JPH07268620A - 低荷重で使用される硫化モリブデン潤滑膜 - Google Patents
低荷重で使用される硫化モリブデン潤滑膜Info
- Publication number
- JPH07268620A JPH07268620A JP6056467A JP5646794A JPH07268620A JP H07268620 A JPH07268620 A JP H07268620A JP 6056467 A JP6056467 A JP 6056467A JP 5646794 A JP5646794 A JP 5646794A JP H07268620 A JPH07268620 A JP H07268620A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lubricating film
- molybdenum sulfide
- film
- density
- target
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 精密機器の摺動部に使用される硫化モリブデ
ン潤滑膜において、従来の硫化モリブデン潤滑膜を越え
る長寿命の固体潤滑膜を提供する。 【構成】 本発明の硫化モリブデン潤滑膜は、その密度
が 3.2〜3.7 で、スパッタリング法により成膜されるこ
とを特徴とし、その成膜にあたっては、基板とターゲッ
ト(蒸発物)間にかける電圧110V以下、真空度0.
1〜12 Pa で成膜することを特徴とする固体潤滑膜で
ある。
ン潤滑膜において、従来の硫化モリブデン潤滑膜を越え
る長寿命の固体潤滑膜を提供する。 【構成】 本発明の硫化モリブデン潤滑膜は、その密度
が 3.2〜3.7 で、スパッタリング法により成膜されるこ
とを特徴とし、その成膜にあたっては、基板とターゲッ
ト(蒸発物)間にかける電圧110V以下、真空度0.
1〜12 Pa で成膜することを特徴とする固体潤滑膜で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密機器の摺動部であ
って、比較的低荷重の摺動面に使用される硫化モリブデ
ン潤滑膜に関する。
って、比較的低荷重の摺動面に使用される硫化モリブデ
ン潤滑膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高温、高真空、高清浄度等の環境
が要求される設備が増加している。例えば、半導体製造
装置のような極度に塵埃を嫌う設備や、宇宙空間で使用
される機器、核融合炉を始めとする物理実験設備のよう
に高真空が要求される設備等がある。これらの、環境下
で使用される機器の潤滑には、蒸発などの問題から従来
の様な液体の潤滑剤が使用できない場合が多い。こうい
った要望に答えるものとして硫化モリブデンに代表され
る固体潤滑膜が様々な分野で利用されている。
が要求される設備が増加している。例えば、半導体製造
装置のような極度に塵埃を嫌う設備や、宇宙空間で使用
される機器、核融合炉を始めとする物理実験設備のよう
に高真空が要求される設備等がある。これらの、環境下
で使用される機器の潤滑には、蒸発などの問題から従来
の様な液体の潤滑剤が使用できない場合が多い。こうい
った要望に答えるものとして硫化モリブデンに代表され
る固体潤滑膜が様々な分野で利用されている。
【0003】従来、これらの固体潤滑膜は接触面圧が 2
00 MPa( 〜20Kgf/mm2)を越える高荷重領域で評価され、
使用されてきた。因みに、従来の、固体潤滑膜の試験評
価方法の一例をあげる。平面基板上に成膜した固体潤滑
膜の試料を、荷重をかけた鋼球に点接触させ相対運動さ
せる。この時の膜の耐久性で固体潤滑膜を評価するのが
一般的な試験評価方法とされている。一般にこのような
摩耗試験は、鋼球に概ね5 N 以上の荷重を加えて行わ
れ、この時の接触面圧は 200 MPa以上に及ぶ。
00 MPa( 〜20Kgf/mm2)を越える高荷重領域で評価され、
使用されてきた。因みに、従来の、固体潤滑膜の試験評
価方法の一例をあげる。平面基板上に成膜した固体潤滑
膜の試料を、荷重をかけた鋼球に点接触させ相対運動さ
せる。この時の膜の耐久性で固体潤滑膜を評価するのが
一般的な試験評価方法とされている。一般にこのような
摩耗試験は、鋼球に概ね5 N 以上の荷重を加えて行わ
れ、この時の接触面圧は 200 MPa以上に及ぶ。
【0004】しかし、現実の摺動部品に加わる接触面圧
力は多くが 400 KPa以下であり、こうした低負荷荷重領
域での潤滑特性に限って考えると、従来の高負荷荷重領
域での摩耗試験とは異なった結果が得られることも予想
される。特に、半導体製造装置のような機器では、低負
荷荷重領域での潤滑特性、耐摩耗性が発塵の点から重要
となる。
力は多くが 400 KPa以下であり、こうした低負荷荷重領
域での潤滑特性に限って考えると、従来の高負荷荷重領
域での摩耗試験とは異なった結果が得られることも予想
される。特に、半導体製造装置のような機器では、低負
荷荷重領域での潤滑特性、耐摩耗性が発塵の点から重要
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】精密機器等の分野では
加工技術、材料技術の進歩とともに、使用される部品の
小型化、軽量化が進み、摺動部品に加わる接触面圧は低
下する傾向がある。一般に摺動部の接触面圧が低い程、
潤滑膜の寿命は長くなるが、従来使用されている硫化モ
リブデン膜では更に長寿命化を実現することは困難であ
った。
加工技術、材料技術の進歩とともに、使用される部品の
小型化、軽量化が進み、摺動部品に加わる接触面圧は低
下する傾向がある。一般に摺動部の接触面圧が低い程、
潤滑膜の寿命は長くなるが、従来使用されている硫化モ
リブデン膜では更に長寿命化を実現することは困難であ
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、硫化モリブデン(MoSxここで、x:2〜
3)からなる潤滑膜において、該潤滑膜の密度が3.2
〜3.7であることを特徴とする硫化モリブデン潤滑膜
を提供する(請求項1)。また、スパッタリング法によ
り成膜することを特徴とする請求項1記載の硫化モリブ
デン潤滑膜を提供する(請求項2)。
解決するため、硫化モリブデン(MoSxここで、x:2〜
3)からなる潤滑膜において、該潤滑膜の密度が3.2
〜3.7であることを特徴とする硫化モリブデン潤滑膜
を提供する(請求項1)。また、スパッタリング法によ
り成膜することを特徴とする請求項1記載の硫化モリブ
デン潤滑膜を提供する(請求項2)。
【0007】さらに、硫化モリブデン潤滑膜の成膜にお
いて、基板とターゲット(蒸発物)間にかける電圧11
0V以下、真空度0.1〜12 Pa で成膜することを特
徴とする請求項2記載の硫化モリブデン潤滑膜を提供す
る(請求項3)。
いて、基板とターゲット(蒸発物)間にかける電圧11
0V以下、真空度0.1〜12 Pa で成膜することを特
徴とする請求項2記載の硫化モリブデン潤滑膜を提供す
る(請求項3)。
【0008】
【作用】本発明の硫化モリブデン潤滑膜は、スパッタリ
ング法により、金属、セラミックス等の表面に形成され
る。従来固体潤滑膜としての硫化モリブデン薄膜は、膜
の密度が高いほど潤滑特性に優れると言われていた。潤
滑膜への接触面圧が 200MPa を越えるような高荷重の場
合にはこれが成り立つが、接触面圧が 200MPa 以下の低
荷重領域では、この関係が逆転することを発明者等は見
出し、本発明を成すに到った。つまり、密度 3.2〜3.7
の硫化モリブデン潤滑膜は、接触面圧 200MPa 以下で摩
擦される摺動部材表面に施すことにより、従来使用され
ていた密度3.8以上の硫化モリブデン潤滑膜に比べ 2〜1
0倍程度の長寿命を可能にすることが分かった。
ング法により、金属、セラミックス等の表面に形成され
る。従来固体潤滑膜としての硫化モリブデン薄膜は、膜
の密度が高いほど潤滑特性に優れると言われていた。潤
滑膜への接触面圧が 200MPa を越えるような高荷重の場
合にはこれが成り立つが、接触面圧が 200MPa 以下の低
荷重領域では、この関係が逆転することを発明者等は見
出し、本発明を成すに到った。つまり、密度 3.2〜3.7
の硫化モリブデン潤滑膜は、接触面圧 200MPa 以下で摩
擦される摺動部材表面に施すことにより、従来使用され
ていた密度3.8以上の硫化モリブデン潤滑膜に比べ 2〜1
0倍程度の長寿命を可能にすることが分かった。
【0009】以下、図面を引用して、実施例により、本
発明を具体的に説明するが、本発明は、これに限られる
ものではない。
発明を具体的に説明するが、本発明は、これに限られる
ものではない。
【0010】
【実施例】図2は、本発明の低密度硫化モリブデン潤滑
膜の成膜に使用したマグネトロンスパッタリング装置の
主要部分の概略断面図である。蒸発物としての二硫化モ
リブデンターゲット2と、これに対向して鏡面加工のス
テンレス基板1が設置される。ターゲット2の下にはプ
ラズマ密度を高めるための磁石5が複数個、ターゲット
2に対して垂直に、かつ、その磁極を隣どうし逆向きに
配置される。装置には、これらを所定の真空度に維持す
るステンレス製のチャンバ7が備えられている。また、
チャンバ7には、チャンバ内を所望の真空度に排気する
ための排気手段(図示せず)が排気口4に接続されてい
る。さらに、チャンバ7には、プラズマ生成用のガスを
導入するために、不活性ガス導入口3が設置される。ま
た、装置は、ターゲット2と基板1の間に、プラズマを
発生させるための高周波(又はマイクロ波)電源6を備
えている。
膜の成膜に使用したマグネトロンスパッタリング装置の
主要部分の概略断面図である。蒸発物としての二硫化モ
リブデンターゲット2と、これに対向して鏡面加工のス
テンレス基板1が設置される。ターゲット2の下にはプ
ラズマ密度を高めるための磁石5が複数個、ターゲット
2に対して垂直に、かつ、その磁極を隣どうし逆向きに
配置される。装置には、これらを所定の真空度に維持す
るステンレス製のチャンバ7が備えられている。また、
チャンバ7には、チャンバ内を所望の真空度に排気する
ための排気手段(図示せず)が排気口4に接続されてい
る。さらに、チャンバ7には、プラズマ生成用のガスを
導入するために、不活性ガス導入口3が設置される。ま
た、装置は、ターゲット2と基板1の間に、プラズマを
発生させるための高周波(又はマイクロ波)電源6を備
えている。
【0011】次に、図2の装置を用いて硫化モリブデン
潤滑膜を生成する過程について説明する。 ターゲット
2には平板状(厚さ 2〜3 mm)の二硫化モリブデン
(MoS2純度99%)を用いた。まず、不活性ガス導入口3
よりプラズマ生成用の Ar ガスを導入( 80 〜500 cc/m
in)しながらチャンバー7の真空度が 0.7 Pa を維持す
るように排気する。つぎに、ターゲット2と基板1の間
に高周波電圧(13.56MHz: 70V)かけると、導入された
Ar ガスがイオン化され、さらにターゲット2下部に配
置された磁石の磁界によりターゲット2近傍に高密度の
プラズマが生成される。イオン化したアルゴン原子(Ar
+ )は、次々とターゲット2に衝突し、ターゲット(Mo
S2)の原子をはじき出し、基板1上に硫化モリブデン
( MoSx )の薄膜を形成する(これをスパッタリングと
いう)。
潤滑膜を生成する過程について説明する。 ターゲット
2には平板状(厚さ 2〜3 mm)の二硫化モリブデン
(MoS2純度99%)を用いた。まず、不活性ガス導入口3
よりプラズマ生成用の Ar ガスを導入( 80 〜500 cc/m
in)しながらチャンバー7の真空度が 0.7 Pa を維持す
るように排気する。つぎに、ターゲット2と基板1の間
に高周波電圧(13.56MHz: 70V)かけると、導入された
Ar ガスがイオン化され、さらにターゲット2下部に配
置された磁石の磁界によりターゲット2近傍に高密度の
プラズマが生成される。イオン化したアルゴン原子(Ar
+ )は、次々とターゲット2に衝突し、ターゲット(Mo
S2)の原子をはじき出し、基板1上に硫化モリブデン
( MoSx )の薄膜を形成する(これをスパッタリングと
いう)。
【0012】約 60 分間のスパッッタリングでステンレ
ス基板1上に膜厚 0.2μm、密度3.7の硫化モリブデン
潤滑膜が形成された。密度はX線小角散乱の結果から求
めた。成膜した硫化モリブデン潤滑膜の耐摩耗性を評価
するために、図3に示す往復摩擦摩耗試験機を使用し
た。装置は、支点16を中心に左側にヘッド部13、右
側にカウンターバランス17が釣り合う構造となってい
る。ヘッド部は板バネ15を介して支点と接続されてい
る。荷重14は、ヘッド部13の上からかける。ヘッド
部13の下端には直径 10 mmの鋼球12が接合され、
試料10と接触する構成となっている。試料10は、試
料台11に載置される。試料台11は、紙面と垂直方向
に所定の速度、振幅で往復運動する構造になっている。
ここで荷重は、 5〜3000 gf を加えた。これは、接触
面圧に直すと 2〜1200 MPaに対応する。荷重を加えなが
ら相対速度 30 mm/sec、振幅 30 mmで往復運動させ、下
地が露出するまでの往復回数を膜寿命とした。
ス基板1上に膜厚 0.2μm、密度3.7の硫化モリブデン
潤滑膜が形成された。密度はX線小角散乱の結果から求
めた。成膜した硫化モリブデン潤滑膜の耐摩耗性を評価
するために、図3に示す往復摩擦摩耗試験機を使用し
た。装置は、支点16を中心に左側にヘッド部13、右
側にカウンターバランス17が釣り合う構造となってい
る。ヘッド部は板バネ15を介して支点と接続されてい
る。荷重14は、ヘッド部13の上からかける。ヘッド
部13の下端には直径 10 mmの鋼球12が接合され、
試料10と接触する構成となっている。試料10は、試
料台11に載置される。試料台11は、紙面と垂直方向
に所定の速度、振幅で往復運動する構造になっている。
ここで荷重は、 5〜3000 gf を加えた。これは、接触
面圧に直すと 2〜1200 MPaに対応する。荷重を加えなが
ら相対速度 30 mm/sec、振幅 30 mmで往復運動させ、下
地が露出するまでの往復回数を膜寿命とした。
【0013】図1は、潤滑膜の耐摩耗性評価試験の結果
を示すグラフである。縦軸は、往復回数で表した膜寿命
である。横軸は、負荷荷重( gf )又は接触面圧(MPa
)を表す。密度 3.7の硫化モリブデン潤滑膜(図1で
は白丸であらわす)は、試験荷重 100 gf (接触面圧 4
0 MPa ) で 20,000 〜30,000回の膜寿命を示した。試験
荷重 50 gf(接触面圧 20 MPa )では 70,000 〜80,000
回の膜寿命であった。
を示すグラフである。縦軸は、往復回数で表した膜寿命
である。横軸は、負荷荷重( gf )又は接触面圧(MPa
)を表す。密度 3.7の硫化モリブデン潤滑膜(図1で
は白丸であらわす)は、試験荷重 100 gf (接触面圧 4
0 MPa ) で 20,000 〜30,000回の膜寿命を示した。試験
荷重 50 gf(接触面圧 20 MPa )では 70,000 〜80,000
回の膜寿命であった。
【0014】一方、比較例として、図2に示すチャンバ
7内に Ar ガスを導入( 80 〜500cc/min)しながら、
真空度を 0.7 Pa に維持して、二硫化モリブデンターゲ
ット2とステンレス基板1の間に高周波電圧( 13.56 M
Hz: 120V )をかけながら、20分間スパッタリングを行
った。この結果、ステンレス基板1上に膜厚 0.2μm、
密度 3.9を持つ硫化モリブデン潤滑膜が形成された。こ
れを前記密度 3.7の潤滑膜と同様に耐摩耗性の評価を行
った。この結果は、図1の黒丸で表す。試験荷重 100 g
f (接触面圧 40 MPa) で 3,000回程度、試験荷重 50 g
f(接触面圧 20 MPa )では 5,000回程度であった。
7内に Ar ガスを導入( 80 〜500cc/min)しながら、
真空度を 0.7 Pa に維持して、二硫化モリブデンターゲ
ット2とステンレス基板1の間に高周波電圧( 13.56 M
Hz: 120V )をかけながら、20分間スパッタリングを行
った。この結果、ステンレス基板1上に膜厚 0.2μm、
密度 3.9を持つ硫化モリブデン潤滑膜が形成された。こ
れを前記密度 3.7の潤滑膜と同様に耐摩耗性の評価を行
った。この結果は、図1の黒丸で表す。試験荷重 100 g
f (接触面圧 40 MPa) で 3,000回程度、試験荷重 50 g
f(接触面圧 20 MPa )では 5,000回程度であった。
【0015】図1の耐摩耗性評価試験の結果をまとめる
と、負荷荷重が 500 gf (接触面圧200 MPa)以上の条
件では、密度 3.8以上の膜が耐摩耗性に優れているが、
負荷荷重が 500 gf (接触面圧 200 MPa)以下では、本
発明の、密度 3.2〜3.7 の低密度の潤滑膜が良好な耐摩
耗性を示すようになる。
と、負荷荷重が 500 gf (接触面圧200 MPa)以上の条
件では、密度 3.8以上の膜が耐摩耗性に優れているが、
負荷荷重が 500 gf (接触面圧 200 MPa)以下では、本
発明の、密度 3.2〜3.7 の低密度の潤滑膜が良好な耐摩
耗性を示すようになる。
【0016】
【発明の効果】本発明の硫化モリブデン潤滑膜は、その
密度が 3.2〜3.7 で、スパッタリング法により成膜され
ることを特徴とし、その成膜にあたっては、基板とター
ゲット(蒸発物)間にかける電圧110V以下、真空度
0.1〜12 Pa で成膜することを特徴とする固体潤滑
膜である。
密度が 3.2〜3.7 で、スパッタリング法により成膜され
ることを特徴とし、その成膜にあたっては、基板とター
ゲット(蒸発物)間にかける電圧110V以下、真空度
0.1〜12 Pa で成膜することを特徴とする固体潤滑
膜である。
【0017】硫化モリブデン潤滑膜を、前記のように構
成することにより、以下に述べる効果を奏する。接触面
圧 200 MPa以下で摩擦される摺動部材の表面に、上記潤
滑膜を施すことで、従来の硫化モリブデン潤滑膜に比べ
2〜10倍以上の長寿命が可能となる。
成することにより、以下に述べる効果を奏する。接触面
圧 200 MPa以下で摩擦される摺動部材の表面に、上記潤
滑膜を施すことで、従来の硫化モリブデン潤滑膜に比べ
2〜10倍以上の長寿命が可能となる。
【図1】は、本発明の一実施例にかかる硫化モリブデン
潤滑膜と比較例の摩擦摩耗試験機による評価結果を示す
グラフである。
潤滑膜と比較例の摩擦摩耗試験機による評価結果を示す
グラフである。
【図2】は、本発明の一実施例にかかる硫化モリブデン
潤滑膜の成膜に使用したマグネトロンスパッタ装置の主
要部の概略断面図である。
潤滑膜の成膜に使用したマグネトロンスパッタ装置の主
要部の概略断面図である。
【図3】は、硫化モリブデン潤滑膜の耐摩耗性評価に使
用した往復摩擦摩耗試験機の概略図である。
用した往復摩擦摩耗試験機の概略図である。
1 ステンレス基板 2 二硫化モリブデンターゲット 3 不活性ガス導入口 4 排気口 5 磁石 6 高周波(マイクロ波)電源 7 真空チャンバ 10 試料 11 試料台 12 鋼球 13 ヘッド部 14 荷重 15 板バネ 16 支点 17 カウンターバランス 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:02 50:08
Claims (3)
- 【請求項1】 硫化モリブデン(MoSxここで、x:2〜
3)からなる潤滑膜において、該潤滑膜の密度が3.2
〜3.7であることを特徴とする硫化モリブデン潤滑
膜。 - 【請求項2】 スパッタリング法により成膜することを
特徴とする請求項1記載の硫化モリブデン潤滑膜。 - 【請求項3】 硫化モリブデン潤滑膜の成膜において、
基板とターゲット(蒸発物)間にかける電圧110V以
下、真空度0.1〜12 Pa で成膜することを特徴とす
る請求項2記載の硫化モリブデン潤滑膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6056467A JPH07268620A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 低荷重で使用される硫化モリブデン潤滑膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6056467A JPH07268620A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 低荷重で使用される硫化モリブデン潤滑膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07268620A true JPH07268620A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13027917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6056467A Pending JPH07268620A (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 低荷重で使用される硫化モリブデン潤滑膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07268620A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7399733B2 (en) | 2000-11-16 | 2008-07-15 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Metallic sliding member, piston for internal combustion engine, method of surface-treating these, and apparatus therefor |
US7485372B2 (en) | 2005-04-13 | 2009-02-03 | Hitachi Metals, Ltd. | Multi-layer coating having excellent adhesion and sliding properties and production method thereof |
CN110578110A (zh) * | 2019-10-15 | 2019-12-17 | 河南科技大学 | 一种硫化物基复合膜层及其制备方法和耐磨工件 |
-
1994
- 1994-03-28 JP JP6056467A patent/JPH07268620A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7399733B2 (en) | 2000-11-16 | 2008-07-15 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Metallic sliding member, piston for internal combustion engine, method of surface-treating these, and apparatus therefor |
US7485372B2 (en) | 2005-04-13 | 2009-02-03 | Hitachi Metals, Ltd. | Multi-layer coating having excellent adhesion and sliding properties and production method thereof |
CN110578110A (zh) * | 2019-10-15 | 2019-12-17 | 河南科技大学 | 一种硫化物基复合膜层及其制备方法和耐磨工件 |
CN110578110B (zh) * | 2019-10-15 | 2021-08-27 | 河南科技大学 | 一种硫化物基复合膜层及其制备方法和耐磨工件 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101087525B1 (ko) | 스퍼터원, 스퍼터링 장치 및 스퍼터링 방법 | |
US4094764A (en) | Device for cathodic sputtering at a high deposition rate | |
KR100472594B1 (ko) | 활주식접촉면을갖는부재,압축기및회전식압축기 | |
US5026470A (en) | Sputtering apparatus | |
TW202018113A (zh) | Pvd濺射沉積腔室中的傾斜磁控管 | |
JPH07268620A (ja) | 低荷重で使用される硫化モリブデン潤滑膜 | |
JP3649933B2 (ja) | マグネトロンスパッタ装置 | |
JP4213777B2 (ja) | スパッタリング装置及び方法 | |
JP2009046730A (ja) | 成膜方法 | |
JP2928479B2 (ja) | スパッタリング装置 | |
JP2005330556A (ja) | 炭素系摺動材 | |
JPS6217175A (ja) | スパツタリング装置 | |
US4476000A (en) | Method of making a magnetic film target for sputtering | |
JPS6130671A (ja) | 硬質カ−ボン膜 | |
Siemroth et al. | Vacuum arc evaporation with programable erosion and deposition profile | |
JP6378884B2 (ja) | 成膜方法 | |
US5149415A (en) | Film forming apparatus | |
Murzin et al. | Use of sputtering and negative carbon ion sources to prepare carbon nitride films | |
JPS60218464A (ja) | 薄膜の製造装置 | |
JPH04116160A (ja) | 皮膜形成装置 | |
Wang et al. | In situ examination of wear particle generation in carbon nitride coatings by repeated sliding contact against a spherical diamond | |
JP2007023331A (ja) | 摺動材 | |
RU2068458C1 (ru) | Вакуумная напылительная установка | |
EP0417780A2 (en) | Method and device for evaporating an arc discharge cathode with cathode spots with reduced macroparticle emission | |
CN116086944A (zh) | 一种分离式dlc摩擦实验观测装置 |