JPH07255283A - 植物栽培用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 プランターや植木鉢等の植物栽培用容器内の
土床を効率よく暖めることができると共に、簡単な構造
により低コストで、しかも少エネルギーで維持すること
のできる経済的な植物栽培用容器を提供する。 【構成】 植物栽培用容器Aの内部の下部に、透水性素
材で形成された発熱体支持板1が載置され、該支持板1
に、カーボン性短繊維を芯線とし該芯線を絶縁被覆材で
被覆した線状発熱体2が取り付けられ、該線状発熱体2か
ら容器A外部に延びるリード線3が設けられており、該リ
ード線3は先端にコンセント4を備え、且つ該リード線3
の中間部又はコンセント4と一体的に調整ダイヤル6を備
えた電圧変換器5が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、植木鉢やプランター等
の植物栽培用容器の土床を加熱保温する保温機能を備え
た植物栽培用容器に関するもので、殊にカーボン性短繊
維を芯線とし、この芯線の周囲を絶縁性被覆体で被覆し
た線状発熱体を利用した植物栽培用容器に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】近年、植物の温室栽培が業務用に限らず
個人の趣味として広く行われるようになった。特に家屋
の軒下やマンションのベランダ等に簡易な家庭用小型温
室を設置して鉢植園芸を楽しむ人が増えている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような簡易小型温
室は、経済上の面から多くの場合暖房設備を備えておら
ず、したがって冬季には昼間と夜間との温度差が大き
く、夜間時には温室内に設置したプランターや植木鉢の
土床温度が著しく低下して栽培植物に悪影響を及ぼすと
いった問題点がある。また暖房装置を温室内に設置すれ
ば、このような点は解決できるが、それにかかるコスト
及び電気代等の維持経費が高くついてこの種の簡易タイ
プの家庭用小型温室として実用的でない。

【０００４】そこで本発明の主たる目的は、プランター
や植木鉢等の植物栽培用容器内の土床を効率よく暖める
ことができると共に、簡単な構造により低コストで、し
かも少エネルギーで維持することのできる経済的な植物
栽培用容器を提供することにある。

【０００５】更に、本考案の他の目的は、カーボン性短
繊維を絶縁性被覆体で被覆した線状発熱体を熱媒体とし
て使用することによって、優れた熱効率と機械的強度並
びに経済性を確保した植物栽培用容器を提供するにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発
明にかかる植物栽培用容器にあっては、植物栽培用容器
(A)の内部の底部に、透水性素材で形成された発熱体支
持板(1)が載置され、該支持板(1)に、カーボン性短繊維
を芯線(2a)とし該芯線(2a)を絶縁被覆材(2b)で被覆した
線状発熱体(2)が取り付けられ、該線状発熱体(2)から容
器外部に延びるリード線(3)が設けられており、該リー
ド線(3)は先端にコンセント(4)を備え、且つ該リード線
(3)の中間部又はコンセント(4)と一体的に調整ダイヤル
(6)を備えた電圧変換器(5)が設けられている構造とした
ものである。

【０００７】

【作用】上記の保温ユニットは、図２に示すごとく線状
発熱体(2)の上部に土(B)を入れてリード線(3)をコンセ
ント(4)を介して電源につなぐことにより、線状発熱体
(2)が加熱されて土(B)が適度に加熱保温されるものであ
る。また電圧変換器(5)の調整ダイヤル(6)により線状発
熱体(2)に流れる電圧を変更することにより、外気温度
や栽培される植物の種類に応じて土床温度を任意に調整
することができるものである。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の構成を図に示した実施例に基
ずき説明する。図１及び図２は本発明の第１の実施例を
示すものであって、符号(A)で一般にプランターよ呼ば
れている平面長方形の植物栽培用容器を示す。この植物
栽培容器(A)の内部の底部分に発熱体支持板(1)が装着さ
れている。該支持板(1)は透水性素材で形成されてお
り、その上面に熱媒体としての線状発熱体(2)がループ
状に配設され止め具(1a)で固定されている。前記支持板
(1)は多数の貫通孔を設けた薄板や網板、或いはイゲタ
状に枠組みされた枠体等、水を透過し且つ線状発熱体
(2)を物理的に保持できるに十分な強度を備えたもので
あればどのようなものでもよい。

【０００９】また、前記線状発熱体(2)は、図４に示す
ように、カーボン性短繊維を芯線(2a)とし該芯線(2a)を
耐熱性繊維の織布または編組(2c)を介して耐水性の絶縁
被覆材(2b)で被覆されている。前記芯線(2a)は短背繊維
の束であり、発熱面積が大きいことによって発熱効率が
よく、また遠赤外線が出ることによって加熱効率が高
い。また屈曲性、強度に優れ、且つ希望の電気抵抗値が
容易に設定できるといった点で非常に有効である。

【００１０】而して、前記線状発熱体(2)から分岐コネ
クター(7)を介してリード線(3)が分岐され、容器(A)の
壁に形成した孔(8)から外部に延出されており、その先
端にコンセント(4)が設けられている。このコンセント
(4)は図示のように一対の差込み突起を有するプラグで
あってもよく、あるいはプラグが差し込まれる差込み孔
を備えたものであってもよい。更に、該リード線(3)の
中間部又はコンセント(4)と一体的に調整ダイヤル(6)を
備えた電圧変換器(5)が設けられている。

【００１１】上記の植物栽培用容器(A)は、図２に示す
ごとく線状発熱体(2)の上部に土(B)を入れ、リード線
(3)をコンセント(4)を介して電源につなぐことにより線
状発熱体(2)が加熱されて土(B)が適度に加熱保温され
る。また電圧変換器(5)の調整ダイヤル(6)により線状発
熱体(2)に流れる電圧を変更することにより、外気温度
や栽培される植物の種類に応じて土床温度を任意に調整
することができるものである。土床の温度は、手指を土
中に差し込むことによって感触により適性温度を判断す
ることができるが、土中温度を計測できる温度計を設置
しておけばより便利である。

【００１２】本発明は、上記したプランターのような平
面長方形の植物栽培用容器に限らず、図３に示すような
円筒状の植木鉢やその他任意形状の植物栽培用容器(A)
に応用することが可能である。

【００１３】以上本発明の代表的と思われる実施例につ
いて説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造
のみに限定されるものではない。例えば、容器(A)内か
ら取り出されるリード線(3)は実施例で示したような孔
(8)からでなく、容器の上端開口部から引き出すように
してもよい。このようにすれば容器(A)は一般に市販さ
れているものを転用できてコストの低減化を図ることが
できる。また本発明ではその構成要件を備え、かつ本発
明の目的を達成し、下記の効果を奏する範囲内において
適宜改変して実施できるものである。

【００１４】

【発明の効果】本発明は以上のごとく構成されたもので
あるから、容器内の土床を効果的に暖めて土床温度の低
下を防止することができると共に、カーボン性短繊維を
絶縁性被覆体で被覆した熱効率のよい丈夫な線状発熱体
の使用と、土中への埋設によって小さな消費電力で効果
的に且つ長期にわたって土床保温を行うことができ、し
かも付設された電圧変換器による電圧調整によって、栽
培される植物の種類や外気温度に応じて適切な土床温度
を確保することができ、更には、その構成が支持板上に
線状発熱体を配設した簡単な構造であるから安価に製作
することができる、といった種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る植物栽培用容器の斜視図。

【図２】その使用状態を示す断面図。

【図３】本発明に係る植物栽培用容器の他の実施例を示
す斜視図。

【図４】本発明における線状発熱体の斜視図。

【符号の説明】

(1) 支持板 (2) 線状発熱体 (2a) 線状発熱体の芯線 (2b) 線状発熱体の被覆 (3) リード線 (4) コンセント (5) 電圧変換器 (6) 調整ダイヤル (A) 植物栽培用容器 (B) 土

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 植物栽培用容器(A)の内部の下部に、透
   水性素材で形成された発熱体支持板(1)が載置され、該
   支持板(1)に、カーボン性短繊維を芯線(2a)とし該芯線
   (2a)を絶縁被覆材(2b)で被覆した線状発熱体(2)が取り
   付けられ、該線状発熱体(2)から容器外部に延びるリー
   ド線(3)が設けられており、該リード線(3)は先端にコン
   セント(4)を備え、且つ該リード線(3)の中間部又はコン
   セント(4)と一体的に調整ダイヤル(6)を備えた電圧変換
   器(5)が設けられている植物栽培用容器。