JPH07253398A - 石炭のビトリニット含有率の測定のためのマセラル分析方法 - Google Patents

石炭のビトリニット含有率の測定のためのマセラル分析方法

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JPH07253398A
JPH07253398A JP6307883A JP30788394A JPH07253398A JP H07253398 A JPH07253398 A JP H07253398A JP 6307883 A JP6307883 A JP 6307883A JP 30788394 A JP30788394 A JP 30788394A JP H07253398 A JPH07253398 A JP H07253398A
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reflectance
coal
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JP6307883A
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Celeski Jean-Claude
ジャン−クロード・セレスク
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Sollac SA
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石炭のビトリニットの反射率の値を測定し、
又より正確に且つより短かい測定時間でマセラルの分析
を行うことを可能にする、自動的な測定方法を提供する
こと。 【構成】 顕微鏡10により試料の表面を走査し、ビト
リニットの反射率を測定することにより、粉砕石炭に樹
脂を被覆して形成した試料に対する石炭のマセラル分析
を行う方法にして、顕微鏡10の各視野に対して、グレ
イレベルのデジタル化像を形成する段階と、所定の閾値
以上の量の樹脂を含む視野を排除するため各像に対して
閾値の測定を行う段階と、除外した視野以外の視野に対
し次の分析を実行する段階とを備え、該段階が、a)グ
レイレベルの分布及び勾配の測定、b)ビトリニットの
領域を測定し得るような方法でグレイ勾配の閾値を求め
ることによる、二進像の形成、c)得られたビトリニッ
トの領域のグレイレベルの分布、又は濃淡の測定、d)
ビトリニットの反射率の計算を行うことを含むことを特
徴とする方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、そのビトリニッ
ト(vitrinite)含有率を測定する目的にて石
炭の性質を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コークスの品質を調製し且つ予測するモ
デルは、石炭の主要成分であるビトリニットの反射率及
び比率、即ち含有率といった、岩石分類法による分析か
ら推論される特定の因子を利用する。これら二つの因子
の値は、石炭の粘結性を評価することを可能にする。
【0003】コークスペーストになる石炭は、そのビト
リニットの反射率が0.5%乃至1.7%の範囲に亙
り、そのビトリニットの比率は40%乃至85%の範囲
にある。粘結力の大きい石炭は、ビトリニットの反射率
が1.1%乃至1.3%の範囲であり、また、ビトリニ
ット含有率が高いことが特徴である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】石炭の供給分は、一定
品質のコークスの製造に寄与し、また、石炭のコスト価
格を一層良く評価する目的にて、原材料の品質の適合性
及び一定性を点検すべく系統的な方法による検査又は監
視が為されている。
【0005】石炭の品質管理は、現在、手操作で行われ
ている。この目的上、粉砕石炭を樹脂で被覆して形成さ
れた試料が使用されている。この試料は研磨して、例え
ば倍率が300倍の光学顕微鏡内に配置される。
【0006】この顕微鏡は、既知の反射率を有する標準
面によって較正した反射計を備えている。
【0007】反射率は、均一な格子に従ってその試料を
走査することにより試料上で測定される。この測定の精
度は、行われた測定回数の関数である。
【0008】岩石分類法により定められた標準では従来
の石炭の場合、200回の測定を行うことが規定されて
いる。汚染物質又は混合体を明らかにすることが望まれ
る場合には、300又は400個の試料により試料の検
査を行う必要がある。
【0009】マセラル(maceral)の分析は、上
述の原理に従って主要成分の比率を走査することによ
り、その主要成分の比率を測定することを内容としてい
る。操作者は、十字線の中央に配置されたマセラルを観
察し、その現れる度数を合計する。標準では、異なるマ
セラル、即ち、概ねエクジニット、ビトリニット、フジ
ニット、半フジニット及びイナーティニットの比率を推
定するため500個の試料を使用することが規定されて
いる。
【0010】平均反射率を測定し且つマセラルの分析を
行うための手操作の方法は、石炭に伴う困難性に依存し
て、3乃至6時間の分析を必要とする。
【0011】この分析時間は長く、また、操作者が常
時、立ち会うことを必要とする。更に、この方法は、骨
が折れる。特に、この測定の精度は、マセラルの分析の
点で低い。
【0012】これが、本発明がビトリニットの反射率の
値を測定し、又より正確に且つより短かい測定時間でマ
セラルの分析を行うことを可能にする、自動的な方法を
提案する理由である。
【0013】
【課題を解決するための手段】故に、本発明は、そのビ
トリニット含有率を測定する目的にて、石炭のマセラル
の分析を行う方法であって、粉砕石炭に樹脂を被覆する
ことにより形成された試料を利用する段階と、顕微鏡内
で連続的な視野を得るため試料を変位させることにより
顕微鏡にて試料の表面を走査する段階と、ビトリニット
の反射率を測定する段階とを備える方法にして、顕微鏡
の各視野に対して、グレイレベルのデジタル化像を形成
する段階と、所定の閾値(80%)以上の樹脂量を含む
視野を排除するため各像に対して閾値の測定を行う段階
と、その排除した視野は、過度に多くの欠点(研磨、製
造に伴うもの)を含むため、その排除した視野の測定値
を除外する段階と、除外した視野以外の視野に対し次の
分析を実行する段階とを備え、該段階が、 a)グレイレベルの分布の測定、 b)グレイレベルの勾配の測定、 c)ビトリニットの領域を測定し得るような方法でグレ
イ勾配の閾値を求めることによる、二進像の形成、 d)得られたビトリニットの領域のグレイレベルの分
布、又はその濃淡の測定、 e)ビトリニットの反射率の計算を行うことを含むこと
を特徴とする方法を提供するものである。
【0014】本発明の別の特徴によれば、ビトリニット
の反射率は、試料のビトリニットの全ての領域に対する
平均グレイレベルを測定することによって計算される。
【0015】本発明の更なる特徴によれば、ビトリニッ
トの反射率は、ビトリニットの各領域の平均グレイレベ
ルを測定することによって、計算される。
【0016】
【実施例】本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面に
関する本発明の一実施例の以下の説明から明らかになる
であろう。
【0017】図1には、石炭の試料について測定した反
射率の線図が示してある。この反射率が領域A内で2以
上であるならば、無煙炭である、即ちコークスとするこ
との出来ない高品質の石炭であることを意味する。
【0018】ビトリニットは明るい色であり、粘結炭に
対して、領域B内に位置する反射率即ち、0.5乃至
1.7の反射率を有する大きいプレートを呈する。これ
は、コークスの製造に使用される石炭であることを意味
する。
【0019】次の表には、その反射率に基づく石炭の分
類が示してある。
【0020】
【表1】 粘結炭は、反射率の大きさが次の順序である成分から成
っている。
【0021】エクジニット、ビトリニット、半フジニッ
ト、フジニット、及びイナーティニット。
【0022】図2及び図4には、ビトリニット及びその
他の成分の相が示してある。
【0023】石炭のマセラル分析の公知の手操作型式の
ものにおいて、較正した反射計を備える顕微鏡が使用さ
れる。
【0024】異なるマセラルの比率の測定は、操作者が
十字線の中心にてマセラルの性質を認識する経験を利用
するものである。操作者は、ビトリニットと半フジニッ
トを区別するため反射率を定期的に測定するとき、手助
けを受けることがある。
【0025】この反射率は、エクジニットの場合、その
最小値となり、重量比で0乃至3%の比率となる。大き
さの順に、重量比で45%乃至85%のビトリニットが
観察される。次に、半フジニット及びフジニットが観察
され、これらは、共に、15%乃至45%の比率とな
る。また、反射率が極めて大きく、その比率が10%以
下であるイナーティニットが観察される。
【0026】図2には、分布状態、即ち、度数(fre
quency)対反射率の測定値を示す線図が示してあ
る。この曲線は、石炭の品質を測定し、また、ビトリニ
ットの含有率を測定することを可能にする。
【0027】本発明は、公知の型式の手操作の方法と同
一の条件下で作製された試料の測定結果に基づくマセラ
ルの分析の自動的な方法に関するものである。
【0028】この方法において、顕微鏡がまた使用さ
れ、予備的な較正手順も行われる。第一に、その反射率
が既知である標準面を採用することにより、顕微鏡の光
を手で調節する。
【0029】更に、デジタル化した像の各像点に対する
係数Kの値を計算する。この係数Kは、標準面において
常に同一の平均グレイ値(濃淡)が得られるように、均
質性を自動的に補正することを可能にする。
【0030】マセラルの組成は、次の方法で計算する。
【0031】
【数1】 実際には、ビデオカメラを使用して光学顕微鏡で得られ
た像は、光又はカメラの調節に関係した均質性の欠点を
有することが多い。
【0032】故に、この均質性を補正するためには、同
一の作業条件下でグレイレベルの点で均一の標準面上で
得られた基準像が採用される。
【0033】この像は、均質性の異なる欠点を調和さ
せ、グレイレベルのこれらの異なる値によって、処理す
べき像の寸法マトリックスは、次式により、像の各点の
補正係数Kを計算することで構成される。
【0034】
【数2】 ここで、GLijは、点ijにおけるグレイレベルである一
方、GLmaxは、像の最大のグレイレベルである。
【0035】この補正は、次の計算方法に従って、各像
の点のグレイレベルをその係数Kに対し比例的に修正す
ることから成る。
【0036】
【数3】 ここで、IMAGEijは、処理すべき像であり、又、S
UP(Kij)は、係数Kの最大値である。
【0037】一つの成分の反射率は、その反射率の僅か
な変化を測定し且つ表示することで特定されるから、こ
の補正は、この適用例の範囲において特に重要である。
【0038】この均質性の補正の目的は、カメラの視野
の位置によって試料の同一の領域における反射率が異な
った値となるのを防止することである。
【0039】これらの事前の較正手順の後に、操作者
は、分析すべき試料を所定位置に配置し、この試料の反
射率をデータ記憶装置に入力する。
【0040】この分析方法のその他の手順は完全に自動
的に行われる。異なる操作は次の通りである。
【0041】試料を支持するプレートの移動、自動的な
焦点決め、像の形成、像の処理、濃淡の測定。
【0042】この最後の操作は、除外されなかった像に
ついてのみ行われる。
【0043】像の形成は、グレイレベルにあるデジタル
化した像を提供するカメラを具備する顕微鏡によって行
われる。例えば、グレイレベルが0乃至255の範囲で
変化する像、即ち、八重線(octet)上でコード化
した、デジタル像を採用することも可能である。
【0044】像を自動的に処理する最初の操作は、例え
ば、80%以上といった樹脂の比率が極めて高い、顕微
鏡の視野に対応する像を除外することを目的とするもの
である。
【0045】この目的のため、像を点毎に分析し、各画
素が僅か0又は1の値しか取り得ない二進像を形成する
ことにより、閾値法が採用される。
【0046】この閾値操作は、その樹脂に対応するグレ
イレベルが各視野及び各試料毎に概ね同様であるという
事実に基づくものである。像を八重線上でコード化する
とき、即ち、グレイレベルが0乃至255の範囲で変化
するとき、多数回の操作の観察により、樹脂に対応する
グレイレベルの範囲を0乃至70の範囲に固定すること
が可能となる。
【0047】この場合、二進像が形成され、ここでは、
各像の点について、反射率が70以下のときは、その値
は1であり、この反射率が70以上のときは、この値は
0となる。
【0048】次に、被覆樹脂の比率を測定する、即ち、
全ての像の点の二進値の合計対これらの合計数との比を
測定する。この比率が80%以上である場合、それに対
応する像は、除外され、別の視野を得るために試料を移
動させる。
【0049】除外されなかった全ての視野又は像に対し
て、次に、次の手順を実行する。
【0050】最初に、上述の補正係数Kを各像の点に付
与することによって、均質性の補正を行う。
【0051】次に、石炭の全体的な濃淡を得るために、
グレイレベルの分布の測定を行う。
【0052】濃淡とは、一つの像におけるグレイレベル
の分布として定義され、より正確には、各グレイレベル
に対応する像の点の数を意味する。図3に示した曲線
は、グレイレベルにてデジタル化した一つの像における
濃淡の度数分布の一例を示す。このグレイレベルの値
は、横座標としてプロットしたものであり、対応するグ
レイレベルを有する像の点が出現する度数は縦座標とし
てプロットしてある。
【0053】次に、グレイ勾配の分析手順を行う。実際
上、ビトリニットは、最大の均質性を有する、即ち、グ
レイレベルがほとんど変化しないことを示す最大の領域
を有する石炭の成分である。
【0054】これは、均質性の補正を行ったデジタル化
像のグレイ勾配の分析に基づいてビトリニットの均質な
領域を明らかにすることの理由である。
【0055】デジタル化した像の勾配は次式で表され
る。
【0056】
【数4】 ここで、nは、対象とする像の点に近い点の数、f
(x)は対象とする像の点におけるグレイレベル、f
(x1)はその付近の点各々のグレイレベルである。
【0057】分析により勾配を平滑にした結果、各点と
その付近の点との測定値との変化に対応するグレイレベ
ルの新たにデジタル化された像が構成される。
【0058】各点のグレイ値が等しい(完全な均質性を
有する)領域は、各像の点に対する勾配の値が0であ
る。故に、八重線上でコード化した像に存在するであろ
う最大の勾配は、255となり、この値は、グレイレベ
ルの値が0であり、また、その付近の点のグレイ値が2
55である像の点に対応する。
【0059】方形のフレームの場合、各像の点の付近の
点として、8つの点がある。
【0060】異なる石炭の分析の結果、その測定条件下
におけるビトリニットのグレイの均質性の特徴を特定す
る勾配の臨界値を求めることが可能になった。この値
は、一つの八重線上でコード化したデジタル像の場合、
20である。
【0061】次に、その勾配のグレイレベルの閾値を求
めることによって、二進数の像が求められる。一つの像
の点の勾配値が20以上であるならば、その二進値は、
1に等しくなり、この二進値は、その他の像の点につい
て0となる。図4の上部に示したような二進像が得られ
る。この二進像は、勾配の値が21乃至255の範囲の
値となる全ての点を表現する。領域の大きい均質領域1
及び領域の小さい領域2も示してある。
【0062】エロージョン(erosion)のような
形態学的手段は、像の分析装置にて公知の方法である。
これらの方法は、数学的形態学の原理に基づくものであ
る。
【0063】次の手順は、寸法によって形態学的な濾過
を行って、寸法の小さい領域を除外し、ビトリニットの
大きい領域を維持することを内容とする。この濾過はエ
ロージョンによって行い、面積の大きい均質なビトリニ
ット領域のみが残るようにする。図4の下部に示したよ
うな二進像が得られる。
【0064】この勾配から二進像を求めるためには、例
えば、18という勾配値を選択することが出来る。一つ
の像の点の勾配がこの値以下であるならば、その二進値
は1となる。一つの像の点の勾配がこの値よりも大きい
場合、その二進値は0となる。
【0065】次の手順は、このようにして求めたビトリ
ニット領域のグレイレベルの度数分布を測定することを
内容とする。この目的上、均質性を補正した後の最初の
デジタル化像を使用し、その測定は、予め設定したビト
リニット領域についてのみ行う。
【0066】ビトリニットの反射率を求めるためには、
2つの方法を使用することが可能である。その第一の方
法は、試料のビトリニットの全ての領域について平均グ
レイレベルを測定するものである。その第二の方法は、
各領域の平均グレイレベルを求めるものである。
【0067】混合体又は不純物に関する限り、この第二
の方法は、二種類の石炭が存在することを容易に明らか
にすることが可能である。各領域の測定値が、その領域
が属する面積に比例する係数による加重値を加えるなら
ば、平均グレイレベルの測定値は誤差を含まない。
【0068】ビトリニットの反射率の測定及びマセラル
の分析は、同時に行われ、その分析時間は1時間以内で
ある。
【0069】ビチリニットの比率は、石炭の全体的な濃
淡の分布及び分析ビトリニットの濃淡の分布の積分から
推定される。重ね合わせ且つ差によって、ビトリニット
の比率が計算される。石炭のその他の成分の比率は、図
9に示すように、ビトリニット以外の分布を分析するこ
とで推定される。
【0070】得られた差のデータは、データバンクに記
録し、このことは、コークスの製造に採用される石炭の
品質を特に監視することを可能にする。
【0071】本出願人は、本発明の方法によって得られ
た結果と、公知の型式の手操作により得られた結果との
比較を行った。これら2つの方法の比較結果は、図5乃
至図7に示してある。
【0072】図5及び図6は、度数分布対反射率をヒス
トグラムの形態で示した曲線である。黒い棒線は、公知
の型式の手操作の測定値を示す一方、白い棒線は本発明
による自動測定方法の値を示す。自動的に行った測定と
公知の手操作方法とに良好な相関関係があることが理解
出来る。図5は、低級な石炭を示し、また、図6は、高
級な石炭を示す。
【0073】この相関関係は図7に示されており、ここ
では、公知の型式の手操作の方法により得られたビトリ
ニットの反射率の測定値が横座標で示してある一方、本
発明の方法によって得られた測定値が縦座標で示してあ
る。
【0074】図10には、本発明による方法を実施する
ための装置の概略図が示してある。該装置は、油に浸漬
された拡大対物レンズ20を具備する光学式の反射光顕
微鏡10を備えている。この顕微鏡は、モータ12、1
3、14によって三つの軸(X、Y、Z)に沿って可動
であるステージ11を備えている。このことは、試料を
プログラム化して変位させ、また、自動的に焦点決めす
ることを可能にする。解像度550x740の像点が形
成された点を採用する電荷転送型(CCD)のカメラ1
6が顕微鏡10の上に固定される。
【0075】このカメラ6により得られた像は、コンピ
ュータ装置17に送られ、該コンピュータ装置17は、
特に、ディスプレイ装置18を備え、顕微鏡10のモー
タを制御する。
【0076】図11乃至図13には、石炭のある面積を
処理する一例が示されている。
【0077】石炭のある面積に関する興味ある情報は、
図11に黒で示した被覆樹脂に対して相補的な像の全体
によって形成される。
【0078】この樹脂は、そのグレイ領域が常に、0乃
至70の範囲にあって同一の値である。この空隙率の作
用は、次の方法で排除される。
【0079】このことに留意して、2.2μmのエロー
ジョン処理樹脂の像の相補的像に対応する分析マスクが
形成される。このエロージョンの目的は、樹脂の縁部及
び空隙の縁部に観察される研磨欠点(レリーフ部分)を
無くすことである。この欠点は、実際の状況を示さない
グレイレベルを生じさせ、これらの手段は、この点に関
して何ら考慮していない。
【0080】図3には、樹脂及び空隙率に対応するピー
ク値を伴わずに、石炭中のグレイレベルの度数分布に対
するこの平滑化の作用が示してある。濃淡の全ての測定
(石炭及びビトリニット)は、このマスクを通じて行わ
れる。
【0081】ビトリニットの当該領域は次のようにして
明らかにされる。石炭の当該領域内で観察されたグレイ
勾配は、図12に示してある。真っ黒に示した均質領域
はその勾配が小さいから、その領域を予測することは既
に可能である。
【0082】勾配の閾値を20以上の値に設定すること
で、0に等しい部分が最も均質である二進像(BIG
を得ることが可能となる(図12)。
【0083】粘結炭におけるビトリニットの反射率は、
主として、GLの値が80及び190での領域にある。
【0084】故に、このGLの範囲を考慮に入れること
だけで二進マスク(BIM)が形成される。
【0085】このようにして、空隙率、樹脂及びイナー
ティニットが除外される。
【0086】ビトリニットの当該領域は、像BImを像
BIGの相補的像と相互作用させることによって明らか
にされ、形成される像は、25μmの要素によりエロー
ジョン処理され、次に20μmの寸法に拡大される。
【0087】
【数5】 これらのブール代数的方法(Boolean Oper
ation)の結果は、図13に示してある。
【0088】図8及び図9には、石炭の試料の組成を求
める方法が示してある。
【0089】試料の全体について求めた濃淡を分析する
とき、ビトリニットに対応するグレイレベルの部分を分
布図上に表示することは不可能である。
【0090】勾配及び形態学的な濾過によってビトリニ
ットと石炭とを区別することにより、ビトリニットのグ
レイレベルの分布を偏りなく測定することが可能とな
る。ビトリニットのグレイレベルの分布を石炭の分布か
ら推測することにより、その他のマセラルの部分を推定
することが出来る。
【0091】石炭の濃淡の積分はマセラルの合計値を意
味する。ビトリニットの濃淡の積分は、ビトリニットの
部分を意味する一方、これら2つの分布の差の積分はそ
の他のマセラルの部分を意味し、特にイナーティニット
の比率を推定することが可能になる。
【0092】図14には、較正曲線、即ち、標準面の反
射率及びグレイレベルの相関関係が示してある。手操作
の分析方法に採用されるこれらの標準面は、既知の反射
率(0.525;0.892;1.236、及び1.6
88%)に対応する。
【0093】操作条件は、最小の反射率と最大の反射率
との間にてグレイレベルが十分に変化するように好適な
ものにした。
【0094】その関係の直線性を点検し且つ変動レベル
(図5)を評価するために標準面の反射率と平均グレイ
レベルとの相関関係を求めた。
【0095】
【数6】 平均変動レベルは、0.0135%の反射率に等しく、
一単位のグレイレベルに対する反射率の平均値として定
義される。
【0096】Ldの値は測定の感度レベルを設定する。
岩石分類法により設定された標準は、反射率がその反射
率の0.05%以上又はそれ以下だけ、絶対的な偏差を
生ずることを許容し、この値は、三つのグレイレベルに
対応し、このことは極めて満足し得ることである。
【0097】反射率0.892乃至1.688%の値に
対する直線性はそれほどよくなく、このビトリニットの
反射率の領域は、採用した石炭の最大部分に相当する。
【0098】このことに留意して、各反射率の区間に対
して、計算した相関係数を適用することにより、二つの
方法の関係が一層厳密に設定される。
【0099】この結果を得ることを可能にした操作条件
は好適なものであり、石炭の各分析に採用される。
【0100】
【発明の効果】実施した試験の結果、石炭のマセラル分
析のため本発明に従って行う自動方法は、その分析時間
を平均4時間から1時間に短縮することで分析時間を著
しく短縮することが可能であることが判明した。
【0101】更に、特に、マセラル分析の場合、分析精
度が著しく改善される。
【0102】故に、本発明は、一定品質のコークスの製
造及び石炭のコスト価格の評価に寄与する目的にて、製
品管理の改善を可能にするものである。その結果、顕著
な経済的利点が得られる。
【0103】最後に、本発明は、操作者にとって骨の折
れない方法に関するものであり、これは、特に測定精度
を改善することを可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】石炭の試料の反射率を示す線図である。
【図2】反射率の分布を示す線図である。
【図3】樹脂の空隙率の作用を補正した、グレイレベル
でデジタル化した像の濃淡の線図である。
【図4】得られた像に対する濾過操作を示す図である。
【図5】本発明の方法の結果と公知の型式の手操作方法
により得られた結果との比較を可能にする分布の線図で
ある。
【図6】本発明の方法の結果と公知型式の手操作方法に
より得られた結果との比較を可能にする分布の線図であ
る。
【図7】本発明による方法と公知の型式の手操作方法と
を比較した別の線図である。
【図8】本発明の方法により得られた測定値及び公知の
型式の手操作方法により得られた測定値に対する空隙の
作用を補正した分布を示す線図である。
【図9】石炭のその他の成分を明らかにする分布の線図
である。
【図10】本発明による方法を実施する装置の線図であ
る。
【図11】図10の装置により行われる処理状態を示す
図である。
【図12】図10の装置により行われる処理状態を示す
図である。
【図13】図10の装置により行われる処理状態を示す
図である。
【図14】標準面と平均グレイレベルの既知の反射率と
の補正状態を示す較正曲線である。
【符号の説明】
1、2 領域 6 カメラ 10 顕微鏡 11 ステージ 12、13、14 モータ 16 カメラ 17 コンピュータ 18 ディスプ
レイ 20 対物レンズ A、B 領域 X、Y、Z 軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 そのビトリニット含有率を測定する目的
    にて石炭のマセラル分析を行う方法であって、粉砕石炭
    に樹脂を被覆することにより形成された試料を利用する
    段階と、顕微鏡内で連続的な視野を得るため試料を変位
    させることにより顕微鏡にて試料の表面を走査する段階
    と、ビトリニットの反射率を測定する段階とを備える方
    法にして、 顕微鏡の各視野に対して、グレイレベルのデジタル化像
    を形成する段階と、 所定の閾値以上の量の樹脂を含む視野を排除するため各
    像に対して閾値の測定を行う段階と、 除外した視野以外の視野に対し次の分析を実行する段階
    とを備え、該段階が、 a)グレイレベルの分布の測定、 b)グレイレベルの勾配の測定、 c)ビトリニットの領域を測定し得るような方法でグレ
    イ勾配の閾値を求めることによる、二進像の形成、 d)得られたビトリニットの領域のグレイレベルの分
    布、又はその濃淡の測定、 e)ビトリニットの反射率の計算を行うことを含むこと
    を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の石炭のマセラル分析を
    行う方法にして、試料の全てのビトリニットに対する平
    均グレイレベルを求めることにより、ビトリニットの反
    射率が計算されることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の石炭のマセラル分析を
    行う方法をにして、ビトリニットの各領域のグレイレベ
    ルを求めることにより、ビトリニットの反射率が計算さ
    れることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の石炭のマセラル分析を
    行う方法にして、グレイレベルの分布状態を測定する段
    階の前に寸法の小さいビトリニット領域を除外するた
    め、寸法毎に形態学的な濾過を実施する段階を備えるこ
    とを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の石炭のマセラル分析を
    行う方法にして、ビトリニットの反射率の値が濃淡値か
    ら得られることを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の石炭のマセラル分析を
    行う方法にして、グレイレベルが均一な反射像を使用す
    ることにより、除外した視野以外の視野について各像点
    の補正を実施する段階を備えることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の石炭のマセラル分析を
    行う方法にして、その反射率が既知である標準面により
    顕微鏡の光を事前に調節する段階を備えることを特徴と
    する方法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の石炭のマセラル分析を
    行う方法にして、イナーティニットの反射率を計算した
    後、ビトリニットの含有率を計算する段階と、ビトリニ
    ットを使用せずに濃淡の分析によりその他の成分の含有
    率を推定する段階と、を備えることを特徴とする方法。
JP6307883A 1993-12-10 1994-12-12 石炭のビトリニット含有率の測定のためのマセラル分析方法 Pending JPH07253398A (ja)

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