JPH0726976A - キャリングハンドル付き作業機 - Google Patents

キャリングハンドル付き作業機

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JPH0726976A
JPH0726976A JP16720493A JP16720493A JPH0726976A JP H0726976 A JPH0726976 A JP H0726976A JP 16720493 A JP16720493 A JP 16720493A JP 16720493 A JP16720493 A JP 16720493A JP H0726976 A JPH0726976 A JP H0726976A
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handle
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Tsutomu Arai
勉 新井
Masahiro Anzai
正広 安斎
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン及び作業部を備えた作業機、或いは
作業機から取り外したエンジンを人手で容易に運搬でき
るようにする。 【構成】 歩行型の作業機Tは作業部Rの上方に接続さ
れたエンジンEの後部に操向ハンドル4を備えており、
エンジンEの周囲を覆う樹脂製のエンジンカバー1の上
部にキャリングハンドル52が一体に形成される。オペ
レータがキャリングハンドル52を握ることにより、作
業機T全体或いはエンジンE単体を容易に運搬すること
ができる。作業機Tの重心位置はキャリングハンドル5
2の後下方に位置しているため、作業機T全体を持ち上
げたときに作業部Rがオペレータの前方に揺動し、運搬
の邪魔になることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業部の上方にエンジ
ンを支持し、このエンジンの後部に操向ハンドルを設け
てなる作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】作業部及び操向ハンドルを備えた歩行型
の作業機のエンジンをエンジンカバーで覆ったものが、
実開昭58−31459号公報により従来公知であり、
また発電機にキャリングハンドルを取り付けたものが、
特開昭59−3934号公報により従来公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる歩行
型の作業機を自走できない場所において人手で運搬する
場合に、手掛りとなるキャリングハンドルを持たないた
めに運搬が困難であるとう問題があり、しかもエンジン
を機体から容易に取り外すことができないという問題が
ある。また前記発電機は上部にキャリングハンドルを備
えているが、ジェネレータとエンジンとの分離が困難で
あり、このエンジンを取り外して他の作業機に搭載する
ことができないという問題がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、作業機あるいはエンジン単体を人手で運搬する作業
を容易に行なえるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、作業部の上方にエン
ジンを支持し、このエンジンの後部に操向ハンドルを設
けてなる作業機において、エンジンを作業部及び操向ハ
ンドルに対して着脱自在とし、エンジンの上部にキャリ
ングハンドルを設けたことを特徴とする。
【0006】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、エンジンをクラッチと共にエンジン
ベッド上に支持し、このエンジンベッドを作業部の上部
に固定した操向ハンドル取付部材に着脱自在に結合した
ことを特徴とする。
【0007】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、エンジン、エアクリーナ及びマフラ
ーを樹脂製のエンジンカバーで覆い、このエンジンカバ
ーに前記キャリングハンドルを一体成形したことを特徴
とする。
【0008】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記キャリングハンドルを、エンジ
ン、作業部及び操向ハンドルを含む機体全体の重心位置
の前上方に設けたことを特徴とする。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0010】図1〜図4に示すように、作業機としての
歩行型の耕耘機Tはエンジンの外周を覆う合成樹脂製の
エンジンカバー1を備えており、このエンジンカバー1
の下部に操向ハンドル取付部材2及びミッションケース
3を介して作業部を構成する耕耘部Rが設けられるとと
もに、操向ハンドル取付部材2の上端に後上方に延びる
操向ハンドル4が設けられる。耕耘部Rは左右方向に延
びる耕耘軸5と、この耕耘軸5に取り付けられた左右一
対の内側ロータ6,6及び左右一対の外側ロータ7,7
とを備える。各内側ロータ6は4個の耕耘爪61
1 ;62 ,62 を備えており、その2個の耕耘爪
1 ,61 は左右方向内側に折り曲げられ、残りの2個
の耕耘爪62 ,62 は左右方向外側に折り曲げられる。
また各外側ロータ7は4個の耕耘爪71 …を備えてお
り、それらの耕耘爪71 …は左右方向内側に折り曲げら
れる。U字型に形成された操向ハンドル4はその下端に
ジョイント8を備えており、把手9を有するボルト10
によって操向ハンドル取付部材2の上端に着脱自在に固
定される。操向ハンドル4の上端に設けたハンドルグリ
ップ11,11の一方には、スロットルワイヤ12を介
してエンジンのキャブスロットルに接続されるスロット
ルレバー13が設けられる。スロットルワイヤ12は、
後述するハンドルポスト31とエンジンカバー45,4
6間に設けた冷却風吸入口69,69を通ってキャブス
ロットルに接続される。
【0011】図6に示すように、エンジンEは単気筒2
サイクルエンジンであって、クランクケース15及びシ
リンダバレル16よりなるエンジン本体17を備える。
エンジン本体17はシリンダバレル16を前側に位置さ
せ、且つクランクケース15を後側に位置させた状態で
前後方向に配設される。クランクケース15の後面には
キャブレタ18が設けられており、またクランクケース
15の上面にはエンジンカバー1の外部に露出する把手
19(図5参照)を備えたリコイルスタータ20が設け
られる。エンジン本体17の下部に一体に設けられた導
風ダクト21は、クランクケース15の左右両側部及び
後部に位置する入口開口211 と、シリンダバレル16
の下部に位置する中間開口212 と、シリンダバレル1
6の上部に位置する出口開口213 とを備える。
【0012】エンジンEは、上面が開口したエンジンベ
ッド22上に支持される。エンジンEのクランクケース
15から下向きに突出してボールベアリング23で支持
されたクランクシャフト24には、前記エンジンベッド
22の内部に位置するようにフライホイール25及び自
動遠心クラッチ26が支持される。フライホイール25
の上面に取り付けられる環状の冷却ファン27は、前記
導風ダクト21の入口開口211 及び中間開口212
対向する。
【0013】操向ハンドル取付部材2は、エンジンベッ
ド22の下面にボルト28で固定される板状の取付プレ
ート29と、取付プレート29の下面に下向きに突設し
たパイプ状の伝動連結部材30と、取付プレート29の
後部から後上方に向けて延出するパイプ状のハンドルポ
スト31と、取付プレート29の下面、伝動連結部材3
0の後面及びハンドルポスト31の下端前面を一体に結
合する板状の連結補強プレート32とから構成される。
【0014】図4から明らかなように、連結補強プレー
ト32は操向ハンドル取付部材2を補強して操向ハンド
ル4の支持を強固なものにするだけでなく、左右の内側
ロータ6,6にそれぞれ2個ずつ設けられた内側に湾曲
する耕耘爪61 …の対向部に位置して前記耕耘爪61
間に挟まった小石Sや泥を落下させる機能を有する。こ
れにより、耕耘中における内側ロータ6,6のスタック
が効果的に防止される。
【0015】図6に戻り、操向ハンドル取付部材2の伝
動連結部材30に下端に結合部材33を介して取り付け
られるミッションケース3の内部には、上下一対のボー
ルベアリング34,34を介して円筒ウオーム35が支
持されており、この円筒ウオーム35はボールベアリン
グ36で支持された自動遠心クラッチ26の動力取出軸
37に伝動軸38を介して接続される。前記円筒ウオー
ム35は内側ロータ6,6及び外側ロータ7,7を支持
する耕耘軸5に設けたウオームホイール39に噛合す
る。従って、エンジンEの駆動力はクランクシャフト2
4、自動遠心クラッチ26、伝動軸38、円筒ウオーム
35及びウオームホイール39を介して耕耘軸5に伝達
され、この耕耘軸5に設けた内側ロータ6,6及び外側
ロータ7,7を駆動する。上記円筒ウオーム35とウオ
ームホイール36とでウオームギヤを構成する。
【0016】図6及び図13を併せて参照すると明らか
なように、ハンドルポスト31の後面には断面U字状の
抵抗棒取付部材40が溶接されており、この抵抗棒取付
部材40に支持されるL字状の抵抗棒41は、前記抵抗
棒取付部材40に摺動自在に嵌合する取付部411 と、
この取付部411 から後下方に延出する抵抗部412
からなる。抵抗棒取付部材40のピン孔401 と取付部
411 に形成した複数のピン孔413 …とにピン42を
貫通させてクリップ43で固定することにより、抵抗棒
41は上下位置調整可能に固定される。抵抗棒41が抵
抗棒取付部材40に固定された状態で、その取付部41
1 の前面がハンドルポスト31の後面に沿って密着する
(図1及び図6参照)。これにより、抵抗棒41の抵抗
部412が受ける荷重が直接ハンドルポスト31に伝達
されるため、部品点数が少ない簡単な構造で抵抗棒41
を強固に支持することができる。
【0017】次に、エンジンEを覆うエンジンカバー1
の構造を説明する。
【0018】合成樹脂製のエンジンカバー1は、機体進
行方向前後に延びる中心線を挟んで左右に二分割された
左カバー45と右カバー46とから構成される。左カバ
ー45と右カバー46とは、それらの外周の合わせ面に
おいて相互にインロー嵌合し、5本のボルト47〜51
で一体に結合される(図6参照)。エンジンカバー1の
上部には、オペレータが耕耘機Tを持って運搬するため
のキャリングハンドル52が一体に形成される。このキ
ャリングハンドル52の構造は、エンジンEのクランク
シャフト24の上方においてエンジンカバー1にチャン
ネル状の空間を左右方向に貫通させたもので、その後部
が前部よりも高くなるように傾斜させることにより、耕
耘機Tを持ち運ぶ際に握り易くなっている。またキャリ
ングハンドル52がエンジンカバー1の上方に突出する
ことにより、耕耘機Tの進行方向を定めるための目安と
なり、耕耘機Tの直進性の向上及び方向修正の容易化を
図ることができる。
【0019】図6及び図8から明らかなように、クラン
クケース15の前部壁面には3本のボルト53…及び連
結部材54を介してステー55が固定される。ステー5
5の上端に形成された係止部551 はエンジンカバー1
の内面に突設した一対のボス部56,57に係合し、一
方のボス部56を貫通するボルト47によって左カバー
45と右カバー46とが前記ステー55に支持される。
図6及び図7から明らかなように、クランクケース15
の後部上壁面にはステー58が立設されており、このス
テー58とエンジンカバー1の内面に突設したボス部5
9とを貫通するボルト48によって、左カバー45と右
カバー46とが前記ステー58に支持される。而して、
エンジンカバー1の上部は、2本のボルト47,48及
び2個のステー55,58を介してエンジン本体17に
支持される。この構造により、キャリングハンドル52
の強度向上に寄与することができ、しかもキャリングハ
ンドル52に掛かる荷重を、エンジンカバー1自体でな
くステー55,58を介してエンジンEに支持させるこ
とができる。
【0020】図6及び図10から明らかなように、左カ
バー45及び右カバー46の後部上端は、その内面に突
設したボス部60を貫通するボルト49によって一体に
結合される。更に図6及び図9から明らかなように、エ
ンジンベッド22の前端には下向きに開放した溝を有す
るブラケット221 が突設されており、左カバー45及
び右カバー46は前記ブラケット221 の溝にリブ61
を嵌合させた状態でボルト50で一体に結合される。同
様にして、エンジンベッド22の後端に突設したブラケ
ット222 の溝には、左カバー45及び右カバー46の
リブ62が嵌合して51で一体に結合される。而して、
左カバー45及び右カバー46の後部は1本のボルト4
9で一体に結合され、更に左カバー45及び右カバー4
6の下部は2本のボルト50,51でエンジンベッド2
2に支持される。
【0021】上述のように、エンジンEを左右二分割の
エンジンカバー1によって完全に覆うことにより、エン
ジンE及びその補機類をそれぞれ別個のカバーで覆う場
合に比べて部品点数を削減でき、しかも合わせ面のシー
ルを容易に行うことができる。更に、エンジンEの騒音
が外部に漏れることを防止するとともにエンジンEに泥
や塵埃が付着することを防止し、しかも外観を向上させ
ることができる。
【0022】図1から明らかなように、耕耘機Tの重心
位置CGはキャリングハンドル52の後下方に位置して
いる。従って、図14に示すようにオペレータがキャリ
ングハンドル52を握って耕耘機Tを運搬する際に、左
右方向に幅広の耕耘部Rがオペレータの身体よりも前方
に位置するようになり、耕耘部Rと身体との接触を避け
て運搬が容易になる。また、図6においてボルト28に
螺合するナット281を緩めて操向ハンドル取付部材2
をエンジンベッド22から分離することにより、エンジ
ンカバー1に覆われたエンジンEを操向ハンドル取付部
材2、ミッションケース3、耕耘部R、操向ハンドル4
及び抵抗棒41から取り外すことができる。これによ
り、エンジンEを耕耘機T以外の用途、例えば芝刈り
機、スイーパー、草刈り機、チェーンソー等に共用する
ことが可能となる。尚、エンジンEを取り外した場合に
も、前記キャリングハンドル52を利用することによ
り、その運搬を容易に行うことができる。また、エンジ
ンカバー1の下面に平坦なエンジンベッド22が位置す
るため、エンジンEを転倒させることなく安定して地面
又は床面に載置することができる。
【0023】次に、前記カバー1の内部に搭載されたエ
ンジンEの冷却構造について説明する。
【0024】図5及び図6に示すように、左カバー45
及び右カバー46よりなるエンジンカバー1の内部に
は、排気口651 を前方に向けたマフラー65、排気管
66、シリンダバレル16、クランクケース15、キャ
ブレタ18及びエアクリーナ67が前方から後方に向け
て順次配設され、キャブレタ18及びエアクリーナ67
の上部には上半部がエンジンカバー1から露出するよう
に燃料タンク68が配設される。
【0025】上述のように、シリンダバレル16及びク
ランクケース15が前後方向に位置するようにエンジン
本体17を縦置きし、シリンダバレル16の前方及び後
方ににマフラー65及び燃料タンク68をそれぞれ配設
し、且つ燃料タンク68の下方にキャブレタ18及びエ
アクリーナ67を配設しているので、補機類を含むエン
ジンEの左右方向の幅、即ちエンジンカバー1の左右方
向の幅を可及的に狭めることが可能となる。その結果、
茶畑等の狭い空間で作業を行う場合に、機体と作物との
接触を回避して能率的な作業を行うことが可能となる。
【0026】エンジンカバー1の後端における左カバー
45と右カバー46との合わせ面には上下方向に延びる
開口が形成されており、この開口にハンドルポスト31
の下半部が嵌合する。ハンドルポスト31と前記開口の
端縁との間には左右一対の冷却風吸入口69,69が形
成される(図5及び図6参照)。前記開口の下部から内
向きに突出するリブ70,70をハンドルポスト31の
外周に接近させて空気の流通を阻止することにより、前
記冷却風吸入口69,69はエンジンカバー1の後端に
おける比較的に高い位置(抵抗棒取付部材40とエンジ
ンカバー1を結合するボルト49との間)に開口する
(図4参照)。これにより、冷却風吸入口69,69か
らエンジンカバー1の内部に冷却風を吸入する際に、耕
耘部Rから上方に離れた比較的に清浄な塵埃の少ない空
気を吸入することができる。一方、エンジンカバー1の
前端にはルーバー状の冷却風排出口71,71が形成さ
れており、この冷却風排出口71,71の下部に形成し
た孔に前記マフラー65の排気口651 が対向する。
【0027】上述のように、左カバー45及び右カバー
46の後端間に冷却風吸入口69,69を形成したこと
により、樹脂製の左カバー45及び右カバー46を金型
で成形する際に、簡単な構造の金型によって、且つ成形
後に機械加工を行うことなく冷却風吸入口69,69を
形成することができる。
【0028】図6〜図8から明らかなように、左カバー
45及び右カバー46の内面には、上下方向に延びる隔
壁72,73がそれぞれ一体に形成される。左カバー4
5に形成された隔壁72は、その上部において前記ステ
ー55の外形に沿う形状を有しており、そこから略一定
幅で下方に向けて延在する。一方、右カバー46に形成
された隔壁73は、その上部において前記ステー55の
外形に沿う形状を有しており、そこからエンジン本体1
7のクランクケース15とシリンダバレル16との境界
部に沿うように下方に向けて延在する。エンジンカバー
1の内部は、前記隔壁72,73によって冷却風吸入口
69,69側の後室74と冷却風排出口71,71側の
前室75とに区画され(図6参照)、前記後室74に導
風ダクト21の入口開口211 が開口するとともに、前
記前室75に導風ダクト21の出口開口213 が開口す
る。
【0029】而して、エンジンEのクランクシャフト2
4に設けたフライホイール25と一体の冷却ファン27
が回転すると、その負圧によって冷却風吸入口69,6
9から吸入された空気は後室74に流入して燃料タンク
68、キャブレタ18及びクランクケース15を冷却し
た後、入口開口211 から導風ダクト21の内部に流入
して自動遠心クラッチ26を冷却する。導風ダクト21
の中間開口212 を通った冷却風はシリンダバレル16
を冷却して出口開口213 から前室75に流出し、そこ
で排気管66及びマフラー65を冷却して冷却風排出口
71,71からエンジンカバー1の外部に排出される。
【0030】上述のように、冷却風吸入口69,69側
に低温の燃料タンク68及びキャブレタ18を配設する
とともに、その後流側に中間温度クランクケース15及
び自動遠心クラッチ26を配設し、更に後流の冷却風排
出口71,71側に高温のシリンダバレル16、排気管
66及びマフラー65を配設しているので、シリンダバ
レル16、排気管66及びマフラー65の熱が燃料タン
ク68及びキャブレタ18に及び難いだけでなく、冷却
風の温度が該冷却風の流路に沿って次第に上昇しても、
被冷却部と冷却風との間の温度差を常に確保して全ての
被冷却部を効果的に冷却することができる。しかも、冷
却風がオペレータが位置する機体後部から吸入され、排
気ガス及び温度上昇した冷却風がオペレータと反対側の
機体前部から前方に排出されるので、高温の排気ガス及
び冷却風がオペレータに当たって作業環境を悪化させた
り、地面の農作物を傷める虞がない。
【0031】次に、燃料タンク68の支持構造について
説明する。
【0032】図6に示すように、燃料タンク68は合成
樹脂で一体成形されるもので、その上面には燃料供給口
681 が設けられる。燃料タンク68の下部とキャブレ
タ18とは燃料チューブ81を介して接続されており、
この燃料チューブ81の途中には燃料コック82が介装
される。図10及び図11に示すように、燃料タンク6
8の外周には断面U字状の凹溝682 が形成されてお
り、この凹溝682 よりも下側部分がエンジンカバー1
によって覆われるとともに、上側部分がエンジンカバー
1から上方に露出する。尚、凹溝682 の後部は断面U
字状になっておらず、下側が開放している(図11の右
側断面部分参照)。
【0033】図10から明らかなように、右カバー46
に突設した支持ピン461 に嵌合し、且つ左カバー45
に形成した支持孔451 に保持されたグロメット83
が、前記凹溝682 の前端に嵌合する。またエンジンカ
バー1の内面に突設した前記ボス部60の外周には左右
一対のグロメット84,84が保持されており、これら
グロメット84,84は燃料タンク68の後下部に形成
した凹部683 に嵌合する。更に、燃料タンク68の左
右両側面に突設した一対の突起684 ,684 が、左カ
バー45及び右カバー46の内面に保持された一対のゴ
ムブッシュ85,85に嵌合する。而して、燃料タンク
68は3個のグロメット83;84,84によって前後
方向に位置決めされるとともに、2個のゴムブッシュ8
5,85によって左右方向に位置決めされ、且つ前記グ
ロメット83;84,84及びゴムブッシュ85,85
によってエンジンカバー1にフローティング支持され
る。これにより、少ない部品点数で燃料タンク68を安
定良く支持しながら、エンジンEから燃料タンク68へ
の振動伝達を効果的に防止することができる。
【0034】図11から明らかなように、燃料タンク6
8の上半部をエンジンカバーから上方に突出させるべく
左カバー45及び右カバー46に形成した開口部の端縁
45 2 ,462 近傍は、内向き及び上向きに屈曲して燃
料タンク68の凹溝682 内に遊嵌する。そして、凹溝
682 の上壁下面には該凹溝682 の全長に亘って水切
りリブ685 が下向きに突設される。水切りリブ685
は左カバー45及び右カバー46の端縁452 ,462
よりも外側に位置しており、燃料タンク68の側壁に沿
って流下する水滴や燃料タンク68の燃料供給口681
から溢れた燃料は水切りリブ685 に阻止されて落下
し、その水滴や燃料が前記端縁452 ,462 を越えて
エンジンカバー1の内部に流入することが防止される
(図11の矢印A参照)。
【0035】次に、エアクリーナ67の構造について説
明する。
【0036】図6及び図7に示すように、エアクリーナ
67はエアクリーナケース86と、エアクリーナエレメ
ント87とエアクリーナカバー88とから構成される。
円形断面のカップ形状を有するエアクリーナケース86
は、左カバー45の後部側面から内側に向けて一体に突
設される。エアクリーナケース86の開口部は左カバー
45の外側から着脱自在なエアクリーナカバー88によ
って覆われており、エアクリーナケース86の内部に収
納されるエアクリーナエレメント87の外側にはダーテ
ィチャンバ89が形成されるとともに、エアクリーナエ
レメント87の内側にはクリーンチャンバ90が形成さ
れる。
【0037】左カバー45の内側面には前記燃料コック
82を支持するためのボス91が突設される。エアクリ
ーナケース86と左カバー45の上部内面との間には上
部仕切りリブ92が形成され、且つエアクリーナケース
86と前記ボス91との間には下部仕切りリブ93が形
成される。エアクリーナケース86には、前記上部仕切
りリブ92及び下部仕切りリブ93の前側に位置するよ
うに、ダーティチャンバ89に連通する一対の吸気孔8
1 ,861 が形成され、またクリーンチャンバ90は
キャブレタ18に接続される。
【0038】而して、冷却ファン27によって発生する
負圧で冷却風吸入口69,69から吸入された空気は、
前記上部仕切りリブ92及び下部仕切りリブ93に阻止
されてエアクリーナケース86の吸気孔861 ,861
に直接流入することができず、右カバー46側を迂回し
て上部仕切りリブ92及び下部仕切りリブ93の前側に
回り込んだ後に、吸気孔861 ,861 から後向きにダ
ーティチャンバ89に流入する。上述のようにエアクリ
ーナ67に供給する空気を迂回させる間に、その空気に
含まれる塵埃を落下させて清浄な空気を供給し、エアク
リーナエレメント87の目詰まりを防止することができ
る。そして、ダーティチャンバ89に流入した空気はエ
アクリーナエレメント87を通過して塵埃を完全に除去
された後、クリーンチャンバ90を介してキャブレタ1
8に供給される。
【0039】尚、万一燃料タンク68の周囲からエンジ
ンカバー1の内側に水が浸入した場合であっても、その
水は左カバー45に設けた上部仕切りリブ92及び下部
仕切りリブ93に阻止されてエアクリーナケース86の
吸気孔861 ,861 に流入することはなく、これによ
りエアクリーナエレメント87に水が付着して目詰まり
を起こすことが防止される。
【0040】上述のように、エアクリーナケース86を
左カバー45と一体に形成したことにより、取付ブラケ
ットやボルト等の部品点数を削減してコストを低下させ
ることができる。また、エアクリーナカバー88を取り
外すことにより、左カバー45の外側からエアクリーナ
エレメント87を簡単に交換できるので、作業性が大幅
に向上する。更に、左カバー45にエアクリーナ67及
び燃料コック82を支持し、右カバー46に補機類を一
切支持していないので、右カバー46を簡単に取り外し
てエンジンEのメンテナンスを容易に行うことができ
る。
【0041】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は前記実施例に限定されるものでなく、種々の設計変
更を行うことができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発
明によれば、作業機のエンジンを作業部及び操向ハンド
ルに対して着脱自在とし、エンジンの上部にキャリング
ハンドルを設けたことにより、エンジンを作業機から取
り外して他の用途に兼用することが可能となるばかり
か、キャリングハンドルを握ることによりエンジン単体
或いは作業機全体を人手で容易に運搬することが可能と
なる。また、キャリングハンドルがエンジンの上部に突
出するため、このキャリングハンドルを目印として作業
機の進行方向を決めることにより、直進性の維持及び方
向修正を容易に行うことができる。
【0043】また請求項2に記載された発明によれば、
エンジンをクラッチと共にエンジンベッド上に支持し、
このエンジンベッドを作業部の上部に固定した操向ハン
ドル取付部材に着脱自在に結合したことにより、エンジ
ンを作業部及び操向ハンドルから容易に分離することが
できる。
【0044】また請求項3に記載された発明によれば、
エンジン及び補機類を覆う樹脂製のエンジンカバーにキ
ャリングハンドルを一体成形したことにより、強度に優
れたキャリングハンドルを特別の部材を用いることなく
簡単に形成することが可能となり、部品点数の削減に寄
与することができる。
【0045】また請求項4に記載された発明によれば、
キャリングハンドルを作業機の重心位置の前上方に設け
たことにより、人手で作業機を持ち上げたときに、作業
部を前上方に揺動させて該作業部とオペレータの足元と
の干渉を避け、これにより運搬作業の能率を一層向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耕耘機の全体側面図
【図2】図1の2方向矢視図
【図3】図1の3−3線矢視図
【図4】図1の4方向拡大矢視図
【図5】図2の要部拡大図
【図6】図1の要部拡大断面図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】図6の8−8線断面図
【図9】図6の9−9線断面図
【図10】図6の10−10線断面図
【図11】図6の11−11線断面図
【図12】図6の12−12線断面図
【図13】図6の13−13線断面図
【図14】作用の説明図
【符号の説明】
1 エンジンカバー 2 ハンドル取付部材 4 操向ハンドル 22 エンジンベッド 26 自動遠心クラッチ(クラッチ) 52 キャリングハンドル 65 燃料タンク 67 エアクリーナ CG 重心位置 E エンジン R 耕耘部(作業部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業部(R)の上方にエンジン(E)を
    支持し、このエンジン(E)の後部に操向ハンドル
    (4)を設けてなる作業機において、 エンジン(E)を作業部(R)及び操向ハンドル(4)
    に対して着脱自在とし、エンジン(E)の上部にキャリ
    ングハンドル(52)を設けたことを特徴とする、キャ
    リングハンドル付き作業機。
  2. 【請求項2】 前記エンジン(E)をクラッチ(26)
    と共にエンジンベッド(22)上に支持し、このエンジ
    ンベッド(22)を作業部(R)の上部に固定した操向
    ハンドル取付部材(2)に着脱自在に結合したことを特
    徴とする、請求項1記載のキャリングハンドル付き作業
    機。
  3. 【請求項3】 エンジン(E)、エアクリーナ(67)
    及びマフラー(65)を樹脂製のエンジンカバー(1)
    で覆い、このエンジンカバー(1)に前記キャリングハ
    ンドル(52)を一体成形したことを特徴とする、請求
    項1記載のキャリングハンドル付き作業機。
  4. 【請求項4】 前記キャリングハンドル(52)を、エ
    ンジン(E)、作業部(R)及び操向ハンドル(4)を
    含む機体全体の重心位置(CG)の前上方に設けたこと
    を特徴とする、請求項1記載のキャリングハンドル付き
    作業機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010061473A1 (ja) * 2008-11-28 2010-06-03 ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社 作業機

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