4cが存在していることが検
出される(ここでは、輝点形成位置に大きな跳躍は無い
から2次微分ピークで検出)。すると、スポット光ビー
ムは、B点に戻り、ピッチα=α0 の密モード走査を開
始する(局所繰り返し走査)。B7 とB8 の間では、P
SD6の出力の1次/2次微分信号から再度縁部4cが
検出されると共に、その3次元位置が計算される。する
と、再度疎モードに復帰して、走査スポット光ビームは
点B8 から10α0 離れた点Dに移動する。ところが、
B8 D点間には、縁部4dが存在しているので、D点の
次は再びB8 点に戻り、ピッチα=α0 として密モード
走査を再度開始する。C4 とC5 の間でPSD6の出力
の1次/2次微分から縁部4dが検出されると共に、そ
の3次元位置が計算される。そして、再び疎走査モード
に復帰して、スポット光ビームは点C5 から10α0 離
れたE点へ移動する。
【0051】結局、領域50,60近辺における走査経
路は、・・・A→B→C→B→B1→B2 →B3 →B4
→B5 →B6 →B7 →B8 →D→B8 →B9 →C→C1
→C2 →C3 →C4 →C5 →E・・・となる。
【0052】以上、スポット光ビームGの走査の概要に
ついて説明したので、以下、図5に示したシステム構成
を有する3次元視覚センサを用い、被計測対象物4が有
する円形凹部4bの3次元位置情報を得る為のソフトウ
ェア処理について説明する。
【0053】ソフトウェア処理全体は、次の4つのアル
ゴリズムALG1〜ALG4を実行するものであり、各
アルゴリズムに従った処理はCPU21、31、41に
適宜割り当てられる。ここでは、()内に付記した割当
を採用する。各アルゴリズムに対応した処理は、相互に
連携した形で実行される(具体的には後述)。
【0054】ALG1:投光位置決定アルゴリズム(C
PU31)=プロジェクタPRによるスポット光ビーム
の投光位置(偏向ミラーMX,MYの偏向角θx ,θy
)を順次決定し、上記説明した通りのスポット光ビー
ム走査を実行する為のアルゴリズム。下記のALG2及
びALG3の処理結果を利用して、上記説明した疎/密
モード走査の切換制御及び局所繰り返し走査制御の処理
が含まれている。 ALG2:1次微分ピーク検出アルゴリズム(CPU4
1)=スポット光ビームの投光位置の移動に応じてPS
D6の位置検出出力の1次微分に相当する量をチェック
して、そのピークを検出する為のアルゴリズム。 ALG3:2次微分ピーク検出アルゴリズム(CPU4
1)=スポット光ビームの投光位置の移動に応じて、P
SD6の位置検出出力の2次微分に相当する量をチェッ
クして、そのピークを検出する為のアルゴリズム。 ALG4:3次元位置計算アルゴリズム(CPU41)
=プロジェクタPRによるスポット光ビームの密走査モ
ード時に検出される円形凹部の縁部のPSD検出出力
と、その時の投光位置(偏向ミラーMX,MYの偏向角
θx ,θy )を表すデータに基づいて、その円形凹部の
縁部の3次元位置を計算する為のアルゴリズム。なお、
ここでは、全走査によって得られた各円形凹部の縁部の
3次元位置計算結果に基づいて、円形凹部4bの中心位
置と姿勢を計算する処理が含まれている。
【0055】以上のアルゴリズムALG1〜ALG4を
実行するにあたっては、主制御装置20、プロジェクタ
制御装置30及びPSD検出信号処理装置40に対し、
予め次の準備がなされているものとする。
【0056】[プロジェクタ制御装置30] 1.図6に示した走査開始位置Pstart に対応した走査
開始偏向角(θx0,θy0)の設定。 2.縦ピッチα及び横ピッチβの単位量α0 及びβ0 に
対応する偏向角の大きさの設定。α0 はY軸方向偏向角
の制御最小単位Δθy 刻み、βはX軸方向偏向角の制御
最小単位Δθx 刻みで各々設定される。例えば、Δθx
=Δθy =0.1°として、α0 =0.1°,β=2.
0°の如く設定する。これらの値の大きさは、ワーク4
の大きさ、要求される計測精度、計測時間等に応じて定
めることが好ましい。 3.疎走査モードと密走査モードにおける縦方向ピッチ
αの大きさを表わす指標となるレジスタ領域の設定。レ
ジスタ値γはγ=α/α0 とする。従って、ここでは、
疎走査モード時にはγ=10であり、密走査モード時に
はγ=1となる。なお、疎密ピッチ比を10:1以外の
値とする場合には、疎走査モード時のγの値を所望の疎
密比に対応した別の値とすれば良い。
【0057】4.投光位置(偏向角度θx ,θy )を表
わす基本指標値を与えるカウンタレジスタ領域(以下、
「カウンタ」と言う。)をRAM内に設定する。カウン
タは、Y軸方向の投射位置移動量α0 毎に1を計数する
縦方向カウンタ(カウント値をiで表わす。)と、X軸
方向の投射位置移動量β0 毎に1を計数する横方向カウ
ンタ(カウント値をjで表わす。)を設定する。疎走査
モード(α=10α0 )では投射位置の移動に従って、
カウント値iは10づつ計数され、密走査モード(α=
α0 )では1づつ計数される。
【0058】5.図6に示した走査範囲に対応したi及
びjの上限値imax ,jmax の設定。計数値iが上限値
imax に達すると、j<jmax である限り、iはi=0
にリセットされる。i=imax でj=jmax の状態は、
走査経路の終点Pend (図6)を表わしている。
【0059】6.図8のフローチャートに示したALG
1(投光位置決定アルゴリズム)に従った処理を実行す
るプログラムのローディング。
【0060】[検出信号処理装置40] 1.PSD6の検出出力の1次微分相当量を計算/チェ
ックする為に使用される指標となる計数値tを生成する
カウンタの設定。
【0061】2.PSD6の検出出力の2次微分相当量
を計算/チェックする為に使用される指標となる計数値
t’を生成するカウンタの設定。
【0062】3.相前後する投光位置におけるPSD6
の検出出力値に基づいて1次微分ピークを検出する為の
しきい値Peak1及び2次微分ピークを検出する為の
しきい値Peak2の設定。
【0063】4.図9のフローチャートに示したALG
2(1次微分ピーク検出アルゴリズム)に従った処理を
実行するプログラムのローディング。
【0064】5.図10のフローチャートに示したAL
G3(2次微分ピーク検出アルゴリズム)に従った処理
を実行するプログラムのローディング。 [主制御装置20] 1.上記偏向開始角度θx0,θy0及び(i,j)で指定
される各投射位置(i=0,1,2・・・・imax ;j
=0,1,2・・・・jmax )について、前記作用の説
明の欄で述べたPSD6のイメージプレーン上における
各対応点(投光スポット光ビームとイメージプレーンの
交点)H(i,j)の3次元位置<h(i,j)>を表
わすテーブルデータの入力。 2.(i,j)で指定された状態におけるスポット光ビ
ームの方向に一致する方向を向いた単位ベクトル<g
(i,j)>のデータ、即ち、XYZ成分テーブルデー
タg(i,j)x ,g(i,j)y ,g(i,j)z の
入力。 3.(i,j)で指定された各状態下において、PSD
6の検出出力とイメージプレート上の対応点H(i,
j)からワーク4への入射点Pへ向かうベクトル<Δr
(i,j)>の向きと長さを表わすデータ(正負の数値
からなるテーブルデータ)の入力。
【0065】4.図11のフローチャートに示したAL
G4(3次元位置計算アルゴリズム)に従った処理を実
行するプログラムのローディング。
【0066】以上の準備の下に、ワーク4に対する3次
元計測の処理を開始する。以下、図8〜図11を並列的
に参照し、各アルゴリズムALG1〜ALG4の処理内
容をスポット光走査型3次元視覚センサの動作順序に即
して説明する。
【0067】先ず、主制御装置20が外部信号(例え
ば、ワーク4の計測位置への到着を知らせる外部信号、
図示省略)を受信すると、ALG1〜ALG4の処理が
ほぼ同時に開始される。処理開始時の各カウンタの設定
状態は図中に付記した通りである。ALG1〜ALG3
は、直ちにALG4のステップS4-1 からの投光指令を
受信する態勢に入る(ステップS1-1 ,S2-1 ,S3-1
)。
【0068】ALG4のステップS4-1 で投光指令が出
力されると、ALG1では、(i,j)で指定された方
向へスポット光ビームを投射する(ステップS1-2 )。
初回はi=j=1であり、プロジェクタ制御装置30に
設定された走査開始偏向角(θx0,θy0)に対応した方
向にスポット光ビームが投射され、図6のPstart で示
した位置に入射する。
【0069】ALG2及びALG3では、ステップS2-
2 ,S3-2 でその時点におけるスポット光ビーム入射点
(初回はPstart )に関するPSD検出出力を取り込
む。これをALG2ではpt と記し、ALG3ではpt'
と記すことにする。次いで、カウンタ値t,t’につい
て1あるいは2を越えたか否かがチェックされる(ステ
ップS2-3 ,S3-3 )。
【0070】初回は、t=t’=1であるから、ステッ
プS2-7 ,ステップS3-7 へ進み、ALG1のステップ
S1-3 (ピーク信号受信)へピーク検出信号(NO)を送
信し、カウンタt及びt’に1加算し(ステップS2-1
2,S3-12)、走査終了信号(NO)の受信を確認した上
で(ステップS2-13,S2-14,S3-13,S3-14)、ステ
ップS2-1 及びS3-1 へ戻り、次(2回目)の投光指令
を待つ。
【0071】ピーク検出信号(NO)をステップS1-3 で
受けたALG1では、ステップS1-4 からステップS1-
10へ進み、位置計算信号(NO)を出力してALG4のス
テップS4-2 (位置計算信号受信)へ送信する。そし
て、ステップS1-11でカウンタiに縦走査のピッチを表
わす指標γ(初回は疎走査に対応するγ=10)を加算
し、iが上限値imax を越えていないことを確認した上
で(ステップS1-13)、イニシャライズ信号(NO)をA
LG2のステップS2-9 及びALG3のステップS3-9
へ送信する(ステップS1-15)。このイニシャライズ信
号(Y/N)は、カウンタ値tあるいはt’を1にリセ
ットすることの肯否を表わす信号である。
【0072】ALG1では、ステップS1-15のイニシャ
ライズ信号(NO)の送信に引き続いて、走査終了信号
(NO)をALG2,3,4の各ステップS2-13,S3-1
3,S4-7 へ送信する。この走査終了信号は、図6にお
いて、投光位置がPend に到達したことの肯否(YES
/NO)を表わす信号である。
【0073】さて、ALG1のステップS1-10から位置
計算信号(NO)をステップS4-2 で受信したALG4で
は、ステップS4-3 からステップS4-7 へ進み、ALG
1ステップS1-21からの走査終了信号(NO)の受信を確
認した上で(ステップS4-8)ステップS4-1 へ戻り、
次の投光指令を出力する。
【0074】2回目の投光指令が出されると、ALG1
では(i,j)で指定された方向へスポット光ビームを
投射するが(ステップS1-2 )、今度はi=11,j=
1であるから、偏向角は(θx0+10α0 ,θy0)に対
応した方向にスポット光ビームが投射される(図6参
照)。
【0075】ALG2では、ステップS2-2 でスポット
光ビーム入射点(Pstart の次の投光点;図6参照)に
関するPSD検出出力p2 を取り込み、カウンタ値tに
ついて1を越えたか否かがチェックされる(ステップS
2-3 )。今度は、t=2となっているから、ステップS
2-3 からステップS2-4 へ進み、前回の投光点について
得られているPSD検出出力との差分dp=pt −pt-
1 (ここではp2 −p1 )が計算・記憶される。
【0076】図3の関連説明で述べた原理によって、前
回の投光点と今回の投光点との間に投光点を跳躍させる
ような特徴部分がなければ、dp=pt −pt-1 が大き
な値を示すことはなく、続くステップS2-5 でNOの判
断が出され、ステップS2-8へ進んでALG1のステッ
プS1-3 (ピーク信号受信)へピーク検出信号(NO)を
送信する。
【0077】一方、ALG3では、ステップS3-2 でス
ポット光ビーム入射点(Pstart の次の投光点;図6参
照)に関するPSD検出出力p2'を取り込み、カウンタ
値t’について2を越えたか否かがチェックされる(ス
テップS3-3 )。今度はt’=2となっているが、やは
りt’>2ではないから、ステップS3-7 へ進み、AL
G1のステップS1-3 (ピーク信号受信)へピーク検出
信号(NO)を送信し、カウンタt’に1加算し(S3-1
2)、走査終了信号(NO)の受信を確認した上で(ステ
ップS3-13,S3-14)、ステップS3-1 へ戻り、次(3
回目)の投光指令を待つ。
【0078】さて、ALG2,3双方からピーク検出信
号(NO)をステップS1-3 で受けたALG1では、ステ
ップS1-4 からステップS1-10へ進み、位置計算信号
(NO)を出力してALG4のステップS4-2 (位置計算
信号受信)へ送信する。そして、ステップS1-11でカウ
ンタiに縦走査のピッチを表わす指標γ(疎走査に対応
するγ=10のまま)を加算し、iが上限値imax を越
えていないことを確認した上で(ステップS1-13)、イ
ニシャライズ信号(NO)をALG2のステップS2-9 及
びALG3のステップS3-9 へ送信する(ステップS1-
15)。次いで、走査終了信号(NO)がALG2,3,4
の各ステップS2-13,S3-13,S4-7 へ送信される。
【0079】説明をALG2へ戻すと、ステップS2-9
でイニシャライズ信号(NO)を受信した後、ステップS
2-10からステップS2-12へ進みカウンタ値tに1を加算
した上で、走査終了信号(NO)の受信を確認し(ステッ
プS2-13,2-14)、ステップS2-1 へ戻り次回の投光指
令の受信を待つ。
【0080】ALG4のステップS4-1 で3回目の投光
指令が出力された場合のALG1及びALG2の処理
は、2回目の投光指令出力後の処理と同様なので、説明
は省略する。
【0081】ALG3では、ALG4のステップS4-1
で3回目の投光指令が出力されると、ステップS3-2 で
スポット光ビーム入射点(Pstart の次の次の投光点;
図6参照)に関するPSD検出出力p3 を取り込み、カ
ウンタ値t’について2を越えたか否かがチェックされ
る(ステップS3-3 )。今度は、t=3となっているか
ら、ステップS3-3 からステップS3-4 へ進み、前回と
前々回の投光点について得られているPSD検出出力に
基づいてd(dp)=pt'−(2pt'-1)+pt'-2
(ここではp3 −2p2 +p1 )が計算・記憶される。
【0082】図3の関連説明で述べた原理によって、前
回の投光点と今回の投光点との間に投光点を跳躍させる
ような特徴部分がなければ、このd(dp)が大きな値
を示すことはなく、続くステップS3-5 ではNOの判断
が出され、ステップS3-8 へ進んでALG1のステップ
S1-3 (ピーク信号受信)へピーク検出信号(NO)が送
信される。
【0083】図6の事例を想定した本実施例では、Pst
art から10α0 のピッチで上方に移動する走査経路は
凹部4bから外れているので、ALG2,3いずれにお
いてもピーク検出は行なわれないまま投光点は最上端に
到達する。その間のALG1〜ALG4の処理(3回目
の投光指令以降)は、上記説明したプロセスの繰り返し
となることは特に説明を要しないであろう。
【0084】走査経路の最上端への投光指令出力(ステ
ップS4-1 )があって開始される処理サイクルにおける
ALG1のステップS1-13では、それまでとは異なり、
YESの判断がなされ、先ず、ステップS1-16でイニシ
ャライズ信号(YES )がALG2,3の各ステップS2-
9 ,ステップS3-9 へ送信される。次いで、縦カウンタ
値iを0にリセットすると共に横カウンタ値jに1を加
算(ここではj=2)する(ステップS1-17)。
【0085】更に、横カウンタ値が上限値に達していな
いことを確認した上で(ステップS1-18)、走査終了信
号(NO)をALG2〜ALG4の各ステップS2-13,S
3-13,S4-7 に送信し(ステップS1-20)、ステップS
1-1 へ戻って、次回の投光指令を待つ。
【0086】ステップS1-16からイニシャライズ信号
(YES )がALG2のステップS2-9へ初めて送信され
ると、ALG2では、それまでとは異なり、ステップS
2-10からステップS2-11へ進み、カウンタ値tを1にリ
セットする処理を経由してステップS2-13へ進む。次い
で、走査終了信号(NO)の受信を確認した上で(ステッ
プS2-14)、ステップS2-1 を復帰して次回の投光指令
を待つことは、既に説明したプロセスと変わりがない。
【0087】ステップS1-16からイニシャライズ信号
(YES )がALG3のステップS3-9へ初めて送信され
た際の処理は、ALG2の場合と同様である。即ち、A
LG3では、ステップS3-10からステップS3-11へ進
み、カウンタ値t’を1にリセットする処理を経由して
ステップS3-13へ進む。次いで、走査終了信号(NO)の
受信を確認した上で(ステップS3-14)、ステップS3-
1 を復帰して次回の投光指令を待つことになる。
【0088】ここまでの説明から判るように、投光位置
がワーク4の円形凹部4bの縁部4cにかからない範囲
では、ALG2のステップS2-5 ,ALG3のステップ
S3-5 いずれにおいてもYESの判断がなされることが
なく、従って、ALG3のステップS1-3 にピーク(YE
S )信号が出力されることが無い。その結果ALG1の
ステップS1-8 が実行されず、位置計算信号(YES )が
出力されない。これによって、重要でない特徴部分以外
の点について3次元位置を計算する無駄が省かれ、全体
の計測時間が短縮される。
【0089】次に、図7を参照図に加え、疎・密走査モ
ードの切換・繰り返し走査制御及び特徴部分の3次元位
置データの取得が実行されるワーク4の円形凹部4bの
縁部4c部分におけるALG1〜4の処理について説明
する。
【0090】ここでは、図7に示したA点から投光位置
が10α0 上方に移動されてB点に投光が行なわれ、更
に、それに引き続く一連の処理が終了した時点から説明
を始めることにする。
【0091】ALG4のステップS4-1 で新たな投光指
令が出力されると、この時点ではγ=10の状態が維持
されていることから、ALG1のステップS1-2 では、
図7におけるC点へスポット光ビームGが投射される。
ALG2及びALG3では、ステップS2-2 ,S3-2 で
C点に関するPSD検出出力を取り込む。これをpc で
表わす(以下、図7の他の点についても同様の表記とす
る)。
【0092】次いで、カウンタ値t,t’について1あ
るいは2を越えたか否かがチェックされる(ステップS
2-3 ,S3-3 )が、ここでは図示された位置関係から、
t>1,t’>2である。
【0093】従って、ALG2では、ステップS2-3 か
らステップS2-4 へ進み、前回の投光点Bについて得ら
れているPSD検出出力pb との差分dp=pc −pb
が計算・記憶される。
【0094】前回の投光点Bと今回の投光点Cとの間に
は、縁部4cが存在するので、このdpの値は他の非特
徴部分よりは大きくなるが、しきい値Peak1は投光
点が奥行き方向に大きく跳躍したことを検出するように
設定されている限り、ステップS2-5 でYESの判断は
出されない。そこで、ステップS2-5 以後の処理は非特
徴部分の場合と同じく、ステップS2-8 へ進んでALG
1のステップS1-3 (ピーク信号受信)へピーク検出信
号(NO)を送信する。
【0095】一方、ALG3では、ステップS3-3 から
ステップS3-4 へ進み、前々回の投光点A、前回の投光
点Bについて得られているPSD検出出力pa ,pb と
投光点CについてのPSD検出出力pc に基づきd(d
p)=pc −2pb +pa が計算・記憶される。
【0096】前回の投光点Bと今回の投光点Cとの間に
は、縁部4cが存在するので、このdpの値は他の非特
徴部分より大きくなる。そして、Peak2は、投光点
の奥行き方向位置そのものは大きく変化しなくとも、奥
行き方向位置の変化率が跳躍したことを検出(2次微分
ピークの検出)する為に設定されているしきい値である
から、図7の縁部4cをまたいで投光点が移動した際に
は、ステップS3-5 の判断はYESとなる。
【0097】従って、ステップS3-5 以後の処理は非特
徴部分の場合とは異なり、ステップS3-6 へ進んでAL
G1のステップS1-3 (ピーク信号受信)へピーク検出
信号(YES )を送信する。すると、ALG1では、ステ
ップS1-3 からステップS1-4 ,S1-5 を経てステップ
S1-7 へ進み、縦ピッチ指標γの値が疎走査モードを表
わすγ=10から密走査モードを表わすγ=1に変更さ
れる。
【0098】そして、次のステップS1-9 で位置計算信
号(NO)をALG4のステップS4-2 へ送信した上で、
縦カウント値iを10減じ(ステップS1-12)、イニシ
ャライズ信号(YES )をALG2,3の各ステップS2-
9 ,S3-9 へ送信する(ステップS1-14)。更に、ステ
ップS1-21では走査終了信号(NO)がALG2〜ALG
4の各ステップS2-13,S3-13,S4-7 へ送信され、ス
テップS1-1 へ戻って次回の投光指令を待つ。
【0099】ステップS1-14のイニシャライズ信号(YE
S )を受けたALG2,3の各ステップS2-9 ,S3-9
では、ステップS2-10,ステップS3-10からステップS
2-11,ステップS3-11へ各々進んで、カウンタ値t及び
t’を1にリセットし、走査終了信号(NO)の受信を確
認した上で(ステップS2-13→S2-14,ステップS3-13
→S3-14)、ステップS2-1 あるいはステップS3-1 へ
戻って次の投光指令を待つ。
【0100】この状態でステップS4-1 の投光指令が出
力されると、縦カウント値iが10減ぜられている故
に、ALG1のステップS1-2 では、図7におけるB点
へスポット光ビームGが再度投射される。ALG2及び
ALG3では、ステップS2-2 ,S3-2 でB点に関する
PSD検出出力pc を取り込む。
【0101】次いで、カウンタ値t,t’について1あ
るいは2を越えたか否かがチェックされるが(ステップ
S2-3 ,S3-3 )、ここではt,t’が1にリセットさ
れている。よって、ALG2ではステップS2-7 へ進ん
でピーク信号(NO)をALG1のステップS1-3 へ出力
し、更に、ステップS2-12でカウント値tを1アップ
し、走査終了信号(NO)の受信を確認した上で(ステッ
プS2-13,S2-14)、ステップS2-1 へ戻り次回の投光
指令を待つ。ALG3でも同様に、ステップS3-7 →S
3-12→S3-13→S3-14を経て、ステップS3-1 へ戻り次
回の投光指令を待つ。
【0102】ALG1では、更に、ステップS1-3 →S
1-4 →S1-10の処理を経て、S1-11へ進み、縦カウント
値iにγが加算される。今度は、γ=1に変更されてい
るから、密走査のピッチに対応してi=i+1とされ
る。
【0103】ALG4のステップS4-2 では、ALG1
のS1-10からピーク信号(NO)を受信し、ステップS4-
3 →S4-7 →S4-8 を経てステップS4-1 へ戻る処理が
順次実行される。次いで、ステップS4-1 で再び投光指
令が出力されると、ALG1では(i,j)で指定され
た方向へスポット光ビームを投射するが(ステップS1-
2 )、今回の投光点は図7のC点ではなく、B1 点とな
る。
【0104】ALG2では、ステップS2-2 で点B1 に
関するPSD検出出力pb1を取り込み、カウンタ値tが
1を越えたか否かがチェックされる(ステップS2-3
)。今度は、t=2となっているから、ステップS2-3
からステップS2-4 へ進み、前回の投光点について得
られているPSD検出出力との差分dp=pb −pb1が
計算・記憶される。
【0105】点BB1 間には投光点を跳躍させるような
特徴部分は無いから、続くステップS2-5 でNOの判断
が出され、ステップS2-8 へ進んでALG1のステップ
S1-3 (ピーク信号受信)へピーク検出信号(NO)を送
信する。
【0106】一方、ALG3でも同様に点B1 のPSD
検出出力pb1を取り込み、カウンタ値t’について2を
越えたか否かがチェックされる(ステップS3-3 )。今
度はt’=2となっているが、やはりt’>2ではない
から、ステップS3-7 へ進み、ALG1のステップS1-
3 (ピーク信号受信)へピーク検出信号(NO)を送信
し、カウンタt’に1加算し(S3-12)、走査終了信号
(NO)の受信を確認した上で(ステップS3-13,S3-1
4)、ステップS3-1 へ戻り、次の投光指令を待つ。
【0107】さて、ALG2,3双方からピーク検出信
号(NO)をステップS1-3 で受けたALG1では、ステ
ップS1-4 からステップS1-10へ進み、位置計算信号
(NO)を出力してALG4のステップS4-2 (位置計算
信号受信)へ送信する。そして、ステップS1-11でカウ
ンタiに縦走査のピッチを表わす指標γ(密走査に対応
するγ=1)を加算し、iが上限値imax を越えていな
いことを確認した上で(ステップS1-13)、イニシャラ
イズ信号(NO)をALG2のステップS2-9 及びALG
3のステップS3-9 へ送信する(ステップS1-15)。次
いで、走査終了信号(NO)がALG2,3,4の各ステ
ップS2-13,S3-13,S4-7 へ送信される。
【0108】ALG2では、ステップS2-9 でイニシャ
ライズ信号(NO)を受信した後、ステップS2-10からス
テップS2-12へ進みカウンタ値tに1を加算した上で、
走査終了信号(NO)の受信を確認し(ステップS2-13,
2-14)、ステップS2-1 へ戻り次回の投光指令の受信を
待つ。
【0109】ALG4のステップS4-1 で次回の投光指
令が出力された場合の処理サイクルは、投光点がB2 と
なり、ALG3における処理経路がステップS3-1 →S
3-2→S3-3 →S3-4 →S3-5 →S3-8 となる点を除け
ば、前回と同様であるから詳細な説明は省略する。
【0110】以下、同様の処理サイクルを繰り返して投
光点がB8 となると、点B7 B8 間の奥行き方向位置が
変化し、ALG3のステップS3-5 でYESの判断がな
されて、これに続くステップS3-6 でピーク信号(YES
)がALG1のステップS1-3 へ出力される。これを
受けたALG1では、ステップS1-4 からステップS1-
5 へ進む。今度は、γ=1であるから、ステップS1-6
へ進んでγを疎モードに対応したγ=10に復帰させ
る。
【0111】次いで、ステップS1-8 で初めて位置計算
信号(YES )をALG4のステップS4-2 へ出力し、以
下、ステップS1-11でi=i+γ(=10)として、ス
テップS1-13を経てステップS1-15へ進み、イニシャラ
イズ信号(NO)をALG2,3の各ステップS2-9 ,S
3-9 を送信する。更に、続くステップS1-21では、走査
終了信号(NO)をALG2〜4の各ステップS2-13,S
3-13,S4-7 に出力した上で、ステップS1-1 へ戻り、
次回の投光指令を待つ。
【0112】イニシャライズ信号(NO)及び走査終了信
号(NO)を受けたALG2,3では、ステップS2-9 ,
S3-9 から、ステップS2-10→S2-12→S2-13→S2-14
あるいはステップS3-10→S3-12→S3-13→S3-14を経
て、ステップS2-1 ,S3-1へ戻って次回の投光指令を
待つ(処理内容は、説明の繰り返しになるので省略)。
【0113】さて、ステップS1-8 から初めて位置計算
信号(YES )を受けるALG4では、ステップS4-3 か
ら初めてステップS4-4 へ進み、位置B8 に投光されて
いるスポット光ビームGの方向を表わす、縦横カウント
値(i,j)に対応した単位ベクトルデータ<g(i,
j)>とイメージプレーン上の対応点の位置データ<h
(i,j)>を読み込む。
【0114】そして、更にステップS4-5 でB8 点に関
するPSD6の検出出力pb6を取り込み、これらのデー
タからステップS4-6 で点B8 の3次元位置を計算・記
憶する。3次元位置の求め方は、作用の説明の欄で述べ
た通りである。続くステップS4-7 で走査終了信号(N
O)を受信して、ステップS4-8 を経てステップS4-1へ
戻る。
【0115】ステップS4-1 で再び投光指令が出される
と、γ=10の状態でALG1〜ALG4の処理が進行
する。即ち、投光点はDへ移動し、再度ALG3で2次
微分ピークが検出され、γが再び1に戻されると共にi
から10が減ぜられ、密走査モード開始が準備される。
そして、その次の投光指令によって投光点はB8 へ戻
り、密モード走査が開始される。前回の密走査モードの
場合と同様の処理サイクルによって、点C4 C5 間に円
形凹部4bの内側の縁部が検出され、その3次元位置が
求められる。3次元位置を求めるALG4のステップS
4-4 〜S4-6 の処理は、iの値が異なる以外は前回(B
8 の3次元位置)の場合と全く同じである。
【0116】点C5 の3次元位置の求められると、前回
同様の処理手順によってγの値が疎走査モードに再度戻
される。
【0117】スポット光ビームが円形凹部4bを縦断し
て再び内側縁部にさしかかると、今度は、投光点の奥行
き位置自体が跳躍し(図6の符号70で示した部分を参
照)、それに応じて今度はALG2のステップS2-5 で
YESの判断が出される。すると、領域50,60の場
合と同様の処理サイクルにより、疎走査モードから密走
査モードに切換て繰り返し走査が行なわれ、j値に対応
した走査経路と縁部4cの交点位置の極く近傍の3次元
位置が求められる。この間の処理の詳細は、説明の繰り
返しとなるので省略する。
【0118】以上説明したような処理サイクルを繰り返
して投光位置がPend に到達すると、ALG1のステッ
プS1-18で初めてYESの判断がなされ、走査終了信号
(YES )がALG2,3,4の各ステップS2-13,S3-
13,S4-7 へ送信される。その結果、ALG2,3では
各ステップS2-14,S3-14を経て処理が終了される。
【0119】また、ALG4ではステップS4-8 からス
テップS4-9 へ進んで、多数(最低3点)のデータに基
づいて円形凹部4bの中心位置・姿勢が計算・記憶さ
れ、処理を終了する。
【0120】なお、ここに説明した実施例はあくまで例
示であり、各アルゴリズムの内容やCPU処理の割当等
は適宜選択して設計し得る事項である。例えば、上記A
LG1〜4のすべてを主制御装置20のCPUに割当
て、プロジェクタ制御装置30とPSD検出信号処理装
置40の構成を簡素化しても良い。投光ビームの走査経
路の形状、投光位置の間隔、粗密走査モードの種類や組
合せ方、3次元位置を求める点の選択法や数などについ
ても、スポット光ビームの投光方向を自由に選べるプロ
ジェクタPRの特性を利用して極めて多様な計測のバリ
エーションが考えられることは説明するまでもない。
【0121】また、プロジェクタPRの偏向制御の方式
は、2次元的なランダムスキャンが可能である限り特に
制限は無く、例えば、偏向方向の制御をアナログ信号で
行なうものであっても良い。
【0122】
【発明の効果】本願発明のスポット光走査型3次元視覚
センサは、従来のCCDカメラなどのビデオカメラを用
いた3次元視覚センサに比して、処理時間の高速化が可
能であり、経済性にも優れている。また、被計測対象物
の稜線部、凹部や凸部の縁部など被計測対象物の外形の
特徴部分に関する3次元位置データを目的にかなった態
様で重点的に収集し、無駄の無い解析を行なうことが出
来るから、効率的で精度の高い3次元計測が実現され
る。
【0123】更に、光源の発する光量を3次元計測に有
用な部分に集中させて明るい輝点を形成させた条件下で
計測を行うことが出来るから、従来のビデオカメラを用
いた3次元視覚センサのように、被計測対象物の全体が
適正な明るさとなるように照明条件を整える必要も無く
なるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ変位センサの基本的な構成と測定原理を
説明する図である。
【図2】本願発明の3次元視覚センサにおける測定原理
に従って3次元計測を行なう為の基本配置を例示した図
である。
【図3】被計測対象物の特徴部分(凹部の縁部)をY軸
方向に沿ってスポット光ビームで走査した場合のPSD
の出力変化を概念的に説明したグラフである。
【図4】本願発明の3次元視覚センサを、円形の凹部を
有するワークの円形凹部中心の3次元位置計測に適用し
た場合の全体配置を表わした図である。
【図5】本願発明の3次元視覚センサのシステム構成の
1例を示した要部ブロック図である。
【図6】本実施例における疎密/局所繰り返し走査方式
の概要を説明する図である。
【図7】図6中、符号50及び60で示した特徴部分領
域の近傍における繰り返し走査経路を拡大描示した図で
ある。
【図8】ALG1(投光位置決定アルゴリズム)に従っ
た処理内容を説明するフローチャートである。
【図9】ALG2(1次微分ピーク検出アルゴリズム)
に従った処理内容を説明するフローチャートである。
【図10】ALG3(2次微分ピーク検出アルゴリズ
ム)に従った処理内容を説明するフローチャートであ
る。
【図11】ALG4(3次元位置計算アルゴリズム)に
従った処理内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 X−スキャナ 3 Y−スキャナ 4 被計測対象物 4a スポット光ビームの入射面 4b 円形凹部 4c,4d 円形凹部の縁部 5 PSDのレンズ(レンズ系) 6 PSD(位置検出型光検出器) 6a PSD検出面 6b PSD検出面上の基準位置 7 電流電圧変換回路 8 演算回路 10 モニタ光検出器 11 コントローラ 12 光源駆動回路 20 主制御装置 21 中央演算処理装置(CPU) 22 ROMメモリ 23 RAMメモリ 24 キーボード 25 入出力装置(I/O) 26 バス 30 プロジェクタ制御装置 40 PSD検出信号処理装置 G(Gmn) スポット光ビーム H イメージプレーン MX X軸方向偏向ミラー MY Y軸方向偏向ミラー PR プロジェクタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投射方向を2次元的にランダムスキャン
    制御し得るスポット光ビーム投射手段と、該スポット光
    ビームが被計測対象物に入射した位置に形成されるスポ
    ット状輝点を検出する1次元位置検出型光検出手段と、
    前記スポット光ビームの投射方向と前記位置検出型光検
    出手段の検出出力に基づいて前記被計測対象物上に形成
    された前記スポット状輝点の位置を決定する手段を備え
    たスポット光走査型3次元視覚センサ。
  2. 【請求項2】 投射方向を2次元的にランダムスキャン
    制御し得るスポット光ビーム投射手段と、該スポット光
    ビームが被計測対象物に入射した位置に形成されるスポ
    ット状輝点を検出する1次元位置検出型光検出手段と、
    前記スポット光ビームの投射方向と前記1次元位置検出
    型光検出手段の検出出力に基づいて前記被計測対象物上
    に形成された前記スポット状輝点の位置を決定する手段
    と、 前記スポット光ビームの投射方向を連続的に変化させた
    時に得られる前記1次元位置検出型光検出手段の検出出
    力の変化に基づいて被計測対象物の外形特徴部を検出す
    る手段を備えたスポット光走査型3次元視覚センサ。
  3. 【請求項3】 計測プロセスの途上において、先行して
    取得された前記位置検出型検出器の検出出力に基づいて
    それ以降の前記スポット光ビーム投射方向を変化させる
    ように前記ランダムスキャン制御を行なわせる手段を更
    に備えた請求項1または請求項2に記載されたスポット
    光走査型3次元視覚センサ。
JP31240194A 1994-02-10 1994-11-24 スポット光走査型3次元視覚センサ Withdrawn JPH07270137A (ja)

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JP6-36390 1994-02-10
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