JPH07268674A - 金属製品用洗浄剤組成物 - Google Patents

金属製品用洗浄剤組成物

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JPH07268674A
JPH07268674A JP6141594A JP6141594A JPH07268674A JP H07268674 A JPH07268674 A JP H07268674A JP 6141594 A JP6141594 A JP 6141594A JP 6141594 A JP6141594 A JP 6141594A JP H07268674 A JPH07268674 A JP H07268674A
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憲一 高橋
Atsushi Yokoyama
篤志 横山
Ototatsu Souma
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Toyota Kagaku Kogyo Co Ltd
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Toyota Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防錆性及び廃水処理(生物処理)性が高く、し
かも洗浄性(脱脂性)も高い金属製品用の水系洗浄剤を
提供する。 【構成】(a)トール脂肪酸アミンセッケン:13wt
%、(b)ポリエチレングリコールパライソオクチルフ
ェニルエーテル:7wt%、(c)ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル:6wt%、(d)エチレンジ
アミンテトラアセチックアシド:6wt%、(e)二塩
基脂肪酸アミンセッケン:9wt%及び(f)水:残部
よりなる洗浄剤組成物。これを原液として、原液濃度が
1〜8wt%となるように水で希釈して水系洗浄剤とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は洗浄剤組成物に関する。
この洗浄剤組成物を用いた洗浄剤は、フロン系、塩素系
洗浄剤に代替し得るもので、金属製品等の工業用洗浄剤
として好適に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、部材表面に付着した油脂、機械
油、切削油、グリース等の有機物を主体とする汚れを除
去する工業用洗浄剤として、トリクロロトリフルオロエ
タン等のフロン系洗浄剤や、1.1.1.トリクロルエタン等
の塩素系洗浄剤が広く使用されてきた。これらの洗浄剤
は、洗浄性(脱脂性)、不燃性、乾燥性等の特性が高
く、特に小物部品等の洗浄に適している。
【0003】しかし、フロン系及び塩素系洗浄剤は、環
境汚染、毒性等で大きな問題となり、今後の使用が困難
な状況となってきている。そこで、フロン系及び塩素系
洗浄剤の代替として、ケロシン等の炭化水素系洗浄剤
や、炭化水素系溶剤及び水溶性溶剤を主成分として含み
界面活性剤及び水を混合して得た準水系洗浄剤や、アル
カリビルダーと界面活性剤とを配合し必要に応じて少量
の溶剤を添加して得た水系洗浄剤などが種々検討、使用
されている。しかし、これらの洗浄剤も、以下に示すよ
うに、それぞれの問題点を抱えている。
【0004】すなわち、炭化水素系洗浄剤は、毒性を有
するとともに引火性可燃物に該当するため、取扱作業に
おいて危険を伴う。また、準水系溶剤も水分の蒸発によ
る引火の可能性があるため取扱作業において危険を伴
い、また水が添加されているため金属腐食性及び廃水処
理性にも問題がある。一方、水系洗浄剤は、危険性及び
毒性が極めて低く、また環境汚染にも影響のない安全性
の高い洗浄剤である。しかしその反面、溶剤系及び準水
系洗浄剤と比べて、洗浄性(脱脂性)及び乾燥性等の特
性が劣り、また準水系溶剤と同様に金属腐食性及び廃水
処理性が問題となる。
【0005】特開平5−51599号公報には、水系洗
浄剤として、ポリアルキレングリコールモノフェニルエ
ーテル系溶剤と、アセチレングリコール又は/及びその
アルキレンオキサイド付加物と、グリコールエーテル系
溶剤と、水とを含有するものがが開示されている。この
ものは、フェノールにアルキレンオキサイドを1〜2モ
ル付加した水に対する溶解度の比較的小さいポリアルキ
レングリコールモノフェニルエーテル系溶剤と、水に完
全に溶解するグリコールエーテル系溶剤とが併用され、
更に水が添加されていることにより、高い洗浄力(脱脂
力)を有し、また廃油分の回収が容易で安全な洗浄剤と
されている。また、アセチレングリコール系の非イオン
活性剤の配合により、極めて低起泡性の洗浄剤とされて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−51599号公報に開示された従来の水系洗浄
剤は、金属腐食性に対する考慮がなされていない。この
ため、この水系洗浄剤を用いて金属製品を洗浄する場
合、水分の残存や未乾燥により、金属製品に錆が発生
し、問題となる。
【0007】また、特に水系の洗浄剤では、廃水中の汚
濁物質を分離、除去したり、その特性を変えて無害化し
たりすることにより、廃水を効果的に浄化すること、す
なわち廃水処理性を向上させることが重要な課題とな
る。汚濁物質のうち非保存性物質としての有機物は、水
中の溶存酸素の消費を伴って、水中の微生物により好気
的に酸化分解される。これにより、廃水中の汚濁物質濃
度が低下して、廃水の浄化が進む。このため、処理水中
に存在する有機物の生物処理性が高ければ、かかる有機
物は容易に分解、除去されるので、廃水を効果的に浄化
することができる。したがって、水系の洗浄剤におい
て、廃水処理性を向上させるためには、生物処理性の高
い有機成分を洗浄剤組成物に用いることが重要となる。
【0008】ここで、従来の水系の洗浄剤においては、
洗浄力や乳化力を向上させるために、石油系の合成脂肪
酸が一般的に用いられている。このような石油系合成脂
肪酸は上記生物処理性が低い。このため、従来の水系洗
浄剤では、その廃水を効果的に浄化することが困難であ
った。本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、
防錆性及び廃水処理性(生物処理性)が高く、しかも洗
浄性(脱脂性)も高い金属製品用水系洗浄剤として用い
ることのできる金属製品用洗浄剤組成物を提供すること
を解決すべき技術課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の金属製品用洗浄剤組成物は、オレイン酸及びリノー
ル酸の少なくとも一方を含む植物性脂肪酸のアミンセッ
ケンと、ポリオキシエチレン系の非イオン系界面活性剤
と、グリコールエーテル系の水溶性有機溶剤と、金属イ
オン封鎖剤と、二塩基脂肪酸アミンセッケンとを含み、
残部水よりなることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】本発明の金属製品用洗浄剤組成物は、所定の濃
度で水に希釈されて、水系洗浄剤として用いられる。そ
して、この水系洗浄剤は、以下に示す各成分の作用によ
り、高い廃水処理性(生物処理性)及び防錆性を有し、
しかも吸着性、乳化性、溶解性、浸透性及び分散性等の
各特性を十分に発揮し、高い洗浄性を有する。
【0011】まず、オレイン酸及びリノール酸の少なく
とも一方を含む植物性脂肪酸のアミンセッケンは、水溶
性中に溶解すると、コロイドとなって分散する。コロイ
ドは、油(油脂類)に強力に作用して油を乳化、溶解す
る。また、コロイドは、その一部が電解質となって分子
又はイオンの集合体としてのミセルを形成する。このミ
セル中の分子は、油脂等の周りに付着して、分散、吸
着、懸濁などの作用を行う。したがって、上記植物性脂
肪酸のアミンセッケンは洗浄力(脱脂力)の向上に寄与
する。
【0012】また、天然脂肪酸である植物性脂肪酸は、
石油系の合成脂肪酸と比較して生物処理性が高く、水中
の微生物により容易に酸化分解される。したがって、上
記植物性脂肪酸のアミンセッケンは廃水処理性(生物処
理性)の向上に寄与する。次に、ポリオキシエチレン系
の非イオン系界面活性剤は、他のアニオン、カチオン系
界面活性剤と比較して、ミセル生成濃度が低く、また臨
界ミセル濃度も低い。このため、かかる非イオン系界面
活性剤の濃度が低くても、上記したように分散、吸着、
懸濁などの作用を行うミセルが高濃度で生成される。ま
た、この非イオン系界面活性剤は、他のアニオン系界面
活性剤と比較して、表面張力が極めて低い。このため、
湿潤性(濡れ性)、浸透性等の特性も高い。したがっ
て、ポリオキシエチレン系の非イオン系界面活性剤は洗
浄力(脱脂力)の向上に寄与する。
【0013】グリコールエーテル系の水溶性有機溶剤
は、強親水性の溶剤であり、また油脂類、セッケン、水
との架橋作用が高いため、可溶化、乳化、浸透性の特性
が高い。したがって、グリコールエーテル系の水溶性有
機溶剤は洗浄力(脱脂力)の向上に寄与する。金属イオ
ン封鎖剤は、水溶液中で金属イオンと結合して可溶性の
キレート錯体を形成することにより、硬水を軟化させる
ことができる。したがって、水溶液中の金属イオンがセ
ッケンと結合することにより洗浄力が低下することを防
止することができ、洗浄力(脱脂力)の向上に寄与す
る。
【0014】二塩基脂肪酸アミンセッケンは、洗浄物や
洗浄装置の表面に薄膜を生成するので、防錆効果として
作用する。例えば、飽和脂肪酸のうちで二塩基のカルボ
ン酸は、ヘキサメチレンジアミンと反応してポリアミド
樹脂(ナイロン6,6等)を生成する原料であり、塗膜
性能や耐水性能がよいという特性を有する。二塩基脂肪
酸アミンセッケンは、二塩基の飽和脂肪酸のこのような
性能を活用すべく、脂肪酸のアミンセッケンとして水溶
性としたものである。したがって、二塩基脂肪酸アミン
セッケンの水溶液が洗浄物や洗浄装置の表面に接触する
と該表面に薄膜が生成され、この薄膜により金属腐食を
防止することができる。
【0015】水は、上記各成分を均一に分散して混合さ
せるために添加する。本発明の洗浄剤組成物を水で希釈
した洗浄剤は、自動車及び機械や電気、電子等の小物部
品の他、一定形状の固体表面をもつ部品や治工具等を超
音波洗浄する際に有効に利用することができる。特に、
この洗浄剤は湿潤性、浸透性の特性が高いため、小物部
品の超音波洗浄に好適な性能を発揮する。そして、この
洗浄剤によれば、汚染物質が油脂、機械油、焼入油、グ
リース、フラックス等の有機油分の汚れの他、これに金
属粉、カーボン、無機物粉等が混入した汚れであっても
有効に除去できる。
【0016】また、本発明に係る洗浄剤を超音波洗浄に
適用した場合は、オレイン酸及びリノール酸の少なくと
も一方を含む植物性脂肪酸が水溶性中に溶解してコロイ
ドとなり、これがブラウン運動すること(化学的効果)
と、超音波洗浄装置のキャビティション効果(気泡が生
じて、消滅する時にその近くに数千気圧の圧力が生ずる
物理的効果)との相乗作用により、より高い洗浄力を期
待することができる。
【0017】
【実施例】
(好ましい実施態様)本発明の金属製品用洗浄剤組成物
の配合割合は、以下のとおりとすることが好ましい。 (a)オレイン酸及びリノール酸の少なくとも一方を含む植物性脂肪酸のア ミンセッケン :5〜20重量部 (b)ポリオキシエチレン系の非イオン系界面活性剤:5〜15重量部 (c)グリコールエーテル系の水溶性有機溶剤 :5〜15重量部 (d)金属イオン封鎖剤 :5〜15重量部 (e)二塩基脂肪酸アミンセッケン :5〜15重量部 (f)水 :残部 このとき、上記成分(a)、(b)、(c)、(d)及
び(e)に対する(f)水の添加割合は、特に限定され
ないが、洗浄剤組成物全体の容量をなるべく小さくする
観点から、これらの成分が均一に分散して混合し得る最
低限の水を添加すればよい。
【0018】(a)オレイン酸及びリノール酸の少なく
とも一方を含む植物性脂肪酸のアミンセッケン配合割合
が5重量部よりも少ないと、洗浄力(乳化、吸着等)の
低下となり、20重量部よりも多いと、成分の不均一混
合及び粘度の増加により使用希釈時の溶解性に問題が生
じることとなる。 (b)ポリオキシエチレン系の非イオン系界面活性剤の
配合割合が5重量部よりも少ないと、洗浄力(湿潤性、
浸透性等)の低下となり、15重量部よりも多いと、廃
水処理性に負荷がかかることとなる。
【0019】(c)グリコールエーテル系の水溶性有機
溶剤の配合割合が5重量部よりも少ないと、アミンセッ
ケンの不均一混合及び粘度の増加による使用希釈時の溶
解性に問題となり、15重量部よりも多いと、廃水処理
性に負荷がかかることとなる。 (d)金属イオン封鎖剤の配合割合が5重量部よりも少
ないと、希釈液の硬度成分(Mg、Ca分)がアミンセ
ッケンと反応して不溶性となり従来のアミンセッケンの
性能が十分に発揮できなくなることとなり、15重量部
よりも多いと、イオン封鎖及びビルダーとしての必要以
上の薬品投入となり、廃水処理の負荷、価格の負荷等と
なる。
【0020】(e)二塩基脂肪酸アミンセッケンの配合
割合が5重量部よりも少ないと、防錆剤としての一時防
錆力(24時間発錆なし)が維持できないこととなり、
15重量部よりも多いと、過剰品質となり、廃水処理に
負荷がかかることとなる。また、本発明の洗浄剤組成物
を水で希釈して洗浄剤として用いる場合、洗浄剤組成物
を原液としたときの原液濃度が1〜8wt%となるよう
に水で希釈することが好ましく、2〜5wt%とするこ
とがより好ましい。この原液濃度が1wt%より薄い場
合は防錆上問題があり、一方8wt%より濃くしても洗
浄力(脱脂力)が増加するわけでなくコスト的に不利と
なる。
【0021】さらに、本発明の金属製品用洗浄剤組成物
の好ましい一態様として、 (a)トール油脂肪酸アミンセッケン :5〜20重量部 (b)ポリエチレングリコールパライソオクチルフェニルエーテル :5〜15重量部 (c)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル :5〜15重量部 (d)エチレンジアミンテトラアセチックアシド :5〜15重量部 (e)二塩基脂肪酸アミンセッケン :5〜15重量部 (f)水 :残部 よりなる洗浄剤組成物を挙げることができる。
【0022】(a)植物性脂肪酸のアミンセッケンとし
ては、オレイン酸及びリノール酸の一方のみのアミンセ
ッケンを用いてもよいが、オレイン酸及びリノール酸の
双方を含む植物性脂肪酸のアミンセッケンを用いること
が好ましい。オレイン酸又はリノール酸の単独の植物性
脂肪酸のアミンセッケンを用いる場合、天然のある植物
性脂肪酸からオレイン酸又はリノール酸を抽出、精製す
る必要があり、これはコスト的にも不利であり、またオ
レイン酸及びリノール酸の双方のアミンセッケンを含め
ばそれぞれの特性に応じた洗浄特性の向上を期待するこ
とができるからである。このようなオレイン酸及びリノ
ール酸の双方を含む植物性脂肪酸のアミンセッケンとし
て、上記トール油脂肪酸アミンセッケンを挙げることが
できる。トール油脂肪酸は、松材からクラフト法でパル
プを製造する際に得られる産物としてのトール油の中か
ら脂肪酸を分離したもので、その成分はオレイン酸:4
0〜50%、リノール酸:40〜45%、飽和酸:10
%である。
【0023】なお、上記トール油脂肪酸アミンセッケン
を構成するオレイン酸のアミンセッケンは例えば下記化
1式により得られ、トール油脂肪酸アミンセッケンを構
成するリノール酸のアミンセッケンは例えば下記化2式
により得られる。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】(b)ポリオキシエチレン系の非イオン系
界面活性剤としては、上記ポリエチレングリコールパラ
イソオクチルフェニルエーテルの他にp−nオクチルフ
ェノール、o−nオクチルフェノール等を挙げることが
できる。なお、ポリエチレングリコールパライソオクチ
ルフェニルエーテルは、下記化3式により示される。
【0027】
【化3】
【0028】(c)グリコールエーテル系の水溶性有機
溶剤としては、上記ジプロピレングリコールモノメチル
エーテルの他にプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールジメチルエーテル等を挙げる
ことができる。なお、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルは、下記化4式により示される。
【0029】
【化4】
【0030】(d)金属イオン封鎖剤としては、上記エ
チレンジアミンテトラアセチックアシドを用いることが
できる。なお、エチレンジアミンテトラアセチックアシ
ドは、下記化5式により示される。
【0031】
【化5】
【0032】(実施例1)下記の成分を混合して本実施
例1の洗浄剤組成物を準備した。 (a)トール油脂肪酸アミンセッケン :13wt% (b)ポリエチレングリコールパライソオクチルフェニルエーテル :7wt% (c)ジプロピレングリコールモノメチルエーテル :6wt% (d)エチレンジアミンテトラアセチックアシド :6wt% (e)二塩基脂肪酸アミンセッケン :9wt% (f)水 :残部 この洗浄剤組成物を原液として、原液濃度が2wt%と
なるようにイオン交換水で希釈して、実施例1に係る水
系洗浄剤を得た。
【0033】(比較例1)塩素系洗浄剤としての1.1.1.
トリクロルエタンを比較例1の洗浄剤として準備した。 (比較例2)下記の成分を混合して比較例2の洗浄剤組
成物を準備した。
【0034】 脂肪酸アミンセッケン(カプリル酸) :10〜20wt% 界面活性剤(カチオン系アミンオキサイド型) :20〜30wt% 水 :残部 この洗浄剤組成物を原液として、原液濃度が2wt%と
なるようにイオン交換水で希釈して、比較例2に係る塩
素系代替洗浄剤としての水系洗浄剤を得た。
【0035】(比較例3)下記の成分を混合して比較例
3の洗浄剤組成物を準備した。 脂肪酸アミンセッケン(カプリル酸) :10〜20wt% 二塩基脂肪酸アミンセッケン :10〜20wt% 界面活性剤(ノニオン系特殊エーテル型) :1〜5wt% (ノニオン系ポリエチレン型) :1〜5wt% (カチオン系) :1〜5wt% 水 :残部 この洗浄剤組成物を原液として、原液濃度が2wt%と
なるようにイオン交換水で希釈して、比較例3に係る塩
素系代替洗浄剤としての水系洗浄剤を得た。
【0036】(洗浄性評価)上記実施例1及び比較例
1、3の洗浄剤を用い、以下のように、2種の部品P
(80mm×150mm)、小物部品Q(12mm×5
mmワッシャー)をそれぞれ超音波洗浄して、洗浄性を
評価した。部品秤量(この時の秤量結果を秤量Aとす
る)後、汚染油脂としてのマシン油を塗布し、再び部品
秤量した(この時の秤量結果を秤量Bとする)。このマ
シン油が塗布された部品を、60℃に加熱した上記水系
洗浄剤に浸漬し、全洗浄時間を3分として超音波洗浄し
た。これは、28kHz、45kHz、100kHzの
各超音波を、それぞれ2O秒間、3回ずつ液に加えるこ
とによって行った。この超音波洗浄後、洗浄剤から取り
出した部品をリンス洗浄(イオン交換水中で部品を3回
上下動させる)した後、105℃の熱風で15分間乾燥
した。そして、部品を常温に冷やした後、部品秤量した
(この時の秤量結果をCとする)。
【0037】上記秤量結果A、B、Cより、下記の計算
式に従って洗浄率(油脂除去率)を求めた。その結果を
表1に示す。 〔洗浄率計算式〕 洗浄率(%)={1−〔(秤量C−秤量A)/(秤量B
−秤量A)〕}×100
【0038】
【表1】 表1の結果より、本実施例1の洗浄剤は、洗浄力(油脂
除去率)が従来の水系洗浄剤としての比較例3に係る洗
浄剤と比較して向上しており、塩素系洗浄剤としての比
較例1に係る洗浄剤と同等であることがわかる。
【0039】このように本実施例1の洗浄剤は、従来の
塩素系洗浄剤と同等の洗浄力を発揮するので、従来の塩
素系洗浄剤に代替させることが可能となり、この際、塩
素系洗浄剤用の超音波洗浄設備等を変更等する必要もな
い。また、本実施例1の洗浄剤によれば、塩素系洗浄剤
を用いる場合と比較して、毒性が極めて低く人体に対す
る安全性を高く確保でき、また蒸発、気散等のない良好
な作業環境を確保できる。
【0040】(廃水処理性評価)上記実施例1及び比較
例2、3の洗浄剤について、以下のように凝集処理及び
活性汚泥処理を行って廃水処理性を評価した。薬品によ
る凝集処理をするために、硫酸(酸分解)、カセイソー
ダ(pH調整剤)、消石灰(中和)、硫酸バンド(凝集
剤)及び高分子凝集剤(凝集助剤)をそれぞれ下記に示
す割合で1lの純水で希釈したものを添加薬品として準
備した。
【0041】硫酸 :100g/l カセイソーダ :100g/l 消石灰 :100g/l 硫酸バンド :100g/l 高分子凝集剤 :1g/l 各薬品を上記各洗浄剤に対して数十ppm〜数千ppm
(凝集剤は2000〜3000ppm、高分子凝集剤は
50〜100ppm)添加して液中の成分をフロックと
して生成し、成分除去することにより、液中のCOD
(化学的酸素要求量)及びBOD(生物的酸素要求量)
を低下させる凝集処理を行った。処理後の水質測定の結
果を表2に示す。
【0042】続いて、上記凝集処理後の洗浄剤を純水で
希釈することによりCODが50mg/Lとなるように
調整し、これを20L程度のガラス容器に入れた。そし
て、このガラス容器中に活性汚泥を2000mL/Lの
割合で投入した。次に、エアー流量計によりエアー量を
制御しつつ、適量のエアー(200±20mL/mi
n)で24時間、曝気を行って活性汚泥処理した。処理
後の水質測定の結果を表2に併せて示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2の結果より、従来の水系洗浄剤として
の比較例2及び比較例3の洗浄剤と比較して、本実施例
1の洗浄剤は、BOD及びCODの除去率が高く、生物
処理性が高いことがわかる。したがって、本実施例1に
係る洗浄剤によれば、洗浄後の廃液を活性汚泥処理する
場合、従来の水系洗浄剤と比べると、廃水処理場への負
担を軽減することができる。また、塩素系洗浄剤の廃液
と比べても、水系洗浄剤である本実施例1に係る洗浄剤
の廃液は、安全性が高く(毒性、有害性が低く)取扱い
が容易である。又、塩素系は廃棄物処理業社に処理依託
が必要だが、本洗浄剤は生物処理で分解できるため処理
性が容易となり、廃液処理工程数やコストの低減を図る
ことができる。
【0045】(防錆性評価1)研磨、洗浄した鋼板のテ
ストピースに、表3に示す各試料液(各試料を種々の濃
度でイオン交換水で希釈したもの)をスポイトで3〜4
mmの水滴として20点滴下し、常温にて放置し、24
時間後の水滴部分の錆の発生状況を観察した。その結果
を表3に示す。
【0046】
【表3】 表3の結果より、二塩基脂肪酸アミンセッケンは、極め
て薄い濃度でも防錆効果を発揮し、オレイン酸アミンセ
ッケンやトール油脂肪酸アミンセッケンと比べて防錆力
が大きいことがわかる。
【0047】(防錆性評価2)洗浄した鋳鉄(FC−2
0)の切削粉25gをふた付きシャーレにいれて、その
中に表4に示す各試料液(各成分を1%の濃度でイオン
交換水で希釈したもの)を切削粉が完全に浸るまで入れ
た。その試料液を流し出し、少量の試料液が残る程度に
液切りをし、常温にて経過時間枚にシャーレの上、下面
から切削粉の発錆状態を観察した。その結果を表4に示
す。なお、表4中、◎は錆の発生なし、○は1〜2点の
錆が発生、△は10数点の錆が発生、×は切削粉のうち
の数10点〜1/3に錆が発生、××は切削粉のうちの
1/3以上に錆が発生したことを示す。
【0048】
【表4】 表4の結果より、二塩基脂肪酸アミンセッケンは、オレ
イン酸アミンセッケンやトール油脂肪酸アミンセッケン
と比べて防錆力が大きいことがわかる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の金属製品
用洗浄剤組成物によれば、特許請求の範囲に記載された
構成により、水系洗浄剤でありながら洗浄性(脱脂性)
及び防錆性が高く、また廃水処理性(生物処理性)も高
い水系洗浄剤を提供することが可能となる。
【0050】したがって、本発明に係る洗浄剤は、環境
汚染等で大きな問題となっているフロン系、塩素系洗浄
剤に代替し得、かつ、金属部品を洗浄し得る工業用洗浄
剤として好適に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 3:20 3:33) (72)発明者 相馬 己樹 愛知県豊田市明和町6丁目1番地 豊田化 学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレイン酸及びリノール酸の少なくとも
    一方を含む植物性脂肪酸のアミンセッケンと、ポリオキ
    シエチレン系の非イオン系界面活性剤と、グリコールエ
    ーテル系の水溶性有機溶剤と、金属イオン封鎖剤と、二
    塩基脂肪酸アミンセッケンと、水とを含むことを特徴と
    する金属製品用洗浄剤組成物。
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