JPH07262782A - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JPH07262782A
JPH07262782A JP6048219A JP4821994A JPH07262782A JP H07262782 A JPH07262782 A JP H07262782A JP 6048219 A JP6048219 A JP 6048219A JP 4821994 A JP4821994 A JP 4821994A JP H07262782 A JPH07262782 A JP H07262782A
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JP
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transistor
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semiconductor memory
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JP6048219A
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Makoto Sakata
真 坂田
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、複数のECL型のスタティックメ
モリセルがマトリックス状に配置された半導体記憶装置
に関し、無駄な電力が消費されたりチップサイズが増大
したりすることなく、書き込み時間の短縮化を図ること
を目的とする。 【構成】 複数のスタティックメモリセルに接続される
複数のワード線、および、複数の対のビット線に選択的
に電流を流すことにより、一つのスタティックメモリセ
ルに対しデータの書き込み動作を行う場合、このスタテ
ィックメモリセルに蓄積されている電荷を引き抜くため
の充分な大きさを有し、かつ、ビット線の電流に付加さ
れる書き込み電流を生成するためのトランジスタ等を含
む付加電流源1と、書き込み動作の期間中の初めの期間
でのみ、付加電流源1内のトランジスタ等を動作させて
書き込み電流をビット線に瞬間的に供給するための結合
コンデンサ等を含む付加電流源動作期間設定手段2とを
備えるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のスタティックメ
モリセルがマトリックス状に配置された半導体記憶装置
に関し、特に、メモリセルに対する読み出し動作および
書き込み動作が比較的高速で行えるエミッタ結合論理
(以下、ECLと略記する)型のスタティックメモリセ
ルや、CMOSのスタティックメモリセルを用いて構成
した半導体記憶装置に関するものである。
【0002】近年、半導体記憶装置等を使用したコンピ
ュータシステムにおいては、データ処理の高速化の要求
が、ますます強くなる傾向にある。この高速化の要求に
対応して、特にランダムアクセス方式によるデータの読
み出しおよび書き込みの際のアクセスタイムの短縮化が
強く要望されると共に、データ書き込みに必要な書き込
み時間の短縮化も強く要望されるようになってきた。
【0003】
【従来の技術】図18は、一般のスタティックメモリセ
ルの構成を示す回路図である。ただし、ここでは、高速
動作が可能なバイポーラ型のトランジスタを負荷素子と
して用いたフリップ・フロップ型のスタティックメモリ
セルを代表例として示すこととする。
【0004】図18のスタティックメモリセルは、デー
タを保持するためのアクティブな負荷素子として機能す
るバイポーラ型の一対のpnpトランジスタQ3、Q4
を有している。これらのpnpトランジスタQ3、Q4
は、各々のエミッタが互いに結合されて共通になってお
り、ECL型のスタティックメモリセルを構成してい
る。
【0005】さらに、これらのpnpトランジスタQ
3、Q4のコレクタ側には、一対の駆動用トランジスタ
Q1、Q2がそれぞれ接続されており、上記のpnpト
ランジスタQ3、Q4の負荷素子と駆動用トランジスタ
Q1、Q2により、バイポーラ型の相補型セルが形成さ
れる。これらの一対の駆動用トランジスタQ1、Q2
は、負荷素子とは異なるタイプの導電型のトランジス
タ、例えば、npnトランジスタによりそれぞれ構成さ
れている。さらに、一方の駆動用トランジスタQ1のベ
ースと他方のトランジスタQ2のコレクタ、および、一
方の駆動用トランジスタQ1のコレクタと他方のトラン
ジスタQ2のベースが、互いに交差的に結合されてい
る。
【0006】図19および図20は、図18のスタティ
ックメモリセルを用いた従来の半導体記憶装置の構成を
示す回路図(その1およびその2)である。ここでは、
上記のようなバイポーラ型かつ相補型のスタティックメ
モリセルMC−00〜MC−jkを複数個マトリックス
状に配置したk行j列のセルアレイを構成することによ
り、バイポーラ型の半導体記憶装置を実現している。な
お、この場合は、従来の半導体記憶装置の問題点に関係
する部分を簡単に説明する程度にとどめ、各部の構成の
詳細は、後述の「実施例」の項で説明することとする。
【0007】図19および図20においては、マトリッ
クス状のスタティックメモリセルMC−00〜MC−j
kの各行(または各列)毎にワード線WL0〜WLkを
接続すると共に、これらのワード線と直交する各列(ま
たは各行)毎に一対のビット線BL0〜BLj、BL0
BLj(本来は、図18および図19等に示すよう
に、BL0BLjの下部のバーを英文字の上部に引い
て表すべきであるが、現行の電子出願方式では、英文字
の上部にバーを引いて表すことが困難なため、これ以
降、便宜的に英文字の下部に引いて表すこととする)を
接続している。さらに、フリップ・フロップ型のスタテ
ィックメモリセル内の負荷素子内に記憶されたデータを
より確実に保持し続けるために、スタティックメモリセ
ルMC−00〜MC−jkの各行毎にホールド線HL0
〜HLkを接続し、ほんのわずかな値のホールド電流I
h0〜Ihkを各スタティックメモリセルに常時供給するよ
うにしている。
【0008】ここで、図18のようなpnp負荷型のト
ランジスタを有するスタティックメモリセルを用いた図
19および図20の半導体記憶装置において、デコーダ
等を含む行アドレス選択部5および列アドレス選択部6
により指定された特定のスタティックメモリセル(例え
ば、スタティックメモリセルMC−00)内の各トラン
ジスタの状態を考える。この場合、特定のスタティック
メモリセルに接続された1本のワード線に選択的に電流
を流す共に、同じスタティックメモリセルに接続された
一対のビット線に選択的に電流を流すことにより、上記
のスタティックメモリセルに対しデータの書き込み動作
を行った場合、一つの駆動用トランジスタ(例えば、ト
ランジスタQ2)がオンの状態(すなわち、飽和状態)
のときに、一つの負荷素子(例えば、トランジスタQ
4)もオンの状態になり、この負荷素子内にデータが保
持される。このときに、他の駆動用トランジスタ(例え
ば、トランジスタQ1)はオフの状態(すなわち、遮断
状態)になっており、他の負荷素子(例えば、トランジ
スタQ3)もオフの状態になっている。
【0009】上記の飽和状態のトランジスタQ2および
Q4では、ベースおよびコレクタ間に、等価的な飽和容
量Cs (実際にはコンデンサが接続されていないので、
図8中に破線で示すこととする)が実効的に付加される
ので、パッケージの材料や、アルミニウム(Al)の回
路配線材料に含まれる不純物等から発生するα線により
ベ─スの電位がほとんど変化せず、メモリセル内のデー
タが破壊されにくい。すなわち、バイポーラ形のトラン
ジスタの飽和を利用してメモリセルに書き込まれたデー
タは、α線によるソフトエラーに対し非常に安定にな
る。
【0010】しかしながら、一方で、新たなデータの書
き込み動作によりメモリセル内のデータを書き替える場
合、これまでのデータが保持されているメモリセル内の
飽和容量Cs から、蓄積電荷を抜き取るのに時間がかか
るため、データの書き込みに必要な書き込み時間(例え
ば、4〜5nsec)がアクセスタイム(例えば、2〜
3nsec)に比べて長くなってしまうという不都合が
生じてきた。
【0011】このような不都合に対処するために、図1
9および図20に示すような従来の半導体記憶装置で
は、書き込み信号WE(この場合も、本来は、図20等
に示すように、WEの下部のバーを英文字の上部に引い
て表すべきであるが、現行の電子出願方式では、英文字
の上部にバーを引いて表すことが困難なため、これ以
降、便宜的に英文字の下部に引いて表すこととする)に
従いデータDinを指定のメモリセルに書き込み際に、第
1書き込みアンプ72およびビット線駆動用トランジス
タQwa0 、Qwb0 を通してビット線電流を供給すると共
に、別の第2書き込みアンプ74および書き込み用トラ
ンジスタQwaa 、Qwab を通して付加的なビット線電流
を追加するような構成が採用されている。さらに詳しく
いえば、従来の半導体記憶装置では、書き込み用トラン
ジスタQwaa 、Qwab によって電流源のトランジスタQ
9、Q10を動作させることにより、より大きなビット
線電流を生成している。さらに、この大きなビット線電
流を利用してメモリセル内の飽和容量Cs から蓄積電荷
を強制的に抜き取ることにより、書き込み時間の短縮化
を図るようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のような半導体記
憶装置においては、電流源の主要部を構成するトランジ
スタQ9、Q10がすべてのビット線に接続されている
ために、データの書き込み動作時ばかりでなく、読み出
し動作時においても、ビット線選択の際に、トランジス
タQ9、Q10が動作して不必要に大きなビット線電流
が流れ続ける。このため、無駄な電力が消費されるとい
う問題が発生する。
【0013】また一方で、書き込み動作のさらなる高速
化を図るために、書き込み動作時のビット線電流をさら
に増加させようとした場合、IC(集積回路)等からな
る半導体回路内でトランジスタQ9、Q10のコレクタ
に接続される配線パターンには、顕著に大きな電流が流
れ続けることになる。この種の配線パターンには、通
常、許容電流密度が存在するため、配線パターンの幅自
体を大きくせざるを得なくなり、配線パターンが太くな
ってしまうという傾向が生ずる。特に、トランジスタQ
9、Q10のコレクタに接続されるすべてのビット線を
太くする必要が出てくるため、チップサイズが増大する
という問題も発生する。
【0014】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、無駄な電力が消費されたりチップサイズが増
大したりすることなく、スタティックメモリセルのデー
タ書き込みに必要な書き込み時間の短縮化を図ることが
可能な半導体記憶装置を提供することを目的とするもの
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理構
成を示す回路ブロック図である。なお、これ以降、前述
した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号
を付して表すこととする。図1に示すように、本発明の
半導体記憶装置は、従来の半導体記憶装置と同じよう
に、複数のスタティックメモリセルMC−00〜MC−
jkがマトリックス状に配置され、かつ、これらの複数
のスタティックメモリセルMC−00〜MC−jkの行
方向(または列方向)の単位で接続される複数のワード
線WL0〜WLk、および、これらの複数のワード線W
L0〜WLkと直交する方向の単位で接続される複数の
対のビット線BL0〜BLj、BL0BLjを有して
いる。
【0016】さらに、図1においては、書き込みバッフ
ァおよび書き込みアンプ等からなるビット線電流生成部
7が設けられている。このビット線電流生成部7は、上
記のワード線およびビット線により選択された複数のス
タティックメモリセルMC−00〜MC−jkの中の一
つのスタティックメモリセルに対しデータの書き込み動
作を行う場合、書き込み信号WE(書き込み信号WE
は、ライトイネーブル信号ともよばれる)に従いデータ
Dinを上記のスタティックメモリメモリセルに書き込む
ときに、ビット線駆動回路部9−1〜9−j内のビット
線駆動用トランジスタ(例えば、トランジスタQwa0 、
Qwb0 )を通してビット線に電流を供給するためのもの
である。
【0017】さらに、図1の半導体記憶装置は、この一
つのスタティックメモリセルに蓄積されている電荷を引
き抜くための充分な大きさを有し、かつ、上記ビット線
の電流に付加される書き込み電流を生成するための付加
電流源1を備えている。さらに、図1の半導体記憶装置
は、上記のビット線電流生成部7と付加電流源1との間
に、付加電流源動作期間設定手段2を設けている。この
付加電流源動作期間設定手段2は、データの書き込み動
作の期間中の初めの期間でのみ、この付加電流源1を動
作させて上記の付加的な書き込み電流をビット線に瞬間
的に供給するためのものである。
【0018】好ましくは、上記の付加電流源1は、ビッ
ト線に接続されるトランジスタを含み、かつ、上記の付
加電流源動作期間設定手段2は、付加電流源1内のトラ
ンジスタのベースに接続されるコンデンサおよび抵抗を
有する微分回路を含む。この場合、付加電流源動作期間
設定手段2は、データの書き込み動作を開始させるため
の書き込み信号WEを微分回路により微分する形式、か
つ、コンデンサによる容量結合の形式で、トランジスタ
のベースに印加すべき電圧を生成する。
【0019】さらに、好ましくは、書き込み動作以外の
期間で、付加電流源1内のトランジスタのベース電位
を、予め定められたリファレンス電位よりも低い電位に
しておき、書き込み信号WEが供給されてから、付加電
流源動作期間設定手段2により、所定の短い時間だけこ
のトランジスタのベース電位を上記のリファレンス電位
よりも高くするような回路構成がなされる。
【0020】さらに、好ましくは、本発明の半導体記憶
装置における複数のスタティックメモリセルMC−00
〜MC−jkの各々は、ベースおよびコレクタが交差的
に結合される一対の駆動用トランジスタと、これらの駆
動用トランジスタのコレクタ側にそれぞれ接続される一
対の負荷素子とを有するフリップ・フロップ型かつEC
L型のスタティックメモリセルから構成される。
【0021】さらに、好ましくは、本発明の半導体記憶
装置における複数のスタティックメモリセルMC−00
〜MC−jkの各々の負荷素子は、上記の駆動用トラン
ジスタと異なるタイプの導電型のトランジスタから構成
されるアクティブ負荷である。さらに好ましくは、本発
明の半導体記憶装置における複数のスタティックメモリ
セルの各々は、ドレインおよびソースが交差的に結合さ
れる一対の駆動用トランジスタと、これらの駆動用トラ
ンジスタのドレイン側にそれぞれ接続される一対の負荷
抵抗と、一対の転送用トランジスタと、データ保持を安
定化させる容量素子とを有するフリップ・フロップ型か
つMOS型のスタティックメモリセルから構成される。
【0022】さらに好ましくは、本発明の半導体記憶装
置における複数のスタティックメモリセルの各々は、ド
レインおよびソースが交差的に結合される一対の駆動用
トランジスタと、これらの駆動用トランジスタのドレイ
ン側にそれぞれ接続される一対の駆動用トランジスタと
異なるタイプの導電型のトランジスタからなるアクティ
ブ負荷と、一対の転送用トランジスタと、データ保持を
安定化させる容量素子とを有するフリップ・フロップ型
かつMOS型のスタティックメモリセルから構成され
る。
【0023】
【作用】図2は、本発明の作用を説明するためのタイミ
ングチャートおよび概略的な回路図である。ただし、こ
こでは、半導体記憶装置中で本発明の特徴となる回路部
と、この回路部の動作を強調して示すこととする。既に
述べたように、従来の半導体記憶装置(図19および図
20)における電流源のトランジスタQ9、Q10のベ
ース電位は、予め定められた一定の電圧Vr1に固定され
ていた。これに対し、本発明の半導体記憶装置において
は、微分回路等を有する付加電流源動作期間設定手段2
の出力側に、付加電流源1内の一対のトランジスタのベ
ースを接続することにより、付加電流源1内のトランジ
スタのベース電位の電圧を可変にしている。
【0024】さらに詳しくいえば、データの書き込み動
作以外の期間で、付加電流源1内のトランジスタのベー
ス電位の電圧Vr2を、予め定められたリファレンス電位
よりも低い電圧にしておき、書き込み信号WEが供給さ
れて書き込み動作が開始されたときは、付加電流源動作
期間設定手段2内の微分回路等により、書き込み信号
が“H(High)”レベルから“L(Low )”レベルに
変化する初期の期間でのみ、ベース電位の電圧Vr2を急
激に上昇させて瞬間的に大きな書き込み電流Iw ( また
は、Iw ′)を流すようにしている。この場合は、書き
込み動作が始まる初期のタイミングでのみ瞬間的に大き
な書き込み電流Iw ( または、Iw ′)を流し、スタテ
ィックメモリセル内のいずれか一方の負荷素子に蓄積さ
れている電荷をごく短い時間で引き抜いて瞬時に書き込
み動作を終了させることができるので、書き込み時間が
短縮されて書き込み動作の高速化が図れる。
【0025】その上、本発明の半導体記憶装置では、書
き込み電流Iw を流す期間が従来の場合よりもはるかに
短くて済むので、書き込み電流Iw の時間平均値が大幅
に小さくなり、従来に比べて消費電力が顕著に節減され
る。なお、書き込み電流Iwの大きさは、エミッタ電源
Vee、および、このエミッタ電源Veeとトランジスタの
エミッタとの間に接続される抵抗により適宜調整するこ
とができる。
【0026】かくして、本発明では、従来よりもはるか
に少ない消費電力でもって、かつ、簡単な回路構成によ
り、半導体記憶装置のスタティックメモリセルのデータ
書き込みに必要な書き込み時間の短縮化が実現される。
【0027】
【実施例】以下、添付図面(図3〜図17)を用いて本
発明の好適な実施例を詳細に説明する。図3および図4
は、本発明の第1の実施例の構成を示す回路図(その1
およびその2)である。ここでは、図19および図20
のセルアレイと同じように、複数のスタティックメモリ
セルMC−00〜MC−jkがマトリックス状に配置さ
れたセルアレイを有する半導体記憶装置に対し本発明の
回路部の具体例を適用した場合を示すこととする。
【0028】図3および図4に示す第1の実施例におい
ては、半導体記憶装置全体の回路構成をより明確に理解
することができるように、本発明の構成要素である付加
電流源1および付加電流源動作期間設定手段2の具体的
な構成を述べる前に、上記のセルアレイに対する通常の
読み出し動作および書き込み動作を行う回路の構成を詳
しく説明することとする。これらの回路は、基本的にE
CL型になっているので、共通のエミッタが互いに接続
されている複数のトランジスタの内、そのベース電位が
最も高いものがオンの状態になり、他のトランジスタは
すべてオフの状態になると考えられる。
【0029】まず初めに、図3および図4の半導体記憶
装置においてデータの読み出し動作を実行する場合を想
定する。今、上記のセルアレイでは、マトリックスの行
方向(ロー方向ともいう)のアドレスが、Xアドレス信
号X0〜Xkにより指定され、列方向(カラム方向とも
いう)のアドレスが、Yアドレス信号Y0〜Yjにより
指定される。さらに、セルアレイ内のスタティックメモ
リセルMC−00〜MC−jkの各行毎にワード線WL
0〜WLkが接続されると共に、各列毎に一対のビット
線BL0〜BLj、…BL0BLjが接続される。デ
ータの読み出し動作の際は、複数本のワード線WL0〜
WLk中の1本のワード線と、複数対のビット線BL0
〜BLj、…BL0BLj中の一対のビット線とが選
択される。
【0030】さらに、図3において、セルアレイの行方
向のアドレスを選択するための行アドレス選択部5は、
Xアドレスバッファ50−0〜50−kを介して入力さ
れる2進数のXアドレス信号を復号化するXデコーダ5
1と、このXデコーダ51からの復号化されたXアドレ
ス信号に従って1本のワード線を選択的に駆動するワー
ド線駆動用トランジスタ52−0〜52−kとにより構
成される。さらに、これらのワード線駆動用トランジス
タ52−0〜52−kの各々は、複数本のワード線WL
0〜WLkの各々に接続されている。ここで、例えば、
ワード線WL0を選択する場合、Xアドレス信号X0に
基づき一つのワード線駆動用トランジスタ52−0がオ
ンの状態になり、このトランジスタ52−0のエミッタ
を通してワード線WL0に規定の電流が供給される。
【0031】また一方で、セルアレイの列方向のアドレ
スを選択するための列アドレス選択部6は、Yアドレス
バッファ60−0〜60−kを介して入力される2進数
のYアドレス信号を復号化するYデコーダ61を有して
いる。さらに、このYデコーダ61からの復号化された
Yアドレス信号の各々は、複数対のビット線の各列に供
給される。ここで、各列の一対のビット線には、4つの
トランジスタQran 、Qsn、QcnおよびQrbn (ここ
で、添字のnは、n=0〜jの任意の整数)が接続され
ている。これらの一つの列のトランジスタは、他の列の
トランジスタと、エミッタがそれぞれ共通になってい
る。さらに、一対のビット線を選択してデータの読み出
し動作または書き込み動作を行う場合、最もベース電位
の高いトランジスタ4個(例えば、トランジスタQra0
、Qs0、Qc0およびQrb0 )をすべてオンの状態にす
ることにより、選択された一対のビット線(例えば、一
対のビット線BL0、BL0)に規定の電流が供給され
る。
【0032】このようにしてオンの状態になった4つの
トランジスタ(これらの一つの列のトランジスタは、通
常、トランジスタ群とよばれる)Qra0 、Qs0、Qc0お
よびQrb0 は、それぞれ、電流源として機能する4つの
トランジスタQ5、Q6、Q7およびQ8に接続されて
いる。上記のトランジスタQra0 、Qs0、Qc0およびQ
rb0 には、それぞれ対応するトランジスタQ5、Q6、
Q7およびQ8から、エミッタ電源Veeおよびベース電
位調整用抵抗R5、R6、R7およびR8を介して、予
め定められた電流が供給される。これらのトランジスタ
Q5、Q6、Q7およびQ8の内、トランジスタQ5、
Q8から供給される電流は、通常、読み出し電流とよば
れる。これに対し、後述のトランジスタ10、11から
供給される電流は、通常、書き込み電流とよばれる。
【0033】一対のビット線に電流が流れた場合、これ
らのビット線の電位は、図4に示すように、選択された
ワード線につながるトランジスタの電位によって決定さ
れる。例えば、スタティックメモリセルMC−00が選
択されているとした場合、一方の駆動用トランジスタQ
1がオンの状態で他方の駆動用トランジスタQ2がオフ
の状態であるときは、ビット線BL0の電位は、図5の
(a)の左半分の部分からわかるように、トランジスタ
Q1のベース電位(以下、B(Q1)と略記する: 約
−0.8V)から同トランジスタQ1のベース−エミッ
タ間電圧Vbeの値を引いた電位になる。また一方で、ビ
ット線BL0の電位は、やはり図5の(a)の左半分の
部分からわかるように、一方のビット線駆動用トランジ
スタQwa0 のベース電位(以下、B(Qwa0 )と略記す
る)から決定される。すなわち、ビット線BL0の電位
は、トランジスタQwa0 のベース電位(以下、B(Qwa
0)と略記する: 約−1.6V)から同トランジスタ
Qwa0 のベース−エミッタ間電圧Vbeの値を引いた電位
になる。なお、読み出し動作の場合には、一方のビット
線駆動用トランジスタQwa0 のベース電位(B(Qwa0
)) は、他方のビット線駆動用トランジスタQwb0 の
ベース電位(以下、B(Qwb0 )と略記する)に等しく
なる(約−1.4V)。
【0034】上記のとおり、読み出し動作時の電位関係
は図5の(a)のように設定されているので、トランジ
スタのベース−エミッタ間電圧Vbeの値が、どのトラン
ジスタでもほぼ一定(約0.8V)と考えると、データ
の読み出し動作の場合には、一対のビット線間に、B
(Q1)−B(Qwa0 )の電位差が発生することにな
る。
【0035】さらに、図5の(b)の左半分の部分から
わかるように、読み出し動作時においては、後述の書き
込み用トランジスタQwaa のベース電位(以下、B(Q
waa)と略記する)と、他の書き込み用トランジスタQwa
b のベース電位(以下、B(Qwab)と略記する)は、い
ずれも、選択されたビット線側のトランジスタQra0の
べース電位(以下、B(Qra0)と略記する: 約−2.
7V)、および非選択のビット線側のトランジスタQra
j のベース電位(以下、B(Qraj)と略記する: 約−
3.2V)よりも高い値に設定される。これは、読み出
し動作時に、付加電流源1内のトランジスタ10、11
がオンの状態になってスタティックメモリセル内のデー
タが書き替えられるのを防止するためである。
【0036】ここで、図3および図4に戻ると、選択さ
れたビット線BL0、BL0には、2つのトランジスタ
Qsa0 、Qsb0 からなる差動増幅器が接続されており、
読み出し動作時に発生した電位差(B(Q1)−B(Q
wa0 ))は、この差動増幅器により必要なレベルにまで
増幅される。このようにして増幅した信号は、センスア
ンプ82により検出された後に、出力バッファ80か
ら、読み出しデータDout として出力される。
【0037】さらに、図3および図4の半導体記憶装置
においてデータの書き込み動作を実行する場合を想定す
る。例えば、スタティックメモリセルMC−00におい
て、一方の駆動用トランジスタQ1のオンの状態、およ
び他方の駆動用トランジスタQ2のオフの状態を反転す
る場合を想定する。最初のステップとして、スタティッ
クメモリセルMC−00内のフリップフロップのデータ
を書き替えたい場合、書き込みバッファ70を通して、
第1書き込みアンプ72により、規定のデータに応じて
ビット線駆動用トランジスタQwa0、Qwb0 のベースに
それぞれ別個の電圧を印加する。具体的には、図4の
(a)の右半分の部分に示すように、B(Qwa0 )は、
B(Q1)よりも高い値(約−0.75V)に設定す
る。これに対し、B(Qwb0 )は、B(Q1)よりも充
分低い値(約−2.2V)に設定する。このように設定
すれば、スタティックメモリセルMC−00内に保持さ
れたデータを反転することが可能である。
【0038】しかしながら、この場合、駆動用トランジ
スタQ1が深く飽和しているので、駆動用トランジスタ
Q1のコレクタ電位はなかなか上昇しない。このため
に、「従来の技術」の項で既に述べたように、ビット線
BL0に対しさらにビット線電流を追加して駆動用トラ
ンジスタQ1(および負荷素子のトランジスタQ3)内
の蓄積電荷を強制的に抜き取ることが必要である。この
蓄積電荷を抜き取る目的で、付加電流源1内のトランジ
スタ10、11により供給される電流が、通常、書き込
み電流とよばれるものである。
【0039】ここでは、図5の(b)の右半分の部分に
示すように、B(Qwaa)は、B(Qra0)よりも低い値に
設定される(約−2.8V)。さらに詳しくいえば、書
き込みバッファ70を通して、第2書き込みアンプ74
によりB(Qwaa)を上記の値に設定することによって、
トランジスタQ9により生成される書き込み電流を、駆
動用トランジスタQ1側のビット線BL0に流すことが
できる。また一方で、B(Qwab)は、B(Qra0)よりも
高い値に設定される(約−2.3V)。すなわち、駆動
用トランジスタQ2側のビット線BL0には、書き込み
電流を流さないこととする。
【0040】ここで、再び図3および図4を参照する
と、セルアレイ内のスタティックメモリセルMC−00
〜MC−jkがすべて非選択になった場合に、ビット線
の電位が不安定になるのを避けるために、ビットクラン
プ回路部が設けられている。このビットクランプ回路部
は、電源に直接接続されるクランプ用ダイオードQb
と、このクランプ用ダイオードQb に共通に接続され、
かつ、複数の対のビット線BL0〜BLj、…BL0
BLjに対応してそれぞれ配置される複数のクランプ用
抵抗Rc0〜Rcjと、これらのクランプ用抵抗Rc0〜Rcj
とビット線BL0〜BLj、…BL0BLjとをつな
ぐ複数のクランプ用トランジスタQsa0 〜Qsaj 、…Q
sb0 〜Qsbj とにより構成される。
【0041】さらに、図3および図4において、センス
アンプ82、第1書き込みアンプ72および第2書き込
みアンプ74は、セルアレイ内の他の回路部と同じよう
に、周知のECL型の回路で構成することが可能であ
る。ついで、図3および図4の半導体記憶装置内で本発
明の特徴である付加電流源1(図4)および付加電流源
動作期間設定手段2(図4)の具体的な構成を詳細に述
べることとする。
【0042】図4における付加電流源1は、一対のビッ
ト線に対し、それぞれ付加的な書き込み電流を供給する
電流源のトランジスタ10、11と、これらのトランジ
スタ10、11のエミッタと共通のエミッタ電源Veeと
の間にそれぞれ接続され、かつ、付加的な書き込み電流
Iw 、Iw ′の値を調整する書き込み電流調整用抵抗1
2、13とを備えている。この場合、従来の場合と異な
り、上記の付加電流源1内のトランジスタ10、11の
ベースを付加電流源動作期間設定手段2の出力側に接続
し、これらのトランジスタ10、11のベース電位の電
圧Vr2を可変にしている。
【0043】さらに、図4における付加電流源動作期間
設定手段2は、書き込みバッファ70の入力側に接続さ
れるECLゲートと、このECLゲートの出力側に接続
される結合コンデンサ25と、この結合コンデンサ25
に接続される基準電圧生成回路部とを備えている。さら
に詳しく説明すると、上記のECLゲートは、一対のE
CL型のトランジスタ21、22と、ECLゲートの出
力レベルを調整するための出力レベル調整抵抗20と、
このECL型のトランジスタに規定の電流を供給するた
めのトランジスタ23と、このトランジスタ23とエミ
ッタ電源Veeとの間に接続される電流調整用抵抗24と
により構成される。この場合、ECLゲート内の一方の
トランジスタ21のベースには、書き込み信号WEが入
力され、他方のトランジスタ22のベースには、予め定
められた規定電圧Vraが入力される。なお、図4では、
後述の図6の説明の都合上、トランジスタ21をQw1と
表すこととする。
【0044】さらに、図4の基準電圧生成回路部2は、
書き込み信号WEが入力される期間以外の期間で、前述
のトランジスタ10、11のベース電位を適切な電位に
設定するための基準電圧生成用のダイオード28、29
と、抵抗26、27とにより構成される。また、これら
の抵抗26、27は、結合コンデンサ25と協働するこ
とにより、微分回路としても機能する。
【0045】図6は、上記の付加電流源1および付加電
流源動作期間設定手段2の動作を説明するためのタイミ
ングチャートである。この図6のタイミングチャート
と、前述の図4(および図3)の回路図を参照しなが
ら、例えば、スタティックメモリセルMC−00に対し
データの書き込み動作を実行する場合の回路動作を詳細
に述べることとする。
【0046】初めに、データDinを書き込むために、E
CLゲート内の一方のトランジスタ20のベースに書き
込み信号WEを入力した場合、図6に示すように、この
書き込み信号WEのレベルが“H”から“L”に下が
る。このときに、トランジスタ21がオフの状態になる
ため、このトランジスタ21のコレクタ電位(図6中の
C(Qw1))は急激に上昇する。この上昇したコレクタ
電位は、結合コンデンサ25を介してトランジスタ1
0、11のベースに伝えられる。
【0047】この結果、これらのトランジスタ10、1
1のベース電位(図6中の電圧Vr2)が急激に上昇す
る。書き込み信号WEがECLゲートに入力されないと
きは、上記の基準電圧生成回路部2により、トランジス
タ10、11のベース電位を、予め定められたリファレ
ンス電位よりも低い電位に設定しておく。すなわち、基
準電圧生成回路部2内のダイオード28、29および抵
抗26、27は、結合コンデンサ25が作用しないとき
は、電圧Vr2が、トランジスタ10、11をオフの状態
にするような値に設定されるように選択することが必要
である。書き込み信号WEのレベルが“H”から“L”
に下がってから結合コンデンサ25の充電が完了するま
での短い時間だけ、この結合コンデンサ25に電流が流
れてトランジスタ10、11のベース電位がリファレン
ス電位よりも高くなる。このときに、トランジスタ1
0、11がオンの状態になって瞬間的に大きな書き込み
電流Iw 、Iw ′が追加される。さらに、短い時間の経
過後に結合コンデンサ25の充電が完了すると、結合コ
ンデンサ25が作用しなくなってトランジスタ10、1
1がオフの状態になり、書き込み電流Iw 、Iw ′が急
激に減少して零になる。
【0048】その後、書き込み信号WEのレベルが
“L”から“H”に上昇するときには、トランジスタ2
1がオンの状態になるため、このトランジスタ21のコ
レクタ電位(C(Qw1))は急激に低下する。この低下
したコレクタ電位もまた、結合コンデンサ25を介して
トランジスタ10、11のベースに伝えられ、そのベー
ス電位(電圧Vr2)が瞬間的に低下する。しかしなが
ら、このときには、トランジスタ10、11が既にオフ
の状態になっているので、それ以上の動作はしない。こ
のために、書き込み電流Iw 、Iw ′としては、書き込
み動作時の消費電力に影響を与えない程度のほんのわず
かな電流しか流れない。
【0049】上記の第1の実施例では、結合コンデンサ
25を含む微分回路の機能により、書き込み動作の初期
のタイミングでのみ大きな書き込み電流Iw 、Iw ′を
流し、スタティックメモリセル内のトランジスタに蓄積
されている電荷をごく短い時間で引き抜いて瞬時に書き
込み動作を終了させることができるので、書き込み時間
が短縮されて書き込み動作の高速化が図れる。しかも、
付加的な書き込み電流Iw 、Iw ′を流す期間が従来の
場合よりもはるかに短くて済むので、この書き込み電流
Iw 、Iw ′の時間平均値が大幅に小さくなり、従来に
比べて消費電力が顕著に節減される。
【0050】図7および図8は、本発明の第2の実施例
の構成を示す回路図(その1およびその2)である。図
7および図8に示す第2の実施例において、付加電流源
1および付加電流源動作期間設定手段2以外の通常の読
み出し動作および書き込み動作を行う回路の構成は、前
述の第1の実施例(図3および図4)の回路構成と同じ
である。したがって、ここでは、付加電流源1(図8)
および付加電流源動作期間設定手段2(図8)の具体的
な構成のみを詳細に述べることとし、その他の回路構成
の説明は省略することとする。
【0051】図8において、付加電流源1は、カレント
ミラー回路とよばれる既知の回路から構成される。ここ
では、カレントミラー回路内の一対のトランジスタ1
0、11のベースには、ダイオード14が設けられてお
り、このダイオード14によってカレントミラー回路の
電流が調整される。さらに、図8において、付加電流源
動作期間設定手段2は、一つのNOR素子30と、3段
のNOT素子(インバータ)31、32および33とを
備えている。さらに、上記の付加電流源動作期間設定手
段2は、NOR素子30の出力信号のレベルを適切なレ
ベルに変換してカレントミラー回路のトランジスタ1
0、11のベース電位(電圧Vr2)を設定するための複
数のダイオード34、35および36、ならびに抵抗3
7からなるレベル変換回路を備えている。
【0052】図9は、図8の付加電流源1および付加電
流源動作期間設定手段2の動作を説明するためのタイミ
ングチャートである。この図9のタイミングチャート
と、図8(および図7)の回路図を参照しながら、例え
ば、スタティックメモリセルMC−00に対しデータの
書き込み動作を実行する場合の回路動作を述べることと
する。
【0053】図8(および図7)のNOR素子30の一
方の端子には、スタティックメモリセルMC−00の書
き込み動作のための書き込み信号WEがそのまま入力さ
れる(この信号をNORin1 とする)。さらに、図8の
3段のNOT素子31、32および33の各々において
は、入力信号が反転されると共に、入力信号が少しの時
間だけ遅延される。このため、上記の書き込み信号WE
を一段目のNOT素子31に入力した場合、この書き込
み信号WEのレベルが反転され、かつ、3個のNOT素
子分だけ遅延された状態の信号(図9中のNORin2 )
がNOR素子の他方の端子に送り込まれる。
【0054】さらに、NOR素子30において、上記の
2種の信号NORin1 、NORin2に対し否定論理和動
作を行った場合、書き込み信号WEのレベルが“H”か
ら“L”に下がってから、3個のNOT素子分の遅延時
間に相当する時間だけ、NOR素子30の出力信号(図
7中のNORout )のレベルが“H”になる。この
“H”の出力レベルは、上記のレベル変換回路を介して
トランジスタ10、11のベースに入力される。この結
果、図9に示すように、書き込み信号WEのレベルが
“H”から“L”に下がってから短い時間だけ、トラン
ジスタ10、11のベース電位(図9中の電圧Vr2)が
リファレンス電位よりも高くなる。このときに、前述の
第1の実施例の場合と同じように、トランジスタ10、
11がオンの状態になって瞬間的に大きな書き込み電流
Iw 、Iw ′が追加される。
【0055】上記の第2の実施例では、付加電流源動作
期間設定手段2内のNOR素子やNOT素子をECL型
の論理回路により実現することができるので、前述の第
1の実施例よりも簡単な回路構成でもって、スタティッ
クメモリセル内のトランジスタに蓄積されている電荷を
ごく短い時間で引き抜いて瞬時に書き込み動作を終了さ
せることが可能になる。
【0056】図10および図11は、本発明の第3実施
例の構成を示す回路図(その1およびその2)である。
前述の第1および第2の実施例では、ECL型のスタテ
ィックRAM(通常、SRAMと略記する)からなるス
タティックメモリセルに対し本発明の回路部を適用した
場合について話を進めてきた。
【0057】図10および図11に示す第3の実施例に
おいては、抵抗負荷型かつ4トランジスタ型のCMOS
のSRAMからなるスタティックメモリセルMCR−0
0〜MCR−jkに対し本発明の第1の実施例の回路部
(主に図4)を適用した例が示されている。さらに、こ
の実施例では、スタティックメモリセルのみ抵抗負荷型
のCMOSで構成され、その他の能動回路はECLで構
成されている。
【0058】さらに詳しく説明すると、図10のスタテ
ィックメモリセルMCR−00〜MCR−jkの各々
は、ドレインおよびソースが交差的に結合される一対の
NチャネルタイプのMOS型の駆動用トランジスタM1
1、M12と、これらの駆動用トランジスタM11、M
12のドレイン側とドレイン電源VDDとの間にそれぞれ
接続される一対の負荷抵抗R11、R12と、一対のM
OS型の転送用トランジスタM13、M14とを有す
る。さらに、上記スタティックメモリセルMCR−00
〜MCR−jkの各々はソース電源VSSに接続され、か
つ、データ保持を安定化させる容量素子C11、C12
を有する。
【0059】上記のスタティックメモリセルMCR−0
0〜MCR−jk以外の回路構成は、前述の図3および
図4の構成と全く同じなので、ここではその説明を省略
することとする。図12および図13は、本発明の第4
の実施例の構成を示す回路図(その1およびその2)で
ある。
【0060】図12および図13の第4の実施例におい
ては、PチャネルタイプのMOSトランジスタを負荷
(アクティブ負荷)とする6トランジスタ型のCMOS
のSRAMからなるスタティックメモリセルMCM−0
0〜MCM−jkに対し本発明の第1の実施例の回路部
(主に図4)を適用した例が示されている。さらに、こ
の実施例では、スタティックメモリセルのみPチャネル
負荷型のCMOSで構成され、その他の能動回路はEC
Lで構成されている。
【0061】さらに詳しく説明すると、図12のスタテ
ィックメモリセルMCM−00〜MCM−jkの各々
は、ドレインおよびソースが交差的に結合される一対の
NチャネルタイプのMOS型の駆動用トランジスタM
1、M2と、これらの駆動用トランジスタM1、M2の
ドレイン側とドレイン電源VDDとの間にそれぞれ接続さ
れる一対のPチャネルタイプのMOS型のトランジスタ
M3、M4(アクティブ負荷)と、一対のMOS型の転
送用トランジスタM5、M6とを有する。さらに、上記
スタティックメモリセルMCM−00〜MCM−jkの
各々は、ソース電源VSSに接続され、かつ、データ保持
を安定化させる容量素子C1、C2を有する。
【0062】上記のスタティックメモリセルMCM−0
0〜MCM−jk以外の回路構成は、前述の図3および
図4の構成と全く同じなので、ここではその説明を省略
することとする。すなわち、上記の第3の実施例(図1
0および図11)は、前述の第1の実施例(図3および
図4)のECL型のスタティックメモリを、抵抗負荷型
のCMOSのスタティックメモリセルに置き換えたもの
である。
【0063】また一方で、上記の第4の実施例(図12
および図13)は、前述の第1の実施例(図3および図
4)のECL型のスタティックメモリセルを、Pチャネ
ル負荷型のCMOSのスタティックメモリセルに置き換
えたものである。最近の半導体記憶装置内のメモリセル
の微細化に伴って、CMOSのSRAMからなるスタテ
ィックメモリセルでは、ソフトエラー対策用に、セルが
交差的に結合するノード(一般に、セルノードとよばれ
る)に容量を付加する必要がある。
【0064】例えば、図10および図11に示す4トラ
ンジスタ型の抵抗負荷型のスタティックメモリセルで
は、MOSトランジスタのゲート長が0.35μm程度
になると、容量素子C11、C12が必要になる。また
一方で、図12および図13に示す6トランジスタ型の
いわゆるフルCMOSとよばれるPチャネル負荷型のス
タティックメモリセルでも、MOSトランジスタのゲー
ト長が0.2μm程度になると、容量素子C1、C2が
必要になる。すなわち、上記のゲート長以下では、セル
ノードに容量素子を追加しないと、ソフトエラーに対し
不安定になるという結果が生じる場合もある。
【0065】現在必要な容量素子の容量値は、代表的に
40fF(40×10-15 F)程度で非常に小さいが、さ
らにメモリセルの微細化が進むことを考慮すると、もっ
と大きな容量値の容量素子が必要になるであろうと思わ
れる。そして、アクセスタイムが短く(速く)なってい
くなかで、相対的に書き込み速度が遅くなることを予想
することにより、上記の容量素子を追加することが好ま
しいといえる。
【0066】このような容量素子の追加は、メモリセル
だけCMOSから構成され、それ以外の回路部はECL
から構成されるECL−CMOSの半導体記憶装置に対
しても、すべてがCMOSから構成されるCMOSの半
導体メモリセルに対しても有効である。図14および図
15は、本発明の第5の実施例の構成を示す回路図(そ
の1およびその2)である。
【0067】図14および図15に示す第5の実施例に
おいては、抵抗負荷型かつ4トランジスタ型のSRAM
からなるスタティックメモリセルMCR−00〜MCR
−jkに対し本発明の第2の実施例の回路部(主に図
8)を適用した例が示されている。この第5の実施例
は、前述の第1の実施例と第3の実施例とを組み合わせ
て構成したものであり、上記第3の実施例の場合と同じ
ように、容量素子C11、C12を付加することが必要
になる。
【0068】図16および図17は、本発明の第6の実
施例の構成を示す回路図(その1およびその2)であ
る。図16および図17に示す第6の実施例において
は、PチャネルタイプのMOSトランジスタを負荷とす
る6トランジスタ型のCMOSのSRAMからなるスタ
ティックメモリセルMCM−00〜MCM−jkに対し
本発明の第2の実施例の回路部(主に図8)を適用した
例が示されている。
【0069】この第6の実施例は、前述の第2の実施例
と第4の実施例とを組み合わせて構成したものであり、
上記第4の実施例の場合と同じように、容量素子C1、
C2を付加することが必要になる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、半
導体記憶装置内のECL型のスタティックメモリセルに
おける書き込み動作の初めの期間に書き込み電流を流す
のみで書き込み動作を終了させることができるので、消
費電力を大幅に増大させることなく書き込み時間の短縮
化を実現することが可能になる。
【0071】さらに、書き込み動作時に選択されたビッ
ト線を流れる電流が、時間平均で小さくなるので、従来
よりも配線パターンを細くすることができる。この結
果、スタティックメモリセルのサイズが縮小されるの
で、全体のチップサイズも小さくなって半導体記憶装置
の製造コストが安くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成を示す回路ブロック図であ
る。
【図2】本発明の作用を説明するためのタイミングチャ
ートおよび概略的な回路図である。
【図3】本発明の第1の実施例の構成を示す回路図(そ
の1)である。
【図4】本発明の第1の実施例の構成を示す回路図(そ
の2)である。
【図5】図3および図4における書き込み動作および読
み出し動作時の各部の電位を示す図である。
【図6】図3および図4中の本発明に関係する回路部の
動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】本発明の第2の実施例の構成を示す回路図(そ
の1)である。
【図8】本発明の第2の実施例の構成を示す回路図(そ
の2)である。
【図9】図7および図8中の本発明に関係する回路部の
動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施例の構成を示す回路図
(その1)である。
【図11】本発明の第3の実施例の構成を示す回路図
(その2)である。
【図12】本発明の第4の実施例の構成を示す回路図
(その1)である。
【図13】本発明の第4の実施例の構成を示す回路図
(その2)である。
【図14】本発明の第5の実施例の構成を示す回路図
(その1)である。
【図15】本発明の第5の実施例の構成を示す回路図
(その2)である。
【図16】本発明の第6の実施例の構成を示す回路図
(その1)である。
【図17】本発明の第6の実施例の構成を示す回路図
(その2)である。
【図18】一般のスタティックメモリセルの構成を示す
回路図である。
【図19】図18のスタティックメモリセルを用いた従
来の半導体記憶装置の構成を示す回路図(その1)であ
る。
【図20】図18のスタティックメモリセルを用いた従
来の半導体記憶装置の構成を示す回路図(その2)であ
る。
【符号の説明】
1…付加電流源 2…付加電流源動作期間設定手段 5…行アドレス選択部 6…列アドレス選択部 7…ビット線電流生成部 9−1〜9−j…ビット線駆動部 25…結合コンデンサ 30…NOR素子 31、32および33…NOT素子 MC−00〜MC−jk…スタティックメモリセル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスタティックメモリセル(MC−
    00〜MC−jk)がマトリックス状に配置され、か
    つ、該複数のスタティックメモリセル(MC−00〜M
    C−jk)の行方向または列方向の単位で接続される複
    数のワード線、および、該複数のワード線と直交する方
    向の単位で接続される複数のビット線を有してなる半導
    体記憶装置において、 該ワード線およびビット線に選択的に電流を流すことに
    より、該スタティックメモリセル(MC−00〜MC−
    jk)の中の一つのスタティックメモリセルに対しデー
    タの書き込み動作を行う場合、 該一つのスタティックメモリセルに蓄積されている電荷
    を引き抜くための充分な大きさを有し、かつ、前記ビッ
    ト線の電流に付加される書き込み電流を生成するための
    付加電流源(1)と、 前記書き込み動作の期間中の初めの期間でのみ、該付加
    電流源(1)を動作させて前記書き込み電流を前記ビッ
    ト線に瞬間的に供給するための付加電流源動作期間設定
    手段(2)とを備えることを特徴とする半導体記憶装
    置。
  2. 【請求項2】 前記付加電流源(1)が、前記ビット線
    に接続されるトランジスタを含み、 前記付加電流源動作期間設定手段(2)が、前記付加電
    流源(1)内のトランジスタのベースに接続されるコン
    デンサおよび抵抗を有する微分回路を含み、 該付加電流源動作期間設定手段(2)は、前記書き込み
    動作を開始させるための書き込み信号を該微分回路によ
    り微分する形式、かつ、該コンデンサによる容量結合の
    形式で、該トランジスタのベースに印加すべき電圧を生
    成する請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 前記書き込み動作以外の期間で、前記付
    加電流源(1)内のトランジスタのベース電位を、予め
    定められたリファレンス電位よりも低い電位にしてお
    き、前記書き込み信号が供給されてから、前記付加電流
    源動作期間設定手段(2)により、所定の短い時間だけ
    該トランジスタのベース電位を該リファレンス電位より
    も高くする請求項2記載の半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のスタティックメモリセル(M
    C−00〜MC−jk)の各々が、ベースおよびコレク
    タが交差的に結合される一対の駆動用トランジスタと、
    該駆動用トランジスタのコレクタ側にそれぞれ接続され
    る一対の負荷素子とを有するフリップ・フロップ型かつ
    エミッタ結合論理型のスタティックメモリセルである請
    求項1、2または3記載の半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 前記負荷素子が、前記一対の駆動用トラ
    ンジスタと異なるタイプの導電型のトランジスタからな
    るアクティブ負荷である請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のスタティックメモリセルの各
    々が、ドレインおよびソースが交差的に結合される一対
    の駆動用トランジスタと、該駆動用トランジスタのドレ
    イン側にそれぞれ接続される一対の負荷抵抗と、一対の
    転送用トランジスタと、データ保持を安定化させる容量
    素子とを有するフリップ・フロップ型かつMOS型のス
    タティックメモリセルである請求項1、2または3記載
    の半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 前記複数のスタティックメモリセルの各
    々が、ドレインおよびソースが交差的に結合される一対
    の駆動用トランジスタと、該駆動用トランジスタのドレ
    イン側にそれぞれ接続される一対の駆動用トランジスタ
    と異なるタイプの導電型のトランジスタからなるアクテ
    ィブ負荷と、一対の転送用トランジスタと、データ保持
    を安定化させる容量素子とを有するフリップ・フロップ
    型かつMOS型のスタティックメモリセルである請求項
    1、2または3記載の半導体記憶装置。
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