JPH07268613A - 分子線セル - Google Patents

分子線セル

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JPH07268613A
JPH07268613A JP8796194A JP8796194A JPH07268613A JP H07268613 A JPH07268613 A JP H07268613A JP 8796194 A JP8796194 A JP 8796194A JP 8796194 A JP8796194 A JP 8796194A JP H07268613 A JPH07268613 A JP H07268613A
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JP
Japan
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crucible
temperature
heater
molecular beam
discharge port
Prior art date
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Pending
Application number
JP8796194A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takahashi
弘 高橋
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EIKO ENG KK
Original Assignee
EIKO ENG KK
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Filing date
Publication date
Application filed by EIKO ENG KK filed Critical EIKO ENG KK
Priority to JP8796194A priority Critical patent/JPH07268613A/ja
Publication of JPH07268613A publication Critical patent/JPH07268613A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 るつぼ9の底部から放出口10に至る各部分
の温度勾配を任意に設定できるようにし、いわゆるコー
ルドウォールによる分子線発射の障害を防止すると共
に、分子線発射時の温度条件を適当に設定する。 【構成】 るつぼ9の底部寄りとるつぼの分子線の放出
口10側とに各々別のヒータ6、7を配置する。これら
るつぼ9の底部寄りに配置されたヒータ6と、るつぼの
分子線の放出口10側に配置されたヒータ7とを、各々
独自に所定の温度に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空蒸着装置における
薄膜形成材料等の分子を発射させる分子線源等として使
用される分子線セルに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の分子線セルは、化学的に安定で
耐熱性の高い材料からなる円筒容器状の坩堝の外周にヒ
ータを配置したものである。この分子線セルは、真空蒸
着装置等の真空装置の内部にセットされ、前記のヒータ
の加熱により、るつぼの内部に収納したGaやAs等の
分子線源材料を蒸発・気化させ、その分子を坩堝の放出
口から発射させる。この分子線セルは、その周囲を反射
板で囲まれ、ヒータから発生する熱が外側に放射するの
が防止される。また、反射板の外側は、液体窒素等の冷
媒を満たしたシュラウドで囲まれ、冷却される。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】この種の分子線セ
ルでは、るつぼをその外周側からヒータで加熱し、分子
線源材料を加熱し、蒸発させる。このとき、るつぼがそ
の周囲のシュラウドで冷却されるため、るつぼの底部か
ら放出口に至る各部が均等に加熱されず、温度勾配が生
じてしまう。この温度勾配は、ヒータによる加熱温度を
高くすればする程急になる。
【0004】例えば、るつぼの底部が設定温度1000
℃になるようにヒータの出力を制御した場合、るつぼの
底部から僅かに放出口に寄った側では、実際の温度が1
030℃程になるのに対し、放出口付近では、800℃
程度の温度にしかならない。このため、るつぼの底部に
ある分子線源材料が蒸発し、るつぼの放出口から放出さ
れようとするとき、るつぼの放出口付近に接した蒸発分
子が再凝固し、放出口付近を塞いでしまうことがある。
このるつぼの放出口付近における分子線源材料の再凝固
を、いわゆるコールドウォールと呼ぶ。このコールドウ
ォールは、分子線の発射を不能とし、薄膜等の形成に重
大な支障をもたらす。
【0005】また、従来の分子線セルでは、坩堝の各部
における温度を任意に設定できないため、例えば、るつ
ぼ底部における分子線源材料の蒸発時の温度条件や放出
口からの発射時の分子線の温度条件を任意に設定するこ
とができなかった。そこで本発明は、るつぼの底部と放
出口とで任意に温度条件を設定することで、るつぼの底
部から放出口に至る部分の温度勾配を任意に設定できる
ようにし、いわゆるコールドウォールによる分子線発射
の障害を防止すると共に、分子線発射時の温度条件を適
当に設定できるようにしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するため、るつぼ9の周囲に配置したヒータ6に
加え、るつぼ9の分子線の放出口10側にも別のヒータ
7を配置し、これらヒータ6、7を各々独自の所定の温
度に設定することとした。すなわち、本発明は、円筒容
器形のるつぼ9の周囲にヒータ6を配置した分子線セル
において、るつぼ9の底部寄りとるつぼの分子線の放出
口10側とに各々別のヒータ6、7を配置したことを特
徴とする。そして、これらるつぼ9の底部寄りに配置さ
れたヒータ6と、るつぼの分子線の放出口10側に配置
されたヒータ7とを、各々独自に所定の温度に設定す
る。
【0007】
【作用】本発明による分子線セルでは、るつぼ9の周囲
に配置されたヒータ6に加え、るつぼ9の分子線の放出
口10の周囲側に別のヒータ7を配置することにより、
るつぼ9の放出口10側の温度低下が防止でき、これに
より、いわゆるコールドウォール等の分子線発射の障害
が防止できる。さらに、これらのヒータ6、7を各々独
自の所定の温度に設定することにより、るつぼ9の底部
から放出口10にわたる温度勾配を任意に設定でき、分
子線源材料の蒸発時の温度条件と分子線発射時の温度条
件を適切に設定できる。
【0008】
【実施例】次に、図面を参照しながら、本発明の実施例
について詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示す
要部縦断側面図である。GaやAs等の分子線源材料を
収納するるつぼ9は、化学的に安定で且つ耐熱性のある
材料、例えばパイロリティックボロンナイトライド(P
BN)等で作られ、上端が分子線の放出口10として開
口した円筒容器状のものである。
【0009】このるつぼ9の周囲の底部寄りの部分は、
Ta等からなるコイル状のヒータ6で囲まれている。こ
のヒータ6の外側及びるつぼ9の底部が各々反射板2、
3で囲まれ、ヒータ6で発生する熱が外部に放射される
のが防止される。これら反射板2、3は、セル受部材1
により保持され、このセル受部材1が前記反射板2を介
してるつぼ9を支持している。
【0010】るつぼ9の中心軸と平行にシャッタ軸4が
回転自在に支持され、その上端にシャッタ5が取り付け
られている。シャッタ軸4は、図示してないモータに連
結され、同軸4が回転することにより、シャッタ5が回
転し、るつぼ9の放出口10を開閉する。
【0011】るつぼ9の底面に熱電対8の測温接点が当
てられ、これによりるつぼ9の底面の温度が測定され
る。さらに、るつぼ10の放出口10の周囲に、Ta等
の線材をリング状に固定したヒータ7が配置されてい
る。このヒータ7と前記コイル状のヒータ6とは、図示
してないヒータ電源に接続され、各々別に加熱され、且
つ温度制御される。このような分子線セルは、真空装置
内にセットされ、周囲を液体窒素等の冷媒を満たした図
示してないシュラウドで囲まれ、周囲から冷却された状
態で使用される。
【0012】図2は、このような分子線セルにおいて、
ヒータ6の発熱により、るつぼ9の底部が600℃、8
00℃、1000℃、1200℃になるように各々温度
設定し、長さ89mmのるつぼ9の底部、この底部から
5mm、25mm、45mm、65mm、85mm及び
89mmの位置の温度を各々測定した結果を示す。この
とき、ヒータ7には電流を流さず、それを発熱させなか
った。
【0013】このグラフから明かなように、例えば、る
つぼ9の底部の設定温度を600℃とし、るつぼ9の底
部をこの温度に維持したとき、るつぼ9の各部の温度が
安定した状態では、るつぼ9の底部から5mmの位置で
温度が約660℃になるのに対し、るつぼ9の底部から
85mmの位置、すなわち放出口10から底部側に4m
mの位置では、約520℃となる。この間、約140℃
もの温度差が生じていることがわかる。そして、このよ
うな温度勾配は、るつぼ9の底部の設定温度を800
℃、1000℃、1200℃と高くするに従い、より顕
著となる。このため、例えばるつぼ9の底部を分子線源
材料の蒸発温度に設定することで、同材料を蒸発して
も、るつぼ9の放出口10で蒸発材料の分子がるつぼ9
の表面に触れると、同分子が再び凝固し、前述のような
コールドウォールが発生することになる。
【0014】図3は、前記の分子線セルにおいて、るつ
ぼ9の底部寄りのヒータ6の発熱により、るつぼ9の底
部が600℃、800℃、1000℃、1200℃にな
るように各々設定したとき、るつぼ9の放出口10側の
ヒータ7の発熱により、るつぼ9の放出口10側が、る
つぼ9の底部の前記設定温度と同じ或は50℃、100
℃だけ各々高くなるよう設定し、同様にしてるつぼ9の
各部の温度を測定した結果を示す。例えば、るつぼ9の
底部を1000℃となるように各々設定したとき、るつ
ぼ9の放出口10側のヒータ7は、1000℃、105
0℃及び1100℃となるよう設定した場合である。
【0015】この図3のグラフから明かな通り、何れの
設定温度でも図2の場合に比べて、るつぼ9の底部から
放出口10にわたる温度分布が平坦に近くなっているの
がわかる。るつぼ9の底部及び放出口10の設定温度が
1200℃付近の高い温度になると、るつぼ9の中間位
置の温度が高くなるが、全体としては図2の場合に比べ
て温度分布は平坦である。
【0016】図4は、前記の分子線セルにおいて、ヒー
タ6を発熱させず、ヒータ7の発熱により、るつぼ9の
放出口10側が600℃、800℃、1000℃、12
00℃になるように各々設定し、同様にしてるつぼ9の
各部の温度を測定した結果を示す。るつぼ9の底部の温
度は熱電対8で測定した実測値を示す。
【0017】この場合も、図4のグラフから明かな通
り、図2の場合に比べて、るつぼ9の底部から放出口1
0にわたる温度分布が平坦に近くなっているのがわか
る。るつぼ9の設定温度が1200℃付近の高い温度に
なると、やはりるつぼ9の中間位置の温度が高くなる
が、全体としては図2の場合に比べて温度分布は平坦で
ある。
【0018】図5は、本発明の他の実施例を示すもので
ある。この実施例では、るつぼ9の放出口10側のヒー
タ7’として、他方のヒータ6と同様のコイル状のヒー
タを使用し、このヒータ7’でるつぼ9の放出口10側
の周囲を囲んでいる。このヒータ7’は、他方のヒータ
6とは別に温度制御され、独自に温度設定がなされる。
なお、ヒータ6、7、7’は、るつぼ9の底部寄りと放
出口10側の2つだけでなく、中間部にも別のヒータを
設けるなど、3つ以上に分離して設けてもよい。これに
より、るつぼ9の中間部の温度上昇を或る程度抑え、全
体に平坦な温度分布を形成することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、る
つぼの底部と放出口10とで任意に温度条件を設定する
ことで、るつぼの底部から放出口10に至る部分の温度
勾配を任意に設定できるので、いわゆるコールドウォー
ル等の障害が防止できる。また、分子線発射時の温度条
件を適当に設定することができるようにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である分子線セルのるつぼ付近
の要部縦断側面図である。
【図2】同実施例の分子線セルにおいて、るつぼの放出
口側のヒータを発熱させず、るつぼの底部寄りのヒータ
のみを発熱させたときのるつぼの各部の温度分布を示す
グラフである。
【図3】同実施例の分子線セルにおいて、るつぼの放出
口側のヒータとるつぼの底部寄りのヒータとを共に発熱
させたときのるつぼの各部の温度分布を示すグラフであ
る。
【図4】同実施例の分子線セルにおいて、るつぼの放出
口側のヒータのみを発熱させ、るつぼの底部寄りのヒー
タを発熱させなかったときのるつぼの各部の温度分布を
示すグラフである。
【図5】本発明の他の実施例である分子線セルのるつぼ
付近の要部縦断側面図である。
【符号の説明】
6 るつぼの底部側のヒータ 7 るつぼの放出口側のヒータ 7’ るつぼの放出口側のヒータ 8 熱電対 9 るつぼ 10 るつぼの放出口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒容器形のるつぼ(9)の周囲にヒー
    タ(6)を配置した分子線セルにおいて、るつぼ(9)
    の底部寄りとるつぼ(9)の分子線の放出口(10)側
    とに各々別のヒータ(6)、(7)を配置したことを特
    徴とする分子線セル。
  2. 【請求項2】 前記請求項1において、るつぼ(9)の
    底部寄りに配置されたヒータ(6)と、るつぼ(9)の
    分子線の放出口(10)側に配置されたヒータ(7)と
    が、各々独自に所定の温度に設定されることを特徴とす
    る分子線セル。
JP8796194A 1994-03-31 1994-03-31 分子線セル Pending JPH07268613A (ja)

Priority Applications (1)

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JP8796194A JPH07268613A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 分子線セル

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JP8796194A JPH07268613A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 分子線セル

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JPH07268613A true JPH07268613A (ja) 1995-10-17

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JP8796194A Pending JPH07268613A (ja) 1994-03-31 1994-03-31 分子線セル

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007128898A (ja) * 2002-07-19 2007-05-24 Lg Electron Inc 有機電界発光膜蒸着用蒸着源

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04348022A (ja) * 1991-05-24 1992-12-03 Mitsubishi Electric Corp 分子線エピタキシー用セル

Patent Citations (1)

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