JPH0544713A - リンクプレート係止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組付け時におけるケースとリンクプレートと
のがたつきを無くし、且つ、部品点数および組付工数を
低減することを目的とする。 【構成】 ケース１に設けられたボス部２にリンクプレ
ート５から延出された剛体部６および係合片７を挿入
し、剛体部６をボス部２の内周面４に回動可能に摺接さ
せ、係合片７の先端に設けられた係合爪８のテーパ面９
とボス部２の開口端部３とを係合させることにより、ケ
ース１からのリンクプレート５の抜け止めを行うことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、リンクプレートの組付
けに関し、例えば車両用空調装置のダンパの操作を行う
リンクプレートの係止構造の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、リンクプレートの係止構造は、第
１の構造として、例えば実開昭５８─１４２４１６号公
報に示されるように、樹脂製ケースの支持台部に設けた
軸部にリンクプレートの円形穴をはめて、ビスにより固
定される押え部片でリンクプレートの抜け止めを行うも
のがあった。

【０００３】また、第２の構造として図２に示すよう
に、リンクプレート５に係合爪８を有した係合片７を設
け、ケース１のボス部２にその係合片７を挿入し、その
ボス部２の開口端部３に係合爪８を係合させるものがあ
り、これではボス部２の内周面４に回動可能に摺接する
部材は係合片７のみであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成におい
て、第１の構造は、リンクプレートを押えるためにビス
および押え部片が必要なため、部品点数が多くなりそれ
にともない組付工数も増加する。

【０００５】また、第２の構造は、係合片をボス部に挿
入し係合爪をボス部の開口端部に係合するので部品点数
および組付工数は多くない。しかし、この構成では、係
合爪８が開口端部３に確実に係合するようにするため、
ギャップｇが必要であり、その結果、がたつきが発生す
るため、リンクプレート５の作動音が発生することがあ
った。

【０００６】本発明は、部品点数および組付工数を低減
するとともに、且つ、組付け時におけるケースとリンク
プレートとの隙間を無くし、がたつきを無くすことを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、両端に開口端
部を有しケースに設けられた円筒状のボス部、前記ボス
部の内周面に複数箇所が内接しリンクプレートから延出
される柱状の剛体部、前記リンクプレートから延出され
前記ボス部の前記開口端部に係合している係合片、前記
係合片の先端に設けられ前記ボス部の前記開口端部に当
接する部分にテーパ面を有する係合爪からなり、前記剛
体部および前記係合片が前記ボス部に回動可能に挿入さ
れるとともに、前記係合爪の前記テーパ面が前記開口端
部に係止されて前記リンクプレートを抜け止めするもの
である。

【０００８】

【作用】本発明の構成によれば、リンクプレートから延
出される柱状の剛体部をボス部の内周面に摺接するよう
に挿入したので、リンクプレートはケースに回動可能に
支持される。

【０００９】また、リンクプレートから延出される係合
片をボス部に挿入し、ボス部の開口端部に係合片の先端
に設けた係合爪を係止する。係合爪には開口端部と係止
する部分にテーパ面が設けられている。つまり、係合爪
が開口端部に係止されると係合片がボス部中心向かって
撓み、係合爪８のテーパ面９と開口端部３とは軸方向
（図１ａ上下方向）にがたつきなく係合する。

【００１０】

【発明の効果】上述のように本発明のリンクプレート係
止構造は、部品点数および組付工数も低減でき、且つ、
軸方向のがたつきも無くなるから、安価でありながら作
動音がないリンクプレート係止構造が得られ、作動音が
気になる部分のダンパ装置や弁等に幅広く応用できる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１ａおよび図１ｂは本発明のリンクプレート係
止構造の実施例を示すものであり、車両用空調装置のダ
ンパの枢軸部をなすものである。図１ａはリンクプレー
ト５がケース１に係合している断面図であり、図１ｂは
図１ａのＡ方向から見た底面図である。

【００１２】図１ａにおいて、１はケースであり、ケー
ス１には両端に開口端部３を有する円筒状のボス部２が
設けられている。４はボス部２の内周に設けられた内周
面である。５はリンクプレートであり、剛体部６はリン
クプレート５から延出された柱状の部材である。

【００１３】７はリンクプレート５から延出される複数
の係合片であり、係合片７の先端にはボス部２の開口端
部３と係合する係合爪８が設けられている。係合爪８に
は開口端部３と当接する位置にテーパ面９が設けられて
いる。このテーパ面９は中央部１１から外側部１２に向
かってリンクプレート５からの距離が遠くなるように設
定されており、且つ、ボス部２の高さをＨａ、リンクプ
レート５から中央部１１までの高さをＨｂ、リンクプレ
ート５から外側部１２までの高さをＨｃとすると、それ
ぞれの高さの関係は

【００１４】

【数１】Ｈｃ＞Ｈａ＞Ｈｂ となるように設定されている。

【００１５】図１ｂに示されるように、剛体部６は外周
の複数箇所がボス部２の内周面４に内接するように少な
くとも２以上の張出部１０を有している。張出部１０の
外径はボス部２の内径Ｒとほぼ同径となっている。

【００１６】つぎに、上記実施例の作動を説明する。図
１ａおよび図１ｂで示すようにリンクプレート５から延
出される剛体部６および係合片７はケース１に設けられ
たボス部２に挿入される。この剛体部６はボス部２の内
周面４に複数箇所が内接しており、よって剛体部６とボ
ス部２とは互いに回転可能に摺接するようになってい
る。リンクプレート５をボス部２に挿入すると係合片７
が内方に圧され、係合爪８がボス部２を抜けたところで
係合片７が外方に拡がり、係合爪８に設けられたテーパ
面９と開口端部３とが係止状態となりリンクプレート５
は抜け止めされる。このとき、係合片７はボス部２の中
心に向かって僅かに撓んだ状態となる。ボス部２の高さ
Ｈａがテーパ面９の中央部１１の高さＨｂより高く外側
部１２の高さＨｃより低い場合にはこの撓みによってテ
ーパ面９とリンクプレート５との高さが変わる。このこ
とにより、ケース１とリンクプレート５との軸方向の隙
間が無くなる。

【００１７】よって、上述のリンクプレート係止構造に
よれば、リンクプレートから延出される剛体部および係
合片をボス部に挿入し、係合爪に設けたテーパ面を開口
端部に係合させることにより、組付けが容易で、且つ、
リンクプレートが径方向および軸方向のがたつきが無く
支持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるリンクプレートとケ
ースとの係止状態を示す図であり、図１ａは断面図、図
１ｂは図１ａの矢印Ａ方向から見た底面図である。

【図２】従来より用いられているリンクプレートとケー
スとの係止状態の断面図である。

【符号の説明】

１ ケース ２ ボス部 ３ 開口端部 ４ 内周面 ５ リンクプレート ６ 剛体部 ７ 係合片 ８ 係合爪 ９ テーパ面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端に開口端部を有しケースに設けられ
   た円筒状のボス部、前記ボス部の内周面に複数箇所が内
   接しリンクプレートから延出される柱状の剛体部、 前記リンクプレートから延出され前記ボス部の前記開口
   端部に係合する係合片、 前記係合片の先端に設けられ前記ボス部の前記開口端部
   に当接する部分にテーパ面を有する係合爪からなり、 前記剛体部および前記係合片が前記ボス部に回動可能に
   挿入されるとともに、 前記係合爪の前記テーパ面が前記開口端部に係止されて
   前記リンクプレートを抜け止めすることを特徴とするリ
   ンクプレート係止構造。