JPH07268488A - 表面被覆カーボンロールおよびその製造方法 - Google Patents

表面被覆カーボンロールおよびその製造方法

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JPH07268488A
JPH07268488A JP8377894A JP8377894A JPH07268488A JP H07268488 A JPH07268488 A JP H07268488A JP 8377894 A JP8377894 A JP 8377894A JP 8377894 A JP8377894 A JP 8377894A JP H07268488 A JPH07268488 A JP H07268488A
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JP
Japan
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roll
carbon
metal
coating layer
carbon roll
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Application number
JP8377894A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Hirota
芳明 広田
Masahiko Amano
正彦 天野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロール表面に不均一な温度分布が生じにく
く、サーマルクラウンの発生を防止でき、かつ耐摩耗性
も有するカーボンロールを製造する。 【構成】 カーボンロールの表面に焼き嵌めまたは溶射
により金属、セラミックスまたはサーメットからなる被
覆層2を形成する。被覆層2の厚みは、金属の場合は1
0〜1500μm、セラミックス、サーメットの場合は
10〜1000μmとする。 【効果】 カーボンの欠点であった耐摩耗性の問題が解
決され、長時間の使用が可能である。また、母材がカー
ボンであるため被加熱材や雰囲気と接触しても温度分布
が生じにくく、かつ熱膨張率も小さいのでサーマルクラ
ウンの発生を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱処理炉の搬送用や、
ロール冷却、あるいは通電加熱に用いられる耐摩耗性カ
ーボンロールおよびその製造方法に関し、特に、高温の
金属材と接触しても温度分布に基づくサーマルクラウン
が発生せず、耐摩耗性に優れる表面被覆カーボンロール
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の焼鈍、例えば冷延鋼板の連続焼鈍
で使用される炉内のハースロールは、炉の雰囲気温度が
高く接触する鋼板が雰囲気温度より低温の場合、ロール
の中央部は温度が低くロールのエッジの方が高温にな
り、温度分布がつく。この温度分布に応じ、ロールのプ
ロフィールには、熱膨張により中央がへこみエッジが高
い凹型のクラウンを生じる。逆に、炉の雰囲気温度より
高温の鋼板と接触する場合や、加熱された鋼板を冷却す
るために使用される冷却ロール、あるいは通電加熱に使
われる通電ロール、押さえロールなどはロール温度が鋼
板よりも低く、高温の鋼板と接触した部分は高温に熱せ
られるが鋼板と接触しない部分は温度が低くなり、凸型
のクラウンが生じる。このような状態では鋼板にも温度
分布、張力分布がつきやすく、形状が悪化して耳波や絞
りなどが生じやすくなる。また、鋼板の幅が変わった場
合にはロールのプロフィールが変化し、鋼板形状が不安
定になりやすく、ロールのプロフィールが安定するまで
低速で操業しなければならないなどの問題があった。
【0003】また、通電ロールや押さえロールにクラウ
ンが生じると鋼板への接触圧力が部分的に低下する結
果、鋼板と通電ロールの間でスパークが発生し、鋼板、
通電ロール双方に溶融痕が生じ、製品品質の低下、ロー
ル寿命の低下をもたらすという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、金属材との接
触や雰囲気温度によりロールに温度分布が生じるのを抑
制するとともに、仮に温度分布が生じた場合でも膨張し
ないようなロールとするため、ロール胴部の材質に着目
し、熱拡散しやすく熱膨張しない材質を検討すると、熱
伝導が良く熱膨張しにくいという両方の性質を持ち合わ
せる材質としてカーボンがある。カーボンの中でも押し
出し黒鉛は、結晶化がすすむほど熱伝導率が高くなると
いう性質がある。特に結晶は押し出し方向に配向するた
め、熱伝導はこの方向に特に高く、通常使用される鉄の
2〜3倍の熱伝導率を示す。したがって、押し出し方向
をロール胴長方向にとれば、熱は胴長方向に拡散しやす
くなり、高温の金属と接触しても温度分布はつきにく
い。一方、黒鉛は線膨張係数が小さく鉄の1/2〜1/
10の伸びしかないので、仮に温度分布がついても熱膨
張量は小さく、プロフィールは変化しにくい。カーボン
材には、他にCIP成形したものや型込め成形したもの
にも同様の性質を有するものが多い。以下、これらのカ
ーボン材をロール胴長部に使い、金属軸に固定したもの
をカーボンロールという。
【0005】このようなカーボンロールはサーマルクラ
ウン防止には有効な特性を持つが、反面柔らかく、ロー
ルとして使用する場合には耐摩耗性が問題となってく
る。
【0006】カーボンの耐摩耗性を向上させるために、
たとえば特開平4−280865号公報には、カーボン
中に金属繊維および/または金属粉を配合し、さらに金
属線および/または金網を配することが記載されてい
る。しかし、これは主に鉄道用パンタグラフ摺板に利用
することを考慮したものであり、カーボンロールの耐摩
耗性を向上させるには十分ではない。
【0007】本発明は、ロール表面に不均一な温度分布
が生じにくく、サーマルクラウンの発生を防止でき、か
つ耐摩耗性も有するカーボンロールおよびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の〜の
通りである。
【0009】 カーボンロールの表面に金属、セラミ
ックスまたはサーメットからなる被覆層を形成したこと
を特徴とする表面被覆カーボンロール。
【0010】 カーボンロールの表面に金属からなる
厚み10〜1500μmの被覆層を形成したことを特徴
とする表面被覆カーボンロール。
【0011】 カーボンロールの表面にセラミックス
またはサーメットからなる厚み10〜1000μmの被
覆層を形成したことを特徴とする表面被覆カーボンロー
ル。
【0012】 カーボンロールの表面に金属、セラミ
ックスまたはサーメットからなる円筒を焼き嵌めにより
密着させて10〜1000μmの被覆層を形成すること
を特徴とする表面被覆カーボンロールの製造方法。
【0013】 カーボンロールの表面に金属、セラミ
ックスまたはサーメットを溶射して10〜1000μm
の被覆層を形成することを特徴とする表面被覆カーボン
ロールの製造方法。
【0014】
【作用】耐摩耗性を向上させるためには、柔らかいカー
ボンロールの表面に硬質層を形成することが有効であ
る。そこで本発明では、カーボンロールの表面に金属ま
たはセラミックスからなる被覆層を形成することにし
た。つまり、柔らかいカーボンの表面を硬い金属または
セラミックスで被覆して耐摩耗性を改善するのである。
金属としては0.8%C鋼、SUS304、鋳鉄、W等
を用いることができ、セラミックスとしてはZrB2
TiN、Al2 3 、WC、TiC、ZrO2等を用い
ることができる。
【0015】被覆層が厚くなり過ぎると、被覆材の物性
が顕在化して熱膨張したり、鋼板クラウンに追従しなく
なるので、金属の場合は1500μm以下、セラミック
スの場合は1000μm以下の被覆厚とする。また下限
は、たとえば溶射を行う場合、1パスで10〜30μm
程度盛られることから、10μmを下限とする。
【0016】以上のように、本発明の表面被覆カーボン
ロールは、ロール表面に硬度の高い被覆層を有するの
で、カーボンロールの欠点、すなわち柔らかいため耐摩
耗性が劣る問題点が解決される。そして、高熱伝導性、
低熱膨張率といった性質は母材カーボンが受け持つの
で、ロールの温度分布がつきにくく、温度分布がついた
としても、ロールの温度分布に起因するサーマルクラウ
ンの発生が抑制できる。また、弾性率が低いため容易に
変形しやすく、板クラウンなどにも密着して接触でき
る。このようにして、本発明によりサーマルクラウンが
発生せず、かつ耐摩耗性が優れるカーボンロールが得ら
れる。
【0017】以上のように、カーボンロールの表面に硬
い被覆層を形成して耐摩耗性を改善することができる
が、カーボンは他の物質と反応しにくいため、密着して
被覆層を形成することは困難である。そこで、本発明で
は、焼き嵌めにより被覆層を形成することにした。焼き
嵌めは、熱膨張率が母材カーボンより大きい金属または
セラミックスの円筒をカーボンロールの使用温度以上に
加熱してからカーボンロールを挿入し、冷却して密着さ
せた後外周を研摩して被覆層を所定厚みとすることによ
り行う。また、被覆層は金属またはセラミックスの粉末
をカーボンロール表面に溶射することにより形成するこ
とも可能である。この場合も、溶射後に研摩して所定厚
に調整すればよい。
【0018】
【実施例1】種々の厚みの金属被覆層とセラミックス被
覆層について、抑えロールに要求されるクラウンへの追
従性テストを行った。すなわち、まずS45C製のロー
ル軸に取り付けたヤング率500kg/mm2 の押し出
し黒鉛からなる径φ300mm、胴長300mmのカー
ボンスリーブ表面に表1に示す材質、厚みの被覆層を形
成した。溶射は、カーボン表面にショットブラストをか
けRa5μmにした後、400℃に予熱した状態で大気
中でプラズマにて行った。被覆層は、厚み100μm以
下の場合には溶射した後研摩することにより、500μ
m以上の場合には肉厚3〜5mmの円筒を400℃で5
0μmの焼き嵌め代で焼き嵌めした後削りだすことによ
り形成した。そして、このようにして製造した表面被覆
カーボンロールを用い、図1に示すように、50μmの
エッジドロップを有する板厚0.3mmのブリキ材4を
定盤5の上に置き、その上に圧力が加わると赤色に変色
する紙であるプレスケール6を被せ、室温で圧下力5k
g/mmで圧下した。圧下後、プレスケール6の変色に
よる圧下確認の結果を表1に併せて示す。
【0019】
【表1】 注)○:追従性良好、△:追従性やや劣る、×:追従せ
ず、−:製造できず
【0020】表1に示すように、金属の被覆層の場合に
は厚み1500μm以下、セラミックスの被覆層の場合
には厚み1000μm以下で追従性が良好であった。な
お、鋳鉄の場合は溶射できないため、厚み100μm以
下の被覆層のロールは製造できなかった。また、100
μm以上の層を設ける場合、溶射により形成できるもの
は溶射によって形成し、溶射では層が形成できないもの
については、円筒状にして焼き嵌め後研摩を行えば容易
に所定厚みの被覆カーボンが得られる。一般に100μ
m以上の厚みの場合には、焼き嵌めの方が形成しやす
い。またサーメット材は、肉厚の厚い溶射はできなかっ
た。
【0021】
【実施例2】本発明のカーボンロールに形成する被覆層
の耐摩耗性を調べるため、50×50×10mmの押し
出し黒鉛に種々の被覆材を溶射した試験材を製作し、S
US304製で接触面が5mm角のピンを1kgf/m
2 の押し付け圧力で2時間押し付けて摩耗量を測定す
るピンオンディスク摩耗試験を行った。比較のため被覆
無しの各種カーボン材についても同様の試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0022】
【表2】 注)−はピンに削られたことを、+はピンを削ったこと
を示す
【0023】表2に示すように、本発明のカーボンロー
ルに形成する被覆層はピンを削ってしまうほど耐摩耗性
に優れていた。
【0024】
【発明の効果】本発明の表面被覆カーボンロールは硬質
の被覆層を表面に有するので、カーボンの欠点であった
耐摩耗性の問題が解決され、長時間の使用が可能であ
る。また、母材がカーボンであるため被加熱材や雰囲気
と接触しても温度分布が生じにくく、かつ熱膨張率も小
さいのでサーマルクラウンの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンロールの追従性テストに使用した装置
を示す図である。
【符号の説明】 1 カーボンスリーブ 2 被覆層 3 ロール軸 4 ブリキ材 5 定盤 6 プレスケール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボンロールの表面に金属、セラミッ
    クスまたはサーメットからなる被覆層を形成したことを
    特徴とする表面被覆カーボンロール。
  2. 【請求項2】 カーボンロールの表面に金属からなる厚
    み10〜1500μmの被覆層を形成したことを特徴と
    する表面被覆カーボンロール。
  3. 【請求項3】 カーボンロールの表面にセラミックスま
    たはサーメットからなる厚み10〜1000μmの被覆
    層を形成したことを特徴とする表面被覆カーボンロー
    ル。
  4. 【請求項4】 カーボンロールの表面に金属、セラミッ
    クスまたはサーメットからなる円筒を焼き嵌めにより密
    着させて10〜1000μmの被覆層を形成することを
    特徴とする表面被覆カーボンロールの製造方法。
  5. 【請求項5】 カーボンロールの表面に金属、セラミッ
    クスまたはサーメットを溶射して10〜1000μmの
    被覆層を形成することを特徴とする表面被覆カーボンロ
    ールの製造方法。
JP8377894A 1994-03-31 1994-03-31 表面被覆カーボンロールおよびその製造方法 Pending JPH07268488A (ja)

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A02 Decision of refusal

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Effective date: 20021008