JPH07266473A - 燃料移送用チューブ - Google Patents

燃料移送用チューブ

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JPH07266473A
JPH07266473A JP6243594A JP6243594A JPH07266473A JP H07266473 A JPH07266473 A JP H07266473A JP 6243594 A JP6243594 A JP 6243594A JP 6243594 A JP6243594 A JP 6243594A JP H07266473 A JPH07266473 A JP H07266473A
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栄治 井上
Toshiaki Kasazaki
敏明 笠崎
Takuji Ando
卓史 安藤
Chiyuu Nishino
駐 西野
Yuji Nakabayashi
祐治 中林
Akira Nakatsu
丹 中津
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Nitta Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルコール、ガソリン及びこれらの混合燃料
のいずれに対しても不透過性が優れ且つ雰囲気温度の変
化に対して伸縮量が小さい燃料移送用チューブを提供す
ること。 【構成】 液晶ポリマーとポリエステル樹脂との混合物
で構成された層を有し、前記液晶ポリマーがチューブの
長さ方向に配向している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルコール、ガソリ
ン、及びこれらの混合燃料を移送するためのチューブ
(この明細書では、燃料移送用チューブという)に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の燃料移送用チューブとしては、
既に、金属により構成されたチューブ、ナイロン11,
12により構成されたチューブ、その他の構成のチュー
ブが提案されている。
【0003】特に、近年、自動車においては、車両の軽
量化やデザインの自由度の確保のためタンクの樹脂化が
進み、欧米では配管系にも樹脂チューブが用いられるケ
ースが多くなっている。
【0004】ところが、上記したチューブは以下に示す
ような二つの問題を有している。 アルコール及びガソリンの不透過性が低く、公害につ
いての規制が厳しい現今では大きな問題となり得る。 線膨張係数が大きいことから温度変化による伸縮量が
大きく、このため、自動車の燃料配管として使用した場
合には、チューブの伸びにより他の部分と干渉して燃料
漏れを引き起こしたり、チューブの縮みにより接続部か
らの離脱を引き起こしたり、非常に危険な事態を招来し
得る。
【0005】尚、実際に上記したチューブを用いて、ア
ルコール及びガソリンを、それぞれ単独で移送する試験
(以下に示すガソリンの透過性試験、アルコールの透過
性試験)及び、線膨張係数確認試験を行ってみた。以下
に、この試験の方法を示すと共に、表1にその試験結果
を示す。 〔透過性試験〕外径8mm、内径6mmのチューブ1000
mmに各サンプル液を封入し、23℃の室温下に放置し、
重量減少の経時変化を追跡した。
【0006】重量減少の値を時間1日当たりに換算し、
この値を透過性(透過速さ:g/m 2 /日)を表す尺度
とした。 (1)サンプル液 レギュラーガソリン:市中のガソリンスタンドで入手
できるものをそのまま使用した。
【0007】ヒューエルC:試薬級トルエンと試薬級
イソオクタンを体積比で1対1に混合したものを使用し
た。
【0008】メタノール:試薬級メタノールをそのま
ま使用した。 FAM15:ヒューエルCとメタノールを体積比で8
5対15に混合したものを使用した。 (2)評価基準 レギュラーガソリン:0.01g/m2 /日 以下 ヒューエルC :0.06g/m2 /日 以下 メタノール :6.5g/m2 /日 以下 FAM15 :2.6g/m2 /日 以下 〔線膨張係数確認試験〕チューブ試験片100mm×5本
を先ず100℃×2時間でアニールし、応力を除去し
た。室温に戻し、再び100℃まで昇温、2時間後の高
温下(100℃)での長さを測定し、室温時の長さとの
差を求めた。
【0009】評価基準 5.0×10-5mm/mm/℃ 以
下 〔試験結果〕
【0010】
【表1】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明で
は、アルコール、ガソリン及びこれらの混合燃料のいず
れに対しても不透過性が優れ且つ雰囲気温度の変化に対
して伸縮量が小さい燃料移送用チューブを提供すること
を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の燃料移送用チ
ューブは、液晶ポリマーとポリエステル樹脂との混合物
で構成された層を有し、前記液晶ポリマーがチューブの
長さ方向に配向している。
【0013】また、他の発明の燃料移送用チューブは、
内層及び外層がポリアミド樹脂で構成され、前記内層と
外層相互間に液晶ポリマーとポリエステル樹脂との混合
物で構成された中間層を有するものとしてあり、前記中
間層において液晶ポリマーがチューブの長さ方向に配向
している。尚、この燃料移送用チューブについては、内
層と中間層相互間及び、中間層と外層相互間に、それぞ
れこれら相互を接着する接着層を具備させることが好ま
しい。 (液晶ポリマーについて)この発明において使用する液
晶ポリマーとしては、ポリエステル樹脂の加工温度に応
じて溶融粘度を基に選択すればよいが、液晶ポリマーと
しては、芳香族ジカルボン酸成分と芳香族ジオール成分
とから重縮合により誘導されたポリエステル;芳香族ヒ
ドロキシカルボン酸の重縮合により得られたポリエステ
ル;上記二つのポリエステルの共重合ポリエステル;及
びこれらのポリエステルとポリエチレンテレフタレート
のコポリエステル等サーモトロピックなものを挙げるこ
とができる。
【0014】例えば、ユニチカ株式会社製のロッドラ
ン,ポリプラスチックス株式会社製のベクトラ、三菱化
成株式会社製のノバキュレート、出光石油科学株式会社
製の出光LCP、上野製薬株式会社製の上野LCP等の
中から任意に選択できる。 (ポリアミド樹脂について)この発明において使用する
ポリアミド系樹脂としては高分子量の線状ポリアミドが
使用される。このポリアミドはホモポリアミド、コポリ
アミド或いはこれらのブレンドのいずれであってもよ
い。
【0015】このようなポリアミドとしては、例えば下
記のアミド反復単位、即ち、 −CO−R1 −NH− ・・・・(1) 又は −CO−R2 −CONH−R3 −NH ・・・・(2) (式中、R1 、R2 及びR3 の各々は直鎖アルキレン基
を表わす)のアミド反復単位を有するホモポリアミド、
コポリアミド又はこれらのブレンドを挙げることができ
る。酸素、炭素ガスなどに対するガスバリヤー性を考慮
すれば、この発明に使用するポリアミド系樹脂中の炭素
原子100個当たりのアミド基の数が3〜30個、特に
4〜25個の範囲にあるホモポリアミド、コポリアミド
又はこれらのブレンドを用いることが好ましい。適当な
ホモポリアミドの具体例としては、ポリカプラミド(ナ
イロン6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン
7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリ
ウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウリンラク
タム(ナイロン12)、ポリエチレンジアミンアジパミ
ド(ナイロン2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン6,6)ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン6,10)ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン6,12)ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロ
ン8,6),ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン1
0,6)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1
0,10)、ポリドデカメチレンドデカミド(ナイロン
12,12)などを挙げることができる。
【0016】この発明において使用するのに適当なコポ
リアミドの例としては、カプロラクタム/ラウリンラク
タム共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペード共重合体、ラウリンラクタム/ヘキ
サメチレンジアンモニウムアジペード共重合体、ヘキサ
メチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジ
アンモニウムセパケート共重合体、エチレンジアンモニ
ウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペ
ート共重合体、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアン
モニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセ
パケート重合体などを挙げることができる。 (ポリエステル樹脂について)使用されるポリエステル
樹脂とは、通常の溶融重縮合によって得られる。すなわ
ち、ジカルボン酸成分およびグリコール成分とを触媒の
存在下で適当な反応条件下に縮合させることによって製
造される樹脂を指す。
【0017】各成分の具体例として下記のようなものが
挙げられるが、使用されるジカルボン酸やグリコール成
分は特に限定されるものではない。
【0018】使用されるジカルボン酸としては、テレフ
タル酸・イソフタル酸・オルソフタル酸・2,6−ナフ
タレンジカルボン酸等を挙げることができる。その他、
脂肪族および脂環族のジカルボン酸としては、コハタ酸
・アジピン酸・セバシン酸・1,3−シクロペンタンジ
カルボン酸・1,2−シクロヘキサンジカルボン酸・
1,3シクロヘキサンジカルボン酸・1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸等を挙げることができる。
【0019】これらジカルボン酸成分と反応させるグリ
コール成分としては、次の脂肪族および脂環族グリコー
ルであり、具体的には、エチレングリコール・1,2−
プロピレングリコール・1,3−プロパンジオール・
1,4−ブタンジオール・1,6−ヘキサンジオールや
ジエチレングリコール・トリエチレングリコール・p−
キシリレングリコールなどが挙げられる。
【0020】その他ポリエーテルとして、ポリエチレン
グリコール・ポリプロピレングリコール・ポリテトラメ
チレングリコールを第3成分に用いても良い。
【0021】また、この発明に使用されるポリエステル
樹脂の種類として、上記樹脂のほか上記各成分から誘導
されるポリエステルエラストマーや、接着性を付与した
ようないわゆる変性ポリエステル樹脂であってもよい。
【0022】接着性を付与した変性ポリエステルを使用
した場合、多層成形チューブ構成中の接着層は必ずしも
必要としない。 (接着層の構成について)接着層に使用される樹脂とし
ては、共押し出し成形時において積層される樹脂層、つ
まり中間層である液晶ポリマーとポリエステル樹脂の混
合物と最内外層のポリアミド樹脂が直接熱融着性を有す
るものであれば特に限定されるものではないが、例え
ば、熱可塑性ポリウレタン・ポリエーテルブロックアミ
ド・変性ポリオレフィン・ポリエステル共重合体・ポリ
エステル系エラストマーの1種または2種以上の混合物
が好ましい。更には、ポリアミド樹脂とポリエステル樹
脂に上記の接着性樹脂を溶融混合したものを好適に用い
ることもできる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
【0024】この実施例1〜4のチューブは、図1に示
すように、内層1及び外層5がポリアミド樹脂で構成さ
れていると共に前記内層1と外層5相互間に液晶ポリマ
ー30とポリエステル樹脂との混合物で構成された中間
層3を有するものとしてあり、前記内層1と中間層3及
び、中間層3と外層5とを接着層2,4により接着して
いる。ここで、前記中間層3において液晶ポリマー30
はフィブリル化されていると共にチューブの長さ方向に
配向するようにしてあるが、フィブリルは均一分散であ
っても偏分散であってもよい。
【0025】尚、ポリエステル樹脂の溶融粘度を液晶ポ
リマー30のそれよりも大きくした場合均一にフィブリ
ル化しやすく、また、ポリエステル樹脂の溶融粘度を液
晶ポリマー30のそれよりも小さくした場合偏分散しや
すい。
【0026】また、上記した全ての実施例のチューブは
共押出成形により製造され、ポリアミド樹脂並びにポリ
エステル樹脂及び液晶ポリマー30の具体的種類、ポリ
エステル樹脂及び液晶ポリマー30の混合比(カッコ書
の数字%)、各層の厚みについては表2に示した通りと
してある。以下に、混合物の混合方法について説明する
と共に、従来の技術の欄に記載した試験方法と同様の方
法によって得られたこの発明の試験結果を表2に示す。 〔混合方法〕液晶ポリマーとポリエステル樹脂とを混合
物の形で押出機に供給する。この混合物は、両者のドラ
イブレンドでもよいし、メルトブレンドでもよい。ドラ
イブレンドは、例えば、リボンブレンダー、コニカルブ
レンダー、ヘンシェルミキサーのような各種混合機を用
いて行うことができ、一方メルトブレンドは、単軸また
は二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール
等を用いて行うことができる。 〔試験結果〕
【0027】
【表2】
【0028】この表2と表1とを比較すると、この発明
の燃料移送用チューブは従来の技術の欄に記載したチュ
ーブに比べて、アルコール、ガソリン及びこれらの混合
燃料のいずれに対しても不透過性が優れ且つ雰囲気温度
の変化に対して伸縮量が小さいことが判る。
【0029】尚、液晶ポリマーの混合比率は10〜90
%が採用でき、30〜70%が好ましい。
【0030】
【発明の効果】この発明は上記の様な構成であるから次
の効果を有する。
【0031】上記実施例等の内容から、アルコール、ガ
ソリン及びこれらの混合燃料のいずれに対しても不透過
性が優れ且つ雰囲気温度の変化に対して伸縮量が小さい
燃料移送用チューブを提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における燃料移送用チューブ
の層の断面図。
【符号の説明】
1 内層 2 接着層 3 中間層 4 接着層 5 外層 30 液晶ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 卓史 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株式 会社奈良工場内 (72)発明者 西野 駐 三重県名張市八幡1300番45 ニッタ・ムア ー株式会社名張工場内 (72)発明者 中林 祐治 三重県名張市八幡1300番45 ニッタ・ムア ー株式会社名張工場内 (72)発明者 中津 丹 三重県名張市八幡1300番45 ニッタ・ムア ー株式会社名張工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶ポリマーとポリエステル樹脂との混
    合物で構成された層を有し、前記液晶ポリマーがチュー
    ブの長さ方向に配向していることを特徴とする燃料移送
    用チューブ。
  2. 【請求項2】 内層及び外層がポリアミド樹脂で構成さ
    れ、前記内層と外層相互間に液晶ポリマーとポリエステ
    ル樹脂との混合物で構成された中間層を有するものとし
    てあり、前記中間層において液晶ポリマーがチューブの
    長さ方向に配向していることを特徴とする燃料移送用チ
    ューブ。
  3. 【請求項3】 内層と中間層相互間及び、中間層と外層
    相互間に、それぞれこれら相互を接着する接着層を具備
    させてあることを特徴とする請求項2記載の燃料移送用
    チューブ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105984193A (zh) * 2015-03-17 2016-10-05 赢创德固赛有限公司 包含聚酯层的多层复合件

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