JPH07260737A - 生体電気化学反応のモニター方法とその反応媒体 - Google Patents

生体電気化学反応のモニター方法とその反応媒体

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JPH07260737A
JPH07260737A JP5239019A JP23901993A JPH07260737A JP H07260737 A JPH07260737 A JP H07260737A JP 5239019 A JP5239019 A JP 5239019A JP 23901993 A JP23901993 A JP 23901993A JP H07260737 A JPH07260737 A JP H07260737A
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reaction
analyte
bioreceptor
electrode
electrolyte
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JP5239019A
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Peter Francis Tourneur Anthony
アンソニー・ピーター・フランシス・ターナー
Saini Selwayan
セルウェイヤン・サイニ
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City Technology Ltd
Cranfield Institute of Technology
Original Assignee
City Technology Ltd
Cranfield Institute of Technology
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    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54366Apparatus specially adapted for solid-phase testing
    • G01N33/54373Apparatus specially adapted for solid-phase testing involving physiochemical end-point determination, e.g. wave-guides, FETS, gratings
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    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気化学セルを利用して分析物をモニターす
ることにより気相ないし蒸気相の基質の反応を求める効
率的、かつ、安定した方法と装置を提供する。 【構成】 生体受容体ないし生体機能模倣体が電極の支
持体に保持された状態で、気相ないし蒸気相の分析物を
同定する。電極の支持体は、好ましくは電解質、特に有
機塩電解質の固相ないしゲル状マトリックスで構成す
る。これによる分析物の電気化学検定法は、溶液モニタ
ーによる従来法よりも優れた利点をいくつか有してい
る。例えば、生体受容体ないし生体機能模倣体との反応
により分析物をモニターするガスセンサーが得られる
し、また、生体受容体ないし生体機能模倣体反応の阻害
による毒物の有無をモニターすることもできる。更に、
高感度、高速度で、しかも、安定して気相ないし蒸気相
の分析物をセンサーでモニターすることもできる。本発
明は生体電気化学反応を行う新規な媒体にも関してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体電気化学反応に関す
る。特に、本発明は、電気化学セルを利用して分析物を
モニターすることにより、ガスないし蒸気の基質の反応
を求める方法に関する。また、本発明は、生体電気化学
反応を進めるための新規な媒体と、酵素電極における当
該媒体の利用にも関する。
【0002】
【従来の技術】生体電気化学反応を行うとともに、それ
をモニターするのに酵素電極が使われているのはよく知
られているところである。このような反応は、一般に水
溶液の中で行われている。また、国際特許出願公開第WO
89/04364号に開示されているように、液相の基質の反応
を検出するために、有機ないし水溶性微粒溶媒に酵素電
極を利用することも知られているところである。
【0003】気相において反応をモニターする方法も知
られている。種々の毒性ないし有害なガス体が自然界な
いし人体から発生していること、また、プロセス制御を
鑑みれば、気相分析物のモニターにガスセンサーが利用
できるのは明らかである。従来のガスセンサーは生体適
合性がないので、一般に光学検出装置ないし電気化学性
金属酸化物を利用した半導体検出装置が用いられてい
る。ところが、このような装置は、ある用途では十分な
感度を発揮できず、有機質蒸気などの複雑な混合物にお
いて分析物の検出の場合に示される選択性が比較的乏し
いなどの問題がある。高度な電子技術を用いればこのよ
うな欠点を補うことができるが、コスト高を招く結果に
なる。
【0004】一般に半導体型ガスセンサーよりも低電力
で稼働し、室温で動作するセンサーとして、電流滴定型
電気化学ガスセンサーも知られている。このようなガス
センサーでも、ある分析物に対しては選択性を示さない
ことがある。
【0005】非生物学ガスセンサーの一例として、ドイ
ツ特許公開公報DE-A-4032599号に開示されたものがあ
る。この文献によれば、電解質と触媒とを含む三次元ポ
リウレタンマトリックスが検定電極に設けられている。
この検定電極と第2電極、即ち、対抗電極との間に発生
する電流は、検定成分の分圧に依存している。
【0006】しかし、この文献に開示されているものは
生体電気化学反応に係わるものではないので、生体受容
体ないし生体機能模倣体(biomimic)を固相ないし半固相
状態に保持することや、センサーを気相基質に接触させ
ることなどについては触れていない。
【0007】選択性を向上させようとすると、非生物学
ガスセンサーには、ターゲット分析物に対して何らかの
形で選択性を示す液体電解質を慎重に選んで用いる必要
がある。例えば、ガスの溶解性、分析物のpH値、溶質
と分析物との間の反応ないし複合体形成などのパラメー
ターを用いて、ある種の分析物の溶解を促進することが
できる。
【0008】別の方法として、センサーに生物学的触媒
を用いれば、当該センサーの選択性を向上させることが
できる。このようなセンサーも公知ではあるが、そのよ
うなセンサーでは、通常、検出に先立って大量の移動性
液相に気体性分析物を溶解させておく必要がある。この
点については、Analytica Chimica Acta、135(1982)、6
1-67 におけるアイ・カルベ(I. Karube) 等による論
稿、Anal. Chem.、(1980) 52 、1020-1024 におけるエ
ム・ヒクマ(M. Hikuma)等による論稿、ニューヨークの
プレナム・プレス(Plenum Press)社から1974年に出版さ
れた、イー・ケー・パイ(E.K. Pye)とエル・ビー・ウィ
ンガード、ジュニヤー(L.B. Wingard Jr.)の共同編纂に
よる「Enzyme Engineering(酵素工学)」、Vol. 2、p3
93、におけるエル・エッチ・グッドソン(L.H. Goodson)
とダブリュー・ビー・ヤコブス (W.B. Jacobs)の論稿な
どを参照されたし。この種の装置において用いられてい
る液体電解質は、一般に生体触媒の生理学的要件に応じ
て定まっており、生体触媒に適した条件を維持する場
合、溶液のpH値やイオン強度などを考慮に入れる必要
がある。
【0009】電気化学分野への調査も行われている。J.
Chem. Soc. (1988)、110 、の2321ページから2322ペー
ジにかけて、ビー・エヌ・オリバー(B.N. Oliver) 等
が、蛋白質と高分子溶媒のソリッドステートによるボル
タンメトリーへの研究結果を報告している。酸化還元(r
edox)蛋白質であるチトクロームCを半硬質ポリマーフ
ィルムに溶解している。そこで、イオン導電性薄膜(thi
n ionically conductingfilm)を湿潤するか、または、
微小液滴を添加すると、半硬質ポリマーフィルムにおい
てチトクロームCの電子移転と拡散が生じることが報告
されている。著者は、この研究を利用すれば固相型生体
センサーないしソリッドステート型酵素触媒が開発でき
ると提案しているが、その後の進展については何も報告
されていない。
【0010】生物学的反応を利用したガスセンサーも知
られているところである。例えば、国際特許出願公開第
WO88/01299号には、気相状態の化学組成物を検出する方
法と装置とが開示されている。そこでは、気相状態の検
出すべき組成物のpH値、酸化作用、それにその他の化
学的インプットに対して応答する着色指示薬 (colorind
icator)を用いて酵素を有機質ないし無機質硬質支持体
に固定して、制御された条件の下で脱水化している。検
出すべき物質を含むガスにこの酵素が曝されると、着色
指示薬の色が変わる。この場合での酵素に使われる硬質
支持体の一例として、微結晶性セルローズが用いられて
いるが、この文献は反応をモニターするために電気化学
的セルを用いる点に関するものではなく、従って、反応
をモニターするのに適した電解質を供するという課題に
係わるものではない。
【0011】他方、米国特許第4、525、704 号には、酵素
型毒性ガスセンサーが開示されている。このガスセンサ
ーは、酵素を活性状態に維持するべく作用する緩衝溶液
を含む緩衝液溜めを備え、酵素はガラスビードと共有結
合することにより固定されるようになっている。この装
置においては、酵素との反応に用いる基質が、基質を含
浸させたフィルター紙として組み込まれている。そこ
で、毒性ガスである分析物があると、液相基質が酵素と
電気化学反応するのが阻害されるようになっている。
【0012】アール・ケー・プール(R.K. Poole)とシー
・エス・ダウ(C.S. Daw)の共同編纂による、アカデミッ
クプレス社(Academic Press)から1985年に出版された
「Microbial Gas Metabolism(微生物のガス代謝)」の
第161 ページから第179 ページにかけて、エー・ピー・
エフ・ターナー(A.P.F. Turner) 等が、溶液として、ま
た、気体としての一酸化炭素に反応する一酸化炭素セン
サーを開示している。このセンサーについては、Analyt
ica Chimica Acta、163 (1984) 161-174、で詳細に説明
されている。この研究報告によれば、酵素と基質の反応
は液相において起こるようになっている。
【0013】更に、前述したように、装置の安定性に問
題があって、商業的ベースで有用な装置を製造するため
には、もっと安定した方法が必要である。
【0014】しかし、液体電解質を利用した電気化学ガ
スセンサーは、液体系に固有の問題点を抱えている。即
ち、溶媒の蒸散により寿命が限られていること、また、
電極が腐食すること、センサー構成部品が損失するなど
の問題がある。電極が腐食反応するとそれに伴ってガス
が発生するが、そのガスがシールを損傷することになっ
て電解質の漏れが発生することになる。
【0015】酵素電極はよく知られているところではあ
るが、分析物が酵素の活動を抑制する阻害物質でない場
合や、酵素を液相に保持できない場合に、電気化学セル
を利用して分析物をモニターできる有用な方法は、今の
所報告されていない。
【0016】本発明者等は、電気化学セルの検出電極を
用いて気相ないし蒸気相の分析物をモニターするのに適
した新規な媒体を発見した。この新規な媒体は、従来例
に付随する諸問題点を解消できるセンサーを提供した
り、装置の安定性と寿命を向上させるのに用いることが
できる。
【0017】また、本発明者等は、本発明の装置におい
て電解物と酵素と電極の界面を形成するのに用いられる
接触型溶媒媒体の使用をやめることができるのを発見し
た。また、電解質と生物学的触媒を電極上に保持して、
その作用を維持する新規な方法をも発見した。
【0018】
【発明の要旨】ある一面における本発明の方法は、ガス
相ないし蒸気相のおける分析物を検出する方法で、ガス
相ないし蒸気相の分析物を電気化学セルの検出電極に接
触させて、基質が固相ないし半固相の生体受容体ないし
生体機能模倣体と接触して反応するように、検出電極上
の電解質からなる支持体に生体受容体ないし生体機能模
倣体を保持し、然る後に分析物の濃度に対応し得るセル
の電気レスポンスを測定することよりなる。
【0019】この方法は、生体受容体ないし生体機能模
倣体に対する阻害物質を検出するのに有用な気相状態の
生体電気化学反応をモニターするものであるが、分析物
が生体受容体ないし生体機能模倣体に対して毒性のない
ものの場合でも、反応をモニターするのにも有用なもの
である。いずれにしても、検出して得られる電気レスポ
ンスは、発生している反応によるものであって、阻害作
用によるものではない。これにより、電気化学モニター
法により種々のガスを検出するとか、ガスセンサーの用
途を著しく広げることができる。従って、本発明の好ま
しい実施例では、セルの電気レスポンスは、高濃度の分
析物にさらせば、さらすほど増大する。
【0020】液体溶液生体触媒電気化学法では、多孔質
電極構造体を系で用いていようとも、また、マトリック
ス材が電極本体を取り囲んでいようとも、溶液のイオン
や反応基質、反応生成物などは、マトリックス材に対し
て入出することができる。溶液媒体の場合では、生体触
媒が自由移動性液体と接触している。本発明では、支持
体で生体受容体ないし生体機能模倣体が大量の溶液と接
触しないようにすることができる。
【0021】従って、溶媒媒体も、活性生物学的成分と
共にイオン導電性マトリックスを気相ないし蒸気相と直
接接触させたまま、残留させることができるのも判明し
た。更に、気相種を電極に拡散せしめると共に、その電
極において反応を起こすようにすることにより、電気化
学反応を発生させることができるのも判明したし、ま
た、酵素の如くの生物学成分とイオン性マトリックスと
の緻密な接触も達成できるので、電気化学反応を気相反
応体の生体化学反応と結びつけることができることも判
明した。
【0022】生体受容体としては、反応体と結合できる
と共に、検出しうる電気化学反応作用を醸し出す生物学
的分子なら、どのようなものであってもよい。生体機能
模倣体としては、生体受容体に類似する人工的に合成し
た、例えばシン酵素(synzymes)の如きの化学物質を意味
する。生体受容体としては、抗体、結合蛋白質、酵素な
どの生物学的触媒などがあげられる。
【0023】生体受容体ないし生体機能模倣体は、一般
に酵素の如くの生物学的触媒である。生体受容体ないし
生体機能模倣体が酵素、或いは合成したその等価物であ
る場合、基質としては酵素基質ないし酵素コファクター
であってもよい。生体受容体ないし生体機能模倣体は、
固相または半固相の状態になっている。この表記は、液
相でもなく、気相でもないことを意味する。また、生体
受容体ないし生体機能模倣体は、一般にほぼ脱水された
状態にあってもよい。生体受容体ないし生体機能模倣体
の活動度を維持するためには、生体受容体ないし生体機
能模倣体の回りに水和殻が必要であることが判明した。
この水和殻は、生体受容体ないし生体機能模倣体が三次
元構造を保つために必要であり、これにより生体受容体
ないし生体機能模倣体が活動度を維持するすることがで
きるのである。従って、生体受容体ないし生体機能模倣
体がほぼ脱水されていても、活動度を維持するに必要な
脱水度に充分脱水されたことになり、従って、無水化さ
れていなくともよい。
【0024】本発明は、生体受容体ないし生体機能模倣
体との反応に用いる基質が分析物から派生している反応
作用をモニターするのに特に有用である。この場合に考
えられるものの一つとして、生体受容体ないし生体機能
模倣体の基質として分析物を用いることがある。別の方
法としては、生体受容体ないし生体機能模倣体が、電極
において直接電気化学反応を起こす生成物への分析物の
変換作用に対して触媒作用すること、また、生体受容体
ないし生体機能模倣体が恐らくは仲介媒体の働きで基質
の酸化作用ないし還元作用をもたらすものであって、そ
れ故に基質と電極との間での電子の転移に係わっている
こと、更には、分析物が電極における支持体において例
えば酵素と反応して、生体受容体ないし生体機能模倣体
と結合する基質を生成することなどが考えられる。
【0025】別の方法としては、分析物は、生体受容体
ないし生体機能模倣体に対する阻害物質、または、その
阻害物質の前駆体であってもよい。
【0026】本発明において用いることのできる電気化
学媒体として、大量の液体溶媒の使用に代わる固相ない
し半固相状態の媒体は種々知られている。本発明に伴っ
て調査研究した範囲での無機材としては、ベータアルミ
ナと銀塩が挙げられる。有機固相媒体ないし有機ゲル状
媒体の内では、ヒドロゲル、イオノマー、ポリ電解質、
溶媒和ポリマーが適している。
【0027】固相イオン学(1988)、Vol. 28-30、 1653ー
1659頁においてエム・メイドー(M.Madou)とティ・オタ
ガワ(T. Otagawa)が説明しているように、ヒドロゲル
は、ポリマーマトリックスに捕捉された水性電解質溶液
とみなすことができる。このような媒体を用いた場合に
示されるインピーダンスは、一般に捕捉された水性電解
質溶液が示すインピーダンスと同一である。溶媒の蒸散
速度は、ポリマーマトリックスにより遅くすることがで
き、また、ゲルにおけるイオンの移動を促進する吸湿物
質(hydroscopic material)を用いることにより、更に遅
くすることができる。その一例を開示したものとして前
掲のドイツ特許公開公報DE-A-4032599号があり、そこで
は、ポリウレタンの三次元ポリマーマトリックスを形成
しており、有機質電導塩を含んでいる。少量の未結合の
潜在的移動性イオンに対して、対イオン(counter ions)
として作用するポリマーに結合しているカチオン(例え
ば、−R3 + )基ないしアニオン(例えば、−CF2
SO3 )基を含有する多電解質とイオノマーとから固相
ないしゲル状電解質を生成することができる。好ましい
一例としては、テフロンないしポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)と、過フッ化炭化水素バックボーンに化学的
に結合したスルホン酸基を含むポリサルフェニールフッ
化物ビニールエテールとの共重合体であるナフィオンが
ある。
【0028】溶媒和ポリマーを用いることもできる。こ
の場合、乾性ポリマーそれ自体が、ある塩を溶解してイ
オンの移動性をサポートする働きを持っている。溶媒和
能は、乾性ポリマーにおける高速イオン電導を促進する
上で、なくてはならないものである。この種の材料とし
ては、リチウム塩が溶解されているポリプロピレン酸化
物(PPO) が挙げられる。(ロンドンのエルセバイアー(E
lsevier)社出版、アール・ジー・リンフォード(R.G. Li
nford)編纂の「Electrochemical Science andTechnolog
y of Polymers(電気化学科学とポリマー技術)」(198
7)、p293、におけるピー・ジェー・スミス(P.J. Smith)
の論稿を参照のこと。)
【0029】使用時には、支持媒体における条件は、生
体受容体ないし生体機能模倣体の活動度を維持できるに
ふさわしいものでなければならない。
【0030】本発明では、酵素酸化還元仲介ゲルや、ヒ
ドロキシエチールセルローズ、固相ポリマー電解質酵素
ゲルなどの如くの固相ないしゲル状電解質支持媒体を用
いることもできるが、このような電解質支持媒体は比較
的短期間でイオン導電性を失うか、または、生体適合性
が乏しくなったりする問題を抱えている。それ故、本発
明を契機に、生体電気化学反応に新規な反応媒体を開発
した。この新規な媒体は、生体電気化学反応に適したも
のであって、センサー用として酵素電極に用いることが
できる。
【0031】別の面でのは、本発明は生体電気化学反応
の新規な支持媒体を提供するものであり、この支持媒体
は、固相ないしゲル状マトリックス電解質からなり、反
応の生体機能模倣体ないし生体受容体は、前記支持媒体
に保持されると共に、反応の基質は支持体と接触自在に
なっていて反応を起こすようになっている。
【0032】大量の液体電解質媒体に代わる従来の固相
ないしゲル状媒体とは異なって、本発明による新規な固
相ないしゲル状支持媒体は、ポリマーマトリックス構造
に基づくものではなく、有機ポリマー材をほぼ含んでい
ない。その代わりに、電解質それ自体により形成される
構造を呈している。本発明による媒体は、ほぼ安定した
構造を有する半固相、半結晶性マトリックスの形をして
いるものとみなすことができる。本発明による支持媒体
は、電解質溶液を調製してそれを乾燥することにより製
造できる。従って、支持構造体は、事実上電解質で構成
されているものである。
【0033】新規な支持媒体により、イオン導電成分が
溶液にないから、著しい利点が得られる。即ち、水分を
減少した環境にあるから、高温下での生体触媒の熱安定
性が著しく向上する。また、新規な媒体は、液相反応
物、特に、非水性ないし微水性(micro-aqueous) かつ無
極性 (non-polar)の液体ばかりではなく、気相ないし蒸
気相反応物と共に利用するのに適しており、気相での拡
散率 (diffusivities)は溶液におけるよりも高いので、
本発明の支持媒体を利用することにより高感度の高速モ
ニターが達成できる。感度が高いことから、定量測定装
置を得ることができ、その場合でのレスポンスは、試験
気体ないし試験蒸気における分析物のモル質量に係わっ
ている。
【0034】従って、本発明によるこれらの支持媒体
は、センサー、特にガスセンサーに用いて好都合なもの
である。大部分のガス状分析物は溶液での溶解性が充分
ではなく、その為に感度が減少するが、本発明の支持媒
体でならこのような問題点を減少することができる。ま
た、電解質マトリックスは、対象とする特定の分析物に
応じて選択できるので、センサーに用いた場合、装置の
感度を高めることができる。
【0035】更に、非水性電解質の利用に依存するガス
センサーでは、イオン導電性マトリックスには分析物を
センサー素子に搬送する気相のみが接触するだけである
から、従来の液相センサーにみられるようなセンサー構
成部品の浸出がみられるようなことはない。
【0036】本発明による新規な支持媒体は、生体受容
体ないし生体機能模倣体の活動度を維持させることがで
きると共に、電導性を呈することができ、また、生体受
容体ないし生体機能模倣体と反応物との反応を醸し出せ
るほど充分浸透すること、更には、生体受容体ないし生
体機能模倣体に達して反応することができる。
【0037】本発明により電解質のマトリックスを調製
すると、マトリックスの構造は半結晶型固相となって、
必要な水の分子の中でロックして生体受容体ないし生体
機能模倣体の回りに水和殻を形成することが判明した。
従って、本発明の新規な支持媒体は、水をほぼ含んでお
らず、生体受容体ないし生体機能模倣体の回りに水和殻
を維持するのに必要な程度の少量の水を含んでいるのみ
である。よって、マトリックスは無水状態ではない。
【0038】このような新規な支持媒体の電導性につい
て言えば、マトリックスにおける水素と水酸基イオンの
移動性、またはこれらとバッファーイオンの移動性によ
り電導性が醸し出されるものと考えられる。しかし、こ
れはあくまで仮定であって、本発明はその理論に限定す
るものではない。
【0039】マトリックスは充分浸透して基質を生体受
容体ないし生体機能模倣体に接触させると共に、それと
反応させることができる。従って、マトリックスを介す
る質量転移特性により、ガスが生体受容体ないし生体機
能模倣体に浸透して反応することができる。
【0040】反応物への浸透度は、一定か、またはほぼ
一定であるのが望ましい。
【0041】固相ないしゲル状のマトリックスは、先ず
溶媒に電解質である塩を添加して塩溶液を調製すること
により作ることができる。このマトリックスを調製する
塩溶液は、生体受容体ないし生体機能模倣体の活動度を
弱めることのない有機溶媒ないし水溶媒に含まれていて
もよい。この塩溶液を乾燥すると、電解質塩が形成され
る。この乾燥操作は室温下で行うのが望ましい。
【0042】一般に、溶液は濃縮溶液になっている。何
故なら、濃縮溶液の状態であれば、乾燥時間を減少させ
ることができるからである。尤も、溶液の濃度がどの濃
度であろうとも、本発明の支持媒体を調製することはで
きる。溶媒としては、蒸散して乾燥を達成し、これによ
り固相ないしゲル状電解質マトリックスを生成するもの
であれば、どのような溶媒であってもよい。
【0043】好ましくは、乾燥操作は室温下で行う。ま
た好ましくは、電解質塩の溶液に緩衝剤を含ませてもよ
く、そうすれば生体受容体ないし生体機能模倣体の活動
に好適な条件を醸し出すことができる。また、この段階
で生体受容体ないし生体機能模倣体の活動度を維持する
のに必要なその他の添加剤を含ませてもよい。
【0044】塩溶液の乾燥に先立って、酵素の仲介組成
物を塩溶液に添加してもよい。その場合、所望により生
体受容体ないし生体機能模倣体そのものも添加してもよ
い。生体受容体ないし生体機能模倣体を添加した場合で
は、乾燥温度は、生体受容体ないし生体機能模倣体の活
動を弱めるほど高温であってはならず、溶媒としてもそ
れにふさわしいように選択する必要がある。好ましく
は、乾燥温度として摂氏37度以下、より好ましくは摂
氏30度以下がよい。
【0045】電解質塩は、バッファー塩もしくは電子仲
介成分としても作用する。この場合、電解質塩は、電解
質マトリックスを形成する機能と、バッファー成分ない
し仲介成分として作用する機能とを兼ね備えているのが
望ましい。
【0046】別の方法としては、生体受容体ないし生体
機能模倣体を支持体に外層として形成してもよい。その
場合、生体受容体ないし生体機能模倣体の溶液を別に調
製して、それより得た固相ないしゲル状マトリックスを
支持体上に成形して乾燥することにより達成できる。
【0047】また、生体受容体ないし生体機能模倣体
は、支持媒体上に下層として当該支持媒体と接触した状
態で形成してもよい。尚、生体受容体ないし生体機能模
倣体は前述したとおりである。
【0048】固相ないしゲル状のマトリックスを調製す
るに当たって用いるのに適した無機質塩としては、生体
受容体ないし生体機能模倣体に所要の水和殻を安定して
形成し、かつ、その水分を充分維持し得るものであれ
ば、どのような無機質塩であってもよい。好ましい無機
質塩としては、リン酸塩ナトリウムの如きのバッファー
塩や、フェロシアン化カリウムの如きの電子仲介媒体と
しても作用するその他の塩が挙げられる。
【0049】より好ましくは、有機塩電解質でマトリッ
クスを調製するのが望ましい。この場合の有機塩電解質
としては、テトラアルキルアンモニウム塩の如くの第4
アンモニウム塩、特にテトラブチールアンモニウム過塩
素酸塩、テトラブチールアンモニウム・トルエン−4−
スルホン酸塩、テトラブチールアンモニウム・メタン・
スルホン酸塩、テトラブチールアンモニウム・フェノー
ルホウ酸塩、テトラエチールアンモニウム・テトラフル
オロホウ酸塩、テトラブチール・アンモニウム塩化物、
及び、テトラブチールアンモニウム沃化物が好ましい組
成物として挙げられる。これらの塩類が特に好ましいの
は、内部含水量がほぼ一定であって、比較的安定したマ
トリックスが得られるからである。その中でも、テトラ
ブチールアンモニウム・トルエン−4−スルホン酸塩が
特に好ましい。
【0050】マトリックスが、生体受容体ないし生体機
能模倣体の水和殻が失われるほど脱水化される傾向があ
ると判明すれば、吸湿性塩類を用いるのが望ましい。こ
の吸湿性塩類としては、テトラブチールアンモニウム・
トルエン−4−スルホン酸塩がその一例として挙げられ
る。他方、支持媒体に吸湿性組成物を含ませておくこと
もできる。本発明に適した吸湿性塩類としては、リチウ
ム塩化物の如くのリチウム塩が挙げられるが、このよう
な添加物は、支持媒体を調製するのに用いる溶液に添加
することによりマトリックスに含ませることができる。
【0051】本発明による新規な支持媒体は、センサー
による特に気相ないし蒸気相の分析物の判定に用いるこ
とができる。
【0052】従って、また別の面においては、本発明
は、導体と、該導体に対応する支持体と、該支持体上の
生体受容体ないし生体機能模倣体とで構成した検出電極
を提供するものであり、この場合での支持体は、前述し
た電解質の固相ないしゲル状マトリックスで調製されて
いる。
【0053】更に、本発明は、前記検出電極と、その対
向電極と、前記検出電極への基質のアクセスを許容する
アクセス手段とで構成された生体電気化学センサーをも
提供するものである。この場合での検出電極は、導体と
支持体とで構成されており、この支持体は、該導体に対
応する電解質の固相ないしゲル状マトリックスと、前記
支持体上に固定ないしその近傍に保持させた生体受容体
ないし生体機能模倣体とで構成されている。電解質の固
相ないしゲル状マトリックスについては前述したところ
である。使用に際しては、固相ないしゲル状マトリック
スの含水量をほぼ一定に保つのが望ましい。よって、本
発明は特に気相分析物のモニターに用いるセンサーにも
係わるものである。
【0054】更に別の面では、本発明は、気相ないし上
気相の分析物を検出する方法をも提供するものであっ
て、当該検出方法は、気相ないし上気相分析物を電気化
学セルの検出電極と接触させ、その際、基質が生体受容
体ないし生体機能模倣体と接触して反応し、電気レスポ
ンスを生成するように当該生体受容体ないし生体機能模
倣体を支持体に保持し、然る後にセルの電気レスポンス
を測定することにより実施できるのではあるが、この方
法で用いる支持体は電解質の固相ないしゲル状マトリッ
クスで組成されていると共に、測定する電気レスポンス
は前記分析物の濃度に対応したものである。
【0055】前述したように、分析物は基質であっても
よい。別の方法としては、生体受容体ないし生体機能模
倣体が、電極上で直接電気化学反応を起こす生成物への
分析物の変換作用に対して触媒作用をなすようにしても
よい。または、生体受容体ないし生体機能模倣体は、恐
らくは仲介媒体の存在の下で基質の酸化ないし還元を喚
起するものであるから、基質と電極との間での電子の転
移に係わっている。或いは、分析物は支持体上で例えば
酵素と反応して、生体受容体ないし生体機能模倣体と結
合した反応生成物が生成される。
【0056】更にまた、分析物としては生体受容体ない
し生体機能模倣体の阻害物質、または、生体受容体ない
し生体機能模倣体の阻害物質を形成するものであっても
よい。この媒体は、電流を印加すると当該媒体内で反応
を起こすように、反応系で用いてもよい。
【0057】本発明による方法と装置とに用いるのに適
した生体受容体ないし生体機能模倣体としては前述した
とおりである。しかし、分析物ないし当該分析物の反応
生成物により阻害される生体受容体ないし生体機能模倣
体も、支持体が電解質の固相ないしゲル状マトリックス
で作られている場合には特に用いることができる。この
場合での生体受容体ないし生体機能模倣体の一例として
は、二酸化硫黄の検出用として、亜硫酸塩・酸化酵素(s
ulphite oxidase)、フェノール蒸気の検出用としてポリ
フェノール酸化酵素、メタン検出用としてオキシゲナー
ゼ酵素(生体機能模倣体)、樟脳の如くの炭化水素の検
出用としてチトクロームP450ないし、好ましくは合成に
よるその構造類似物質、NOxガス検出用として硝酸塩
還元酵素、一酸化炭素検出用として一酸化炭素酸化還元
酵素、シアン化物検出用としてチトクローム酸化酵素、
TNT検出用としてTNT酸化還元酵素、更には例えば
農薬検出用として分析物ないし抗体を新陳代謝させる酵
素などが用いられる。
【0058】前述したように、支持体媒体を調製するに
当たっては電解質溶液を乾燥することにより、支持体上
に生体受容体ないし生体機能模倣体が保持されるように
するが、前記した乾燥操作に先立って生体受容体ないし
生体機能模倣体を当該電解質溶液に添加した場合に、気
相ないし上気相の分析物に対する支持媒体の曝露時と電
気化学レスポンスが得られる時との間にラグ時間、即
ち、時間の遅れが発生することが判明した。本発明者等
は、この原因について、支持媒体の構造が分析物そのも
のにより影響を受けるからと想定している。
【0059】前記したラグ時間の問題は、ゲル状支持媒
体の電解質層の厚みを減少させるか、または、第2ステ
ップにおいて生体受容体ないし生体機能模倣体の層を調
製してマトリックスの外層として形成することにより、
緩和させる、もしくはほぼ解消することができるものと
判明した。
【0060】マトリックスを調製する溶液に生体受容体
ないし生体機能模倣体を添加して支持体を構成する場
合、生体受容体ないし生体機能模倣体と基質の反応にお
ける反応速度が制限されるステップは、分析物がマトリ
ックスを拡散して基質を生体受容体ないし生体機能模倣
体と接触させる拡散ステップにあるものと考えられる。
即ち、一般にセンサーは、観察される反応時の電圧ピー
ク値よりも一層負極側の電圧で稼働させるべきである。
それに対して、生体受容体ないし生体機能模倣体を第2
ステップで外層として成形した場合では、拡散バリアー
は減少する。しかし、調製したマトリックスに外層とし
て成形した生体受容体ないし生体機能模倣体の安定性
が、比較的長く曝露される結果、減少する。従って、生
体受容体ないし生体機能模倣体は、マトリックスを調製
する溶液に添加することによりマトリックス内に含まれ
るようにするのが望ましく、また、マトリックスからな
る検出電極上の支持体を薄層として構成するのが望まし
い。
【0061】生体受容体ないし生体機能模倣体は、最初
のステップにおいて電極構造体上もしくはその中に、マ
トリックス層を被覆する形で形成してもよい。
【0062】マトリックス層の厚みはおおむね1ミリ以
下である。このマトリックス層の厚みは100ミクロン
を超えてはならず、好ましくは、50ミクロンを超えな
いのが望ましい。
【0063】本発明のセンサーに用いる電気化学セルと
してはどのようなものであってもよい。しかし、電極と
してマイクロ電圧電流型(microvoltammetric) 電極を備
えたものが望ましい。このような電極を用いれば、セル
の抵抗を分析上有用なレベルまで抑制することができる
利点がある。
【0064】生体受容体ないし生体機能模倣体の阻害物
質を検出するのにガスセンサーを用いている場合、生体
センサーは限られた電流範囲で稼働しないようにし、ま
た、その代わりに、速度を限定するステップとしては触
媒の量を調整するのが望ましい。その場合、阻害物質が
分析物であれば、速度限定ステップ (rate limitingste
p) が阻害速度(rate of inhibition)により定まり、質
量転移速度 (rate ofmass transfer)で定まることはな
い。
【0065】本発明によるガスセンサーは、検出電極
と、基準電極としても作用する対向電極(対向・疑似基
準電極)との2種の電極を用いた二電極型センサーであ
ってもよいが、対向電極が電流で分極する傾向があるの
であれば、検出電極と対向電極と、対向電極とは別の基
準電極との3種の電極を備えた三電極型センサーを用い
るのが望ましい。
【0066】本発明の好ましい実施例では、検出電極
に、電解質マトリックスをほぼ覆って、気相ないし蒸気
層の分析物の酵素と電解質との界面への質量転移速度を
制限することによってモニター操作に際しての速度制限
ステップを生みだす多孔質膜を設けた電気化学センサー
を用いている。
【0067】好ましくは、分析物へのアクセスの速度(r
ate)は、センサーにおける電極に合わせて制限するが、
これは電極がいわゆる制限電流域で稼働する条件の下
で、英国特許第1571282 号に開示されている如くの拡散
バリアーにより制限する。この制限電流域にあっては、
電極面上での分析物の濃度は、ゼロとみなすことができ
るほどである。その場合、制限電流は、検出している気
相分析物の分圧の関数となる分析物の代謝速度(flux)に
比例する。
【0068】前述した如くの拡散バリアーは、マトリッ
クスを更に安定化させ、従って、特にマトリックスの脱
水化を緩和することによりガスセンサーの性能を向上さ
せる利点をももたらしてくれる。
【0069】以下に、生体電気化学反応の電極とモニタ
ー法の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。
【0070】
【実施例】すべての実験は、50対の櫛形電極を、幅1
5ミクロンのそれぞれのフィンガーが互いに15ミクロ
ン隔離された状態で差し違い対向配置(interdigitated)
した金製マイクロバンド電極を用いて室温の下で行っ
た。使用した電極の音響孔(acoustic aperture) は48
00ミクロンであり、電極の厚みは充分なカソード電位
で1000±500オングストロームであった。図1
は、用いた櫛形マイクロバンド電極(米国ケンタッキー
州のマイクロセンサー・システムズ社製のもの)を示す
もので、同図において、1は検出電極、2は対向・疑似
基準電極(CC + QRE)を示す。電極が差し違い対向配置さ
れている部分を3で示す。この電極は水晶板4によって
支持されている。
【00071】例 1:差し違い対向配置型マイクロバ
ンド電極装置上に成形したゲル状電子仲介媒体及びセイ
ヨウワサビ(horseradish) のペルオキシダーゼ(peroxid
ase)と気相H2 2 との反応 この例1は、無機質H2 2 ガスと酵素、即ち、セイヨ
ウワサビのペルオキシダーゼおよび電子仲介媒体との反
応を示すものである。酵素は過酸化水素で酸化されてお
り、ヘキサシアノ鉄酸塩カリウム(potassium hexacyano
ferrate)(II)を一つの電子ドナーとして用いている。
これにより得られた仲介媒体の酸化物を前述の金製マイ
クロバンド電極において還元させる。
【0072】この例では、酵素と電子仲介媒体とクエン
酸バッファーとの溶液で調製したゲルを、生体触媒を添
加したイオン導電性マトリックスとして利用した。マイ
クロ電極のところで抵抗降下が見られ、ゲル状マトリッ
クスでの生体触媒による電気化学反応のモニターが容易
に行われた。
【0073】実 験:下記のようにして酵素仲介媒体ゲ
ルを調製した。セイヨウワサビのペルオキシダーゼ(2
mg)を、クエン酸バッファー(0.1M、pH6.
5)中にヘキサシアノ鉄酸塩カリウム(II)(0.05
M)を含む100マイクロリットル溶液に添加した。こ
の混合物溶液を回転撹拌機で1分間激しく撹拌した。そ
の後、5マイクロリットルの混合物溶液を金製電極のマ
イクロ電極アレイの部分に付着させ、その後、10分間
にわたって室温にて空気乾燥させた。乾燥操作後、酵素
・仲介媒体溶液が、電極を逆さにしても流動しないゲル
を形成していた。対向・疑似基準電極に対して周期的に
+1ボルトと−1ボルトの電圧を交互印加したところ、
0.2V/Sでの周期ボルタモグラム(cyclic voltammo
gram) から、一つの電子の酸化作用と電子仲介媒体の還
元に対応する二つのピーク値が現れた。この結果を図2
に示す。図2において、対向・疑似基準電極に対する約
−0.5ボルト印加時の降下ピークに注目されたし。
【0074】生体触媒用電気化学媒体の活動度を調べる
ために、気相H2 2 基質の存在の下で電流滴定実験(a
mperometric experiment) を行った。H2 2 との酵素
の反応後の仲介媒体の酸化物の還元の時のCC + QREに対
して指示電極(indicator electrode) の電位を−0. 6
ボルトに設定した。初期定常平衡電流になってから、
0. 8MのH2 2 の水溶液を10ミリリットル含む2
0ミリリットルのビーカーを、液面から5ミリ離れたと
ころの電極に周期的に置いてみた。
【0075】この電流滴定実験の結果を図3に示す。実
線による矢印は、気相H2 2 に曝露した結果を示し、
破線による矢印は気相H2 2 に曝露しなかった結果を
示す。カソード電流の増加は、酵素と仲介媒体と気相H
2 2 の生体触媒電気化学反応があったことを示してい
る。酵素と仲介媒体のいずれか一方、または両方のない
制御群電極からは、非常に小さい電流増加が測定され、
それがゲル状マトリックス内での基質による導電性の変
化の結果によるものと分かった。
【0076】酵素仲介媒体ゲルは、室温の下で約45分
間活性を呈していたが、その後、時間が無視できるほど
の電流増加が記録された。この電流の損失は、大気への
溶媒の蒸散によるゲル状マトリックスでのイオン導電性
の減少の結果もたらされたものと考えられる。
【0077】例 2:差し違い対向配置型マイクロバン
ド電極装置上に成形した固形ポリマー電解質でのポリフ
ェノール酸化酵素とフェノール蒸気との反応 この例2では、ナフィオン(Nafion)なる固形ポリマー電
解質を気相状態のイオン導電性マトリックスとして用
い、ポリフェノール酸化酵素[E.C.1.14.18.1] をマトリ
ックス上で析出した。ナフィオンは、テフロンないしポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)と、スルホン酸基を含
むポリサルフェニールフッ化物ビニールエテールとの共
重合体で、スルホン酸基は過フッ化炭化水素バックボー
ンに化学的に結合している。指示薬との反応(indicator
reaction)は、p-クレゾール蒸気とポリフェノール酸化
酵素との反応と、その後のカソード電位における金製マ
イクロバンド作動電極でのキノン生成物の還元作用であ
った。
【0078】この実験と、後述のp-クレゾールを用いた
例を、p-クレゾールの代わりにフェノールを用いて繰り
返し実験してみた。その場合での結果は、定性的には同
一結果が得られたが、より大きい電流増加が見られた。
【0079】実 験:イソプロパノールを溶媒とする
0.83重量%ナフィオン溶液を5分間超音波処理し
た。その後、この溶液に清浄したマイクロバンド電極を
15分間ディッピングして被覆した。即ち、すべてのマ
イクロバンドがナフィオン溶液で完全に被覆されるま
で、電極を前記溶液に浸積した。その後5分間室温にて
空気乾燥した後、ナフィオンで被覆した電極を30分間
摂氏72度の乾燥室に置いて更に乾燥した。乾燥後、ベ
ンチ上で5分間冷却して、使用に供し得る電極を得た。
電極表面を検査したところ、ポリマー電解質が表面を凹
凸状に覆っていることから、それに相応した干渉パター
ンが見られた。
【0080】図4は、摂氏18度における空気中でのこ
の実験例による電極の、0.2V/Sでの周期的電圧測定
で得たボルタモグラム(cyclic voltammogram) の結果を
示すものである。この場合、CC + QREに対して+1ボル
トから−1ボルトまでの電位を周期的に印加した。
【0081】その後、リン酸塩ナトリウムバッファー
(0.1M、pH7)中にポリフェノール酸化酵素(1
00マイクロリットルにつき1mg)を含む溶液を調製
して、回転撹拌機で2分間激しく撹拌した。そして、5
マイクロリットルのこの酵素溶液を前記電極のマイクロ
アレイの部分に付着させて、15分間乾燥した。乾燥の
結果、電極上にゲルが形成され、電極を逆さにしても流
動しない状態になっていた。500ミリグラムのp-クレ
ゾール結晶を含む小さいガラス瓶(直径35ミリ、長さ
35ミリ)を電極に配設した。即ち、本実験例による電
極をガラス瓶のネックから深さ5ミリのところまで差し
込んだ。p-クレゾールにさらした場合とさらさなかった
場合、0.005V/S での周期的電圧測定で得たボルタ
モグラム(cyclic voltammogram) を記録したが、その結
果を図5に示す。図5において、Aは、ポリフェノール
酸化酵素・ナフィオンを用いた電極がp-クレゾールの存
在の下で示した結果を、また、Bは、ナフィオンのみの
電極がp-クレゾールの存在の下で示した結果を示す。周
期的に印加した電圧は、CC + QREに対して0ボルトから
−1ボルトである。CC + QREに対して約−0.550ボ
ルトのところに見られる降下ピークは、酵素のp-クレゾ
ール蒸気との反応によるキノン生成物の還元作用に対応
する。
【0082】その後、100秒間フェノール蒸気に対す
る曝露と、同時間曝露なしのサイクルで電流滴定実験も
行ったが、p-クレゾールに約100秒間曝露した場合
と、約100秒間曝露しなかった場合にナフィオン・ポ
リフェノール酸化酵素が呈した測定電流変化を図6に示
す。図6において、垂直矢印は周期曝露の開始時を示
し、水平矢印は無曝露時を示す。図示のように、動作電
極の電位は、CC + QREに対して−0.650ボルトであ
る。酵素のない制御電極群では、p-クレゾールに対して
曝露したときの電流増加は小さかった。
【0083】定常平衡電流は、通常30から60秒間で
得られた。酵素がないと比較的小さい電流増加が見られ
たが、これはポリマーフィルム上でフェノール蒸気によ
る導電性の変化の結果と思われる。
【0084】酵素・ナフィオンを用いた電極は、生体触
媒作用の最中に約30秒間動作していた。その理由とし
ては、ナフィオンポリマーの酸基と過剰脱水作用のいず
れか一方ないし両方により酵素が不活性化されたからと
考えられる。しかし、ナフィオン被覆電極は、最初の調
製後室温にて少なくとも28時間イオン導電性を保ち続
けていた。ナフィオンがない場合、酵素ゲルは約25分
後にイオン導電性を示さなくなった。
【0085】例 3:差し違い対向配置型マイクロバン
ド電極装置上に成形したヒドロキシエチールセルローズ
のゲルに添加したポリフェノール酸化酵素とフェノール
蒸気との反応 ヒドロキシエチールセルローズ(HEC) は、セルローズポ
リマー構造をした水溶性組成物である。この例では、H
ECとへペス(Hepes) バッファーとで調製したゲルを生
体適合性イオンマトリックスとして利用した。指示薬と
の反応は例2におけるのと同一であった。
【0086】実 験:へペスバッファー(pH7、0.
1M)を含むHECの2.5%w/v溶液を調製して、
使用に先立って摂氏4度の温度下で24時間にわたって
保存した。酵素・HECポリマー溶液(100マイクロ
リットルにつき1mg)を調製して、5マイクロリット
ルを電極のマイクロバンドアレイの部分に付着させた。
15分間乾燥してゲルを得たが、このゲルは電極を逆さ
にしても流動しないほど固定されていた。差し違い対向
配置型対向・疑似基準電極に対して0ボルトから−1ボ
ルトの電圧を周期的に印加すると共に、p-クレゾールに
曝したり、曝さないようにして、0.005V/S での周
期的電圧測定で得たボルタモグラム(cyclic voltammogr
am) を記録したが、その結果、p-クレゾールとの酵素反
応によるキノン生成物の還元作用に対応して、前記電極
に対して−0.6ボルト近傍で際立ったピークが示され
た。図7は、0.005v/sでの周期的電圧測定のボ
ルタモグラムを示すもので、図中、Aは、p-クレゾール
蒸気の存在の下でのヒドロキシエチールセルローズとポ
リフェノール酸化酵素を用いた電極によるもの、また、
Bはp-クレゾール蒸気の存在の下でのヒドロキシエチー
ルセルローズのみを用いた電極によるものを示す。
【0087】CC + QREに対して電極の電位を−0.7ボ
ルトに釣り合わせ電流滴定実験も行った。15分間にわ
たる乾燥操作後、ゲル電極を周期的にp-クレゾールに曝
露した。定常平衡電流は、通常約100秒間で得られ
た。p-クレゾールに曝露したときの電流レスポンスは、
30秒程度であった。非定常状態でのレスポンス電流
は、p-クレゾールに継続的に周期曝露することにより得
られた。これらの結果を図8に示すが、Aは、ヒドロキ
シエチールセルローズとポリフェノール酸化酵素を利用
した電極による測定電流の変化を、また、Bは、ヒドロ
キシエチールセルローズのみを利用した電極による測定
電流の変化をそれぞれ示す。また、実線による矢印は、
p-クレゾールに対する曝露時を示し、また、破線による
矢印は、曝露しなかった場合を示している。動作電極の
電位は、CC + QREに対して−0.7ボルトであった。
【0088】HECと酵素からなるゲルは、30分後に
急速にイオン導電性を失ってしまった。30分にわたる
乾燥操作後にゲル電極をリン酸塩バッファーの撹拌溶液
(pH7、0.1M)に入れて、溶解したp-クレゾール
を添加すると、電流滴定による電流増加が再び見られる
ようになり、これにより活性酵素が含まれていることが
同定できた。
【0089】活性酵素があるにも係わらず、HECと酵
素を用いた電極は、30分後にイオン導電性に支障を来
したが、これは、大気への溶媒の蒸散によるものと考え
られる。
【0090】気相状態での生体触媒電気化学反応を促進
する新規な支持媒体 酵素酸化還元仲介ゲルであるヒドロキシエチールセルロ
ーズと固形ポリマー電解質酵素とからなるゲルは、気相
状態での生体触媒電気化学反応の理論に従って反応を起
こすことが判明した。しかし、前述した方法には、短時
間の内にイオン導電性が低くなるか、または、生体適合
性に欠くなどの問題がある。本発明による新規な支持媒
体は、長時間にわたってイオン導電性を維持できると共
に、また長時間にわたって生体適合性を保つことができ
るものである。本発明による支持媒体には、前述したよ
うにイオン導電性と生物学的適合性に関して予想以上に
良好なものであることが判明した。その他の驚くべき利
点についても、後述する。
【0091】例 4:フェノール蒸気との反応用差し違
い対向配置型マイクロバンド電極上に成形したポリフェ
ノール酸化酵素とテトラブチールアンモニウム・トルエ
ン−4−スルホン酸塩のイオン導電性ゲル 本例では、テトラブチールアンモニウム・トルエン−4
−スルホン酸塩と、ポリフェノール酸化酵素を用いたリ
ン酸塩ナトリウムとからなるイオン導電性ゲルマトリッ
クスについて説明する。また、本例においては、酵素は
ゲルマトリックスにおいて長時間にわたって比較的安定
していた。指示薬との反応は例2と同様であった。
【0092】実 験:テトラブチールアンモニウム・ト
ルエン−4−スルホン酸塩(TBATS) 、トルエン−4−ス
ルホン酸テトラブチールアンモニウム塩((CH3CH2CH2CH
2)4N(CH3CH6CH4SO3))、M、413.67、(500m
g)をすり鉢で粉砕して粉体にし、これを、リン酸塩ナ
トリウムバッファー(0.1M、pH7)と塩化カリウ
ム(0.05M)とを3ミリリットル(体積量)含有す
るガラス瓶に入れた。ガラス瓶内の混合物は、TBATS 材
が完全に溶解するまで緩やかに加熱した。その後超音波
処理を5分間混合物に施し、然る後に100マイクロリ
ットルのTBATS 溶液にポリフェノール酸化酵素(1m
g)を添加し、これにより得られた混合組成物を回転撹
拌機で2分間激しく撹拌した。その後、TBATS と酵素を
含む混合溶液5マイクロリットルを電極のマイクロバン
ドの部分に付着させ、30分間にわたって乾燥させた。
乾燥操作後、電極を逆さにしても流動しないゲルを得
た。この電極をp-クレゾールに曝露したり、曝露させな
かったりして、0.005v/sにて周期的電圧測定を
行ってボルタモグラムを記録した。周期印加電位は、CC
+ QREに対して0ボルトから−1ボルトであった。この
結果を図9に示す。フェノール蒸気の存在の下では、酵
素反応のキノン生成物の還元作用に相当する、CC + QRE
に対する約−0.5ボルトのところで還元によるピーク
は発現しているのが明らかである。この図におけるAは
TBATS とポリフェノール酸化酵素とからなるゲルを用い
た電極の周期ボルタモグラムを示し、Bは、TBATS だけ
のゲルを用いた電極の周期ボルタモグラムを示し、いず
れもp-クレゾール蒸気に曝露した場合である。周期印加
電位は、CC + QREに対して0ボルトから−1ボルトであ
った。
【0093】電流滴定測定実験では、動作電位を差し違
い対向配置型対向・疑似基準電極に対して−0.65ボ
ルトに設定した。ゲル成形後の30分間にわたる乾燥操
作後に、本例による電極を100秒間隔でp-クレゾール
蒸気に周期的に曝露したり、曝露しなかったりした。
【0094】その結果を図10に示すが、Aは、p-クレ
ゾール蒸気の存在の下でのTBATS とポリフェノール酸化
酵素からなるゲルを用いた電極による電流変化を、ま
た、Bはp-クレゾール蒸気の存在の下でのTBATS からな
るゲルのみを用いた電極による電流変化を示す。矢印
は、p-クレゾールに対する曝露開始時を示す。動作電極
の電位は、差し違い対向配置型対向・疑似基準電極に対
して−0.650ボルトであった。
【0095】生体触媒電気化学ゲル媒体の安定性を調べ
るために、電極を作製して、摂氏18度での電流滴定測
定試験に先立って、48時間にわたり室温にてベンチ
(実験台)上に放置した。その後、フェノール蒸気に連
続曝露して電流滴定試験を行ったが、その結果を図11
に示す。この図11においては、AはTBATS からなるゲ
ルのみを用いた電極による電流変化を、また、BはTBAT
S とポリフェノール酸化酵素からなるゲルを用いた電極
による電流変化を、Cは、ゲル付着成形後の30分間室
温での乾燥後におけるTBATS とポリフェノール酸化酵素
からなるゲルを用いた電極による電流変化をそれぞれ示
す。矢印は、p-クレゾールに対する連続曝露開始時を示
す。動作電極の電位は、差し違い対向配置型対向・疑似
基準電極に対して−0.650ボルトであった。
【0096】また別の試験で、二つのマイクロアレイ型
電極にTBATS と水からなるゲルと、TBATS とイソプロパ
ノール(IPA) からなるゲルでそれぞれ被覆した。後者の
ゲルは摂氏72度の下で30分間乾燥用キャビネットで
加熱乾燥して、電極表面上にTBATS 薄膜を形成した。
【0097】このようにして得た電極を、ベンチ上の透
明シャーレに置いて数週間にわたって室温下に放置し
た。TBATS と水からなるゲルを付着成形したものと、TB
ATS とイソプロパノール(IPA) からなるゲルを付着成形
したもののいずれにしても、60日間保存後、イオン電
流の降下が見られた。温度、光、湿度などの制御は行わ
なかった。それでも、制御されなかった環境条件下のも
のとしては、結果は良好なものであるみなすことができ
た。TBATS の吸湿する傾向が強いことから、電気化学的
に安定することができたものと考えられる。保存期間後
にゲルは比較的固いものとなって、電極表面から取るこ
とができない程であった。
【0098】例 5:差し違い対向配置型マイクロバン
ド電極上に成形したテトラブチールアンモニウム・トル
エン−4−スルホン酸塩ゲルにおけるヘキサシアノ鉄酸
塩カリウム(II)とセイヨウワサビのペルオキシダーゼ
とのH2 2 ガスの反応 指示薬に対する反応は、例1において説明したのと同一
である。
【0099】実 験:500mgのTBATS と3ミリリッ
トルのクエン酸とからなるバッファー(0.1M、pH
6.5)と2mgのセイヨウワサビのペルオキシダーゼ
を用いた以外は、例4に記載したのと同一方法を用いて
行った。酵素とTBATS (100マイクロリットルにつき
2mg)からなる溶液を5マイクロリットル、電極のマ
イクロバンドの部分に付着成形して、10分間にわたり
室温下で空気乾燥した。この乾燥操作後に酵素は電極を
逆さにしても流動しないほどのゲルを形成した。また、
乾燥後に、CC + QREに対して+1ボルトから−1ボルト
までの電位を周期的に印加して0.2v/sでのボルタ
モグラムを得たが、CC + QREに対して約−0.25ボル
トのところで還元作用によるピーク(reductive peak)が
発現した。この結果を図12に示す。
【0100】その後、ゲル電極を25ミリリットルのガ
ラスビーカーにおける水にH2 2を含む10ミリリッ
トルの溶液(0.8M)から5ミリ離れたところに置い
て、電流滴定測定実験を行った。指示電極の電位は、CC
+ QREに対して−0.350ボルトとなるように設定し
た。その測定結果を図13に示す。図13における実線
矢印は、H2 2 ガスに曝露したことを示し、また、破
線矢印は、曝露しなかった場合を示す。H2 2 ガスに
曝露した場合でのカソード電流の増加は、H22 との
酵素の反応後における仲介媒体の酸化酵素の還元作用が
あったことを示している。
【0101】例 6:フェノール組成物によるTBATS ゲ
ルの構造変化 例4(図10)に置いて説明したTBATSと酵素のゲルか
ら得られた電流滴定測定試験の結果によれば、p-クレゾ
ールへの曝露に対する初期レスポンスが200から80
0秒間遅延することが示された。p-クレゾールの代わり
にフェノールを用いた実験でも、同様のレスポンスの遅
延が見られた。このように見られた「遅延」は、無視で
きないもので、更に調べてみる必要があるものと思われ
た。このように電流滴定測定試験で見いだされた遅延を
調べてみるために、電子仲介媒体としてフェロシン(fer
rocene) (0.0125M)を注入したTBATS と水から
なるゲルを用いて実験してみた。TBATS 、水、フェロシ
ンからなる溶液を1.5マイクロリットル、電極のマイ
クロアレイの部分に付着させた。付着させた後直ちに、
+1ボルトから−1ボルトまでの電位を周期的に印加し
て0.2v/sでのボルタモグラムを得たが、これは、
動作マイクロ電極に対して電気活性プローブ(electroac
tive probe) であるフェロシンが急速に拡散したことを
示すピークなしのボルタモグラムであった。このことを
図14に示す。
【0102】図15は、TBATS とフェロシンとのゲルを
用いた電極に+1ボルトから−1ボルトまでの電位を周
期的に印加して得た0.2v/sでのボルタモグラムで
あって、Aは、室温で7分間乾燥した後の場合を示し、
また、Bは室温で30分間乾燥した後の場合を示してい
る。10分間、16分間、24分間それぞれ乾燥した後
でのボルタモグラムも得たが、これについては図示して
いない。
【0103】図14と図15とを比較してみるに波形が
はっきり変化しているが、これは、多分ゲルが水分を失
って一層硬質になるにつれて、電気活性プローブの拡散
作用が減少したことを示している。
【0104】フェノール蒸気がゲルを分画して生体触媒
変換作用を行う、特に興味のある状態をも調べてみた。
その為、電流滴定測定試験で用いたのと同様な方法を用
いたが、仲介媒体の拡散作用のモニターには、周期電圧
印加によるボルタンメトリーを用いた。30分間乾燥後
に前記した実験で用いた電気活性プローブゲル電極をp-
クレゾールに対して100秒間曝露し、その後の100
秒間無曝露として、これを繰り返して実験を行った。p-
クレゾールに対する曝露を始めた直後から、+1ボルト
から−1ボルトまでの電位を周期的に印加して0.2v
/sでのボルタモグラムを室温で記録した。
【0105】図16は、約200秒ごとに測定した0、
200、800、1800、2200秒後のボルタモグ
ラムを示す。図中、Aは30分乾燥後に測定した時の特
性曲線、Bは乾燥後200秒経過して測定した時の特性
曲線、Cは乾燥後800秒経過して測定した時の特性曲
線、Dは乾燥後1800秒経過して測定した時の特性曲
線、Eは乾燥後2200秒経過して測定した時の特性曲
線を示す。
【0106】図16から明らかなように、どの特性曲線
においてもピーク電流が増加して、2200秒辺りで安
定している。800秒辺りでは際立ったピークが発現し
て折り、時間は電流滴定測定試験(図10)において見
られた遅延時間の終点に近似している。この結果から、
ゲル材が構造変化を起こして、p-クレゾールに対する連
続曝露により電気活性プローブの移動度が増大している
ことが分かる。また、p-クレゾールの代わりにフェノー
ルを用いてこの実験を繰り返したところ、定性的には前
述と同一の結果が得られたが、もっと大きい電流値が得
られた。ポリマー材の可塑化作用については文献からよ
く知られているところではあるが、どのようにしてp-ク
レゾールがTBATS ゲルにおいて構造変化をもたらすの
か、については明らかでない。発明者等はTBATS ゲルの
構造について正確な知識を持ち合わせていないが、水分
子で相互分散されているテトラブチールアンモニウムの
イオンとトルエン−4−スルホン酸塩のイオンのそれぞ
れのカチオン基とアニオン基からなるオーダードマトリ
ックスに起因するのではないかと推定している。
【0107】p-クレゾールが電荷群(charged groups)間
で静電力と干渉しているので、マトリックス構造がルー
ズになり、それが為に電気活性プローブの移動度が増大
している、と見ることもできる。図10に示した酵素電
極による電流滴定測定試験結果に関して言えば、発明者
等は、酵素反応の生成物の拡散係数は、ゲルの流動性の
増大に伴って、p-クレゾール蒸気に対する周期的連続曝
露時に増大するものと見ている。ゲル内で気質の拡散作
用も間違いなく増大したが、酵素のない制御群電極を用
いた実験でもp-クレゾールによる導電性変化が特異でな
いことからほぼ一定の電流増加が見られたので、結果は
同一と思われる。
【0108】支持マトリックスに対する溶媒の作用 決定的な溶媒の作用について更に調べたところ、意外か
つ興味のある結果が得られた。即ち、TBATS 成分をイソ
プロパノールに溶解して、電極表面に付着成形させると
共に、30分間にわたって摂氏72度の乾燥用キャビネ
ットに置いて乾燥した。その後室温下で5分間乾燥した
後、それにより得たTBATS ゲルに、ポリフェノール酸化
酵素とリン酸ナトリウムからなるバッファー溶液(10
0マイクロリットルにつき1mg)を5マイクロリット
ル塗布し、その後15分間にわたって空気乾燥させた。
この電極をp-クレゾール蒸気に曝露したところ、電流が
直ちに増加したのが記録された。これを図17に示す
が、−0.65ボルトでのTBATS 溶媒注入ポリフェノー
ル酸化酵素電極による測定電流の変化曲線を示す。図中
の実線矢印はp-クレゾールに対する曝露開始時を示す。
【0109】TBATS ゲルマトリックスの構造を決定する
上で、溶媒が重要な役割を担っているものと考えられ
る。後者の場合では、キノン生成物が急速に移動して、
ゲルマトリックスを介して拡散し、かくて電極で反応す
ることができるようである。その理由としては、イソプ
ロパノール溶媒を利用すれば、厚みのあるマトリックス
ゲル層が形成され、このゲル層を介しての拡散作用が急
速に行われるからと考えられる。しかし、この状況で
は、高温の下での乾燥後に溶媒がマトリックス内に残留
することは考えられず、従って高密度のゲル構造体が得
られる。TBATS ゲルの構造と特性とを前述のように操作
すれば、気相分析物の定性的及び定量的同定にもちいる
分析装置に適当な高速応答型、安定性のよいマトリック
スが得られることを示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いた櫛形マイクロバンド電極
の平面図を示す。
【図2】例1における実験結果に関するボルタモグラム
を示す。
【図3】例1における電流滴定実験結果を示す特性図で
ある。
【図4】例2における実験結果に関するボルタモグラム
を示す。
【図5】例2における別の実験結果に関するボルタモグ
ラムを示す。
【図6】例2における電流滴定実験結果を示す特性図で
ある。
【図7】例3における別の実験結果に関するボルタモグ
ラムを示す。
【図8】例3における電流滴定実験結果を示す特性図で
ある。
【図9】例4における別の実験結果に関するボルタモグ
ラムを示す。
【図10】例4における電流滴定実験結果を示す特性図
である。
【図11】例4における別の電流滴定実験結果を示す特
性図である。
【図12】例5における別の実験結果に関するボルタモ
グラムを示す。
【図13】例5における電流滴定実験結果を示す特性図
である。
【図14】例6における別の実験結果に関するボルタモ
グラムを示す。
【図15】例6における更に別の実験結果に関するボル
タモグラムを示す。
【図16】例6における電流滴定実験結果を示す特性図
である。
【図17】例6における別の電流滴定実験結果を示す特
性図である。
【符号の説明】
1…検出電極、2…対向・疑似基準電極、3…差し違い
対向配置型電極部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 391064692 シティ テクノロジー リミテッド CITY TECHNOLOGY LIM ITED イギリス国,ピーオー6 1エスゼット, ポーツマス,ワルトン ロード,ザ シテ ィ テクノロジー センター (番地な し) (72)発明者 アンソニー・ピーター・フランシス・ター ナー イギリス国、バックス、ニューポート・パ グネル、ノースクロウリー、ブルークエン ド8、エルムフィールズ、エム・ケー16・ 9エッチ・エッチ (72)発明者 セルウェイヤン・サイニ イギリス国、エセックス、バーキング、ハ ーツアーロード20、アイ・ジー11・8アー ル・エル

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相ないし蒸気相の分析物を検出する方
    法であって、固相ないし半固相の生体受容体ないし生体
    機能模倣体を電気化学セルの検出電極における電解質か
    らなる支持体に保持させた状態で、前記分析物を前記検
    出電極に接触させることにより、基質を生体受容体ない
    し生体機能模倣体と接触させて反応させ、この反応によ
    り分析物の濃度に対応し得る前記セルの電気レスポンス
    を発生させ、この電気レスポンスを測定することよりな
    る分析物検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記生体受容体ない
    し生体機能模倣体がほぼ脱水化されていると共に、前記
    基質が前記分析物の誘導体である分析物検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記支持体
    が、電解質塩の固相ないしゲル状マトリックスからなる
    分析物検出方法。
  4. 【請求項4】 気相ないし蒸気媒体の分析物を検出する
    方法であって、生体受容体ないし生体機能模倣体を電気
    化学セルの検出電極における電解質の固相ないしゲル状
    マトリックスからなる支持体に保持させた状態で、前記
    分析物を前記検出電極に接触させることにより、基質を
    生体受容体ないし生体機能模倣体と接触させて反応さ
    せ、この反応により前記分析物の濃度に対応し得る前記
    セルの電気レスポンスを発生させ、この電気レスポンス
    を測定することよりなる分析物検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記電解質が有機塩
    である分析物検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記有機塩が、テト
    ラアルキルアンモニウム塩、好ましくは、テトラブチー
    ルアンモニウム過塩素酸塩、テトラブチールアンモニウ
    ム・トルエン−4−スルホン酸塩、テトラブチールアン
    モニウム・メタン・スルホン酸塩、テトラブチールアン
    モニウム・フェノールホウ酸塩、テトラエチールアンモ
    ニウム・テトラフルオロホウ酸塩、テトラブチール・ア
    ンモニウム塩化物、及び、テトラブチールアンモニウム
    沃化物からなる群から選ばれた有機塩よりなる分析物検
    出方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記電気レスポンスは、漸次増加する濃度の分析物に曝
    露すると、それに伴って増加するものである分析物検出
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
    前記生体受容体ないし生体機能模倣体が、酸化還元反応
    用酵素である分析物検出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかにおいて、
    前記分析物が基質である分析物検出方法。
  10. 【請求項10】 導体と、電解質の固相ないしゲル状マ
    トリックスからなり前記導体に対応する支持体と、該支
    持体に保持させた生体受容体ないし生体機能模倣体とを
    備えてなる検出電極。
  11. 【請求項11】 検出電極と、その対向電極と、前記検
    出電極への分析物のアクセスを許容するアクセス手段と
    を備え、前記検出電極が、導体と、電解質の固相ないし
    ゲル状マトリックスからなり前記導体に対応する支持体
    と、該支持体に保持させた生体受容体ないし生体機能模
    倣体とで構成されてなる電気化学センサー。
  12. 【請求項12】 請求項10または11に記載の装置に
    おいて、前記固相ないしゲル状電解質が、有機塩のゲル
    状マトリックスからなり、前記有機塩が、好ましくはテ
    トラアルキルアンモニウム塩、より好ましくは、テトラ
    ブチールアンモニウム過塩素酸塩、テトラブチールアン
    モニウム・トルエン−4−スルホン酸塩、テトラブチー
    ルアンモニウム・メタン・スルホン酸塩、テトラブチー
    ルアンモニウム・フェノールホウ酸塩、テトラエチール
    アンモニウム・テトラフルオロホウ酸塩、テトラブチー
    ル・アンモニウム塩化物、及び、テトラブチールアンモ
    ニウム沃化物からなる群から選ばれた有機塩よりなるも
    のである装置。
  13. 【請求項13】 電解質の固相ないしゲル状マトリック
    スと、支持媒体に保持させた反応用の生体受容体ないし
    生体機能模倣体と、支持体と接触して反応する反応用基
    質とを備えた生物学的反応用支持媒体。
  14. 【請求項14】 請求項13において、更に有機塩のマ
    トリックスを設け、この有機塩は、好ましくはテトラブ
    チールアンモニウム・トルエン−4−スルホン酸塩から
    なる生物学的反応用支持媒体。
  15. 【請求項15】 生物学的反応用の基質を、固相ないし
    ゲル状電解質からなり、前記基質との反応用の生体受容
    体ないし生体機能模倣体が保持された支持媒体と接触さ
    せることにより、前記支持媒体上もしくはその内部に反
    応生成物を形成する反応を行う方法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、反応用前記基質
    が気相ないし蒸気相の状態にある反応を行う方法。
  17. 【請求項17】 請求項15または16において、前記
    反応生成物が支持媒体の内部に形成されると共に、支持
    媒体から回収できるようになっている反応を行う方法。
  18. 【請求項18】 請求項15ないし17のいずれかにお
    いて、前記支持媒体が、有機塩のマトリックスよりな
    り、この有機塩は、好ましくはテトラブチールアンモニ
    ウム・トルエン−4−スルホン酸塩からなる反応を行う
    方法。
  19. 【請求項19】 生体電気化学反応用反応媒体として、
    電解質の固相ないしゲル状マトリックスを用いる使用方
    法。
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