JPH07259299A - 建築用陶磁器 - Google Patents

建築用陶磁器

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JPH07259299A
JPH07259299A JP6079558A JP7955894A JPH07259299A JP H07259299 A JPH07259299 A JP H07259299A JP 6079558 A JP6079558 A JP 6079558A JP 7955894 A JP7955894 A JP 7955894A JP H07259299 A JPH07259299 A JP H07259299A
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JP
Japan
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raw material
glass
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cristobalite
amount
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Hideji Kawai
秀治 川合
Kazuyuki Kawai
和之 川合
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Inax Corp
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Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 還元焼成した製品中にクリストバライトの晶
出がなく、かつ還元焼成独特の味わいのある色等を有す
るタイル等の建築用陶磁器の提供を目的とする。 【構成】 可塑性原料(粘土)と非可塑性原料(長石、
石英、パイロフィライト、タルク等)を主原料とし、還
元焼成し製品化される建築用陶磁器において、生成する
ガラス量を15〜25重量%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タイル等の建築用陶
磁器に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、タイル等の建築用陶
磁器は、可塑性原料(粘土)と非可塑性原料(長石、石
英、パイロフィライト、タルク等)を主原料とし、この
原料を混合し、型等を用いて成形し、その後に乾燥,焼
成して製品化されている。なお、焼成方法としては、酸
素の存在する酸化雰囲気下で焼成を行なう場合と、酸素
の存在しないCOガス等の存在する還元雰囲気下で焼成
を行なう場合がある。原料である粘土(カオリナイト)
や、パイロフィライト、タルクは、焼成により分解し遊
離シリカ(SiO2)として晶出し、クリストバライトを
生成する。例えば、カオリナイト(Al2 3 ・2Si
2 ・2H2 O)は焼成で分解し、3Al2 3 ・2S
iO2 +SiO2 (クリストバライト)として製品中に
晶出するものである。特に、還元雰囲気下で焼成を行っ
た場合、この晶出反応は助長され、製品の組成中に多量
のクリストバライトが晶出する。
【0003】この晶出したクリストバライトは、約20
0℃付近に達すると急激に膨張する性質を有するもので
あり、このように製品中に多量のクリストバライトが晶
出している場合には、タイル等として建築物に使用され
た場合、使用場所によっては200℃付近の温度に達す
る場所もあり、このような場所ではタイル等の製品が急
激な膨張により割れを生じる。
【0004】従来、酸化雰囲気下で焼成を行った磁器製
品については、その素地中に50重量%程度のガラスを
含むため、クリストバライトは、ガラス中に溶け込むた
め製品中に晶出しない。しかしながら、還元焼成におい
ては、ガラス量を多くすると、発色成分、例えばFe2
3 がガラス中に溶け込み還元特有の色合い等が損なわ
れる。従って、通常の還元焼成用調合は、長石量を極力
抑え、ガラス量は10%ぐらいしかなく、クリストバラ
イトを溶かし込むには不充分である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、還元雰囲気下で焼成を
行った製品においてクリストバライトの晶出をなくし、
安全性が高く、かつ還元焼成独特の味わいのある色を有
するタイル等の建築用陶磁器を提供せんことを目的と
し、その要旨は、可塑性原料(粘土)と非可塑性原料
(長石、石英、パイロフィライト、タルク等)を主原料
として酸素の存在しない還元雰囲気下で焼成し製品化さ
れるタイル等の建築用陶磁器において、生成するガラス
量を15〜25重量%としたことである。
【0006】前記ガラス量が15重量%未満である場
合、クリストバライトの晶出が顕著な還元焼成中に、粘
土(カオリナイト)やパイロフィライト、タルクから分
離したクリストバライトが、ガラス溶融物中に完全に溶
け込まないため、クリストバライトが製品中に晶出す
る。また、ガラス量が25重量%より多い場合、発色成
分である酸化鉄等の顔料が、ガラス溶融物中に溶け込み
分解するため、還元焼成特有の味わいのある色等が発現
しない。従って、前記の生成するガラス量としては、1
5〜25重量%、好ましくは、15〜20重量%が良
い。また、前記ガラス源としては、長石の他に陶石(セ
リサイト)やフリット、ガラス粉、シラス等の天然ガラ
ス等も使用できる。
【0007】
【作用】クリストバライトの晶出が顕著な還元雰囲気下
での焼成においても、生成するガラス量を15重量%以
上としたことにより、焼成時に、粘土(カオリナイト)
やパイロフィライト、タルクから分離したクリストバラ
イトをガラス溶融物中に溶け込ませて、クリストバライ
トの晶出を抑えることができ、割れの生じないタイル等
の建築用陶磁器を得ることができる。さらに、前記ガラ
ス量を25%以下としたことにより、発色成分である酸
化鉄(Fe2 3 )等の顔料をガラス溶融物中に溶け込
ませず、酸化鉄等の顔料の分解を抑えることができ、還
元雰囲気下で味わいのある色等を有するタイル等の建築
用陶磁器を製造することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。発明者らはタイル等の建築用陶磁器を製造するに
際し、原料の調合量を種々変更させ、また焼成時におけ
る酸素濃度を変化させて数々の実験を行い、X線回折法
を用いて、その回折強度から製品中に晶出するクリスト
バライトの結晶量を検討し、図1に示すような結果を得
ることができた。即ち図1におけるA線は酸素の存在す
る条件下で酸化焼成した製品の結果であり、図中B線は
酸素の存在しない還元焼成での結果である。ここでは、
X線解析法を用い、結晶全量(クリストバライト、ムラ
イト、クオーツ等の結晶量の和)の残りをガラス量とし
た。
【0009】実験では酸化焼成の条件として、酸素濃度
を20.6%として焼成を行い、また、還元焼成では酸
素濃度を0%としてCOガス,N2ガス下で焼成を行な
った。図中S1,S2は、従来の還元焼成用調合を示
し、調合原料として、純粋成分量でカオリナイト40重
量%,長石10重量%,石英50重量%を含むものであ
り、このような調合原料により焼成した場合は、生成ガ
ラス重量9%で、B線で示す還元焼成した製品中に多量
のクリストバライトが晶出しており、A線で示す酸化焼
成した製品では僅かにクリストバライトの晶出が見られ
る。
【0010】次に、図中S3で示す場合は、調合原料と
して、カオリナイト37重量%,長石16重量%,石英
47重量%を混合したものであり、このような調合原料
により還元焼成した時には、生成ガラス量が15重量%
となり、結果としてクリストバライトの晶出量はほぼ0
となった。さらに、調合原料としてカオリナイト35重
量%,長石20重量%,石英45重量%を混合したもの
を還元焼成した場合、即ち図中S4で示す条件下におい
ては、生成ガラス量が20重量%となり、完全にクリス
トバライトの晶出は確認されなかった。また、前記S
3,S4で示す条件下において、酸化鉄(Fe2 3
を3重量%添加し、発色を確認した結果、S3,S4い
ずれでも、還元焼成特有の味わいのある色が得られた。
【0011】さらに、調合原料として、カオリナイト3
0重量%,長石30重量%,石英40%を混合したもの
を還元焼成した場合、生成ガラス量が29重量%とな
り、クリストバライトは完全に晶出しなかった。しかし
ながら、同条件下で酸化鉄(Fe2 3 )を3重量%添
加し発色を確認した結果、還元焼成特有の味わいのある
色が得られなかった。
【0012】また、調合原料として、カオリナイト35
重量%,セリサイト20重量%,石英45重量%を混合
したものを還元焼成した場合、生成ガラス量は、17重
量%となり、完全にクリストバライトの晶出は確認され
ず、酸化鉄(Fe2 3 )を3重量%添加し、発色を確
認した結果、還元焼成特有の味わいのある色も得られ
た。
【0013】さらに、調合原料として、カオリナイト2
5重量%,タルク10重量%,長石20重量%,石英4
5重量%を混合したもの、およびカオリナイト25重量
%,パイロフィライト10重量%,長石20重量%,石
英45重量%を混合したものをそれぞれ還元焼成した場
合、前者の生成ガラス量は23重量%、後者は18重量
%で、両者ともクリストバライトは晶出せず、酸化鉄
(Fe2 3 )を3重量%添加し、発色を確認した結
果、還元焼成特有の味わいのある色も得られた。
【0014】このように発明者らは種々の実験の結果、
生成するガラス量を15〜25重量%とすることによ
り、還元焼成特有の味わいのある色を損なうことなく、
クリストバライトの晶出を抑制できることを見いだし
た。尚、酸化焼成においても、前記ガラス量では、クリ
ストバライトは晶出しない。これは、タイル等の建築用
陶磁器中に15重量%以上のガラスを生成させれば、こ
のガラス融解物中に、カオリナイトやパイロフィライ
ト、タルクから分離したクリストバライト(SiO2
が溶け込み、その結果、製品中にはクリストバライトが
晶出してこないものと推考される。
【0015】したがって、還元焼成において、生成する
ガラス量を15〜25重量%含ませておけば、還元焼成
特有の味わいのある色等を損なうことなくクリストバラ
イトの晶出しない製品を得ることができ、製品として建
築物等に使用した場合、200℃付近まで温度が上昇し
た場合にも、クリストバライトが存在しないため製品は
急激な膨張をすることがなく、割れ等の生じない製品と
なり、安全性の高い製品が得られる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、可塑性原料(粘土)と非可塑
性原料(長石、石英、パイロフィライト、タルク等)を
主原料として、酸素の存在しない還元雰囲気下で焼成し
製品化されるタイル等の建築用陶磁器において、生成す
るガラス量を15〜25重量%としたことにより、焼成
して得られるタイル等の製品中にはクリストバライトの
晶出がなく、200℃付近の高温となる場所に製品を使
用しても急激な膨張により割れることがなく、安全性が
高く、かつ還元雰囲気下で、味わい深い色等を有する建
築用陶磁器製品とすることができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】生成したガラスの重量%と、焼成後の製品中に
晶出するクリストバライト量との関係を示す線図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/16 35/64

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑性原料(粘土)と非可塑性原料(長
    石、石英、パイロフィライト、タルク等)を主原料とし
    て、酸素の存在しない還元雰囲気下で焼成し製品化され
    るタイル等の建築用陶磁器において、生成するガラス量
    を15〜25重量%としたことを特徴とする建築用陶磁
    器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103936404A (zh) * 2014-04-08 2014-07-23 安徽省亚欧陶瓷有限责任公司 一种木鱼石陶瓷砖及其制备方法
CN103936403A (zh) * 2014-04-08 2014-07-23 安徽省亚欧陶瓷有限责任公司 一种含有料姜石的陶瓷砖及其制备方法
CN109020497A (zh) * 2018-09-30 2018-12-18 王瑞 一种无釉陶器的制备方法

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CN103936404A (zh) * 2014-04-08 2014-07-23 安徽省亚欧陶瓷有限责任公司 一种木鱼石陶瓷砖及其制备方法
CN103936403A (zh) * 2014-04-08 2014-07-23 安徽省亚欧陶瓷有限责任公司 一种含有料姜石的陶瓷砖及其制备方法
CN109020497A (zh) * 2018-09-30 2018-12-18 王瑞 一种无釉陶器的制备方法

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