JPH07255662A - 食器乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】外気温度の変化および食器量の多少に拘らず、
食事開始時刻に合わせて常に温かい食器で食事をとるこ
とができ、しかも電力を無駄に消費することのない食器
乾燥機の提供。 【構成】運転終了時刻を予約設定すると、外気温度およ
び食器量に応じて、あらかじめ予約設定された運転終了
時刻に乾燥工程を終了すべく運転開始時刻を自動設定
し、前記運転開始時刻に至ると自動的に運転を開始する
乾燥機制御手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は食器乾燥機（洗浄−すす
ぎ機能をも併せ持つ食器洗い乾燥機を含む）に係り、さ
らに詳細には、乾燥予約運転機能を有する食器乾燥機に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、食器乾燥機の運転制御は、タイマ
ー機能主体による定時間運転が主流であったが、定時間
運転による難点として、以下の理由を挙げることができ
る。

【０００３】すなわち、食器収納槽内の温度は、外気温
度の変化に左右され易く、外気温度が低い場合には、食
器収納槽内の温度も低下し、食器に付着した水分の蒸発
を十分におこなうことができず、乾燥性能が低下する。

【０００４】一方、外気温度が高い場合には、過乾燥と
なることがあり得、このような場合、電力を無駄に消費
していることになる。

【０００５】以上の点を考慮して、特開平１−２８０４
３５号公報には、外気温度に影響されることなく食器乾
燥を終了する技術が開示されている。

【０００６】しかし、同公報に記載の技術は、食器量の
多少によっても乾燥制御の形態が異なる点について認識
に欠ける憾みがある。

【０００７】この点を考慮して、特開平２−１７０２２
号公報には、外気温度の変化と食器量の多少とを考慮し
て食器乾燥機の運転を制御する技術が開示されている。

【０００８】なお、食器乾燥機に関する他の例として、
実開平３−６５５５４号公報には、高速乾燥と低温乾燥
とを選択可能とし、プラスチック製の食器や漆塗りの食
器を乾燥させるに際しては、低温乾燥を選択することに
より、これら食器類が高温にさらされて劣化したり、光
沢がなくなるのを防止する技術が開示されている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、食生
活文化の向上により、温かい食器で食事をしたいという
ニーズがある。

【００１０】これに対し、食器乾燥機の運転開始時刻を
ユーザーが予約設定し、この時刻に至ると自動的に食器
乾燥機が運転を開始することにより、運転終了時刻を食
事開始時刻に近づけて、温かい食器で食事をとるように
することが考えられる。

【００１１】しかし、これによれば、食事に際して必ず
温かい食器を使用できるとは限らず、食器乾燥機の運転
終了時刻が食事開始時刻よりも早過ぎた場合には、食事
開始時食器は既に冷めており、また食器乾燥機の運転終
了時刻が食事開始時刻よりも遅過ぎた場合には、食事開
始予定時刻になってもまだ温かい食器を使用できる状態
になっていないという不具合を生じる。

【００１２】他方、食器乾燥機の運転終了時刻を、食事
開始時刻よりも十分余裕をもって早めに設定すべく、こ
れに合わせて食器乾燥機の運転開始時刻を早めに予約設
定し、食器乾燥機の運転終了時点から食事開始時までヒ
ータを断続的にＯＮ，ＯＦＦし、間欠的に温風運転をお
こなって食器を保温しておくことも考えられるが、これ
によれば、ヒータ保温時間に相当する分、余計に電力を
消費することになる。

【００１３】本発明の目的は、外気温度の変化および食
器量の多少に拘らず、食事開始時刻に合わせて常に温か
い食器で食事をとることができ、しかも電力を無駄に消
費することのない食器乾燥機を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】前記目的は、食器乾燥機
において、運転終了時刻を予約設定すると、外気温度お
よび食器量に応じて、あらかじめ予約設定された運転終
了時刻に乾燥工程を終了すべく運転開始時刻を自動設定
し、前記運転開始時刻に至ると自動的に運転を開始する
乾燥機制御手段を備えることによって達成される。

【００１５】

【作用】前記において、食器乾燥機の運転終了時刻が予
約設定されると、外気温度および食器量に応じた運転所
要時間が自動的に決定され、この決定にもとづき、あら
かじめ予約設定された運転終了時刻に合わせて、食器乾
燥機の運転開始時刻も自動的に設定される。

【００１６】そして、前記のようにして自動的に設定さ
れた運転開始時刻に至ると、食器乾燥機はその運転を自
動的に開始し、外気温度および食器量に応じて決定され
た所要時間乾燥工程を実行し、食事開始時刻に合わせて
乾燥工程を終了する。

【００１７】

【実施例】以下、本発明を、図面の一実施例にもとづい
て説明する。

【００１８】図１に示すように、食器を収納する食器収
納槽（以下槽と言う）１内に上食器篭２および下食器篭
３が設けられ、それぞれ引出し・収納自在に、上篭レー
ル４，下篭レール５により支持されている。

【００１９】槽１の前方開口部には、開閉自在なドア６
が軸支持されている。

【００２０】槽１の下方には、槽１内の残水を受ける水
受け７が水封構造で取り付けられ、その下端と食器乾燥
機８の前面下方に設けられたドレン口９とが、水抜きホ
ース１０により連結されている。

【００２１】また、槽１の下方には、外気を吸気する送
風モータ１１が設けられ、一方の吸込側に吸気フィルタ
ー１２を着脱自在に構成し、他方の吐出し側は、冷風を
温風にするヒータ１３と送風ホース１４により連結さ
れ、ヒータ１３の他方は、温風を槽１内にガイドする送
風ホース１５により、送風口１６に連結されている。

【００２２】槽１の上方には、前記温風により食器に付
着した水分が水蒸気となって蒸発した状態で、外部に排
出する排気ダクト１７が設けられ、この上面に排気ダク
ト１７内の排気温度を測定する温度センサー１８が設け
られている。

【００２３】排気ダクト１７の先端は、トップガイド１
９の排気口２０に連結され、槽１内の蒸気が機外に排出
される構成となっている。

【００２４】以上の構成において、食器乾燥機８の運転
動作は、ドア６の上方に設けられたパネル２１内の入力
基板から入力の指示を受け、これをドア６内のコントロ
ール基板２３で受け、各電気部品に出力の命令がなさ
れ、食器乾燥機８の運転制御をおこなう。

【００２５】図２には、前記パネル２１の表示内容を示
すが、食器乾燥機８の電源を入れ切りする電源スイッチ
２４、およびこれを受けて乾燥の種々のコースを選択す
るコースセレクトスイッチ２５、乾燥の運転を開始する
スタートスイッチ２６、運転終了時刻を予約するための
予約設定スイッチ２７、さらに現在の時刻や予約終了時
刻、運転中の残時間を表示する時刻表示部２８がレイア
ウトされている。

【００２６】図３は、乾燥機運転時間と排気ダクト１７
内の温度変化とを、外気温度をパラメータとして表わし
たものである。

【００２７】乾燥機の運転当初、２分間は、ヒータ１３
の電源をＯＦＦし、送風モータ１１のみに通電する冷風
運転をおこない、この冷風運転の終了時に温度センサー
１８で外気温度を測定する。

【００２８】コントロール基板２３内のマイクロコンピ
ュータには、あらかじめ外気温度を４分割したランクに
分け、それぞれランク毎に実験的に求めた第１段階の運
転時間、および食器の量を３分割したランクに分けた第
２段階の運転時間が設定されている。

【００２９】図４にこの内容を示すが、運転当初の冷風
運転で検知した外気温度が例えば１７℃の場合は、温度
センサー１８がθ２０℃を検知するまでヒータ１３と送
風モータ１１とに通電し、乾燥運転をおこなう。

【００３０】なお、これらの検知温度は、各外気温度毎
に実験的に乾燥性能が例えば９０％となるように設定さ
れている。

【００３１】この外気温度毎の検知温度の設定は、乾燥
性能を左右する要因である外気温度、食器の量、食器の
種類、外気の湿度のうち、運転時間の変動が最も大きい
外気温度と食器の量とをそれぞれ複数のランクに分割
し、それぞれのランクの範囲、例えば外気温度のランク
が１０〜１９℃の範囲内でも最悪の条件である１０℃
で、食器の量１００％時の乾燥性能が９０％となるよう
な運転条件で設定をおこなう。

【００３２】なお、乾燥運転（温風運転）の終了後は、
槽内壁や食器等への結露を防止するため、ヒータ１３を
ＯＦＦし、送風モータ１１にのみ通電する冷風運転を１
０分間おこない、その後乾燥機全体としての運転を停止
する。

【００３３】次に、乾燥機運転の終了を予約設定した場
合における、その乾燥機運転の動作を説明する。

【００３４】パネル２１上の予約運転設定スイッチ２７
により、予約運転の終了時刻を設定し、スタートスイッ
チ２６を押す。

【００３５】これにより、図３，図７に示すように、ま
ず第１の予備運転である冷風運転を２分間おこなう。

【００３６】そして、この冷風運転終了時に外気温度を
検知する。

【００３７】次に、ヒータ１３と送風モータ１１とに通
電する第２の予備運転である温風運転を、図７に示すよ
うに、３分間おこない、排気温度の上昇度を測定する。

【００３８】これにより、乾燥運転所要時間の大幅変動
要素である外気温度と食器量との検知がおこなわれ、図
５に示すように、実際の運転所要時間が把握される。

【００３９】次に、前記運転が終了した時点で一旦運転
を停止し、本来の予約運転開始時刻を決定する。

【００４０】これは、予約運転終了設定時刻から、前記
予備運転で決定した運転所要時間を減じておこなう。

【００４１】なお、このとき、図４に示すように、さら
に余裕としての規定時間を減じるとよい。

【００４２】ここで、余裕としての規定時間とは、本来
の予約運転開始時における外気温度の変動を考慮して、
外気温度の変動余裕（例えば３℃位の温度低下を補正す
る所要時間の増加分）を云い、これによれば、たとえ乾
燥機運転時に外気温度が低下しても、その影響を極力な
くし、食器乾燥率の低下を抑えて、この種乾燥機の信頼
性を向上させることができる。

【００４３】図６に食器量を３分割したランク付けの例
を示す。

【００４４】例えば、第２の予備運転で３分後に排気温
度が何℃上昇したかを検知し、食器量のランクを決定す
る。

【００４５】例えば、槽内排気温度の上昇値がＴ₁〜Ｔ₂
℃の間であれば、食器量を５１〜１００％の間であると
判定し、食器量１００％時の運転時間を乾燥所要時間と
して決定する。

【００４６】図７および図８には、予約運転開始時刻決
定のフローチャート、および乾燥機全体の制御ブロック
図を示す。

【００４７】なお、図７で食器の量に対する残時間の決
定は、外気温度２０〜２９℃の例について説明している
が、その他の各外気温度に対しても同様である。

【００４８】以上により、精度良く、かつ部品追加等に
よるコストＵＰもせずに予約運転を実行することができ
る。

【００４９】なお、本発明を、食器乾燥機のみに限定す
ることなく、洗い−すすぎ機能をも併せ持つ食器洗い乾
燥機に適用する場合は、以下のような制御形態を採れば
よい。

【００５０】すなわち、食器洗い乾燥機においては、一
般に、食器収納槽内の水温が一定温度（例えば４５℃）
に上昇した時点を検出すると、この検出時点から一定時
間、洗浄工程が実行され、またすすぎは、食器収納槽内
の水温が一定温度（例えば７０℃）に上昇した時点を検
出すると、この時点から一定時間、すすぎ工程が実行さ
れるが、このすすぎ工程が終了した後、既述した乾燥工
程を実行すればよい。

【００５１】

【発明の効果】以上本発明によれば、近年の食生活文化
の向上による、温かい食器で食事をしたいという、予約
運転の顧客ニーズに対し、外気温度の変化および食器量
の多少に拘らず、高い精度で食事開始時刻に合わせて常
に温かい食器で食事することができ、食器乾燥機の運転
終了時刻が食事開始時刻よりも早過ぎた場合の不具合、
つまり食事開始時食器は既に冷めているという不具合、
また食器乾燥機の運転終了時刻が食事開始時刻よりも遅
過ぎた場合の不具合、つまり食事開始予定時刻になって
もまだ温かい食器を使用できる状態になっていないとい
う不具合をなくすことができる。

【００５２】他方、食器乾燥機の運転終了時刻を、食事
開始時刻よりも十分余裕をもって早めに設定すべく、こ
れに合わせて食器乾燥機の運転開始時刻を早めに予約設
定し、食器乾燥機の運転終了時点から食事開始時まで食
器を保温しておくことによる不具合、つまり保温に要す
るヒータ通電に相当する時間分、余計に電力を消費する
という不具合をもなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る食器乾燥機の一実施例を示す、全
体的内部構造の縦断側面図である。

【図２】図１に符号２１で示すパネルの表示レイアウト
正面図である。

【図３】同じく図１に符号１７で示す排気ダクトの内部
温度変化と、本発明乾燥機の運転時間とを、外気温度を
パラメータとして表わした具体例の特性線図である。

【図４】本発明乾燥機を運転する場合の制御例を示す図
である。

【図５】本発明乾燥機を運転した場合における、図１に
符号１で示す食器収納槽の槽内排気温度の、外気温変動
に対する具体例を示す特性線図である。

【図６】本発明乾燥機を運転した場合における、図１の
食器収納槽１の槽内排気温度の、食器量変動に対する具
体例を示す特性線図である。

【図７】本発明乾燥機の全体的制御内容の具体例を示す
フロー図である。

【図８】本発明乾燥機の全体的制御回路の具体例を示す
ブロック図である。

【符号の説明】 １…食器収納槽、１１…送風モータ、１３…ヒータ、１
７…排気ダクト、１８…温度センサー、２０…排気口、
２３…コントロール基板。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 食器乾燥機において、運転終了時刻を予
   約設定すると、外気温度および食器量に応じて、あらか
   じめ予約設定された運転終了時刻に乾燥工程を終了すべ
   く運転開始時刻を自動設定し、前記運転開始時刻に至る
   と自動的に運転を開始する乾燥機制御手段を備えたこと
   を特徴とする食器乾燥機。
2. 【請求項２】 食器収納槽と、食器を乾燥させるため、
   冷風を温風化するヒータと、外部からの吸気を食器収納
   槽内に導いた後再び外部に排出するための送風モータ
   と、食器収納槽内の温度を検知する温度センサーと、乾
   燥機全体の動作を制御する乾燥機制御手段とを有する食
   器乾燥機において、前記乾燥機制御手段は、運転終了時
   刻予約設定当初にヒータへの通電をＯＦＦし、送風モー
   タへのみ通電をおこなう冷風運転（第１の予備運転）を
   おこない、この間に検知した食器収納槽内の温度（＝外
   気温度）を、あらかじめ設定した外気温度毎の複数の運
   転モードと比較し、かつ前記第１の予備運転による外気
   温度を検知した後、一定時間ヒータおよび送風モータ双
   方に通電した第２の予備運転をおこない、食器収納槽内
   の温度上昇度を検知して、あらかじめ設定した食器量毎
   の複数の運転モードと比較することにより、外気温度と
   食器量毎の運転所要時間を決定し、この時点で一時運転
   を停止させて、予約設定時刻から前記決定した運転所要
   時間を減じた時刻に運転を再開する機能を有することを
   特徴とする食器乾燥機。
3. 【請求項３】 食器収納槽と、食器を乾燥させるため、
   冷風を温風化するヒータと、外部からの吸気を食器収納
   槽内に導いた後再び外部に排出するための送風モータ
   と、排気口の温度を検知する温度センサーと、乾燥機全
   体の動作を制御する乾燥機制御手段とを有する食器乾燥
   機において、前記乾燥機制御手段は、運転終了時刻予約
   設定当初にヒータへの通電をＯＦＦし、送風モータへの
   み通電をおこなう冷風運転（第１の予備運転）をおこな
   い、この間に検知した排気口の排気温度（＝外気温度）
   を、あらかじめ設定した外気温度毎の複数の運転モード
   と比較し、かつ前記第１の予備運転による外気温度を検
   知した後、一定時間ヒータおよび送風モータ双方に通電
   した第２の予備運転をおこない、排気口の温度上昇度を
   検知して、あらかじめ設定した食器量毎の複数の運転モ
   ードと比較することにより、外気温度と食器量毎の運転
   所要時間を決定し、この時点で一時運転を停止させて、
   予約設定時刻から前記決定した運転所要時間を減じた時
   刻に運転を再開する機能を有することを特徴とする食器
   乾燥機。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれか１項において、
   乾燥機制御手段は、運転終了時刻予約設定直後の予備運
   転で決定した運転所要時間を、運転終了予約設定時刻か
   ら減じて、予約運転の再開時刻を決定する際、さらに余
   裕としての規定時間を設定し、この規定時間分、運転再
   開時刻を早くする制御機能を付加した食器乾燥機。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれか１項において、
   乾燥機制御手段は、乾燥工程の前工程として、洗い−す
   すぎの両工程を制御する機能を備えた食器乾燥機。