JPH07265082A - 核酸を化学変換する方法 - Google Patents

核酸を化学変換する方法

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JPH07265082A
JPH07265082A JP6094061A JP9406194A JPH07265082A JP H07265082 A JPH07265082 A JP H07265082A JP 6094061 A JP6094061 A JP 6094061A JP 9406194 A JP9406194 A JP 9406194A JP H07265082 A JPH07265082 A JP H07265082A
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JP
Japan
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nucleic acid
uracil
residue
molecule
amino groups
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JP6094061A
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Makoto Komiyama
真 小宮山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 核酸内部のシトシン残基をウラシル残基に効
率的に化学変換する方法、ならびに、核酸内部の特定の
シトシン残基をウラシル残基に化学変換する方法を提供
する。 【構成】 核酸と亜硫酸水素イオンを反応させるに際
し、同一分子内に複数個のアミノ基を有する分子を用い
ることにより、核酸内部のシトシン残基をウラシル残基
に効率的に化学変換することができる。また、同一分子
内に複数個のアミノ基を有する分子をデオキシリボ核酸
(DNA)のオリゴマーまたはその誘導体、あるいはタ
ンパク質に共有結合により結合した化合物を用いること
により、核酸内部の特定のシトシン残基をウラシル残基
に効率的に化学変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、核酸内部のシトシ
ン残基をウラシル残基に効率的に化学変換する技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】 核酸は、生物の遺伝情報の保存と発現
を司る重要な生体高分子であり、遺伝情報は4種類のヌ
クレオシドの組合せとして保存され、また発現されてい
る。したがって、核酸の内部の核酸塩基を他のものに変
換することが出来れば、遺伝情報を自在に制御すること
が可能であり、医学、遺伝子工学、農学などの広範な分
野に重要な寄与をするものと期待される。しかし、この
ような核酸の化学変換をひき起こす方法には、いまだ十
分に満足すべきものは知られていない。
【0003】 例えば、核酸を構造変換して突然変異を
ひき起こすには、放射線や光等を照射する方法が知られ
ている。また、核酸の化学変化をひき起こす化学薬品
を、核酸を含む水溶液に加える方法も知られている。し
かし、これらの方法は、反応速度が小さい場合がほとん
どであり、また、不用の副反応を伴うことが一般的であ
る。また、核酸の中の特定の塩基を他のものに変換する
ことはほぼ不可能である。
【0004】 すでに、核酸に対して亜硫酸水素イオン
を作用すると、核酸の内部のシトシン残基がウラシル残
基に変換されることが知られている(Journal
of American Chemical Soci
ety誌、92巻、1970年発行、422ページ)。
しかし、この反応は反応速度が小さく、実用的に用いる
には問題が多い。また、核酸の内部の特定のシトシン塩
基をウラシル塩基に変換することは出来ない。
【0005】
【発明が解決すべき課題】 そこで、亜硫酸水素イオン
による、核酸の内部のシトシン残基をウラシル残基への
化学変換を加速する触媒の開発が必要があった。また、
核酸の内部の特定の塩基を他のものに変換する方法の開
発は全く知られていない。この発明は、このような方法
を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題解決のための手段】この発明者は、亜硫酸水素イ
オンによるシトシン残基をウラシル残基への化学変換に
対する触媒の探索に努めてきたが、今回、同一分子内に
複数のアミノ基を持つ分子が大きな触媒作用を持つこと
を見いだした。そこで、さらに鋭意検討を重ねた結果、
同一分子内に複数のアミノ基を持つ分子を、核酸の特定
の位置に結合する分子に共有結合で結合することによ
り、核酸内部の特定のシトシン残基をウラシル残基へ化
学変換することに成功し、本発明を完成した。
【0007】 本発明では、同一分子内に複数個のアミ
ノ基を触媒として用いることにより、亜硫酸水素イオン
によるシトシン残基をウラシル残基への化学変換を温和
な条件で効率的に進行させるとともに、同一分子内に複
数個のアミノ基をデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴ
マーあるいはタンパク質に共有結合により、核酸内部の
特定のシトシン残基をウラシル残基へ化学変換する。
【0008】 この発明を構成する上記の諸要件を1つ
ずつ説明すると次の通りである。明細書に記載する、同
一分子内に複数個のアミノ基を有する分子とは、例え
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレン
ジアミン、ピペラジン、ジアザビシクロ(2.2.2)
オクタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、スペルミン、エチレンジアミンオリゴマー、なら
びにこれらの誘導体などである。アミノ基は1級、2
級、3級いずれも使用可能であり、さらに、必要に応じ
て4級化したものが1部に含まれていてもかまわない。
【0009】 同一分子内に複数個のアミノ基を有する
分子を結合するDNAオリゴマーは、市販のDNA合成
機で合成することも、また生物等から抽出して使用する
ことも可能である。また、適当な誘導体として使用する
ことも可能である。これらのオリゴマーの重合度には特
に制限はないが、一般に5−50、特に好ましくは8−
25である。塩基の配列順序に制限はない。また、同一
分子内に複数個のアミノ基を有する分子を結合するタン
パク質の種類、分子量、組成にも特に制限はない。
【0010】 同一分子内に複数個のアミノ基を有する
分子を、DNAオリゴマーまたはその誘導体、あるいは
タンパク質に結合するには、例えば、ウレタン結合、ア
ミド結合、リン酸エステル結合、チオリン酸エステル結
合、ジスルフィド結合、エステル結合、尿素結合、チオ
尿素結合などが使用可能である。また、適当な長さのリ
ンカーを中間に介して、両者を結合することもできる。
【0011】 同一分子内に複数個のアミノ基を有する
分子、あるいは、これらの分子をDNAオリゴマーまた
はその誘導体、あるいはタンパク質に共有結合により結
合した化合物を用いて、核酸内部のシトシン残基をウラ
シル残基へ化学変換する条件は、pH2−9、好ましく
は4−7で、実施温度は0−90℃、好ましくは20−
60℃である。
【0012】
【発明の効果】実施例に示すように、本発明の方法によ
り、核酸内部のシトシン残基をウラシル残基に効率的に
化学変換することができる。それに対し、比較例に示す
ように、同一分子内に複数個のアミノ基を有する分子、
あるいはこれらの分子をデオキシリボ核酸(DNA)の
オリゴマーまたはその誘導体、あるいはタンパク質に共
有結合により結合した化合物を用いない場合には、化学
変換の効率は非常に小さい。
【0013】 また、核酸と亜硫酸水素イオンを反応さ
せるに際し、同一分子内に複数個のアミノ基を有する分
子をデオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマーまたはそ
の誘導体、あるいはタンパク質に共有結合により結合し
た化合物を用いることにより、核酸内部の特定のシトシ
ン残基をウラシル残基に効率的に化学変換することがで
きる。
【0014】 本発明による核酸の化学変換は、例え
ば、遺伝病の治療、動植物の品種改良など広範な用途に
利用することが可能である。
【0015】
【実施例1】 DNA合成機を用いて、TGTCTAG
の配列を持つ7量体のDNAを合成した。NaHSO
とNaSOから1Mの亜硫酸水素イオン濃度の、p
H5の水溶液を調製し、ここにジエチレントリアミンを
1Mの濃度に溶解し、この中で、上で合成した7量体D
NA(10−4M)を、35℃で4時間反応させた。
【0016】 反応物をpH7で処理した後、ホスホジ
エステラーゼとアルカリホスファターゼで処理してヌク
レオシドまで加水分解し、高速液体クロマトグラフィー
で分析した。その結果、シトシンの73%がウラシルに
変換されることがわかった。
【0017】
【実施例2】 DNA合成機を用いて、CATCCAA
CACAGGACCTCCの配列を持つ19量体のDN
Aを合成した。次に、使用したCPGカラムに1、1’
−カルボニルジイミダゾールのジオキサン溶液(30m
M、10ml)を10分間かけて通過させた後、ジエチ
レントリアミンのジオキサン溶液(2M、10ml)を
50℃で2時間かけて通過させた。CPGカラムを濃厚
アンモニア水で処理した後、合成物を高速液体クロマト
グラフィ(メルク社製RP−18(e)カラム)で精製
した。このようにして、19量体DNAの5’端に、ウ
レタン結合を介してエチレンジアミン残基を結合した。
また、上記のDNAと相補的な配列(下線部)を持つ3
0量体のDNA(GGAGGTCCTGTGTTGGA
TGCAAAGAATTGG)をDNA合成機を用いて
常法により合成した。
【0018】 NaHSOとNaSOから1Mの
亜硫酸水素イオン濃度のpH5の水溶液を調製し、ここ
に、上で合成したジエチレントリアミン残基を結合した
19量体DNAと30量体DNAを、それぞれ10−4
M,10−6Mの濃度にに溶解し、35℃で4時間反応
させた。反応物を、ホスホジエステラーゼとアルカリホ
スファターゼで処理してヌクレオシドまで加水分解した
後、高速液体クロマトグラフィーで分析した。その結
果、シトシンの48%がウラシルに変換されることがわ
かった。
【0019】
【比較例1】 実施例1において、ジエチレントリアミ
ンを加えることなく、1の亜硫酸水素イオン濃度のpH
5の水溶液中で7量体DNA(10−4M)を35℃で
4時間反応させる以外は、実施例1と同一の操作を行っ
た。
【0020】 反応物を高速液体クロマトグラフィーで
分析した結果、シトシンの中でウラシルに変換されたも
のは、9%に過ぎなかった。すなわち、実施例1のよう
に、ジエチレントリアミンを加えた場合に比して、はる
かに反応は遅かった。
【0021】
【比較例2】 実施例2における19量体のDNAを、
1、1’−カルボニルジイミダゾールならびにジエチレ
ントリアミンと反応させることなく、そのまま反応に使
用した以外は、実施例2と同一の操作を行った。
【0022】 反応物を高速液体クロマトグラフィーで
分析した結果、シトシンの中でウラシルに変換されたも
のは、2%に過ぎなかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一分子内に複数個のアミノ基を有する
    分子を加えることを特徴とする、核酸と亜硫酸水素イオ
    ンを反応させて、核酸内部のシトシン残基をウラシル残
    基に化学変換する方法。
  2. 【請求項2】 同一分子内に複数個のアミノ基を有する
    分子を、デオキシリボ核酸(DNA)のオリゴマーまた
    はその誘導体、あるいはタンパク質に共有結合により結
    合した化合物を加えることを特徴とする、核酸と亜硫酸
    水素イオンを反応させて、核酸内部のシトシン残基をウ
    ラシル残基に化学変換する方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7262013B2 (en) 2003-08-29 2007-08-28 Applera Corporation Bisulfite method
US7368239B2 (en) 2003-08-29 2008-05-06 Applera Corporation Method and materials for polyamine catalyzed bisulfite conversion of cytosine to uracil
US7371526B2 (en) 2003-08-29 2008-05-13 Applera Corporation Method and materials for bisulfite conversion of cytosine to uracil
US7658288B2 (en) 2004-11-08 2010-02-09 Applied Biosystems, Llc Bisulfite conversion reagent

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