JPH07261011A - 回折構造記録体及びその読み取り方法 - Google Patents

回折構造記録体及びその読み取り方法

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JPH07261011A
JPH07261011A JP7653694A JP7653694A JPH07261011A JP H07261011 A JPH07261011 A JP H07261011A JP 7653694 A JP7653694 A JP 7653694A JP 7653694 A JP7653694 A JP 7653694A JP H07261011 A JPH07261011 A JP H07261011A
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diffractive structure
recording body
diffraction
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diffraction grating
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JP7653694A
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English (en)
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Ryuji Horiguchi
竜二 堀口
Naoko Yoshitake
尚子 吉武
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学的に機械で読み取られる情報が設けられ
ていることをわからなくすることによって、そっくりそ
のまま偽造されることを防止する回折構造記録体とその
読み取り方法を提供すること。 【構成】 所望の文字,絵柄,若しくは模様,又はそれ
らの組合せが回折構造の形成領域によって記録されてい
る回折構造記録体11において、前記回折構造の形成領
域の少なくとも一部領域が、所定の位置と所定の回折方
向を有する回折構造からなる光学的に機械で読み取られ
る識別情報12と、前記回折方向と異なる回折方向を有
する回折構造からなる隠蔽情報14との組み合わせであ
る回折構造記録体11により、偽造者が、所望の文字,
絵柄,若しくは模様,又はそれらの組合せに、もっぱら
目がいき、識別情報が記録されていると気づかれ難い
く、しかも識別情報があると気づいても、どの部分が識
別情報なのかもわからないものであり、しかも意匠的に
違和感の少ないものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、識別情報が記録されて
いること自体わからなくするとともに、識別情報が偽造
されることを防止するための回折構造記録体とその読み
取り方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、回折構造としては、回折格子
や干渉縞を記録したものなどが知られている。このよう
な回折構造は、回折構造に入射する光の波長と入射角
と、回折構造の格子又は縞の向きと間隔とにより、入射
光を所定の方向に回折する。従って、入射光が単波長の
光であれば、回折構造は入射光を所定の方向に回折する
ものの、入射光が白色光などの多波長の光であれば、回
折構造は入射光を波長分散させて所定の方向に回折する
特性がある。
【0003】このような白色光を波長分散させて回折さ
せる回折構造の特性を装飾に利用した例としては、実開
昭59−131900号公報に記載されている光学装飾
装置がある。この光学装飾装置は、ステンドガラス風に
いくつかに区画された領域に、それぞれ格子間隔また方
向の異なった回折格子を形成することで、白色光で照明
された場合、区画された各領域が異なる色彩に見えるよ
うにしたものである。また、見る位置を変えることによ
り、区画された各領域の色彩が変化して見えるものであ
る。
【0004】ところで、回折構造はその構造を解析する
ことが困難であり、かつ回折構造を作成することに多大
なコストを必要とすることに着目し、装飾として利用す
ることに加えて、回折構造であるホログラムを偽造防止
のための要素として、クレジットカードに設けて、目視
によりカードの真贋判定が行われているが、ホログラム
が偽造防止の要素の一つであることが容易にわかり、真
正なホログラムと似たホログラムが作成されてしまい、
しかも、目視による判定のため、真正なホログラムであ
るか否か判断がつきにくく、偽造品を見つけることが困
難であった。
【0005】さらに、特開平3−71384号公報の発
明は、カードに形成されたコード信号としての回折格子
に、発光素子からのレーザー光を照射して、回折格子で
回折されたレーザー光を、所定位置に設けたフォトダイ
オードからなる受光素子で受光し、コードを読み取るも
のであり、受光素子が、所定の強度の回折光を検知し、
コード信号が一致した場合に、カードを正規のカードで
あると識別するという、光学的に機械により回折格子を
認証し、カードの真贋を判定することについて提案して
いる。しかしながら、特開平3−71384号公報の発
明では、回折格子にレーザー光を照射して回折光を検出
する都合上、カードの表面に明らかにコード信号とわか
る回折格子を設けなければならず、偽造防止手段として
の回折格子によるコード信号の存在が明らかになってし
まう。確かに、回折格子はその構造を解析することが困
難であり、作成することに多大なコストを必要とするも
のの、所定の技術を有するものにとっては、同一の回折
格子を作成することは不可能ではなく、単にカードに回
折格子を形成しただけでは、偽造を防止するために不十
分である。
【0006】そこで、本出願人は、特願平4−3292
32号として、図1に示すように、バーコード回折格子
領域21 〜22 を所定の格子方向及び間隔を有する回折
格子で形成し、その周辺を格子方向又は間隔が異なる多
数の回折格子で取り囲みモザイク状にすることで、バー
コード回折格子領域の存在をわからなくするとともに、
たとえわかったとしてもバーコード回折格子領域がどの
回折格子なのかわからないようにした回折格子パターン
記録体を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、モザイク状の
回折格子群自体なんら有用な目視情報を持つものではな
いため、偽造者がモザイク状の回折格子群の存在に疑問
を持ち、なんらかのコード信号の情報を隠蔽する目的で
モザイク状の回折格子群が設けられていることに気づ
き、モザイク状の回折格子群をそっくりそのまま偽造さ
れてしまう可能性を排除することができない。
【0008】本発明はこのような状況を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、光学的に機械で読み取られる
識別情報が設けられていることをわからなくすることに
よって、識別情報も含めてそっくりそのまま偽造される
ことを防止する回折構造記録体とその読み取り方法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の回折構造記録体は、所望の文字,絵柄,若しくは模
様,又はそれらの組合せが回折構造の形成領域によって
記録されている回折構造記録体において、前記回折構造
の形成領域の少なくとも一部領域が、所定の位置と所定
の回折方向を有する回折構造からなる光学的に機械で読
み取られる識別情報と、前記回折方向と異なる回折方向
を有する回折構造からなる隠蔽情報との組み合わせであ
ることを特徴とする。
【0010】ここで、前記隠蔽情報が、前記識別情報の
回折方向と異なる回折方向を有する回折構造からなって
いてもよい。
【0011】また、前記回折構造の形成領域によって記
録されている所望の文字,絵柄,又はそれらの組合せ
を、目視により回折構造記録体の真贋を判別する情報と
し、前記識別情報を、光学的に機械により回折構造記録
体の真贋を判別する情報とすることもできる。
【0012】さらに、前記識別情報や前記隠蔽情報を、
回折方向の異なる複数種の回折格子またはホログラムか
ら構成させることもでき、前記識別情報を、直線状に並
ばせて形成することもできる。
【0013】上記目的を達成する本発明の回折構造記録
体の読み取り方法は、所望の文字,絵柄,若しくは模
様,又はそれらの組合せが回折構造の形成領域によって
記録されている回折構造記録体の少なくとも一部領域に
照明光を照射するステップと、前記照明された領域に形
成されている回折構造のうち、所定の位置と所定の回折
方向を有する回折構造からなる識別情報からの回折光を
選択的に受光するステップと、前記受光された識別情報
からの回折光により回折構造記録体の真贋を判別するス
テップとを含むことを特徴とする。
【0014】この場合、前記受光された識別情報の回折
光を時間的な信号とするステップを含んでいてもよい。
【0015】
【作用】本発明の回折構造記録体によると、識別情報
が、隠蔽情報と組合わさって、所望の文字,絵柄,若し
くは模様,又はそれらの組合せの回折構造の形成領域の
一部を担っているため、識別情報が記録されていると気
づかれ難いく、しかもどの部分が識別情報なのかもわか
らない。
【0016】ここで、前記隠蔽情報が、前記識別情報の
回折方向と異なる回折方向を有する回折構造からなって
いれば、回折構造記録体が複数の回折方向を有する回折
光を発生させることができる。
【0017】また、前記回折構造の形成領域によって記
録されている所望の文字,絵柄,又はそれらの組合せ
を、目視により回折構造記録体の真贋を判別する情報と
し、前記識別情報を、光学的に機械により回折構造記録
体の真贋を判別する情報としているため、識別情報をも
含めて回折構造自体をそっくりそのまま偽造されない限
り、偽造された回折構造記録体を光学的に機械で判別す
ることができる。
【0018】さらに、前記識別情報や前記隠蔽情報を、
回折方向の異なる複数種の回折格子またはホログラムか
ら構成させれば、識別情報として記録する情報の量を増
やしたり、隠蔽の度合いを向上させることもでるととも
に、撮影により複製することができず偽造防止効果が高
く、前記識別情報を、直線状に並ばせれば、識別情報を
読み取る際に、その直線に沿って読み取ることで、識別
情報を読み取ることができる。
【0019】本発明の回折構造記録体の読み取り方法に
よれば、回折構造による所望の文字,絵柄,若しくは模
様,又はそれらの組合せからの回折光のうち、識別情報
からの回折光を選択的に読み取り、回折構造記録体の真
贋を判別するため、識別情報を読み取っていることがわ
からないとともに、どの回折構造形成領域からの回折光
が識別情報として読み取られているかもわからない。
【0020】この場合、前記受光された識別情報の回折
光を時間的な信号とするステップを含んでいれば、識別
情報が形成されている識別領域の位置と大きさを容易に
読み取ることができる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照にして本発明の回折構造記
録体とその読み取り方法の実施例について説明する。な
お、以下において、回折格子により情報を記録するもの
として説明するが、回折格子の代わりにほぼ平行な干渉
縞からなるホログラムを用いてもよい。
【0022】図2は、本発明の1実施例として、光学的
に機械で読み取られる識別情報を回折格子の形成領域で
記録した回折格子記録体11の平面図であり、図中符号
12a〜12dで示した4つの領域が、識別情報の記録
されている識別領域である。また、2本の平行な点線に
挟まれた領域13は、後述する回折格子記録体11の読
み取り装置によって、発光素子からの照明光が照射され
る読取領域であり、この読取領域13中の識別領域12
a〜12d以外の領域14a〜14cは、隠蔽情報の記
録されている隠蔽領域であり、さらに、読取領域13以
外の領域に、第2の隠蔽情報が記録されている第2の隠
蔽領域15である。
【0023】ここで、識別領域12a〜12d,隠蔽領
域14a〜14c,及び、第2の隠蔽領域15に、それ
ぞれ回折格子が形成されており、音譜の組み合わせとし
て、所望の文字,絵柄,若しくは模様,又はそれらの組
合せの1実施例である。回折格子記録体11の識別領域
12a〜12d,隠蔽領域14a〜14c,及び、第2
の隠蔽領域15以外の領域には、回折格子が形成されて
おらず、音譜の組み合わせが目立つようにしてある。さ
らに、音譜の組み合わせが目立つようにするためには、
回折格子が形成されていない領域をマット状の凹凸表面
とすることで、入射光を散乱させることにより、音譜の
組み合わせからの回折光の強度を相対的に高めることが
できる。また、識別領域12dと隠蔽領域14cとから
なる、図2の一番右の音譜のように、一つの閉領域の図
形を複数の領域に分割し、異なる光の回折方向を有する
回折格子を分割された各領域に形成してある。このよう
にすると、所望の文字,絵柄,若しくは模様,又はそれ
らの組合せの選択の幅が広がるとともに、識別領域を所
望の位置に形成し易く、さらに、分割された各領域で光
の回折方向が異なるため、白色光下では、波長分散され
た光が分割された各領域を異なる色のキラキラした状態
とし、意匠性の向上はもちろん、識別領域の隠蔽の向上
を図ることができる。
【0024】回折格子記録体11に対して相対的に発光
素子と受光素子とを矢印の方向に移動させて時間的な信
号として読み取る場合、4つの識別領域12a〜12d
を、図2のように、読取領域13内で、移動方向(矢
印)に対して実質的に垂直な2直線に挟まれた領域にす
れば、発光素子から照射される照明光の照射位置が、図
中上下方向に多少のズレが生じたとしても、支障なく識
別領域12a〜12dからの回折光を受光することがで
き、識別情報を正確に読み取ることができる。
【0025】次に、図3及び図4で回折格子記録体11
の第1の読み取り装置を説明するとともに、本発明の回
折構造記録体の読み取り方法について説明し、さらに、
回折格子記録体11のより詳細な説明を行う。図3は、
回折格子記録体11の第1の読み取り装置の側面図であ
り、半導体レーザーなどからなる可干渉光を発生する発
光素子31、フォトダイオートなどからなる受光素子3
4から構成されている。発光素子31から照射された照
明光32は、基材30に形成された回折格子記録体11
の識別情報が回折格子として形成された識別領域12a
〜12dで、照明光32の一部が回折光33として反射
回折され、受光素子34に到達するものである。図3の
ように回折格子記録体面に対して垂直に照明光32を入
射させた場合、一般的な回折格子であれば、±n次回折
光が、格子方向と垂直な方向に、照明光32を軸として
対称な位置に発生するものである。
【0026】図4は、図3に示されている回折格子記録
体11の第1の読み取り装置の上面図であり、受光素子
34が、照明光32の照射光32を軸に0°,45°,
90°,135°,180°,225°,270°,及
び,315°の位置に合計8個設けられている。回折格
子が、ブレーズド回折格子(鋸歯状の回折格子)でな
く、一般的な回折格子である場合には、前述の理由によ
り、180°,225°,270°,及び,315°の
位置の4個の受光素子34を省略することができる。ま
た、回折格子がブレーズド回折格子であれば、一般的な
回折格子に比べ、1素子(領域)当たりの情報量を2倍
とすることができる。例えば、上述の例では、一般的な
回折格子に4方向の回折方向から回折方向を選択するこ
とができるのに対して、ブレーズド回折格子であれば、
8方向の回折方向から回折方向を選択することができ
る。
【0027】ここで、照明光32の照射位置の大きさ
は、直径0.5mm程度の大きさであり、相対的に固定
された発光素子31と受光素子34に対して、回折格子
記録体11を矢印の方向に移動させることにより、読取
領域13に形成されている識別領域12a〜12dを読
み取ることができる。カードを一定の速度で移動させる
ことにより、受光素子34が、回折光33を受光してい
る時間や、回折光33を受光するまでの時間により、識
別領域12a〜12dの回折格子記録体11の移動方向
の幅と識別領域12a〜12dの形成されている位置を
検出することができる。このように、読み取った回折光
33の回折方向や識別領域12a〜12dの回折格子記
録体11の移動方向の幅と識別領域12a〜12dの形
成されている位置の情報を、予め記憶装置(図示せず)
に記憶されている情報、若しくは、回折格子記録体11
の識別情報の読み取りと実質的に同時に入力装置(図示
せず)から入力された情報と比較して一致した場合のみ
回折格子記録体11を真正なものとする判断手段を設け
てもよい。
【0028】図3及び図4に示される回折格子記録体の
第1の読み取り装置を使用する場合、4つの識別領域1
2a〜12dには、格子間隔が1.26μmと一定であ
り、格子方向が0°,90°,+45°,又は,−45
°から選択された回折格子が各識別領域ごとに形成され
ている。また、各識別領域ごとに形成される回折格子の
格子方向を上記4方向から1つ選択するのに加えて、上
記4方向から2つ選択してもよい。例えば、識別領域1
2aに格子方向が鉛直方向(90°)の回折格子を形成
し、同様に識別領域12bに水平方向(0°)と−45
°の2方向、識別領域12cに+45°、領域12dに
+45°と−45°の2方向の格子方向を有する回折格
子がそれぞれ形成されている。この場合には、前述のよ
うに、格子方向と垂直な方向に回折光が発生することか
ら、図5に示されているように、−45°,0°,+4
5°,及び,90°の位置に設けられた各受光素子に受
光された回折光が、回折格子記録体の移送速度が一定の
場合に、横軸を時間として時間的な信号で読み取ること
ができる。
【0029】なお、複数の格子方向の回折格子を1つの
識別領域に形成する場合には、多重露光のように、単に
複数の回折格子を重ねて形成してもよく、また、1つの
識別領域をさらに市松模様のように複数の領域に分け
て、それぞれ1種類の回折格子を形成してもよく、この
場合、単に複数の回折格子を重ねて形成した場合に比べ
て、回折効率がいいため望ましい。なお、1つの識別領
域に1つの格子方向を有する回折格子を形成した場合、
受光素子の数がn個だとすれば、1つの識別領域に記録
される情報がnとおりであるのに対して、1つの識別領
域に複数の、例えば、2つの格子方向を有する回折格子
を形成すれば、1つの識別領域に記録される情報は、n
2 とおりとなり、識別情報の量を増やすことができる。
【0030】読取領域13内で、識別領域12a〜12
d以外の領域である隠蔽領域14a〜14cに形成され
る回折格子は、読み取り装置での誤作動を防止するため
に、格子間隔が、識別領域では1.26μmであるのに
対して、0.8μmと変えてある。このように、格子間
隔を変えることによって、回折格子記録体面に対する回
折光の角度を異ならせることができるため、照明光32
による照射位置35を中心として回折格子記録体面から
所定の角度の位置に設けられた受光素子34に、識別領
域12a〜12dに形成された回折格子からの回折光の
みが到達し、それ以外の読取領域13の隠蔽領域14a
〜14cに形成された回折格子からの回折光は到達しな
いので、回折格子記録体の第1の読み取り装置での誤作
動を防止することができるものである。また、読取領域
13以外の領域、例えば第2の隠蔽領域15に形成され
る回折格子は、光学的に機械で読み取る際に、発光素子
31からの照明光32が照射されない領域であるため、
格子方向及び格子間隔を任意に選択することができる。
従って、識別領域12a〜12dを目ただなくさせるた
めに、識別領域12a〜12dと同様の格子間隔及び格
子方向の回折格子を一部の領域に形成することが望まし
い。
【0031】本発明に使用される回折格子記録体の第2
の読み取り装置を、図6及び図7に基づいて説明する。
なお、図3又は図4で示した第1の読み取り装置と同じ
ものについては、同一の符号を付した。図6は第2の読
み取り装置の側面図、図7は第2の読み取り装置の上面
図であり、図3に示した第1の読み取り装置が、回折格
子記録体11面から同じ距離で、照明光32を中心とし
て同じ距離の位置に受光素子34を円筒状の8個設置し
たのに対して、第2の実施例の読み取り装置では、回折
格子記録体11面から同じ距離の平面内に、前記平面と
照明光32との交点を中心として同じ方向に、中心から
異なる距離に3個の受光素子34を配置した点で異な
る。このように回折格子記録体11面から同じ距離の平
面の前記中心から同じ方向に、異なる距離に複数の受光
素子34を配置すると、格子方向が同一で、格子間隔の
異なる複数の回折格子を読み取ることができる。
【0032】図3及び図4で示した第1の読み取り装置
の受光素子の配置と、図6及び図7で示した第2の読み
取り装置の受光素子の配置とを組み合わせて、前記交点
を中心として、同心円状に複数の受光素子を配置すれ
ば、それだけ光学的に機械で読み取る識別情報の種類を
増やすことができる。また、第1の及び第2の読み取り
装置では、発光素子31からの照明光32を回折格子記
録体面に対して垂直に入射させたが、発光素子31と受
光素子34と回折格子記録体面との位置関係は、格子方
向及び格子間隔に基づく相対的なものであり、読み取り
装置の小型化などの他の要因により適切な位置関係を選
択すればよい。
【0033】基材30に回折格子記録体11を転写して
いる様子を示す図8に基づいて、本発明の実施例の回折
格子記録体11の製造方法について説明する。先ず、ガ
ラス板上に電子線で感光するフォトレジストを0.2μ
mの厚さで、スピンナーにより塗布後乾燥させたもの
に、識別情報が形成される識別領域12a〜12d、隠
蔽情報が形成される隠蔽領域14a〜14c、第2の隠
蔽領域15のそれぞれの位置、及び、それぞれの領域に
形成される回折格子の格子方向や格子間隔をも含めてデ
ザインされた音譜の絵柄のデータに基づいて、回折格子
の格子1本1本を電子線描画装置により感光させ、現像
して不必要なフォトレジストを除去する。このようにし
て回折格子の格子が凹凸として記録されたフォトレジス
ト表面に、ニッケルメッキを施して、フォトレジストか
らニッケル部分を剥離することにより、表面に凹凸とし
て回折格子が形成されたスタンパーを作成する。ここ
で、電子線描画装置によりフォトレジストに直接回折格
子を形成する方法について説明したが、他に、レーザー
光などのコヒーレント光を、ハーフミラーで2光束に分
割し、両者を所定の角度で交差させて、その干渉縞をガ
ラス板上のフォトレジストに記録することにより、回折
格子を形成することもできる。この干渉縞を記録する方
法は、一度に大面積の領域に回折格子を形成することが
できるため多用されているが、格子方向や格子間隔の異
なる複数種類の回折格子を作成する場合には、2光束の
フォトレジストへの入射角度や2光束の交差角度を変え
て、その回折格子の種類の数だけ多重露光しなければな
らず、さらに、図2のような複数の領域に複数の回折格
子を形成する際には、回折格子を形成するフォトレジス
トの領域を限定するマスクを露光の度に変えねばならず
非常に手間のかかるものである。
【0034】また、25μm厚さのポリエチレンテレフ
タレートからなるベースフィルム41に、メチルメタク
リレート樹脂からなる剥離性を有する保護層42を1μ
m厚さにコーティングし、さらに、メチルメタクリレー
トからなる熱可塑性樹脂を2μm厚さにコーティングし
て回折格子層43を形成し、この回折格子層43の表面
にアルミニウムを400Åの厚さに真空蒸着して反射層
44を形成して被エンボス材を準備する。この被エンボ
ス材の反射層44表面に、前記スタンパーを対接させ
て、熱圧力を加えて、回折格子の凹凸を前記表面に複製
する。さらに、この反射層44の凹凸表面に、アクリル
系樹脂と塩化ビニル酢酸ビニル共重合体の混合物からな
るヒートシール剤を4μm厚さにコーティングして感熱
接着剤層45を形成して、回折格子転写シートを作成す
る。次に、カードなどからなる基材30に、回折格子記
録体11を形成する方法について説明する。前述の回折
格子転写シートの感熱接着剤層45側を基材に接するよ
うに重ねて、前記回折格子転写シートのベースフィルム
41側から、加熱された刻印を押圧した後、ベースフィ
ルム41を剥離すると、刻印が押圧された部分のみ基材
30上に残存し、以上により基材30上に回折格子記録
体11が形成される。
【0035】なお、基材上に回折格子記録体を形成する
方法としては、前述の転写シートによる方法の他に、シ
ール状の回折格子記録体を基材上に貼ってもよく、この
ようにすれば、手軽に回折格子記録体を基材上に形成で
き、また、基材に直接、前述のスタンパーで回折格子の
凹凸を形成すれば、転写工程などを減らすことができ、
製造工程の簡略化が可能となる。
【0036】以上説明したように、本発明の回折構造記
録体及びその読み取り方法を実施例に基づいて説明して
きたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形
が可能である。例えば、電子線により回折格子を形成し
たが、電子線の代わりに、イオンビームやX線などを用
いて回折格子を形成してもよく、また、読取領域13内
の識別領域12a〜12dに形成される回折格子と、隠
蔽領域14a〜14cに形成される回折格子とは、図3
及び図4に示した読み取り方法の実施例において、異な
った格子間隔の回折格子を形成するとしたが、受光素子
34が図4に示すような配置ではなく、受光素子34
が、例えば、0°の位置に設けられた1つだけの場合、
隠蔽領域14a〜14cに形成される回折格子は、識別
領域12a〜12dに形成される回折格子と、同じ格子
間隔、同じ格子方向を有する回折格子でなければ、どの
ような回折格子でもよい。また、一つの回折格子記録体
に読取領域を複数設ければ、光学的に機械で読み取られ
る情報の量を増やすことができる。さらに、本発明の回
折構造記録体における、所望の文字,絵柄,若しくは模
様,又はそれらの組合せとして、音譜による絵柄を実施
例としてが、その他に、数字やアルファベットの組合せ
による模様や、社名、幾何学模様など、光学的に機械で
読み取られる情報の領域を隠蔽できるものであればよ
い。さらにまた、反射層44を省略して透過型の回折構
造記録体とすることもでき、反射層44のアルミニウム
の代わりに、酸化チタンや硫化亜鉛などの回折格子層4
3の屈折率と異なる材料用いることで、透過反射型の回
折格子記録体とすることもできる。この場合、所定の角
度から観察した場合は、回折格子記録体からの回折光を
観察でき、それ以外の角度から観察した場合は、回折格
子記録体が単なる透明体としてしか観察されず、回折格
子記録体の下層の情報を観察することができるものであ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明の回折構造記録体によると、識別
情報が、隠蔽情報と組合わさって、所望の文字,絵柄,
若しくは模様,又はそれらの組合せの回折構造の形成領
域の一部を担っているため、偽造者が、所望の文字,絵
柄,若しくは模様,又はそれらの組合せに、もっぱら目
がいき、識別情報が記録されていると気づかれ難いく、
しかも識別情報があると気づいても、どの部分が識別情
報なのかもわからないものであり、しかも意匠的に違和
感の少ないものである。
【0038】ここで、前記隠蔽情報が、前記識別情報の
回折方向と異なる回折方向を有する回折構造からなって
いれば、回折構造記録体が複数の回折方向を有する回折
光を発生させることができるため、回折構造記録体を多
色の回折光によるキラキラした状態にすることができ、
よりいっそう、識別情報を隠蔽することができる。
【0039】また、前記回折構造の形成領域によって記
録されている所望の文字,絵柄,又はそれらの組合せ
を、目視により回折構造記録体の真贋を判別する情報と
し、前記識別情報を、光学的に機械により回折構造記録
体の真贋を判別する情報としているため、識別情報をも
含めて回折構造自体をそっくりそのまま偽造されない限
り、偽造された回折構造記録体を光学的に機械で判別す
ることができるため、真贋判別効果が高く、偽造防止に
有用である。
【0040】さらに、前記識別情報や前記隠蔽情報を、
回折方向の異なる複数種の回折格子またはホログラムか
ら構成させれば、識別情報として記録する情報の量を増
やしたり、隠蔽の度合いを向上させることもできるとと
もに、撮影により複製することができず偽造防止効果が
高く、前記識別情報を、直線状に並ばせれば、識別情報
を読み取る際に、その直線に沿って読み取ることで、識
別情報を読み取ることができる。
【0041】本発明の回折構造記録体の読み取り方法に
よれば、回折構造による所望の文字,絵柄,若しくは模
様,又はそれらの組合せからの回折光のうち、識別情報
からの回折光を選択的に読み取り、回折構造記録体の真
贋を判別するため、識別情報を読み取っていることがわ
からないとともに、どの回折光が識別情報として読み取
られているかもわからず、偽造を防止することができ
る。
【0042】この場合、前記受光された識別情報の回折
光を時間的な信号とするステップを含んでいれば、識別
情報が形成されている識別領域の位置と大きさを容易に
読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の偽造防止用回折構造記録体について説明
するための平面図である。
【図2】本発明の回折構造記録体の実施例の平面図であ
る。
【図3】本発明の回折構造記録体の第1の読み取り装置
を示す側面図である。
【図4】図3の上面図である。
【図5】図2の回折構造記録体を図4の読み取り装置で
光学的に読み取った場合の時間的な信号を示した図であ
る。
【図6】本発明の回折構造記録体の第2の読み取り装置
を示す側面図である。
【図7】図6の上面図である。
【図8】本発明の実施例である回折格子記録体を基材に
転写で形成する場合の模式図である。
【符号の説明】
1 従来の回折構造記録体 21 〜24 バーコード回折格子領域 11 回折格子記録体 12a〜12b 識別領域 13 読取領域 14a〜14c 隠蔽領域 15 第2の隠蔽領域 30 基材 31 発光素子 32 照明光 33 回折光 34 受光素子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の文字,絵柄,若しくは模様,又は
    それらの組合せが回折構造の形成領域によって記録され
    ている回折構造記録体において、前記回折構造の形成領
    域の少なくとも一部領域が、所定の位置と所定の回折方
    向を有する回折構造からなる光学的に機械で読み取られ
    る識別情報と、回折構造からなる隠蔽情報との組み合わ
    せであることを特徴とする回折構造記録体。
  2. 【請求項2】 前記隠蔽情報が、前記識別情報の回折方
    向と異なる回折方向を有する回折構造からなることを特
    徴とする請求項1に記載の回折構造記録体。
  3. 【請求項3】 前記回折構造の形成領域によって記録さ
    れている所望の文字,絵柄,又はそれらの組合せが、目
    視により回折構造記録体の真贋を判別する情報であり、
    前記識別情報が、光学的に機械により回折構造記録体の
    真贋を判別する情報であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の回折構造記録体。
  4. 【請求項4】 前記識別情報が、回折方向の異なる複数
    種の回折格子またはホログラムからなっていることを特
    徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の回折構
    造記録体。
  5. 【請求項5】 前記隠蔽情報が、回折方向の異なる複数
    種の回折格子またはホログラムからなっていることを特
    徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の回折構
    造記録体。
  6. 【請求項6】 前記識別情報が、直線状に並んでいるこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の
    回折構造記録体。
  7. 【請求項7】 所望の文字,絵柄,若しくは模様,又は
    それらの組合せが回折構造の形成領域によって記録され
    ている回折構造記録体の少なくとも一部領域に照明光を
    照射するステップと、前記照明された領域に形成されて
    いる回折構造のうち、所定の位置と所定の回折方向を有
    する回折構造からなる識別情報からの回折光を選択的に
    受光するステップと、前記受光された識別情報からの回
    折光により回折構造記録体の真贋を判別するステップと
    を含むことを特徴とする回折構造記録体の読み取り方
    法。
  8. 【請求項8】 前記受光された識別情報の回折光を時間
    的な信号とするステップを含むことを特徴とする請求項
    7に記載の回折構造記録体の読み取り方法。
JP7653694A 1994-03-23 1994-03-23 回折構造記録体及びその読み取り方法 Pending JPH07261011A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007233911A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Toppan Printing Co Ltd 情報記録媒体の秘匿情報検証装置

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