JPH0725254Y2 - 電磁駆動型直動式ニードル弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微少一定量の塗料，インキ等を電気信号により
高速で応答し吐出し、鋼材，鋼板，紙等にマーキングす
るマーキング装置、又は、接着剤を吐出して、紙，プラ
スチック等を接着する接着装置に使用される液体吐出ノ
ズル、特にその電磁駆動型直動式ニードル弁に関する。

〔従来の技術〕

一般にマーキング装置又は接着装置においては、パルス
的に微少一定量の液体を吐出させる必要があり、吐出の
ワンショットの量にバラツキが生じると、マーキング装
置においては文字太さのバラツキ、接着装置においては
接着剤のはみ出し等の不具合を生じるようになる。ま
た、これらの装置のニードルストロークにバラツキが生
じると、低粘度の液体においては敏感に吐出量に影響を
及ぼすようになる。

一方、ニードル弁を構成する部品、特にニードルストロ
ークに影響するパイプユニット等はその製作に溶接工程
を必要とし、従って加工精度にバラツキが生じる欠点が
ある。

また、この種ノズルでは液体の粘度に依存しニードル弁
の開度を変更する必要があり、さもないと一定吐出量を
保持することが困難となる。例えば粘度の高い接着剤の
場合、加工力を上げただけでは必要一定吐出量を保持す
ることは困難であり、従って、ニードル開度を大きくす
る必要がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上のことから、ニードルストロークの加工精度による
バラツキ又は液体の粘度による影響に対しては液体加圧
力及びニードル開時間の調整により補正する必要がある
が、加工バラツキによりニードルストロークが長くなっ
た場合は初期吸引力が低下し高速応答が困難となる場合
があった。

このニードルストロークの長さはガイドパイプに固定さ
れているコアとプランジャとの間のギャップに相当し、
従って、ニードルストロークの長さを調整するにはこの
ギャップを調節する必要があった。従来、このギャップ
の調整を行うためには完成した装置を分解する必要があ
り、従って調整に手間がかかり、しかも使用する液体も
粘度により制限される欠点があった。

本考案はこれらの問題点を解決してニードルストローク
の調整を容易に行うことができると共に、高速応答が可
能な電磁駆動型直動式ニードル弁を提供することを目的
とする。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は塗料，インキ，溶材，接着材等の液体を連続，
断続又はパルス的に吐出する液体吐出ノズルの電磁駆動
型の直動式ニードル弁において、ニードルの後端部に取
り付けられたプランジャと、このプランジャと所定のギ
ャップを有してプランジャの後側に配置され、磁化によ
りプランジャを吸引すると共に、この吸引プランジャが
当接することによりその移動を停止するコアと、外部か
ら操作されることによりコアをプランジャ方向に進退さ
せてコアとプランジャとの間のギャップ長を調整するね
じ部材と、前記コアを磁化するための電圧が印加される
コイルユニットとを備えていることを特徴とするもので
ある。

この構成の本考案によれば、従来ガイドパイプに固定さ
れていたコアを可動とし、ねじ部材に対する外部からの
操作でコアの位置を簡単に微調整可能とし、これにより
プランジャの可動範囲を簡単に変更してニードルストロ
ークを可変可能とするものである。しかもコアをプラン
ジャの後側に配置して、コアの吸引力の方向とプランジ
ャの移動方向とが同一の方向としているため、プランジ
ャをタイムラグなく吸引できる。従ってプランジャの初
期吸引力を確保でき、高速に応答させることができる。
さらに、コアはプランジャを停止させるストッパとして
作用するため、プランジャを停止させるための印加電圧
の制御が不要となり、常に一定の条件の電圧印加により
駆動できる。

〔実施例〕

第１図に示す本考案の電磁駆動型直動式ニードル弁を備
える液体吐出ノズルユニットでは、コア１及びプランジ
ャ５を非磁性材で構成されたガイドパイプユニット２内
に摺動自在に挿入する。ガイドパイプユニット２の外側
にはコイルユニット４を巻装し、その通電によりコア１
を磁化してプランジャ５を吸引し得るようにする。ガイ
ドパイプユニット２の上部にはナット２′を固設し、下
部にはプレート２″を固設する。ナット２′の外周には
ねじ２′ａを刻設し、これにナット３を螺合させる。従
ってガイドパイプユニット２は、下部のプレート２″及
び上部のナット２′と螺合するナット３と相俟ってコイ
ルユニット４を挟持し、これを固定する。コア１の上部
１′の外周にはねじ１′ａを刻設し、これにナット２′
を螺合する。従ってコア１の上部１′を回転させること
によりコア１はガイドパイプユニット２内をプランジャ
５方向に移動することができる。

プランジャ５は、その下部をニードル７に螺合し、コイ
ルスプリング６により下方に押し下げ、これによりニー
ドル先端部７′をノズルシート部８′に押し付けて液体
をシールし得るようにする。

又、コア１とプランジャ５の上部に生じる空間によりニ
ードルストロークに相当するギャップ９を形成する。こ
のギャップ９の調整は、コア上部１′とナット２′とに
関連させて設けたロックナット11をゆるめて、コア上部
１′を時計方向に回転し、コア１の下面がプランジャ５
の上面と密着した状態、すなわちギャップ９がゼロの状
態からコア上部１′を反時計方向に回転させることによ
りギッャプ９の幅を設定するようにして行う。この際、
コア上部１′の外周には0.5ピッチの精密ねじが刻設さ
れているため、その回転角度によりギッャプ９の幅の設
定を容易に行うことができる。なお図示しないが、この
回転角はナット３上に彫刻された目盛りにより容易に読
取ることができる。

ギッャプ９の設定後、ロックナット11を締付けてロック
することによりコア１をガイドパイプユニット２内に固
定する。

又、ガイドパイプユニット２の下部のプレート２″によ
り固定されているコイルユニット４の端部とノズルチッ
プ８との間にはニードル７を囲んでチャンバーブロック
12を設け、これにより液体チャンバー13を画成し、この
チャンバーブロック12に液体インポート14を介して所望
の液体、例えば、塗料，インキ，溶材，接着材を送給す
る。

更に液体チャンバー13とプランジャー５を収納するガイ
ドパイプユニット２の側との間には隔膜10を設け、これ
により液体がガイドパイプユニット２内に侵入しないよ
うにする。

かように構成したマーキング装置又は接着装置におい
て、コイルユニット４に通電すると、コア１が磁化され
てプランジャ５を吸引し、コイルスプリング６の押下げ
力に打勝ってニードル７を引き上げてニードル先端部
７′とノズルチップ８ののシート部８′との間に空隙が
形成され、液体のシールを解除するため、液体はノズル
先端の細孔から吐出される。

以上のようなニードル弁は、コア１がプランジャ５を吸
引する吸引力の方向と、プランジャ５が移動する方向と
が同一方向のため、プランジャ５に移動力を直ちに作用
させることができる。このためプランジャ５をロスタイ
ムなく移動させることができ、応答性の良い吐出ができ
る。

第２図はコイルユニット４に印加する電圧の波形を示
す。図示例においてはコア１の磁化によりプランジャ５
を吸引して移動させる構造であり、このためコイルユニ
ット４へ印加する電圧はプランジャ５を吸引するために
だけ行われ、プランジャ５を停止させるための電圧調整
は不要となる。

従って、吸引電圧は常に一定の条件で良く、その調整が
不要となるため、制御が容易となるばかりでなく、応答
速度も向上する。

〔考案の効果〕

上述したように構成した本考案によるノズルを使用する
場合には高速応答で、安定した量のドットの液体でマー
キング又は接着を行うことができ、しかも塗料，イン
キ，接着材等の液体の使用量を必要最小限とし、且つ任
意の粘度の液体を良好に用いることができる。また、プ
ランジャの移動量の調整をねじ部材に対する外部からの
操作で行うことができ、その調整が容易となる。さら
に、プランジャの移動とコアの吸引とが同一方向のた
め、応答性の良い作動ができると共に、コイルユニット
への電圧印加を一定の条件で行うことができ、その制御
も容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは、本考案による液体吐出ノズルの直動式ニー
ドル弁を用いたマーキング用ノズルユニット又は接着用
ノズルユニットの構成を示す側面図、 第１図Ｂは同じくそのＩ−Ｉ線上の断面図、 第２図は第１図に示すマーキング用ノズルユニット又は
接着用ノズルユニットのコイルに印加するに好適な電圧
を示す波形図である。 １……コア ２……ガイドパイプユニット ３……ナット ４……コイルユニット ５……プランジャ ６……コイルスプリング ７……ニードル ８……ノズルチップ ９……ギャップ 10……隔膜 11……ロックナット 12……チャンバーブロック 13……液体チャンバー 14……液体インポート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】塗料，インキ，溶材，接着材等の液体を連
   続，断続又はパルス的に吐出する液体吐出ノズルの電磁
   駆動型の直動式ニードル弁において、 ニードルの後端部に取り付けられたプランジャと、 このプランジャと所定のギャップを有してプランジャの
   後側に配置され、磁化によりプランジャを吸引すると共
   に、この吸引でプランジャが当接することによりその移
   動を停止するコアと、 外部から操作されることによりコアをプランジャ方向に
   進退させてコアとプランジャとの間のギャップ長を調整
   するねじ部材と、 前記コアを磁化するための電圧が印加されるコイルユニ
   ットとを備えていることを特徴とする電磁駆動型直動式
   ニードル弁。