JPH0726262B2 - 自動糸掛装置 - Google Patents

自動糸掛装置

Info

Publication number
JPH0726262B2
JPH0726262B2 JP22621691A JP22621691A JPH0726262B2 JP H0726262 B2 JPH0726262 B2 JP H0726262B2 JP 22621691 A JP22621691 A JP 22621691A JP 22621691 A JP22621691 A JP 22621691A JP H0726262 B2 JPH0726262 B2 JP H0726262B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
thread
bobbin
cradle
winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22621691A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06192922A (ja
Inventor
忠彦 大久保
卓 岩出
公聖 長田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Toray Engineering Co Ltd
Original Assignee
Toray Industries Inc
Toray Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc, Toray Engineering Co Ltd filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP22621691A priority Critical patent/JPH0726262B2/ja
Publication of JPH06192922A publication Critical patent/JPH06192922A/ja
Publication of JPH0726262B2 publication Critical patent/JPH0726262B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の糸条形成装置から
紡出された糸条を直接巻取る紡績機の自動糸掛装置に関
し、さらに詳しくは、空ボビンへの糸条巻付け装置を備
えた自動糸掛装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、多数の紡績ユニットを並設した
紡績機等においては、糸条が予め設定された巻量になる
と、該紡績機の長手方向に沿って玉揚げ台車と糸継ぎ台
車を走行せしめ、先ず、玉揚げ台車によって満巻パッケ
ージの玉揚げ操作を行なうと共に、ボビン供給装置によ
って予め小量の糸条を巻付けた薄巻きボビンを巻取装置
に供給している。
【0003】次いで、糸継ぎ台車の糸条吸引パイプによ
って空気噴射ノズル等の糸条形成装置から紡出された糸
条を吸引して糸継ぎ装置に案内して糸継ぎ操作を行な
い、巻取装置を作動させて糸条形成装置から紡出される
糸条をボビン上に巻取っている。 この様な構成の玉揚
げ台車と糸継ぎ台車を備えた紡績機は、例えば特開昭5
9−15524号公報によって知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な玉揚げ台車と糸継ぎ台車を走行させるものは、玉揚げ
操作を行なった後、予めボビンに薄巻された糸条と糸条
形成装置から紡出された糸条を糸継ぎするため、台車を
移動させなければならず、機能部品の重複によって操作
制御系が複雑になると共に、時間的にも空間的にも効率
が悪かった。又、予め糸条を巻付けたボビンを準備しな
ければならず、そのための巻取機が必要であり、更に、
予め巻付けられた糸条とその上に巻取られた糸条の糸質
が異り、後処理行程において染斑、織斑等の原因になる
という問題があった。
【0005】一方、紡績機の機台に沿って玉揚装置を走
行、停止させ、直接糸巻付け、およびバンチ巻を行う、
いわゆる自動糸掛装置は新規なものであるが、この自動
糸掛装置の停止精度、各巻取装置におけるバンチ巻形成
位置等の関係は数ミリメートルの誤差を生じる。この誤
差を無視して玉揚装置を基準にして糸掛け作業を行なわ
せると、糸巻き付け失敗や、バンチ巻位置の不揃いによ
るバンチ巻不良が発生するという問題があった。
【0006】更に、糸巻付けに成功しても、糸条形成装
置から紡出された糸条を一時的に吸引する上糸吸引パイ
プと、該上糸吸引パイプに吸引されつつある糸条を巻取
装置のクレードルに装着されたボビンに糸掛けする糸掛
けアームを設置しても、クレードルに装着されたボビン
から相当離れた位置に設置されているため、振り支点ガ
イド位置からバンチ形成用ガイドを経由してバンチ巻位
置に至る長さが、振り支点ガイド位置から本巻取位置に
至る長さに対して相当長くなる。そのため、糸条がバン
チ巻位置から本巻取位置に移動するときに、張力が低下
してスナールを発生し、次の行程でテールを繋いだパッ
ケージ間の移行成功率が悪くなるという問題があった。
【0007】すなわち、上記従来装置の問題点は、自動
糸掛装置の停止精度、各巻取装置におけるバンチ巻形成
位置等の関係は数ミリメートルの誤差を生じ、この誤差
を無視して自動玉揚装置を基準にして糸掛け作業を行な
わせると、糸巻き付け失敗や、バンチ巻位置の不揃いに
よるバンチ巻不良が発生するという点である。
【0008】本発明は、上記従来装置の問題点を解消
し、ボビンの長さに誤差があっても確実に糸掛けできる
ようにすると共に、バンチ巻を略一定の位置に形成でき
る自動糸掛装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明の自動糸掛装置は、糸条形成装置から紡出
される糸条を一時的に吸引する上糸吸引パイプと、上糸
吸引パイプに吸引されつつある糸条を前記巻取装置のク
レードルに装着されたボビンに糸掛けする糸掛けアーム
とを設置すると共に、前記糸掛けアームを、糸掛け操作
位置に回動した時に、糸掛けアームが前記クレードルに
当接し、その相対位置がほぼ一定になるように構成して
ある。
【0010】
【実施例】図1は自動糸掛装置の1実施例を示す概略正
面図、図2は図1におけるZ矢視拡大図、図3は図2に
おけるY矢視図であって、図中、1は機台3の端部に設
置されたギヤエンドであり、2は機台3の他端部に設置
されたオフエンドである。4はバックローラ、セカンド
ローラ、フロントローラ等により構成されたドラフト装
置であり、供給される繊維束をドラフト処理する。5は
吸引仮撚ノズル、あるいは回転ローラ等により構成され
た糸条形成装置であり、繊維束から紡績糸を形成する。
6は駆動回転ローラと片持ちの短いニップローラにより
構成された引出しローラであり、糸条形成装置5から紡
出された糸条を所定の速度で搬送する。7は外周面に案
内溝を有する回転ドラムであり、糸条を綾振りすると共
にボビン50を回転させる。8は軸10を支点に回動す
るクレードルであり、ホルダー9によってボビン50を
回転自在に保持すると共に、加圧機構によって該ボビン
50を回転ドラム7に所定の面圧で当接される。該ホル
ダー9の外周には、糸条をボビン50に巻付けるための
糸係止爪9′(図7、図12参照)が複数個設けてあ
る。11は回転ドラム7の近接位置に設けた切離し装置
であり、回転ドラム7とパッケージ51の間に挿入し
て、パッケージ51を回転ドラム7から切離して回転を
伝えないようにする。13は機台3に沿って敷設したレ
ール12上を走行する自動糸掛装置であり、その詳細は
図2、図3に示す通りであって、図中、15は自動糸掛
装置13を形成する台車に設置された枠体であり、下部
に車輪14を装着し、駆動装置(図示せず)によってレ
ール上を走行して所定の位置に停止する。16は枠体1
5に回動自在に装着された第1上糸吸引パイプであり、
糸条形成装置5から紡出された糸条を吸引する。また、
第1上糸吸引パイプ16には、パイプの全長にわたって
スリット16′が穿設してあり、パイプ内に吸引された
糸条がパイプの長手方向と直交する方向に異動し、該ス
リット16′を通ってパイプ外に出るようになってい
る。17は枠体15に傾斜した状態で回動するように装
着された第2上糸吸引パイプであり、第1上糸吸引パイ
プ16の出口から糸条を吸引保持しつつ糸条渡し位置に
搬送する。この糸条渡し位置は、糸継、玉揚時の糸条巻
付け操作における共通の位置になっている。
【0011】18は糸掛けアームであり、その詳細は図
8から図10に示す通りであって、図中、38は枠体1
5に取付けた軸受36の軸37を支点として延設したア
ームであり、端部に支持枠40が割締型クロスジョイン
ト39によって取付けてある。そのため、軸37を支点
にして支持枠40が回動する。42は枠体15に取付け
たストッパ41に設けたスプリングピンであり、アーム
38を枠体15側へ常に押付けるように付勢し、枠体1
5とストッパ41の僅かの隙間での回動を許容する構成
にしてある。43は支持枠40に取付けたロータリーア
クチュエータであり、空気圧によって約180°回動
し、クロスジョイント39との組合わせによってXYZ
各軸の調節を自在にしてある。44はロータリーアクチ
ュエータ43の回転軸であり、延長軸45の端部にはネ
ジ46によって糸掛けアーム18が取付けてある。47
は延長軸45に回転、かつ、進退自在に嵌入したスライ
ダーであり、糸条押出し部材19が糸掛けアーム18に
穿設した孔48を貫通した状態で取付けてある。54は
ロータリーアクチュエータ43にプレート53によって
取付けたシリンダであり、ロッド55の端部にフオーク
56が取付けてある。該フオーク56の先端はスライダ
ー47の溝57に遊嵌してあり、スライダー47が回
転、および進退自在な動きができるようにしてある。。
48は糸掛けアーム18の先端に取付けたV型のヤーン
ガイド(図11参照)であり、ロータリアクチュエータ
43の軸44の回転によって糸掛けアーム18と共に回
動する。58は糸道規制ガイド(図12参照)であり、
糸継ぎ操作時と糸掛け操作時の糸道を選択する補助ガイ
ドである。
【0012】ここで、図2、図3に戻ると、図中、20
は枠体15に回動自在に装着された糸吸引パイプであ
り、パッケージ51から糸条を吸引して引出す。21は
枠体15に回動自在に装着された下糸掬い上げアームで
あり、パッケージ51と下糸吸引パイプ20の間にある
糸条を掬い上げて糸継器22に搬送する。該糸継器22
は糸切れが発生した時に、糸条形成装置5からの上糸と
パッケージ51から引出した下糸を継ぐものである。
【0013】23は枠体15に取付けた糸条貯留器であ
り、吸引装置(図示せず)に連結し、糸条を吸引して糸
継ぎ操作時に一定の張力を付与する。24は枠体15に
回動自在に装着されたクレードル操作アームであり、ク
レードル8を押下げてパッケージ51を取外し位置まで
下降させると共に、クレードル8をボビン50の長手方
向外側に押圧して開口させ、ボビン50の着脱を行な
う。25はフレーム26に装着された駆動ローラであ
り、糸継ぎ操作時にパッケージ51に当接して正逆回転
させる。27はシリンダ28のロッドに取付けたチヤッ
クであり、ボビン50を把持してクレードル8のホルダ
ー9に搬送して供給する。該シリンダ28は、駆動ロー
ラ25が装着されたフレーム26に取付けてあり、フレ
ーム26と共に回動する。
【0014】29は機台3の所定位置に取付けた第1ラ
ンプであり、満巻信号、あるいは糸切れ信号に基づいて
点滅する。30は枠体15の所定位置に取付けた第1検
知器であり、31は第2検知器であって、第1検知器3
0によって第1ランプの点灯を検知すると、制御装置
(図示せず)からの信号に基づいて自動糸掛装置13の
走行を減速させ、次いで、第2検知器31によって第1
ランプの点灯を検知すると、所定の位置に瞬時に停止さ
せる。
【0015】32は枠体15の所定位置に取付けた第2
ランプであり、満巻パッケージ51を空のボビン50に
交換して糸条の巻取を再開する場合、あるいは、糸切れ
処理を行なって糸条の巻取を再開する場合に、ドラフト
装置4、および糸条形成装置5を作動させ、糸条の紡出
を再開させる信号に基づいて点灯する。33は機台3の
所定位置に取付けた第3検知器であり、第2ランプの点
灯を検知するとドラフト装置4、糸条形成装置5を始動
させる。34はフレーム26の下方に設置したボビン供
給箱であり、ボビン50を複数本蓄えるようになってい
る。35はクレードル8の下方に設置した受け台であ
り、玉揚げされたパッケージ51を載置する。
【0016】上述の下糸吸引パイプ20、下糸掬い上げ
アーム21、糸条貯留器23、駆動ローラ25等は必要
によって適宜設置することができる。
【0017】上述の自動糸掛装置の作業工程は、(1)
満巻錘を検知して停止する工程、(2)満巻パッケージ
をクレードルから取外す工程、(3)クレードルにボビ
ンを供給する工程、(4)紡出を再開して糸条を糸条渡
し位置に搬送する工程、(5)糸条渡し位置の糸条をボ
ビンへ移動し、糸掛けする工程に分割することができ、
この作業工程に基づいて説明する。
【0018】(1)満巻錘を検知して停止する工程 予め設定された量の糸条がクレードル8のボビン50に
巻取られて満巻の状態になると、制御装置(図示せず)
から満巻信号が発信されて該当する錘の第1ランプ29
が点灯されると同時に、ドラフト装置4、糸条形成装置
5が停止され、糸条の紡出が中断されると共に、切離し
装置11が作動して満巻パッケージ51が回転ドラム7
から切離されて巻取操作が停止される(図4−1)。こ
の状態で自動糸掛装置13が機台13の前面を走行し
て、第1ランプ29を検知すると、所定の玉揚げ位置に
停止して玉揚げ操作を開始する。
【0019】(2)満巻パッケージをクレードルから取
外す工程 クレードル操作アーム24が時計方向に回動してクレー
ドル8に当接し、面圧機構の力に抗してクレードル8を
玉揚げ位置まで押下げる(図4−2)。玉揚げ位置まで
クレードル8が移動すると、クレードル操作アーム24
によってクレードル8の一方がボビン50の長手方向外
側に向って回動され、ホルダー9から満巻パッケージ5
1が重力によって外れて受け台35の上に落下する(図
4−3) 。 (3)クレードルにボビンを供給する工程 満巻パッケージ51が取外され、フレーム26が作動し
てシリンダ28がボビン供給位置に回動すると、シリン
ダ28が作動してロッドが突出され、チヤック27に把
持されているボビン50がクレードル8のホルダー9の
軸心位置に移動される(図4−4)。次いで、クレード
ル操作アーム24が作動してクレードル8がボビンの長
手方向内側に戻され、ホルダー9によってボビン50は
クレードル8に保持される。すると、シリンダ28が作
動してチヤック27が後退して待機位置に戻されると共
に、フレーム26が回動して復帰する。該動作におい
て、チヤック27が後退すると、ボビン50がホルダー
9によって保持されているため、チヤック27が外側に
開き、弾性力によって把持されていたボビン50はチヤ
ック27から解放される。この空手になったチヤック2
7は自動糸掛装置13の走行動作中にシリンダ28が作
動してロッドが突出され、ボビン供給箱34内にあるボ
ビン50が該チヤック27に把持されて次回のボビン供
給に備える。
【0020】(4)紡出を再開して糸条を糸条渡し位置
に搬送する工程 満巻パッケージ51が玉揚されてボビン50が供給され
ると、クレードル操作アーム24、及び切離し装置11
が待機位置に戻りボビン50が回転ドラム7に接触して
(図4−5)巻取再開準備が終了する。
【0021】すると、糸条巻取開始信号に基づいて第2
ランプが点灯され、これを第3検知器33によって検知
すると、ドラフト装置4、糸条形成装置5等が始動して
糸条が紡出される。この動作と同時に第1上糸吸引パイ
プ16と第2上糸吸引パイプ17が作動して第1上糸吸
引パイプ16の吸引口が糸条形成装置5の紡糸部出口
に、第2上糸吸引パイプ17の吸引口が第1上糸吸引パ
イプ16の出口部に夫々移動されて紡出された糸条を吸
引する(図5−1)。引き続き、糸条を吸引した第2上
糸吸引パイプ17の吸引口が糸条渡し位置に回動して復
帰すると、糸条は第1上糸吸引パイプ16の全長にわた
って設けたスリット16′から脱出してパイプ外に移動
すると共に、引出しローラ6の駆動回転ローラ上に当接
した状態で糸条渡し位置に移動され、糸条は図12に示
すように糸道Y2 となる。上述の駆動回転ローラ上に当
接した糸条は、第2上糸吸引パイプ17が傾斜した状態
で移動することによってニップローラの間にニップされ
(図5−2)、正常な紡出状態になる。
【0022】(5)糸条渡し位置の糸条をボビンへ移動
し糸掛けする工程 ロータリーアクチュエータ43の回転軸44を中心に回
動する糸掛けアーム18の軸位置は、回転ドラム7と第
2上糸吸引パイプ17の中間に設けてあり、ロータリー
アクチュエータ43の駆動によって糸掛けアーム18
が、図12に示すように復帰位置P1 から反時計方向の
位置P2 まで回動すると、糸道規制ガイド58を介して
第2上糸吸引パイプ17間の糸道Y2 にある上糸を糸掛
けアーム18のヤーンガイド49が引掛けて下方に向っ
て約90°回動する。すると、位置P3 の糸道Y3 とな
り、同様に位置P4 まで回動すると糸道Y4 となり、位
置P5 においては糸道Y5 となる。この時、糸掛けアー
ム18の軸はXYZ各軸位置とも3次元的の枠体15に
対し傾斜した状態で装着してあり、ヤーンガイド49の
軌跡は、第2上糸吸引パイプ17の吸引口近傍からクレ
ードル8に設けられたホルダー9の下部外側に達するよ
うにしてある。そのため、糸掛けアーム18が位置P5
に回動した時、ヤーンガイド49の上流側にある糸条は
糸道Y5 となり、バンチ形成用糸条係止部材18′に係
止される。
【0023】次いで、糸掛け位置P6 に達すると、ヤー
ンガイド49の上流側の糸条は回転ドラム7、およびボ
ビン50の表層に接し、ヤーンガイド49の下流側の糸
条は第2上糸吸引パイプ17に吸引される糸道Y8 とな
る。しかしながら、この時、既にクレードル8に装着さ
れたボビン50は回転ドラム7に接してホルダー9と共
に回転しており、ヤーンガイド49の上流側にある糸条
はホルダー9の外周に複数個設けられた糸係止爪9′に
引っ掛かり(図5−3、図7−1)、バンチ形成用糸条
係止部18′を介して回転ドラム7とボビン50の両者
の接線となり、いわゆる巻付け状態になる。
【0024】しかし、この状態における糸条は、バンチ
形成用糸条係止部18′に拘束されつつ巻かれており、
いわゆる棒巻状のバンチが形成される(図5−4、図7
−2)。従って、所定の巻量に達した時点でシリンダ5
4を作動させると、ロッド55が突出することによって
フォーク56と共にスライダ47が延長軸45上を軸方
向に滑動し、スライダ47に取付けた糸条押出し部材1
9が連動してバンチ形成用糸条係止ガイド18′の先端
を覆い隠す如く移動し、糸道Y6 の糸条はバンチ形成用
糸条係止部18′から解放される(図5−5、図7−
3)。
【0025】すると、糸条は糸条自身の張力によってボ
ビン50の長手方向の中心方向に移動しつつテールを形
成し、次いで、回転ドラム7の糸案内溝に係合して綾振
りされながら巻取られる(図5−6)。
【0026】上述の操作において、バンチ形成用糸条係
止部18′に拘束されている糸条を解放すると、糸道Y
6 の糸条は瞬間的に本巻取の糸道に解放される関係上、
糸条の張力が弛緩して糸条のトルクによってスナールが
発生し、本巻取に移行する過程でスナールを巻込むこと
があった。このスナールの大きさは、振り支点である引
出しローラ6から回転ドラム7とボビン50との接点ま
での本巻取の糸道Y5の長さに関係し、バンチ形成用糸
条係止部材18′にある時の糸道長さが本巻取時の糸道
長さとの差が小さいほど好ましく、その差が大きいほど
スナールは顕著に現れる。このスナールの発生は、糸
質、および巻取条件によって変動するが、通常の紡績糸
における実験結果によると、バンチ形成用糸条係止部1
8′は、図12における回転ドラム7とボビン50が接
する両者の左右方向の接線の回転ドラム側の領域と、回
転ドラム7とボビン50の各外周を結ぶ共通の接線の回
転ドラム7側の領域によって囲まれた領域内に位置すれ
ば、スナールの発生が見られないことが判明した。よっ
て、本発明におけるバンチ形成用糸条係止部18′、お
よび糸条押出し部19′はこの領域内に位置するように
構成してある。
【0027】上述のバンチ形成用糸条係止部18′は、
糸掛け操作時に、クレードル8に装着されたボビン50
を軸心長手方向から見た場合、ボビン駆動用回転ドラム
7とボビン50が接する位置の近傍に位置するように配
設する必要があり、実施例のようにボビン50の外周面
より回転ドラム7の外周面に近い位置に配置するのが最
も好ましい。
【0028】上述の糸掛け操作において糸条が回転ドラ
ム7の外周面に接触しない場合でも同じように実施する
ことができる。
【0029】一方、位置P6 の糸掛け時点におけるヤー
ンガイド49の下流側の糸条は、クレードル8の軸受取
付け部に約1回巻付くが、約一回巻き付いたところで巻
始めの糸条自身で押さえるため、該取付け部とホルダー
9との間の糸条は瞬間的に張力が高まって切断される。
該切断と同時に軸受取付け部に巻付いた糸条の張力は解
除されて第2上糸吸引パイプ17に吸引除去される。
【0030】次に、ボビン50への糸条巻付けを確実に
すると共に、バンチ巻の位置を正しくする作用について
説明する。
【0031】糸掛けアーム18の駆動系関連部材は、軸
受36の軸37の回りに、スプリングピン42によって
枠体15側、すなわち、クレードル8の糸条巻付け側に
オフセットされている。このオフセット量は、自動糸掛
装置13の停止精度と機台3に設けたクレードル8との
相対的位置の差異を吸収するに十分な量にしてある。こ
のオフセット状態で糸掛アーム18が回動し、糸条巻付
け位置P5 〜P6 の範囲に達すると、糸掛アーム18の
クレードル8側に設けた斜面がクレードル8に設けた位
置決め当接部59に接し、当接状態で位置P6 に達する
と、クレードル8と糸掛アーム18の相対位置の関係
は、常にほぼ一定になり、ヤーンガイド49と糸係止爪
9′の相対位置関係が正しく保たれて糸条巻き付けが確
実に行われる。また、バンチ形成用糸条係止部18′と
クレードル8の相対位置関係も正しく保たれ、バンチ形
成位置もボビン50に対して正しい位置に巻付けられ
る。
【0032】更に、クレードル8に対して糸掛けアーム
18は糸掛け側に寄せてオフセットしてあり、糸掛けア
ーム18の回動によって必ず位置決め当接部59に当た
り、スプリングピン42の付勢に抗して位置決めされ
る。また、糸掛けアーム18を復帰回動させると、スプ
リングピン42の付勢によって元のオフセット位置に復
帰する。
【0033】次いで、糸継ぎ操作について説明する。
【0034】糸切れが発生して糸切れ検知器(図示せ
ず)が作動すると、制御装置(図示せず)の満巻回数の
計数を一時停止させると共に、ドラフト装置4の回転を
停止させ、糸条形成装置5への繊維束の供給を停止す
る。次いで、切離し装置11を作動させて回転ドラム7
からパッケージ51を切離す(図6−1)。この状態で
クレードル操作アーム24が作動し、クレード8に接触
する位置で停止固定する。次に、第1上糸吸引パイプ1
6、第2上糸吸引パイプ17が回動して第1上糸吸引パ
イプ16が糸条形成装置5の出口部に、第2上糸吸引パ
イプ17が第1上糸吸引パイプ16の出口に夫々移動さ
れる(図6−2)。すると、糸継ぎ操作開始信号に基づ
いてドラフト装置4が始動して糸条形成装置5から糸条
が紡出され、上述のパイプ16、17に吸引される。該
信号によって切離し装置11は待機位置に戻る。
【0035】一方、フレーム26が作動して駆動ローラ
25がパッケージ51に当接され、予め設定された速度
でパッケージ51を逆回転させると共に、下糸吸引パイ
プ20が作動してパッケージ51の近傍に吸引口が移動
され(図6−2)、パッケージ51から糸条の端部を吸
引すると待機位置に戻る(図6−3)。
【0036】上述の操作により糸条形成装置5から紡出
された糸条が第1上糸吸引パイプ6を経由して第2上糸
吸引パイプ17に吸引されると、第2上糸吸引パイプ1
7が作動して糸条渡し位置に移動する。この時、糸条は
第1上糸吸引パイプ16のスリット16′を通ってパイ
プ外に移動し、引出しローラ6のニップ部に糸掛けされ
ると共に、糸条貯留器23を経由して糸継器22に係合
される(図6−3)。すると、下糸掬い上げアーム21
が作動してパッケージ51から引出された糸条を保持し
て糸継器22に係合させ(図6−4)待機位置に戻ると
共に、駆動ローラ25による糸条の引出しを停止する。
そして、糸条形成装置5からの上糸とパッケージ51か
らの下糸が糸継器22に係合されると、糸継器22が作
動して糸継ぎされる。この時、糸条形成装置5から引き
続き紡出される糸条は糸条貯留器23に吸引貯留され
る。糸継ぎ操作が済むと直ちに駆動ローラ25が高速回
転され、糸条貯留器23に溜っていた糸条をパッケージ
51に巻取る(図6−5)。そして、糸条貯留器23内
の糸条が無くなると、フレーム26が作動して駆動ロー
ラ25を待機位置に戻すと共に、クレードル操作アーム
24を待機位置に戻し、パッケージ51を回転ドラム7
に当接させて引き続き送出される糸条を巻取らせ(図6
−6)糸継ぎ操作を終了する。
【0037】本発明はチーズワインダ、コーンワインダ
を備えたこの種の紡績機、およびリワインダの機台に沿
って走行する自動糸掛装置に適用することができる。
【0038】上述のように糸条形成装置5から紡出され
る糸条を一時的に吸引する第2上糸吸引パイプ17と、
上糸吸引パイプ17に吸引されつつある糸条をクレード
ル8に装着されたボビン50に糸掛けする糸掛アーム1
8を設置すると共に、糸掛けアーム18を、糸掛け操作
位置に回動した時に、該糸掛けアーム18がクレードル
8に当接し、その相対位置がほぼ一定になるように構成
してあるため、自動糸掛装置の停止精度、各巻取装置に
おけるバンチ巻形成位置等に誤差があっても、糸を確実
にボビンに巻付けることができると共に、バンチ巻を略
一定の位置に形成することができた。
【0039】
【発明の効果】本発明の自動糸掛装置は、糸条形成装置
から紡出される糸条を一時的に吸引する上糸吸引パイプ
と、上糸吸引パイプに吸引されつつある糸条を前記巻取
装置のクレードルに装着されたボビンに糸掛けする糸掛
けアームとを設置すると共に、前記糸掛けアームを、糸
掛け操作位置に回動した時に、該糸掛けアームが前記ク
レードルに当接し、その相対位置がほぼ一定になるよう
に構成してあるため、自動糸掛装置の停止精度、各巻取
装置におけるバンチ巻形成位置等に誤差があっても、糸
を確実にボビンに巻付けることができると共に、バンチ
巻を略一定の位置に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動糸掛装置を設置した紡績機の1実
施例を示す概略図である。
【図2】図1におけるZ矢視拡大図である。
【図3】図2におけるY矢視図である。
【図4】本発明の自動糸掛装置による玉揚動作を示す概
略図である。
【図5】本発明の自動糸掛装置による糸掛け動作を示す
概略図である。
【図6】本発明の自動糸掛装置による糸継ぎ動作を示す
概略図である。
【図7】糸掛け動作の詳細を示す概略図である。
【図8】糸巻付け装置部分を示す平面図である。
【図9】糸掛けアームの駆動系を示す側面図である。
【図10】糸掛けアームの拡大正面図である。
【図11】ヤーンガイドの正面図である。
【図12】糸掛けアームの回動と糸条の糸道の関係を示
す側面図である。
【符号の説明】
13……自動糸掛装置 15……枠体 16……第1上糸吸引パイプ 17……第2上糸吸引パイプ 18……糸掛けアーム 18′……バンチ巻形成用糸条係止部 19……糸条押出し部材 19′……糸条押出し部 20……下糸吸引パイプ 21……下糸掬い上げアーム 22……糸継器 23……糸条貯留器 24……クレードル操作アーム 25……駆動ローラ 26……フレーム 27……チャック 28、54……シリンダ 36……軸受 37……軸 38……アーム 39……クロスジョイント 40……支持枠 41……ストッパ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の糸条形成装置から紡出された糸条
    を各巻取装置に直接巻取る紡績機の機台長手方向に沿っ
    て走行自在に設置された台車の枠体に、前記糸条形成装
    置から紡出される糸条を一時的に吸引する上糸吸引パイ
    プと、上糸吸引パイプに吸引されつつある糸条を前記巻
    取装置のクレードルに装着されたボビンに糸掛けする糸
    掛けアームとを設けると共に、前記糸掛けアームを、糸
    掛け操作位置に回動した時に、糸掛けアームが前記クレ
    ードルに当接し、その相対位置がほぼ一定になるように
    構成せしめたことを特徴とする自動糸掛装置。
JP22621691A 1991-09-15 1991-09-05 自動糸掛装置 Expired - Lifetime JPH0726262B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22621691A JPH0726262B2 (ja) 1991-09-15 1991-09-05 自動糸掛装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22621691A JPH0726262B2 (ja) 1991-09-15 1991-09-05 自動糸掛装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60229337A Division JPH0680214B2 (ja) 1985-10-15 1985-10-15 自動糸掛装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06192922A JPH06192922A (ja) 1994-07-12
JPH0726262B2 true JPH0726262B2 (ja) 1995-03-22

Family

ID=16841718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22621691A Expired - Lifetime JPH0726262B2 (ja) 1991-09-15 1991-09-05 自動糸掛装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0726262B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06192922A (ja) 1994-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2792879B2 (ja) 紡績運転再開のための方法
JP2730585B2 (ja) 紡績運転を迅速に再開する方法と装置
JP4048902B2 (ja) 紡績機の糸弛み取り装置
JPH0881837A (ja) あや巻き管糸を製作する繊維機械のサービス装置
CZ303928B6 (cs) Servisní zarízení k opetovnému zapredení pracovních míst doprádacího stroje
EP3025995B1 (en) Yarn winding machine
JP2014043348A (ja) 巻取り機の作業部において上糸と下糸とを糸継ぎする方法並びに巻取り機の作業部
EP1457446B9 (en) Tension control and slack eliminating device for a yarn winder
JPH0726262B2 (ja) 自動糸掛装置
JPH0680214B2 (ja) 自動糸掛装置
JP2015048155A (ja) 糸巻取装置
EP2853510B1 (en) Service vehicle of textile machine
US5279104A (en) Process and device for the piecing of an open-end spinning device
JP2013057152A (ja) 糸巻取機
JP2016137959A (ja) 糸巻取機
JP3536474B2 (ja) 紡績機の玉揚装置
JPS6290333A (ja) 自動糸継ぎ玉揚げ装置
JPS6290332A (ja) 自動玉揚げ装置
JPH02234930A (ja) 糸継ぎ方法、および装置
JP2024007744A (ja) 紡績機、パッケージの形成方法及びパッケージ
JP2023142771A (ja) 糸巻取機及び糸巻取方法
JP2022189206A (ja) 紡績機
JP3204148B2 (ja) 紡績機のピーシング装置
JP2022189204A (ja) 紡績機
US5255502A (en) Yarn piece method and yarn piecing apparatus