JPH07256325A - 鋼板の制振制御装置 - Google Patents

鋼板の制振制御装置

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JPH07256325A
JPH07256325A JP5215094A JP5215094A JPH07256325A JP H07256325 A JPH07256325 A JP H07256325A JP 5215094 A JP5215094 A JP 5215094A JP 5215094 A JP5215094 A JP 5215094A JP H07256325 A JPH07256325 A JP H07256325A
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gap
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electromagnet
control
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Tsutomu Michioka
岡 力 道
Keisuke Fujisaki
崎 敬 介 藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼板の位置(間隙)を検出するために特別な
センサを付加する必要をなくす。検出値が、吸引力の調
整の影響を受けるのを防止して、検出誤差を減らす。吸
引力の調整可能範囲を広げる。 【構成】 吸引力を発生する電磁石のインダクタンス変
化から、電磁石と鋼板との間隙を検出する。鋼板の振動
周波数より高い特定周波数の一定振幅の信号SG5を、
吸引力の指令信号SG3に重畳し、電磁石の電流又は電
圧の信号SG5の成分の振幅の大きさを間隙として検出
する。鋼板の板厚に応じて、制御ゲインK1〜K4を変
える。間隙のPID制御系と電流の制御系を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気吸引力を用いた鋼
板の制振制御に関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄工場においては、例えば圧延,焼
鈍,めっき,合金化など、様々な製造工程において、鋼
板をラインに沿って連続的に搬送しながらそれを処理し
ている。この種のラインで鋼板を搬送する場合、鋼板に
は振動が生じ易いが、振動が生じると様々な不具合が生
じる。例えばめっきラインにおいては、ノズルから出る
加圧空気又は加圧ガスの吹付けによって鋼板表面に付着
した溶融金属の厚みを調整する工程で、ノズルの部分を
通過する時に鋼板が振動すると、鋼板上の位置によって
その表面とノズルとの距離が変化するため、溶融金属の
厚みにむらが生じる。また、振動の振幅がある程度大き
くなると、鋼板が予め予定した所定の通路(パスライ
ン)を外れ、その周囲に存在する様々な設備との干渉を
生じる。干渉をなくするためにパスラインからの鋼板の
大きな位置ずれを許容するためには、充分なクリアラン
スを設けなければならないので、その周囲に配置される
設備を全て大型にしなければならない。
【0003】そこで従来より、磁気吸引力を用いた鋼板
の制振制御が実施されている。この種の技術は、例えば
特開平2−62355号公報や実開昭63−15897
0号公報に開示されている。これらの従来例では、鋼板
の位置を検出するために、特別な検出器を備えている
が、鋼板に力を与える電磁石と検出器とを互いにずれた
位置に配置せざるを得ないので、振動の抑制が難しい。
しかも高価なセンサを必要とするので、設備のコストが
増大する。
【0004】そこで、従来より駆動用の電磁石自体を検
出器として利用することが提案されている。例えば、
「日本機械学会論文集(C編)58巻556号(199
2−12):論文No.92−0739」(従来例1)
では、電磁石のコイルに流れる電流とそれによって生じ
る磁束との比が、電磁石と鋼板との間隙の大きさに比例
することを利用し、実際に電流と電磁石中央の磁束とを
検出して、間隙の変化を推定し、その結果を制御にフィ
−ドバックすることによって振動を抑制しうることを理
論的に説明している。
【0005】また、「第5回電磁力関連のダイナミック
スシンポジウム講演論文集:135.PWM方式セルフ
センシング磁気浮上の研究」(従来例2)では、PWM
制御された電力を電磁石に供給するとともに、PWM信
号から搬送波成分を抽出し、この搬送波成分について、
電磁石のコイルに印加される電圧とそれに流れる電流と
の関係から、電磁石と鋼板との間隙を検出し、検出した
間隙の情報からPD制御系が生成した制御量をPWM制
御の操作量(変調信号)としてフィ−ドバックすること
を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
「従来例1」では、間隙の大きさを検出するために、電
流と磁束とを検出する必要があり、磁束を検出するに
は、電磁石の部分に特別なセンサを設置しなければなら
ない。電流だけをフィ−ドバックする場合には、充分に
振動を抑制できない。
【0007】また、上記「従来例2」では、検出される
電圧と電流との比が、間隙だけでなく、PWM信号の変
調率(パルスデュ−ティ)によっても変化するため、間
隙を正確に検出しようとすれば、PWM信号のデュ−テ
ィを狭い範囲でしか調整できない。即ち、電磁石が発生
する電磁力の可変範囲が狭いため、鋼板の振動を充分に
抑制できない。
【0008】従って本発明は、電磁石以外に特別なセン
サを設置することなく、電磁石と鋼板との間隙の正確な
検出を可能にし、かつ、電磁石が発生する電磁力の可変
範囲を広くして、振動抑制能力を改善することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の鋼板の制振制御装置は、鋼板(1)の表側
と裏側のそれぞれの面に少なくとも1つずつ対向して設
置された電磁石(2,3);入力される指令値に対応し
て変化する電流又は電圧を前記電磁石に供給する電力増
幅手段(4,5);前記電磁石に印加される電流又は電
圧に応じた信号を出力する電力検出手段(6);少なく
とも前記鋼板を制振するための制御量を生成し、該制御
量を前記電力増幅手段に指令値(SG3,SG4)とし
て印加する、制御量生成手段(7);前記鋼板の振動周
波数よりも充分に高い、特定周波数の信号を出力する、
信号発生手段(8);該信号発生手段が出力する信号
を、前記指令値に重畳する、信号重畳手段(9);前記
電力検出手段が出力する信号(SG1)から、前記特定
周波数の信号成分を抽出し、抽出された信号に基づい
て、前記鋼板と電磁石との間隙の大きさを示す間隙信号
(SG2)を生成し、該間隙信号を前記制御量生成手段
に帰還する、間隙検出手段(10);を備える。
【0010】なお、電磁石の電流又は電圧に応じた信号
を出力する手段について、ここでは広義の解釈に基づ
き、電力検出手段と定義する。
【0011】また、請求項2の発明では、前記制御量生
成手段は、予め算出された板厚毎の制御ゲイン情報をそ
れぞれ予め定めたアドレスに保持するメモリ手段(1
1);を含み、入力される制振対象鋼板の板厚(d)に
応じて、前記メモリ手段上の1組の制御ゲイン情報(K
1,K2,K3,K4)を選択的に読み出し、この制御
ゲイン情報に基づいて前記制御量を求める、ように構成
される。
【0012】また、請求項3の発明では、前記制御量生
成手段は、電流又は電圧の目標値(is)と間隙の目標
値(Go)とを保持するレジスタ手段(12)を含み、
前記電流又は電圧の目標値と前記電力検出手段が出力す
る信号との差分に基づいた第1の成分(i1)と、前記
間隙の目標値と前記間隙検出手段が出力する間隙信号と
の差分に基づいた第2の成分(x1)とから前記制御量
を生成する、ように構成される。
【0013】また、請求項4の発明では、前記制御量生
成手段は、前記第1の成分及び第2の成分のそれぞれに
ついて予め算出された板厚毎の制御ゲイン情報をそれぞ
れ予め定めたアドレスに保持するメモリ手段(11);
を含み、入力される制振対象鋼板の板厚に応じて、前記
メモリ手段上の第1の成分及び第2の成分のそれぞれに
対する制御ゲイン情報を選択的に読み出し、これらの制
御ゲイン情報に基づいて、前記第1の成分及び第2の成
分のそれぞれに対する制御量成分を求めて前記制御量を
求めるように構成される。
【0014】また、請求項5の発明では、前記間隙検出
手段は、前記特定周波数の信号成分を抽出するバンドパ
スフィルタ手段(21),所定周期毎の信号レベルのピ
−ク値を検出するピ−ク値検出手段(22,24),及
び該ピ−ク値検出手段が出力する信号のレベルを補正し
て信号レベルと間隙との関係を線形化する補正手段(2
3)を含む。
【0015】また、請求項6の発明では、前記制御量生
成手段は、前記第1の成分を求めるために、前記特定周
波数の信号成分の影響を排除するロ−パスフィルタ手段
(14)を含む。
【0016】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0017】
【作用】本発明においては、鋼板(1)の表側と裏側の
それぞれの面に電磁石(2,3)が設けられているの
で、これらの電磁石を付勢することにより、鋼板の表側
と裏側のそれぞれの面に吸引力を与えることができる。
従って、振動によって生じる鋼板の厚み方向の位置ずれ
を、電磁石の吸引力によって修正することができ、振動
を抑制しうる。但し、振動を抑制するためには、鋼板の
厚み方向の位置ずれを検出する必要がある。本発明で
は、前記「従来例2」と同様に、電磁石のコイルのイン
ダクタンスに基づいて、電磁石と鋼板との間隙を検出す
るので、そのために特別な検出器を設ける必要はない。
【0018】電磁石のコイルによって生じる磁束の通路
(コイル−間隙−鋼板)の磁気抵抗Rm及びコイルのイ
ンダクタンスLは、次式で表わされる。
【0019】
【数1】
【0020】即ち、電磁石のインダクタンスLは、電磁
石と鋼板との間隙に応じて変化するので、インダクタン
スLを求めることによって、間隙の大きさを検出しう
る。また、電磁石のコイルに印加する電圧と電流との関
係はインダクタンスLに応じて変化するので、電圧が一
定である場合には、コイルに実際に流れる電流から、ま
た電流が一定である場合には、コイルの端子間の電圧か
ら、インダクタンスL、即ち間隙の大きさを検出しう
る。
【0021】ところで前記「従来例2」の場合、パルス
幅変調(PWM)した信号によって電磁石の通電量を制
御しているので、その時の変調率、即ちパルスデュ−テ
ィに応じて、搬送波成分の電圧と電流との関係も変動す
る。つまり、電磁石の力を調整するために変調率を変え
ると、検出される間隙の大きさに比較的大きな誤差が発
生する。
【0022】本発明では、鋼板の振動周波数よりも充分
に高い、特定周波数の信号(SG5)を出力する信号発
生手段(8)が、間隙の検出のために特別に設けられて
おり、該信号発生手段が出力する信号は、信号重畳手段
(9)によって、指令値に重畳され、電力増幅手段に印
加される。従って前記特定周波数の信号は指令値ととも
に増幅されて電磁石に印加されるが、この信号の周波数
は鋼板の振動周波数よりも充分に高いので、鋼板の吸引
には全く影響を及ぼさない。鋼板の吸引力は、制御量生
成手段(7)が出力する指令値(SG3,SG4)によ
ってのみ制御される。
【0023】指令値(SG3)と特定周波数の信号(S
G5)とは互いに変調されずに単に重畳された形で電磁
石に印加されるので、電磁石の吸引力を調整するために
指令値(SG3)を変更しても、特定周波数の信号(S
G5)には変化は生じない。そして、電磁石と鋼板との
間隙の変化によって電磁石のインダクタンスLが変化す
ると、電磁石のコイルに印加される電圧と電流との関係
が変化する。従って、電磁石の吸引力の調整の影響を受
けない特定周波数の信号(SG5)について、電磁石の
コイルに印加される電圧と電流との関係を調べることに
より、間隙を正確に検出することができる。
【0024】電力検出手段(6)は、電磁石のコイルに
印加される電圧が一定の場合にはコイルに流れる電流を
検出し、コイルに流れる電流が一定の場合にはコイルの
端子間の電圧に応じた信号(SG1)を出力する。間隙
検出手段(10)は、電力検出手段が出力する信号(S
G1)から、前記特定周波数の信号成分を抽出し、抽出
された信号に基づいて、前記鋼板と電磁石との間隙の大
きさを示す間隙信号(SG2)を生成する。特定周波数
の信号成分は、それ以外の成分に比べて周波数が充分に
高いので、例えばバンドパスフィルタやハイパスフィル
タを用いることにより抽出することができる。
【0025】このようにして検出した間隙信号を制御量
生成手段にフィ−ドバックすることにより、鋼板の振動
を抑制する吸引力を電磁石が発生するように、制御する
ことができる。
【0026】ところで、制振をするのに必要な吸引力の
大きさは、制振対象の鋼板の板厚に応じて大きく変化す
る。実際の製造プロセスでは、様々な板厚の鋼板が連続
的にあるいは断続的に搬送されるので、制御ゲインが一
定にすると、鋼板の板厚が比較的薄い場合には吸引力が
過大になり、板厚が厚い場合には吸引力が過小になる可
能性がある。
【0027】そこで請求項2の発明では、制振対象の鋼
板の厚み毎に、最適な制御ゲインを予め計算して求め、
ここで得られた多数の制御ゲイン情報を、メモリ手段
(11)上の板厚に対応付けられたアドレスに登録して
おく。そして実際の制御においては、その時に通板中の
鋼板の板厚(d)に応じて、前記メモリ手段上の1組の
制御ゲイン情報(K1,K2,K3,K4)を選択的に
読み出し、この制御ゲイン情報に基づいて前記制御量を
求める。これにより、板厚毎に最適な制御ゲインが自動
的に設定されることになり、制振するのに最適な吸引力
を電磁石で発生することが可能になる。
【0028】請求項3の発明では、レジスタ手段(1
2)が電流又は電圧の目標値(is)と間隙の目標値
(Go)とを保持しており、制御量生成手段は、電流又
は電圧の目標値と電力検出手段が出力する信号との差分
に基づいた第1の成分(i1)と、間隙の目標値と間隙
検出手段が出力する間隙信号との差分に基づいた第2の
成分(x1)とから制御量を生成する。
【0029】請求項4の発明では、制振対象の鋼板の厚
み毎に、前記第1の成分及び第2の成分のそれぞれに対
する最適な制御ゲインを予め計算して求め、ここで得ら
れた多数の制御ゲイン情報を、メモリ手段(11)上の
板厚に対応付けられたアドレスに登録しておく。そして
実際の制御においては、その時に通板中の鋼板の板厚
(d)に応じて、前記メモリ手段上の1組の制御ゲイン
情報(K1,K2,K3,K4)を選択的に読み出し、
これらの制御ゲイン情報に基づいて前記第1の成分及び
第2の成分のそれぞれに対する制御量成分を求めて前記
制御量を求める。請求項5の発明では、前記間隙検出手
段は、入力される信号(SG1)からバンドパスフィル
タ手段(21)によって前記特定周波数の信号成分を抽
出した後、ピ−ク値検出手段(22,24)によって所
定周期毎の信号レベルのピ−ク値を検出し、補正手段
(23)は、前記ピ−ク値検出手段が出力する信号のレ
ベルを補正して、信号レベルと間隙との関係を線形化す
る。
【0030】入力信号(SG1)から前記特定周波数の
信号成分を抽出することにより、電磁石の吸引力調整に
よって生じる信号の変化分を除くことができる。また、
入力信号(SG1)に含まれる前記特定周波数の信号
(SG5)の成分の振幅は、電磁石と鋼板との間隙の大
きさに応じて変化する。ピ−ク値検出手段が出力する信
号のレベルは、入力信号(SG1)のうち前記特定周波
数の信号成分の振幅、即ち間隙の大きさに対応する。但
し、ピ−ク値検出手段が出力する信号のレベルと間隙の
大きさとの関係は線形でない。これを線形化するために
補正手段(23)が設けられる。補正手段(23)の出
力を制御量生成手段にフィ−ドバックすることにより、
間隙の大きさの広い範囲に渡って、常に適切な制御量を
生成することが可能になり、安定した制御が実現する。
【0031】請求項6の発明では、前記制御量生成手段
は、ロ−パスフィルタ手段(14)を通って前記特定周
波数の信号成分の影響を排除した信号を抽出し、この信
号から前記第1の成分を求める。
【0032】
【実施例】実施例の制振制御装置の構成を図1及び図2
に示す。図1は正面図であり、図2は側面から見た拡大
縦断面図である。この例では、鋼板1は下から上に向か
う方向に連続的に搬送される。鋼板1の表面に対向する
位置に、3個の電磁石2A,2B,2Cで構成される電
磁石ユニット2が固定されており、同様に3個の電磁石
で構成される電磁石ユニット3が、鋼板1の裏面に対向
する位置に固定されている。電磁石ユニット2及び3
は、制御ユニット100に接続されている。制御ユニッ
ト100は、各々の電磁石に印加する電力を調整し、鋼
板1の厚み方向の振動を抑制するように制御する。
【0033】図1及び図2に示す制振制御装置の電気回
路の構成を図3に示す。なお、図3に示す回路は、電磁
石ユニット2及び3の1組の電磁石を制御するものであ
り、実際にはこの回路が3組備わっている。
【0034】図3を参照すると、制御回路7が出力する
指令信号(アナログ電圧)SG3は、加算器9を通って
電力増幅器4に入力される。電力増幅器4は、図4に示
すように構成された線形増幅器であり、入力される信号
のレベルに比例した電圧を出力する。この出力電圧が電
磁石ユニット2の電気コイル2aに印加される。即ち、
電気コイル2aには、電力増幅器4に入力される信号の
レベルに比例した電圧が印加される。
【0035】また、発振器8が加算器9に接続されてい
るので、加算器9の出力には、指令信号SG3に発振器
8が出力する信号SG5が重畳された信号(SG3+S
G5)が現われ、この信号が電力増幅器4に入力され
る。発振器8が出力する信号SG5は、周波数及び振幅
が一定の正弦波であり、周波数は1KHzよりも高い値
に設定されている。このような周波数に定めるのは、信
号SG5が鋼板1の振動に影響を及ぼすのを防止すると
ともに、鋼板1の振動の成分と信号SG5の成分との分
離を確実にするためである。即ち、鋼板1の固有振動周
波数は、最大でも100Hz以下であるため、1KHz
を越える周波数の信号に対しては、鋼板が影響を受ける
心配がなく、また1KHzを越える周波数の信号と10
0Hz以下の周波数の信号(振動成分)とが重畳された
信号から、前者の成分だけを抽出するのは容易である。
【0036】従って、電磁石ユニット2の電気コイル2
aには、2つの信号を重畳した信号(SG3+SG5)
と同一波形の電圧が印加される。電気コイル2aに流れ
る電流の大きさは、電力増幅器4が出力する電圧と、電
気コイル2aのインピ−ダンスとによって定まる。電気
コイル2aのインピ−ダンスのうち、抵抗分は一定であ
るが、インダクタンス成分は、前述のように電磁石ユニ
ット2と鋼板1との間隙に応じて変化する。従って、仮
に電気コイル2aに印加される電圧が一定であっても、
それに流れる電流は電磁石ユニット2と鋼板1との間隙
の大きさに応じて変化する。
【0037】図4に示すように、電力増幅器4と電気コ
イル2aとの間には、電気コイル2aと直列に接続され
た抵抗器によって構成される電流検出器6が設けられて
いる。従って、電流検出器6を流れる電流、即ち電気コ
イル2aを流れる電流の大きさに比例した電圧が、信号
SG1として検出される。
【0038】一方、制御回路7が出力する指令信号(ア
ナログ電圧)SG4は、直接、電力増幅器5に入力され
る。電力増幅器5は、図4に示した電力増幅器4と同一
の構成であり、入力される信号のレベルに比例した電圧
を出力する。この出力電圧が電磁石ユニット3の電気コ
イルに印加される。
【0039】この実施例では、鋼板1が電磁石ユニット
2から離れる方向に変位する時には、電磁石ユニット2
が発生する磁気吸引力によって鋼板が電磁石ユニット2
に近づくように制御し、鋼板1が電磁石ユニット2に近
づく方向に変位する時には、電磁石ユニット3が発生す
る磁気吸引力によって鋼板1が電磁石ユニット3に近づ
くように制御し、鋼板1の厚み方向の振動を抑制する。
従って、鋼板1が電磁石ユニット2から離れる方向に変
位する時には指令信号SG3が現われ、鋼板1が電磁石
ユニット2に近づく方向に変位する時には指令信号SG
4が現われる。指令信号SG3,SG4の生成について
は後で説明する。
【0040】電流検出器6が出力する信号SG1は、信
号処理回路10及びロ−パスフィルタ14に入力され
る。信号処理回路10の出力は、間隙信号SG2として
制御回路7に入力され、ロ−パスフィルタ14の出力
は、電流信号SG13として制御回路7に入力される。
ロ−パスフィルタ14は、特定の遮断周波数以下の成分
だけをSG13として通過させる。遮断周波数は、例え
ば100Hzに設定される。図5に示すように、信号S
G1には、信号SG3の成分とSG5の成分とが重畳さ
れているが、ロ−パスフィルタ14を通った信号SG1
3には、信号SG5の周波数成分は現われない。鋼板1
は、電磁吸引力のうち信号SG5のように周波数の高い
成分には追従しないので、鋼板1に働く電磁吸引力の大
きさは、信号SG13のレベルと対応する。
【0041】信号処理回路10は、バンドパスフィルタ
(増幅器を含む)21,ピ−クホ−ルド回路22,補正
回路23及びリセット回路24で構成されている。バン
ドパスフィルタ21は、信号SG1に含まれているSG
5の周波数成分を抽出し、それを信号SG11として出
力する(図5参照)。前述のように、発振器8が出力す
る信号SG5の振幅は一定であるため、電気コイル2a
に印加される電圧のSG5の周波数成分の振幅も一定で
あり、電気コイル2aを流れる電流のうち信号SG5の
周波数成分の振幅は、電磁石ユニット2と鋼板1との間
隙の大きさのみによって変化する。即ち、バンドパスフ
ィルタ21が出力する信号SG11の振幅の大きさが、
前記間隙の大きさに対応する。
【0042】ピ−クホ−ルド回路22は、リセット回路
24が出力するリセットパルスの周期毎に、その間の入
力信号のピ−クレベルを検出し、このピ−クレベルを信
号SG12として出力する。この例では、リセットパル
スの周期は、信号SG5の波の周期の10倍に定めてあ
る。
【0043】ピ−クホ−ルド回路22が出力する信号S
G12のレベルは、前記間隙の大きさに対応して変化す
るが、信号SG12のレベルと前記間隙の大きさとの関
係は、図6に示すように非線形である。補正回路23
は、信号SG12のレベルを非線形変換し、信号SG2
を生成する。前記間隙の大きさと信号SG2のレベルと
の関係は、図6に示すようにほぼ線形になる。
【0044】実際には、補正回路23は、アナログ電圧
である信号SG12のレベルを前記リセットパルスの周
期毎にサンプリングし、A/D変換により信号SG12
のレベルに対応する値を検出する。そして、入力レベル
と出力レベルとの関係を定めたデ−タを保持するメモリ
テ−ブルから、入力レベルに対応する出力レベルを求
め、この出力レベルをSG2として制御回路7に出力す
る。
【0045】制御回路7は、コンピュ−タ15,信号処
理回路16及び駆動指令切換回路17で構成されてい
る。信号処理回路16は、ロ−パスフィルタ14が出力
する信号を増幅し、A/D変換して信号SG13に対応
するデジタル値を信号SG14としてコンピュ−タ15
に出力する。駆動指令切換回路17は、コンピュ−タ1
5が出力する指令信号SG0から、信号SG3,SG4
を生成する。
【0046】コンピュ−タ15は、メモリ11,レジス
タ12及び13を含んでいる。それ以外の部分は、ソフ
トウェア処理によって実現される。メモリ11は、様々
な板厚のそれぞれに対応するゲインK1〜K4を保持す
るのに充分な記憶容量を有しており、処理18によって
求められた多数のゲインK1〜K4の情報が、板厚に対
応付けたアドレスに予め記憶される。また、実際に制振
制御をする時には、現在通過中の鋼板の板厚dと予め定
めた電流値の目標値is及びギャップ値の目標値Goが、
図示しないプロセスコンピュ−タから入力され、これら
がレジスタ12に保持される。そして、レジスタ12に
保持された板厚dの値に対応するメモリ11のアドレス
から、その内容、即ちゲインK1〜K4が読み出され、
これらのゲイン情報がレジスタ13にセットされる。
【0047】コンピュ−タ15のソフトウェア処理につ
いて説明する。まず、検出したギャップ値である信号S
G2の値とギャップ目標値Go との差分をギャップ誤差
1として求める。また、ギャップ誤差x1とそれを計算
周期の1周期分遅延したものとの差分をギャップ誤差微
分値dx1/dtとして求め、ギャップ誤差x1の累算
値、即ち1周期前に計算した結果(最初は0)に今回の
ギャップ誤差x1を加算した結果をギャップ誤差積分値
として求める。また、電気コイル2aに実際に流れる電
流のうち、鋼板1の吸引に影響を及ぼす成分に対応する
信号SG14の値と電流値の目標値isとの差分を電流
誤差i1として求める。
【0048】そして、上記ギャップ誤差x1,電流誤差
1,ギャップ誤差微分値dx1/dt,及びギャップ誤
差積分値に、それぞれレジスタ13に保持されたゲイン
K1〜K4を掛けた結果の全てを、計算部75におい
て、電流の目標値isから引いた結果を、指令値SG0
として駆動指令切換回路17に出力する。
【0049】つまり、コンピュ−タ15のソフトウェア
処理によって実現される制御系は、間隙の誤差x1に関
するPID(比例・積分・微分)制御系と、電流誤差i
1に関する比例制御系を含んでいる。
【0050】駆動指令切換回路17は、ギャップ誤差微
分値dx1/dtの符号(正/負)から鋼板1の厚み方
向の偏位の方向を識別し、その結果に応じて信号SG3
又はSG4を生成する。駆動指令切換回路17は、D/
A変換器を含んでおり、前記ギャップ誤差微分値dx1
/dtが0又は正である時には、入力される指令値SG
0に対応するアナログ電圧をSG3として出力し、SG
4の電圧は0とする。また、ギャップ誤差微分値dx1
/dtが負である時には、指令値SG0の極性を反転し
た値(−SG0)に対応するアナログ電圧をSG4とし
て出力し、SG3の電圧は0とする。
【0051】従って、鋼板1が電磁石ユニット2から離
れる方向に変位する時には、信号SG3によって、電磁
石ユニット2が発生する磁気吸引力により鋼板が電磁石
ユニット2に近づくように制御され、鋼板1が電磁石ユ
ニット2に近づく方向に変位する時には、信号SG4に
よって電磁石ユニット3が発生する磁気吸引力により、
鋼板1が電磁石ユニット3に近づくように制御されるの
で、鋼板1の厚み方向の振動が抑制される。
【0052】図3に示す処理18の中で各種ゲインKを
算出する手続きは、システム設計者が次に説明する方法
に従って実施する。
【0053】制振制御系は、非飽和モデル(図7(b))
では次式で表わされる。
【0054】
【数2】 me・d2/dt2・x=fex−fm ・・・・(3) e=R・i+d/dt・(L(x)・i) ・・・・(4) fm=α(i/x)2 ・・・・(5) L=La+Lb/x ・・・・(6) 但し、 me:慣性等価質量,fex:外力,fm:鋼板に作用する
吸引力,e:コイル端子電圧,R:コイルの直流電気抵
抗,i:励磁電流,L(x):系のインダクタンス,
x:ギャップ寸法,α=μ021/4,La:漏れイン
ダクタンス,Lb=μ021/2,μ0:真空の透磁
率,n:コイルの巻数,S1:鉄心の断面積 ここで、平衡点からの微小な変位Δx,Δiを導入して
線形化すると次式が得られる。
【0055】
【数3】 me・d2/dt2・Δx=Δfex−Δfm ・・・・(7) Δe=RΔi+d/dt{(L0Δi−(L0−La)γΔx)} ・・(8) Δfm=β(Δi−γΔx) ・・・・(9) L=La−Δx・Lb/x0 2 ・・・・(10) Δe=−Ku ・・・・(11) L0:x=x0のときの系のインダクタンス γ=i0/x0 β=2αγ/x00:x=x0のときの電流 u:制御系の入力 K:制御系のゲイン しかし、磁気飽和の影響を考慮すると式9におけるパラ
メ−タβ,γは実際のものとずれを生じ、また式10は
ギャップxのみの関数で表わせるものでなく電流iの影
響も受ける。
【0056】そこで、ここでは磁気飽和を考慮した飽和
モデル(図7(a))を使用し、制御パラメ−タFx
i,Lx,Liを使用して、Δfm(式9)及び(式10)
を次式で表わす。
【0057】
【数4】 Δfm=Fx・Δx+Fi・Δi ・・・・(12) L=L0+Lx・Δx・LiΔi ・・・・(13) 式11よりΔe(式8)は次式で表わされる。
【0058】
【数5】 Δe=RΔi+(L0+Li・i0)d/dt・Δi +Lx・i0・d/dt・Δx ・・・・(14) 但し、
【0059】
【数6】
【0060】制御パラメ−タは、鋼板の厚さ対応で、ギ
ャップxと電流iに対する磁気吸引力特性およびインダ
クタンス特性から算出される。そして算出された制御パ
ラメ−タから状態方程式を作成し、ゲインデ−タを算出
する。この一連の流れは次の通りである。
【0061】鋼板の厚さdを求め、ギャップxと電流i
に対する磁気吸引力特性デ−タおよびインダクタンス特
性デ−タを実測し、実測デ−タf0(x0,i0),L
(x0,i0)を読み込む。
【0062】次に実測デ−タf0から磁気吸引力fmおよ
びインダクタンスLを表す近似式を作成する。この実施
例では、近似式を次式で表わされる最小自乗法により作
成する。
【0063】
【数7】
【0064】制御パラメ−タから状態方程式を求める。
即ち、式12,式14で用いられた制御パラメ−タを数6で
示したように変え、これらの式と線形化された式7及び
式11において、状態変数を[Δx,Δx’,Δi]に選
ぶと、次の状態方程式が得られる。
【0065】
【数8】
【0066】次に、式17の状態方程式に現代制御理論
における安定化手法である最適レギュレ−タを適用して
フィ−ドバックゲインKを決定する。
【0067】最適レギュレ−タとは、例えば図8に示す
システム、即ち x'(t)=Ax(t)+Bu(t), y(t)=Cx(t) x':dx/dt A,B,C:定数行列 に対して次に示す2次評価関数
【0068】
【数9】
【0069】を最小化する制御器によって構成される制
御系のことをいう。これは、平衡状態x=0を目標とす
る制御系である。上式のQ,Rはそれぞれ出力y(状態
x)と操作量uに対する重み行列であり、Qは非負定な
対称行列、Rは正定な対称行列を示す。ここでRを固定
してQを大きくすると応答性が速くなり操作量uは大き
くなる。また、Qを固定してRを大きくすると応答性が
遅くなり操作量uは小さくなる。設計者はこの性質を考
慮してQとRを決定し、次式に示すリカッチ方程式
【0070】
【数10】
【0071】を解き正定対称な行列Pを求め、このPよ
り評価関数を最小にする入力である制御則
【0072】
【数11】
【0073】を構成する。そして、構成された制御系が
時間応答,操作量の制限等個々の設計仕様を満さないと
きは別のQ,Rを用いて再度設計し仕様を満すまでこれ
を繰り返す。
【0074】このような現代制御理論を適用して次式に
よって定義される最適フィ−ドバックゲインK(=[K
1,K2,K3,K4])を計算する。
【0075】
【数12】
【0076】以上のようにして算出されたゲインK1,
K2,K3,K4が、板厚毎に、メモリ11の板厚に対
応付けられた互いに異なるアドレスに記憶される。
【0077】上記実施例では、電力増幅器4,5に、入
力信号SG3,SG4のレベルに比例する電圧を出力す
るものを用いたが、入力信号のレベルに比例した電流を
出力する構造の電力増幅器を電力増幅器4,5の代わり
に用いてもよい。但しその場合には、電流検出器6を省
略し、その代わりに電磁石のコイルの端子間に現われる
電圧を、信号SG1として検出し、それを前記実施例の
信号処理回路10及びロ−パスフィルタ14に入力する
必要がある。
【0078】また、鋼板は高い周波数(100Hz以
上)の吸引力変化には反応しないので、上記実施例のロ
−パスフィルタ14を省略することは可能であるが、制
御系をより安定にするためにはロ−パスフィルタ14を
設けた方が良い。
【0079】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、電磁石
自体を使用して間隙の大きさを検出し、この間隙の大き
さに応じて電磁石の吸引力を調整し振動を抑制するの
で、鋼板の位置を検出するために特別なセンサを設置す
る必要がない。しかも、間隙に対応して検出される信号
(SG2)と実際の間隙との関係が、電磁石の吸引力の
調整(SG3の変更)に対して影響を受けないので、電
磁石の吸引力を広い範囲で調整しても、間隙の検出誤差
が増大せず、間隙を正確に検出でき、振動抑制能力も改
善される。
【0080】また請求項2の発明によれば、鋼板の板厚
に応じて制御ゲインが自動的に修正されるので、最適な
制御ゲインを鋼板毎に設定することができ、振動抑制能
力が改善される。
【0081】また請求項3の発明によれば、間隙に応じ
た制御だけでなく、電磁石のコイルに流す電流(又は電
圧)に応じた制御をも実施するので、より効果的に振動
を抑制しうる。
【0082】また請求項4の発明によれば、鋼板の板厚
に応じて、第1の成分及び第2の成分に対する制御ゲイ
ンがそれぞれ自動的に修正されるので、最適な制御ゲイ
ンを鋼板毎に設定することができ、振動抑制能力が更に
改善される。
【0083】また請求項5の発明によれば、間隙検出手
段が間隙の大きさに比例する信号を出力するので、制御
系全体の制御ゲインが間隙の大きさに応じて変動するこ
とがなく、制御が安定する。
【0084】また請求項6の発明によれば、吸引力制御
と無関係な周波数の高い信号成分(SG5)が制御系に
入力されないので、制御がより安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 制振制御装置の構成を示す正面図である。
【図2】 図1の鋼板の側面から見た拡大縦断面図であ
る。
【図3】 図1の装置の1組の制御系を示すブロック図
である。
【図4】 図3の電力増幅器4の構成を示す電気回路図
である。
【図5】 信号処理回路10に関する信号波形の例を示
す波形図である。
【図6】 間隙の大きさと信号レベルとの関係を示すグ
ラフである。
【図7】 磁気制振系の飽和モデル及び非飽和モデルを
示すブロック図である。
【図8】 最適レギュレ−タを適用するシステムの構成
例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:鋼板 2,3:電磁石ユニ
ット 2A,2B,2C:電磁石 2a:電気コイル 4,5:電力増幅器 6:電流検出器 7:制御回路 8:発振器 9:加算器 10,16:信号処
理回路 11:メモリ 12,13:レジス
タ 14:ロ−パスフィルタ 15:コンピュ−タ 17:駆動指令切換回路 21:バンドパスフ
ィルタ 22:ピ−クホ−ルド回路 23:補正回路 24:リセット回路 71:掛算器 75:加算器 100:制御ユニッ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の表側と裏側のそれぞれの面に少な
    くとも1つずつ対向して設置された電磁石;入力される
    指令値に対応して変化する電流又は電圧を前記電磁石に
    供給する電力増幅手段;前記電磁石に印加される電流又
    は電圧に応じた信号を出力する電力検出手段;少なくと
    も前記鋼板を制振するための制御量を生成し、該制御量
    を前記電力増幅手段に指令値として印加する、制御量生
    成手段;前記鋼板の振動周波数よりも充分に高い、特定
    周波数の信号を出力する、信号発生手段;該信号発生手
    段が出力する信号を、前記指令値に重畳する、信号重畳
    手段;前記電力検出手段が出力する信号から、前記特定
    周波数の信号成分を抽出し、抽出された信号に基づい
    て、前記鋼板と電磁石との間隙の大きさを示す間隙信号
    を生成し、該間隙信号を前記制御量生成手段に帰還す
    る、間隙検出手段;を備える、鋼板の制振制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御量生成手段は、予め算出された
    板厚毎の制御ゲイン情報をそれぞれ予め定めたアドレス
    に保持するメモリ手段;を含み、入力される制振対象鋼
    板の板厚に応じて、前記メモリ手段上の1組の制御ゲイ
    ン情報を選択的に読み出し、この制御ゲイン情報に基づ
    いて前記制御量を求める、前記請求項1記載の鋼板の制
    振制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御量生成手段は、電流又は電圧の
    目標値と間隙の目標値とを保持するレジスタ手段を含
    み、前記電流又は電圧の目標値と前記電力検出手段が出
    力する信号との差分に基づいた第1の成分と、前記間隙
    の目標値と前記間隙検出手段が出力する間隙信号との差
    分に基づいた第2の成分とから前記制御量を生成する、
    前記請求項1記載の鋼板の制振制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御量生成手段は、前記第1の成分
    及び第2の成分のそれぞれについて予め算出された板厚
    毎の制御ゲイン情報をそれぞれ予め定めたアドレスに保
    持するメモリ手段;を含み、入力される制振対象鋼板の
    板厚に応じて、前記メモリ手段上の第1の成分及び第2
    の成分のそれぞれに対する制御ゲイン情報を選択的に読
    み出し、これらの制御ゲイン情報に基づいて、前記第1
    の成分及び第2の成分のそれぞれに対する制御量成分を
    求めて前記制御量を求める、前記請求項3記載の鋼板の
    制振制御装置。
  5. 【請求項5】 前記間隙検出手段は、前記特定周波数の
    信号成分を抽出するバンドパスフィルタ手段,所定周期
    毎の信号レベルのピ−ク値を検出するピ−ク値検出手
    段,及び該ピ−ク値検出手段が出力する信号のレベルを
    補正して信号レベルと間隙との関係を線形化する補正手
    段を含む、前記請求項1記載の鋼板の制振制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御量生成手段は、前記第1の成分
    を求めるために、前記特定周波数の信号成分の影響を排
    除するロ−パスフィルタ手段を含む、前記請求項3記載
    の鋼板の制振制御装置。
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