JPH07258758A - 水酸化アルカリ水溶液からの貴金属の回収方法 - Google Patents

水酸化アルカリ水溶液からの貴金属の回収方法

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JPH07258758A
JPH07258758A JP5048294A JP5048294A JPH07258758A JP H07258758 A JPH07258758 A JP H07258758A JP 5048294 A JP5048294 A JP 5048294A JP 5048294 A JP5048294 A JP 5048294A JP H07258758 A JPH07258758 A JP H07258758A
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noble metal
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Hiroto Kikuchi
博人 菊地
Yoshiyuki Eto
義行 江渡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水酸化アルカリ水溶液に溶解している貴金属
を、前処理工程を要することなく一回の操作で効率良く
回収する工業的に安価で合理的な方法を提供する。 【構成】 水酸化アルカリ水溶液に溶解している貴金属
を回収するにあたり、両性金属若しくは両性金属の合金
を当該溶液に添加することにより貴金属を還元、析出さ
せて回収する。また貴金属が白金又はパラジウムの場合
に特に有効であり、両性金属は両性金属はアルミニウ
ム,亜鉛,スズ,鉛又はアンチモンであり、両性金属の
合金は前記金属から成る群より選ばれる2種以上の金属
の合金である。その添加量は、水酸化アルカリ水溶液1
リットルに対し6〜15gが、貴金属を高回収率にて回
収するのに有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃触媒を溶解した水酸
化アルカリ水溶液中の貴金属を効率良く回収する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車排気ガス浄化用触媒は、今日その
大多数が、セラミック製ハニカム構造体に、活性成分と
して白金属金属を含むアルミナをウォッシュコートした
もの、又はアルミナにセリア,ランタン等の第2,第3
物質を含有させて白金属金属を担持させたものをウォッ
シュコートしたものであるモノリシス触媒である。
【0003】白金属金属は、従来の装飾品の分野のみな
らず、化学工業及び自動車産業等の分野においても触媒
として使用される需要が急増している。白金属金属は高
価であるため、使用済みの白金属金属を担持した触媒か
ら白金属金属を回収し、資源化,再利用することは、社
会的急務である。
【0004】使用済みの白金属金属担持触媒から白金属
金属を回収する方法としては、水酸化アルカリ水溶液を
用いてセラミック構造体及びウォッシュコート層を溶解
し、当該溶液に不溶な白金属金属を濃縮分離する方法が
知られている(大阪市立工業試験所,廃触媒からの貴金
属の回収再利用に関する研究,堀田和彦他3名,平成1
年1月発行)。
【0005】また、貴金属は、従来、水酸化アルカリ水
溶液等の強アルカリ性のもとでは不溶であると考えられ
ていたが、水酸化アルカリ水溶液を用いた貴金属の濃縮
方法においては、例えば白金(Pt)やパラジウム(P
d)の一部は水酸化アルカリ水溶液に溶解する場合があ
り、この水溶液からPtやPdを回収することも必要と
なっている。
【0006】貴金属が溶解している水酸化アルカリ水溶
液から貴金属を回収する方法としては、鉱酸をこの水溶
液に添加して水溶液を酸性とし、水素化ホウ素ナトリウ
ム(SBH)を更に添加して貴金属を還元する方法が提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法では、貴金属が溶解している水溶液を酸性にす
るために多量の鉱酸を要し、また高価なSBH等の薬剤
の使用が必要であり、工業的には効率の良い方法ではな
い。そこで簡便で工業的に効率のよい水酸化アルカリ水
溶液からの貴金属回収方法の出現が望まれている。
【0008】本発明の目的は、上記したような課題を解
決し、アルカリ溶液を酸性にするための鉱酸を用いるこ
となく、また高価な薬剤を使用せずに水酸化アルカリ水
溶液から貴金属、特に白金属金属を、前処理工程を要す
ることなく一回の操作で効率良く回収する工業的に安価
で合理的な方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、水酸
化アルカリ水溶液に溶解している貴金属を回収するにあ
たり、両性金属若しくは両性金属の合金を当該溶液に添
加することにより貴金属を還元、析出させて回収するこ
とを特徴とする水酸化アルカリ水溶液からの貴金属の回
収方法に関するものである。
【0010】本発明者らは、水酸化アルカリ水溶液に溶
解している貴金属、特にPt,Pdのような白金属金属
の回収方法について研究の結果、水酸化アルカリの水溶
液に、金属アルミニウム,金属亜鉛,金属スズ若しくは
金属アンチモン等の両性金属を添加することにより、又
は両性金属の合金を添加することにより、強アルカリ溶
液中でも高い反応性を有する水素ガスを十分に発生し、
更に発生する原子状の水素(活性水素)の反応性を利用
して貴金属を効率的に還元できることを見い出し、本発
明に到達した。
【0011】一般に、貴金属の溶解した水酸化アルカリ
水溶液に、単に外部から水素ガスを吹き込んでも貴金属
を還元することはできない。本発明は、貴金属の溶解し
ている溶液中で、水素ガスが発生する状態を作り出し、
水素ガスが発生する瞬間の原子状の水素(活性水素)を
利用して貴金属を還元するものである。この活性水素
は、極めて反応性に富むものである。
【0012】従って、本発明は、従来のようなイオン化
傾向の差により水溶液中の貴金属を析出させるものでは
なく、両性金属が水酸化アルカリ水溶液と反応して、発
生する水素ガスの発生,遊離される瞬間の活性水素の高
い反応性に基づくものである。
【0013】従来の水酸化アルカリ水溶液から貴金属を
回収する方法では、SBHや硫酸ヒドラジンが、水酸化
ナトリウム溶液中では強アルカリ性のため酸性溶液に比
較して、分解しにくく反応性の高い水素ガスの発生が難
しく、従って貴金属の還元が十分にできず、水溶液中の
貴金属の回収率が低くなっている。
【0014】これに対し、本発明は、強アルカリ水溶液
中でも、高い反応性を有する水素ガスを十分に発生でき
ること、及びこのため水酸化アルカリと反応して活性水
素ガスを発生する両性金属を水酸化アルカリ溶液に添加
することに基づくものであり、従来の方法とは作用が異
なっている。
【0015】本願発明に用いることのできる金属は、両
性金属であればよく、例えばアルミニウム,亜鉛,ス
ズ,鉛,アンチモン等が含まれる。また、両性金属のみ
で構成された合金も用いることができ、例えば、アルミ
ニウム,亜鉛,スズ,鉛及びアンチモン等から成る群よ
り選ばれる2種以上の両性金属の合金が含まれ、これに
はAl−Zn,Al−Sn,Al−Pb,Al−Sn,
Zn−Sn,Zn−Pb,Zn−Sb,Sn−Pb,S
n−Sb,Sn−Sb,Al−Zn−Pb,Al−Zn
−Pb,Pb−Sn−Sb等がある。その組成割合には
特に限定されない。
【0016】水酸化アルカリ水溶液に対する両性金属の
添加量は、6〜15g/Lである。6g/Lより少ない
と、発生する活性水素ガスの量が少なく、貴金属イオン
を十分に還元できず、貴金属の回収率が80%以下と効
率が悪くなる。一方、15g/Lより多いと、発生する
活性水素ガスの量が多くなり、水溶液中で水素ガスの気
泡が合体して大きくなるため、貴金属イオンと接触する
確率が低下し、還元が不十分となり、貴金属の回収率が
96%以下と効率が悪くなり好ましくない。
【0017】また、6〜15g/lの添加量の場合は、
アルカリ溶液中に溶解している貴金属イオンと活性水素
の接触確率が極めて高くなり、貴金属の回収率が99%
以上の高効率となる。
【0018】本発明で用いる水酸化アルカリ水溶液中の
水酸化アルカリの濃度は6wt%以上である。6wt%
以下の濃度では、廃触媒の主成分であるアルミナが溶け
残り、両性金属または両性金属の合金の添加量が左右さ
れ、効率よく貴金属を回収することが難しいため実用的
でない。
【0019】本発明では自動車用等のアルミナを主成分
とする廃触媒を用いるため、水酸化アルカリ水溶液中の
貴金属濃度は、高くてもせいぜい数百ppmのレベルで
ある。アルカリ水溶液中の貴金属濃度が数wt%程度の
高い濃度である場合は影響を受けるが、本発明のように
自動車用等の廃触媒を用いた場合は、貴金属濃度が低い
ため両性金属の添加量に影響はない。
【0020】本発明の方法を実施する温度は、室温以上
であればよい。アルミニウム,亜鉛は、室温では水酸化
アルカリと容易に反応にして水素ガスを発生するが、ス
ズ,鉛,アンチモン等は反応速度を考慮すれば室温では
反応が緩慢になるので、反応を容易に促進させるため5
0℃以上が好ましい。望ましくは、60〜90℃に加熱
する。水酸化アルカリと両性金属の反応は発熱反応であ
るので、90℃より高く加熱する必要はない。
【0021】本発明の反応機構を、Pt及びPdの場合
を例示して具体的に説明する。すなわち、水酸化ナトリ
ウム水溶液でハニカム構造体及びそのウォッシュコート
層を溶解する場合、担持貴金属であるPtはその一部が
Na2 〔Pt(OH) 6 〕となり、またPdはその一部
はNa2 〔Pd(OH)4 〕となって溶解する。
【0022】ここで、金属アルミニウムをPtが溶解し
ている水溶液に添加することにより水酸化ナトリウム中
のNa2 〔Pt(OH)6 〕がPtに還元される反応
は、下記の如くである。アルミニウムは水酸化ナトリウ
ムに溶解し、この時高い反応性を有する水素ガスを発生
する。
【0023】
【数1】
【0024】Na2 〔Pt(OH)6 〕は、この高い反
応性を有する水素ガスにより還元され、高回収率でPt
を回収することができる。 Na2 〔Pt(OH)6 〕+2H2 →Pt+2NaOH
+4H2
【0025】Pdについても同様に還元され、その反応
は下記に示す通りである。 Na2 〔Pd(OH)4 〕+H2 →Pd+2NaOH+
2H2
【0026】又、亜鉛を使用した場合は、下記に示す反
応により、高い反応性を有する水素ガスを発生する。 2NaOH+Zn+2H2 O→Na2 〔Zn(O
H)4 〕+H2
【0027】更に、スズ,鉛,アンチモン等を使用した
場合は下記に示す反応により、高い反応性を有する水素
ガスを発生する。 2NaOH+Sn→Na2 〔SnO2 〕+H2 ↑ 2NaOH+Pb→Na2 〔PbO2 〕+H2 ↑ 2NaOH+Sb+2H2 O→Na2 〔Sb(O
H)4 〕+H2 ↑ 次いで発生した高い反応性を有する水素ガスにより、上
記と同様、Pt,Pdが還元され、高い回収率でPt,
Pdを回収することができる。
【0028】
【実施例】本発明を、次の実施例及び比較例により説明
する。
【0029】比較例1 Pt−Rh系モノリシス触媒1kg(Pt:1400p
pm,Rh:150ppm)を、6%水酸化ナトリウム
水溶液6Lで処理した場合の、水酸化ナトリウム水溶液
中のPtの濃度は、150ppmであった。このPtを
還元するために、前記水酸化ナトリウム水溶液1Lに対
し、10%SBH水溶液を、下記に示すように量を変え
て添加し、Ptを還元,沈澱分離した時の回収率は下記
の通りである。
【0030】
【表1】
【0031】比較例2 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1lを用い、10%硫酸ヒドラジン水溶液を下記に示す
ように量を変えて添加した場合のPtの回収率は、下記
の通りである。
【0032】
【表2】
【0033】比較例3 Pd−Rh系モノリシス触媒1kg(Pd:1500p
pm,Rh:150ppm)を、6%水酸化ナトリウム
水溶液6Lで処理した場合の水酸化ナトリウム水溶液中
のPdの濃度は、120ppmであった。このPdを還
元するために、前記水酸化ナトリウム水溶液1Lに対
し、10%SBH水溶液を、下記に示すように量を変え
て添加した場合のPdの回収率は下記の通りである。
【0034】
【表3】
【0035】比較例4 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lを用い、10%硫酸ヒドラジン水溶液を、下記に示
すように量を変えて添加した場合のPdの回収率は、下
記のとおりである。
【0036】
【表4】
【0037】貴金属の回収という面から、これらの回収
率はまた不十分といわざるを得ない。ここでPt,Pd
の回収率が99%まで達成されないのは、SBHや硫酸
ヒドラジンが、水酸化ナトリウム溶液中では強アルカリ
性のため、酸性溶液に比較して分解しにくく反応性の高
い水素ガスを出しにくくなることによるものと考えら
れ、これにより還元が十分に行なわれなくなっているか
らである。
【0038】実施例1 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、直径約1mmの粒状の金属アルミニウムを段階
的に添加して、Ptを60℃で還元した。その結果を下
記に示す。
【0039】
【表5】 アルミニウムの添加量が6〜15gの範囲内で、Ptは
99%以上の高い回収率を得た。
【0040】実施例2 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、金属アルミニウムを段階的に添加して、Pdを
60℃で還元した。その結果を下記に示す。
【0041】
【表6】 アルミニウムの添加量が6〜15gの範囲内で、Pdは
99%以上の高い回収率を得た。
【0042】実施例3 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、直径約1mmの粒状の金属亜鉛を段階的に添加
して、Ptを70℃で還元した。その結果を下記に示
す。
【0043】
【表7】 亜鉛の添加量が6〜15gの範囲内で、Ptは99%以
上の高い回収率を得た。
【0044】実施例4 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、金属亜鉛を段階的に添加して、Pdを70℃で
還元した。その結果を下記に示す。
【0045】
【表8】 亜鉛の添加量が6〜15gの範囲内で、Pdは99%以
上の高い回収率を得た。
【0046】実施例5 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、直径約1mmの粒状の金属スズを段階的に添加
して、Ptを70℃で還元した。その結果を下記に示
す。
【0047】
【表9】 スズの添加量が6〜15gの範囲内で、Ptは99%以
上の高い回収率を得た。
【0048】実施例6 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、金属スズを段階的に添加して、Pdを70℃で
還元した。その結果を下記に示す。
【0049】
【表10】 スズの添加量が6〜15gの範囲内で、Pdは99%以
上の高い回収率を得た。
【0050】実施例7 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、直径約1mmの粒状の金属鉛を段階的に添加し
て、Pdを70℃で還元した。その結果を下記に示す。
【0051】
【表11】 鉛の添加量が6〜15gの範囲内で、Ptは99%以上
の高い回収率を得た。
【0052】実施例8 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、金属鉛を段階的に添加して、Pdを70℃で還
元した。その結果を下記に示す。
【0053】
【表12】 鉛の添加量が6〜15gの範囲内で、Pdは99%以上
の高い回収率を得た。
【0054】実施例9 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、直径約1mmの粒状の金属アンチモンを段階的
に添加して、Ptを70℃で還元した。その結果を下記
に示す。
【0055】
【表13】 アンチモンの添加量が6〜15gの範囲内で、Ptは9
9%以上の高い回収率を得た。
【0056】実施例10 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、金属アンチモンを段階的に添加して、Pdを7
0℃で還元した。その結果を下記に示す。
【0057】
【表14】 アンチモンの添加量が6〜15gの範囲内で、Pdは9
9%以上の高い回収率を得た。
【0058】実施例11 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、JIS ZDC2(Al:4%を含む亜鉛ダイ
カスト,直径約1mmの粒状のもの)を段階的に添加し
て、Ptを70℃で還元した。その結果を下記に示す。
【0059】
【表15】 JIS ZDC2の添加量が6〜15gの範囲内で、P
tは99%以上の高い回収率を得た。
【0060】実施例12 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、JIS ZDC2を段階的に添加して、Pdを
70℃で還元した。その結果を下記に示す。
【0061】
【表16】 JIS ZDC2の添加量が6〜15gの範囲内で、P
dは99%以上の高い回収率を得た。
【0062】実施例13 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、JIS K17(Sb:17%,Sn:3%,
Pd:残部の活字用合金,直径約1mmの粒状のもの)
を段階的に添加して、Ptを70℃で還元した。その結
果を下記に示す。
【0063】
【表17】 JIS K17の添加量が6〜15gの範囲内で、Pt
は99%以上の高い回収率を得た。
【0064】実施例14 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、JIS K17を段階的に添加して、Pdを7
0℃で還元した。その結果を下記に示す。
【0065】
【表18】 JIS K17の添加量が6〜15gの範囲内で、Pd
は99%以上の高い回収率を得た。
【0066】実施例15 比較例1で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、JIS WJ9(Sn:6%,Sb:10%,
Pb:残部のホワイトメタル,直径約1mmの粒状のも
の)を段階的に添加して、Ptを70℃で還元した。そ
の結果を下記に示す。
【0067】
【表19】 JIS WJ9の添加量が6〜15gの範囲内で、Pt
は99%以上の高い回収率を得た。
【0068】実施例16 比較例3で使用したものと同じ水酸化ナトリウム水溶液
1Lに、JIS WJ9を段階的に添加して、Pdを7
0℃で還元した。その結果を下記に示す。
【0069】
【表20】 JIS WJ9の添加量が6〜15gの範囲内で、Pd
は99%以上の高い回収率を得た。
【0070】ここで、回収率は下記により測定した。
【0071】
【数2】
【0072】上記式中の、各記号の意味は、下記の様で
ある。 A :初期の水酸化アルカリ中の貴金属濃度 (pp
m) B :還元後の水酸化アルカリ中の貴金属濃度(pp
m) W1:初期の水酸化アルカリの重量 (g) W2:還元後の水酸化アルカリの重量 (g)
【0073】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、水酸化アルカリ水溶液中の貴金属を、高価な薬剤を
使わずにまた、酸性領域にまで前処理することなしに、
単に両性金属を一定量加え、一回の操作で還元できると
いう利点がある。更に、本発明で添加する金属は新品で
ある必要はなく、金属加工工場などより発生するアルミ
ニウム屑や、亜鉛の屑、又は、これらの合金の屑で良
く、極めて安価な合理的な貴金属の回収方法である。こ
れにより、使用済みの自動車用触媒から、白金属金属を
高い回収率で回収できることとなり、資源の有効活用を
図ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化アルカリ水溶液に溶解している貴
    金属を回収するにあたり、両性金属若しくは両性金属の
    合金を当該溶液に添加することにより貴金属を還元、析
    出させて回収することを特徴とする水酸化アルカリ水溶
    液からの貴金属の回収方法。
  2. 【請求項2】 貴金属が白金又はパラジウムである請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 両性金属はアルミニウム,亜鉛,スズ,
    鉛又はアンチモンから成る群より選ばれ、両性金属の合
    金は前記金属から成る群より選ばれる2種以上の金属の
    合金である請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 両性金属若しくは両性金属の合金の水酸
    化アルカリ水溶液への添加量が6〜15g/Lである請
    求項1,2又は3記載の方法。
JP5048294A 1994-03-22 1994-03-22 水酸化アルカリ水溶液からの貴金属の回収方法 Pending JPH07258758A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012515257A (ja) * 2009-01-12 2012-07-05 カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ 純ルチル型二酸化チタンナノニードル合成のための電気化学的一工程プロセス

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JP2012515257A (ja) * 2009-01-12 2012-07-05 カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ 純ルチル型二酸化チタンナノニードル合成のための電気化学的一工程プロセス

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