JPH0725874B2 - ポリカーボネート溶液からの水分除去方法 - Google Patents
ポリカーボネート溶液からの水分除去方法Info
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Description
し、詳しくは、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液中
に含まれる水分を効率よく除去する方法に関する。
品の品質上の優秀性とともに、緩和な条件で反応させて
分子量調整が容易なことから、工業的には界面重縮合法
が広く採用されている。このとき、好ましく使用される
溶剤の塩化メチレン(メチレンクロライド)は、水分を
溶解し、さらに下記の反応により分解して塩酸を生成す
る。
せたり、その腐食生成物が製品ポリカーボネート中に混
入して製品の品質低下をきたすことがあった。すなわ
ち、界面重縮合法によって製造されたポリカーボネート
溶液は、反応および洗浄などの工程の際に、水を使用す
るため水分を多量に含んでいる。特にこれらの処理を終
えた後のポリカーボネート溶液は高粘度であるため、溶
媒の塩化メチレンに溶解する水分のみでなく、水滴とし
ても多量の水分が含まれている。
は、重合,洗浄工程で水が多量に存在し、たとえ塩酸が
生成しても、水で希釈されることと、高温度で処理され
ることがないため、一般にはあまり問題とならない。し
かし、後処理工程では逆に水分が少なく、生成した塩酸
が希釈されないことと、高温度での処理が行われるた
め、ポリカーボネートの特性のひとるである透明性が損
なわれるなどの問題を生じることがある。
法や遠心分離機を使用する方法(特開昭63−105028号公
報)などが知られているが、溶解水分量以上を除去する
ことは不可能である。さらに脱水剤、たとえばモレキュ
ラーシーブなどを用いて脱水することも考えられるが、
処理する水分量が多いために多量の脱水剤を必要とし、
また脱水剤の再生を考慮すると実用的ではない。
系は、共沸蒸留により脱水できることが知られている
が、水分量が共沸組成以上に含まれている場合には脱水
ができず、共沸組成以下でもポリカーボネートの高濃度
溶液の場合では、フラッシュ効率が低下し、脱水が困難
である。
リカーボネート溶液中の水分を効率よく除去することが
可能な水分除去方法を開発すべく鋭意研究を重ねた。そ
の結果、ポリカーボネート溶液の加圧下においては、塩
化メチレン−水系のような低沸点型共沸混合物系の共沸
組成が大幅に変化し、簡便なフラッシュ操作によって水
分が除去できることを見出した。本発明はかかる知見に
基いて完成したものである。
リカーボネートの塩化メチレン溶液を、温度40〜150℃
で加圧状態に保持し、次いで該ポリカーボネートの塩化
メチレン溶液をフラッシュさせることを特徴とするポリ
カーボネート溶液からの水分除去方法を提供するもので
ある。
の製造過程で塩化メチレンと水を使用するものであれば
特に制限はなく、様々なものがある。ポリカーボネート
は、前述の如く、一般に工業的には塩化メチレンを溶媒
として界面重縮合法で製造されている。ホスゲン法に従
えば、ビスフェノールAの苛性ソーダ溶液とホスゲンと
を塩化メチレン中で第三級アミン(トリエチルアミンな
ど)触媒の存在下に反応させることにより得られる。ま
たビスフェノールAの一部または全部が他の二価フェノ
ールであってもよい。
は40重量%以下、通常は5〜30重量%の溶液が対象とな
る。ポリカーボネート濃度が40重量%を越えると、ポリ
カーボネートが析出し、固化して取扱いが困難となり、
この濃度が5重量%未満では回収する溶媒量が多くなる
ために大型の溶媒除去装置が必要となり、建設コストが
上昇するなどの理由から経済的に不利である。
の水分量が5重量ppm未満では水分除去を行う必要が無
く、逆に20000重量ppmを越える場合には、予め遠心分離
などの方法で水分を低減させることが好ましい。
を除去する工程を、第1図に基づいて説明する。
中の水分を除去するためには、まず生成したポリカーボ
ネート溶液を水で充分に洗浄した後、加熱器1に導入し
て所定の温度に加熱昇温する。加熱温度はフラッシュ時
の温度として40〜150℃、好ましくは45〜100℃の範囲に
する必要がある。温度が40℃未満では充分に水分を除去
することができず、また150℃を超えると塩化メチレン
の分解を促進してしまうために適当ではない。
の圧力に制御したフラッシュ槽2に導入し、溶媒である
塩化メチレンとともに水分を蒸発除去する。フラッシュ
槽2内の温度及び圧力は、ポリカーボネート溶液の溶媒
蒸気圧により定めるべきであるが、200℃以上にすると
ポリカーボネートの分解を促進するため好ましくない。
また槽内圧力は0.01〜16kg/cm2G,好ましくは0.5〜6kg/
cm2Gが適当である。圧力が低すぎると充分に水分を除去
することができず、また高すぎると蒸発のための温度を
高める必要があるため好ましくない。
水分とが蒸発して濃縮したポリカーボネート溶液(ポリ
マー溶液)は、槽底部から弁3を介して槽内圧力差、も
しくはポンプなどにより抜き出し、次のポリカーボネー
ト回収工程に送る。
力制御弁4で減圧し、凝縮器5で凝縮させた後に分離槽
6に導入し、水と塩化メチレンとを分離する。分離後の
塩化メチレンは分離槽6の底部から抜き出して回収し、
水は槽上部から抜き出して回収する。
力に保持できるものならば各種のものを用いることがで
き、連続式、バッチ式のいずれでも可能である。たとえ
ば、Chemical Engineer′s Handbook(5th Ed.,McGRAW
−HILL)などに記載された形式のものを用いることでき
る。さらに蒸留塔形式にして一層除去効率を向上させる
こともできる。
する。
000)を塩化メチレン(徳山曹達(株)製)に溶解し、1
0重量%溶液に調整した。このポリカーボネート溶液1
(約1300g)に対し、純水(イオン交換水)を約4cc加
え、ホモジナイザー(MIXER,日本精機製作所(株)製)
を使用して混合した。このポリカーボネート溶液中の水
分をカールフィッシャー固体試料用水分計(三菱化成
(株)製:微量水分測定装置CA−06型,VA−6型)を使
用して測定したところ、水分量は2900重量ppmであっ
た。
(株)製、内容積2l、撹拌機付き)に仕込み、60℃,1kg
/cm2Gに加熱,加圧した。充分恒温になった時点で、オ
ートクレーブに付随するバルブをわずかに開け、600cc
の塩化メチレンを留出させた。この後、バルブを再び閉
じ、室内まで降温した後、オートクレーブ内のポリカー
ボネート液をサンプリングし、水分量を測定したとこ
ろ、50重量ppm迄低下していた。
ートクレーブ内の温度を40℃、圧力を大気圧とした以外
は、実施例1と同様の操作を実施した。その後、オート
クレーブ内の水分量を測定したところ4500重量ppmであ
った。
時の温度及び圧力を、それぞれ第1表に示すように変化
させた以外は、実施例1と同様な操作を実施した。各操
作後の残留水分量をまとめて第1表に示す。
(ポリマー溶液)を使用して後処理(溶媒除去,ポリマ
ー回収)を実施した。
の内部上方に熱交換器12を配設し、下部には排出口13を
形成したものである。本体11は、ジャケット14に覆われ
ており、該ジャケット14内に供給される熱媒体により所
定の温度に加熱される。また本体11の上部には、真空ポ
ンプ等に接続された排気口15が設けられており、本体11
内を所定の減圧状態とするとともに、蒸発した塩化メチ
レンを排出している。さに本体11内には、適所に温度検
出器16が設けられている。
が約0.2m3である。また本体下部の排出口13には溶融ポ
リカーボネート(溶融ポリマー)をは排出するポリマー
ポンプを接続した。
3図に示すように、厚さ0.2mm,波高さ5mmの波形の金属
板(スレートフィンプレート)18,19を直角に組合せ、
ポリカーボネート溶液の流路側の金属板18を10枚,熱媒
体の通路側の金属板19を11枚とし、22枚の厚さ0.2mmの
仕切板(チューブプレート)17を介して両端に熱媒体の
通路、すなわち加熱室を配置するようにして両者を積層
した。この熱交換器ユニットは、外形を約縦(L)105
×横(V)150×高さ(H)70(mm)の大きさとし、高
さ方向にポリカーボネート溶液が流下するように配置し
た。
約0.38m2、 その体積は0.000525m3となり、A/V=670
〔m-1〕である。
300℃に加熱し、かつ本体を−740mmHgの減圧に調整し
た。
マーポンプよりポリカーボネートの溶融物を得ることが
できた。またこの溶媒除去装置の排出口にペレタイザー
を取り付け、得られたポリカーボネートをペレット化し
た。得られたポリカーボネート中の残留塩化メチレン量
の52重量ppmと少なく、色調も透過型YI(黄色度)で3.2
と良質なものであった。
量2900重量ppm)を、直接実施例7と同様にして処理し
た。その結果、得られたポリカーボネートの色調はYIで
11.5と悪化した。
ドル上部に開放部なし,ブレード径:50mm,シリンダー内
壁とパドルとのクリアランス:1mm)を用い、該ニーダー
の原料供給口に実施例1にて脱水されたポリカーボネー
ト溶液を8.0kg/時の割合で供給し、ジャケット温度90℃
にて加熱,脱揮した。その結果、吐出口より整粒化され
たポリカーボネート粉状物が連続的に得られた。この粉
粒状を成形したプレートにして色調を測定したところ、
YIが2.8であった。
ト溶液を使用した以外は、参考例3と同様の操作を行っ
た。その結果、色調はYIで6.8に悪化した。
の塩化メチレン溶液中の水分を効率よく除去することが
でき、塩化メチレンと水との反応による塩酸の生成を大
幅に低減することができる。特にポリカーボネート製造
工程に用いることにより、色相の悪化を低減することが
でき、ポリカーボネートの特性である透明性を充分に発
揮させることができる。
に、またさらに他のポリマーの製造に有効かつ幅広く利
用することができる。
考例で用いた溶媒除去装置を示す説明図、第3図はプレ
ートフィン型熱交換器の熱交換器ユニットを示す説明図
である。 1:加熱器,2:フラッシュ槽,3:弁,4:圧力制御弁,5:凝縮
器,6:分離槽,11:本体,12:熱交換器,13:排出口,14:ジャ
ケット,15:排気口,16:温度検出器,17:仕切板,18:金属
板,19:金属板,24:導入口,25:溶媒用配管
Claims (1)
- 【請求項1】水分を5〜20000重量ppm含有するポリカー
ボネートの塩化メチレン溶液を、温度40〜150℃で加圧
状態に保持し、次いで該ポリカーボネートの塩化メチレ
ン溶液をフラッシュさせることを特徴とするポリカーボ
ネート溶液からの水分除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7902590A JPH0725874B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | ポリカーボネート溶液からの水分除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7902590A JPH0725874B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | ポリカーボネート溶液からの水分除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03281528A JPH03281528A (ja) | 1991-12-12 |
JPH0725874B2 true JPH0725874B2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=13678401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7902590A Expired - Lifetime JPH0725874B2 (ja) | 1990-03-29 | 1990-03-29 | ポリカーボネート溶液からの水分除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0725874B2 (ja) |
-
1990
- 1990-03-29 JP JP7902590A patent/JPH0725874B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03281528A (ja) | 1991-12-12 |
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