JPH07253007A - エンジンの動弁装置 - Google Patents

エンジンの動弁装置

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Publication number
JPH07253007A
JPH07253007A JP6150144A JP15014494A JPH07253007A JP H07253007 A JPH07253007 A JP H07253007A JP 6150144 A JP6150144 A JP 6150144A JP 15014494 A JP15014494 A JP 15014494A JP H07253007 A JPH07253007 A JP H07253007A
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JP
Japan
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intake
slider
movable member
cam
valve
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Application number
JP6150144A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Hotta
田 浩 二 堀
Hisashi Kodama
玉 久 児
Shinji Otsuka
塚 真 二 大
Eiji Shirai
井 永 治 白
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07253007A publication Critical patent/JPH07253007A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L2307/00Preventing the rotation of tappets

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可変気筒機構を用いたエンジンの動弁装置に
おいて、可変気筒機構の回転防止手段を設けることなく
カムとの係合面積を大きくすること。 【構成】 エンジンのシリンダヘッド18に形成された
孔21内に可変気筒機構20の軸方向に摺動自在に配設
された第1ボデー30に第1ボデー30の外径Lよりも
僅かに小さい外径Dを有する円形状の開口部30aを形
成し、第1ボデー30内に可変気筒機構20の軸方向に
摺動自在に配設されたスライダー34に前記開口部30
aの外径Dと等しい外径をもつ円形状のカム係合面37
を設けたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの動弁装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエンジンの動弁装置とし
ては、特開平4−94405号公報に示されるものが知
られている。この従来技術を図13に基づいて説明す
る。カムシャフト70の周りには高速カム71及び低速
カム72,73が固着され、低速カム72,73は高速
カム71の両側に隣接している。エンジン(図示せず)
のシリンダヘッド(図示せず)にはガイド筒74が埋設
され、その内周孔75内にはボデー76が摺動自在に配
設されている。ボデー76内にはスライダー77が摺動
自在に配設され、このスライダー77はボデー76に対
して相対移動可能になっている。ここで、ボデー76の
図示上面には高速カム71との干渉を避けるための高速
カム71と同幅の溝78,79が形成され、ボデー76
の外周面には回り止め80が形成されている。この回り
止め80によりボデー76はガイド筒74に対して回転
不能になり、高速カム71がスライダー77のみならず
ボデー76の上面にも係合するのを防いでいる。又、ガ
イド筒74には高速カム71との干渉を避けるための溝
81,及び低速カム72,73との干渉を避けるための
溝82(低速カム72用のみ図示)が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した装
置では、ボデー76のガイド筒74に対する回転を防止
するために回り止め80がボデー76の外周面に形成さ
れているので、ボデー76が回転しようとする力を回り
止め80と回り止め80に当接するガイド筒75の内周
面との間で受けることになる。その結果、回り止め80
と前記ガイド筒の内周面との間の偏摩耗が大きくなる。
このことは、図13に示す装置を可変気筒として利用し
た場合にもいえる。
【0004】ここで、回り止め80を設けなければ偏摩
耗を小さくなるが、ボデーの回り止めを設けない例(特
開平4−311614号公報)を図14に基づいて簡単
に説明する。カムシャフト90の周りには低速カム91
及びその両側に高速カム92,93が夫々固着されてい
る。ボデー94の上面94aはドーナツ形状を呈してお
り、高速カム92,93のみと係合するようになってい
る。ボデー94の開口部は94b内にはスライダー95
が摺動自在に配設され、低速カム91のみに係合可能に
なっている。以上のような構成になっているため、ボデ
ー94が回転しても高速カム92,93は常時ボデー9
4の上面94aに係合すると共に低速カム91は常時ス
ライダー95の上面に係合することになるので何ら作動
上の問題はなくなる。
【0005】ところが、図14に示す装置では、高速カ
ム92,93をドーナツ形状を呈するボデー94の上面
94aに係合させる構成であるので、高速カム92,9
3との係合面積が図10の斜線部分となり非常に小さく
なり、その結果、高速カム92,93のリフト量が少な
くなる。このことは、図14に示す装置を可変気筒とし
て利用した場合にもいえる。尚、前記係合面積を確保す
るためにボデー94の外径を大きくすることも考えられ
るが、その場合上記装置全体が大型化する。
【0006】尚、図13の装置においても、ボデー76
に溝78,79が設けられているので、スライダー77
の高速カム71との係合面積が確保できず、高速カム7
1のリフト量が制限される。
【0007】故に、本発明は、エンジンの吸排気弁を可
変気筒を介して駆動するエンジンの動弁装置において、
ボデーの回転を防止するための回転防止機構を設けるこ
となくカムのリフト量を確保する可変気筒機構(弁停止
機構)を提供することを、その技術的課題とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために請求項1の発明において講じた技術的手段(以
下第1の技術的手段と称する)は、カムシャフトの周り
に支持されたカムと、カムによって弁停止機構を介して
開閉駆動される吸排気弁とを有するエンジンの動弁装置
であって、弁停止機構を、エンジンのシリンダヘッドに
形成された孔の径に略等しい外径をもつ円形状のカム係
合面を有し、孔内に吸排気弁の軸方向に摺動自在に配設
された第1可動部材と、第1可動部材内に第1可動部材
に対して吸排気弁の軸方向に相対移動可能に配設され、
吸排気弁に常時係合する第2可動部材と、吸排気弁を開
放させる方向に第2可動部材を付勢する第1付勢手段
と、吸排気弁を閉塞させる方向に付勢し、その付勢力が
第1付勢手段の付勢力よりも大きくされてなる第2付勢
手段と、第2可動部材内に配設され第1,第2可動部材
との間の相対移動を規制可能とする相対移動規制手段と
から構成したことである。
【0009】ここで、孔の径に略等しい外径とは、孔の
径に等しい外径又は孔の径よりも僅かに小さい外径を意
味する。
【0010】上記第1の技術的手段において、可変気筒
機構の軸長を大きくすることなく前記第1付勢手段の長
さを充分に確保するために、請求項2の発明において講
じた技術的手段(以下第2の技術的手段と称する)は、
付勢手段を第1可動部材と第2可動部材との間に配設
し、相対移動規制手段を付勢手段の配設領域内に配設し
たことである。
【0011】上記技術的課題を解決するために請求項3
の発明において講じた技術的手段(以下第3の技術的手
段と称する)は、カムシャフトの周りに支持されたカム
と、エンジン燃焼室内に開口する吸気孔又は排気孔を開
閉する吸排気弁と、吸排気弁に連結されたステムと、カ
ムとステムとの間に配された弁停止機構とを有するエン
ジンの動弁装置であって、弁停止機構が、エンジンのシ
リンダヘッドに形成された孔の径に略等しい外径をもつ
円形状のカム係合面を有し、孔内に吸排気弁の軸方向に
摺動自在に配設された可動部材と、可動部材内に吸排気
弁の軸方向に摺動自在に且つ可動部材に対して相対移動
可能に配設され、ステムの先端部に当接するスライダー
と、吸排気弁を開放させる方向にスライダーを付勢する
第1付勢手段と、吸排気弁を閉塞させる方向にステムを
付勢し、その付勢力が第1付勢手段の付勢力よりも大き
くされてなる第2付勢手段と、吸排気弁を閉塞させる方
向に可動部材を付勢する第3付勢手段と、スライダーと
可動部材との間の相対移動を規制可能とする相対移動規
制手段とから構成したことである。
【0012】上記第3の技術的手段において、吸排気弁
の高リフト量の無効化を実行するために、請求項4の発
明において講じた技術的手段(以下第4の技術的手段と
称する)は、スライダーを、ボデーに形成されたスライ
ダー案内孔により案内し、可動部材は吸排気弁の軸方向
と直交する軸心を有するボデー孔を有し、スライダーは
吸排気弁の軸方向と直交する軸心を有し且つボデー孔に
重合可能なスライダー孔を有し、相対移動規制手段を、
一端に作用する油圧によりボデー孔内を摺動し、油圧が
作用されていないときにスライダー孔に重合する第1ピ
ンと、第1ピンと共にボデー孔内を摺動する第2ピン
と、第2ピンを油圧に対抗する方向に付勢するスプリン
グと、第2ピンのスプリング付勢方向への移動を規制し
て第2ピンをスライダー案内孔から突出しない状態に維
持するストッパとから構成したことである。
【0013】
【作用】上記第1の技術的手段の作用について説明す
る。
【0014】相対移動規制手段により第1可動部材と第
2可動部材との相対移動が規制されている場合には、カ
ムが第1可動部材のカム係合面と係合すると、吸排気弁
に常時係合する第2可動部材が第1可動部材と一体に第
2付勢手段の付勢力に抗して移動し、その結果、吸排気
弁が開閉する。一方、相対移動規制手段により第1可動
部材と第2可動部材との相対移動の規制が解除された場
合には、カムが第1可動部材のカム係合面と係合して第
1可動部材が軸方向に移動しても、第2可動部材は第1
可動部材とは係合せず、第2付勢手段の付勢力により第
2可動部材は吸排気弁を閉塞させる方向に移動する。そ
の結果、吸排気弁が常時閉塞したままとなる。
【0015】上記第1の技術的手段によれば、第1可動
部材が円形状のカム係合面を有しているので、第1可動
部材が回転してもカムは常時第1可動部材のカム係合面
のみと係合することになり、上記の作動が確実に行われ
る。従って、第1可動部材の回転防止手段を設ける必要
がなくなり、その分偏摩耗が低減する。
【0016】又、第1可動部材のカム係合面の外径を第
1可動部材が配設される孔の径と略等しくしたので、カ
ムとの係合面積が充分に確保され、その結果、従来技術
と比較してカムのリフト量が確保される。
【0017】上記第2の技術的手段によれば、第1,第
2可動部材間に配設した第1付勢手段の配設領域内に相
対移動規制手段を配設したので、弁停止機構の軸長を大
きくすることなく第1付勢手段の長さを充分に確保でき
る。その結果、第1,第2可動部材間の相対移動量を充
分に確保でき、高リフトカムを使用しても確実に吸排気
弁を閉塞した状態に維持できる。
【0018】上記第3の技術的手段の作用について説明
する。
【0019】相対移動規制手段によりスライダーと可動
部材との相対移動が規制されている場合には、カムが可
動部材のカム係合面と係合すると、可動部材がスライダ
ー及びスライダーと係合しているステムと一体に第2,
第3付勢手段の付勢力に抗して移動し、その結果、吸排
気弁が開閉作動する。一方、相対移動規制手段によりス
ライダーと可動部材との相対移動の規制が解除された場
合には、カムが可動部材のカム係合面と係合して可動部
材が第3付勢手段の付勢力に抗して移動しても、スライ
ダーは可動部材と係合せず、第2付勢手段によりステム
の一端がスライダーを押圧しながら吸排気弁を閉塞させ
る方向に移動する。その結果、吸排気弁が常時閉塞した
ままとなる。
【0020】上記第3の技術的手段によれば、第1の技
術的手段と同様に可動部材が円形状のカム係合面を有し
ているので、可動部材が回転してもカムは常時可動部材
のカム係合面のみと係合することになり、上記の作動が
確実に行われる。従って、可動部材の回転防止手段を設
ける必要がなくなり、その分偏摩耗が低減する。
【0021】又、可動部材のカム係合面の外径を可動部
材が配設される孔の径と略等しくしたので、カムとの係
合面積が充分に確保され、その結果、従来技術と比較し
てカムのリフト量が確保される。
【0022】上記第4の技術的手段によれば、第1ピン
の一端に油圧が作用しないときには、第1ピンがスライ
ダー孔と重合してスライダーと共に吸排気弁軸方向(即
ち第1付勢手段の付勢方向に抗する方向)へ移動する
が、そのとき、スライダー案内孔により第1ピンがガイ
ドされるため、吸排気弁のリフト量を第2ピンの径以上
にしても第1ピンがスライダー案内孔により確実にガイ
ドされることになる。つまり、ピン径を大きくすること
なく吸排気弁の高リフト量の無効化を実現できる。従っ
て、弁停止機構20の軸長が小さくなると共に(ピン
径)/(各ピンの長さ)が小さくなることから各ピンが
傾き難くなって第1ピンを確実に所定の位置まで移動さ
せることができる。尚、第1ピンがスライダーと共に吸
排気弁軸方向へ移動する際には、第2ピンがストッパに
よりスライダー案内孔330から突出しない位置で停止
させるため、第1ピン、スライダー及びステムが第2ピ
ンと干渉することはなく、円滑な移動が確保される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0024】図1に示すエンジンの動弁装置10におい
て、エンジン(図示せず)のシリンダヘッド18にはカ
ムシャフト11が回転自在に配設され、カムシャフト1
1の周りには1つの弁停止機構20に対して1つのカム
12が支持されている。この弁停止機構20は、カム1
2と吸排気弁13との間に配設され、カム12の押圧力
を吸排気弁13に伝達可能とするものである。
【0025】弁停止機構20において、シリンダヘッド
18に形成された孔21内にはカップ状の第1ボデー3
0が摺動自在に配設され、第1ボデー30はカム12側
に向かって開口する開口部30aを有している。図2に
示されるように、この開口部30aの外径Dは第1ボデ
ー30の外径Lよりも僅かに小さくなっている。又、第
1ボデー30の内部には第1ボデー30の開口部30a
に連通する内部空間31が形成され、第1ボデー30の
内周面には内方に向かって突出する環状突起部30bが
形成されている。第1ボデー30の内部空間31内には
第2ボデー(第2可動部材)32が配設され、第2ボデ
ー32の図示下端面には吸排気弁13のステム端面が当
接している。第2ボデー32には、カム12側に向かっ
て開口する開口溝33が形成され、第1ボデー30の内
部空間31内には第2ボデー32の開口溝33内を可変
気筒機構20の軸方向(図示上下方向)に摺動するスラ
イダー34が配設されている。尚、前述の第1ボデー3
0とスライダー34とにより本発明の第1可動部材が構
成される。このスライダー34は、開口溝33と略同一
幅の辺を有する断面長方形状の突条部35と、第1ボデ
ー30の開口部30aの外径Dと等しい外径をもつ円形
状のカム係合面37を有する大径部36とから構成され
ている。尚、突条部35の形状は断面円形状でも良い。
又、大径部36は第1ボデー30の環状突起部30bに
係止されている。ここで、環状突起部30bと第2ボデ
ー32の上面との間には、スプリング(第1付勢手段)
38が配設され、吸排気弁13を開放させる方向に介し
て第2ボデー32を付勢している。
【0026】第2ボデー32には吸排気弁13の軸方向
と垂直な方向にボデー孔40が形成され、スライダー3
4の突条部35にもボデー孔40と重合可能なスライダ
ー孔41が吸排気弁13の軸方向と垂直な方向に形成さ
れている。つまり、ボデー孔40の開口幅はスライダー
孔41の開口幅と同一である。ボデー孔40内には3分
割されたピン42,43,44が摺動自在に配設されて
いる。ここで、ピン43の長さは第2ボデー32の開口
溝33の幅及びスライダー34の突条部35の幅と略同
一である。ボデー孔40内においてピン42の左側面に
は圧力室45が形成され、ピン44の右側面にはスプリ
ング室46が形成されている。圧力室45は通路47,
環状溝48,通路14及び制御弁49を介してオイルパ
ン50に接続されると共に通路47,環状溝48,通路
14,制御弁49及び油圧ポンプ51を介してオイルパ
ン50に接続されている。一方、スプリング室46内に
はスプリング52が配設され、圧力室45の容積を減少
させる方向にピン42,43,44を付勢している。こ
こで、ピン42の左端が圧力室45の左端面45aに当
接したときにスライダー34とピン43が完全に重合す
るようになっている。尚、53はスプリング室46の圧
抜き孔である。
【0027】吸排気弁13のステム外周上にはコッタ5
5を介してリテーナ56が固定され、リテーナ56には
弁スプリング(第2付勢手段)57の一端が係合してお
り、吸排気弁13を閉塞させる方向に付勢している。弁
スプリング57の付勢力はスプリング38の付勢力より
も大きくなっている。
【0028】尚、本実施例においては、スライダー34
の大径部36を第1ボデー30の環状突出部30bに係
止したが、これに限定される必要は全くなく、スライダ
ーを第1ボデーに係止しなくても良い。又、本実施例で
は、スライダー34をカム12に向けて付勢するスプリ
ング38を環状突出部30bと第2ボデー32の上面と
の間に配設したが、これに限定される必要は全くなく、
例えば、スライダー34の突条部35下面と第2ボデー
32の開口溝33の底面との間に前記スプリングを設け
ても良い。
【0029】上記の如く構成されたエンジンの動弁装置
10の作動について説明する。
【0030】エンジンが始動されるとカムシャフト11
が回転し始め、その結果、カム12が回転駆動される。
まず、吸排気弁13を常時作動させたい場合、制御手段
(図示せず)により制御弁49が図1の如く切り換えら
れ、油圧ポンプ51により油圧が通路14,凹溝48及
び通路47を介して圧力室45に供給される。その結
果、ピン42,43,44がスプリング52の付勢力に
抗して図示右方即ち圧力室45の容積を増大させる方向
に移動し、ピン42がボデー孔40,スライダー孔41
の両方にまたがると共にピン43がボデー孔40,スラ
イダー41の両方にまたがる。これにより、スライダー
34の開口溝33内の移動が阻止され、第2ボデー32
とスライダー34との間の相対移動が阻止される。従っ
て、カム12がベース円でスライダー34のカム係合面
37に接している状態から回転が進んでカム面でスライ
ダー34のカム係合面37に接し始めると、スライダー
34及び第1ボデー30が弁スプリング57の付勢力に
抗して図示下方に沈み始め、直ちに第2ボデー32が図
示下方に沈み始める。つまり、スライダー34がカム1
2のカム面と係合している間は、その力はスライダー3
4→ピン42,43→第2ボデー32→吸排気弁13と
伝達し、カム面のリフト量に応じて吸排気弁13が弁ス
プリング57の付勢力に抗して図示下方へと移動し、吸
排気弁13がシート面(図示せず)から離間して吸気又
は排気が行われる。このとき、第1ボデー30及びスラ
イダー34が孔21に対して回転規制されていないの
で、第1ボデー30及びスライダー34が回転すること
もある。
【0031】一方、吸排気弁13の作動を常時休止させ
たい場合、制御手段(図示せず)により制御弁49が図
3の如く切り換えられるため、油圧は圧力室45には供
給されず、圧力室45が制御弁49を介してオイルパン
50に連通する。その結果、図3に示すようにピン4
2,43,44はスプリング52の付勢力により図示左
方即ち圧力室45の容積を減少させる方向に移動し、ピ
ン43がスライダー孔41に略完全に重合する。これに
より、スライダー34が開口溝33内にて摺動可能にな
る。従って、カム12がベース円でスライダー34のカ
ム係合面37に接している状態から回転が進んでカム面
でスライダー34のカム係合面37に接し始めると、そ
のリフト量に応じてスライダー37がスプリング38に
抗して開口溝33内を図示下方向に沈み込むと共に第1
ボデー30もスプリング38に抗して孔21内を図示下
方向に沈み込む。このとき、第2ボデー32は吸排気弁
13と共に弁スプリング57の付勢力により図示上方向
に移動する。このように、カム12による力が吸排気弁
13に伝達されないので、吸排気弁13は閉状態即ちシ
ート面に着座した状態に維持され、吸気又は排気は行わ
れない。尚、スライダー34の最大沈み込み位置は開口
溝33の底面に到達しない様に設定されている。このと
きも、第1ボデー30及びスライダー34が孔21に対
して回転規制されていないので、第1ボデー30及びス
ライダー34が回転することもある。
【0032】以上示したように、本実施例においては、
スライダー34が円形状のカム係合面37を有している
ので、上記作動中に第1ボデー30及びスライダー34
が孔21に対して回転してもカム12は常時スライダー
34のカム係合面37のみと係合することになり、上記
の作動が確実に行われる。従って、第1ボデー30の回
転防止手段を設ける必要がなくなり、回転による偏摩耗
が全くなくなり、可変気筒機構20の耐久性が向上す
る。
【0033】又、スライダー34及び第1ボデー30が
孔21に対して回転可能となるので、スライダー34の
カム係合面37の一部分が異常摩耗するのを防ぐことが
でき、スライダー34の耐久性が更に向上する。
【0034】又、スライダー34の円形状のカム係合面
37の外径を第1ボデー30の外径よりも僅かに小さい
開口部の外径Dと等しくしたので、図2に示されるよう
に、カムとの係合面積Sが充分に確保され、その結果、
従来技術と比較してカム12のリフト量を確保すること
ができる。従って、弁停止機構20全体の外径を大きく
する必要はなくなり、小型化を図ることができる。
【0035】更に、第1ボデー30の環状突出部30b
と第2ボデー32の上面との間にスライダー34をカム
12に向けて付勢するスプリング38を設けたので、前
記スプリング38をスライダー34の突条部35の下面
と第2ボデー32の開口溝33の底面との間に設けた場
合と比較して、弁停止機構20の軸長を短くできる。
【0036】次に、図4〜図6を参照して第2実施例に
係るエンジンの動弁装置の構成について説明する。
【0037】第2実施例に係るエンジンの動弁装置は、
第1実施例と基本的には類似した構成であるが、以下第
1実施例と異なる点のみを説明する。尚、図4〜図6に
おいて、第1実施例と同一機能を有する部材については
同一の符号を記した。
【0038】図4,図5において、孔21内に摺動自在
に配設された第1ボデー(第1可動部材)30は、孔2
1の径と同一の外径を有するカム係合面30cと、第2
ボデー(第2可動部材)32に形成されたスライダー溝
(特に図6参照)33内に移動自在に案内されるスライ
ダー部30dとを有している。尚、スライダー部30d
の幅はスライダー溝の幅と略同一になっている。つま
り、図4,図5に示す第1ボデー30は、第1実施例の
第1ボデー30とスライダー37とを一体化したもので
ある。
【0039】第2ボデー32の上部には環状の切欠部3
2aが形成されており、切欠部32aの下方にはスプリ
ング38用受座32bが第2ボデー32と一体的に形成
されている。スプリング38用受座32bと第1ボデー
31との間には吸排気弁13を開放させる方向に第2ボ
デー(第2可動部材)31を付勢するスプリング(第1
付勢手段)38が配設され、その長さは第1実施例のス
プリング38よりも長くなっている。このスプリング3
8の配設領域内にピン(相対移動規制手段)42,4
3,44の殆どの部分が配設されている。尚、スプリン
グ38用受座32b内には油圧通路58が形成され、圧
力室46に常時連通し、通路47に連通可能になってい
る。
【0040】尚、第2実施例に係るエンジンの動弁装置
の作動は第1実施例と略同一であるので、その説明につ
いては省略する。
【0041】以上示したように、第2実施例において
は、第1ボデー30が円形状のカム係合面30cを有し
ているので、第1ボデー30が回転してもカム12は常
時第1ボデー30のカム係合面30cのみと係合するこ
とになり、第1ボデー30の回転防止手段を設ける必要
がなくなり、その分偏摩耗が低減する。
【0042】又、第1ボデー30のカム係合面30cの
外径を第1ボデー30が配設される孔21の径と等しく
したので、カム12との係合面積が充分に確保され、そ
の結果、従来技術と比較してカム12のリフト量が確保
される。
【0043】又、第1,第2ボデー30,32間に配設
したスプリング38の配設領域内にピン42,43,4
4を配設したので、第1実施例のようにスプリング38
に配設領域外にピン42,43,44を配設する場合と
比較して、弁停止機構20の軸長を大きくすることなく
スプリング38の長さを充分に確保できる。その結果、
第1,第2ボデー30,32間の相対移動量を充分に確
保でき、第1実施例よりも大きいカムプロフィールをも
つカムを使用しても確実に吸排気弁13を休止状態に維
持できる。
【0044】更に、スライダー部30dが孔21内にガ
イドされた第1ボデー30と一体的に構成されているの
で、スライダー部30dのガタを第1ボデー30の外周
面により吸収することが可能になる。従って、スライダ
ー孔33をスライダー部30dの寸法に合わせて矩形状
にする必要がなくなり、その結果、スライダー孔33の
加工作業が簡略化する。
【0045】次に、図7及び図8を参照して第3実施例
に係るエンジンの動弁装置10について説明する。尚、
図7及び図8において、第1実施例と同一機能を有する
部材については同一の符号を記した。
【0046】図7において、孔21内には筒状の第1ボ
デー30が摺動自在に配設され、第1ボデー30は第2
実施例と同様に孔21の径と同一の外径をもつ円形状の
カム係合面30cを有している。第1ボデー30内の内
部空間31内には第2ボデー32が第1ボデー30と一
体的に移動自在に配設されている。第1ボデー30と第
2ボデー32との間にはアルミニウム等の軽金属製の軽
量化部材61が配設され、第2ボデー32と一体的に移
動可能になっている。この軽量化部材61はスプリング
(第3付勢手段)60により吸排気弁13を閉塞させる
方向に付勢され、スプリング60の付勢力はスプリング
38の付勢力よりも大きくなっている。
【0047】ここで、前述した第1,第2ボデー30,
32及び軽量化部材61により請求項3に示す可動部材
が構成される。尚、第2ボデー32内には油圧通路58
が形成され、軽量化部材61内には油圧通路58に連通
するように油圧通路59が形成されている。尚、第1,
第2ボデー30,32及び軽量化部材61を必ずしも別
体に必要はなく一体化しても良い。又、必ずしも軽量化
部材61を設ける必要はない。
【0048】第2ボデー32には図示下方に向かって開
口するように延在するスライダー案内溝33が形成さ
れ、スライダー案内溝33内にはスライダー34が移動
自在に案内されている。スライダー34はスプリング
(第1付勢手段)38により吸排気弁を開放させる方向
に付勢されている。スライダー34には第1実施例と同
様にピン42,43が進入するためのスライダー孔41
が形成され、スライダー34の上部にはつば部37aが
形成されている。このつば部37が第2ボデー30と係
合することによりスライダー34がスライダー案内溝3
3から下方に落ちるのを防止している。
【0049】一方、下端が吸排気弁(図示せず)と連結
するバルブステム15の上端部16はスライダー34に
常時係合している。バルブステム15の上端部16はス
ライダー34の幅と略同一になっており、スライダー案
内溝33内に入脱自在になっている。バルブステム15
は弁スプリング(第2付勢手段)57により吸排気弁を
閉塞させる方向に付勢され、弁スプリング57の付勢力
はスプリング38の付勢力よりも大きくなっている。
【0050】上記の如く構成された第3実施例に係るエ
ンジンの動弁装置10の作動について説明する。
【0051】エンジンが始動されるとカムシャフト11
が回転し始め、その結果、カム12が回転駆動される。
まず、吸排気弁を常時作動させたい場合、第1実施例と
同様に、油圧が通路14,凹溝48,通路47,通路5
9及び通路58を介して圧力室45に供給される。その
結果、ピン42,43,44がスプリング52の付勢力
に抗して図示右方即ち圧力室45の容積を増大させる方
向に移動し、ピン42がボデー孔40,スライダー孔4
1の両方にまたがると共にピン43がボデー孔40,ス
ライダー孔41の両方にまたがる。これにより、スライ
ダー34のスライダー案内溝33内での移動が阻止さ
れ、第2ボデー32とスライダー34との間の相対移動
が阻止される。従って、カム12がベース円で第1ボデ
ー30のカム係合面30cに接している状態から回転が
進んでカム面で第1ボデー30のカム係合面30cに接
し始めると、第1,第2ボデー30,32及び軽量化部
材61がスライダー34と共に弁スプリング57及びス
プリング60の付勢力に抗して図示下方に沈み始める。
つまり、第1ボデー30がカム12のカム面と係合して
いる間は、その力は第1ボデー30→第2ボデー32→
ピン42,43→スライダー34→バルブステム15→
吸排気弁と伝達され、カム面のカムプロフィールに応じ
て吸排気弁が弁スプリング57の付勢力に抗して図示下
方へと移動し、吸排気弁がシート面(図示せず)から離
間して吸気又は排気が行われる。このとき、第1ボデー
30が孔21に対して回転規制されていないので、第1
ボデー30が回転することもある。
【0052】一方、吸排気弁の作動を常時休止させたい
場合、第1実施例と同様に、圧力室45内の油圧がオイ
ルパン(図示せず)に排出される。その結果、図8に示
すようにピン42,43,44はスプリング52の付勢
力により図示左方即ち圧力室45の容積を減少させる方
向に移動し、ピン43がスライダー孔41に略完全に重
合する。これにより、スライダー34がスライダー案内
溝33内を摺動可能になる。従って、カム12がベース
円で第1ボデー30のカム係合面30cに接している状
態から回転が進んでカム面で第1ボデー30のカム係合
面30cに接し始めても、カムの力はスライダー34及
びバルブステム15には伝達されないので、弁スプリン
グ57の付勢力によりバルブステム15がスライダー3
4と係合しながらスプリング38の付勢力に抗してスラ
イダー案内溝33内に進入していく。このように、カム
12による力が吸排気弁13に伝達されないので、吸排
気弁13は閉状態即ちシート面に着座した状態に維持さ
れ、吸気又は排気は行われない。このときも、第1ボデ
ー30が孔21に対して回転規制されていないので、第
1ボデー30が回転することもある。
【0053】以上示したように、第3実施例において
も、第1ボデー30が円形状のカム係合面30cを有し
ているので、第1ボデー30が回転してもカム12は常
時第1ボデー30のカム係合面30cのみと係合するこ
とになり、第1ボデー30の回転防止手段を設ける必要
がなくなり、その分偏摩耗が低減する。
【0054】又、第1ボデー30のカム係合面30cの
外径を第1ボデー30が配設される孔21の径と等しく
したので、カム12との係合面積が充分に確保され、そ
の結果、従来技術と比較してカム12のリフト量が確保
される。
【0055】更に、第2実施例のような第1ボデー30
に突出部30dを設ける必要が全くなく、又、第2ボデ
ー32のスライダー案内溝33についても矩形加工形状
とする必要がないので、非常に生産性に優れたものとな
る。
【0056】最後に、図9〜図12を参照して第4実施
例に係るエンジンの動弁装置10について説明する。
尚、図9〜図12において、第3実施例と同一機能を有
する部材については同一の符号を記した。
【0057】図9において、カム12にはベース円で最
も浅くベース円からカム面に向かうに連れて最も深い形
状を呈した同一幅の環状切欠溝12aが形成され、この
環状切欠溝12aには後述するリテーナ62が常時挿入
状態となっている。
【0058】孔21内には筒状の第1ボデー30が摺動
自在に配設され、この第1ボデー30はカム12のベー
ス円と弁停止機構20との間のクリアランスを調整する
円形状のアウタシム63を有している。このアウタシム
63の上面はカム係合面となり、シム63の外径は孔2
1の径よりも僅かに小さくなっている。第1ボデー30
の上部にはリテーナ62が固定され、このリテーナ62
は、上面をもつ有底円筒部62aと、フランジ部62b
を有している。有底円筒部62aは、第1ボデー30及
びアウタシム63を貫通してアウタシム63から突出
し、その突出部はカム12の環状切欠溝12aに常時挿
入されるようになっている。尚、有底円筒部62aの外
径はカム12の環状切欠溝12aの幅よりも僅かに小さ
くなっている。フランジ部62bは、第1ボデー30と
後述するインナボデー32,320との間に配設されて
いる。
【0059】図9,図12に示すように、第1ボデー3
0内の内部空間31内には2つのインナボデー(第2ボ
デー)32,320が第1ボデー30と一体的に移動自
在に配設され、この両者32,320間には断面矩形状
のスライダー案内孔33が形成されている。インナボデ
ー32,320はスプリング(第3付勢手段)60によ
り吸排気弁13を閉塞させる方向に付勢されている。こ
こで、第1ボデー30及びインナボデー32,320に
より請求項3に示す可動部材が構成される。
【0060】スライダー案内孔330内にはスライダー
34が移動自在に案内され、その断面がスライダー案内
孔330の断面形状と同一形状を呈している。スライダ
ー34の下面はバルブステム15に常時当接しており、
スライダー34の上面と前述したリテーナ62の底面と
の間にはスプリング(第1付勢手段)38が配設されて
いる。従って、スライダー34はスプリング38により
吸排気弁を開放させる方向(図示下方向)に付勢されて
いる。尚、スプリング38の付勢力はスプリング60の
付勢力よりも小さくなっている。インナボデー320に
は吸排気弁の軸方向に対して垂直な方向に延在するよう
にボデー孔321が形成され、ボデー孔321は大径部
322と小径部323とを有している。スライダー34
にも吸排気弁の軸方向に対して垂直な方向に延在するス
ライダー孔41が形成され、このスライダー孔41はボ
デー孔321と重合可能で且つボデー孔321の小径部
323と略同一幅となっている。
【0061】ボデー孔40内には2分割されたピン4
3,44が摺動自在に配設され、ピン(第1ピン)43
は図9に示す如くボデー孔40,スライダー孔41にま
たがって摺動可能になっている。ピン43はインナボデ
ー32との間で圧力室45を形成しており、圧力室45
にはオイルパン50内の油圧が通路47,環状溝48,
通路14及び制御弁(図示せず)を介して供給されるよ
うになっている。ここで、ピン43の図示左右方向長さ
は、スライダー孔41の図示左右方向幅、スライダー3
4の図示左右方向幅及びスライダー案内孔330の幅と
略同一になっている。従って、ピン43は、図11に示
す如くスライダー34と共にスライダー案内孔330内
で案内即ちガイドされながら吸排気弁の軸方向に移動可
能となっている。
【0062】ピン(第2ピン)44は第1ボデー30と
の間でスプリング室46を形成しており、スプリング室
46に配設されたスプリング52により圧力室45の容
積を減少させる方向に付勢されている。このピン44は
フランジ部44aを有しており、ボデー孔の41の段部
320aに着脱可能になっている。つまり、この段部3
20aはピン44の図示左方向への移動を規制するため
のストッパとなり、図11に示す如く、ピン44が段部
320aに当接しているときには、スライダー34とピ
ン43が完全に重合すると共にピン44の左面がスライ
ダー案内孔330の右面と一致する位置となる。
【0063】バルブステム15は、その上端面がスライ
ダー案内孔330内に入脱自在になっており、弁スプリ
ング(第2付勢手段)57により吸排気弁を閉塞させる
方向に付勢され、弁スプリング57の付勢力はスプリン
グ38の付勢力よりも大きくなっている。
【0064】上記の如く構成された第4実施例に係るエ
ンジンの動弁装置10の作動について説明する。
【0065】エンジンが始動されるとカムシャフト11
が回転し始め、その結果、カム12が回転駆動される。
まず、吸排気弁を常時作動させたい場合、油圧が通路1
4,凹溝48,通路47及び通路58を介して圧力室4
5に供給される。その結果、図9に示す如くピン43,
44がスプリング52の付勢力に抗して図示右方即ち圧
力室45の容積を増大させる方向に移動し、ピン43が
ボデー孔40,スライダー孔41の両方にまたがる。こ
れにより、スライダー34のスライダー案内孔330内
での移動が阻止され、第1ボデー30,インナボデー3
2,320とスライダー34との間の相対移動が阻止さ
れる。従って、カム12がベース円でアウタシム63に
接している状態から回転が進んでカム面でアウタシム6
3に接し始めると、第1ボデー30及びインナボデー3
2,320がスライダー34と共に弁スプリング57及
びスプリング60の付勢力に抗して図示下方に沈み始め
る。つまり、アウタシム63がカム12のカム面と係合
している間は、その力は第1ボデー30→インナボデー
32,320→ピン43→スライダー34→バルブステ
ム15→吸排気弁と伝達され、カム面のカムプロフィー
ルに応じて吸排気弁が弁スプリング57の付勢力に抗し
て図示下方へと移動し、吸排気弁がシート面(図示せ
ず)から離間して吸気又は排気が行われる。このとき、
第1ボデー30が孔21に対して回転規制されていない
ので、第1ボデー30が回転することもある。ここで、
図10に示すように、第1ボデー30が回転した場合で
あっても、リテーナ62が円筒形状であるために、カム
12はアウタシム63と常時係合することとなり、その
ときのカム面の係合領域の面積が常に一定となる。
【0066】一方、吸排気弁の作動を常時休止させたい
場合、第1実施例と同様に、圧力室45内の油圧がオイ
ルパン(図示せず)に排出される。その結果、図11に
示すようにピン43,44はスプリング52の付勢力に
より図示左方即ち圧力室45の容積を減少させる方向に
移動し、最終的にはピン44の左面がスライダー案内孔
330の右面と一致した位置にてピン44のフランジ部
44aがインナボデー320に形成された段部320a
に当接すると共にピン43の左面が圧力室45の右面に
当接する。すると、ピン43がスライダー孔41に略完
全に重合することから、スライダー34と第1ボデー3
0、インナボデー32,320との間の相対移動の規制
が解除される。従って、カム12がベース円でアウタシ
ム63に接している状態から回転が進んでカム面でアウ
タシム63に接し始めても、カム12の力は第1ボデー
30及びインナボデー32,320に伝達されるものの
スライダー34及びバルブステム15には伝達されず、
スプリング57の付勢力によりスライダー34がその内
部にピン43を収納した状態でバルブステム15に押さ
れながらスライダー案内孔330内をスプリング38の
付勢力に抗して図示上方に移動する。このように、カム
12による力が吸排気弁に伝達されないので、吸排気弁
は閉状態即ちシート面に着座した状態に維持され、吸気
又は排気は行われない。このときも、第1ボデー30が
孔21に対して回転規制されていないので、第1ボデー
30が回転することもある。
【0067】以上示したように、第4実施例において
も、カム係合面となる第1ボデー30のアウタシム63
上面が円形状であるので、第1ボデー30が回転しても
カム12は常時アウタシム63のみと係合することにな
り、第1ボデー30が回転しても上述した作動を確実に
行うことができる。つまり、回転防止機構が不要になる
ことから、その分偏摩耗が低減する。
【0068】又、アウタシム63の外径を第1ボデー3
0が配設される孔21の径よりも僅かに小さくしたの
で、カム12との係合面積が充分に確保され、その結
果、従来技術と比較してカム12のリフト量が確保され
る。
【0069】第3実施例では、ピン43がスライダー3
4と共に吸排気弁軸方向へ移動する際には、ピン43は
ピン42の右端面及びピン44の左端面により常時ガイ
ドされる必要性があるため、吸排気弁のリフト量(即ち
吸排気弁の全開時の位置と閉時の位置との差)をピン4
2,43,44の径以上にすることはできない。つま
り、高リフト量を無効化して吸排気弁を停止させるため
には、ピン径を大きくする必要がある。その場合、弁停
止機構20の軸長が大きくなると共に(ピン径)/(各
ピンの長さ)が大きくなることから各ピンが傾き易くな
って所定の位置まで移動できなくなる恐れがある。
【0070】これに対して、第4実施例では、ピン43
がスライダー34と共に吸排気弁軸方向へ移動する際に
は、インナボデー32,320間に形成されるスライダ
ー案内孔330によりピン43をガイドするようにした
ので、吸排気弁のリフト量をピン44の径以上にしても
ピン43がスライダー案内孔330により確実にガイド
されることになる。つまり、ピン径を大きくすることな
く吸排気弁の高リフト量の無効化を実現できる。従っ
て、弁停止機構20の軸長が小さくなると共に(ピン
径)/(各ピンの長さ)が小さくなることから各ピンが
傾き難くなってピンを確実に所定の位置まで移動させる
ことができる。尚、ピン43がスライダー34と共に吸
排気弁軸方向へ移動する際には、ピン44を段部320
aによりスライダー案内孔330から突出しない位置で
停止させるようにしたので、ピン43、スライダー34
及びバルブステム15がピン44と干渉することはな
く、円滑な移動が可能となる。
【0071】更に、カム12に環状切欠溝12aを形成
し、第1ボデー30の上部に設けたリテーナ62の突出
部を環状切欠溝12aを常時挿入させ、そのリテーナ6
2とスライダー34との間にスライダー付勢用のスプリ
ング38を配したので、カムがリテーナ62に干渉する
ことなく、弁停止機構20の軸長を小さくできる。
【0072】尚、第1〜4実施例では、バルブステム1
5とステムの軸心と直交する軸心をもつ各ピンを接触さ
せない構成としているので、バルブステム15及び各ピ
ンの偏摩耗を防止でき、バルブステム15及び各ピンの
耐久性が向上する。
【0073】
【発明の効果】請求項1の発明は、以下の如く効果を有
する。
【0074】第1可動部材が円形状のカム係合面を有し
ているので、第1可動部材の回転防止手段を設ける必要
がなくなり、その分偏摩耗が低減する。
【0075】又、上記円形状のカム係合面の外径を第1
可動部材を収容する孔の径と略等しくしたので、カムと
の係合面積を充分に確保でき、その結果、従来技術と比
較してカムのリフト量を確保できる。従って、弁停止機
構全体の外径を大きくする必要はなくなり、小型化を図
ることができる。
【0076】請求項2の発明は、請求項1の発明に加え
て以下の如く効果を有する。
【0077】第1,第2可動部材間に配設した付勢手段
の配設領域内に相対移動規制手段を配設したので、弁停
止機構の軸長を大きくすることなく付勢手段の長さを充
分に確保できる。その結果、第1,第2可動部材間の相
対移動量を充分に確保でき、高リフトカムを使用しても
確実に吸排気弁を閉塞した状態に維持できる。
【0078】請求項3の発明は、以下の如く効果を有す
る。
【0079】可動部材が円形状のカム係合面を有してい
るので、請求項1の発明の効果と同様に、可動部材の回
転防止手段を設ける必要がなくなり、その分偏摩耗が低
減する。
【0080】又、上記円形状のカム係合面の外径を可動
部材を収容する孔の径と略等しくしたので、カムとの係
合面積を充分に確保でき、その結果、従来技術と比較し
てカムのリフト量を確保できる。従って、弁停止機構全
体の外径を大きくする必要はなくなり、小型化を図るこ
とができる。
【0081】請求項4の発明は、請求項3の発明の効果
に加えて以下の如く効果を有する。
【0082】第1ピンの一端に油圧が作用しないときに
は、第1ピンがスライダー孔と重合してスライダーと共
に吸排気弁軸方向(即ち第1付勢手段の付勢方向に抗す
る方向)へ移動するが、そのとき、スライダー案内孔に
より第1ピンがガイドされるため、吸排気弁のリフト量
を第2ピンの径以上にしても第1ピンがスライダー案内
孔により確実にガイドされることになる。つまり、ピン
径を大きくすることなく吸排気弁の高リフト量の無効化
を実現できる。従って、弁停止機構の軸長が小さくなる
と共に(ピン径)/(各ピンの長さ)が小さくなること
から各ピンが傾き難くなって第1ピンを確実に所定の位
置まで移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排気
弁の作動時)の断面図である。
【図2】図1における第1ボデー及びスライダーの平面
図である。
【図3】第1実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排気
弁の休止時)の断面図である。
【図4】第2実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排気
弁の作動時)の断面図である。
【図5】第2実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排気
弁の休止時)の断面図である。
【図6】図4のA−A断面図である。
【図7】第3実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排気
弁の作動時)の断面図である。
【図8】第3実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排気
弁の休止時)の断面図である。
【図9】第4実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排気
弁の作動時)の断面図である。
【図10】図9の弁停止機構の平面図である。
【図11】第4実施例に係るエンジンの動弁装置(吸排
気弁の休止時)の断面図である。
【図12】図11におけるB−B断面図である。
【図13】従来技術に係るエンジンの動弁装置の要部斜
視図である。
【図14】別の従来技術に係るボデー及びスライダーの
平面図である。
【符号の説明】
10 エンジンの動弁装置 11 カムシャフト 12 カム 13 吸排気弁 15 バルブステム(ステム) 20 弁停止機構 21 孔 30 第1ボデー(第1可動部材) 30c 第1ボデーのカム係合面(第1可動部材のカム
係合面) 32 第2ボデー(第2可動部材) 33 スライダー孔 34 スライダー(第1可動部材) 37 スライダーのカム係合面(第1可動部材のカム係
合面) 38 スプリング(第1付勢手段) 42 ピン 43 ピン(第1ピン) 44 ピン(第2ピン) 57 バルブスプリング(第2付勢手段) 60 スプリング(第3付勢手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白 井 永 治 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムシャフトの周りに支持されたカム
    と、 前記カムによって弁停止機構を介して開閉駆動される吸
    排気弁とを有するエンジンの動弁装置であって、 前記弁停止機構が、 前記エンジンのシリンダヘッドに形成された孔の径に略
    等しい外径をもつ円形状のカム係合面を有し、前記孔内
    に前記吸排気弁の軸方向に摺動自在に配設された第1可
    動部材と、 前記第1可動部材内に前記第1可動部材に対して前記吸
    排気弁の軸方向に相対移動可能に配設され、前記吸排気
    弁に常時係合する第2可動部材と、 前記吸排気弁を開放させる方向に前記第2可動部材を付
    勢する第1付勢手段と、 前記吸排気弁を閉塞させる方向に付勢し、その付勢力が
    第1付勢手段の付勢力よりも大きくされてなる第2付勢
    手段と、 前記第2可動部材内に配設され、前記第1,第2可動部
    材との間の相対移動を規制可能とする相対移動規制手段
    とから構成されていることを特徴とするエンジンの動弁
    装置。
  2. 【請求項2】 前記付勢手段は前記第1可動部材と第2
    可動部材との間に配設され、前記相対移動規制手段が前
    記付勢手段の配設領域内に配設されていることを特徴と
    する請求項1記載のエンジンの動弁装置。
  3. 【請求項3】 カムシャフトの周りに支持されたカム
    と、 エンジン燃焼室内に開口する吸気孔又は排気孔を開閉す
    る吸排気弁と、 前記吸排気弁に連結されたステムと、 前記カムとステムとの間に配された弁停止機構とを有す
    るエンジンの動弁装置であって、 前記弁停止機構が、 前記エンジンのシリンダヘッドに形成された孔の径に略
    等しい外径をもつ円形状のカム係合面を有し、前記孔内
    に前記吸排気弁の軸方向に摺動自在に配設された可動部
    材と、 前記可動部材内に前記吸排気弁の軸方向に摺動自在に且
    つ前記可動部材に対して相対移動可能に配設され、前記
    ステムの先端部に当接するスライダーと、 前記吸排気弁を開放させる方向に前記スライダーを付勢
    する第1付勢手段と、 前記吸排気弁を閉塞させる方向に前記ステムを付勢し、
    その付勢力が第1付勢手段の付勢力よりも大きくされて
    なる第2付勢手段と、 前記吸排気弁を閉塞させる方向に前記可動部材を付勢す
    る第3付勢手段と、 前記スライダーと前記可動部材との間の相対移動を規制
    可能とする相対移動規制手段とから構成されていること
    を特徴とするエンジンの動弁装置。
  4. 【請求項4】 前記スライダーは可動部材内に形成され
    たスライダー案内孔により案内され、前記可動部材は前
    記吸排気弁の軸方向と直交する軸心を有するボデー孔を
    有し、前記スライダーは前記吸排気弁の軸方向と直交す
    る軸心を有し且つ前記ボデー孔に重合可能なスライダー
    孔を有し、 前記相対移動規制手段は、一端に作用する油圧により前
    記ボデー孔内を摺動し、油圧が作用されていないときに
    前記スライダー孔に重合する第1ピンと、 前記第1ピンと共に前記ボデー孔内を摺動する第2ピン
    と、 前記第2ピンを前記油圧に対抗する方向に付勢するスプ
    リングと、 前記第2ピンのスプリング付勢方向への移動を規制して
    前記第2ピンを前記スライダー案内孔から突出しない状
    態に維持するストッパとから構成されていることを特徴
    とする請求項3記載のエンジンの動弁装置。
JP6150144A 1993-09-22 1994-06-30 エンジンの動弁装置 Pending JPH07253007A (ja)

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