JPH07252939A - アンボンドpc鋼より線の定着方法 - Google Patents

アンボンドpc鋼より線の定着方法

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JPH07252939A
JPH07252939A JP28320094A JP28320094A JPH07252939A JP H07252939 A JPH07252939 A JP H07252939A JP 28320094 A JP28320094 A JP 28320094A JP 28320094 A JP28320094 A JP 28320094A JP H07252939 A JPH07252939 A JP H07252939A
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Taiji Mikami
泰治 三上
Toshiki Honma
捷幾 本間
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建築構造物等のスラブにプレストレスを作業
性良く導入でき、作業時間の短縮が図れるアンボンドP
C鋼より線の定着方法を提供する。 【構成】 スラブをコンクリートの先行打設区Aと後続
打設区Bに区分して打継部7の部分に支圧板8を配置
し、アンボンドPC鋼より線1を支圧板8に引き通して
配線する。この後、先行打設区Aのコンクリート打設、
養生、硬化、アンボンドPC鋼より線1の緊張作業を行
って先行打設区にプレストレスを加える。また、この
後、後続打設区Bの配線、コンクリート打設、養生、硬
化を行い、先行打設区に設けておいたポケット3の部分
でアンボンドPC鋼より線1’を緊張して支圧板8に定
着させる。従って、後続打設区に緊張作業用のポケット
を設けずに済み、作業性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築構造物等のスラ
ブにプレストレスを導入するアンボンドPC鋼より線の
定着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スラブの撓み、ひび割れ制御のためにア
ンボンドPC鋼より線を用いてポストテンション方式で
コンクリート部材にプレストレスを与える場合には、打
設コンクリートの養生、硬化後に専用ジャッキを用いた
アンボンドPC鋼より線の緊張作業を必要とする。
【0003】ところが、スラブ端近辺に緊張ジャッキの
設置を妨げる障害物がある場合には、スラブ端部での緊
張作業が許容されない。
【0004】そこで、従来は、このようなケースでは、
図4乃至図6に示す如き方法で緊張を行なってスラブに
プレストレスを与えている。
【0005】即ち、図4は、スラブ2の両端で緊張が出
来ず、しかも、コンクリートの打設が一度に行なわれる
場合に採用されている方法であって、スラブの一端から
中央部までにプレストレスを与えるアンボンドPC鋼よ
り線1と他端から中央部までにプレストレスを与えるア
ンボンドPC鋼より線1’を中央付近で互いにラップす
るように配置し、さらに、スラブ内には、コンクリート
打設時に型抜きされた緊張作業用のポケット3を支圧板
4に接して設け、スラブ端側を固定定着具5で定着させ
た後これ等のアンボンドPC鋼より線1、1’を図示し
ないジャッキを用いてポケット3の部分で逆向きに緊張
し、コンクリートにプレストレスを導入する。図の6は
支圧板4で支えた緊張定着具、矢線はジャッキによるア
ンボンドPC鋼より線1、1’の緊張方向である。
【0006】一方、図5の方法は、A工区とB工区のコ
ンクリート打設を別々に実施してアンボンドPC鋼より
線1、1’を共にスラブ中央部で緊張する場合の方法
で、先ずアンボンドPC鋼より線1’を打継部7で緊張
定着して先に打設されたB工区にプレストレスを導入
し、その後、A工区にコンクリートを打設し、B工区に
予め設けておいたポケット3の部分でもう一方のアンボ
ンドPC鋼より線1を緊張定着してA工区にプレストレ
スを導入する。
【0007】また、図6の方法は、スラブの一端側での
緊張は可能であるが、スラブが圧縮方向に長過ぎるなど
の理由により、アンボンドPC鋼より線1、1’を分割
配線する必要があるときに用いられるもので、A工区に
はB工区に設けるポケット3を利用して、また、B工区
にはスラブ端で緊張作業を行なって各々プレストレスを
導入する。これは、コンクリートの打設を一度に行なう
場合、図のようにA工区、B工区に分けて行なう場合と
も同じである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した3つの方法
は、いずれも、アンボンドPC鋼より線をスラブ中央付
近でラップさせる必要があるので材料の浪費が生じる。
【0009】また、コンクリート打設を2工区に分けて
行なう場合には、先行打設区に後続打設区側のアンボン
ドPC鋼より線の一部を予め配線しておく必要があり、
しかもその後続打設区側のアンボンドPC鋼より線は、
作業の支障を無くすために通常は先行区の完成後に行な
われる後続打設区の鉄筋配筋が完了するまで束ねておく
必要がある。
【0010】さらに、各アンボンドPC鋼より線毎に定
着具を使用しているため、これによる費用負担と作業工
数の増加があり、なおかつ、アンボンドPC鋼より線の
ラップ部においてスラブには逆向きのプレストレスに起
因した剪断力が作用する。
【0011】なお、特開昭58−191868号公報に
は、2つのコンクリートピースの突き合わせ部に切欠部
を設けてその中にカップラーを配置し、このカップラー
で左右のPC鋼材を連結することによりカップラー設置
部で緊張作業を行うことが示されているが、この構造で
はカップラーが宙に浮いて左右の鋼材が一連につながっ
た状態になるので、補強対象物が長いと全域に平均した
圧縮力を加えるのが難しくなる。また、対象物に開口等
を後に追設する場合には、片方の鋼材の緊張状態を維持
して他方の鋼材の緊張を解くことが要求されることがあ
るが、その要求にも応えられない。
【0012】また、特開昭63−78969号公報に
は、圧縮方向に分割配線したPC鋼線をスラブ途中の設
定位置で緊張定着する場合に、設定位置に両側のPC鋼
線を通す支圧板を設けてその支圧板に両側のPC鋼線を
逆向きに定着させる方法が開示されているが、この方法
は、コンクリートをスラブ全体で一度に打設するため、
コンクリートの硬化後に、支圧板の両側に配置されてい
るPC鋼線を緊張させるためには、支圧板の両側に、緊
張作業を行うポケットを設ける必要がある。ところが、
支圧板の両側にポケットを設けることは、ポケットとな
る型枠等の設置に手間がかかり、作業時間が長くなると
いう問題がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の諸問
題を解決するために、アンボンドPC鋼より線によって
プレストレスを導入するスラブを、プレストレスを導入
する方向に先行打設区と後続打設区に区分し、先行打設
区と後続打設区の打継部に支圧板を配置し、先行打設区
に、アンボンドPC鋼より線をその一端が上記支圧板に
引き通された状態で配線した後、先行打設区にコンクリ
ートを打設し、このコンクリートの打設の際に、後続打
設区に配線されるアンボンドPC鋼より線の緊張作業を
行なうポケットを上記支圧板に接して先行打設区に設
け、先行打設区に打設したコンクリートの養生、硬化後
に、先行打設区に配線したアンボンドPC鋼より線を緊
張定着し、この後、後続打設区に、アンボンドPC鋼よ
り線を、上記支圧板に回転モーメントを作用させない配
置で、かつその一端が上記支圧板に引き通されて先行打
設区に設けたポケット内に位置する状態に配線し、この
後、後続打設区にコンクリートを打設し、コンクリート
の養生、硬化後に、後続打設区に配線したアンボンドP
C鋼より線を緊張定着するようにしたのである。
【0014】
【作用】上記の方法によると、圧縮方向に分割配線した
アンボンドPC鋼より線の途中部分におけるラップ量
は、支圧板の厚さ分があればよい。
【0015】また、両アンボンドPC鋼より線を同一支
圧板に定着させるので、支圧板の使用個数、設置の手間
が少なくて済み、かつ、コンクリートの打設を2工区に
分けて実施する場合に、後続打設区のアンボンドPC鋼
より線を先行打設区のコンクリート中に埋没させずに済
む。
【0016】さらに、アンボンドPC鋼より線は、同一
支圧板の中でラップさせるので、逆向きのプレストレス
による剪断力は強度の高い支圧板に作用し、スラブには
剪断力が全く加わらない。
【0017】このほか、打継点を境にした左右の工区に
別々にストレスを加えるので、長尺スラブでも全域に平
均した圧縮力を加えることができ、また、片方の工区の
緊張状態を保って他方の工区の緊張を解くことも可能で
ある。
【0018】また、先行打設区と後続打設区に区分して
コンクリート打設を行うので、後続打設区にコンクリー
トを打設する際には、先行打設区のアンボンドPC鋼よ
り線の緊張定着作業が終了しており、後続打設区に、緊
張定着作業に必要なポケットを設ける必要がない。この
ため、緊張定着作業に必要なポケットは、支圧板の先行
打設区側の片面だけに設置すればよいので、支圧板が両
側にポケットを設置する従来の方法よりも、作業時間を
格段に短縮することができる。
【0019】
【実施例】図1乃至図3に基づいて、この発明の実施例
を説明する。なお、各図とも8はスラブの圧縮方向途中
のQ点部に設ける支圧板を、また、4を除く1〜7は、
図4〜図6で述べたものと同一要素を各々示している。
【0020】さて、これ等の実施例のうち、図1の定着
構造は、コンクリートの打継部7に支圧板8を配置し、
各2本のアンボンドPC鋼より線1、1’のうち、図に
おいては先ずアンボンドPC鋼より線1を、A工区(先
行打設区)へ先行打設したコンクリートの養生、硬化
後、支圧板のB工区(後続打設区)側に緊張定着具(グ
リップ)6と緊張ジャッキをセットして緊張定着し、そ
の後、B工区側へのアンボンドPC鋼より線1’の配線
(この線の緊張端側はこのときに支圧板8の孔に通
す)、コンクリートの打設、コンクリート硬化後のアン
ボンドPC鋼より線1’の緊張、緊張定着具6によるそ
の線1’の定着工程を経て同一支圧板8で両工区のアン
ボンドPC鋼より線1、1’を逆向きに支えるようにし
てある。この場合のアンボンドPC鋼より線1’の緊張
作業は、A工区のコンクリート打設時に予め支圧板8に
接して設けておいた型抜きポケット3を利用して行なわ
れる。
【0021】次に、図2の構造は、スラブ2の片端での
緊張が可能で、コンクリートの打設は2度に分けて行な
われる場合に採用するものであって、アンボンドPC鋼
より線1に取付ける固定定着具5と緊張定着具6の位置
関係を図1とは逆にしてアンボンドPC鋼より線1の緊
張によるA工区のプレストレス導入作業をスラブ端で実
施し、その後、図1のB工区側と同じ作業工程を経て各
アンボンドPC鋼より線1、1’を支圧板8に定着させ
るようにしてある。
【0022】なお、上記の実施例は、いずれも、2本の
アンボンドPC鋼より線1’間に他工区のアンボンドP
C鋼より線1を配置して支圧板8に各線の引張力による
回転力が働かないようにしてあるが、この点に関しての
効果は、図3のようにアンボンドPC鋼より線1、1’
を交互に配置しても同じになる。
【0023】このほか、支圧板8を設置するQ点は、ア
ンボンドPC鋼より線1、1’の疲労伸び量を等しくす
るためにスラブの圧縮方向中間点とするのがよい。
【0024】また、例示の構造は、アンボンドPC鋼よ
り線1、1’を等本数で配分してあるが、例えば1組当
りにアンボンドPC鋼より線1’は2本、他工区のアン
ボンドPC鋼より線1は上記より線1’の2倍の強度を
有するものを1本とした配分も可能である。このような
配分は、将来のスラブへの開口設置を目的として配線ピ
ッチを広くしておくときに採用するとよい。
【0025】以上のように、この発明では、圧縮方向に
分割配線したアンボンドPC鋼より線をスラブ途中の打
継部で緊張定着する場合に、打継部に両側の線を通す支
圧板を設けてその支圧板に両側のアンボンドPC鋼より
線を逆向きに定着させるので、打継部におけるアンボン
ドPC鋼より線のラップ量が極く僅かとなり、かつ、支
圧板の使用数も減少し、従って、材料の浪費が無く経済
的に有利となる。
【0026】また、コンクリートの分割打設時に、後続
打設区の配線を予め実施しておく必要がなく、支圧板の
設置に要する手間も減り、また、後続打設区に、先行打
設区のアンボンドPC鋼より線の緊張作業を行うポケッ
トを設ける必要がないので、作業性が向上し、作業時間
も短縮される。
【0027】さらに、支圧板の両面に逆向きの圧力が均
等に作用するので、一端から他端まで連結する線を配線
したときと同様にスラブに連続したプレストレスを導入
することができ、かつ、Q点部においてスラブに剪断力
が作用することもなく、アンボンドPC鋼より線を用い
たプレストレス工法の本来の特徴を充分に発揮させるこ
とができる。
【0028】このほか、支圧板を打継部を境にした両側
のスラブに当てているので長尺スラブにもばらつきの少
ない圧縮力を加えることができ、後に、片方の鋼線の緊
張力のみを解いて追加工事を行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法による定着構造の一例を示す線
【図2】この発明の方法による定着構造の一例を示す線
【図3】この発明の方法による定着構造の一例を示す線
【図4】従来の方法による定着構造の一例を示す線図
【図5】従来の方法による定着構造の一例を示す線図
【図6】従来の方法による定着構造の一例を示す線図
【符号の説明】
1、1’ アンボンドPC鋼より線 2 スラブ 3 ポケット 4 支圧板 5 固定定着具 6 緊張定着具 7 打継部 8 支圧板 A 先行打設区 B 後続打設区

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンボンドPC鋼より線によってプレス
    トレスを導入するスラブを、プレストレスを導入する方
    向に先行打設区と後続打設区に区分し、先行打設区と後
    続打設区の打継部に支圧板を配置し、先行打設区に、ア
    ンボンドPC鋼より線をその一端が上記支圧板に引き通
    された状態で配線した後、先行打設区にコンクリートを
    打設し、このコンクリートの打設の際に、後続打設区に
    配線されるアンボンドPC鋼より線の緊張作業を行なう
    ポケットを上記支圧板に接して先行打設区に設け、先行
    打設区に打設したコンクリートの養生、硬化後に、先行
    打設区に配線したアンボンドPC鋼より線を緊張定着
    し、この後、後続打設区に、アンボンドPC鋼より線
    を、上記支圧板に回転モーメントを作用させない配置
    で、かつその一端が上記支圧板に引き通されて先行打設
    区に設けたポケット内に位置する状態に配線し、この
    後、後続打設区にコンクリートを打設し、コンクリート
    の養生、硬化後に、後続打設区に配線したアンボンドP
    C鋼より線を緊張定着することを特徴とするアンボンド
    PC鋼より線の定着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111517170A (zh) * 2020-04-07 2020-08-11 福建福清核电有限公司 一种倒u型预应力编束的布线装置

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