JPH072674U - 環状シール部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 補助リングの脱落を防止することができると
共に、装着の作業性を高めることができる環状シール部
材の提供。 【構成】 弾性体よりなるＯリング２と、Ｏリング２に
付設されるバックアップリング３及びガイドリング４と
の組み合わせよりなり、バックアップリング３及びガイ
ドリング４におけるＯリング２との対向側面にはＯリン
グ方向へ向けて所要数の係合ピン３ａ，４ａが突出形成
される一方、係合ピン３ａ，４ａと対向するＯリング２
の側面には係合ピン３ａ，４ａを挿入係止可能な挿入孔
２ａが形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、弾性体よりなるシールリングと、該シールリングに付設される補助 リングとの組み合わせよりなる環状シール部材に関し、特に、バックアップリン グまたはガイドリング等の補助リングの脱落防止技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、このような環状シール部材としては、例えば、実開昭６１−１９７３８ ０号公報に記載されているようなものが知られている。

【０００３】 この従来の環状シール部材は、弾性体よりなるシールリングと、補助リングと してのバックアップリング及びガイドリングとの組み合わせよりなるもので、一 方の装着部である内側のパイプ外周に突出形成されたビード部にシールリングが 乗り上げないように、パイプに、まず、バックアップリングを装着した後にシー ルリングを装着し、さらに、その後にガイドリングを装着するようにしたもので あった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上述のような従来の環状シール部材にあっては、特に最後に装 着されるガイドリングは、パイプに対してしめしろがないため、もう一方の装着 部である外側のパイプに組み付ける際に傾けると、ガイドリングがパイプから脱 落してしまう恐れがあるという問題点があった。

【０００５】 また、装着部に対する装着作業をシールリングと各補助リングとで別々に行な う必要があるため、装着の作業性が悪いという問題点があった。

【０００６】 本考案は、上述のような従来の問題点に着目してなされたもので、補助リング の脱落を防止することができると共に、装着の作業性を高めることができる環状 シール部材を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上述のような目的を達成するために、本考案の環状シール部材では、弾性体よ りなるシールリングと、該シールリングに付設される補助リングとの組み合わせ よりなり、前記補助リングにおけるシールリングとの対向側面にはシールリング 方向へ向けて所要数の係合ピンが突出形成される一方、該係合ピンと対向するシ ールリングの側面には係合ピンを挿入係止可能な挿入孔が形成されている手段と した。

【０００８】

【作用】

本考案の環状シール部材では、上述のように構成されるので、装着部への装着 に際しては、補助リングの係合ピンをシールリングの挿入孔に対し挿入係止させ ることにより、シールリングに対し補助リングを連結一体化した状態とすること ができる。

【０００９】 そこで、この両者一体の状態で装着部への装着を行なうことにより、弾性体よ りなるシールリングはその装着部に対するしめしろによってその脱落が阻止され た状態となることから、このシールリングに対して連結状態にある補助リングも その脱落が防止された状態となる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面により詳述する。 まず、実施例の環状シール部材の構成を説明する。 図２は、本考案一実施例の環状シール部材の装着状態を示す断面図であり、図 において１はパイプ、２はＯリング、３はバックアップリング、４はガイドリン グを示す。

【００１１】 前記パイプ１は、もう一方のパイプとのジョイント部となるその先端部外周面 に環状シール部材の装着部となる小径部１ａが形成されていて、この小径部１ａ の基部には環状係止部１ｂが形成されている。

【００１２】 前記Ｏリング２は、弾性体シールリングを構成するもので、弾性ゴムで円形断 面に形成されている。そして、このＯリング２と、前記バックアップリング３及 びガイドリング４とで環状シール部材を構成している。

【００１３】 前記バックアップリング３及びガイドリング４は、両者間にＯリング２を挟む 状態で付設される補助リングを構成するもので、Ｏリング２と対向するバックア ップリング３及びガイドリング４の側面には、複数個の係合ピン３ａ，４ａがＯ リング２方向へ向けて突出形成されている。そして、この各係合ピン３ａ，４ａ と対向する０リング２の側面には、各係合ピン３ａ，４ａを挿入係止可能な挿入 孔２ａが形成されている。

【００１４】 尚、前記０リング２の内径は、しめしろの分だけ装着部となる小径部１ａの外 形より小径に形成されているが、バックアップリング３及びガイドリング４は非 弾性体で形成されていることから、その内径は小径部１ａの外形より僅かに大径 に形成されている。

【００１５】 次に、実施例の作用について説明する。

【００１６】 この実施例の環状シール部材では、上述のように構成されるので、パイプ１の 小径部１ａへの装着に際しては、バックアップリング３及びガイドリング４の各 係合ピン３ａ，４ａをＯリング２の両側面に形成された挿入孔２ａに対し挿入係 止させることにより、Ｏリング２に対し該Ｏリング２を中央に挟んだ状態でバッ クアップリング３及びガイドリング４を３者一体に連結した状態とすることがで きる。

【００１７】 そこで、このＯリング２，バックアップリング３及びガイドリング４を３者一 体の状態で小径部１ａへの装着を行なうことにより、弾性体よりなるＯリング２ はその小径部１ａに対するしめしろによってその脱落が阻止された状態となるこ とから、このＯリング２に対して連結状態にあるバックアップリング３及びガイ ドリング４もその脱落が防止された状態となる。

【００１８】 以上説明してきたように、この実施例の環状シール部材にあっては、Ｏリング ２の内側に装着されたバックアップリング３の脱落が阻止されることはもちろん 、Ｏリング２より外側に装着されたガイドリング４の脱落をも防止することがで きるようになるという特徴を有している。

【００１９】 また、小径部１ａに対する環状シール部材の装着作業が、Ｏリング２，バック アップリング３及びガイドリング４の３者一体の状態で行なわれるため、組み付 け作業性を高めることができるようになるという特徴を有している。

【００２０】 次に、図２に示す本考案の他の実施例について説明する。尚、この実施例では 前記実施例と同一の構成部分には同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点 についてのみ説明する。

【００２１】 即ち、この実施例の環状シール部材は、Ｏリング２とバックアップリング３（ またはガイドリング４）とで構成されると共に、両者を円柱部材５の一端外周に 形成された装着部としての小径部５ａに装着するようにしたものである。

【００２２】 以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施 例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等 があっても本考案に含まれる。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の環状シール部材にあっては、補助リングにおけ るシールリングとの対向側面にはシールリング方向へ向けて所要数の係合ピンが 突出形成される一方、該係合ピンと対向するシールリングの側面には係合ピンを 挿入係止可能な挿入孔が形成されている手段としたことで、シールリングに対し 補助リングを一体化することができ、これにより、装着部からの補助リングの脱 落を防止することができるようになるという効果が得られる。

【００２４】 また、装着部に対する環状シール部材の装着作業が、シールリングと補助リン グとを一体化した状態で行なうことができるため、作業性を高めることができる ようになるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案一実施例の環状シール部材の装着状態を
示す断面図である。

【図２】他の実施例の環状シール部材の装着状態を示す
半断面図である。

【符号の説明】

１ａ 小径部（装着部） ２ Ｏリング（シールリング） ２ａ 挿入孔 ３ バックアップリング（補助リング） ３ａ 係合ピン ４ ガイドリング（補助リング） ４ａ 係合ピン ５ａ 小径部（装着部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性体よりなるシールリングと、該シー
   ルリングに付設される補助リングとの組み合わせよりな
   り、 前記補助リングにおけるシールリングとの対向側面には
   シールリング方向へ向けて所要数の係合ピンが突出形成
   される一方、該係合ピンと対向するシールリングの側面
   には係合ピンを挿入係止可能な挿入孔が形成されている
   ことを特徴とする環状シール部材。