JPH07263910A - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

積層型誘電体フィルタ

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JPH07263910A
JPH07263910A JP5043394A JP5043394A JPH07263910A JP H07263910 A JPH07263910 A JP H07263910A JP 5043394 A JP5043394 A JP 5043394A JP 5043394 A JP5043394 A JP 5043394A JP H07263910 A JPH07263910 A JP H07263910A
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electrodes
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Takami Hirai
隆己 平井
Masahiko Watanabe
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NGK Insulators Ltd
Soshin Electric Co Ltd
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NGK Insulators Ltd
Soshin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】入出力用電極における入出力容量や結合用電極
における結合容量を変化させることなく、共振周波数
(周波数特性上のピーク)のシフトが容易に実現され得
る積層型誘電体フィルタ構造を提供すること。 【構成】誘電体基板内において、複数のストリップライ
ン型の共振用電極6a,6bに対応して設けられ、配線
部分20a,22aと電極部分20b,22bとから構
成された結合用電極20や入出力用電極22の配線部分
20a,22aの幅を、中央部側部位と端部側部位との
間で異ならしめたり、或いはかかる配線部位20a,2
2aにのみ重なるように、内部アース電極を設けること
によって、それら結合電極20及び入出力電極22の少
なくとも一つの配線部分20a,22aの特性インピー
ダンスを、その中央部側部位とその端部側部位との間で
変化せしめるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、マイクロ波帯で使用される誘電
体フィルタに係り、特に誘電体基板とその内部に設けら
れる各種の電極よりなる構造の積層型誘電体フィルタの
周波数特性の改善に関するものである。
【0002】
【背景技術】近年、携帯電話や自動車電話等のマイクロ
波を利用した通信機器においては、損失を小さくするた
めに、各種の誘電体を使ったフィルタが使用されてい
る。中でも、誘電体セラミックスは、信頼性が高く、誘
電率が大きいところから、フィルタの小型化にも向くた
めに、好ましく使用されている。そして、そのような誘
電体セラミックスを用いてなる誘電体フィルタにおいて
は、一般に、ストリップライン型伝送線路を有する積層
構造のトリプレート型のフィルタとして構成され、未焼
成の電極を設けた複数枚の未焼成の誘電体シートを積層
して、それらを同時焼成することによって一体化せし
め、目的とする積層型誘電体フィルタとして製造されて
いる。
【0003】具体的には、例えば特開平5−24380
6号公報等においては、互いに平行に配列せしめてなる
複数の共振用電極と、入力端側の共振用電極に対して誘
電体層を挟んで重なる入力用電極と、出力端側の共振用
電極に対して誘電体層を挟んで重なる出力用電極とを、
それぞれ、誘電体基板内に内装せしめてなる構造の積層
型誘電体フィルタが明らかにされ、また実公昭60−7
525号公報や米国特許第4418324号明細書等に
おいては、それら共振用電極、入力用電極、出力用電極
を誘電体基板内に内蔵せしめてなるフィルタにおいて、
所定の二つの共振用電極の双方に誘電体を介して、換言
すれば所定の結合容量をもって結合せしめられる結合用
電極を設けてなる構造の誘電体フィルタが明らかにさ
れ、更に特公昭62−19081号公報等においては、
二本の分布定数型共振器と、入出力端の各共振器と容量
によって結合される入出力用電極とから構成されるバン
ドパスフィルタにおいて、それら入出力用電極をそれぞ
れ容量結合関係に配置してなるフィルタ構造が、明らか
にされている。
【0004】ところで、この種の積層型誘電体フィルタ
にあっては、所望の周波数特性を得るために、上例の如
く、その誘電体基板中には、共振器を構成する共振用電
極だけではなく、そのような共振用電極の所定のものに
対して、所定の結合容量を持って、入出力用電極や結合
用電極が内装されているのである。そして、それら入出
力用電極や結合用電極は、何れも、所定の結合容量を形
成する電極部分と、かかる電極部分を、換言すればそれ
によって形成された容量を外部の端子或いは他方の電極
部分に接続するための配線部分とから構成されることと
なるが、それら入出力用電極や結合用電極は、周波数が
高くなるに連れて、単純な容量形成部分とその配線部分
のための電極ではなく、分布定数素子としての特性を示
し、ある周波数においては共振特性を示すようになるの
である。これは、フィルタの周波数特性上では、ピーク
となって表れ、フィルタのスプリアス特性を劣化させる
こととなる。
【0005】ここで、フィルタのスプリアス特性とは、
フィルタの通過帯域の2〜3倍以上での減衰特性を示す
ものであって、そのようなスプリアス特性として要求さ
れるのは、一般に、フィルタの中心周波数の整数倍の周
波数における減衰量である。このため、上記した入出力
用電極や結合用電極によるピークが、そのような減衰の
必要な周波数近傍に生じた場合にあっては、そのフィル
タは要求されるスプリアス特性を満たすことが出来なく
なるのである。
【0006】しかして、特性インピーダンスが一定のス
トリップライン(線路)は、その電気長が1/2波長と
なる周波数で共振するものであるが、それは、入出力用
電極や結合用電極においても同様である。特に、結合用
電極は、その必要上から、両端に容量用の電極部分が形
成されており、そのため、その容量も共振周波数に影響
しているのである。そして、この容量があることによっ
て、共振周波数は前述の電気長によって決まる周波数よ
りも低くシフトするようになるのである。また、かかる
容量値は所望の周波数特性を得るために決定されるもの
であり、結合用電極によるピークの移動のために、かか
る容量値を変化させることは出来ない。また、共振用電
極の間隔を変更させて、結合用電極を構成する配線部分
の長さを変更することも、共振器間の誘導結合に対する
影響が大きいために、採用することが出来ないのであ
る。また、入出力容量においても、入出力用電極の配線
部分の長さを変更して、共振器(共振用電極)とフィル
タ側壁との間の距離を大きくすることは、フィルタ全体
の幅が大きくなることを意味し、フィルタの小型化に対
する要求にも反することとなるのであり、また側壁との
距離を短くすることで、配線部分を短くする場合にあっ
ては、フィルタ側壁が近づくことで共振器のQ値の劣化
を招くき、フィルタの挿入損失が大きくなるために、採
用することが出来ないのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、入出力用電極における入出力容量や結合用電極にお
ける結合容量を変化させることなく、共振周波数(周波
数特性上のピーク)のシフトが容易に実現され得る積層
型誘電体フィルタ構造を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、上記の課題を解決するために、本
発明にあっては、誘電体基板内にストリップライン型の
共振用電極の複数を配設すると共に、それら共振用電極
のうちの入力端側及び出力端側のものに対してそれぞれ
所定の入出力容量を形成する電極部分と該電極部分を外
部の端子に接続するための配線部分とから構成される入
出力用電極をそれぞれ設けてなる構造の積層型誘電体フ
ィルタにおいて、該入出力用電極の少なくとも一方の配
線部分の特性インピーダンスを、その中央部側部位とそ
の端部側部位との間で変化せしめたことを特徴とする積
層型誘電体フィルタを、その要旨とするものである。
【0009】また、本発明にあっては、誘電体基板内に
ストリップライン型の共振用電極の複数を配設し、且つ
それら共振用電極の所定の二つに対してそれぞれ所定の
結合容量を形成する電極部分とそれら電極部分を接続す
るための配線部分とから構成される結合用電極を設ける
と共に、それら共振用電極のうちの入力端側及び出力端
側のものに対してそれぞれ所定の入出力容量を形成する
電極部分と該電極部分を外部の端子に接続するための配
線部分とから構成される入出力用電極をそれぞれ設けて
なる構造の積層型誘電体フィルタにおいて、かかる結合
用電極及び入出力用電極のうちの少なくとも一つの配線
部分の特性インピーダンスを、その中央部側部位とその
端部側部位との間で変化せしめたことを特徴とする積層
型誘電体フィルタをも、その要旨とするものである。
【0010】なお、本発明の有利な態様の一つによれ
ば、上記した積層型誘電体フィルタにおいて、前記配線
部分の特性インピーダンスの変化は、該配線部分を与え
る導体パターンのパターン幅を該配線部分の中央部側部
位と端部側部位との間で異ならしめることによって、実
現されることとなる。
【0011】また、本発明の他の有利な態様の一つによ
れば、上述した積層型誘電体フィルタにおける配線部分
の特性インピーダンスの変化は、該配線部分の中央部側
部位にのみ重なる内部アース電極を前記誘電体基板内に
設け、そして該内部アース電極を該誘電体基板の外面に
形成された外部アース電極に電気的に接続せしめること
によって、実現されることとなる。
【0012】
【作用・効果】要するに、フィルタに要求されるスプリ
アス特性は、前述せるように、フィルタの中心周波数の
整数倍における減衰量であるところから、その共振周波
数のピークが減衰を規定されている周波数帯に生じて
も、そのピークを規定周波数の高域側或いは低域側のど
ちらかにシフトさせれば良いのであり、このため、本発
明においては、入出力用電極や結合用電極の配線部分の
幅を、その中央部側部位において変化させたり、或いは
かかる中央部側部位にのみ重なるように、内部アース電
極を設ける等して、かかる配線部分の特性インピーダン
スを、その中央部側部位と端部側部位との間で変化せし
めたものであって、これにより入出力用電極や結合用電
極における入出力容量や結合容量を変化させることな
く、上記したピークの有効なシフトを可能ならしめたの
である。
【0013】因みに、図1には、中央部側部位と両側の
端部側部位の特性インピーダンスの異なるストリップラ
イン(線路)を接続した状態の等価回路が示され、そこ
では三つの線路の合計の電気長は1GHzにおいて18
0°とされている。そして、この等価回路において、中
央部側部位の電気長を変化させた時の共振周波数が、中
央部側部位の特性インピーダンスが両端部側部位のそれ
の2倍のときと1/2倍のときについて、コンピュータ
による回路シミュレーションにて計算され、その結果
が、図2に示されているのである。
【0014】そして、かかる図2から明らかなように、
ストリップラインにおける中央部側部位の特性インピー
ダンスが高い場合には、共振周波数は低くシフトするの
であり、また特性インピーダンスが低いときには、その
逆となるのである。従って、積層型誘電体フィルタに設
けられる入出力用電極や結合用電極において、それらの
配線部分の特性インピーダンスを、その両端部側部位と
中央部側部位との間で異ならせることで、共振周波数、
即ちピークを高周波数側でも、低周波数側でも自由にシ
フトせしめ得るのである。例えば、結合用電極の配線部
分において、それを与える導体パターンのパターン幅を
中央部側部位において太くすると、かかる中央部側部位
の特性インピーダンスが低くなり、ピークは高くシフト
するようになるのであり、一方、中央部側部位の導体パ
ターンのパターン幅を細くすると、かかる中央部側部位
の特性インピーダンスが上がり、ピークは低くシフトす
るようになるのである。また、入出力用電極や結合用電
極に対して、その配線部分の中央部側部位にのみ重なる
ように内部アース電極を付加すると、ストリップライン
の中央部側部位の基板厚みが実質的に薄くなったのと等
しくなり、特性インピーダンスは下がり、共振周波数は
高くシフトするようになるのである。
【0015】このように、本発明に従えば、入出力用電
極や結合用電極の配線部分の特性インピーダンスをその
中央部側部位と端部側部位との間で変化せしめることに
よって、共振周波数(周波数特性上のピーク)を高周波
数側若しくは低周波数側に自由にシフトせしめることが
出来、以てフィルタのスプリアス特性を充分に満足せし
め得るのである。
【0016】
【実施例】以下に、本発明をより具体的に明らかにする
ために、本発明の代表的な実施例について、図面に基づ
いて詳細に説明することとする。
【0017】先ず、図3及び図4には、本発明に従う構
造を有する積層型誘電体フィルタの一例が示されてお
り、図3はそのようなフィルタの模式展開図、図4はそ
の斜視図を、それぞれ示している。それらの図におい
て、積層型誘電体フィルタ2は、誘電体基板(4)を与
える複数の誘電体層4a〜4gを積層一体化せしめるこ
とによって構成されており、それら誘電体層4a〜4g
のうちの一つ:4d上に、1/4波長型ストリップライ
ン共振器をそれぞれ構成する片端短絡型共振用電極6
a,6bが互いに平行に形成され、またそれら共振用電
極6a,6bの開放端から所定の距離だけ、離れて、そ
れぞれ対向する対向電極8a,8bが形成されている。
【0018】また、かかる誘電体層4dの上下に位置す
る誘電体層4b,4fに対して、共振用電極6a,6b
の開放端側に誘電体層を挟んで重なる内部アース電極1
0,12が形成され、それら内部アース電極10,12
は、図4に示される如き誘電体基板(4)の略全面に亘
って形成される外部アース電極14に、接続されてい
る。更に、この外部アース電極14に対して、共振用電
極6a,6bが、それぞれ接続されているのである。な
お、誘電体基板(4)の側面には、外部アース電極14
の設けられていない入出力端子部16,16が設けら
れ、この入出力端子部16,16内にそれぞれ入出力端
子18,18が設けられている。
【0019】そして、共振用電極6a,6bが形成され
た誘電体層4dを挟むように、その上下に位置する誘電
体層4c,4e上には、それぞれ、結合用電極20及び
一対の入出力用電極22,22が設けられている。具体
的には、結合用電極20は、両端の電極部分20a,2
0aとそれら電極部分を接続する配線部分20bとから
構成され、そして両端の電極部分20a,20aは、対
応する共振用電極6a,6bに対して、誘電体層4cを
介して重なり合うことにより、所定の結合容量を形成し
ている一方、配線部分20bは、その中央部側部位が端
部側部位よりも導体パターンのパターン幅の広い広幅部
20b′を有する構造とされている。また、一対の入出
力用電極22,22は、それぞれ対応する共振用電極6
a,6bに対して誘電体層4dを介して重なり合い、所
定の入出力容量を形成する電極部分22a,22aと、
それら電極部分22a,22aをそれぞれ外部の入出力
端子18,18に接続せしめる配線部分22b,22b
とから構成されている。
【0020】なお、このような構造の積層型誘電体フィ
ルタ2は、所定の誘電体層4b〜4fにそれぞれ所定の
電極を設け、そしてそれら誘電体層に、更に上下の誘電
体層4a,4gを重ね合わせて、積層圧着して一体的に
構成し、その後焼成して、一体の積層体とした後、その
上下面及び入出力端子部16,16を除く側面に外部ア
ース電極14を形成し、更に入出力端子部16,16に
入出力用電極22,22の配線部分22b,22bの端
部に接続せしめらる入出力端子18,18を形成するこ
とによって、製造されるのである。
【0021】このような構造の積層型誘電体フィルタ2
においては、結合用電極20が、その配線部分20bに
おいて、その中央部側部位が端部側部位よりも該配線部
分20bを与える導体パターンのパターン幅の広い広幅
部20b′として形成されていることにより、かかる配
線部分20bの中央部側部位(20b′)の特性インピ
ーダンスが、細幅の端部側部位のそれよりも低くなるの
であり、これによってピークは高くシフトすることとな
るのである。
【0022】因みに、図5及び図6には、上述の如き構
造の結合用電極20の配線部分20bに広幅部20b′
を設けてなる本発明に従うフィルタと、そのような広幅
部20b′の設けられていない、配線部分20bが同一
幅とされた結合用電極20を有する従来のフィルタにお
ける周波数特性を明らかにするグラフが、それぞれ、示
されているが、それらグラフの対比からしても、ピーク
がシフトしていることは、極めて明らかである。即ち、
従来のフィルタの周波数特性を示す図6においては、フ
ィルタの中心周波数の2倍の周波数にピークが生じてい
ることが認められるが、本発明に従うフィルタにあって
は、その周波数特性を示す図5より明らかな如く、2倍
の周波数位置からピークが周波数の高い側にシフトして
いるのであり、それは、結合用電極20の配線部分20
bの太さを変化せしめた結果によるものなのである。
【0023】以上の実施例においては、図7の(a)に
示される如く、結合用電極20の配線部分20bの中央
部側部位に、導体パターンのパターン幅が広くなる広幅
部20b′が形成されていたが、かかる配線部分20b
の中央部側部位を、図7の(b)に示される如く、その
導体パターンのパターン幅が狭くなるような細幅部20
b″として形成することも可能であり、その場合におい
ては、かかる中央部側部位(20b″)の特性インピー
ダンスが、その端部側部位よりも上がり、ピークは低周
波側にシフトするようになる。
【0024】ところで、本発明にあっては、上例の如
く、結合用電極20の配線部分20bにおける中央部側
部位に広幅部20b′や細幅部20b″を設ける場合の
他、一対の入出力用電極22,22の配線部分22b,
22bの少なくとも一方に対して、その中央部側部位が
広幅部若しくは細幅部となるような構成を採用すること
が出来るものであり、図8には、その一例が示されてい
る。なお、この図8に示される実施例のフィルタ構造
は、前例のフィルタと略同様なものであるため、異なる
部分についてのみ説明することとし、前例と同様な部分
には同一の符号を付して、詳細な説明を省略することと
する。
【0025】要するに、この図8に示される積層型誘電
体フィルタにおいては、結合用電極20の配線部分20
bには広幅部が設けられておらず、それに代えて、その
誘電体基板(4)を与える一つの誘電体層4e上に形成
される一対の入出力用電極22,22が、何れも、その
配線部分22b,22bにおいて、それら配線部分を与
える導体パターンのパターン幅が広くされた広幅部22
b′,22b′となる中央部側部位を有するように構成
されている。従って、このように、入出力用電極22,
22の配線部分22b,22bにそれぞれ広幅部22
b′,22b′を形成することによって、そのような配
線部分22b,22bにおける特性インピーダンスは、
それらの電極部分22a,22a側の端部側部位よりも
中央部側部位において、低くなるように変化せしめら
れ、以て周波数特性におけるピークが高周波側に効果的
にシフトせしめられ得るのである。
【0026】なお、図8に示される例においては、一対
の入出力用電極22,22の配線部分22b,22bに
対して広幅部22b′,22b′が形成されているが、
前例と同様に、図7(b)に示される如き細幅部を設け
ることも可能であり、その場合においては、中央部側部
位の特性インピーダンスが高くなって、ピークは低周波
側にシフトすることとなる。
【0027】また、積層型誘電体フィルタの結合用電極
20や一対の入出力用電極22,22の配線部分20
b;22b,22bにおける特性インピーダンスの変化
は、上例においては、広幅部や細幅部を設けることによ
って実現されているが、これに代えて、それら配線部分
の中央部側部位をその端部側部位よりもアース電極側に
近づけることによって、端部側部位との間に特性インピ
ーダンスの差が生じるようにすることも可能であり、具
体的には、それら配線部分の中央部側部位にのみ重なる
内部アース電極を設けることによって、そのような特性
インピーダンスの変化が実現されることとなる。
【0028】図9には、前例の如き構造の積層型誘電体
フィルタにおいて、内部アース電極の配設による特性イ
ンピーダンスの変化の一例が示されている。即ち、誘電
体層4b,4fにそれぞれ設けられた内部アース電極1
0,12から、それぞれ延びる延長部10a,12aが
形成され、それら延長部10a,12aが積層方向にお
いて結合用電極20の配線部分20bの中央部側部位に
対してのみ上下に重なり合う構造とされているのであ
る。
【0029】このように、結合用電極20の配線部分2
0bに対して内部アース電極10,12の延長部10
a,12aが重なり合うことにより、当該部分、即ち配
線部分20bの中央部側部位の外部アース電極14との
間の誘電体層の厚みが実質的に薄くなったこととなり、
これによって、かかる配線部分20bの中央部側部位の
特性インピーダンスは、その端部側部位のそれよりも低
くなることとなり、以て共振周波数は高周波数側にシフ
トするようになるのである。
【0030】さらに、このような内部アース電極は、一
対の入出力用電極22,22の少なくとも一方に対して
設けられ得、以てその配線部分22b,22bの特性イ
ンピーダンスが変化せしめられることとなるが、その一
例が、図10に示されている。そこにおいては、四つの
誘電体層4a,4d,4e,4gが用いられ、それら各
誘電体層に対して前例と同様な電極が形成されている
が、ここでは、更に、誘電体層4d及び誘電体層4gに
対して、所定幅のコ字型の内部アース電極24,24;
26,26が、一対の入出力用電極22,22をそれぞ
れ上下から挟むようにして設けられている。より具体的
には、それら内部アース電極24と26は、そのコ字型
の中央部が入出力用電極22の配線部分22bの中央部
側部位に対してのみ上下から挟んで重なり合うようにし
て、設けられているのであり、そしてその内部アース電
極24,26のコ字型の両端部が、誘電体基板(4)の
側面に形成された外部アース電極14に対して接続せし
められている。
【0031】このように、誘電体基板(4)内におい
て、入出力用電極22,22の配線部分22b,22b
に対して、その中央部分に重なり、しかも外面のアース
電極14に短絡した内部アース電極24,26を付加す
ることにより、入出力用電極22,22の配線部分22
b,22bの中央部のストリップラインの基板厚みが実
質的に薄くなったものと等しくなり、特性インピーダン
スが下がって、共振周波数は高くシフトするようになる
のである。
【0032】なお、図9や図10に示した例において
は、結合用電極20や入出力用電極22,22に対し
て、その配線部分20b;22b,22bの中央部分に
上下から重なるように、それぞれ、内部アース電極10
a,12a;24,26が両側に設けられているが、そ
のような内部アース電極は、誘電体層の積層方向におい
て一方の側にのみ設けられていてもよく、また一対の入
出力用電極22,22の少なくとも何れか一方に対して
設けられていてもよく、更にはそれら結合用電極20と
入出力用電極22,22の両者に対して、内部アース電
極を設けることも可能である。
【0033】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、本発明が、そのような実施例の記載によ
って、何等の制約をも受けるものでないことは、言うま
でもないところである。また、本発明には、上記の実施
例の他にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0034】そして、本発明は、誘電体基板内に1/4
波長型共振器が形成され、換言すれば片端短絡型のスト
リップライン型共振用電極が内蔵され、それに対して所
定の容量結合を持って入出力用電極が設けられ、或いは
それに加えて、共振用電極の所定のものに対して、所定
の容量結合を持って結合用電極が設けられるものであれ
ば、公知の各種構造のトリプレート型誘電体フィルタに
適用可能なものであり、誘電体フィルタの外面に形成さ
れる各電極や内蔵される各電極の配置パターンや数等
も、適宜に変更が可能であって、例えば共振用電極の配
設数を、例示の如き二本の場合のみならず、三本或いは
それ以上とした配設形態において、誘電体フィルタを構
成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】中心部分と両端部分の特性インピーダンスの異
なるストリップラインを接続した状態の等価回路を示す
図である。
【図2】図1における等価回路において、中心部分の電
気長を変化させたときの共振周波数の計算結果を示すグ
ラフである。
【図3】本発明に従う積層型誘電体フィルタの一例を示
す模式展開図である。
【図4】図3に示される積層型誘電体フィルタの斜視図
である。
【図5】図3及び図4に示される構造の積層型誘電体フ
ィルタの周波数特性を示すグラフである。
【図6】図3及び図4に示される構造において、結合用
電極の配線部分の幅を変化させることなく、同一幅とし
た積層型誘電体フィルタにおける周波数特性を示すグラ
フである。
【図7】結合用電極の各種形態を示す説明図であって、
(a)はその配線部分に広幅部を設けた例を、(b)は
その配線部分に細幅部を設けた例を、それぞれ示してい
る。
【図8】本発明に従う積層型誘電体フィルタの他の例を
示す模式展開図である。
【図9】本発明に従う積層型誘電体フィルタの更に異な
る例を示す模式展開図である。
【図10】本発明に従う積層型誘電体フィルタの別の例
を示す模式展開図である。
【符号の説明】
2 積層型誘電体フィルタ 4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g 誘電体
層 6a,6b 共振用電極 8a,8b 対
向電極 10,12 内部アース電極 14 外部アー
ス電極 16 入出力端子部 18 入出力端
子 20 結合用電極 20a,22a
電極部分 20b,22b 配線部分 20b′ 広幅
部 20b″ 細幅部 22 入出力用
電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板内にストリップライン型の共
    振用電極の複数を配設すると共に、それら共振用電極の
    うちの入力端側及び出力端側のものに対してそれぞれ所
    定の入出力容量を形成する電極部分と該電極部分を外部
    の端子に接続するための配線部分とから構成される入出
    力用電極をそれぞれ設けてなる構造の積層型誘電体フィ
    ルタにおいて、 該入出力用電極の少なくとも一方の配線部分の特性イン
    ピーダンスを、その中央部側部位とその端部側部位との
    間で変化せしめたことを特徴とする積層型誘電体フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 誘電体基板内にストリップライン型の共
    振用電極の複数を配設し、且つそれら共振用電極の所定
    の二つに対してそれぞれ所定の結合容量を形成する電極
    部分とそれら電極部分を接続するための配線部分とから
    構成される結合用電極を設けると共に、それら共振用電
    極のうちの入力端側及び出力端側のものに対してそれぞ
    れ所定の入出力容量を形成する電極部分と該電極部分を
    外部の端子に接続するための配線部分とから構成される
    入出力用電極をそれぞれ設けてなる構造の積層型誘電体
    フィルタにおいて、 かかる結合用電極及び入出力用電極のうちの少なくとも
    一つの配線部分の特性インピーダンスを、その中央部側
    部位とその端部側部位との間で変化せしめたことを特徴
    とする積層型誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記配線部分の特性インピーダンスの変
    化が、該配線部分を与える導体パターンのパターン幅を
    該配線部分の中央部側部位と端部側部位との間で異なら
    しめることによって、実現されている請求項1又は請求
    項2に記載の積層型誘電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記配線部分の特性インピーダンスの変
    化が、該配線部分の中央部側部位にのみ重なる内部アー
    ス電極を前記誘電体基板内に設け、そして該内部アース
    電極を該誘電体基板の外面に形成された外部アース電極
    に電気的に接続せしめることによって、実現されている
    請求項1又は請求項2に記載の積層型誘電体フィルタ。
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