JPH07269542A - タッピンねじ - Google Patents
タッピンねじInfo
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- JPH07269542A JPH07269542A JP9685194A JP9685194A JPH07269542A JP H07269542 A JPH07269542 A JP H07269542A JP 9685194 A JP9685194 A JP 9685194A JP 9685194 A JP9685194 A JP 9685194A JP H07269542 A JPH07269542 A JP H07269542A
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- screw
- tapping screw
- flank
- flank surface
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Abstract
(57)【要約】
【目的】多種多様化した樹脂材に統一して使用できると
ともに、強力な緩み止め効果を発揮するタッピンねじを
提供することを目的とする。 【構成】本タッピンねじ1のねじ山2の断面形状は、フ
ランク角が10°〜15°の第1フランク面2bとフラ
ンク角が20°〜30°の第2フランク面2dとを連続
的に連ねこれを対称配置した形状であり、第1フランク
面2bの占める割合をねじ山の全高に対して60%とす
る構成である。 【効果】本タッピンねじは、フランク角が15°のフラ
ンク面と、フランク角が20°のフランク面を連続して
配置した形状のねじ山を有するため、締結後のタッピン
ねじの緩みを防止することができ、またねじ山の角度を
小さくすることによって谷幅を大きく設定できるため、
柔軟性の高い樹脂材から比較的割れ等を生じ易い高剛性
の樹脂材に至るまで、多種類の樹脂材に幅広く適用する
ことができる。
ともに、強力な緩み止め効果を発揮するタッピンねじを
提供することを目的とする。 【構成】本タッピンねじ1のねじ山2の断面形状は、フ
ランク角が10°〜15°の第1フランク面2bとフラ
ンク角が20°〜30°の第2フランク面2dとを連続
的に連ねこれを対称配置した形状であり、第1フランク
面2bの占める割合をねじ山の全高に対して60%とす
る構成である。 【効果】本タッピンねじは、フランク角が15°のフラ
ンク面と、フランク角が20°のフランク面を連続して
配置した形状のねじ山を有するため、締結後のタッピン
ねじの緩みを防止することができ、またねじ山の角度を
小さくすることによって谷幅を大きく設定できるため、
柔軟性の高い樹脂材から比較的割れ等を生じ易い高剛性
の樹脂材に至るまで、多種類の樹脂材に幅広く適用する
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多種多様化した樹脂材
料に共通して使用できるとともに、強力な緩み止め効果
を発揮する一方、転造成形時においてねじ素材の流動性
を向上したタッピンねじに関するものである。
料に共通して使用できるとともに、強力な緩み止め効果
を発揮する一方、転造成形時においてねじ素材の流動性
を向上したタッピンねじに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属あるいは木製材料によく使用
されていたタッピンねじであるが、近年特に需要の大き
くなった樹脂材料の締結にも頻繁に使用されるようにな
った。この樹脂材料は非常に種類が多く、柔軟性の高い
ものから剛性を高めたものまで多種多様であり、これら
樹脂材料の締結に際しては、締結部材となる樹脂材料と
相性のよいタッピンねじがそれぞれ使い分けられてい
る。これらのタッピンねじは、そのほとんどがねじ山角
を40°〜60°に形成し、ねじ谷部を平坦に成形した
ものであり、剛性の高い樹脂材料に用いるタッピンねじ
には、ねじ込みによるめねじ成形時にめねじを切削作用
によって成形できるようにねじ山頂部が切刃となってい
るものも使用されている。
されていたタッピンねじであるが、近年特に需要の大き
くなった樹脂材料の締結にも頻繁に使用されるようにな
った。この樹脂材料は非常に種類が多く、柔軟性の高い
ものから剛性を高めたものまで多種多様であり、これら
樹脂材料の締結に際しては、締結部材となる樹脂材料と
相性のよいタッピンねじがそれぞれ使い分けられてい
る。これらのタッピンねじは、そのほとんどがねじ山角
を40°〜60°に形成し、ねじ谷部を平坦に成形した
ものであり、剛性の高い樹脂材料に用いるタッピンねじ
には、ねじ込みによるめねじ成形時にめねじを切削作用
によって成形できるようにねじ山頂部が切刃となってい
るものも使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した樹脂材料締結
に使用されるタッピンねじにおいては、樹脂材料の種類
に応じてタッピンねじを選定しなくてはならない。しか
し、その樹脂材料と相性のよいタッピンねじを使用した
場合であっても、樹脂材料は金属材料に比べ温度変化に
よる膨張率が大きいため、ねじ山頂角が60°のままで
は、タッピンねじとめねじとの間に十分な接触抵抗を得
ることができず、タッピンねじが自然に緩んでしまうと
いった問題が発生している。
に使用されるタッピンねじにおいては、樹脂材料の種類
に応じてタッピンねじを選定しなくてはならない。しか
し、その樹脂材料と相性のよいタッピンねじを使用した
場合であっても、樹脂材料は金属材料に比べ温度変化に
よる膨張率が大きいため、ねじ山頂角が60°のままで
は、タッピンねじとめねじとの間に十分な接触抵抗を得
ることができず、タッピンねじが自然に緩んでしまうと
いった問題が発生している。
【0004】また、剛性の高められた樹脂材料の中でも
最近になって開発されたガラス繊維を樹脂と混合したF
RP材料、素材樹脂をアロイ化した樹脂材料等に代表さ
れる高剛性樹脂材料に関しては、剛性追求の結果柔軟性
が失われており、切削作用を生じるタッピンねじを用い
ても割れ等の欠損を生じてしまい締結することが困難で
あり、締結に適するタッピンねじが見当たらないのが現
状である。
最近になって開発されたガラス繊維を樹脂と混合したF
RP材料、素材樹脂をアロイ化した樹脂材料等に代表さ
れる高剛性樹脂材料に関しては、剛性追求の結果柔軟性
が失われており、切削作用を生じるタッピンねじを用い
ても割れ等の欠損を生じてしまい締結することが困難で
あり、締結に適するタッピンねじが見当たらないのが現
状である。
【0005】一方、これらタッピンねじにおいては、そ
のねじ谷部が平坦になっているため、転造成形によって
ねじ素材にねじ山を形成する際に素材の流動性が非常に
悪くなり、ねじ山頂部まで素材が流動せず、ねじ山の成
形が不完全になってしまう等の問題が指摘されている。
このねじ山成形が不完全になる問題は、特にねじ山の角
度が40°以下のねじ山の角度の小さいタッピンねじに
よく見られる。これは、ねじ山の角度が小さくなること
によってねじ谷部とねじ山のフランク面とが交叉する角
度が小さくなり、転造時にねじ素材がダイプレートに沿
って流動し難くなる結果である。
のねじ谷部が平坦になっているため、転造成形によって
ねじ素材にねじ山を形成する際に素材の流動性が非常に
悪くなり、ねじ山頂部まで素材が流動せず、ねじ山の成
形が不完全になってしまう等の問題が指摘されている。
このねじ山成形が不完全になる問題は、特にねじ山の角
度が40°以下のねじ山の角度の小さいタッピンねじに
よく見られる。これは、ねじ山の角度が小さくなること
によってねじ谷部とねじ山のフランク面とが交叉する角
度が小さくなり、転造時にねじ素材がダイプレートに沿
って流動し難くなる結果である。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みて創成されたも
のであり、多種多様化した樹脂材に統一して使用できる
とともに、強力な緩み止め効果を発揮するタッピンねじ
を提供することを第1の目的とし、一方で、転造成形時
に素材の流動性が向上するタッピンねじを提供すること
を第2の目的とする。
のであり、多種多様化した樹脂材に統一して使用できる
とともに、強力な緩み止め効果を発揮するタッピンねじ
を提供することを第1の目的とし、一方で、転造成形時
に素材の流動性が向上するタッピンねじを提供すること
を第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的の内、第1の目
的を達成するために、本タッピンねじのねじ山の断面形
状は、フランク角が10°〜15°の第1フランク面と
フランク角が20°〜30°の第2フランク面とを連続
的に連ねこれを対称配置した形状であり、第1フランク
面の占める割合をねじ山の全高に対して60%とする構
成である。また、第2の目的を達成するために、本タッ
ピンねじは上記構成に加えてねじ谷部の断面形状がV字
状を成すように成形するように構成される。
的を達成するために、本タッピンねじのねじ山の断面形
状は、フランク角が10°〜15°の第1フランク面と
フランク角が20°〜30°の第2フランク面とを連続
的に連ねこれを対称配置した形状であり、第1フランク
面の占める割合をねじ山の全高に対して60%とする構
成である。また、第2の目的を達成するために、本タッ
ピンねじは上記構成に加えてねじ谷部の断面形状がV字
状を成すように成形するように構成される。
【0008】
【作用】上記構成のタッピンねじを樹脂材にねじ込む
と、第1フランク面のフランク角が小さいことから、第
1フランク面に作用する締付け力の水平分力が非常に小
さくなる。この水平分力は、即ちめねじの剪断力であ
り、この水平分力を減少させることはめねじの破断を防
止する結果につながる。また、本タッピンねじにおい
て、ワークに適正下穴を選定してねじ込みを行うと、そ
の時に形成されるめねじの山はタッピンねじのねじ山に
沿って隆起する形状となり、その隆起した部分はタッピ
ンねじのねじ山頂部から谷部に向かって約60%の位置
に到達する。
と、第1フランク面のフランク角が小さいことから、第
1フランク面に作用する締付け力の水平分力が非常に小
さくなる。この水平分力は、即ちめねじの剪断力であ
り、この水平分力を減少させることはめねじの破断を防
止する結果につながる。また、本タッピンねじにおい
て、ワークに適正下穴を選定してねじ込みを行うと、そ
の時に形成されるめねじの山はタッピンねじのねじ山に
沿って隆起する形状となり、その隆起した部分はタッピ
ンねじのねじ山頂部から谷部に向かって約60%の位置
に到達する。
【0009】本タッピンねじはこの点から考慮した結
果、第1フランク面の占める割合をねじ山頂から60%
としており、このことによって、ねじ込みを行った際に
は形成されるめねじの隆起部分がタッピンねじの第1フ
ランク面と第2フランク面との境界部に到達することに
なる。この結果、締結時にはタッピンねじの第1フラン
ク面にはねじ軸線と平行方向の接触抵抗が、また第1フ
ランク面と第2フランク面の境界部においてはねじ軸に
対して直角方向の接触抵抗が作用し、ねじが自然に緩む
ことを防止することとなる。
果、第1フランク面の占める割合をねじ山頂から60%
としており、このことによって、ねじ込みを行った際に
は形成されるめねじの隆起部分がタッピンねじの第1フ
ランク面と第2フランク面との境界部に到達することに
なる。この結果、締結時にはタッピンねじの第1フラン
ク面にはねじ軸線と平行方向の接触抵抗が、また第1フ
ランク面と第2フランク面の境界部においてはねじ軸に
対して直角方向の接触抵抗が作用し、ねじが自然に緩む
ことを防止することとなる。
【0010】さらに、本タッピンねじにおいて、谷部に
V字様の傾斜を設けることによってタッピンねじを転造
成形する際にねじ素材の流動性の向上をはかることが可
能である。これはタッピンねじのねじ谷部の断面形状を
V字状に成形することによってねじ転造に使用されるダ
イプレートにこのねじ谷部に対応する山部が形成される
ためで、このダイプレートの山部はねじ山成形溝に滑ら
かに連続する結果となり、転造時にねじ素材の流動性が
向上するものである。
V字様の傾斜を設けることによってタッピンねじを転造
成形する際にねじ素材の流動性の向上をはかることが可
能である。これはタッピンねじのねじ谷部の断面形状を
V字状に成形することによってねじ転造に使用されるダ
イプレートにこのねじ谷部に対応する山部が形成される
ためで、このダイプレートの山部はねじ山成形溝に滑ら
かに連続する結果となり、転造時にねじ素材の流動性が
向上するものである。
【0011】
【実施例】以下図面に基づき本発明の一実施例を説明す
る。図1において1は本発明に係る一実施例のタッピン
ねじであり、図示しないドライバビットが係合する駆動
穴を有するねじ頭部1aと、ねじ頭部1aと一体成形さ
れ、外周に螺旋状にねじ山2の形成されたねじ部1bと
から構成される。ねじ部1bに形成されるねじ山2は、
図3に示すようにねじ軸線に沿った断面形状が、傾斜角
度の異なる2つのフランク面を連続的に連ね、これを対
称配置した形状であり、ねじ山頂部にはねじ山2のピッ
チの12.5%の長さを有する平坦部2aが形成されて
いる。
る。図1において1は本発明に係る一実施例のタッピン
ねじであり、図示しないドライバビットが係合する駆動
穴を有するねじ頭部1aと、ねじ頭部1aと一体成形さ
れ、外周に螺旋状にねじ山2の形成されたねじ部1bと
から構成される。ねじ部1bに形成されるねじ山2は、
図3に示すようにねじ軸線に沿った断面形状が、傾斜角
度の異なる2つのフランク面を連続的に連ね、これを対
称配置した形状であり、ねじ山頂部にはねじ山2のピッ
チの12.5%の長さを有する平坦部2aが形成されて
いる。
【0012】即ち、このタッピンねじ1におけるねじ山
2は、ねじ山2の全高に対してねじ山頂よりねじ軸半径
方向に50%〜70%、好ましくは60%の高さを有
し、フランク角が15°に設定された第1フランク面2
bと、この第1フランク面2bに連続してねじ谷部2c
に達する高さを有し、そのフランク角は20°である第
2フランク面2dとを連続的に連ね、これを対象配置し
た形状である。これらフランク角からも明らかであるよ
うに、本タッピンねじ1におけるねじ山2は30°と4
0°の複合角から成る。また、ねじ山2の全高はねじ山
2のピッチの約1/2の高さに設定されている。ここで
いうねじ山2のピッチであるが、これは従来のねじ山角
度が60°のタッピンねじに準ずる長さであり、ねじ山
2の角度が小さくなっていることからねじ谷部2cの表
面積は増大することになる。さらに、本タッピンねじ1
におけるねじ部1bの軸線に対する横断面形状は図2に
示すように曲率半径の大きい曲面と曲率半径の小さい曲
面を交互に連続して配した略三角形状を成している。
2は、ねじ山2の全高に対してねじ山頂よりねじ軸半径
方向に50%〜70%、好ましくは60%の高さを有
し、フランク角が15°に設定された第1フランク面2
bと、この第1フランク面2bに連続してねじ谷部2c
に達する高さを有し、そのフランク角は20°である第
2フランク面2dとを連続的に連ね、これを対象配置し
た形状である。これらフランク角からも明らかであるよ
うに、本タッピンねじ1におけるねじ山2は30°と4
0°の複合角から成る。また、ねじ山2の全高はねじ山
2のピッチの約1/2の高さに設定されている。ここで
いうねじ山2のピッチであるが、これは従来のねじ山角
度が60°のタッピンねじに準ずる長さであり、ねじ山
2の角度が小さくなっていることからねじ谷部2cの表
面積は増大することになる。さらに、本タッピンねじ1
におけるねじ部1bの軸線に対する横断面形状は図2に
示すように曲率半径の大きい曲面と曲率半径の小さい曲
面を交互に連続して配した略三角形状を成している。
【0013】次に上記タッピンねじ1を樹脂材にねじ込
むときのタッピンねじ1のねじ山の作用について以下に
述べる。上記タッピンねじ1を樹脂材等のワークにねじ
込むと、図4に示すようにタッピンねじ1のねじ山2に
はねじ山2のフランク面に対して垂直な締付け力Nが作
用する。この締付け力Nは、ねじ軸線と平行を成す垂直
分力Pと、ねじ軸線に対して垂直方向に作用する水平分
力Fに分けることができる。水平分力Fはめねじ破壊に
大きく関係し、この水平分力Fの値が大きくなりめねじ
の剪断強度を超えると、めねじは割れ等の破壊を生じて
しまう。
むときのタッピンねじ1のねじ山の作用について以下に
述べる。上記タッピンねじ1を樹脂材等のワークにねじ
込むと、図4に示すようにタッピンねじ1のねじ山2に
はねじ山2のフランク面に対して垂直な締付け力Nが作
用する。この締付け力Nは、ねじ軸線と平行を成す垂直
分力Pと、ねじ軸線に対して垂直方向に作用する水平分
力Fに分けることができる。水平分力Fはめねじ破壊に
大きく関係し、この水平分力Fの値が大きくなりめねじ
の剪断強度を超えると、めねじは割れ等の破壊を生じて
しまう。
【0014】本タッピンねじ1においては、第1フラン
ク面2bのフランク角を15°に設定し、ねじ山2全高
をピッチの1/2の高さに成形するとともに、ねじ山2
全体の高さに対する第1フランク面1bの高さを60%
と大きくとっていることから、通常のねじ山角が60°
のタッピンねじよりも前記水平分力Fが小さくなり、こ
の水平分力Fがタッピンねじ1のねじ山2において広範
囲に作用することになる。このことによってめねじの破
壊を極力防止することができ、通常のタッピンねじでは
めねじが割れ等の破壊を生じていた樹脂材料にも使用が
可能となる。また、本タッピンねじ1を用いて通常のタ
ッピンねじと同等の水平分力Fを作用させる場合、締付
け力N及びNの垂直分力Pは必然的に大きくなる。従っ
て、通常のタッピンねじの使用により良好な締付け特性
を得ていた樹脂材料へ本タッピンねじ1を使用すると、
より一層大きな締付け力を作用させることが可能とな
る。
ク面2bのフランク角を15°に設定し、ねじ山2全高
をピッチの1/2の高さに成形するとともに、ねじ山2
全体の高さに対する第1フランク面1bの高さを60%
と大きくとっていることから、通常のねじ山角が60°
のタッピンねじよりも前記水平分力Fが小さくなり、こ
の水平分力Fがタッピンねじ1のねじ山2において広範
囲に作用することになる。このことによってめねじの破
壊を極力防止することができ、通常のタッピンねじでは
めねじが割れ等の破壊を生じていた樹脂材料にも使用が
可能となる。また、本タッピンねじ1を用いて通常のタ
ッピンねじと同等の水平分力Fを作用させる場合、締付
け力N及びNの垂直分力Pは必然的に大きくなる。従っ
て、通常のタッピンねじの使用により良好な締付け特性
を得ていた樹脂材料へ本タッピンねじ1を使用すると、
より一層大きな締付け力を作用させることが可能とな
る。
【0015】通常のタッピンねじのねじ込みによって、
締結部材に形成されるめねじ形状は、図4に示すごとく
めねじの山の先端がタッピンねじのねじ山におけるフラ
ンク面に沿って隆起した形状となる。このめねじの山の
隆起した部分の先端は、一般に下穴径が適正値の場合タ
ッピンねじのねじ山頂部から谷部に向かって約60%の
位置に到達する。このことから、本タッピンねじ1にお
いては第1フランク面2bの占める割合をねじ山2の全
高に対して60%と決定している。
締結部材に形成されるめねじ形状は、図4に示すごとく
めねじの山の先端がタッピンねじのねじ山におけるフラ
ンク面に沿って隆起した形状となる。このめねじの山の
隆起した部分の先端は、一般に下穴径が適正値の場合タ
ッピンねじのねじ山頂部から谷部に向かって約60%の
位置に到達する。このことから、本タッピンねじ1にお
いては第1フランク面2bの占める割合をねじ山2の全
高に対して60%と決定している。
【0016】前述のように第1フランク面2bの高さを
決定すると、ねじ込み時にはタッピンねじ1のめねじ成
形により隆起しためねじの山の先端が第1フランク面2
bと第2フランク面2dの境界部に当接する結果とな
り、第1フランク面2bにはねじ軸線と平行方向の接触
抵抗が、また境界部では、ねじ軸線に対して直角方向の
接触抵抗がそれぞれ作用し、タッピンねじ1の緩みを防
止する結果となる。特に、めねじが温度によって収縮す
るような環境下での使用(高温下での使用)に際して
は、樹脂材の温度膨張によりめねじの隆起部先端が第2
フランク面2dにまで及び、さらなる接触抵抗の増大を
得る結果となる。
決定すると、ねじ込み時にはタッピンねじ1のめねじ成
形により隆起しためねじの山の先端が第1フランク面2
bと第2フランク面2dの境界部に当接する結果とな
り、第1フランク面2bにはねじ軸線と平行方向の接触
抵抗が、また境界部では、ねじ軸線に対して直角方向の
接触抵抗がそれぞれ作用し、タッピンねじ1の緩みを防
止する結果となる。特に、めねじが温度によって収縮す
るような環境下での使用(高温下での使用)に際して
は、樹脂材の温度膨張によりめねじの隆起部先端が第2
フランク面2dにまで及び、さらなる接触抵抗の増大を
得る結果となる。
【0017】一方、ねじ山2の高さの比較的高い本タッ
ピンねじ1においては、ねじ山2の先端を極端に尖らせ
ると、転造によるねじ山2成形時にねじ山2の先端まで
素材が流動し難い。従ってねじ山2の先端に平坦部2a
を形成し、ねじ山2の成形を容易にすると同時に、ねじ
山2の強度を高めている。この平坦部2aの幅は、ねじ
山2のピッチの約12.5%とすることが理想的であ
り、このことによって理想的なねじ山2の高さを得るこ
とができ、しかも、ねじ山2成形時に形状に欠陥のない
理想的なねじ山2を成形することが可能となる。
ピンねじ1においては、ねじ山2の先端を極端に尖らせ
ると、転造によるねじ山2成形時にねじ山2の先端まで
素材が流動し難い。従ってねじ山2の先端に平坦部2a
を形成し、ねじ山2の成形を容易にすると同時に、ねじ
山2の強度を高めている。この平坦部2aの幅は、ねじ
山2のピッチの約12.5%とすることが理想的であ
り、このことによって理想的なねじ山2の高さを得るこ
とができ、しかも、ねじ山2成形時に形状に欠陥のない
理想的なねじ山2を成形することが可能となる。
【0018】次に本発明に係るタッピンねじの他の実施
例について述べる。図5において5は本発明に係るタッ
ピンねじの他の実施例であり、上記タッピンねじ1同
様、ドライバビットの係合する駆動穴を有するねじ頭部
5aと、このねじ頭部5aと一体成形され、外周に螺旋
状にねじ山6の形成されたねじ部5bとから構成され
る。
例について述べる。図5において5は本発明に係るタッ
ピンねじの他の実施例であり、上記タッピンねじ1同
様、ドライバビットの係合する駆動穴を有するねじ頭部
5aと、このねじ頭部5aと一体成形され、外周に螺旋
状にねじ山6の形成されたねじ部5bとから構成され
る。
【0019】このねじ部5bにおけるねじ山6の形状
は、上述のタッピンねじ1と全く同様、ねじ山6の全高
に対してねじ山頂よりねじ軸半径方向に50%〜70
%、好ましくは60%の高さを有し、フランク角が15
°に設定された第1フランク面6bと、この第1フラン
ク面6bに連続してねじ谷部7に及ぶ高さを有し、その
フランク角は20°である第2フランク面6cとを連続
的に連ね、これを対象配置した形状であり、ねじ山頂部
にはねじ山6のピッチの12.5%の長さを有する平坦
部6aが形成されている。ただし、このタッピンねじ5
におけるねじ谷部7はねじ軸線に沿った断面形状が図6
に示すようにV字状をなしており、その開度は155°
に設定されている。
は、上述のタッピンねじ1と全く同様、ねじ山6の全高
に対してねじ山頂よりねじ軸半径方向に50%〜70
%、好ましくは60%の高さを有し、フランク角が15
°に設定された第1フランク面6bと、この第1フラン
ク面6bに連続してねじ谷部7に及ぶ高さを有し、その
フランク角は20°である第2フランク面6cとを連続
的に連ね、これを対象配置した形状であり、ねじ山頂部
にはねじ山6のピッチの12.5%の長さを有する平坦
部6aが形成されている。ただし、このタッピンねじ5
におけるねじ谷部7はねじ軸線に沿った断面形状が図6
に示すようにV字状をなしており、その開度は155°
に設定されている。
【0020】上述のタッピンねじ5はねじ素材をタッピ
ンねじ5のねじ山6に対応する形状の溝が形成された図
示しない2枚のダイプレート間に挾持し、ダイプレート
を相対移動することにより素材を回転させて素材外周に
螺旋状にねじ山を成形する、いわゆる転造工程によって
製造される。前記タッピンねじ5においてねじ谷部7に
角度を設けると、転造工程におけるダイプレートのタッ
ピンねじ5のねじ谷部7に対応する位置に山部(図示せ
ず)が形成され、転造時に、ねじ素材に食い込むダイプ
レートの体積が増加するとともに、ダイプレートの食い
込みによって押し分けられた素材が山部の傾斜面(図示
せず)に沿って容易に流動し、ダイプレートの雄ねじ成
形溝内に流入する。
ンねじ5のねじ山6に対応する形状の溝が形成された図
示しない2枚のダイプレート間に挾持し、ダイプレート
を相対移動することにより素材を回転させて素材外周に
螺旋状にねじ山を成形する、いわゆる転造工程によって
製造される。前記タッピンねじ5においてねじ谷部7に
角度を設けると、転造工程におけるダイプレートのタッ
ピンねじ5のねじ谷部7に対応する位置に山部(図示せ
ず)が形成され、転造時に、ねじ素材に食い込むダイプ
レートの体積が増加するとともに、ダイプレートの食い
込みによって押し分けられた素材が山部の傾斜面(図示
せず)に沿って容易に流動し、ダイプレートの雄ねじ成
形溝内に流入する。
【0021】尚、本実施例及び他の実施例において第1
フランク面のフランク角を15°としたが、このフラン
ク角の実質上効果を生ずる範囲は10°〜15°であ
り、15°は理想値として取り上げたに過ぎない。ま
た、第2フランク面のフランク角についても同様であ
り、第2フランク面のフランク角は20°〜30°の範
囲内で充分な効果を生じ、理想値として20°を取り上
げたに過ぎない。さらに、ねじ山頂部の平坦部はピッチ
の12.5%の長さとしたが、実際は16%以下であれ
ば実用に充分耐えるねじ山を得ることができる。
フランク面のフランク角を15°としたが、このフラン
ク角の実質上効果を生ずる範囲は10°〜15°であ
り、15°は理想値として取り上げたに過ぎない。ま
た、第2フランク面のフランク角についても同様であ
り、第2フランク面のフランク角は20°〜30°の範
囲内で充分な効果を生じ、理想値として20°を取り上
げたに過ぎない。さらに、ねじ山頂部の平坦部はピッチ
の12.5%の長さとしたが、実際は16%以下であれ
ば実用に充分耐えるねじ山を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上構成及び作用を詳述したように、本
発明のタッピンねじは、フランク角が15°のフランク
面と、フランク角が20°のフランク面を連続して対象
に配置した形状のねじ山を有するため、めねじからタッ
ピンねじのねじ山に作用する接触抵抗を大きくすること
が可能になり、締結後のタッピンねじの緩みを防止する
ことができるものである。また、本発明のタッピンねじ
はねじ山の角度を小さくすることによって谷幅を大きく
設定できるため、めねじの強度を向上することが可能と
なり、樹脂材の割れ等の発生を防止することができ、柔
軟性の高い樹脂材から比較的割れ等を生じ易い高剛性の
樹脂材に至るまで、多種類の樹脂材に幅広く適用するこ
とができるとともに、めねじ強度の向上にともなって、
タッピンねじの最大締付けトルクの向上をはかることが
でき、樹脂材の強力な締結を得ることが可能となるもの
である。さらに、本発明のタッピンねじは、ねじ軸線に
沿った断面形状がねじ谷部でV字様をなすように構成す
ることによって、転造による製造工程において素材の流
動性が向上し、ねじ山の高さが通常のねじに比較して高
いにもかかわらず、ねじ山の成形を容易かつ安定して行
うことができるといつた効果をも奏するものである。
発明のタッピンねじは、フランク角が15°のフランク
面と、フランク角が20°のフランク面を連続して対象
に配置した形状のねじ山を有するため、めねじからタッ
ピンねじのねじ山に作用する接触抵抗を大きくすること
が可能になり、締結後のタッピンねじの緩みを防止する
ことができるものである。また、本発明のタッピンねじ
はねじ山の角度を小さくすることによって谷幅を大きく
設定できるため、めねじの強度を向上することが可能と
なり、樹脂材の割れ等の発生を防止することができ、柔
軟性の高い樹脂材から比較的割れ等を生じ易い高剛性の
樹脂材に至るまで、多種類の樹脂材に幅広く適用するこ
とができるとともに、めねじ強度の向上にともなって、
タッピンねじの最大締付けトルクの向上をはかることが
でき、樹脂材の強力な締結を得ることが可能となるもの
である。さらに、本発明のタッピンねじは、ねじ軸線に
沿った断面形状がねじ谷部でV字様をなすように構成す
ることによって、転造による製造工程において素材の流
動性が向上し、ねじ山の高さが通常のねじに比較して高
いにもかかわらず、ねじ山の成形を容易かつ安定して行
うことができるといつた効果をも奏するものである。
【図1】 本発明に係るタッピンねじの実施例の正面図
である。
である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図1の要部拡大断面図である。
【図4】 図1のタッピンねじを樹脂材にねじ込んだ際
のタッピンねじとめねじとの噛合状態を示す要部断面拡
大図
のタッピンねじとめねじとの噛合状態を示す要部断面拡
大図
【図5】 本発明に係るタッピンねじの他の実施例の正
面図である。
面図である。
【図6】 図5の要部拡大断面図である。
1 タッピンねじ 1a ねじ頭部 1b ねじ部 2 ねじ山 2a 平坦部 2b 第1フランク面 2c ねじ谷部 2d 第2フランク面 5 タッピンねじ 5a ねじ頭部 5b ねじ部 6 ねじ山 6a 平坦部 6b 第1フランク面 6c 第2フランク面 7 ねじ谷部
Claims (2)
- 【請求項1】ねじ山のねじ軸線に沿った断面形状が、フ
ランク角が10°〜15°の第1フランク面とフランク
角が20°〜30°の第2フランク面とを連続的に連ね
これを対称配置した形状であり、第1フランク面の占め
る割合をねじ山の全高に対して60%としたことを特徴
とするタッピンねじ。 - 【請求項2】ねじ谷部のねじ軸線に沿った断面形状がV
字状を成すように成形したことを特徴とする請求項1に
記載のタッピンねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9685194A JPH07269542A (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | タッピンねじ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9685194A JPH07269542A (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | タッピンねじ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07269542A true JPH07269542A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=14175999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9685194A Pending JPH07269542A (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | タッピンねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07269542A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001505293A (ja) * | 1997-07-29 | 2001-04-17 | エヨト フェルビンドゥングステヒニク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー | タッピンねじを備えたねじ |
JP2001317518A (ja) * | 2000-05-09 | 2001-11-16 | Yanmar Diesel Engine Co Ltd | 転造めねじ及び転造おねじ |
JP2010216638A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-09-30 | Suzuki Neji Seisakusho:Kk | 緩み防止用の多条ねじ |
JP2011252593A (ja) * | 2010-06-04 | 2011-12-15 | Furiya Giken Co Ltd | 弛み防止ねじ |
KR20160031488A (ko) * | 2013-07-19 | 2016-03-22 | 콘티 패스너즈 아게 | 나사산이 없는 너트 고정구에 사용하기 위한 고성능 억지 조임 나사/볼트 |
JP2018123959A (ja) * | 2017-02-05 | 2018-08-09 | エッセンス ファースニング システム (シャンハイ) カンパニー リミテッドEssence Fastening System (Shanghai) Co.,Ltd. | メートルゆるみ止めタッピングネジ及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-03-29 JP JP9685194A patent/JPH07269542A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001505293A (ja) * | 1997-07-29 | 2001-04-17 | エヨト フェルビンドゥングステヒニク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー | タッピンねじを備えたねじ |
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JP4580061B2 (ja) * | 2000-05-09 | 2010-11-10 | ヤンマー株式会社 | 転造めねじ |
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JP2016525196A (ja) * | 2013-07-19 | 2016-08-22 | コンティ・ファスナーズ・アー・ゲー | ねじ山のないナットアンカーで使用するための高性能ねじ山転造ねじ/ボルト |
JP2018123959A (ja) * | 2017-02-05 | 2018-08-09 | エッセンス ファースニング システム (シャンハイ) カンパニー リミテッドEssence Fastening System (Shanghai) Co.,Ltd. | メートルゆるみ止めタッピングネジ及びその製造方法 |
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