JPH0726262A - 土壌改良材 - Google Patents

土壌改良材

Info

Publication number
JPH0726262A
JPH0726262A JP5192766A JP19276693A JPH0726262A JP H0726262 A JPH0726262 A JP H0726262A JP 5192766 A JP5192766 A JP 5192766A JP 19276693 A JP19276693 A JP 19276693A JP H0726262 A JPH0726262 A JP H0726262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soil
polyester resin
aliphatic polyester
aliphatic
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5192766A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2807399B2 (ja
Inventor
Kazunori Sato
和典 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Highpolymer Co Ltd filed Critical Showa Highpolymer Co Ltd
Priority to JP5192766A priority Critical patent/JP2807399B2/ja
Publication of JPH0726262A publication Critical patent/JPH0726262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2807399B2 publication Critical patent/JP2807399B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機質−微生物分解性の土壌改良材で土壌に
混合することにより、土壌の仮比重を低下させ、排水
性、保水性、通気性を改良できるものであって、廃棄物
が環境汚染につながっている脂肪族ポリエステル樹脂か
らのプラスチック廃棄物の有効利用法。 【構成】 主としてグリコールと脂肪族二塩基酸とから
合成された脂肪族ポリエステル樹脂の粒状体からなる土
壌改良材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農産用、特に園芸用の土
壌の改質材として土壌の仮比重(土壌から水分を除去、
乾燥させたときの見かけ比重)を低下させ、排水性、保
水性、通気性を改良するための土壌改良材に関する。ま
た成形物、シート、フィルム等として使用された後の脂
肪族ポリエステル樹脂成形体の廃棄物の有効利用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】農産用の土壌としては、無機質の肥料を
永年使用すると土壌の耕盤化(土壌が高い密度を持った
固い土質になり、排水性、通気性を失う現象)が避けら
れず、土質は劣化する。このような土壌に対しては落ち
葉、ワラやタイ肥等の有機質の肥料をすき込めば良い
が、農家の耕耘機の導入などによる牛馬等家畜の減少、
稲刈りの機械化による稲ワラのタイ肥化の減少、農業人
口の高齢化などによりこれら有機質肥料の入手が困難に
なり、高価格になってきており、安価でかつ有効な土壌
改良材の開発が望まれてきた。
【0003】このような目的のための土壌改良材として
は、シラスバルーン、黒曜石パーライト、バーミキュラ
イト、培焼土等があるが、いずれも土の仮比重を下げ、
排水性、保水性、通気性を改良する効果はあるが、それ
自身が原形をとどめるため経時的にこれらの効果が向上
するということはない。
【0004】一方、これまでのプラスチック廃棄物は、
その処理方法として埋め立て、焼却に頼らざるをえなか
ったが、本発明の対象となる脂肪族系ポリエステルには
特異的な性質として合成高分子物でありながら、微生物
分解性を有しており、廃棄処理の容易なプラスチックと
して注目されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機質−微
生物分解性の土壌改良材であって、土壌に混合すること
により土壌の仮比重を低下させ、排水性、保水性、通気
性を改良すると共に、土壌改良材の生物による分解によ
り、土壌中に更なる空孔を発生させて仮比重の低下を促
進できるものであり、かつ該土壌改良材が廃棄物の処理
が環境汚染につながっているプラスチック廃棄物等の有
効利用の形で処理できる方法の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、主としてグリ
コールと脂肪族二塩基酸またはその誘導体とから合成さ
れた脂肪族ポリエステル樹脂の粒状体からなることを特
徴とする土壌改良材を開発することにより、上記の有機
質−微生物分解性の土壌改良材であり、またこれがプラ
スチック廃棄物から製造するという二つの目的を同時に
達成できた。
【0007】本発明の対象とする主としてグリコールと
脂肪族二塩基酸またはその誘導体とから合成された脂肪
族ポリエステル樹脂は、物性的にも優れているところか
ら射出成形、押出成形などにより射出成形品、パイプ、
シート、フィルム、繊維等各種成形体あるいは発泡体、
またはシート、フィルム等からの真空成形、圧空成形な
どによる二次成形体として広い範囲の用途に用いられて
いる。
【0008】本発明で言う脂肪族ポリエステル樹脂と
は、主としてグリコール類と脂肪族二塩基酸またはその
誘導体とから合成されたポリエステルを主成分とするも
のであり、場合によっては分子量を充分に高くするた
め、両端にヒドロキシル基を有する比較的高分子量のポ
リエステルプレポリマーを合成した後カップリング剤に
より、さらにこれらプレポリマーをカップリングさせた
ものであってもよい。
【0009】従来、末端基がヒドロキシル基である数平
均分子量が2,000〜2,500の低分子量ポリエス
テルプレポリマーを、ジイソシアナートと反応させてポ
リウレタンとし、ゴム、フォーム、塗料、接着剤とする
ことは広く行われている。
【0010】しかし、これらのポリウレタン系フォー
ム、塗料、接着剤に用いられるポリエステルプレポリマ
ーは、数平均分子量が2,000〜2,500の低分子
量プレポリマーである。そしてポリウレタンとしての実
用的な物性を得るためには、この低分子量プレポリマー
100重量部に対して、ジイソシアナートの使用量を1
0〜20重量部とする必要がある。このように多量のジ
イソシアナートを150℃以上の溶融した低分子量ポリ
エステルに添加するとゲル化してしまい、溶融成形可能
な樹脂は得られない。
【0011】また、ポリウレタンゴムの場合のごとく、
多量のジイソシアナートを加えて、ヒドロキシル基をイ
ソシアナート基に転換し、更にグリコールで数平均分子
量を増大する方法も考えられるが、使用されるジイソシ
アナートの量は前述のように低分子量プレポリマー10
0重量部に対し10重量部以上が必要である。この際ポ
リエステルの合成に重金属系の触媒を用いると、イソシ
アナート基の反応性を著しく促進して保存性不良、架橋
反応、分岐生成をもたらし、溶融性を失うことから、ポ
リエステルプレポリマーは無触媒で合成されることが必
要となり、この結果数平均分子量は高くても2,500
くらいが限界となる。
【0012】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル樹
脂を得るためのポリエステルプレポリマーは、主として
グリコールと脂肪族二塩基酸またはその誘導体とを反応
せしめて得られる末端基が実質的にヒドロキシル基を有
する、数平均分子量が5,000以上、好ましくは1
0,000以上の比較的高分子量、融点が60℃以上の
飽和脂肪族ポリエステルである。
【0013】数平均分子量が5,000未満であると、
0.1〜5重量部という少量のカップリング剤を用いて
も良好な物性を有する脂肪族ポリエステル樹脂を得るこ
とができない。数平均分子量が5,000以上のポリエ
ステルプレポリマーはヒドロキシル価が30以下であ
り、少量のカップリング剤の使用で溶融状態といった過
酷な条件下でも反応中にゲルを生ずることなく、高分子
量脂肪族ポリエステル樹脂を合成することができる。
【0014】用いられるグリコールとしては、例えばエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
等があげられる。エチレンオキシドも利用することがで
きる。これらのグリコールは併用しても良い。
【0015】グリコールと反応して脂肪族ポリエステル
樹脂を形成する脂肪族二塩基酸またはその誘導体として
は、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、
ドデカン二酸、無水コハク酸、無水アジピン酸あるいは
それらのジメチルエステル等の低級アルコールエステル
などがあり、これらは市販されているので本発明に利用
することができる。多塩基酸またはその誘導体は併用し
ても良い。
【0016】これらグリコール及び二塩基酸またはその
誘導体は脂肪族系が主成分であるが、少量の多官能成
分、例えば3官能または4官能の多価アルコール、オキ
シカルボン酸または多価カルボン酸を併用することが好
ましい。
【0017】3官能の多価アルコール成分としては、ト
リメチロールプロパン、グリセリンまたはその無水物が
代表的であり、4官能の多価アルコール成分はペンタエ
リトリットが代表的である。
【0018】3官能のオキシカルボン酸は、リンゴ酸が
実用上有利であり、4官能のオキシカルボン酸成分では
市販品が容易に、かつ低コストに入手できるところから
クエン酸が実用的である。
【0019】3官能の多価カルボン酸(またはその酸無
水物)成分としては、例えばトリメシン酸、プロパント
リカルボン酸等を使用することができるが、実用上から
無水トリメリット酸が有利である。
【0020】4官能の多価カルボン酸(またはその酸無
水物)としては、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボ
ン酸無水物等が挙げられる。
【0021】多官能成分の使用割合は、グリコール成分
または脂肪族(環状脂肪族を含む。)二塩基酸(または
その誘導体)の成分のいずれかのモル数が100モル%
に対して、3官能成分の場合は5モル%以下、好ましく
は0.5モル%以上3モル%以下であり、4官能成分の
場合は3モル%以下、好ましくは0.2モル%以上2モ
ル%以下である。
【0022】3官能成分の使用割合が5モル%より多い
場合、また4官能成分の使用割合が3モル%より多い場
合には、エステル化反応中にゲル化する危険性が著しく
増大する。
【0023】本発明で用いられる脂肪族ポリエステル樹
脂用ポリエステルプレポリマーは、末端基が実質的にヒ
ドロキシル基を有するが、そのためには合成反応に使用
するグリコール及び脂肪族二塩基酸(またはその誘導
体)の使用割合は、グリコールをいくぶん過剰に使用す
る必要がある。
【0024】比較的高分子量のポリエステルプレポリマ
ーを合成するには、エステル化に続く脱グリコール反応
の際に、脱グリコール反応触媒を使用することが必要で
ある。
【0025】脱グリコール反応触媒としては、例えばア
セトアセトイル型チタンキレート化合物、並びに有機ア
ルコキシチタン化合物等のチタン化合物または有機酸の
金属塩が挙げられる。これらのチタン化合物や有機酸の
金属塩は併用もできる。これらの例としては、例えばジ
アセトアセトキシオキシチタン(日本化学産業(株)社
製“ナーセムチタン”)、テトラエトキシチタン、テト
ラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ステアリ
ン酸カルシウム等が挙げられる。脱グリコール反応触媒
の使用割合は、ポリエステルプレポリマー100重量部
に対して0.001〜1重量部、望ましくは0.01〜
0.1重量部である。脱グリコール反応触媒はエステル
化の最初から加えても良く、また脱グリコール反応の直
前に加えても良い。
【0026】この結果、ポリエステルプレポリマーは通
常数平均分子量5,000以上、好ましくは20,00
0以上、融点60℃以上のものが容易に得られ、結晶性
があれば一層好ましい。
【0027】本発明の脂肪族ポリエステル樹脂としては
この状態でも良いが、プラスチック原料として使用する
ときは、好ましくは上記の数平均分子量が5,000以
上、望ましくは10,000以上の末端基が実質的にヒ
ドロキシル基を有するポリエステルプレポリマーに、更
に数平均分子量を高めるためにカップリング剤が使用さ
れる。
【0028】カップリング剤としては、ジイソシアナー
ト、オキサゾリン、ジエポキシ化合物、酸無水物等が挙
げられ、特にジイソシアナートが好適である。
【0029】なお、オキサゾリンやジエポキシ化合物の
場合はヒドロキシル基を酸無水物等と反応させ、末端を
カルボキシル基に変換してからカップリング剤を使用す
ることが必要である。
【0030】ジイソシアナートには特に制限はないが、
例えば2,4−トリレンジイソシアナート、2,4−ト
リレンジイソシアナートと2,6−トリレンジイソシア
ナートとの混合体、ジフェニルメタンジイソシアナー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリレン
ジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナー
ト、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイ
ソシアナートが挙げられ、特にヘキサメチレンジイソシ
アナートが生成樹脂の色相、ポリエステル添加時の反応
性等の点から好ましい。
【0031】これらカップリング剤の添加量は、ポリエ
ステルプレポリマー100重量部に対して0.1〜5重
量部、望ましくは0.5〜3重量部である。
【0032】0.1重量部未満ではカップリング反応が
不十分であり、5重量部を越えるとゲル化が発生する。
【0033】添加は、ポリエステルプレポリマーが均一
な溶融状態であり、容易に撹拌可能な条件下で行われる
ことが望ましい。固形状のポリエステルプレポリマーに
添加し、エクストルーダーを通して溶融、混合すること
も不可能ではないが、脂肪族ポリエステル樹脂製造装置
内か、あるいは溶融状態のポリエステルプレポリマー
(例えばニーダー内での)に添加することが実用的であ
る。
【0034】また、この際の脂肪族ポリエステル樹脂の
数平均分子量は10,000以上であって、これにより
脂肪族ポリエステル樹脂として、また脂肪族ポリエステ
ル樹脂組成物としても機械的性質が充分なものとなる。
【0035】このような脂肪族ポリエステル樹脂から直
接土壌改質材を製造しても良いが、本脂肪族ポリエステ
ル樹脂製品廃棄物を原料として使用することにより廃棄
物を土壌改良材の原料として使用することができる。
【0036】この土壌改良材は、成形体を粉砕し目の開
きが10mmのフルイを通過した粒状体をそのまま用い
ても良い。また再溶融し、ペレット状に押し出したもの
であっても良い。
【0037】特に土壌の軽量化(仮比重の低下)を効率
的に行いたい場合は発泡体を粉砕するか、発泡剤を混合
して再溶融、粒状体製造をした改質剤が好ましい。
【0038】更に再溶融、粒状化する際に、木粉、ワ
ラ、骨粉、油カス、グアノ等の生物分解性の充填材を混
入したり、あるいはシラスバルーン、パーライト、バー
ミキュライトのごとき鉱物質土壌改良材を混入したりす
ることもできる。
【0039】
【作用】本発明は物性的にも優れた性能を有し、微生物
分解性のある脂肪族ポリエステル樹脂成形品の廃棄物処
理としてこれを粒状化して土壌に混じ、土壌の仮比重の
低下、排水性、保水性、通気性の改良を行うものであ
る。
【0040】特に土壌改良材を発泡体とすることによ
り、土壌の仮比重の低下をより効果的にできる。
【0041】本改良材は土壌中で6ケ月で土中の微生
物、バクテリヤ、菌類の分解作用により消耗減少し、
1.5年〜2年で完全消失し、土壌に空洞を多数形成す
る。従って水、空気の流通効果は経時的に減少せず、む
しろ増大し、植物の根の伸長促進に必要な水および空気
の供給に大きな効果がある。土壌に対する混合量は土質
により異なるので一概には定まらないが、本改良材を混
じた土壌仮比重が0.84〜1.2になるような範囲内
で土壌に混入することにより、土壌中の水、空気の流通
をよくし、結果として植物の根の伸長、ひいては植物の
成長を助長する。
【0042】
【実施例】
(実施例1)700Lの反応器を窒素置換してから、
1,4−ブタンジオール183kg、コハク酸224k
gを仕込んだ。窒素気流中において昇温を行い、192
〜220℃にて3.5時間、更に窒素を停止して20〜
2mmHgの減圧下に3.5時間にわたり脱水縮合によ
るエステル化反応を行った。採取された試料は、酸価が
9.2mg/g、数平均分子量(Mn)が5,160、
また重量平均分子量(Mw)が10,670であった。
引き続いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソプロ
ポキシチタン34gを添加した。温度を上昇させ、温度
215〜220℃で15〜0.2mmHgの減圧に5.
5時間、脱グリコール反応を行った。採取された試料は
数平均分子量(Mn)が16,800、また重量平均分
子量(Mw)が43,600であった。このポリエステ
ル(A1)は凝縮水を除くと収量は339kgであっ
た。
【0043】ポリエステル(A1)339kgを入れた
反応器にヘキサメチレンジイソシアナート5420gを
添加し、180〜200℃で1時間カップリング反応を
行った。粘度は急速に増大したが、ゲル化は生じなかっ
た。次いで抗酸化剤としてイルガノックス1010(チ
バガイギー社製)を1700g及び滑剤としてステアリ
ン酸カルシウムを1700g加えて、更に30分間撹拌
を続けた。この反応生成物を粉砕し、90℃で6時間、
真空乾燥した後のポリエステル(B1)の収量は300
kgであった。
【0044】得られたポリエステル(B1)は、わずか
にアイボリー調の白色ワックス状結晶で、融点が110
℃、数平均分子量(Mn)が35,500、重量平均分
子量(Mw)が170,000、MFR(190℃)は
1.0g/10分、オルトクロロフェノールの10%溶
液の粘度は230ポイズ、温度190℃、剪断速度10
0sec-1における溶融粘度は1.5×104 ポイズで
あった。平均分子量の測定は、Shodex GPC
System−11,溶媒はCF3 COONaのヘキサ
フロロイソプロピルアルコール5ミリモル溶液、濃度
0.1重量%、検量線は昭和電工(株)製PMMA標準
サンプル Shodex Standard M−75
で行った。
【0045】次いで内容積5.6Lの撹拌機付きオート
クレーブに純水2200gを入れ、タイラー規格で28
メッシュから35メッシュの間にあるポリエステル(B
1)の粒子2200g、酸化マグネシウム7g、ジラウ
リルチオジプロピオネート0.22gを投入した。次い
で撹拌しながらプロパン44g、ペンタン186gを圧
入して100℃まで昇温して1.5時間反応させ、次に
上記系内の温度を30℃まで冷却した後、系より取り出
しポリエステル(B1)の発泡性粒子を得た。
【0046】得られた発泡性粒子を水蒸気の加熱によっ
て10倍に発泡したものを予備発泡粒子とした。この予
備発泡粒子を乾燥熟成後、更に水蒸気により加熱発泡し
た。得られたポリエステル(B1)を50倍に発泡した
場合の気泡のサイズの分布幅は0.08〜0.30m
m、密度は真密度として0.024g/cm2 であっ
た。
【0047】この発泡体を更に粉砕し、目の開きが2m
mのフルイを通過した粒状体を仮比重1.2の土壌中に
一様に混入し、混入後の土壌の仮比重を0.96とした
ものを経時的に観察したところ10ケ月で前記発泡体は
完全に分解して土壌に空洞を形成し、発泡体の痕跡は認
められなかった。
【0048】(実施例2)実施例1で得られたポリエス
テル(B1)100重量部に対し、油かす10重量部を
配合した混合物をエクストルーダーにて水中に押出し、
カッターで裁断して、径2mmのペレットとした。この
ペレットを実施例1と同じ土壌中に一様に混入し、混入
後の土壌の仮比重を1.15としたものを経時的に観察
したところ9ケ月でペレットは完全に分解し、土壌中に
多数の空洞ができていた。
【0049】(実施例3)700Lの反応器を窒素置換
してから、1,4−ブタンジオール196kg、コハク
酸204kgを仕込んだ。窒素気流下に昇温を行い、1
90〜220℃にて5.0時間、更に窒素を停止して1
5〜2mmHgの減圧下に3.5時間にわたり脱水縮合
によるエステル化反応を行った。採取された試料は、酸
価が8.5mg/g、数平均分子量(Mn)が5,20
0、また重量平均分子量(Mw)が10,100であっ
た。引き続いて、常圧の窒素気流下に触媒のテトライソ
プロポキシチタン30gを添加した。温度を上昇させ、
温度215〜220℃で5〜0.2mmHgの減圧下に
て15時間脱グリコール反応を行った。採取された試料
は数平均分子量(Mn)が23,300、また重量平均
分子量(Mw)が89,300であった。このポリエス
テルは凝縮水を除くと理論収量は327kgであった。
【0050】ポリエステル327kgを180℃に冷却
し、その反応器に着色防止剤として亜リン酸41g、抗
酸化剤としてイルガノックスB225(チバガイギー社
製)を327g及び滑剤としてステアリン酸カルシウム
を327g加えて、更に30分間撹拌を続けた。この反
応生成物を90℃で6時間、真空乾燥した後のポリエス
テルの収量は約310kgであった。
【0051】得られたポリエステル(B2)は、白色固
体状結晶で、融点が120℃、数平均分子量(Mn)が
23,100、重量平均分子量(Mw)が90,50
0、MFR(190℃)は約500g/10分、オルト
クロロフェノールの10%溶液の粘度は20ポイズ、温
度190℃、剪断速度1〜10sec-1における溶融粘
度は100ポイズ(トキメック、回転粘度計)であっ
た。平均分子量の測定は、Shodex GPC Sy
stem−11(昭和電工社製ゲルクロマトグラフィ
ー)、溶媒はCF3 COONaのHFIPA5ミリモル
溶液、濃度0.1重量%、検量線は昭和電工社製PMM
A標準サンプル Shodex Standard M
−75で行った。
【0052】内容積5.6Lの撹拌機付きオートクレー
ブに純水2200gを入れ、タイラー規格で9メッシュ
から12メッシュの間にあるポリエステル(B2)の粒
子2200g、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ
0.6gを投入した。次いで撹拌しながらプロパン44
g、ペンタン186gを圧入して100℃まで昇温して
1.5時間反応させ、次に上記系内の温度を30℃まで
冷却した後、脱水乾燥してポリエステルの発泡性粒子を
得た。
【0053】得られた粒子を10℃で2週間保存した
後、水蒸気によって10倍に発泡したものを予備発泡粒
子とした。この予備発泡粒子を24時間放置後、型寸法
300mm×400mm×100mmの金型に充填し、
水蒸気により加熱成形した。得られたポリエステル(B
2)を50倍に発泡した場合の気泡サイズの分布幅は
0.07〜0.30mmであった。
【0054】この成形体を粉砕し、目の開きが2mmの
フルイを通過した粒状体を実施例1と同じ土壌中に一様
に混入し、混入後の土壌の仮比重を0.98としたもの
を経時的に観察したところ、9ケ月で前記粒状体は完全
に分解し、土壌中に多数の空洞が認められた。
【0055】(実施例4)実施例3で得られたポリエス
テル(B2)をエクストルーダーにて水中に押出し、カ
ッターで裁断して径2mmのペレットとした。このペレ
ットを実施例1と同じ土壌中に一様に混入し、混入後の
土壌の仮比重を1.10としたものを経時的に観察した
ところ、10ケ月でペレットは完全に分解し、土壌中に
多数の空洞ができていた。
【0056】
【発明の効果】本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂を土
壌改良材として用い、土壌の仮比重を低下させると共
に、土壌中に多数の空洞を生じさせ、土壌の排水性、保
水性、通気性を改良させるものである。
【0057】本発明の対象となる脂肪族ポリエステル樹
脂は、優れた物性を有し、成形体、発泡体、フィルム、
繊維等として有用であり、更に微生物分解性を有してい
るため、廃棄処理が容易な樹脂である。しかし、単に廃
棄するだけでは有効に利用されたとは言えない。本発明
ではこの脂肪族ポリエステル樹脂成形品廃棄物の有効利
用の検討を行い、生分解性を利用して土壌の軽質化、改
質のための土壌改良材として利用することが極めて有効
であることを見いだしたものである。
【0058】本土壌改良材を用いるときは土壌の耕盤化
を防止するだけでなく、通常埋め立て、焼却などに頼っ
ていたプラスチック廃棄物のうち脂肪族ポリエステル樹
脂だけはこれらの処理でなく極めて有効な土壌改良材と
して利用可能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてグリコールと脂肪族二塩基酸ま
    たはその誘導体とから合成された脂肪族ポリエステル樹
    脂の粒状体からなることを特徴とする土壌改良材。
  2. 【請求項2】 粒状体が成形物、発泡体、シート、フィ
    ルム、ヤーン等の成形体を目の開きが10mmのフルイ
    をパスする程度に粉砕した脂肪族ポリエステル樹脂であ
    る請求項1記載の土壌改良材。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステル樹脂に生物分解性の
    充填材または鉱物質土壌改質材を配合した請求項1また
    は2記載の土壌改良材。
JP5192766A 1993-07-07 1993-07-07 土壌改良材 Expired - Lifetime JP2807399B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5192766A JP2807399B2 (ja) 1993-07-07 1993-07-07 土壌改良材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5192766A JP2807399B2 (ja) 1993-07-07 1993-07-07 土壌改良材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0726262A true JPH0726262A (ja) 1995-01-27
JP2807399B2 JP2807399B2 (ja) 1998-10-08

Family

ID=16296688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5192766A Expired - Lifetime JP2807399B2 (ja) 1993-07-07 1993-07-07 土壌改良材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2807399B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001107048A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Sakura Gomme Kk 土壌改質材および園芸用土
JP2016216719A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 鹿島建設株式会社 かさ密度調整材及びかさ密度調整方法
WO2020204044A1 (ja) 2019-04-04 2020-10-08 株式会社ジェイエスピー 植物栽培用培地
WO2023219104A1 (ja) * 2022-05-10 2023-11-16 クレサヴァ株式会社 土壌改質材及びその製造方法、並びにそれを用いた土壌の改良方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51145737A (en) * 1975-06-05 1976-12-14 Sakai Textile Mfg Co Ltd Admixture agent to soil
JPS54123453A (en) * 1978-03-09 1979-09-25 Kogyo Gijutsuin Pot for afforestation

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51145737A (en) * 1975-06-05 1976-12-14 Sakai Textile Mfg Co Ltd Admixture agent to soil
JPS54123453A (en) * 1978-03-09 1979-09-25 Kogyo Gijutsuin Pot for afforestation

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001107048A (ja) * 1999-10-04 2001-04-17 Sakura Gomme Kk 土壌改質材および園芸用土
JP4598208B2 (ja) * 1999-10-04 2010-12-15 櫻護謨株式会社 園芸用土
JP2016216719A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 鹿島建設株式会社 かさ密度調整材及びかさ密度調整方法
JP2018076529A (ja) * 2015-05-22 2018-05-17 鹿島建設株式会社 かさ密度調整材
WO2020204044A1 (ja) 2019-04-04 2020-10-08 株式会社ジェイエスピー 植物栽培用培地
WO2023219104A1 (ja) * 2022-05-10 2023-11-16 クレサヴァ株式会社 土壌改質材及びその製造方法、並びにそれを用いた土壌の改良方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2807399B2 (ja) 1998-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6018004A (en) Biodegradable polymers, preparation thereof and use thereof for producing biodegradable moldings
JP4303890B2 (ja) デンプンと多糖エステルを含む生分解性組成物
JPH11500468A (ja) 生分解可能なポリマー、該ポリマーの製法及び生分解可能な成形体の製造への該ポリマーの使用
DE19500757A1 (de) Biologisch abbaubare Polymere, Verfahren zu deren Herstellung sowie deren Verwendung zur Herstellung bioabbaubarer Formkörper
JP2807399B2 (ja) 土壌改良材
JP2743053B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2609795B2 (ja) ポリエステル製発泡性粒子および発泡体
Otey Current and potential uses of starch products in plastics
JP2752881B2 (ja) ポリエステル製テープ
JP2851478B2 (ja) ポリエステル製モノフィラメント
JP2655796B2 (ja) ポリエステル製発泡体の製造方法
JP2752876B2 (ja) ポリエステル製射出成形体
JP2676127B2 (ja) 生分解性ポリエステルの製造方法
JP2709236B2 (ja) ポリエステル製マルチフィラメント
JPH06172620A (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2662492B2 (ja) ポリエステル製中空成形体
JP2801828B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP4092942B2 (ja) 生分解性樹脂成形体の廃棄処理方法
JP2709235B2 (ja) ポリエステル製捲縮繊維
JP2662494B2 (ja) ポリエステル製梱包用バンド
JP2678868B2 (ja) ポリエステル発泡フィルム及び発泡解繊体
JP3238466B2 (ja) ポリエステル製並び繊維
KR100385117B1 (ko) 비료 성분을 포함하는 생분해성 플라스틱
JP2644138B2 (ja) ポリエステル製植生シート
CN116369157A (zh) 一种可降解轻质材料的制备方法