JPH07267957A - プリン誘導体、その製法および該プリン誘導体を用いるヌクレオシド類似体の製法 - Google Patents

プリン誘導体、その製法および該プリン誘導体を用いるヌクレオシド類似体の製法

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JPH07267957A
JPH07267957A JP7006031A JP603195A JPH07267957A JP H07267957 A JPH07267957 A JP H07267957A JP 7006031 A JP7006031 A JP 7006031A JP 603195 A JP603195 A JP 603195A JP H07267957 A JPH07267957 A JP H07267957A
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purine
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sugar moiety
amino
purine derivative
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Colin Reese
リーゼ コリン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗ウイルス活性を有するヌクレオシド類似体
の製法を提供する。 【構成】 (式中、Zは式 を表す)を有する出発物質の糖部分のヒドロキシル基を
必要な場合は保護し、プリン環の6位を活性化し、この
位置に置換基Bを導入し、そして前記糖部分を除去する
ことからなる一般式I (式中、AはNH2 またはHであり、Bはプリン環の9
位でその後の置換が行われ易くする作用を有しかつ糖部
分の除去に耐えるが、しかし後程に除去できるかまたは
変換できる置換基を表す)で示されるプリン誘導体の製
法が開示される。得られるプリン誘導体はその9位に側
鎖を導入しそして6位の置換基Bを除去するかまたは変
換することからなるヌクレオシド類似体の製造に使用で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリン誘導体、その製法
および該プリン誘導体を用いるヌクレオシド類似体の製
法に関し、より詳しくは本発明はグアノシンのアシクロ
ビル(acyclovir)である9−[(2−ヒドロキシエトキ
シ) メチル]−グアニン、およびその6−デオキシ誘導
体への変換に関する。現在の好ましい第1の態様におい
ては、本発明は下記一般式I
【0002】 (式中、AはHであるかまたはNH2 のような置換基を
表し、Bはプリン環の9位でその後の置換が行われ易く
する作用を有しかつ糖部分の除去に耐えるが、しかし後
程に除去できるかまたは変換できる置換基を表す)を有
するプリン誘導体を製造するに当たり、下記一般式II
【0003】 (式中、Zは式
【0004】 を表す)を有する出発物質の糖部分のヒドロキシル基を
必要な場合は保護し、プリン環の6位を活性化し、この
位置に置換基Bを導入し、そして前記糖部分を除去する
ことからなる、プリン誘導体の製法を提供するものであ
る。
【0005】出発物質は例えばそのヒドロキシル基をア
シル化、好ましくはアセチル化により保護できるグアノ
シンまたはイノシンであることができる。一般的には6
位の活性化はクロル化を意味する。例えば、置換基Bは
嵩のあるアルカンチオまたはアレーンチオ基、好ましく
はアレーンチオ基、より好ましくはp−クロロ−または
p−メチル−チオフェノールから誘導された基であるこ
とができる。糖部分はルイス酸好ましくはBF3OEt
2 、または強プロトン酸好ましくは濃H2SO4を用いて
除去することができる。
【0006】本発明はまた、前記方法によって得ること
のできるかかるプリン誘導体をも提供する。現在の好ま
しいさらなる態様においては本発明は、前記プリン誘導
体の9位に側鎖を導入し、そして該プリン誘導体の6位
の置換基Bを除去するかまたは変換することからなる、
ヌクレオシド類似体の製法を提供する。
【0007】製造されるヌクレオシド類似体は、例えば
アシクロビル (acyclovir)、6−デオキシアシクロビ
ル、ガンシクロビル(ganciclovir)、ペンシクロビル
(penciclovir)、またはファムシクロビル(famciclovi
r)であることができる。以上に本発明の一般的範囲を示
したが、本発明を以下により詳細に述べる。糖残基が非
環式側鎖により置換されたヌクレオシド類似体の多くが
高い抗ウイルス活性を有することが判明している(例え
ば、De Clercq, E., Biochem. Pharmacol., 1991, 42,
963 参照) 。すでに判明するかまたは化学療法に適用で
きそうなかかる類似体の特に注目に値する群はアキラル
9−アルキルグアニンまたは密接に関連した9−アルキ
ル−2−アミノプリン誘導体である。この群の化合物に
は下記のものが包含される。アシクロビル(例えば、Eli
on, G.B., et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA.,197
7, 74, 5716;および Schaeffer, H.J., et al, Natur
e, 1978, 272, 583)、 その6−デオキシ誘導体(例えば、 Krenitsky, T.A.,
et al, Proc. Natl.Acad. Sci. USA, 1984, 81, 320
9)、
【0008】 ガンシクロビル、9−[(1,3−ジヒドロキシ−2−プ
ロポキシ)メチル]−グアニン(例えば、Martin, J.
C., et al, J. Med. Chem., 1983, 26, 759:Field, A.
K., et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 1983, 80,
4139;Ogilvie, K.K., et al, Can. J. Chem., 1982, 6
0, 3005; および Schaeffer, H.J., in "Nucleosides,
nucleotides and their biological applications", E
ds. Rideout, Henry & Beacham, Academic, New York,
1983, 1-17)、
【0009】 ペンシクロビル、9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロ
キシメチル)−ブト−1−イル]グアニン(例えば、Ha
rnden, M.R., & Jarvest, R.L., Tet. Lett.,1985, 26,
4265; および Harnden, M.R., et al, J. Med. Chem.,
1987, 30, 1636)、
【0010】 およびファムシクロビル,9−[4−アセトキシ−3−
(アセトキシメチル)−ブト−1−イル]−2−アミノ
−9H−プリン(例えば、 Harnden, M.R., etal, J. M
ed. Chem., 1989, 32, 1738; およびGeen, G.R., et a
l, Tet. Lett.,1992, 33, 4609)。
【0011】 これら重要なアルキル化プリンのありうる全体的合成法
は実質的に2つの主要部分からなる。第1のかかる部分
は、N−9で高度に位置選択的(または好ましくは位置
特異的)アルキル化を受け、従って生成するアルキル化
産物が相当する9−アルキルグアニンまたは9−アルキ
ル−2−アミノプリンは容易に変換されうるように設計
されるプリン誘導体の調製を包含する。もう一つの主要
な部分は、適当な非環式側鎖の導入に必要とされるシン
トンの調製を包含する。本方法は全体的方法のうちの特
に第1の部分、すなわち好適なプリン誘導体の合成に関
する。好ましい態様においては、本発明はアシクロビル
および相当するプロドラッグ6−デオキシ−アシクロビ
ルの製造に関する。
【0012】2−グアニンおよび2−アミノプリン誘導
体両者のありうる前駆体としては、2−アミノ−6−ク
ロロプリン(例えば、Davies, G.D., et al, J. Am. Ch
em.Soc., 1960,82, 2633; および Balsiger, R.W., & M
ontgomery, J.A., J. Org.Chem., 1960, 25, 1573; お
よび日本特許1986, JP61, 227583; Chem. Abstr. 198
7, 106, 84280 j )
【0013】 が上記抗ウイルス剤の合成に必要なプリン成分の候補で
ありそして事実その目的に使用されている(例えば、Ha
rnden & Jarvest, 上記;第一 Harnden, et al,上記;
第二 Harnden, et al, 上記;Geen, et al, 上記;およ
び Robins, M.J.,& Hatfield, P.W., Can. J. Chem., 1
982, 60, 547)。しかしながら、2−アミノ−6−クロ
ロプリンの使用に関連して、このものはN−9で主にア
ルキル化を受けるが、かなりの量の7−アルキル誘導体
もしばしば得られるという点で、考慮すべき可能性のあ
る欠点がある(例えば Kjellberg, J., & Johansson,
N.G.,Nucleosides Nucleotides, 1989, 8, 225;および
Geen, G.R., et al, Tetrahedron, 1990, 46, 690
3) 。例えば、2−アミノ−6−クロロプリンは炭酸カ
リウムの存在下にベンジルブロマイドと反応して(例え
ば、Kjellberg, J., & Johansson, 上記)、異性体9−
N−および7−N−ベンジル誘導体を3.5:1の割合で
生成する。同様の条件下でこのものは4−アセトキシ−
3−(アセトキシメチル)−1−ヨードブタンと反応し
て(例えば、Geen, G.R., et al, Tetrahedron Lette
rs, 1990, 46, 6903) 、主に9−[4−アセトキシ−3
−(アセトキシメチル)−ブト−1−イル]−2−アミ
ノ−6−クロロ−9H−プリン
【0014】 を生成し、このものはペンシクロビルおよびファムシク
ロビル両方の前駆体であるが、しかし異性体7−N−ア
ルキル誘導体が得られる生成物の約15%に達する。グア
ノシン
【0015】 から非常に高収率(94%) で製造できる2′,3′,
5′,−トリ−O−アセチルグアノシン
【0016】 (例えば、Robins, M.J., & Uznanski, B., in "Nuclei
c acid chemistry.Improved and new synthetic proced
ures, methods and techniques, Part 3",Eds.Townsend
& Tipson, Wiley, New York, 1986, 144-148)は、アセ
トニトリル溶液中N,N−ジメチルアニリンおよびテト
ラエチルアンモニウムクロライドの存在下にオキシ塩化
燐と反応して(例えば、Robins & Ugnanski, 上記) 、
2−アミノ−6−クロロ−9−(2,3,5−トリ−O
−アセチル−β−D−リボフラノシル)プリン
【0017】 を85%の単離収率で生成するのであるから、グアノシン
は2−アミノ−6−クロロプリンの最も入手し易い前駆
物質である(日本特許、上記;Chem. Abstr., 上記) グ
アニンよりもより好都合なプリン成分製造の出発物質で
あるかもしれないと考えられた。(代替保護基としてベ
ンゾイルも考慮されたかも知れない。)最近の研究では
(例えば第二の Geen,上記) 、6−置換基の親脂性、な
らびにその嵩がN−9/N−7アルキル化の比率に影響
している可能性がある。これを頭に入れると、6−クロ
ロ化合物から2段階(下記スキーム1参照)で容易に調
製されうる2−アミノ−6−(4−クロロフェニルチ
オ)−9H−プリン
【0018】 が前記抗ウイルス剤合成のための好適なプリン誘導体で
あることが充分に立証されるかも知れないと考えられ
た。
【0019】スキーム 1 試薬および条件:(i)4−ClC64SH,Et3N,M
eOH,N2,室温,4時間;(ii) 濃H2SO4,0℃〜
室温またはEt2O→BF3,PhOH,CH2Cl2
還流,2時間。
【0020】6−クロロ化合物はメタノール溶液中のそ
れぞれ少過剰の4−クロロ(チオフェノール)およびト
リエチルアミンと室温で反応して(例えば、Buck, I.
M., &Reese, C.B., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1,
1990, 2937)相当するチオエーテルを生成し、このもの
は81%の収率で結晶性固形物として単離された。この合
成方法の反応の急所は、後者ヌクレオシド誘導体の相当
するアグリコンへの変換である。当初は、これは室温で
濃硫酸を使用して実施され、そして要求されるプリン誘
導体が70%の単離収率で結晶性固形物として得られた。
次に、沸騰ジクロロメタン溶液中フェノールの存在下に
過剰の三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートと処理する
ことによりグリコシド結合の開裂を行った場合は、より
良好な収率(89%)が得られることが見出された。フェ
ノールの存在が有益であることが判明したが、しかしこ
のものが放出された糖部分と反応したかどうかは知られ
ていない。もしグリコシド開裂反応が後者操作で行われ
る場合は、比較的安価な出発物質であるグアノシンを、
4段階で、必要とされる2−アミノ−6−(4−クロロ
フェニルチオ)−9H−プリンに変換すると全体的収率
約57%で進行する。
【0021】この製造は下記スキーム2に従って継続さ
れた。スキーム 2 試薬および条件:(i),(a), (Me3Si)2NH,(NH
4)2SO4,還流,30分,(b), Hg(CN)2 ,AcOCH
2CH2OCH2Br, ベンゼン,還流;(ii), Ph
CH2COCl,2,6−ルチジン,MeCN,0℃;(i
ii), 3−ClC64CO3H,CH2Cl2,室温,3時
間;(iv),Ac.C(Me) =NOH,(Me2N)2C=N
H,MeCN,室温,15分;(v)8mol dm-3NH3 ,M
eOH,室温,24時間。
【0022】プリン誘導体を硫酸アンモニウムの存在下
に過剰のヘキサメチルジシラザンで処理することによ
り、はじめにトリメチルシリル化した。次に生成物をベ
ンゼン溶液中(2−アセトキシエトキシ)メチルブロマ
イド(例えば Robins & Hatfield, 上記)およびシアン
化水銀(II) と加熱して9−[(2−アセトキシエトキ
シ)メチル]誘導体を70%の単離収率で得た。異性体7
−[(2−アセトキシエトキシ)メチル]誘導体は生成
物中には検出されなかった。生成した化合物をN−2で
フェニルアセチル化し、そして次に生成物をジクロロメ
タン溶液中3−クロロ過安息香酸で処理することにより
スルホンに酸化した(例えばBuck & Reese, 上記) 。後
者生成物は単離されなかったが、乾燥アセトニトリル中
ブタン−2,3−ジオンモノオキシム(例えば Cruicks
hank, K.A., PhD Thesis, LondonUniversity, 1982, 8
7) および N1, N1, N3, N3−テトラメチルグアニジ
ンで直接処理して、チオエーテルから出発して3段階の
単離収率53%でジアシルアシクロビルを結晶性固形物と
して得た。一見したところではこのフェニルアセチル化
段階は不必要と思われるかもしれないが、、有機溶媒中
における中間体の溶解度を改善しそして満足できる収率
での純粋なアシクロビル誘導体の単離を容易にしたので
あるから有益であることが判明した。かかるプリン系の
2−N−アシル化もオキシメートイオンによるC−6で
の求核攻撃を容易にすると考えられている(例えば Sib
anda, S., PhD Thesis, London University, 1982, 109
-111)。このジアシル誘導体をメタノール溶液中室温で
アンモニアで処理した場合はアシクロビルが得られ、そ
して生成物から純粋な結晶性固形物として84%の収率で
容易に単離された。
【0023】9−[(2−アセトキシエトキシ)メチ
ル]−2−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−
9H−プリンのアシクロビルへの変換には4段階が包含
されるが、相当するプロドラッグである6−デオキシア
シクロビル(例えば Krenitsky, et al, 上記)へのそ
の変換は2段階しか必要とせず(下記スキーム3(a)
参照) 、そしてほとんど66%の全収率で進行した。チオ
エーテルを沸騰エタノール溶液中過剰のヒドラジン水和
物と加熱すると、6−ヒドラジノ化合物がほとんど定量
的収率で得られた。このとおりC−6でのヒドラジンに
よる円滑な求核置換は、はじめにチオエーテルを対応す
るスルホンに酸化することなく容易に実施できる。この
ヒドラジノ化合物を2−メトキシエタノール溶液中黄色
酸化水銀(II)(例えば Chattopadhyaya, J.B., & Rees
e, C.B., J. Chem. Soc., Chem. Commun., 1977, 414)
と80℃で2時間処理すると、6−デオキシアシクロビル
が得られ、このものは無色結晶性固形物として70%の収
率で単離された。この2段階脱硫方法は2−アミノ−6
−(4−クロロフェニルチオ)−(2,3−O−イソプロ
ピリデン−β−D−リボフラノシル)プリンについても
実施された。後者化合物は2−アミノ−(2,3−O−イ
ソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)プリン(例
えば Harman, R.E., et al, Chem. & Ind., 1969, 114
1) に57%の全収率で変換された(下記スキーム3
(b)参照)。2−アミノ−6−(4−クロロフェニル
−チオ)−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D
−リボフラノシル)プリンの、対応するイソプロピリデ
ン誘導体への2段階変換(下記スキーム3(b)参照)
は全収率55%で行われた。
【0024】スキーム 3 試薬および条件:(i) N24.H2O, EtOH,還
流;(ii) 黄色 HgO,MeOCH2CH2OHまたは
EtOH,約80℃;(iii) 8モルdm-3 NH3 , MeO
H,室温,16時間;(iv) Me2C(OMe)2,TsO
H.H2O,MeCN,室温。
【0025】2−アミノ−6−(4−クロロフェニルチ
オ)−(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リ
ボフラノシル)プリンに三フッ化ホウ素ジエチルエーテ
ラートを作用させることにより最も良好に製造される2
−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−9H−プ
リンはまた、ガンシクロビル、ペンシクロビルおよびフ
ァムシクロビルを合成するための好適なプリン誘導体で
あることが判明しよう。
【0026】
【実施例】以下に本発明をさらに例示する。NMRスペ
クトルは250MHzで Bruker WM 250分光計を用いて測定
し、360MHzでは Bruker AM 360分光計で測定した。内部
標準としてテトラメチルシランを使用し、そしてJ−値
はHzで示した。Merck シリカゲル60F254 TLCプレー
トを溶媒系A[クロロホルム−エタノール(98:2 v/
v) ]、B[クロロホルム−エタノール(95:5 v/v)
]およびC[ブタン−1−オール−酢酸−水(5:
2:3v/v)]中で展開させた。液体クロマトグラフィー
(LC)は Jones Apex Octadecyl 5μ(マイクロメー
ター)カラムで実施し、それを0.1モルdm-3水性トリエ
チルアンモニウムアセテート−アセトニトリル(97:3
v/v) を用いて溶離した。ジクロロメタンは五酸化燐上
で還流加熱することにより乾燥し、次に蒸溜した。アセ
トニトリル、2,6−ルチジン、ピリジンおよびトリエチ
ルアミンは水素化カルシウムと還流下加熱することによ
り乾燥し、次に蒸溜した。N,N−ジメチルホルムアミ
ド(DMF)は減圧(水流ポンプ)下に水素化カルシウ
ム上を蒸溜することにより乾燥した。“ライトペトロレ
ウム”とは沸騰範囲30〜40℃のフラクションを指す。
【0027】実施例12−アミノ−6−クロロ−(2,3,5−トリ−O−ア
セチル−β−D−リボフラノシル)プリン N,N−ジメチルアニリン(3.2cm3 、25.2ミリモル)
および新たに蒸溜したオキシ塩化燐(13.7cm3、0.147
モル)を、2′,3′,5′−トリ−O−アセチルグアノ
シン(10.23g、25.0ミリモル)およびテトラエチルアン
モニウムクロライド(8.30g、50.1ミリモル、真空下に
五酸化燐上85℃で乾燥)の攪拌溶液に窒素雰囲気下室温
で加えた。反応フラスコを 100℃に予熱した油浴中に入
れ、そして反応体を還流下に10分間加熱した。冷却した
生成物を次に減圧下で蒸発させ、そして残留物をクロロ
ホルム(150cm3 ) 中に溶解した。砕氷(150g) を加え、
生成する混合物を15分間攪拌した。層を分離した後、水
層をクロロホルム(5×50cm3 ) で抽出した。合一した
有機層を次に冷水(6×30cm3 ) および飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(3×50cm3 ) で洗い、乾燥(MgSO
4 ) しそして減圧下に濃縮(約40cm3 となるまで)し
た。プロパン−2−オール(60cm3 ) を添加したのち、
この溶液を減圧下に約40cm3 となるまで濃縮し、そして
4℃で一夜保持して標記化合物(9.0 g、84%) を結晶
性固形物として得た。 C1618ClN57としての計算値 C,44.9;H,4.2;
N,16.4% 実測値 C,45.0;H,3.9;N,16.1% m.p. 140-142℃,(lit 152-153℃) ; Rf 0.27 (溶媒系
A) ; δH[(CD3)2SO]2.04(3H, s), 2.05(3H, s), 2.1
3(3H, s), 4.29(1H, dd, J 5.1 および 10.9), 4.35-4.
45(2H, m), 5.55(1H, dd, J 4.1 および 5.8), 5.89(1
H, t, J 5.9),6.12(1H, d, J 5.2), 7.09(2H, br.s),
8.38(1H, s);δC[(CD3)2SO]20.12,20.31, 20.44, 62.
88, 70.18, 71.83, 79.63, 84.80, 123.43, 141.20, 14
9.84,153.62, 159.84, 169.21, 169.36, 170.02。
【0028】実施例22−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−(2,
3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシ
ル)プリン 4−クロロ(チオフェノール)(1.70g、11.8ミリモル)
およびトリエチルアミン(1.6cm3 、11.5ミリモル)をメ
タノール中の2−アミノ−6−クロロ−(2,3,5−
トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)プリン
(4.15g、9.7ミリモル)の攪拌懸濁液中に窒素雰囲気
下室温で加えた。4時間後、生成物を濾過し、残留物を
ライトペトロレウムで洗った。この物質をエタノールか
ら結晶化させて標記化合物を得た(4.23g、81%) 。 C2222ClN57Sとしての計算値 C,49.3;H,4.
1;N,13.1% 実測値 C,49.1;H,4.0;N,12.9% m.p. 170℃;Rf 0.30 (溶媒系A) ; δH[(CD3)2SO]
2.04(6H, s), 2.13(3H, s), 4.28(1H, dd, J 5.5 およ
び 11.2), 4.35(1H, m), 4.41(1H, dd, J 3.7 および 1
1.2), 5.55(1H, dd, J 4.2 および 5.7), 5.89(1H, t,
J 5.9), 6.10(1H, d, J 6.1), 6.57(2H, br.s), 7.53(2
H, d, J 8.5), 7.64(2H, d, J 8.5), 8.25 (1H,
s); δC[(CD3)2SO]20.19, 20.37, 20.52, 63.01, 70.
31, 71.88, 79.63, 84.57, 123.66, 126.52, 129.18, 1
34.11, 136.63, 139.53, 151.23, 158.65, 159.70, 1
69.30, 169.46, 170.11。
【0029】実施例32−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−9H−
プリン (a)2−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−
(2,3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラ
ノシル)プリン(3.48g、6.5ミリモル)を濃硫酸(15
cm3 ) 中に0〜5℃(氷水浴)で攪拌しながら少しずつ
加えた。この反応混合物を0〜5℃で5分間、そして次
に室温で30分間攪拌した。生成する溶液を砕氷(200g)
中に注ぎ入れ、そしてこの混合物を5分間はげしく攪拌
した。(完全な溶液とするのに必要であれば超音波浴を
用いてもよい。) 生成物を次に濃水性アンモニアを用い
て注意深く中和し(約pH7まで) そして酢酸エチルで抽
出した(1×100cm3 、2×50cm3 ) 。合一した有機抽
出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い(2×50cm
3 ) 、乾燥(MgSO4 ) し、そして減圧下に蒸発させ
て標記化合物を無色固形物として得(1.26g、70%) 、
これを水性メタノールから再結晶した。 C118ClN5Sとしての計算値 C,47.6;H,2.9;
N,25.2% 実測値 C,47.5;H,2.85;N,25.0% m.p. 225℃;Rf 0.05 (溶媒系A);δH[(CD3)2SO]6.2
8(2H,br.s), 7.51(2H, d, J 8.5), 7.63(2H, d, J 8.
5), 7.97(1H, s), 12.62(1H, br.s);δC[(CD3)2SO]12
3.39, 127.08, 128.97, 133.71, 136.35, 139.42, 152.
27, 157.01, 159.63。 (b)乾燥ジクロロメタン(100cm3 ) 中の2−アミノ−
6−(4−クロロフェニルチオ)−(2,3,5−トリ
−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)プリン(5.
91g、11.0ミリモル)の攪拌溶液中に、フェノール(2.
076g、22ミリモル)および三フッ化ホウ素ジエチルエー
テラート(11cm3 、89ミリモル)を加え、そして生成す
る溶液を還流下に2時間加熱した。冷却した生成物を減
圧下に蒸発させた。得られる残留物を酢酸エチル(250cm
3 ) 中に溶解させそして生成する溶液を飽和炭酸ナトリ
ウム水溶液(3×50cm3 ) で洗い、乾燥(MgSO4 )
し、そして減圧下に蒸発させた。残留物をジエチルエー
テルで洗って(3×20cm3 )、標記化合物を無色固形物
として得た(2.735g、89%) 。このものは前記(a)項
記載の物質と同一(m.p.,TLC(溶媒系B), 1Hおよ
13C NMR)であった。
【0030】実施例49−[(2−アセトキシエトキシ)メチル]−2−アミ
ノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−9H−プリン 2−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−9H−
プリン(1.11g、4.0ミリモル)、硫酸アンモニウム
(0.18g、1.36ミリモル)およびヘキサメチルジシラザ
ン(20cm3 ) を一緒に還流加熱した。3時間後、冷却し
た生成物を減圧下に蒸発乾固させ、そして乾燥ベンゼン
(45cm3 ) およびシアン化水銀(II)(1.38g、5.46ミリ
モル)を加えた。この混合物を30分間還流加熱し、そし
てベンゼン(10cm3 ) 中の(2−アセトキシエトキシ)
メチルブロマイド(0.78g、3.96ミリモル)の溶液を加
えた。反応混合物を還流下にさらに2時間加熱した後、
冷却した生成物を減圧下に蒸発させ、そしてクロロホル
ム(300cm3 ) を加えた。生成する溶液を1.0モルdm-3
性ヨウ化カリウム(150cm3 ) および飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(2×100cm3 ) で抽出した。乾燥(MgS
4 )した有機層を減圧下に濃縮しそして残留物をシリ
カゲルでのクロマトグラフィーによりフラクションに分
けた。クロロホルムで溶離した適切なフラクションを合
しそして減圧下に蒸発させて標記化合物を無色ガラス状
物質(1.10g、70%) として得た。このものを酢酸エチ
ル−シクロヘキサンから結晶化した。 C1616ClN53Sとしての計算値 C,48.8;H,4.
1;N,17.8% 実測値 C,48.75;H,3.9;N,17.4% m.p. 99-101℃;Rf 0.26 (溶媒系A) ; δH[(CD3)2S
O]1.95(3H, s), 3.69 (2H, m), 4.07(2H, m), 5.45(2
H, s), 6.50(2H, br.s), 7.52(2H, d, J 8.5), 7.63(2
H, d, J 8.5), 8.15(1H, s);δC[(CD3)2SO]20.46, 6
2.68, 66.61,71.78, 123.36, 126.
67, 129.05, 133.90,136.4
5, 141.44, 151.66, 157.9
7, 159.87, 170.16。
【0031】実施例59−[(2−アセトキシエトキシ)メチル]−2−N−
フェニルアセチルグアニン 乾燥アセトニトリル(30cm3 ) 中の9−[2−(アセト
キシエトキシ)−メチル]−2−アミノ−6−(4−ク
ロロフェニルチオ)−9H−プリン(1.10g、2.8ミリモ
ル)の攪拌溶液に、2,6−ルチジン(1.0cm3 、8.6ミ
リモル)を加え、そしてこの溶液を0℃(氷浴)に冷却
した。フェニルアセチルクロライド(0.56cm3 、4.2ミ
リモル)続いて30分後に水(0.8cm3 ) を加えた。さらに
10分後、生成物を減圧下に蒸発させた。クロロホルム(1
00cm3 ) 中の残留物の溶液を冷1.0モルdm-3硫酸(50cm
3 ) そして次に飽和炭酸水素ナトリウム(2×50cm3 )
で洗った。後者洗液をクロロホルム(50cm3 ) で抽出し
戻し、そして合一した有機抽出液を乾燥(MgSO4 )
し、そして減圧下に濃縮した。得られた残留物をシリカ
ゲル上のクロマトグラフィーによりフラクションに分け
た。クロロホルムで溶離した適切なフラクションを減圧
下に蒸発させて無色ガラス状物質(1.18g)を得た。R
f 0.29(溶媒系A)、0.40(溶媒系B)。ジクロロメタ
ン(50cm3 )中の後者物質(1.10g) の攪拌溶液中に3
−クロロ過安息香酸(約55%、2.0g、約6.4ミリモ
ル)を室温で加えた。3時間後、さらにジクロロメタン
(50cm3) を加え、そして生成物を亜硫酸水素ナトリウ
ム水溶液(50cm3 ) および飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(2×50cm3 ) で洗った。乾燥(MgSO4 )した有
機層を減圧下に濃縮して残留物を乾燥アセトニトリル
(15cm3 ) 中に再溶解させた。ブタン−2,3−ジオンモ
ノオキシム(0.33g、3.3ミリモル)およびN1,N1
3,N3−テトラメチルグアニジン(0.40cm3 、3.2ミ
リモル)を加え、そして反応体を室温で攪拌した。15分
後、生成物を減圧下に濃縮し、残留物をクロロホルム
(50cm3 ) 中に再溶解させそして生成する溶液を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液(2×50cm3 ) で洗浄した。乾
燥(MgSO4 ) したクロロホルム層を減圧下に蒸発さ
せ、そして残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー
によりフラクションに分けた。クロロホルム−エタノー
ル(96:4 v/v) で溶離した適切なフラクションを合
し、そして減圧下に蒸発させて無色ガラス状物質を得
た。この物質をプロパン−2−オールから結晶化させる
と標記化合物(0.53g、プリンに基づく全体収率53%)
が得られた。 C181955としての計算値 C,56.1;H,5.0;
N,18.2% 実測値 C,56.1;H,4.9;N,17.9% m.p. 148-150℃;Rf 0.05 (溶媒系A), 0.15(溶媒系
B);δH[(CD3)2SO]1.95(3H, s), 3.70 (2H, m), 3.82
(2H, s), 4.09(2H, m), 5.50(2H, s), 7.25-7.40 (5H,
m), 8.16(1H, s), 12.03(2H, br.); δC[(CD3)2SO]2
0.47, 42.49, 62.61,66.55, 72.37, 120.23, 126.92, 1
28.37, 129.30, 134.20, 140.07, 148.05, 148.74,
154.79, 170.18, 174.09。
【0032】実施例69−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−グアニン
(アシクロビル) 9−[(2−アセトキシエトキシ)メチル]−2−N−
フェニルアセチルグアニン(0.53g、1.38ミリモル)を
室温で8モルdm-3メタノール性アンモニア(20cm3 ) 中
に溶解した。24時間後、生成物を減圧下に蒸発させそし
て残留物を水性エタノールから結晶化させて標記化合物
(0.26g、84%) を無色結晶として得た。 C81133としての計算値 C,42.7 ;H,4.9;
N,31.1% 実測値 C,42.45;H,5.0;N,30.8% m.p. 255-260℃(lit m.p. 265-266℃);λmax (0.1モルd
m-3塩酸)/nm 254 (ε11800); λinfl/nm(ε 7800);λ
min /nm 226(ε 2400);Rf 0.25 (溶媒系C),tR 4.6
分(100%);δH[(CD3)2SO]3.48(4H, m), 4.70(1H, m),
5.36(2H, s),6.54(2H, br.s), 7.84(1H, s), 10.69(1
H, br.s); δC[(CD3)2SO]59.79,70.26,71.92, 116.3
4, 137.69, 151.32, 153.75, 156.73。(この物質は Sig
maChemical Co.. から購入したものと同一であった。)
【0033】実施例72−アミノ−6−ヒドラジノ−9−[(2−ヒドロキシ
エトキシ)メチル]−9H−プリン 無水エタノール(25cm3 ) 中の9−[(2−アセトキシ
エトキシ)メチル]−2−アミノ−6−(4−クロロフ
ェニルチオ)−9H−プリン(1.345g、3.4ミリモル)
の攪拌溶液中にヒドラジンモノ水和物(1.40cm3 、28.9
ミリモル)を加えた。生成する溶液を還流下に18時間加
熱し、次に冷却した。生成物を濾過し、そして濾液を減
圧下に蒸発させた。残留物をジエチルエーテル(3×30
cm3 ) ですりつぶして標記化合物を得た(0.77g、94
%) 。無水エタノールから再結晶した物質の分析値は次
のとおりであった。 C81372としての計算値 C,40.2;H,5.5;
N,41.0% 実測値 C,40.6;H,5.3;N,40.8% m.p. 178-180℃;Rf 0.19 (溶媒系B);δH[(CD3)2S
O]3.47(4H, s), 4.45 (2H, br), 4.72(1H, m), 5.39(2
H, s), 6.05(2H, s), 7.85(1H, s), 8.58(1H, br.s);
δC[(CD3)2SO]59.81, 70.18, 71.64, 111.73, 137.4
6, 151.34, 155.83,160.29。
【0034】実施例82−アミノ−9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチ
ル]−9H−プリン 乾燥2−メトキシエタノール(60cm3 ) 中の2−アミノ
−6−ヒドラジノ−9−[(2−ヒドロキシエトキシ)
メチル]−9H−プリン(0.80g、3.3ミリモル)の攪
拌溶液中に黄色酸化水銀(II) (2.18g、10.1ミリモル)
を加え、生成する懸濁液を80℃で2時間加熱した。生成
物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカ
ゲル上ショートカラムクロマトグラフィーによりフラク
ションに分けた。クロロホルム−メタノール(95:5 v
/v) で溶離した適切なフラクションを合し、そして減圧
下に蒸発させて2−アミノ−9−[(2−ヒドロキシエ
トキシ)メチル]−9H−プリンを無色固形物として得
た(0.49g、70%) 。無水エタノールから結晶化したも
のの分析値は次のとおりであった。 C81152としての計算値 C,45.9;H,5.3;
N,33.5% 実測値 C,46.1;H,5.4;N,33.4% m.p. 185℃(lit. 187-189℃);Rf 0.11 (溶媒系B);δH
[(CD3)2SO]3.49(4H,m), 4.70 (1H, t, J 5.3), 5.48
(2H, s), 6.62(2H, s), 8.20(1H, s), 8.62(1H,s); δC
[(CD3)2SO]59.79, 70.49, 71.67, 126.54, 142.77, 1
49.16, 153.08,160.69。
【0035】実施例92−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−(2,
3−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)
−プリン 2−アミノ−6−(4−クロロフェニルチオ)−(2,
3,5−トリ−O−アセチル−β−D−リボフラノシ
ル)プリン(5.50g、10.26ミリモル)およびメタノール
性アンモニア(8モルdm-3、100cm3 ) を一緒に室温で
攪拌した。16時間後、生成物を減圧下に濃縮して無色固
形残留物を得た。アセトニトリル(50cm3) 中の後者物
質の攪拌溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(12.0cm
3 、95.5ミリモル)およびトルエン−4−スルホン酸モ
ノ水和物(1.97g、10.36ミリモル)を室温で加えた。3
0分後、生成物をメタノール性アンモニアで中和(pH紙)
し、そして次に濾過した。濾液を減圧下に蒸発させそ
して残留物をシリカゲル上のショートカラムクロマトグ
ラフィーによりフラクションに分けた。ジクロロメタン
−メタノール(99:1 v/v) を用いて溶離した適切なフ
ラクションを合一し、減圧下に濃縮して標記化合物を無
色ガラス状物質として得た(2.56g、55%) 。無水エタ
ノールから結晶化した物質の分析値は次のとおりであっ
た。 C1920ClN54Sとしての計算値 C,50.8;H,4.
5;N,15.6% 実測値 C,50.8;H,4.6;N,15.4% m.p. 205-207℃;Rf 0.26 (溶媒系A) ; δH[(CD3)2S
O]1.32(3H, s), 1.52 (3H, s), 3.52(2H, m), 4.15(1
H, m), 5.03(2H, m), 5.28(1H, dd, J 2.4 および6.2),
6.03(1H, d, J 2.4), 6.51(2H, br.s), 7.51(2H, dd,
J 1.9 および 6.6), 7.62(2H, dd, J 1.9 および 6.
6), 8.20(1H, s);δC[(CD3)2SO]25.23,27.02, 61.56,
81.27, 83.43, 86.99, 88.65, 112.94, 123.69, 126.7
1, 129.13, 133.99, 136.52, 139.78, 150.96, 158.21,
159.59。
【0036】実施例102−アミノ−(2,3−O−イソプロピリデン−β−D
−リボフラノシル)プリン 無水エタノール(10cm3 ) 中の2−アミノ−6−(4−
クロロフェニルチオ)(2,3−O−イソプロピリデン
−β−D−リボフラノシル)プリン(0.50g、1.1ミリ
モル)の溶液に、ヒドラジンモノ水和物を加えた。生成
する溶液を還流下に6時間加熱し、そして生成物を冷却
し減圧下に蒸発させた。残留物をジエチルエーテル(3
×10cm3 ) ですりつぶし、次に無水エタノール(15c
m3 ) 中に溶解させた。黄色酸化水銀(II) (0.72g、3.
3ミリモル)を加えそして攪拌懸濁液を還流下に1時間
加熱した。冷却した生成物をセライトで濾過し、そして
濾液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲル上のショ
ートカラムクロマトグラフィーによりフラクションに分
けた。クロロホルム−エタノール(98:2 v/v) で溶離
した適切なフラクションを合して減圧下に蒸発させると
標記化合物が無色ガラス状物質(0.196g、57%) として
得られた。酢酸エチル−シクロヘキサンから結晶化した
物質の分析値は次のとおりであった。 C131754としての計算値 C,50.8;H,5.6;
N,22.8% 実測値 C,50.8;H,5.8;N,22.45% m.p. 118-120℃;Rf 0.25 (溶媒系B);δH[(CD3)2S
O]1.33(3H, s), 1.54 (3H, s), 3.54(2H, m), 4.17(1
H, m), 5.03(1H, dd, J 2.9 および 6.2), 5.07 (1H,
t, J 5.2), 5.32(1H, dd, J 2.6 および 6.2), 6.08(1
H, d, J 2.6), 6.64(2H, br.s), 8.28(1H, s), 8.61
(1H, s); δC[(CD3)2SO]25.15, 26.97, 61.49, 81.1
9, 83.29, 86.74, 88.32, 112.91, 126.81, 140.96, 14
9.36, 152.36, 160.39。
【0037】本発明の好ましい態様を以下に要約する。
対応する6−クロロ化合物をメタノール溶液中4−クロ
ロ(チオフェノール)およびトリエチルアミンと室温で
反応せしめることにより容易に調製される2−アミノ−
6−(4−クロロフェニルチオ)−(2,3,5−トリ
−O−アセチル−β−D−リボフラノシル)プリンは、
沸騰ジクロロメタン溶液中で三フッ化ホウ素ジエチルエ
ーテラートと反応して2−アミノ−6−(4−クロロフ
ェニルチオ)−9H−プリンを高い単離収率で生成す
る。後者アグリコンから良好な収率で調製される9−
[(2−アセトキシエトキシ)メチル]−2−アミノ−
6−(4−クロロフェニルチオ)−9H−プリンは4段
階方法でアシクロビルに、そして2段階方法で6−デオ
キシアシクロビルに変換される。
【0038】本方法をかなり詳細に説明したので、最終
的にそれをより一般的用語で要約するのが適切であると
思われよう。意図する第一段階は糖部分のヒドロキシル
基をアシル化、好ましくはアセチル化により保護して、
該基をエステルとして保護することを包含する。第二
に、プリンの6位を例えばクロル化により活性化し、そ
して次にこの位置に芳香族チオール(例えばp−クロロ
−またはp−メチル−チオフェノール)の塩のような嵩
のあるチオレート塩を導入する。この置換基は後ほど除
去する必要があろう、しかし次の工程である糖部分の除
去を生きのびなければならない。糖部分は好ましくはB
3OEt2 のようなルイス酸、または濃H2SO4 のよ
うな強プロトン酸を用いて除去するのが好ましい。こう
して、2−アミノ−6−クロロ−9H−プリンのよう
な、好適なプリン誘導体からも調製できよう中間体が生
成される。然る後、一般的に慣用の手段によりさらに変
換して9位に所望の側鎖を導入することができる。終り
に、6−デオキシ誘導体またはグアノシン誘導体のどち
らが必要かに応じて6−置換基を除去(すなわちHによ
る置換)または=Oに変換できる。例えば、9−アルキ
ルアデニンまたは9−アルキルプリン誘導体を得るため
に、同様の方法がイノシン出発物質に応用できよう。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式I (式中、AはHであるかまたはNH2 のような置換基を
    表し、Bはプリン環の9位でその後の置換が行われ易く
    する作用を有しかつ糖部分の除去に耐えるが、しかし後
    程に除去できるかまたは変換できる置換基を表す)を有
    するプリン誘導体を製造するに当たり、下記一般式II (式中、Zは式 を表す)を有する出発物質の糖部分のヒドロキシル基を
    必要な場合は保護し、プリン環の6位を活性化し、この
    位置に置換基Bを導入し、そして前記糖部分を除去する
    ことからなる、プリン誘導体の製法。
  2. 【請求項2】 前記出発物質がグアノシンまたはイノシ
    ンである請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 前記ヒドロキシル基をアシル化、好まし
    くはアセチル化によって保護する請求項1または2記載
    の製法。
  4. 【請求項4】 前記活性化がクロル化による請求項1〜
    3のいずれか1項記載の製法。
  5. 【請求項5】 前記置換基Bが嵩のあるアルカンチオま
    たはアレーンチオ基、好ましくはアレーンチオ基、より
    好ましくはp−クロロ−またはp−メチル−チオフェノ
    ールから誘導された基である請求項1〜4のいずれか1
    項記載の製法。
  6. 【請求項6】 前記糖部分がルイス酸好ましくはBF3
    OEt2 、または強プロトン酸好ましくは濃H2SO4
    を用いて除去される請求項1〜5のいずれか1項記載の
    製法。
  7. 【請求項7】 下記一般式I (式中、AはHであるかまたはNH2 のような置換基を
    表し、Bはプリン環の9位でその後の置換が行われ易く
    する作用を有しかつ糖部分の除去に耐えるが、しかし後
    程に除去できるかまたは変換できる置換基を表す)で示
    されるプリン誘導体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項記載の製法
    により製造されたかまたは請求項7記載のプリン誘導体
    の9位に側鎖を導入し、そして該プリン誘導体の6位の
    置換基Bを除去するかまたは変換することからなる、ヌ
    クレオシド類似体の製法。
  9. 【請求項9】 製造されるヌクレオシド類似体が、アシ
    クロビル、6−デオキシアシクロビル、ガンシクロビ
    ル、ペンシクロビルまたはファムシクロビルである請求
    項8記載の製法。
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