JPH07258665A - ガス中の硫化水素と二酸化炭素を除去する方法 - Google Patents
ガス中の硫化水素と二酸化炭素を除去する方法Info
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Abstract
H2 Sを共に除去する方法に関する。 【構成】 CO2 とH2 Sを含むガスとモノ低級アルキ
ルアミノ低級アルカノールから選ばれるヒンダードアミ
ンの水溶液とを接触させて前記ガスからH2 SとCO2
を除去する方法。
Description
H2 S(硫化水素)を含む各種ガスからCO 2 とH2 S
を共に除去する方法に関する。
ス、合成用ガス、水性ガス、天然ガスなど各種ガスに含
まれるCO2 やH2 Sなどの酸性ガスを吸収剤を用いて
除去する技術は以前から知られている。これらの中に
は、単独吸収剤を使用するもの、混合吸収剤を使用する
もの、非水系吸収溶液を用いるもの、水系吸収溶液を用
いるものなど様々である。またCO2 とH2 Sを含むガ
スからH2 Sのみを選択的に除去するもの、両者を除去
するものなどプロセスの目的に応じて吸収剤が選択され
ている。例えばCO2 とH2 Sの両者を含むガスから両
方を共によく吸収する吸収剤としてモノエタノールアミ
ン(以下、「MEA」と略す)が知られている。
は、メチルジエタノールアミン(以下、「MDEA」と
略す)の20〜70重量%水溶液を用いて、10〜11
0バールの圧力下、40〜100℃でCO2 とH2 Sを
含む原料ガスと向流接触させ、原料ガス中のCO2 とH
2 Sを除去する方法が開示されている。
( Chemical Engineering Science) ,41巻,2号,
405〜408頁には、常温付近において、2−アミノ
−2−メチル−1−プロパノール(以下、「AMP」と
略す)のようなヒンダードアミンとモノエタノールアミ
ン(以下、「MEA」と略す)のような直鎖アミンの各
水溶液のCO2 やH2 Sに対する吸収速度が報告されて
いる。
70〜76頁(1984)には、フレキソーブ SE
( Flexsorb SE,商品名)が選択的にH2 Sを除去す
る吸収剤として適すること、フレキソーブ PS(商品
名 Flexsorb PS)がCO2とH2 Sを共に除去する
のに適する吸収剤であること、フレキソーブ HP(商
品名 Flexsorb HP)がCO2 を除去するのに適した
吸収剤である旨が記載されている。そしてMDEAの水
溶液に比べフレキソーブ SEはH2 Sの吸収能が40
%優れているとされている。しかし、これらの吸収剤を
構成する化合物名は明らかではなく、またこの吸収剤は
非水系である。
H2 Sを含むガスからこれらを除去する技術が提案され
ている。しかし処理対象ガスからH2 SとCO2 を共に
かつより効率的に除去することが求められる分野があ
り、このような目的に対し、H2 Sの吸収性能が比較的
高く、かつCO2 に対する吸収性能にも優れ、さらに取
扱いが簡便な水系の吸収剤が求められている。
鑑み、CO2 とH2 Sを含む処理対象ガスからH2 Sと
CO2 の両者に対する吸収性能の高い吸収剤を検討した
結果、特定のヒンダードアミンが特に有効であるとの知
見を得た。すなわち、本発明はCO2 とH2 Sを含むガ
スとモノ低級アルキルアミノ低級アルカノールから選ば
れるヒンダードアミンの水溶液とを接触させることを特
徴とする前記ガス中のH2 SとCO2 を除去する方法に
関する。
ルキルアミノ低級アルカノールの低級アルキルアミノ基
を構成する低級アルキルとしては、炭素数4以下の直鎖
状または分岐状であり、メチル、エチル、プロピル、ブ
チルなどを例示することができる。さらにモノ低級アル
キルアミノアルカノールを構成する低級アルカノールと
しては炭素数4以下で、メタノール、エタノール、1−
プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコ
ール)、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコー
ル、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコールなど
がある。このようなモノ低級アルキルアミノ低級アルカ
ノールとしては、2−メチルアミノエタノール、2−エ
チルアミノエタノール(EAE)、2−プロピルアミノ
エタノール、3−メチルアミノ−1−プロパノール、3
−エチルアミノ−1−プロパノール、3−プロピルアミ
ノ−1−プロパノール、2−メチルアミノ−1−メチル
エタノール、2−エチルアミノ−1−メチルエタノー
ル、2−プロピルアミノ−1−メチルエタノール、4−
メチルアミノ−1−ブタノール、4−エチルアミノ−1
−ブタノールなどを例示することができる。これらは各
単独で用いることができるほか、互いに混合して用いる
ことができる。
ドアミンの水溶液であり、その濃度は通常15〜75重
量%である。また本発明で用いる水溶液には、必要に応
じて腐蝕防止剤、劣化防止剤などが加えられる。また、
本発明において、処理対象ガスとヒンダードアミン水溶
液の接触温度は通常30〜70℃の範囲である。処理対
象ガスの種類にもよるが、接触時の処理対象ガスの圧力
は通常大気圧〜150kg/cm2 Gの範囲である。
水溶液はH2 S及びCO2 の両者に対し優れた吸収性能
を示すが、両成分ガスに対する吸収速度は処理対象ガス
の組成、吸収条件などにより異なる。従って、本発明に
おいてはH2 Sの選択吸収性で評価することとした。こ
こでH2 Sの選択吸収性は所定の吸収条件下において、
吸収液中に吸収されたH2 Sのモル数を同CO2 のモル
数で除し、さらにその値を処理対象ガス中のH2 Sのモ
ル%数とCO2 のモル%数の比で除したものである。本
発明で使用するヒンダードアミン水溶液は、従来この目
的で使用されていたMEAの水溶液と比較すると、H2
Sに対する選択吸収性はほぼ同等でCO 2 も同様に吸収
し、かつH2 Sに対する吸収性能がMEAよりも高いと
いう特徴を有する。
去する方法は各種対象ガスに適用することができる。例
えば石炭・重質油ガス化ガス、合成ガス、水性ガス、天
然ガス、石油精製ガスなどをあげることができる。中で
も、天然ガスにおいては、H 2 Sは当然除去しなければ
ならないが、H2 S以外にCO2 が含まれていると、天
然ガス中のメタンやエタンの液化工程で−50℃以下に
冷却するので、CO2が氷結し、液化工程のラインを閉
塞させる。従って、液化に先立つ精製段階において、脱
硫と共にCO2 含量も低減させる必要がある。本発明の
ガス中のH2 SとCO2 を除去する方法をこのような天
然ガスに適用することにより、CO2 とH2 Sを同時に
低減できる。もちろん天然ガスに限られず他のガスに対
しても、H2 S含有量の低減と同時に不要なCO2 含有
量を低減できれば、輸送料のコストダウン、処理ガスを
使用する合成反応における触媒の不活性化防止、燃料の
場合は燃料単位量当たりの発熱量の増加など極めて有用
である。
ス中には、CO2 がH2 Sに比べ多量に含まれている。
このような処理対象ガスとしては、H2 Sに対して25
モル倍以上のCO2 を含むものが好ましく、さらに好ま
しくは、50モル倍以上のCO2 を含むものである。こ
のような処理対象ガスに対しても、吸収条件を適当に選
定することにより、処理ガス中のH2 SとCO2 の含有
率を共に10ppm、あるいは1ppm以下にすること
もでき、前記のような両成分の含有量の低減要請に応え
ることができる。
限定されないが、その一例について図1によって説明す
る。図1では主要設備のみ示し、付属設備は省略した。
図1において、処理対象ガスは供給ライン101により
吸収塔102の下部に導入され、上部より降下する吸収
液と充填部において気液接触し、吸収処理されたガスは
処理ガス取り出しライン108から系外に取り出され
る。H2 S及びCO2 を吸収した吸収液は吸収液の取り
出しライン103により吸収塔塔底から取り出され、熱
交換器104で加熱されて吸収液の再生塔105に導入
される。再生塔105に至る過程で、フラッシュドラム
によりH2 Sの一部を分離しても構わない。再生塔10
5では下部に設けられたリボイラー109の熱源によ
り、吸収液が再生され、再生吸収液は循環ライン106
により、熱交換器104及び107を経由して吸収塔1
02に循環される。一方、吸収液の再生により取り出さ
れたH2 SとCO2 を含むガスは、その取り出しライン
110から次の処理工程に導かれる。
る。 (実施例1、比較例1)実施例に用いた装置を図2に示
す。図2において、ボンベ201からH2 S/CO2 /
N2 が体積比で1/50/49の混合ガスを減圧弁20
2、流量調節計203を経由して500cc用セパラブ
ルフラスコ204に供給される。セパラブルフラスコ2
04には吸収液300g(吸収剤量が1.01モル)2
07を入れ、前記混合ガスがスターラー206の攪拌下
にバブリングするように配置されている。またセパラブ
ルフラスコ204内の吸収液207の温度は温度調節器
208を具備した水槽205にて50℃に保持されるよ
うになっている。バブリングによりガス成分が吸収液に
吸収された後の出口ガスはサンプリング部209へ一部
導かれてガスクロマトグラフ法による分析に供され、残
りは廃棄部210より系外に廃棄されるようになってい
る。
導き、同一攪拌条件で吸収開始から出口ガス中のH2 S
の濃度が供給混合ガス中の濃度に達した時点(H2 S破
過到達時点)までのH2 S及びCO2 の吸収量とそれら
の選択吸収性を調べた。なお選択吸収性としては、H2
S破過到達時点のH2 SとCO2 の吸収量モル比を原料
ガス中の両者の比(1/50)で除した値である。表1
に結果を示した。
ミンは、従来からH2 SとCO2 の両方の吸収剤として
使用されてきたMEAと比較すると、ヒンダードアミン
1モル当たりのH2 S及びCO2 の吸収量は共に大きく
なっている。また選択吸収性も1であり、H2 SとCO
2 と共に吸収する性質がより大きいことが分かる。この
ように本発明で使用するヒンダードアミン水溶液はH2
SとCO2 の両者に対し優れた吸収性能を示すことが分
かる。これは図3と4の比較からも明らかであることが
分かる。
し、H2 SとCO2 の出口濃度(処理ガス濃度と同義
で、左右の縦軸で表す。単位はVOL%)と経過時間
(横軸,hr)との関係を表したものである。これらの
図から明らかなように、実施例1(図3)においては、
出口ガス中のH2 SとCO2 の初期濃度はゼロを示し、
両者が完全に除去されていることが分かる。従って、図
1のような連続吸収プロセスにおいて、吸収条件を適当
に設定することにより、処理ガス中のCO2 及びH 2 S
濃度を10ppm以下、あるいは1ppm以下にするこ
とも可能である。図3から分かるように、吸収を続けた
ときの出口ガス中の両ガス成分の上昇傾向はほぼ同等で
あることが分かる。それに対し、吸収剤としてMEAの
水溶液を用いた場合(図4)は初期出口ガス中のH2 S
濃度はゼロであるが、曲線の立ち上がりが急であり、C
O2 とH2 Sの吸収性能がEAEに比べ劣ることが分か
る。
によれば、従来のMEAに比べH2 SとCO2 の双方を
吸収する性能が向上する。従って本発明の方法を用いれ
ば、H 2 SとCO2 の両者を含む所定の処理対象ガス中
の両成分を同時に著しく低減することができ、吸収条件
を適当に設定することにより、処理ガス中の両成分濃度
を共に減じることができ、例えば10ppm以下、ある
いは1ppm以下の完全除去とすることもできる。
ス中のH2 SとCO2 濃度の関係を示すグラフ。
2 SとCO2 濃度の関係を示すグラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】 CO2 とH2 Sを含むガスとモノ低級ア
ルキルアミノ低級アルカノールから選ばれるヒンダード
アミンの水溶液とを接触させることを特徴とする前記ガ
ス中のH2 SとCO2 を除去する方法。
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EP95103451A EP0672446B1 (en) | 1994-03-18 | 1995-03-10 | Method for the removal of hydrogen sulfide present in gases |
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Cited By (2)
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US8435325B2 (en) | 2008-10-23 | 2013-05-07 | Hitachi, Ltd. | Method and device for removing CO2 and H2S |
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JPS6345243A (ja) * | 1985-07-22 | 1988-02-26 | ライカ− ラボラトリ−ス インコ−ポレ−テツド | 置換ジ−t−ブチルフエノ−ル類 |
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1994
- 1994-03-18 JP JP6048706A patent/JP2824387B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2011194388A (ja) * | 2010-03-24 | 2011-10-06 | Research Institute Of Innovative Technology For The Earth | ガス中に含まれる二酸化炭素を効果的に吸収及び回収する水溶液 |
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