JPH072531Y2 - 園芸用ホース巻き取り機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、主として家庭で使用される園芸散水用ホー
スを巻き取り収納するホース巻き取り機に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来の園芸散水用ホース巻き取り機には次のような欠点
が見受けられる。

ホース巻き筒の回転軸が水平に構成されているために、
回転軸の方向との成す角度が概ね45度以内である方向を
ホースを引き出そうとすると、ホース巻き筒の回転が円
滑性を失うか又は不可能になる。この場合はホースの引
き出しができないだけでなく、ホースがよじれて閉塞し
たり、ホース巻き取り機が転倒して損傷することもあ
る。

従って園芸散水作業の途中、ホースの引き出し方向がホ
ース巻き筒の回転軸方向と概ね45度以下になる場合は、
その都度ホース巻き取り機を設置する場所に戻り、ホー
ス巻き取り機の据え付け方向を変化させなければならな
いという欠点がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

この考案は主として家庭園芸においてホースによって散
水する場合、ホース巻き取り機からホースを引き出す方
向を任意に変化しても、支障を生じない園芸散水用ホー
ス巻き取り機を提供するためになされたものである。

〔課題を解決するための手段〕

園芸散水用のホースを巻き取り収納する装置において、 （ア）上下に円板鍔を有する中空筒をホース巻き筒と
し、 （イ）ホース巻き筒回転軸の下端を支持する橋と、その
上端を支持する枠を有する支持リングによって、ホース
巻き筒を支持し、 （ウ）支持リングの下方に支持リングよりも少し大きい
直径の接地リングを、連結脚を介して連結し、 （エ）支持リングと接地リングの間を通過し、支持リン
グに支持される水供給管を設け、この管はホース巻き筒
の下端回転自在シール部を経て、ホース巻き筒の下方円
板鍔面上ホース接続口に至って開口し、 （オ）ホース巻き取りのため脱着自在なハンドルと、ホ
ース巻き取り機の安定を確保するための接地リング抑え
ピンを付属する、 以上の構成による。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例について図面を用いて説明する。
第１図は一実施例の全体を示す斜視図、第２図はその縦
断面図、第３図はホース巻き筒下部のホース接続口７の
第２図Ａ−Ａ部分平面図、第４図は散水を要する庭園と
散水ホース巻き取り機設置の関係の一例を示す説明図で
ある。第１図および第２図において、下方円板鍔１と上
方円板鍔２は中空筒３を挟んで一体となりホース巻き筒
を形成する。この場合上方円板鍔２の直径は下方円板鍔
１の直径の1/2程度とし、中空筒３は上部の直径を下部
の直径より僅かに小さくすることが望ましい。上方円板
鍔２の上面中央には縦ネジ孔を持つ小円柱を設け、ホー
ス巻き筒の回転軸上端４を形成する。下方円板鍔１の中
央を貫通て通水管を一体に取りつけ、通水管下端５に近
い管の外側には水シール用ゴムリング６を装着するため
の溝を設ける。この通水管の上端は中空筒３の内部で閉
塞し、下方円板鍔１の上面に近接してこの通水管に枝管
を設け、枝管端部は第３図（Ａ−Ａ部分平面図）に示す
ように中空筒３の下部に設けた窓の部分において屈曲
し、巻きホース接続口７を形成する。

通水管下端５はホース巻き筒全体の荷重を支持する支持
凾８と接触する。

第１図および第２図において、支持リング９はその中心
をよぎる支持橋10と一体に作り、支持橋10の中央部には
通水管下端５を受けると共に、水シール用ゴムリング６
の外側と接する支持凾８を、着脱可能なようにネジを用
いて取り付ける。一方支持リング９の上方には、ホース
巻き筒の回転軸上端４を支持するための支持枠11を支持
リング９と一体に設ける。支持枠11の脚部２本は相互に
直角を成して支持リング９に固着し、その上方水平部は
ネジ２本を用いて連結することによりホース巻き筒を着
脱することを可能にする。

支持リング９はその内側に必要な余裕をもって下方円板
鍔１が収まる大きさの直径とし、かつ支持リング９の上
面と下方円板鍔１の上面はほぼ同じ高さになるようにす
る。支持枠11の上方水平部にはホース巻き筒の回転軸上
端４を支持する孔を設けるが、支持枠11の上方水平部と
上方円板鍔２とは接触を避ける限度の上下間隔をもたせ
る。

接地リング12は支持リング９よりもやや大きい直径と
し、その間は必要最小限の長さの４個の連結脚13で固定
連結する。この接地リング12は別に付属する逆Ｕ字形抑
えピン14で地面に固定することができる。

水の供給口15は支持リング９に設けた支持枠11の２本の
脚の中間下部に、その先端が接地リング12の上に近接し
て位置し、支持リング９に支持させる。水供給口15から
の通水管は支持凾８の下端中央に接続し、水シール用ゴ
ムリング６を有する通水管下端５を経て、巻きホース接
続口７に開口する。通水と同時にホース巻き筒が回転す
る場合、円滑な回転が可能でしかも漏水しないように、
通水管下端５と支持凾８の接触部及び水シール用ゴムリ
ング６の溝部の加工は精密性を要する。

ホース巻き取りハンドル16は回転軸上端４の縦ネジ孔に
適合して着脱自在で、握り部には自由に回転する筒体を
設ける。

ホース巻き取り機の材料はシール用ゴムリング６を除き
その他はすべて鉄等の金属又は硬質プラスチック等を用
いる。ただし錆びやすい金属を材料とする場合は焼付け
塗装等十分な防錆方法により保護する。

〔作用〕

本考案の園芸散水用ホース巻き取り機を使用するには、
水道蛇口と水供給口15をホースで接続し、必要な長さの
ホースをホース接続口７に接続してホース巻き筒に巻き
取り、抑えピン14を接地リング12を跨いで４本地面に打
ち込み固定する。本考案のホース巻き取り機はその位置
を移動する必要が無いので、水道蛇口と水供給口15を連
結するホースは最小限の長さのものでよい。又巻きホー
スの長さは散水を要する庭園の広さによって決定しなけ
ればならないが、必要以上に長くしない方が取り扱いが
容易である。水供給口15および巻きホース接続口７での
ホース接続は、ホースが離脱することが無いように鉄線
等によって十分緊縛しなければならない。又巻きホース
の先端部には公知の散水具を取り付けるのがよい。

散水作業後ホースを巻き取る場合は、巻き取りハンドル
16を回転軸上端４のネジ孔にねじ込んで使用する。ホー
スは第２図で示すように下方円板鍔１と上方円板鍔２の
周辺を結ぶ二点鎖線内に収まり、点線で示した断面とな
るように整然と巻き取るのがよい。このためには片手で
ハンドル16を回しながら、他の片手でホースの高さを規
制し下から巻き始めて上で巻き終るようにする。

散水時のホースの引き出しは任意な方向に変換して行な
い得る。第４図は散水を要する庭園とホース巻き取り機
設置位置17の関係を示す説明図で、散水ホース先端到達
範囲18ならびに散水可能範囲19は巻きホースの長さによ
って決定する。

ホース巻き取り機は支持リング９と接地リング12間の連
結脚13を必要最小限の長さとして重心を低くしており、
さらに抑えピン14によって地面に固定するので、ホース
を強く引いても安定である。

〔考案の効果〕

本考案の園芸散水用ホース巻き取り機を用いて散水作業
をする場合は、ホースの引き出し方向を180度以上変換
してもホース引き出しは円滑に行なわれ、ホースがよじ
れて閉塞し又はホース巻き取り機が転倒する等の危険が
無い。従って散水作業を速やかにしかも楽に遂行できる
といった効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体斜視図 第２図は第１図の縦断面図 第３図は巻きホース接続口部平面図（第２図Ａ−Ａ部
分） 第４図は散水庭園とホース巻き取り機設置位置の関係を
示す説明図 第５図は支持リング、支持橋、支持枠、連結脚および接
地リングの位置関係を示す斜視図。（支持枠の一部切
除）（全一体構造） 1.…下方円板鍔、2.…上方円板鍔 3.…中空筒、4.…回転軸上端 5.…通水管下端、6.…シール用ゴムリング 7.…巻きホース接続口、8.…支持凾 9.…支持リング、10.…支持橋 11.…支持枠、12.…接地リング 13.…連結脚、14.…抑えピン 15.…水供給口 16.…ホース巻き取りハンドル 17.…ホース巻き取り機設置位置 18.…散水ホース先端到達範囲 19.…散水可動範囲

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】園芸散水用ホースの巻き取り収納装置にお
   いて、上下に円板鍔を有する中空筒をホース巻き筒と
   し、その回転軸の下端を支持する橋とその回転軸の上端
   を支持する枠を有する支持リングによってホース巻き筒
   を支持し、支持リングの下方に接地リングを連結脚を介
   して連結し、支持リングと接地リングの間を通過し、ホ
   ース巻き筒下端の回転自在シール部を経てホース巻き筒
   の下方円板鍔面上ホース接続口に水を供給する管を設け
   る、 以上のように構成される園芸用ホース巻き取り機。