JPH07252690A - 着色用ステンレス鋼及びステンレス鋼の着色方法 - Google Patents

着色用ステンレス鋼及びステンレス鋼の着色方法

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JPH07252690A
JPH07252690A JP4113194A JP4113194A JPH07252690A JP H07252690 A JPH07252690 A JP H07252690A JP 4113194 A JP4113194 A JP 4113194A JP 4113194 A JP4113194 A JP 4113194A JP H07252690 A JPH07252690 A JP H07252690A
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Katsumi Seto
克己 瀬戸
Kiyoshi Takatsu
清 高津
Kazuhiko Takahashi
和彦 高橋
Hiromitsu Fukumoto
博光 福本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼表面に均質な色調を持つ着色皮
膜を形成する。 【構成】 クロム酸塩及び硫酸を主成分とする溶液にス
テンレス鋼を浸漬し、ステンレス鋼の不動態領域にある
電位及び過不動態領域にあるを交互にパルスとしてステ
ンレス鋼に印加する。次いで、インコ法で着色し、ハー
ドニングする。着色後のステンレス鋼表面には、表面の
C濃度が10原子%以上で皮膜中のFe/Cr比が1.
5以下の皮膜が形成されている。 【効果】 表面仕上げ,製造履歴,結晶状態,粒界析出
物等の影響が打ち消され、着色工程で色調均質性に優れ
た着色皮膜がステンレス鋼表面に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面仕上げの如何に拘
らず着色ムラを抑制し、着色色調が均一なステンレス鋼
及び着色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の表面に皮膜を形成させる
とき、反射光に干渉が生じるため、皮膜の厚みに応じて
異なった色調を持つ干渉色をステンレス鋼に付与するこ
とができる。代表的な方法としては、クロム酸/硫酸水
溶液中にステンレス鋼を浸漬し、電解するインコ法が特
公昭52−32621号公報で紹介されている。しか
し、クロム酸/硫酸水溶液中での電解によって発色させ
るとき、素材に起因する着色ムラが生じ易い。これは、
表面仕上げの相違を始めとしてステンレス鋼の組織,粒
界析出物,製造履歴等の影響を受け、ステンレス鋼表面
に形成される皮膜が不均質になることに原因がある。不
均一な着色を防止するため、リン酸,硫酸,クロム酸、
或いはこれらの混酸溶液中でステンレス鋼を陽極として
アノード処理を行い、ステンレス鋼の表面を溶解する前
処理法が提案されている(特公昭58−3040号公
報,特開昭51−131431号公報,特開昭58−2
21283号公報,特開昭58−199896号公報等
参照)。リン酸及びクロム酸を主成分とする溶液中でス
テンレス鋼を電解研磨し、ステンレス鋼の表層部にある
加工変質層を除去することも知られている(特開平4−
218695号公報)。更には、硝酸及びリン酸の混酸
溶液中でのカソード処理によりステンレス鋼表面を清浄
し、次いでアノード処理によって不動態皮膜をステンレ
ス鋼表面に形成する前処理も行われている(特開昭62
−60894号公報)。何れの前処理によっても、ステ
ンレス鋼表面が部分的に溶解又は除去される。そして、
不均一部分が除去され、新規な表面を出すことによって
ステンレス鋼表面が均質化される。均質化された表面が
インコ法等の電解反応に曝されるため、比較的均質な色
調をもつ着色皮膜が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ステンレス鋼の表面仕
上げには、用途や装飾的目的等から酸洗仕上げ,研磨仕
上げ,光輝焼鈍仕上げ,凹凸模様を付けるエンボス仕上
げ等の各種方法が採用されている。なかでも、建築用の
外装材として多用されている鏡面仕上げ材,光輝焼鈍仕
上げ材等では、表面光沢の如何によって商品価値が大き
く影響される。しかし、前掲した何れの前処理法も、素
材表面を溶解又は除去しているので、表面粗さ,光沢等
が変化し、本来の仕上げ状態が損なわれる。この傾向
は、特に鏡面仕上げ材や光輝焼鈍仕上げ材に顕著に現れ
る。そのため、表面光沢が重要視されるステンレス鋼に
は、表面を損なう従来の前処理を適用できない。表面状
態の変化を可能な限り抑えようとすると、素材の仕上げ
ごとに最適な溶液,電解処理法等を選択する必要があ
る。その結果、仕上げに応じて異なった前処理条件が採
用され、作業が繁雑になることが避けられない。仮に最
適な溶液,電解処理条件等が選択されても、ステンレス
鋼表面にある結晶状態や粒界が反映され、着色皮膜に色
ムラ等の欠陥が生じ易い。本発明は、このような問題を
解消すべく案出されたものであり、ステンレス鋼表面に
形成される皮膜を構造的に制御することにより、表面仕
上げを損なうことなく、色ムラを抑制し、均質な着色皮
膜をステンレス鋼表面に形成することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の着色ステンレス
鋼は、表面のC濃度が10原子%以上で、皮膜中のFe
/Cr比が1.5以下の表面皮膜が形成されていること
を特徴とする。この着色ステンレス鋼は、クロム酸塩及
び硫酸を主成分とする溶液にステンレス鋼を浸漬し、ス
テンレス鋼の不動態領域にある電位及び過不動態領域に
ある電位を交互にパルスとして前記ステンレス鋼に印加
する着色前処理を施した後、クロム酸塩及び硫酸を主成
分とする溶液に浸漬して着色し、必要に応じハードニン
グすることにより製造される。電解溶液には、酸化力及
び溶解力が共に強いクロム酸及び硫酸の混酸溶液が使用
される。クロム酸は、具体的には無水クロム酸,重クロ
ム酸塩等から用意される。クロム酸50〜300g/l
及び硫酸200〜1000g/lを水に溶解し、電解水
溶液を調製する。クロム酸濃度は、所定硫酸濃度におけ
るクロム酸の飽和濃度に近いことが好ましい。たとえ
ば、硫酸濃度500g/lではクロム酸濃度250g/
lとなり、硫酸濃度700g/lではクロム酸濃度70
g/lとなる。
【0005】クロム酸濃度が50g/l以上になると、
粒界部等における選択的な局部溶解等の反応が抑制さ
れ、ステンレス鋼表面に対する均一な反応が進行し易く
なる。その結果、処理表面全体に対する均一処理性が向
上する。硫酸濃度が200g/l未満であると、酸化反
応が強くなり、不均一な皮膜が生成し易い。逆に100
0g/lを超える硫酸濃度では、クロム酸の溶解度が5
0g/l以下となり、処理性が悪化し、局部的な溶解反
応が顕著に現れる。浴温20〜80℃,好ましくは30
〜50℃に保持した水溶液にステンレス鋼を浸漬し、交
互に二つの電位をステンレス鋼に連続的に印加する。浴
温が80℃を超えると、化学的反応が強くなり酸化反応
が進んで酸化皮膜が生成し、不均一な皮膜が生成し易
い。しかし、20℃を下回る浴温では、前処理にかかる
時間が長くなり、生産性を低下させる。高い方の電位E
H としては、クロム酸/硫酸溶液中での過不動態領域
(具体的には、1.15〜1.7V VS SCE)にある
電位が使用される。低い方の電位EL としては、クロム
酸/硫酸溶液中での不動態領域(具体的には、0.2〜
1.1V VS SCE)にある電位が使用される。
【0006】他の電解条件は、電位EH 及び電位EL
の電解共に、パルス幅0.001〜5秒,電解処理合計
時間10秒〜10分の範囲で選定することが好ましい。
過不動態領域にある電位EH での電解が5秒を超えて長
くなると、溶解反応が過度に進行し、ステンレス鋼の表
面状態が損なわれる。不動態領域にある電位EL での電
解が5秒を超えて長くなると、表面の改質反応が遅くな
り、表面改質に長時間がかかる。好ましくは電位EH
び電位EL のパルス幅を共に0.1秒以下にすることに
より、ステンレス鋼表面の溶解が抑えられ、且つ均質な
皮膜が生成し易くなる。電解処理合計時間が10秒未満
であると、ステンレス鋼表面が十分に均質化されず、着
色工程でムラを発生させる原因になる。逆に、10分を
超える電解処理合計時間では、前処理による皮膜が脆く
なり、着色工程で生成した着色皮膜が剥離し易くなる。
【0007】
【作用】クロム酸/硫酸溶液に浸漬したステンレス鋼
は、印加する電位を変化させると表面反応が図1に示す
ように活性溶解→不動態化→過不動態化と変化する。本
発明者等は、印加電圧に応じた表面反応の変化に着目
し、ステンレス鋼に印加する電位を調整することにより
表面反応を制御するとき、後続する着色工程で均質な着
色皮膜が形成される表面状態に改質されることを見い出
した。そして、前処理及び着色によってステンレス鋼表
面に形成された皮膜が特有の構造を持っているとき、均
質な着色皮膜が形成されることを解明した。本発明に従
って形成された着色皮膜は、表面のC濃度が10原子%
以上で、皮膜中のFe/Cr比が1.5以下である。こ
れに対し、インコ法で形成された着色皮膜は、表面のC
濃度が10原子%未満と低く、明らかに本発明による着
色皮膜と異なっている。また、交番法で形成された着色
皮膜は、皮膜中のFe/Cr比が1.5を超えており、
本発明による着色皮膜と明確に相違する。
【0008】
【実施例】
実施例1:供試材として、ヘアライン研磨仕上げしたス
テンレス鋼SUS304を使用した。供試材をメタクレ
ンに浸漬し、蒸気脱脂した後、クロム酸濃度250g/
l,硫酸濃度500g/l,浴温45℃の前処理溶液に
浸漬した。参照電極として白金を、対極として白金めっ
きしたチタンのメッシュを使用し、定電位パルス電解し
た。高い方の電位EH を150mV(vs Pt) ,低い方
の電位EL を−400mV(vs Pt) に設定し、図2に
示す波形のパルス電位を印加した。なお、電位EH 及び
L での通電時間、すなわちパルス幅tH 及びtLは、
それぞれ0.1秒及び0.05秒とした。この条件下で
2分間電解前処理し、着色用ステンレス鋼を得た。得ら
れた着色用ステンレス鋼を、クロム酸100g/l及び
硫酸600g/lの組成を持つ浴温96℃の浸漬し、着
色処理した。更に、クロム酸250g/l及びリン酸
2.5g/lの組成を持ち浴温40℃の溶液に浸漬し、
電流密度0.5A/dm2 で5分間陰極電解することに
よりハードニング処理した。着色されたステンレス鋼の
表面を観察すると、表面のC濃度が12原子%で、皮膜
中のFe/Cr比が0.48の表面皮膜が形成されてい
た。この着色ステンレス鋼は、黒色の均質な色調を持
ち、色ムラが検出されなかった。他方、同じステンレス
鋼を電解前処理なしで着色したところ、良好に着色され
た部分と色ムラが発生した部分の色差ΔEは9.6であ
り、色ムラが大きな着色皮膜が形成されていた。
【0009】実施例2:供試材として、酸洗仕上げした
ステンレス鋼SUS304を使用した。供試材をメタク
レンに浸漬し、蒸気脱脂した後、クロム酸濃度70g/
l,硫酸濃度700g/l,浴温45℃の前処理溶液に
浸漬した。実施例1と同じ参照電極及び対極を使用し、
H =250mV(vs Pt) ,EL =−300mV(vs
Pt) ,tH =0.05秒,tL =0.05秒で90秒
間電解前処理した。次いで、クロム酸250g/l及び
硫酸500g/lの組成を持ち浴温104℃の溶液で着
色処理した。着色されたステンレス鋼表面には、表面の
C濃度が11原子%で、Fe/Cr比が1.05の非常
に鮮やかなブルーの着色皮膜が形成されており、色ムラ
は観察されなかった。他方、前処理することなく同じス
テンレス鋼を同一条件下で着色したものでは、彩度が低
く黒色に近い色調を持つ皮膜が形成されており、マダラ
模様等の色ムラが発生していた。同じ供試材を使用し、
電位EH (=50mV VS Pt),EL (=−400m
VS Pt)それぞれのパルス幅tH ,tL を変えて電
解前処理した後、同じ条件下で着色処理した。前処理を
施さないステンレス鋼には縞状ムラが発生しがちであっ
たが、電解前処理したものでは、表1に示すように縞状
ムラの発生が抑えられた。なお、縞状ムラは、太陽光の
下で目視により判定し、縞状ムラの全くみられないもの
を○,一部に縞状ムラが観察されたものを△,縞状ムラ
の発生に変化がみられないものを×として評価した。表
1には、パルス幅tH を大きく、パルス幅tL を小さく
するとき、縞状ムラが抑制される傾向が示されている。
【0010】
【表1】
【0011】実施例3:供試材として、光輝焼鈍仕上げ
したステンレス鋼SUS304を使用した。供試材の半
分をマスクした状態で従来法による着色を行ったとこ
ろ、白雲状のシミムラが発生した。シミムラの発生が確
認された供試材について、マスクして着色しなかった表
面部分を、クロム酸濃度200g/l,硫酸濃度550
g/l及び浴温45℃の前処理溶液に浸漬した。実施例
1と同じ参照電極及び対極を使用し、EH =50mV(
vs Pt) ,EL =−400mV(vs Pt) ,tH
0.05秒,tL =0.1秒で100秒間電解前処理し
た。次いで、クロム酸230g/l及び硫酸490g/
lの組成を持ち浴温110℃の溶液で着色処理した。処
理後のステンレス鋼表面には、白雲状のシミムラが消失
し、均質な色調の着色皮膜が形成されていた。この着色
皮膜について、JIS Z8722に基づき試料面での
正反射光も含めた光を受光する方式で300mm×30
0mmの供試材5点で測色し、色差ΔEを求めた。測定
結果を示す表2から明らかなように、前処理を施さない
表面部分では、正常部と白雲状ムラ部との色差はΔE=
3.53であった。これに対し、前処理を施した表面部
分の色差は、平均でΔE=0.53となっており、ムラ
がないと判定されるΔE=1.0以内に収まっていた。
このことから、前処理によって、色ムラがなく均質な色
調を持つ着色皮膜が形成されることが確認された。
【0012】
【表2】
【0013】同じ光輝焼鈍仕上げしたステンレス鋼SU
S304を供試材とし、白雲状着色ムラに与えるパルス
幅tH ,tL の影響を調査した。なお、高い電位をEH
=150mV VS Ptに、低い電位をEL =−400m
VS Ptに設定した。また、白雲状着色ムラは、太陽
光の下で目視により判定し、白雲状着色ムラが全くみら
れないものを4,ほぼ良好な着色皮膜が形成されたもの
を3,一部に白雲状着色ムラが観察されたものを2,白
雲状着色ムラの改善がみられなかったものを1として4
段階評価した。調査結果を示す表3から、白雲状着色ム
ラは、パルス幅tH 及びtL を相互に調整することによ
り抑制できることが判る。
【0014】
【表3】
【0015】実施例4:供試材として。光輝焼鈍仕上げ
したステンレス鋼SUS304を使用した。供試材の半
分を#400エメリー紙で研磨し、光輝焼鈍仕上げ面及
び研磨仕上げ面の双方を持つサンプルを作製した。供試
材をメタクレンで脱脂した後、前処理を施すことなくそ
のままで、クロム酸300g/l及び硫酸400g/l
の組成を持ち浴温82℃の溶液で着色した。この場合、
光輝焼鈍仕上げ面に黄金色の色調を持つ着色皮膜、研磨
仕上げ面に赤味の強い着色皮膜が形成された。同じ供試
材をメタクレンで脱脂した後、クロム酸濃度300g/
l,硫酸濃度400g/l及び浴温45℃の前処理溶液
に浸漬した。実施例1と同じ参照電極及び対極を使用
し、EH =150mV(vs Pt) ,EL =−400mV
(vs Pt) ,tH =0.1秒,tL =0.05秒で90
秒間電解前処理した。次いで、同様の着色処理を施し
た。
【0016】処理後の供試材表面には、光輝焼鈍仕上げ
面及び研磨仕上げ面共に黄金色の色調を持つ着色皮膜が
形成されていた。このことから、前処理したステンレス
鋼では、異なった表面仕上げを施した場合でも、同じ色
調の着色皮膜が形成されることが確認される。前処理を
施さない供試材及び前処理した供試材それぞれについ
て、実施例3と同様に色差ΔEを求めた。前処理してい
ない供試材では、光輝焼鈍仕上げ面及び研磨仕上げ面に
形成された着色皮膜の色差はΔE=2.1であった。他
方、前処理した供試材では、光輝焼鈍仕上げ面及び研磨
仕上げ面に形成された着色皮膜の色差はΔE=0.15
と小さく、ムラがないと判定されるΔE=1.0以内に
収まっていた。このことは、表面仕上げの種類に応じた
着色皮膜の色調変化が抑制されることを意味し、着色処
理の生産性を向上させる上で有利に働く。たとえば、建
材等として着色ステンレス鋼を使用するとき、溶接部や
加工部等の表面状態を素材の仕上げに揃えるため手仕上
げによる最終仕上げを行っている。この建材を着色処理
すると、手仕上げされた表面と素材の仕上げ表面との間
で色調が微妙に相違し、色ムラが生じていた。この点、
本発明に従った前処理を施したものでは、手仕上げされ
た表面も素材の仕上げ表面と同じ色調に発色し、色差及
び色ムラのない着色ステンレス鋼製建材が得られる。
【0017】実施例5:光輝焼鈍及び酸洗によって仕上
げた2種類のステンレス鋼SUS304を供試材とし、
手作業によるヘアライン加工で表面の一部に目を付け、
着色皮膜の色調改善に及ぼす電解前処理の影響を調査し
た。電解前処理は、クロム酸濃度250g/l,硫酸濃
度500g/l及び浴温40℃の水溶液に各供試材を浸
漬し、EH =150mV(vs Pt) ,EL =−400m
V(vs Pt) ,tH =0.1秒及びtL =0.1秒の電
解前処理を2分間施した。前処理された各供試材を、ク
ロム酸250g/l及び硫酸250g/lの組成を持ち
浴温90℃の溶液で着色処理した。供試材表面に形成さ
れた着色皮膜の色調を、仕上げ状態が相違する各表面部
分について調査した。調査結果を示す表4から明らかな
ように、本発明に従った前処理したものでは、色差ΔE
が小さく、実質的に色ムラのない着色皮膜が形成されて
いた。他方、前処理を施さない供試材では、光輝焼鈍仕
上げ材でΔE=17.3,2B仕上げ材で3.0と大き
く、建築用資材として使用するには問題があった。
【0018】
【表4】
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、不動態電位及び過不動態電位の組合せによるパルス
電解をステンレス鋼に施すことにより、素材に起因する
着色ムラを抑制し、均質な色調を持つ着色皮膜が表面に
形成されるステンレス鋼が得られる。このパルス電解
は、ステンレス鋼表面をほとんど損なうことがないの
で、種々の表面仕上げが施されたステンレス鋼に適用さ
れる。また、前処理条件も表面仕上げの如何に応じて変
えることなく同じ条件下で行うことができるため、着色
処理の生産性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クロム酸/硫酸用液中でのステンレス鋼の分
極曲線
【図2】 前処理工程でステンレス鋼に印加するパルス
電位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 博光 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社鉄鋼研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面のC濃度が10原子%以上で、皮膜
    中のFe/Cr比が1.5以下の表面皮膜が形成されて
    いる着色ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 クロム酸塩及び硫酸を主成分とする溶液
    にステンレス鋼を浸漬し、ステンレス鋼の不動態領域に
    ある電位及び過不動態領域にある電位を交互にパルスと
    して前記ステンレス鋼に印加する着色前処理を施した
    後、クロム酸塩及び硫酸を主成分とする溶液に浸漬して
    着色するステンレス鋼の着色方法。
JP4113194A 1994-03-11 1994-03-11 着色用ステンレス鋼及びステンレス鋼の着色方法 Withdrawn JPH07252690A (ja)

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