JPH07255703A - 左心室、左心房輪郭の自動抽出方法 - Google Patents

左心室、左心房輪郭の自動抽出方法

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JPH07255703A
JPH07255703A JP6076470A JP7647094A JPH07255703A JP H07255703 A JPH07255703 A JP H07255703A JP 6076470 A JP6076470 A JP 6076470A JP 7647094 A JP7647094 A JP 7647094A JP H07255703 A JPH07255703 A JP H07255703A
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JP6076470A
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English (en)
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Shinichi Utsunomiya
眞一 宇都宮
Kentaro Matsumura
憲太郎 松村
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 輪郭点の手入力操作を極力少なくし、僧帽弁
部を含む左心室、または左心房の輪郭抽出処理を複数枚
の各撮像画像に対して迅速、かつ正確に行う。 【構成】 第1画像の僧帽弁部の両端点と他の輪郭上の
一つの輪郭点をオペレータが手入力で指示する(S
1)。僧帽弁部の両端点を直線で結んで第1画像の僧帽
弁部の部分輪郭線とするとともに、僧帽弁部以外の部分
輪郭線を抽出する(S2,S3)。第2画像以降の各撮
像画像の僧帽弁部の両端付近に端点探索範囲を設定し、
両探索範囲内の走査線の組合せによって決定する各範囲
について、輪郭候補線を抽出する。対象臓器の一般特性
と僧帽弁部の固有の特性を利用して、一群の輪郭候補線
の中から最適な輪郭候補線を選び、それを各撮像画像の
輪郭線とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、MRI(Magnetic R
esonance Imaging) 、DSA(Digital Subtraction An
giography)、シンチレーションカメラ、超音波断層像撮
像装置等の医用画像装置を使って、左心室または左心房
の断面を時間的に連続して撮像した複数枚の撮像画像そ
れぞれから、関心領域としての左心室または左心房の輪
郭を自動的に抽出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の左心室、左心房輪郭の自動抽出方
法を図16を参照して説明する。図16は、MRI装置
などで撮像された左心室の断面画像(特に、僧帽弁部を
含む長軸像)である。
【0003】従来から行われている臓器輪郭抽出の一般
的な手法は、診断対象となる臓器の撮像画像の領域内に
設定した点Oを中心に、放射状に複数本の走査線SLを
設定し(図16(a)参照)、各走査線SLに沿った画
像濃度値と、予め適宜に定められた閾値THとを比較し
て、閾値THと等しい画像濃度値をもった点(半径座
標)を輪郭点Pとして抽出している(図16(b)参
照)。
【0004】ところで、図16の撮像画像中に鎖線領域
で囲んだ僧帽弁部A(左心室から左心房へ血液が逆流し
ないように働く弁で、大動脈弁とも呼ばれる)は、その
濃度勾配が小さいので、上述した画像処理ではその輪郭
点を抽出することが困難である。そこで、僧帽弁部Aの
両端点a1 ,a2 をオペレータが手操作で入力し、その
他の左心室(または左心房)の輪郭は上述した画像処理
で自動抽出し、僧帽弁部Aの部分輪郭は手入力された僧
帽弁部Aの両端点a1 ,a2 を直線で結ぶことにより、
左心室(または左心房)の全輪郭を抽出するという処理
を、各撮像画像について繰り返し行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例によれば、複数枚の各撮像画像の全てに対して
僧帽弁部の両端点を入力支持する必要があるので、オペ
レータの負担が大きく、輪郭点の抽出処理に手間がかか
るという問題点がある。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、オペレータによる輪郭点の手入力操
作を極力少なくし、僧帽弁部を含む左心室、または左心
房の輪郭抽出処理を複数枚の各撮像画像に対して迅速に
行うことができる左心室、左心房輪郭の自動抽出方法を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、僧帽弁部を含む左心室または左心房
(以下、対象臓器という)の同一断面を時間的に連続し
て撮像して得られた複数枚の撮像画像について、各撮像
画像の対象臓器の輪郭を自動的に抽出する方法であっ
て、(a)第1画像の僧帽弁部の両端点と僧帽弁部以外
の対象臓器輪郭上の少なくとも一つの輪郭点をオペレー
タが手入力で指示する過程と、(b)前記過程で入力さ
れた輪郭点(入力輪郭点)に基づいて、またはオペレー
タが手入力で指示することにより第1画像の中心点を求
め、この中心点から第1画像上に放射状に走査線を設定
する過程と、(c)僧帽弁部両端の入力輪郭点を直線で
結んで第1画像の僧帽弁部の部分輪郭線とするととも
に、前記各入力輪郭点を輪郭抽出の手掛かり情報とし、
かつ対象臓器の特性を利用して前記各走査線に沿った画
像濃度変化点を評価することにより第1画像の僧帽弁部
以外の対象臓器の部分輪郭線を抽出する過程と、(d)
第2画像以降の各撮像画像について、第1画像の中心点
に対応する点から放射状に走査線を設定する過程と、
(e)第1画像の僧帽弁部の両端点位置情報に基づき、
第2画像以降の各撮像画像の僧帽弁部の両端付近に端点
探索範囲をそれぞれ設定する過程と、(f)一方の端点
探索範囲内の各走査線と他方の端点探索範囲内の各走査
線との組合せによって得られる、僧帽弁部を含まない輪
郭評価範囲それぞれについて、僧帽弁部以外の部分輪郭
候補線を抽出する過程と、(g)前記輪郭評価範囲それ
ぞれについて得られた僧帽弁部以外の部分輪郭候補線の
両端を直線で結んで、これを僧帽弁部の部分輪郭候補線
とする過程と、(h)前記僧帽弁部以外の部分輪郭候補
線と僧帽弁部の部分輪郭候補線とからなる、前記輪郭評
価範囲ごとの輪郭候補線を、第2画像以降の各撮像画像
の輪郭線と当該撮像画像に対して実質上時間的に近い撮
像画像の輪郭線との関連に係る、対象臓器の一般特性お
よび僧帽弁部の固有の特性を利用して評価することによ
り、前記一群の輪郭候補線の中から最適な輪郭候補線を
選出し、これを当該撮像画像の輪郭線とする処理を、第
2画像以降の各撮像画像について行う過程と、を備えた
ものである。
【0008】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。まず、複
数枚の撮像画像の中から適宜の第1画像が選択され、こ
の第1画像の輪郭線が、以下の各過程によって抽出され
る。
【0009】オペレータは、第1画像の僧帽弁部の両端
点と僧帽弁部以外の対象臓器の輪郭上の少なくとも一つ
の輪郭点とを手入力で指示する。僧帽弁部付近の画像の
濃度勾配が小さくても、オペレータは、経験的に僧帽弁
部とそれ以外の対象臓器部分とを識別する能力を備えて
いるので、入力指示された輪郭点は信頼性が高く、以後
の処理で確定した輪郭点として用いることができる。
【0010】次の過程では、指示された入力輪郭点に基
づいて、あるいはオペレータが手入力で指示することに
より、第1画像の中心点を求め、この中心点から第1画
像中に放射状に走査線を設定する。この中心点は、対象
臓器の画像領域内にあるので、各走査線は必ず対象臓器
の輪郭線を横切る。
【0011】そして、僧帽弁部両端の入力輪郭点を直線
で結んで第1画像の僧帽弁部の部分輪郭線とするととも
に、各入力輪郭点を手掛かり情報とし、かつ対象臓器の
特性を利用して各走査線に沿って画像濃度変化点を評価
することにより第1画像の僧帽弁部以外の対象臓器の部
分輪郭線を抽出する。以上の処理により、第1画像の輪
郭線が確定する。
【0012】続いて、第1画像の確定した輪郭線を利用
して、第2画像以降の各撮像画像の輪郭線を以下の各過
程で抽出する。
【0013】第2画像について、第1画像の中心点に対
応する点から放射状に走査線を設定する。そして、第1
画像の僧帽弁部の両端点位置情報に基づいて、第2画像
の僧帽弁部の両端付近に端点探索範囲をそれぞれ設定す
る。各撮像画像間で僧帽弁部の両端点の変移量は僅かで
あるので、第2画像の僧帽弁部の両端点は、前記設定さ
れた2つの端点探索範囲内に入っている。
【0014】次に、一方の端点探索範囲内の各走査線と
他方の端点探索範囲内の各走査線との組合せによって得
られる、僧帽弁部を含まない輪郭評価範囲それぞれにつ
いて、僧帽弁部以外の部分輪郭候補線を抽出する。そし
て、一群の輪郭評価範囲それぞれについて得られた僧帽
弁部以外の部分輪郭候補線の両端を結んで、これを第2
画像の僧帽弁部の部分輪郭候補線とする。
【0015】そして、僧帽弁部以外の部分輪郭候補線と
僧帽弁部の部分輪郭候補線とからなる、各輪郭評価範囲
ごとの輪郭候補線を、第2画像の輪郭線とこれに実質上
時間的に近い撮像画像(ここでは、第1画像)の輪郭線
との関連に係る、対象臓器の一般的な特性(例えば、第
2画像の輪郭線は滑らかであり、かつ時間的に近い第1
画像の輪郭線の近くにある、という特性)および僧帽弁
部の固有の特性(例えば、各撮像画像を通じて、僧帽弁
部の長さ、水平仰角はほぼ一定に保たれる、という特
性)を利用して評価することにより、前記一群の輪郭候
補線の中から最適な輪郭候補線を選出し、これを第2画
像の輪郭線とする。
【0016】第3画像については、第1画像の僧帽弁部
の輪郭線および第2画像の確定した輪郭線を利用して、
第2画像と同様の評価を行って、最適な輪郭線を抽出す
る。以後、各撮像画像について同様の処理を繰り返し行
うことにより、第2画像以降の各撮像画像については僧
帽弁部の両端点等を手入力で指定することなく、各撮像
画像の輪郭線が自動的に抽出される。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。まず、図2を参照して、この発明方法が適用
される装置の一例である、磁気共鳴断層撮影(MRI)
装置の概略構成を説明する。ただし、この発明はMRI
装置に限定されず、DSA装置等にも適用することがで
きる。
【0018】主マグネット11は静磁場を発生するため
のもので、この静磁場に重畳するように傾斜磁場コイル
12によって傾斜磁場が印加される。傾斜磁場コイル1
2はX,Y,Zの3軸方向に磁場強度がそれぞれ傾斜す
る傾斜磁場GX ,GY ,GZを発生するように配置され
ている。この静磁場及び傾斜磁場が加えられる空間に、
図示しない被検体(患者)が配置され、その被検体にR
Fコイル13が取り付けられる。
【0019】傾斜磁場コイル12には傾斜磁場電源21
が接続され、GX ,GY ,GZ の各傾斜磁場発生用電力
が供給される。この傾斜磁場電源21には波形発生器2
2からの波形信号が入力されてGX ,GY ,GZ の各傾
斜磁場波形が制御される。RFコイル13にはRFパワ
ーアンプ33からRF信号が供給され、これにより被検
体へのRF信号照射が行われる。このRF信号は、RF
信号発生器31より発生させられたRF信号を、変調器
32で、波形発生器22から送られてきた波形に応じて
AM変調したものとなっている。
【0020】被検体で発生したNMR信号はRFコイル
13により受信され、プリアンプ41を経て位相検波器
42に送られる。位相検波器42において、受信信号は
RF信号発生器31からのRF信号を参照信号として位
相検波され、検波出力がA/D変換器43に送られる。
このA/D変換器43にはサンプリングパルス発生器2
4からサンプリングパルスが入力されており、このサン
プリングパルスに応じて検波出力のデジタルデータへの
変換が行われる。そのデジタルデータはホストコンピュ
ータ51に取り込まれる。
【0021】ホストコンピュータ51は、取り込まれた
データを処理して画像を再構成するとともに、タイミン
グ発生器23を介してシーケンス全体のタイミングを定
める。すなわち、タイミング発生器23は、ホストコン
ピュータ51の制御の下に、波形発生器22、RF信号
発生器31、サンプリングパルス発生器24にタイミン
グ信号を送り、波形発生器22から各波形信号が出力さ
れるタイミングを定めるとともに、RF信号発生器31
からRF信号発生タイミングを定め、さらにサンプリン
グパルス発生器24からのサンプリングパルス発生タイ
ミングを定める。また、ホストコンピュータ51は、波
形発生器22に波形情報を送り、GX ,GY ,GZ の各
傾斜磁場パルスの波形、強度等を制御するとともに、R
Fコイル13から被検体に照射するRF信号のエンベロ
ープを定め、さらにRF信号発生器31に信号を送って
RF信号の周波数や位相を制御する。
【0022】このホストコンピュータ51には画像表示
装置52と入力装置53とが接続されている。画像表示
装置52は再構成画像等を表示する。入力装置53は、
キーボードや切り換えスイッチあるいはトラックボー
ル、マウス等のポインティングデバイス等からなる。
【0023】上述したMRI装置によって、被検体の診
断対象となる臓器(例えば、心臓)の同一断面が時間的
に連続して撮像されて、各々の再構成画像がホストコン
ピュータ51に格納される。また、傾斜磁場を適宜に制
御して、診断対象となる臓器の異なる断面が位置的に連
続して撮像(マルチスライス)され、各々の再構成画像
がホストコンピュータ51に格納されることもある。
【0024】そして、心臓(特に、左心室)の体積変化
を調べて心機能を診断する場合等、必要に応じて、臓器
の再構成画像(以下、撮像画像、あるいは単に画像とい
う)の輪郭線の抽出処理が、ホストコンピュータ51に
よって行われる。
【0025】以下、左心室の同一長軸断面が時間的に連
続して撮像されて得られた複数枚の画像について、輪郭
線を自動的に抽出するための処理を図1のフローチャー
トを参照して説明する。
【0026】ステップS1:まず、複数枚の撮像画像の
中から適宜な第1番目の撮像画像(第1画像)が画像表
示装置52に表示される。図3に示すように、オペレー
タは、この第1画像を見ながら、入力装置53の例えば
マウスを使って、僧帽弁部Aの両端点PIN1 ,PIN2
僧帽弁部以外の対象臓器輪郭上の少なくとも一つの輪郭
点PIN3 とを入力指示する。図3中、斜線領域は左心室
の長軸撮像断面である。僧帽弁部Aの濃度勾配は小さ
く、その輪郭は明瞭ではないが、オペレータは、その経
験により、微妙な濃度差や対象臓器の形態的特性に基づ
いて僧帽弁部の両端点を正確に指定することができる。
指定された各入力輪郭点PIN1 ,PIN2 ,PIN3 の座標
はホストコンピュータ51に取り込まれる。なお、僧帽
弁部以外の対象臓器輪郭上の点は、1点に限らず2点以
上の輪郭点を指定してもよい。
【0027】ステップS2:図4に示すように、入力輪
郭点PIN1 ,PIN2 ,PIN3 から第1画像(臓器断面)
の中心点Oを算出し、その中心点Oから放射状に走査線
SLを設定する。第1画像の中心点は、放射状の走査線
SLが切る輪郭線の長さが略均等になるように設定され
るのが輪郭のガタツキを少なくする上で好ましい。中心
点としては、例えば入力輪郭点PIN1 ,PIN2 ,PIN3
で定まる三角形の重心、あるいは、入力輪郭点PIN1
IN2 間の中点と入力輪郭点PIN3 とを結んだ線分の中
点等が採用される。また、第1画像の中心点の設定をオ
ペレータに委ねても、処理の効率はそれほど悪くならな
いので、オペレータ自身が設定するようにしてもよい。
【0028】走査線の数は、後述する演算処理に要する
時間と、抽出する輪郭線のガタツキとの兼ね合いで適宜
に定められる。例えば、走査線の数は、32本あるいは
64本程度で、各走査線は等角度に設定される。設定さ
れた走査線上に入力輪郭点が位置しない場合、例えば、
その入力輪郭点から最も近い走査線上に入力輪郭点を移
動(中心点回りに回転変位)させて、全ての入力輪郭点
が走査線上に位置するように設定する。もちろん、入力
輪郭点を移動させずに、各入力輪郭点を通過するように
数本の走査線を先に設定し、これらの走査線の間に複数
本の走査線を適宜に設定するようにしてもよい。この場
合、走査線の間隔は必ずしも等角度でなくてもよい。
【0029】ステップS3:僧帽弁部の両端入力輪郭点
IN1 ,PIN2 を直線で結んで、僧帽弁部の部分輪郭線
とするとともに、僧帽弁部以外の対象臓器の部分輪郭線
を以下の処理によって抽出する。
【0030】まず、図4に示した第1画像上の各走査線
SLに沿った画像濃度変化に着目して、僧帽弁部および
入力輪郭点が存在する走査線以外の各走査線について、
輪郭点となる可能性のある輪郭候補点を抽出する。図5
を参照して、輪郭候補点の抽出法を説明する。図5
(a)は走査線に沿った画像濃度値を示し、図5(b)
はその微分値を示す。対象臓器の画像濃度値がそれ以外
の周囲の画像濃度値よりも高い撮像画像の場合は、走査
線を中心点側から外方向に沿ってみた場合に、『明』か
ら『暗』に切り変わる部分が輪郭点となる可能性のある
点である。そこで、各走査線に沿った画像濃度値を、中
心側から外方向に向かって微分処理し、その微分値が極
小値をとる全ての点を輪郭候補点として抽出(その半径
座標を記憶)する。逆に、対象臓器の画像濃度値がそれ
以外の周囲の画像濃度値よりも低い撮像画像の場合は微
分値が極大値をとる点を輪郭候補点として抽出する。他
の例として、画像濃度値自身が極小値をとる点や、極大
値をとる点を輪郭候補点として抽出してもよい。図6
は、ステップS3で抽出された第1画像の輪郭候補点の
分布を示す。図中の黒丸印は入力輪郭点、三角印は輪郭
候補点である。
【0031】次に複数個の入力輪郭点の一つ(例えば、
入力輪郭点PIN2 )を第1画像の確定した輪郭線の始端
とし、他の一つ(例えば、入力輪郭点PIN3 )を確定し
た輪郭線の終端として、両入力輪郭点PIN2 ,PIN3
に存在する隣接した各走査線上の輪郭候補点を相互につ
ないだ複数個の輪郭候補点の組合せを、臓器輪郭が滑ら
かであるという、臓器の定性的な特性を利用して評価す
ることにより、最適な輪郭候補点の組合せを選出し、こ
れを前記両入力輪郭点間の第1画像の輪郭点として確定
する。この操作を他の入力輪郭点間(ここでは、入力輪
郭点PIN1 ,PIN3 )についても繰り返し行い、第1画
像の僧帽弁部以外の対象臓器の輪郭点を確定する。以
下、輪郭候補点の組合せの評価手法の一例について説明
する。
【0032】この評価手法は、複数個の輪郭候補点の組
合せによって得られる複数種類の輪郭線の内、どの輪郭
線が最も滑らかであるかという評価を、隣接する走査線
上の各輪郭候補点の半径の差分の累積値と、隣接する走
査線上の各輪郭候補点間の距離の累積値とに基づいて行
うものである。前者の『半径の差分の累積値』は、輪郭
線が円に近い程、滑らかであるという評価に基づくもの
であり、後者の『距離の累積値』は、輪郭線が直線に近
い程、滑らかであるという評価に基づくものである。何
れの評価を重視するかは、対象臓器の形態的特性を考慮
して定められる。例えば、臓器輪郭が円形に近い左心室
の短軸像のような場合は前者にウエイトを置き、臓器輪
郭が細長い左心室の長軸像のような場合には後者にウエ
イトを置く。本実施例は左心室の長軸像を取り扱うの
で、後者にウエイトが置かれる。以下、図7を参照して
説明する。
【0033】まず、走査線SL0 上の入力輪郭点PIN2
を始端とし、走査線SLn 上の入力輪郭点PIN3 を終端
とし、両入力輪郭点PIN2 ,PIN3 の間にある各走査線
SL1 ,SL2 ,…,SLn-1 上の各輪郭候補点の組合
せを評価する。いま、走査線SL1 上の輪郭候補点をP
11,P12,P13とした場合、各輪郭候補点の評価値
11,C12,C13として、次のように中心点Oからの各
輪郭候補点P11,P12,P13の半径と入力輪郭点PIN1
の半径の差分の絶対値と、各輪郭候補点P11,P12,P
13と隣接走査線上の輪郭候補点(ここでは走査線SL0
上の入力輪郭点PIN 2 )との距離Lとの和を設定する。
【0034】 P11の評価値:C11=k1 ×|r11−r0 |+k2 ×L
11-IN212の評価値:C12=k1 ×|r12−r0 |+k2 ×L
12-IN213の評価値:C13=k1 ×|r13−r0 |+k2 ×L
13-IN2 上式中、k1 ,k2 は『半径の差分』を重視するか、あ
るいは『距離』を重視するかを決定するための係数であ
り、上述ように対象臓器の輪郭形に応じて適宜に設定さ
れる。
【0035】そして、各輪郭候補点P11,P12,P13
ついて、各輪郭候補点の評価値C11,C12,C13と、各
輪郭候補点の相手先である入力輪郭点P1 とを記憶して
おく。以下に記憶内容を模式的に示す。 P11={C11,PIN2 } P12={C12,PIN2 } P13={C13,PIN2
【0036】次の走査線SL2 上の各輪郭候補点P21
22,P23,P24について、以下のように累積した評価
値を設定する。各輪郭候補点P21,P22,P23,P24
ついて、その相手先として3個の輪郭候補点P11
12,P13がある。そこで、各輪郭候補点P21,P22
23,P24について、相手先P11,P12,P13との半径
の差分の絶対値と距離との和と、相手先P11,P12,P
13がもっている評価値C11,C12,C13との累積値をそ
れぞれ求め、これらの累積値の中から最小のものを各輪
郭候補点P21,P22,P23,P24の評価値C21,C22
23,C24として設定する。以下に、評価値C21
22,C23,C24の算出式を示す。各式中のMINは、
括弧内の複数個の累積評価値の内、最小のもの選択する
ことを示す。
【0037】 P21の評価値:C21=MIN(K1×|r21−r11|+K2×L
21-11 +C11, K1×|r21−r12|+K2×L21-12 +C12, K1×|r21−r13|+K2×L21-13 +C13) P22の評価値:C22=MIN(K1×|r22−r11|+K2×L
22-11 +C11, K1×|r22−r12|+K2×L22-12 +C12, K1×|r22−r13|+K2×L22-13 +C13) P23の評価値:C23=MIN(K1×|r23−r11|+K2×L
23-11 +C11, K1×|r23−r12|+K2×L23-12 +C12, K1×|r23−r13|+K2×L23-13 +C13) P24の評価値:C24=MIN(K1×|r24−r11|+K2×L
24-11 +C11, K1×|r24−r12|+K2×L24-12 +C12, K1×|r24−r13|+K2×L24-13 +C13
【0038】上記演算処理により、例えば輪郭候補点P
21について、K1×|r21−r11|+K2×L21-11 +C11
が選択されたとすると、この累積評価値と、その相手先
である輪郭候補点P11とを、輪郭候補点P21に対応付け
て記憶する。また、輪郭候補点P22については相手先と
してP12が、輪郭候補点P23についてはP13が、輪郭候
補点P24についてもP13が、それぞれ選択されたとす
る。以下に各輪郭候補点P21,P22,P23,P24の累積
評価値と相手先との記憶内容を模式的に示す。
【0039】P21={C21,P11} P22={C22,P12} P23={C23,P13} P24={C24,P13
【0040】以下、同様の処理を隣接する走査線S
3 ,SL4 ,…の各輪郭候補点について実行して、各
輪郭候補点に対応付けて累積評価値と相手先とを記憶す
る。そして、最終の走査線SLn 上では、終端の入力輪
郭点PIN3 が一つだけであるので、その評価値CIN3
次に示すように一義的に定まる。
【0041】 CIN3 =MIN(k1×|rn −rn-1,1 |+k2×LIN3-1
n-1,1 k1×|rn −rn-1,2 |+k2×LIN3-2 +Cn-1,2 k1×|rn −rn-1,3 |+k2×LIN3-3 +Cn-1,3
【0042】上記のPIN3 の評価値の演算により、例え
ば輪郭候補点Pn-1,2 が選ばれたとすると、この輪郭候
補点Pn-1,2 が走査線SLn-1 上の輪郭点として確定す
る。輪郭点として確定した輪郭候補点Pn-1,2 に対応つ
けて、累積評価値が最小となる相手先の輪郭候補点が既
に記憶されているので、その輪郭候補点が一つ前の走査
線SLn-2 上の輪郭点として確定する。以下、順に、い
わゆるバックトレースされることによって、走査線SL
n-3 、…、SL2 、SL1 上の輪郭点が確定し、入力輪
郭点PIN2 とPIN3 間の輪郭線が抽出される。図8に各
走査線上の輪郭点のバックトレースの様子を示す。
【0043】以上と同様の処理を入力輪郭点PIN1 ,P
IN3 間についても実行することにより、入力輪郭点P
IN1 ,PIN3 間の僧帽弁部を含まない対象臓器の部分輪
郭線が抽出される。僧帽弁部の入力輪郭点PIN1 ,P
IN2 を直線で結んで得られた僧帽弁部の部分輪郭線の位
置情報(具体的には僧帽弁部の走査線上の輪郭点の半径
座標)と、僧帽弁部以外の対象臓器の部分輪郭線の位置
情報(前記抽出された各走査線上の輪郭点の半径座標)
は、ホストコンピュータ51に格納される。
【0044】ステップS4:第1画像の輪郭線が確定す
ると、第2画像を処理対象(i=2)として選択する。
【0045】ステップS5:第i(第2)画像中に第i
−1(第1)画像の中心点に対応した中心点を設定し、
その中心点から放射状に走査線を設定する。走査線の設
定手法はステップS2で説明したと同様であるので、こ
こでの説明は省略する。
【0046】ステップS6:以下、図9を参照する。同
図において、実線は第i−1(第1)画像の確定した輪
郭線であり、鎖線は以下の処理で抽出しようとする第i
(第2)画像の輪郭線である。このステップS6では、
第1画像の僧帽弁部の両端点(入力輪郭点PIN1 ,P
IN2 )の位置情報に基づいて、第2画像の僧帽弁部の両
端付近に端点探索範囲Ls,Rsをそれぞれ設定する。
この発明は、探索範囲を狭く限定しなければ実施し得な
いものではないが、処理時間との兼ね合いで、経験的に
認められる僧帽弁部の両端の変位量よりも少し広めの探
索範囲を採用するのがよい。各撮像画像間で僧帽弁部の
両端点の変移量は僅かであることは僧帽弁部の固有の特
性として認められている。そこで、第1画像の僧帽弁部
の入力輪郭点PIN1 ,PIN2 のそれぞれについて、経験
的に認められる僧帽弁部の両端の変移量よりも少し広め
の探索範囲を設定すれば、第2画像の僧帽弁部の両端点
を、その設定された2つの端点探索範囲Ls,Rs内に
入れることができる。図9の例では、左端点探索範囲L
sは走査線Ls1 〜Lsn を含み、右端点探索範囲Rs
は走査線Rs1 〜Rsn を含む。
【0047】ステップS7:左端点探索範囲Ls内で選
択された走査線Lsi (最初は走査線Ls1 )と、右端
点探索範囲Rs内で選択された走査線Rsj (最初は走
査線Rs1 )との組合せで決定される、僧帽弁部を含ま
ない側の対象臓器部分(輪郭評価範囲)Fi-j 全てにつ
いて、第i(第2)画像の部分輪郭候補線を繰り返し抽
出する。輪郭評価範囲Fi-j の部分輪郭候補線の抽出は
以下のように行われる。以下では、本実施例の一連の処
理で最初に行われる、第2画像の輪郭評価範囲F
1-1 (走査線Ls1 〜Rs1 )の部分輪郭候補線の抽出
処理を例に採って説明する。
【0048】まず、輪郭評価範囲F1-1 内の各走査線上
の輪郭候補点を上述したステップS3と同様にして抽出
する。そして、第2画像の輪郭点は第1画像の輪郭点の
近くにあり、かつ、臓器輪郭は滑らかであるという、臓
器の定性的な特性を利用して、隣接した各走査線の輪郭
候補点を相互につないだ複数個の輪郭候補点の組合せの
中から最適の組合せを選出し、その輪郭候補点の組合せ
を第2画像の輪郭評価範囲F1-1 に係る輪郭候補線とす
る。以下、図10を参照して説明する。
【0049】図10中の黒丸印は第i−1(第1)画像
の輪郭点であり、三角印は第i(第2)画像から抽出さ
れた輪郭候補点である。輪郭候補点の組合せの評価にあ
たって、ここでは走査線Ls1 を起点として説明する。
まず、走査線Ls1 上の輪郭候補点P01,P02,P03
評価値C01,C02,C03の初期値として、第1画像の輪
郭点Q0 までの距離L01,L02,L03を設定する。 P01の評価値:C01=L0102の評価値:C02=L0203の評価値:C03=L03
【0050】次の走査線SL1 上の輪郭候補点P1i(P
11,P12,P13)について、以下のように評価値C
1i(C11,C12,C13)を設定する。 C1i=MIN((P01との半径差+P011i間の距離)
+Q1 1i間の距離+P01の評価値, (P02との半径差+P021i間の距離)+Q1 1i間の
距離+P02の評価値, (P03との半径差+P031i間の距離)+Q1 1i間の
距離+P03の評価値)
【0051】上式中で、隣接輪郭候補点との半径差と隣
接輪郭候補点間の距離との和は、臓器輪郭が滑らかであ
るという特性の評価値である。上述したように、これら
の評価値に各々重み付けの係数を作用させてもよい。第
i−1(第1)画像の輪郭点Q1 間の距離は、第i(第
2)画像の輪郭点が第i−1(第1)画像の輪郭点の近
くに存在するという特性の評価値である。各輪郭候補点
11,P12,P13について最小となる評価値が求められ
ると、その評価値と相手先の輪郭候補点とを、各輪郭候
補点P11,P12,P13ごとに記憶する。
【0052】以下、同様に走査線SL2 、SL3 、…、
Rs1 の順に各輪郭候補点について最小の評価値とその
相手先を求めていく。そして、最後の走査線Rs1 の各
輪郭候補点Pn1, n2, n3の評価値Cn1, n2, n3
を比較し、最小の評価値をもつ輪郭候補点を、その走査
線Rs1 上の輪郭点として確定する。走査線Rs1 上の
輪郭点が確定すると、その輪郭点の相手先(走査線SL
n-1 の輪郭候補点)が確定するので、その輪郭候補点を
走査線SLn-1 上の輪郭点として確定する。以下、起点
となった走査線Rs1 までバックトレースすることによ
り、第i(第2)画像の僧帽弁部を含まない対象臓器の
部分輪郭候補線koho-Aが抽出される。図11に走査線R
1 から走査線Ls1 に向けて対象臓器の部分輪郭候補
線koho-Aがバックトレースされる様子を示す。
【0053】ステップS8:輪郭評価範囲Fi-j (最初
はF1-1 で、走査線Ls1 〜Rs1の範囲)の対象臓器
の部分輪郭候補線koho-Aが抽出されると、次に、走査線
Ls1 上の抽出された輪郭点P02と走査線Rs1 上の抽
出された輪郭点Pn2とを直線で結び、その線分を第i
(第2)画像の輪郭評価範囲Fi-j に係る僧帽弁部の部
分輪郭候補線koho-Bとする。輪郭評価範囲Fi-j の二つ
の部分輪郭候補線koho-Aとkoho-Bは、第i(第2)画像
の輪郭評価範囲Fi-j に係る輪郭候補線kohoi-jとし
て、各走査線上の輪郭点の半径座標がホストコンピュー
タ51に格納される。
【0054】ステップS9:ここでは、臓器の一般特性
および僧帽弁部の固有の特性を利用して、第i(第2)
画像の輪郭評価範囲Fi-j に係る輪郭候補線kohoi-j
評価値を繰り返し算出する。臓器の一般特性としては、
例えば、第i(第2)画像の輪郭線は、これに時間的に
近い第i(第1)画像の輪郭線の近くに位置することを
利用する。また、僧帽弁部の固有の特性としては、例え
ば、僧帽弁部の長さ、および水平仰角は、前記撮像画像
を通じて、ほぼ一定に保たれるという特性を利用する。
【0055】本実施例では、前者の臓器の一般特性を考
慮した評価値f1を例えば、第i(第2)画像で抽出し
た輪郭候補線kohoi-j の各走査線上の輪郭候補点Pと、
第i−1(第1)画像で抽出した対応する各走査線上の
輪郭点Qとの距離LP-Q の総和で定義している(図11
参照)。 f1〔kohoi-j 〕=ΣLP-Q =L1 +L2 +L3 +…+LN
【0056】また、後者の僧帽弁部の固有の特性を考慮
した評価値f2を例えば、第1画像で入力された僧帽弁
部両端の入力輪郭点PIN1 ,PIN2 間の長さL、その水
平仰角θを基準として、そこから第i−1(第2)画像
の僧帽弁部の輪郭候補線koho-Bの長さLkoho、その水平
仰角θkohoのズレが大きいほど大きな値になるように定
義している(図12参照)。 f2〔kohoi-j 〕=k3 ×|Lkoho−L|/L+k4 ×
|θkoho−θ|/π 上式中、k3 ,k4 は、僧帽弁部の長さLを重視する
か、あるいは水平仰角θを重視するかに応じて、適宜に
設定される重み付けの係数である。
【0057】上記評価値f1,f2を使って、第i(第
2)画像の輪郭評価範囲Fi-j に係る輪郭候補線koho
i-j の評価値fは、例えば以下のように定義されてい
る。 f〔kohoi-j 〕=k5 ×f1〔kohoi-j 〕+k6 ×f2
〔kohoi-j 〕 上式中、k5 ,k6 は、評価値f1を重視するか、ある
いは評価値f2を重視するかに応じて、適宜に設定され
る重み付けの係数である。
【0058】なお、上述した輪郭候補線の評価手法は種
々変更実施可能である。例えば、僧帽弁部の固有の特性
を考慮した評価値f2は、必ずしも上述した演算式に限
らず、次のような変換テーブルを使って求められた長さ
Lに関する評価値f2Lと、水平仰角θに関する評価値
f2θとの和として求めてもよい。 f2〔kohoi-j 〕=f2L+f2θ 上式のf2Lは、例えば図13(a)に示すような変換
テーブルを使って求められる。この変換テーブルは、横
軸(入力値)が|Lkoho−L|/Lであり、縦軸(出力
値)が長さLに関する評価値f2Lである。この変換テ
ーブルによれば、|Lkoho−L|/Lがある程度小さい
場合は、長さLに関する評価値f2Lを『0』とするこ
とにより、|Lkoho−L|/Lの値が小さい輪郭候補線
が優先的に選択されるようにしている。同様に、f2θ
も図13(b)に示すような変換テーブルで求めて、|
θkoho−θ|/πの値が小さい輪郭候補線が優先的に選
択されるようにしてもよい。
【0059】また、輪郭候補線の評価値fとしては、上
述のような評価値f1とf2の和ではなく、下記のよう
な乗算式で適宜してもよい。 f〔kohoi-j 〕=(1.0+f1)×(1.0+f2) このような乗算式によって評価値fを定義すれば、評価
値f1またはf2の一方の値が他方に比べて総じて大き
い場合、この大きい方の評価値のみが評価値fに反映さ
れることを避けることができる。
【0060】さらに、上述のように、僧帽弁部の固有の
特性を考慮した評価値f2を、第1画像で入力された僧
帽弁部両端の入力輪郭点PIN1 ,PIN2 間の長さLと、
その水平仰角θのみを基準として定義すると、図14に
示したように、評価対象となっている僧帽弁部の輪郭候
補線koho-Bが、第1画像の僧帽弁部に対して位置的に大
きくずれていても、輪郭候補線koho-Bの長さLkohoおよ
び水平仰角θkohoが、入力輪郭点PIN1 ,PIN2 で定ま
る第1画像の僧帽弁部の長さLおよび水平仰角θと略同
じであれば、その輪郭候補線koho-Bの評価値f2が不当
に小さくなり、その輪郭候補線が誤って選択されること
も考えられる。このような事態を回避するために、僧帽
弁部の輪郭候補線koho-Bの評価値として、僧帽弁部の長
さLおよび水平仰角θに加えて、例えば、図14に示し
たように、入力輪郭点PIN1 ,PIN2 間の垂直2等分線
と、輪郭候補線koho-Bの垂直2等分線との距離Mkohoも
考慮するようにしてもよい。
【0061】ステップS10,S11:以上のようにし
て、輪郭候補線kohoi-j の評価値f〔kohoi-j 〕を算出
すると、その評価値fと、ホストコンピュータ51に既
に取り込まれている評価値fcとを比較し、f〔koho
i-j 〕<fcが成立すれば、その輪郭候補線kohoi-j
各輪郭点を第i(第2)画像の輪郭線として一時的に格
納するとともに、その評価値f〔kohoi-j 〕でもって評
価値fcを更新する。最初の輪郭評価範囲F1-1 に係る
輪郭候補線koho1-1 の評価値〔koho1-1 〕を評価する段
階では、評価値fcとして予め適宜に定めれた最大値が
設定されている(本実施例では、ステップS4で設定さ
れる)。したがって、最初は、輪郭候補線koho1-1 の各
輪郭点が第2画像の輪郭線として一時的に格納されると
ともに、その評価値〔koho1-1 〕によって評価値fcが
更新される。
【0062】ステップS12,S13:ステップS12
では、全ての輪郭評価範囲Fi-j に係る輪郭候補点koho
i-j の評価が完了したかどうかを確認する。完了してい
ない場合には、図9に示した左右端点探索範囲Ls,R
sの走査線Lsi ,Rsi を次の走査線の組合せに変え
て(ステップS13)、ステップS5〜S11の処理を
繰り返し実行する。すなわち、走査線Ls1 〜Rs1
定まる輪郭評価範囲F1-1 の次は、右端点探索範囲Rs
の走査線のみを一つずらして、走査線Ls1 〜Rs2
定まる輪郭評価範囲F1-2 内の輪郭候補線koho1-2 を抽
出し、この輪郭候補線koho1-2 の評価を行う。以下、走
査線Ls1 を固定したままで、右端点探索範囲Rsの走
査線をRsn まで順に変えて、各輪郭評価範囲の輪郭候
補線の抽出・評価を行う。走査線Ls1 〜Rsn の探索
が終わると、左端点探索範囲Lsの走査線をLs1 から
Ls2 に移して、同様に右端点探索範囲Rs内の各走査
線Rs1 〜Rsn の全ての組合せについて探索する。以
下、走査線Lsn 〜Rsnでの同様の探索処理が繰り返
し実行される。
【0063】全ての輪郭評価範囲Fi-j に係る輪郭候補
線kohoi-j の評価を繰り返すことにより、最小の評価値
f〔kohoi-j 〕をもつ輪郭候補線kohoi-j のみの位置情
報(各走査線上の輪郭点の半径座標)がホストコンピュ
ータ51に、第i(第2)画像の輪郭線として格納され
る。
【0064】ステップS14:全ての輪郭評価範囲F
i-j に係る輪郭候補線kohoi-j の評価が完了すると、そ
のときにホストコンピュータ51に第i(第2)画像の
輪郭線として仮に格納されている輪郭候補線koho
i-j を、第i(第2)画像の輪郭線として確定する。
【0065】ステップS15,S16:以上のステップ
S5〜S14の処理を最終画像(i=m)まで繰り返し
行うことにより、全ての撮像画像の輪郭線の抽出処理を
完了する。
【0066】なお、上述の実施例では、第i画像の僧帽
弁部以外の部分輪郭候補線を評価するために、一つ前の
第i−1画像の部分輪郭線を利用したが、この発明はこ
れに限定されない。例えば、図15に示すように、左心
室の体積変化は周期的(位相1〜位相10)に繰り返し
ているので、位相10の撮像画像の輪郭候補線の評価
は、必ずしも一つ前の位相9の撮像画像の輪郭線に基づ
いて行われる必要はなく、第1画像である位相1の撮像
画像の輪郭線に基づいて行ってもよい。以下、同様に位
相9の撮像画像の輪郭候補線の評価を、位相10の輪郭
線に基づいて行ってもよい。要するに、実質上、時間的
に近いに撮像画像の輪郭線に基づいて評価すればよい。
【0067】さらに、実施例では僧帽弁部を含む左心室
の長軸像の輪郭抽出を例にとって説明したが、この発明
は僧帽弁部を含む左心房の長軸像の輪郭抽出にも適用す
ることができる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、第1画像において、オペレータが僧帽弁部
の両端点と僧帽弁部以外の対象臓器輪郭上の少なくとも
一つの輪郭点を手入力するだけで、第2画像以降の各撮
像画像の輪郭線が自動的に抽出されるので、オペレータ
が第2画像以降の各撮像画像について僧帽弁部を指示す
る必要がなく、一連の撮像画像の輪郭線の抽出処理を迅
速に行うことができる。
【0069】また、この発明によれば、第2画像以降の
各撮像画像の輪郭(特に、僧帽弁部の部分輪郭)抽出に
あたっては、第1画像で入力指示された僧帽弁部の部分
輪郭を手掛かりとして、対象臓器の一般特性および僧帽
弁部の固有の特性を利用することにより、各撮像画像中
の複数の輪郭候補線をそれぞれ評価して最適な部分輪郭
線を抽出し、これを各撮像画像の輪郭線としているの
で、第2画像以降についても輪郭線の抽出を高い精度で
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る左心室輪郭の自動抽出方法の処
理手順を示すフローチャートである。
【図2】この発明方法が適用されるMRI装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図3】第1画像の入力輪郭点の説明図である。
【図4】第1画像に設定される走査線の説明図である。
【図5】輪郭候補点の抽出処理の説明図である。
【図6】第1画像の輪郭候補点の分布状態を示す模式図
である。
【図7】輪郭候補点の組合せ評価の説明図である。
【図8】第1画像の輪郭点のバックトレースの説明図で
ある。
【図9】第2画像以降の僧帽弁部の端点探索の説明に供
する図である。
【図10】第2画像以降の僧帽弁部以外の部分輪郭候補
線の抽出処理の説明図である。
【図11】部分輪郭候補線のバックトレースの様子を示
した図である。
【図12】僧帽弁部の部分輪郭候補線の評価の説明に供
する図である。
【図13】評価値算出用の変換テーブルの模式図であ
る。
【図14】評価値のその他の例の説明に供する図であ
る。
【図15】別実施例の説明に供する左心室の体積と位相
との関係を示す図である。
【図16】従来例の説明に供する図である。
【符号の説明】
51…ホストコンピュータ 52…画像表示装置 53…入力装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 僧帽弁部を含む左心室または左心房(以
    下、対象臓器という)の同一断面を時間的に連続して撮
    像して得られた複数枚の撮像画像について、各撮像画像
    の対象臓器の輪郭を自動的に抽出する方法であって、
    (a)第1画像の僧帽弁部の両端点と僧帽弁部以外の対
    象臓器輪郭上の少なくとも一つの輪郭点をオペレータが
    手入力で指示する過程と、(b)前記過程で入力された
    輪郭点(入力輪郭点)に基づいて、またはオペレータが
    手入力で指示することにより第1画像の中心点を求め、
    この中心点から第1画像上に放射状に走査線を設定する
    過程と、(c)僧帽弁部両端の入力輪郭点を直線で結ん
    で第1画像の僧帽弁部の部分輪郭線とするとともに、前
    記各入力輪郭点を輪郭抽出の手掛かり情報とし、かつ対
    象臓器の特性を利用して前記各走査線に沿った画像濃度
    変化点を評価することにより第1画像の僧帽弁部以外の
    対象臓器の部分輪郭線を抽出する過程と、(d)第2画
    像以降の各撮像画像について、第1画像の中心点に対応
    する点から放射状に走査線を設定する過程と、(e)第
    1画像の僧帽弁部の両端点位置情報に基づき、第2画像
    以降の各撮像画像の僧帽弁部の両端付近に端点探索範囲
    をそれぞれ設定する過程と、(f)一方の端点探索範囲
    内の各走査線と他方の端点探索範囲内の各走査線との組
    合せによって得られる、僧帽弁部を含まない輪郭評価範
    囲それぞれについて、僧帽弁部以外の部分輪郭候補線を
    抽出する過程と、(g)前記輪郭評価範囲それぞれにつ
    いて得られた僧帽弁部以外の部分輪郭候補線の両端を直
    線で結んで、これを僧帽弁部の部分輪郭候補線とする過
    程と、(h)前記僧帽弁部以外の部分輪郭候補線と僧帽
    弁部の部分輪郭候補線とからなる、前記輪郭評価範囲ご
    との輪郭候補線を、第2画像以降の各撮像画像の輪郭線
    と当該撮像画像に対して実質上時間的に近い撮像画像の
    輪郭線との関連に係る、対象臓器の一般特性および僧帽
    弁部の固有の特性を利用して評価することにより、前記
    一群の輪郭候補線の中から最適な輪郭候補線を選出し、
    これを当該撮像画像の輪郭線とする処理を、第2画像以
    降の各撮像画像について行う過程と、を備えたことを特
    徴する左心室、左心房輪郭の自動抽出方法。
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