JPH07265669A - 多重反射光学装置 - Google Patents

多重反射光学装置

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JPH07265669A
JPH07265669A JP6082294A JP6082294A JPH07265669A JP H07265669 A JPH07265669 A JP H07265669A JP 6082294 A JP6082294 A JP 6082294A JP 6082294 A JP6082294 A JP 6082294A JP H07265669 A JPH07265669 A JP H07265669A
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JP
Japan
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multiple reflection
optical device
axis
reflecting
reflection optical
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Application number
JP6082294A
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English (en)
Inventor
Noriyoshi Ishii
知徳 石井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 るつぼ等の容器から放出される光化学物質に
対し、レーザー光等の光を照射して化学反応を誘起させ
る光化学反応槽の光学系の多重反射光学装置において、
多重に反射される光ビーム個々の反応条件、即ち、るつ
ぼからの距離、および放出される光化学物質と光ビーム
との交差断面積等を同一にするのと共に、隣接ビーム同
志の間隔をせばめて空間の利用率を高くし、さらに光学
素子等に加わる外乱に対しても影響を受け難くする光学
装置を得ることを目的とする。 【構成】 反射面の法線方向が光軸に対して45度の角
度をなす複数の反射鏡を用い、一対の反射鏡によって入
射光の光軸を平行に折り返し、折り返された複数の光軸
がこの光軸と平行な基準軸を中心とする円筒面上に等間
隔で配列するようした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、るつぼ等の容器から
放出される気相の物質に対し、レーザー光等を照射して
反応を誘起させる光化学反応槽の光学系として用いる多
重反射光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光化学反応槽の構成について説明
する。図11は例えば特開昭63−126529号公報
に示された従来の光化学反応槽の内部構成を示す斜視
図、図12は図11のX−X断面における断面図であ
り、これらは図示されてはいない真空容器の内部に設置
されている。3は反応光、21は金属等の原料、22は
原料を収容するるつぼ、23はリニア形電子銃、24は
帯状の電子ビーム、25はるつぼ22の短手方向断面上
で扇状に広がる蒸気流、26は帯状の陽電極、27は帯
状の陰電極、28は光化学反応部である。
【0003】つぎに、動作について説明する。電子ビー
ム24は図示しない外部磁場コイルによる磁場により偏
向されて、るつぼ22に収容された原料21に照射され
る。原料21は電子ビーム24の照射により加熱されて
蒸発し、るつぼ22の短手方向断面上で扇状の蒸気流2
5となって上昇する。一方、るつぼ22の上方には帯状
の陽電極26、帯状の陰電極27が交互に配置され、そ
れぞれの電極間には光化学反応部28が設けられてい
る。この光化学反応部28には蒸気流25に作用するレ
ーザ光等からなる複数の反応光3が入射・導光され、上
昇する蒸気流25と交差する。このとき反応光3は特定
の波長に調整されており、蒸気流25中に含まれる特定
の物質のみを励起させる。この従来例においては反応光
3としてレーザ光を用い、光化学反応によって蒸気流2
5中の特定の物質のみを励起し電離させるので、交互に
電圧が印加された陽電極26と陰電極27との間に形成
される電界によって反発・吸引され、電離された反応物
質のみが一方の電極に集積する。なお、均質な光化学反
応生成物を得るためには各光化学反応部28は蒸気の密
度・温度等の反応条件がなるべく同一となっていること
が望ましく、そのため、るつぼからの距離が同一となる
よう、円弧状に配置されている。また、反応に関与しな
かった不純物等の残留物質は、光化学反応部28をその
まま通り抜けて蒸気回収板29に衝突し、堆積する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光化学反応槽におい
て、光化学反応原料は光化学反応槽の長手方向全般に亘
って設置されたるつぼから短手方向断面上で放射状に放
出され、るつぼ上方において各光ビームと反応を起こす
必要があるが、同時に各光ビーム毎の反応条件、即ち反
応物質の濃度とその分布、温度等を均一に保つこと、お
よびそれらの実現方法として各光ビームとるつぼとの距
離を均一にすること、また各光ビームの強度分布等を均
一に保つこと、各光化学反応部において蒸気流と交差す
る各光ビームの断面積大きくすることが必要である。し
かしながら、これらの条件を実現するための具体的配置
方法、あるいは光学系の構成等については上記文献には
なんら示されていない。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、各光ビーム毎の反応条件を均
一にするとともに、隣接する光ビームの間隔をせばめて
空間の利用率を高くできる光ビームの配置を実現し、さ
らに光学素子に加わる熱変形、あるいは振動といった外
乱に対しても影響を受けにくい光学装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる多重反
射光学装置は、反射面の法線方向が光軸に対して45度
の角度をなす複数の反射鏡を用い、一対の反射鏡によっ
て入射光の光軸を平行に折り返し、折り返された複数の
光軸がこの光軸と平行な基準軸を中心とする円筒面上に
等間隔で配列するようにしたものである。
【0007】また、この発明に係わる第2の多重反射光
学装置は、反射鏡を基準軸の方向にみた形状を扇形とし
たものである。
【0008】また、この発明に係わる第3の多重反射光
学装置は、反射鏡を基準軸の方向にみた形状を台形とし
たものである。
【0009】また、この発明に係わる第4の多重反射光
学装置は、光軸を折り返す一対の反射鏡の反射面を互い
に直交するように固定し、一体としたものである。
【0010】また、この発明に係わる第5の多重反射光
学装置は、光軸を折り返す一対の反射鏡をその反射面の
幾何学的交線および基準軸と互いに直交する第3の座標
軸に対して、軸回りの回転および軸方向の並進運動の2
つの自由度を有する位置決め機構を備えたものである。
【0011】また、この発明に係わる第6の多重反射光
学装置は、光軸を折り返す一対の反射鏡の第3の座標軸
の軸回りの回転および軸方向の並進運動の2つの自由度
が、1つの機械的駆動軸により駆動されるようにしたも
のである。
【0012】また、この発明に係わる第7の多重反射光
学装置は、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、特定の波長の光を反射または透過するダイクロイッ
クミラーとしたものである。
【0013】また、この発明に係わる第8の多重反射光
学装置は、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、光の偏光状態により反射または透過する偏光ビーム
スプリッターとしたものである。
【0014】また、この発明に係わる第9の多重反射光
学装置は、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、微小の曲率を有し反射光を集光または発散させるよ
うにしたものである。
【0015】さらに、この発明に係わる第10の多重反
射光学装置は、光軸の位置を検出する位置検出センサー
を備えるとともに、前記平面ミラーユニットを傾動およ
び/または移動させる機構とを備え、光ビームを自動的
に所定の位置に制御する位置決め制御系を有するように
したものである。
【0016】
【作用】この発明に係わる多重反射光学装置では、反射
面の法線方向が光軸に対して45度の角度をなす複数の
反射鏡を用い、一対の反射鏡によって入射光の光軸を平
行に折り返し、折り返された複数の光軸がこの光軸と平
行な基準軸を中心とする円筒面上に等間隔で配列するよ
うにしたので、反応光は基準軸を中心とする円筒面上を
等間隔で折り返して伝播される。
【0017】また、この発明に係わる第2の多重反射光
学装置では、反射鏡を基準軸の方向にみた形状を扇形と
したので、光軸方向への反射面の投影形状が小さくなり
隣接する光ビームの間隔をせばめられる。
【0018】また、この発明に係わる第3の多重反射光
学装置では、反射鏡を基準軸の方向にみた形状を台形と
したので、高い空間利用率が得られる。
【0019】また、この発明における第4の多重反射光
学装置では、光軸を折り返す一対の反射鏡の反射面を互
いに直交するように固定し、一体としたので、2つの反
射面の幾何学的な交線を軸とする回転方向での外乱振動
あるいは熱変形が加わったとしても一体化した一対の反
射鏡へ入射する光と反射する光との平行関係には影響が
生じない。
【0020】また、この発明における第5の多重反射光
学装置では、光軸を折り返す一対の反射鏡をその反射面
の幾何学的交線および基準軸と互いに直交する第3の座
標軸に対して、軸回りの回転および軸方向の並進運動の
2つの自由度を有する位置決め機構を備えているので、
振動および熱変形等の外乱が加わっても、これらを補正
するように作用する。
【0021】また、この発明における第6の多重反射光
学装置では、光軸を折り返す一対の反射鏡の第3の座標
軸の軸回りの回転および軸方向の並進運動の2つの自由
度が、1つの機械的駆動軸により駆動されるようにした
ので、例えば反応槽の外部の駆動源によって光軸を折り
返す一対の反射鏡が駆動される。
【0022】また、この発明における第7の多重反射光
学装置では、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、特定の波長の光を反射または透過するダイクロイッ
クミラーとしたので、反応槽内の光ビームの一部が外部
へ導出される。
【0023】また、この発明における第8の多重反射光
学装置では、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、光の偏光状態により反射または透過する偏光ビーム
スプリッターとしたので、反応槽内の光ビームの一部が
外部へ導出される。
【0024】また、この発明における第9の多重反射光
学装置では、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、微小の曲率を有し、反射光を集光または発散させる
ようにしたので、光ビームの伝播に伴って発生する発散
または収束を補正する。
【0025】また、この発明における第10の多重反射
光学装置では、光軸の位置を検出する位置検出センサー
を備えるとともに、前記平面ミラーユニットを傾動およ
び/または移動させる機構とを備え、光ビームを自動的
に所定の位置に制御する位置決め制御系を有するように
したので、光ビームの位置が修正される。
【0026】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例1を図に基づいて説
明する。図1において、(a)は平面図、(b)は正面
図である。1は平面からなる反射面をもった反射鏡であ
り、1aおよび1b(または1a’および1b’)一対
の反射面を1組として反射鏡ユニットを構成している。
また、1c(または1c’)は1aおよび1b(または
1a’および1b’)2つの反射鏡の各反射面の幾何学
的な交線であり、図には示されてないるつぼ等をほぼ中
心として所定の角度ピッチ12で放射線状に並んでい
る。さらに3は光化学反応槽に導入される反応光であ
り、それぞれ、○中に黒丸点を付した記号は紙面上向き
の、同じく○中に×印を付した記号は紙面下向きの光ビ
ームであることを示す。
【0027】次に動作について説明する。図1(a)に
おいて左上方から入射した反応光は左下の反射面1aで
反射され、約90度の角度で次の反射面1bへと反射さ
れる。反射面1bにおいても約90度の方向へ反射さ
れ、結局これら2つの反射面をもつ反射鏡ユニットから
の出射光は、入射光と平行に折り返され、順次これを繰
り返して伝播していく。この様子を正面から見たものが
図1(b)である。図1(b)において、入射光は2つ
の反射面の交線1c(または1c’)を対称軸とする線
対称の関係に折り返され、入射光と平行に出射される。
光化学反応槽全体としては反射鏡ユニット毎の反射面の
交線1c(または1c’)が所定の角度ピッチ12で放
射線状に並ぶように設置されているので、各反射面と光
軸との交点であるビーム位置は、るつぼを中心とする円
筒面上に配置される。
【0028】以上の説明では、反応光の断面形状につい
ては述べなかったが、反応光が所定の断面形状を有する
場合でも同様である。この場合を図3に示す。図中、1
a〜1cおよび3は図1の場合と同じである。但し、図
3では1つの反射鏡ユニットのみを代表して示してあ
る。同図において左側の反射面1aに例えば点0を中心
とする矩形断面(abcd)の光ビームが入射される
と、2つの反射面の交線1cを対称軸とする線対称の関
係に光ビームが折り返される(a’b’c’d’および
中心点0’)ので、光ビームは結果的に元の形状を保存
したまま、角度ピッチ12と等しい量だけ時計方向に回
転して右側の反射面1bに投影される。これを繰り返し
ていくことによって、るつぼをほぼ中心とする円筒面上
に同形状の光ビームを等角度ピッチで多数個配置するこ
とができる。もちろん、反射面は図2に示すように矩形
にしてもかまわない。
【0029】実施例2.図3は2つの反射面よりなる反
射鏡ユニットの一例を示す正面図であり、互いにほぼ直
交する2つの反射面1a、1bを光軸方向にみて扇形に
した場合である。図中、1a〜1cおよび3は図1と同
一である。
【0030】実施例3.図4は互いにほぼ直交する2つ
の反射面1a、1bを光軸方向にみて台形にした場合で
あり、平面ミラーユニットの製作が容易となり、製作期
間、費用の面で有利となる。なお、図中、1a〜1cお
よび3は図1と同一である。
【0031】実施例4.図5は2つの反射面を互いに直
交する状態で固定し、一体の反射鏡ユニットとしたもの
である。1dは2つの反射面の交線1cを軸とした回転
運動においては常に一体となって回転するため、入射・
出射光の光軸の角度変化を生じなくなる。この様子を図
4中に併記する。このため仮に1cを回転軸とする回転
方向に振動、熱変形等の外乱が加わったとしても反応光
3の入射・出射の光軸の角度は変化せず、そのため図の
左右方向に関し、個々の光ビームが環境から受ける外乱
の影響を低減し、光ビーム同志の干渉を排除するので、
光ビーム間の隙間の余裕を削減し空間の利用率を高める
ことができる。
【0032】実施例5.図6に示す実施例5において、
1cは2つのの交線、1dは互いに直交する状態で一体
に固定した2つの反射鏡、3は反応光、14aは1cと
3との双方に直交する第3の軸回りの回転運動を一体物
直交ミラー1dに付与する位置決め機構、14bは前記
第3の軸方向に並進運動を付与する位置決め機構であ
る。前記の実施例4において、2つの平面ミラーを互い
に固定し一体とした場合、図4の左右方向に関し、個々
の光ビームが環境から受ける外乱の影響を低減すること
ができる。ところが、1cと3との双方に直交する第3
の軸回りの回転運動、および前記第3の軸方向の並進運
動に関しては、外乱の影響を排除できない。そこで本実
施例では14a、14b2つの位置決め機構を導入する
ことによって外乱を相殺させ、個々の光ビームの方向精
度をさらに向上させて光ビーム間の隙間の余裕を削減し
空間の利用率をさらに高めることができる。
【0033】実施例6.図7に示す実施例6において1
c、1d、3は上記実施例と同一であり、15は機械的
な駆動軸である。図において1cと3との双方に直交す
る第3の軸に関する回転、および並進の2自由度の駆動
を一本の機械的駆動軸により行なわせることで、図には
示さない駆動源を、例えば反応槽の外部に設けることが
でき、駆動源のメインテナンスを容易にすると同時に光
化学反応原料との相互の汚染を回避することができる。
【0034】実施例7.図8に示す実施例7において1
b、1c、3は上記実施例と同一、1eは波長により光
を反射また透過する、いわゆるダイクロイックミラー、
16は光ビームの位置等を観察するセンサーである。反
射鏡ユニットの2つの反射鏡のうち、少なくともその一
方を波長により光を反射または透過する、いわゆるダイ
クロイックミラーとすることによって入射光の一部をミ
ラー後方に透過させ、例えばこれをミラー後方から観察
し、光ビームとミラーとの相対位置を測定する、等の用
途に用いることができる。
【0035】実施例8.実施例7では、ダイクロイック
ミラーを用いたが、偏光により光を反射または透過す
る、いわゆる偏光ビームスプリッターを用いても同様に
構成できる。
【0036】実施例9.図9に示す実施例9において1
a、1c、3は上記実施例と同一、1gは極めて小さい
曲率を有する凹面である。2つの平面ミラーのうち、少
なくともその一方を極めて小さい曲率を有する凹面ある
いは凸面とすることにより反射光を僅かに集光あるいは
発散させ、光ビームが光化学反応槽中を伝播する間に受
ける優乱等による発散集光作用を除去することができ
る。同図において優乱等による発散作用を受けて入射し
た反応光3は極めて小さい曲率を有する凹面1gによっ
て反射後平行ビームに補正されている。
【0037】実施例10.図10に示す実施例10にお
いて16は光ビームの位置を検出する位置センサー、1
7は位置センサーの出力信号から位置決め信号を作る信
号処理部、18は位置決め機構部を電気的に駆動する駆
動部、19は2軸煽り傾動が行なえる位置決め機構部で
ある。光ビームの位置を検出する位置センサー16と光
ビームを反射するミラーを傾動させる機構19とを共に
装備して協調させ、光ビームの位置が常に所定の位置に
来る様に制御する、いわゆる位置決め制御を行なって光
ビームの位置精度を向上し、光ビーム間の隙間の余裕を
削減し空間の利用率を高めることができる。
【0038】
【発明の効果】この発明に係わる多重反射光学装置で
は、反射面の法線方向が光軸に対して45度の角度をな
す複数の反射鏡を用い、一対の反射鏡によって入射光の
光軸を平行に折り返し、折り返された複数の光軸がこの
光軸と平行な基準軸を中心とする円筒面上に等間隔で配
列するようにしたので、反応光は基準軸を中心とする円
筒面上を等間隔で折り返して伝播され、基準軸の中心付
近に設置するるつぼから放出される光化学反応原料の蒸
気とと光ビームとの反応の条件を各光ビームについて同
一にできるとともに、限られた反応槽の容積の中で光化
学反応原料と光ビームとの交差体積を最大になる。
【0039】また、この発明に係わる第2の多重反射光
学装置では、反射鏡を基準軸の方向にみた形状を扇形と
したので、光軸方向への反射面の投影形状が小さくなり
隣接する光ビームの間隔をせばめられるので、空間の利
用率が大きくなる。
【0040】また、この発明に係わる第3の多重反射光
学装置では、反射鏡を基準軸の方向にみた形状を台形と
したので、高い空間利用率が得られるとともに反射面の
4辺が直線であるため、製造が容易となる。
【0041】また、この発明における第4の多重反射光
学装置では、光軸を折り返す一対の反射鏡の反射面を互
いに直交するように固定し、一体としたので、2つの反
射面の幾何学的な交線を軸とする回転方向での外乱振動
あるいは熱変形が加わったとしても一体化した一対の反
射鏡へ入射する光と反射する光との平行関係には影響が
生じず、反射光は常に入射光と平行に出射される。
【0042】また、この発明における第5の多重反射光
学装置では、光軸を折り返す一対の反射鏡をその反射面
の幾何学的交線および基準軸と互いに直交する第3の座
標軸に対して、軸回りの回転および軸方向の並進運動の
2つの自由度を有する位置決め機構を備えているので、
振動および熱変形等の外乱が加わっても、これらを補正
し、目標位置に光ビームを導くことができる。
【0043】また、この発明における第6の多重反射光
学装置では、光軸を折り返す一対の反射鏡の第3の座標
軸の軸回りの回転および軸方向の並進運動の2つの自由
度が、1つの機械的駆動軸により駆動されるようにした
ので、例えば反応槽の外部に駆動源を設けることがで
き、メインテナンスが容易になり、さらに光化学反応原
料との間で相互に汚染することがなくなる。
【0044】また、この発明における第7の多重反射光
学装置では、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、特定の波長の光を反射または透過するダイクロイッ
クミラーとしたので、例えば光化学反応に関与しない波
長の光を予め混合して伝播させ、このミラーを透過して
くる光ビームを後方から観察し、光ビームとミラーとの
相対位置を測定する等の用途に用いることができる。
【0045】また、この発明における第8の多重反射光
学装置では、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、光の偏光状態により反射または透過する偏光ビーム
スプリッターとしたので、例えば光化学反応に携わる光
のうち、その偏光状態が異なるためにこのミラーを透過
してくるものをミラー後方から観察し、光ビームとミラ
ーとの相対位置を測定する、等の用途に用いることがで
きる。
【0046】また、この発明における第9の多重反射光
学装置では、複数の反射鏡のうち、少なくともその一つ
を、微小の曲率を有し、反射光を集光または発散させる
ようにしたので、光ビームの伝播に伴って生じる発散ま
たは収束を補正することができる。
【0047】また、この発明における第10の多重反射
光学装置では、光軸の位置を検出する位置検出センサー
を備えるとともに、前記平面ミラーユニットを傾動およ
び/または移動させる機構とを備え、光ビームを自動的
に所定の位置に制御する位置決め制御系を有するように
したので、隣接する光ビーム間の寸法余裕を削減して空
間の利用率をさらに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における多重反射光学装置
の光学系を説明するための図であり、(a)は反射鏡の
平面図、(b)は正面図である。
【図2】この発明の実施例1における反射鏡の変形例を
示す正面図である。
【図3】この発明の実施例2における多重反射光学装置
の光学系を説明するための図であり、反射鏡の正面図で
ある。
【図4】この発明の実施例3における多重反射光学装置
の光学系を説明するための図であり、反射鏡の正面図で
ある。
【図5】この発明の実施例4における多重反射光学装置
の光学系を説明するための図であり、2つの反射鏡を一
体に形成した場合の1要素を示す動作説明図である。
【図6】この発明の実施例5における多重反射光学装置
の2つの反射鏡を一体に形成した1要素を示す斜視図で
ある。
【図7】この発明の実施例6における多重反射光学装置
の2つの反射鏡を一体に形成した1要素を示す斜視図で
ある。
【図8】この発明の実施例7および実施例8における多
重反射光学装置の2つの反射鏡を一体に形成した1要素
を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施例9における多重反射光学装置
の光学系を説明するための図であり、凹面鏡を用いた場
合の動作説明図である。
【図10】この発明の実施例10における多重反射光学
装置の構成を示すためのブロック線図である。
【図11】従来の光化学反応槽の構成を示す斜視図であ
る。
【図12】従来の光化学反応槽の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1a 反射鏡(a) 1b 反射鏡(b) 1c 2つの反射鏡の反射面(a)、(b)の交線 1d 一体に形成された2つの反射鏡 1e ダイクロイックミラー 1g 微小な曲率を有する凹面 3 反応光 3a 入射側ビーム形状 3b 出射側ビーム形状 12 角度ピッチ 14a 第3軸回りの回転駆動機構 14b 第3軸方向の並進駆動機構 15 駆動軸 16 センサー 17 信号処理部 18 駆動部 19 位置決め機構部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射面の法線方向が光軸に対して45度
    の角度をなす複数の反射鏡を用い、一対の前記反射鏡に
    よって入射光の光軸を平行に折り返し、折り返された複
    数の光軸がこの光軸と平行な基準軸を中心とする円筒面
    上に等間隔で配列するようになされていることを特徴と
    する多重反射光学装置。
  2. 【請求項2】 前記反射鏡を前記基準軸の方向にみた形
    状が扇形であることを特徴とする請求項1に記載の多重
    反射光学装置。
  3. 【請求項3】 前記反射鏡を前記基準軸の方向にみた形
    状が台形であることを特徴とする請求項1に記載の多重
    反射光学装置。
  4. 【請求項4】 前記光軸を折り返す一対の反射鏡の反射
    面が互いに直交するように固定され、一体となっている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の多重
    反射光学装置。
  5. 【請求項5】 前記光軸を折り返す一対の反射鏡をその
    反射面の幾何学的交線および前記基準軸と互いに直交す
    る第3の座標軸に対して、軸回りの回転および軸方向の
    並進運動の2つの自由度を有する位置決め機構を備えた
    ことを特徴とする請求項4に記載の多重反射光学装置。
  6. 【請求項6】 前記光軸を折り返す一対の反射鏡の前記
    第3の座標軸の軸回りの回転および軸方向の並進運動の
    2つの自由度が、1つの機械的駆動軸により駆動される
    ようになされていることを特徴とする請求項5に記載の
    多重反射光学装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の反射鏡のうち、少なくともそ
    の一つが、特定の波長の光を反射または透過するダイク
    ロイックミラーであることを特徴とする請求項1ないし
    請求項6に記載の多重反射光学装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の反射鏡のうち、少なくともそ
    の一つが、光の偏光状態により反射または透過する偏光
    ビームスプリッターであることを特徴とする請求項1な
    いし請求項6に記載の多重反射光学装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の反射鏡のうち、少なくともそ
    の一つが、微小の曲率を有し反射光を集光または発散さ
    せるようになされたことを特徴とする請求項1ないし請
    求項8に記載の多重反射光学装置。
  10. 【請求項10】 光軸の位置を検出する光軸位置検出セ
    ンサーを備えるとともに、前記複数の反射鏡のうち、少
    なくともその一つが傾動および/または移動させる機構
    とを備え、光軸を自動的に所定の位置に制御する位置決
    め制御系を有することを特徴とする請求項1ないし請求
    項9に記載の多重反射光学装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012114805A1 (ja) 2011-02-23 2012-08-30 大陽日酸株式会社 光化学反応装置及び光化学反応装置を用いた同位体濃縮方法
KR101322053B1 (ko) * 2010-02-26 2013-10-28 카와사키 주코교 카부시키 카이샤 조작 장치

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