JPH07265551A - 液体を封入した玩具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 中の人形を変化を持たせて見せる。 【構成】 内部に水が封入された透明な中空球体４内に
遊動自在な人形３を収容した玩具において、中空球体４
の周壁の外側に、該中空球体４の内部空間に連通しかつ
人形３の隠れる小部屋を有した中空柱体５を、その一端
を中空球体４の周壁に接合することにより突設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、内部に液体を封入しそ
の中に人形等の形象物を入れることにより、液体の物性
による形象物の動きの変化や視覚的な変化を楽しむ液体
を封入した玩具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の玩具として、内部に液体
が封入された透明な密閉容器内に、遊動自在に人形を収
容したもの、あるいは雪を模した無数の銀箔片を収容し
たもの等がある。このような玩具では、液体中での人形
の動きが液体による浮力や粘性抵抗等により影響を受け
るため、空気中とは違った動きをする面白さがある。ま
た、液体の光学的な性質により、人形が大きく見えた
り、歪んで見えたりする面白さもある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のこの
種の玩具では、人形や銀箔片が液中でゆっくり動く面白
さ、あるいは人形が大きく見えたり歪んで見えたりする
面白さはあるが、依然変化に乏しかった。

【０００４】本発明は、上記事情を考慮し、中の形象物
の見え方に大きな変化を与えることで、違った面白さを
演出することのできる液体を封入した玩具を提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、内部
に液体が封入された透明な中空体内に遊動自在な形象物
を収容した玩具において、前記中空体の周壁の外側に、
該中空体の内部空間に連通しかつ前記形象物の隠れる小
部屋を有した中空柱体を、その一端を前記中空体の周壁
に接合することにより突設したことを特徴とする。

【０００６】請求項２の発明は、前記中空柱体の周壁が
透明壁からなることを特徴とする。

【０００７】請求項３の発明は、前記透明壁には凹レン
ズが形成されていることを特徴とする。

【０００８】請求項４の発明は、前記中空柱体の他端
に、該中空柱体内に照光を導入するライトを接続したこ
とを特徴とする。

【０００９】請求項５の発明は、前記中空柱体の他端
に、該中空柱体からの前記形象物の移動が可能な別の中
空体を接続したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】請求項１の発明の玩具においては、この玩具を
振ったり、逆さまにしたりすることにより、中の形象物
が中空体と中空柱体の間を行ったり来たりする。中空体
側に形象物があるときには、中空体内の液体のレンズ作
用により、形象物が外から大きく見える。

【００１１】請求項２の発明の玩具においては、形象物
が中空柱体内に隠れているときも、その姿が外から見え
る。

【００１２】請求項３の発明の玩具においては、中空柱
体内の形象物が凹レンズを通して外からより小さく見え
る。

【００１３】請求項４の発明の玩具においては、ライト
からの照光が中空柱体から中空体に入り、これらの透明
壁を通して外部に放射される。

【００１４】請求項５の発明の玩具を振ったり逆さまに
したりすることにより、形象物が一方の中空体から中空
柱体を通過して他方の中空体へ移動する。形象物は中空
柱体内にあるときと中空体内にあるときとで外からの見
え方が違うので、移動するのに伴い、形象物の見え方も
変化する。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は実施例の液体を封入した玩具１の外観を
示す。この玩具１は、透明樹脂の成形体よりなるケーシ
ング２の内部に、液体として水を封入し、内部に形象物
としてのマスコット人形３を遊動自在に収容したもので
ある。ここでは、頭部と胴部と脚部からなる犬の人形３
が収容されている。水の注入口はあまり目立たない箇所
に設けられ、水を注入した段階で封止されている。

【００１６】ケーシング２は、中空球体（中空体）４と
中空柱体５とからなり、中空球体４の周壁の外側に、中
心軸線を中空球体４の中心に向けた姿勢で中空柱体５が
突設され、中空球体４の内部空間と中空柱体５の内部空
間は連通している。中空球体４は人形３が自由に動ける
大きさに形成され、中空柱体５は人形が隠れる程度の小
部屋の大きさに形成されている。中空柱体５は、その径
が中空球体４の直径の半分程度に設定され、長さが人形
３の背の高さと同程度に設定されている。そして、内部
に人形３が自立した姿勢（頭部が上、脚部が下の姿勢）
でちょうど収まるようになっている。なお、この人形３
は、重心が低い位置に設定され、重力で自立するもので
ある。また、水の中で自然に沈む重さに設定されてい
る。

【００１７】中空柱体５の一端は中空球体４の周壁に接
合され、他端は端面板６により塞がれている。また、中
空柱体５は、内面は人形３の動きを妨げないように円筒
面で形成されているが、外面は八角柱として形成され、
八角柱の各面が長さ方向に同一断面の凹レンズ５ａによ
り形成されている。

【００１８】次に作用を説明する。この玩具１を振った
り、逆さまにしたりすると、図１の（ａ）、（ｂ）に示
すように、中の人形３が中空球体４と中空柱体５の間を
行ったり来たりする。中空球体４側に人形３があるとき
には、（ａ）に示すように中空球体４内の液体のレンズ
作用により、人形３が外から大きく見える。また、中空
柱体５側に人形３があるときには、（ｂ）に示すよう
に、中空球体４内にあるときより人形３が小さく見える
が、凹レンズ５ａを通して人形３を見るため、より小さ
く見える。従って、中空柱体５内の空間（小部屋）内
に、人形３が小さな姿勢で隠れているように見える。こ
の場合、人形３は重心の位置およびその重量の関係か
ら、自然に直立姿勢で中空柱体５内に収まる。何も振っ
たりしない場合も同様である。また、この状態から、
（ａ）に示すように中空球体４内に人形が飛び出すと、
いかにも人形３が隠れていた小部屋から急に飛び出した
ように大きく見えることになり、その変化の大きさが面
白さを演出する。また特に、外から見た場合の中空球体
４の中心部とその周辺部とでは拡大率に差が生じるの
で、例えば人形３の頭の部分と足の部分の大きさが歪ん
で見えるといった面白さもある。

【００１９】この玩具１は、これだけで遊んでも十分に
よいが、中空柱体５の他端を図２に示すようにペンライ
ト１０の先端に装着して、中空柱体５内にペンライト１
０からの照光を導入するようにしてもよい。端面板６
は、そのためにペンライト１０の先端に嵌合できるよう
になっている。その場合、端面板６とペンライト１０の
先端面との間に色板１１を遊動自在に挟んで、各種の色
の光を選択的に中空柱体５に導入するようにしてもよ
い。

【００２０】このようにした場合、ペンライト１０から
の照光が中空柱体５から中空球体４に入り、中の人形３
を照らし出して明るく見せると共に、中空柱体５や中空
球体４の透明壁から放射される光で周囲を照らすことが
できる。また、中空球体４の凸レンズ効果により、光を
集めて人形３の影を作り出すこともできる。

【００２１】なお、上記実施例では、中空球体４および
中空柱体５の全面を透明壁で構成しているが、一部を目
隠ししてもよい。特に、中空柱体５側を全部目隠しする
と、人形３が完全に隠れていて、中空球体５側に急に飛
び出すといった印象を与えることもできる。また、人形
３を複数収容したり、人形以外の形象物を入れたり、人
形と銀箔片を一緒に入れたり、複数の中空柱体５を接合
したりしてもよい。また、水以外の透明な液体を封入し
てもよいし、薄い色の付いた液体を封入してもよい。

【００２２】図３は中空柱体５の他端側に端面板を設け
ずに、更に別の中空球体１４を互いに内部が連通するよ
うに設けた実施例を示す。この実施例の中空球体１４
は、上部（中空柱体５に近い部分）を外周方向に膨出さ
せて楕円球状に形成し、更に上を偏平化し、下を絞った
形のものである。このような中空球体１４を設けた場合
には、内部の人形３が歪んで見える面白さがある。ま
た、人形３が一方の中空球体４から中空柱体５を通過し
て他方の中空球体１４へ移動するのに伴い、人形３の見
え方が様々に変化するので、面白さが増す。

【００２３】なお、中空球体４および中空柱体５の形状
については、様々なものの中からの組み合わせが可能で
ある。幾つかの例を簡単に示す。図４は中空柱体５の種
類を示す。（ａ）は円柱形、（ｂ）は六角柱形、（ｃ）
は鼓形、（ｄ）は四角柱の側面を外に膨らませた形、
（ｅ）は六角柱の側面を凹レンズ形に凹ませた形、
（ｆ）は六角柱の側面を平坦面のまま太鼓状に膨らませ
た形、（ｇ）は六角柱を（ｄ）のように変形し更に捩じ
った形、（ｈ）は八角柱を（ｅ）のように変形し更に捩
じった形、（ｉ）は八角柱の側面を凹ませ更に（ｆ）の
ように太鼓状に膨らませた形、（ｊ）は八角柱の側面を
膨らませ更に（ｆ）のように太鼓状に膨らませた形、
（ｋ）は円柱の高さ方向数箇所を適当に外から絞り込ん
だ形、（ｌ）は円柱の高さ方向数箇所をそのままの径に
保ちながら外から凹ませた形である。

【００２４】図５は円柱形の場合の変形例であり、
（ａ）は周壁の一部に凹部３１を設けた形、（ｂ）は周
壁の一部に凸部３２を設けた形である。

【００２５】図６は中空球体４の種類を示す。（ａ）は
完全な球、（ｂ）は楕円球、（ｃ）は楕円球の上部を延
ばしながら絞った形、（ｄ）は楕円球の下部を絞った
形、（ｅ）は球の一部に凹部３１を設けた形である。

【００２６】図７は球の変形例を示す。（ａ）は三角の
多面体を球形にしたもの、（ｂ）は三角や四角の面を組
み合わせることで球形にしたもの、（ｃ）は五角の面を
組み合わせることで球形にしたもの、（ｄ）は球の外面
にゴルフボールのようなディンプル３３を無数に設けた
もの、（ｅ）は球の外面に半球状の微小凸部３４を無数
に設けたものである。

【００２７】これらの中空柱体５や中空球体４を用いた
場合は、光学的な変形や歪み等を伴った形で人形３が外
から見えるようになり、種々の面白さを演出することが
できる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の発明に
よれば、中空柱体側は形象物の隠れる小部屋となってお
り、中空体側は液体のレンズ作用により中の物が外から
大きく見えるので、中空柱体内に隠れていた形象物が中
空体内に飛び出したとき、突然大きく飛び出して来たよ
うに見える。従って、形象物としてマスコット人形を入
れた場合には、中空体内に人形が登場した瞬間の変化
を、面白く演出して見せる効果がある。特に、外から見
た場合の中空体の中心部とその周辺部とでは拡大率に差
が生じるので、例えば人形の頭の部分と足の部分の大き
さが歪んで見えるといった面白さもある。

【００２９】請求項２の発明によれば、中空柱体の周壁
が透明であるから、中の形象物がどういう姿で隠れてい
るかが、外から見える面白さがある。特に、中空柱体の
径が中空体の径よりも小さい（隠れる小部屋という印象
から、通常中空柱体の方を小さくする）場合には、中空
柱体側に隠れている形象物が小さく見えるので、いかに
も隠れているように見える面白さがある。

【００３０】請求項３の発明によれば、中空柱体の透明
な周壁に凹レンズを形成したので、中の形象物がより小
さく見える。よって、中空柱体から中空体に移動した際
の形象物の見え方の変化が増大し、面白さが増す。

【００３１】請求項４の発明によれば、中空柱体側の端
部にライトを接続したので、中空柱体や中空体内の形象
物を照らし出して明るく見せると共に、中空柱体や中空
体から放射される光で周囲を照らす効果がある。特に、
中空球体の凸レンズ効果により光を集めて形象物の影を
作り出すこともできる。

【００３２】請求項５の発明によれば、中空柱体の反対
側にも他の中空体を接続したので、形象物が一方の中空
体から他方の中空体に移動するのに伴って、様々な大き
さや形に見える面白さがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の外観図であり、（ａ）は中
空柱体５内にマスコット人形３が入っている状態を示す
図、（ｂ）は中空球体４内にマスコット人形３が入って
いる状態を示す図である。

【図２】本発明の一実施例の応用例を示す分解斜視図で
ある。

【図３】本発明の他の実施例の外観図である。

【図４】本発明の玩具における中空柱体５の例を示す図
である。

【図５】本発明の玩具における中空柱体５の更に他の例
を示す図である。

【図６】本発明の玩具における中空球体４の例を示す図
である。

【図７】本発明の玩具における中空球体４の表面形状の
例を示す図である。

【符号の説明】

１ 玩具 ２ ケーシング ３ 人形（形象物） ４ 中空球体（中空体） ５ 中空柱体 １４ 中空球体

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に液体が封入された透明な中空体内
   に遊動自在な形象物を収容した玩具において、前記中空
   体の周壁の外側に、該中空体の内部空間に連通しかつ前
   記形象物の隠れる小部屋を有した中空柱体を、その一端
   を前記中空体の周壁に接合することにより突設したこと
   を特徴とする液体を封入した玩具。
2. 【請求項２】 前記中空柱体の周壁が透明壁からなるこ
   とを特徴とする請求項１記載の液体を封入した玩具。
3. 【請求項３】 前記透明壁には凹レンズが形成されてい
   る請求項２記載の液体を封入した玩具。
4. 【請求項４】 前記中空柱体の他端に、該中空柱体内に
   照光を導入するライトを接続したことを特徴とする請求
   項２または３記載の液体を封入した玩具。
5. 【請求項５】 前記中空柱体の他端に、該中空柱体から
   の前記形象物の移動が可能な別の中空体を接続したこと
   を特徴とする請求項１、２、３のいずれかに記載の液体
   を封入した玩具。