JPH072514A - アンモニウム塩からアンモニアと酸を製造する方法 - Google Patents

アンモニウム塩からアンモニアと酸を製造する方法

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JPH072514A
JPH072514A JP16952693A JP16952693A JPH072514A JP H072514 A JPH072514 A JP H072514A JP 16952693 A JP16952693 A JP 16952693A JP 16952693 A JP16952693 A JP 16952693A JP H072514 A JPH072514 A JP H072514A
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JP
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acid
ammonia
ammonium
alkali
ammonium salt
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JP16952693A
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English (en)
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Hidenori Shibata
英則 柴田
Hirofumi Horie
浩文 堀江
Seiko Tanaka
勢子 田中
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】アンモニウム塩から蒸留分解法とバイポーラ膜
電気透析法にてアンモニアと酸を製造する方法。 【構成】アンモニウム塩水溶液に苛性アルカリを加えた
液を蒸留塔6の頭部に導入し、蒸留塔6の底部から導入
した蒸気にてストリッピングし、頭部から水蒸気ととも
にアンモニアを回収し、底部からのアルカリ塩水溶液を
バイポーラ膜を用いた電気透析槽19で処理して酸とア
ルカリを効率良く製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンモニウム塩からその
塩を構成しているアンモニアと酸を製造するものであ
り、環境上問題となっているアンモニウム塩含有排水の
処理や、過剰に副生されるアンモニウム塩を有用な原料
に転換する等の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モナズ鉱からセリウム化合物及び希土類
元素化合物を製造する工程、たとえば水酸化セリウム製
造工程から排出される硝酸アンモニウム含有水は環境上
の問題(窒素規制)から、例えば、他の排水と混合希釈
して排出したり、濃縮・固形化して固形塩を別途処理す
る等の方法が採用されている。しかし、窒素規制の強化
により前者の希釈法では対応が困難となったり、後者の
濃縮・固形化法では固形化に費用がかかりすぎる等の問
題がある。
【0003】一方、ナイロン−6の原料となるε−カプ
ロラクタムの製造工程で大量の硫酸が生成し、これをア
ンモニアと反応させて硫酸アンモニウム(以下“硫安”
と記す)が副生する。硫安は肥料として供給されるが主
製品と硫安の需要のアンバランスから硫安が慢性的な供
給過剰となっている。副生硫安を減らす方法としては同
工程中における過剰硫酸をアンモニアで中和する前に陰
イオン交換膜を用いた拡散透析法で硫酸を回収する方法
が特公昭53−14075号公報で提案されているが、
硫酸回収率が低く且つ回収硫酸中にカプロラクタムが透
過するため製品のロスになったり、あるいは回収硫酸中
のカプロラクタムを回収する抽出工程を新たに設ける必
要がある等の問題点がある。一方、アンモニウム塩を直
接電解する方法、又は後述するバイポーラ電気透析法に
て直接アンモニウム塩から酸とアンモニアを製造する方
法も考えられるが、アンモニア水は苛性ソーダや苛性カ
リ水溶液に較べて電気伝導度が極めて低いため電気エネ
ルギーを大幅に必要とし経済的ではなく、これらに替わ
る有効的な代替法が期待されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如きア
ンモニウム塩含有排水や、様々な工程で副生するアンモ
ニウム塩から蒸留分解法とバイポーラ電気透析法によっ
て、有用なアンモニアと酸を効率良く製造し、環境問題
の解決と、原料として再利用することによる経済的メリ
ットを得る方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はアンモニウム塩
の公害問題や副生アンモニウム塩の経済的問題を解決す
るために成されたものであり、アンモニウム塩水溶液と
苛性アルカリ等のアルカリを反応させ、水蒸気にてスト
リッピングしてアンモニアを回収したのち、母液のアル
カリ塩からバイポーラ電気透析槽にて酸と苛性アルカリ
を製造することによって、アンモニウム塩含有排水や過
剰の副生アンモニウム塩を経済的に処理し得るものであ
る。
【0006】先ず、バイポーラ膜を用いる電気透析槽に
ついて説明する。バイポーラ膜は陰イオン交換層と陽イ
オン交換層とから構成される二極性膜であり、陰イオン
交換層側を陽極側、陽イオン交換層側を陰極側にして電
流を流すと、陰・陽両交換層の界面で水が水素イオンと
水酸イオンに解離するものであり、既に公知の技術であ
る。バイポーラ膜は以上の機能を有する機能膜であり、
陰イオン交換膜及び又は陽イオン交換膜と適宜組み合わ
せて使用することによって、例えば硫酸ナトリウムなど
の中性塩から硫酸と水酸化ナトリウムのごとく、酸とア
ルカリを生成することができる。以下、硫酸アンモニウ
ム水溶液を例にとり、図1を用いて本発明を詳細に説明
する。
【0007】(NH42 SO4 濃度約40重量%の水
溶液はライン1を経て調合槽3に送入され、バイポーラ
電気透析槽19で生成したNaOH濃度約18重量%の
水溶液がライン2を経て調合槽3に送入された後、バル
ブトレー蒸留塔6のトツプ部にライン4を経て導入され
る。蒸留塔6のボトム部からライン5を経て蒸気を吹き
込みアンモニアをストリッピングさせ、ライン7を経て
冷却器8にて同伴水蒸気を凝縮分離後アンモニアガスと
してライン9を経て、例えばカプロラクタムの製造プロ
セス等の元のプロセスに戻して再利用する。凝縮水はバ
イポーラ電気透析槽19の酸室19−A及びアルカリ室
19−Bに濃度調整用として供給される。なお、本プロ
セスの蒸留塔6の塔頂温度は80〜90℃で操作し冷却
器8で約25〜30℃に冷却することにより冷却器8出
口のNH3 濃度は97〜98%となる。
【0008】蒸留塔6のボトムからのNa2 SO4 水溶
液はライン10を経て濾過器11にて濾過後ライン12
を経てイオン交換キレート樹脂塔13に送られる。イオ
ン交換キレート樹脂塔13によってNa2 SO4 水溶液
中の金属陽イオン、特にCa2++Mg2+は20ppb以
下に保たれる。イオン交換キレート樹脂塔13によって
精製されたNa2 SO4 水溶液はライン14を経てNa
2 SO4 受槽15に送られる。受槽15のNa2 SO4
水溶液はライン16を経てバイポーラ電気透析槽19の
塩室19−Nに供給され、水解離によって、酸生成室1
9−Aに約10重量%硫酸を、アルカリ生成室19−B
に約18重量%の水酸化ナトリウムを生成する。生成さ
れた硫酸は前記した元プロセスにて再利用される。一
方、水酸化ナトリウムはライン2を経て調合槽3に供給
され、本プロセスにてリサイクル利用される。尚、バイ
ポーラ電気透析槽19の酸室19−Aには17を経て、
アルカリ室19−Bには18を経てそれぞれ濃度調整用
に水が供給されるが、この水は冷却器8の凝縮水等が使
用される。
【0009】以上述べたように本プロセスはアンモニウ
ム塩を蒸留分解プロセスとバイポーラ電気透析プロセス
によりアンモニアと酸に100%転換できるプロセスで
あり、窒素規制が強化されてきた現在、廃水処理技術と
して、また過剰の副生アンモニウム塩を有用な原料に転
換する技術としても広く応用されていくものと期待され
る。
【0010】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
かかる実施例によって本発明が限定されるものではな
い。
【0011】[実施例1]濃度40重量%に調合した硫
安水溶液に濃度18重量%の苛性ソーダ水溶液を硫安の
1.02倍(当量比)仕込み、撹拌しながら80℃に昇
温して250φ×15段(段間隔350mm、有効高さ
5.3m)のバルブトレー形蒸留塔の頂部に440Kg
/Hの量で連続的に供給し、蒸留塔の底部からは水蒸気
を80Kg/Hの量で連続供給した。蒸留塔の頂部から
のアンモニアと水蒸気(重量比でアンモニア/水蒸気=
0.7/O.3)の混合ガスを有効伝熱面積3m2 のシ
ェルアンドチューブ型熱交換器に通し冷却水にて25〜
30℃に冷却しアンモニアガスをとりだした。アンモニ
ア濃度として97〜98重量%のガスを得た。一方、蒸
留塔の底部からは濃度約16重量%のNa2 SO4 水溶
液(pH10、残留NH3 0.001N)を得た。
【0012】このNa2 SO4 水溶液を80Kg/Hの
量で有効面積0.2m2 、セル数100の3室型バイポ
ーラ電気透析槽の塩室に供給した。バイポーラ膜は耐ア
ルカリ性の陰イオン交換層とパーフルオロ系陽イオン交
換層からなる二極性膜を用いた。また、3室を構成する
ための陽イオン交換膜はパーフルオロ系スルホン酸膜
(旭硝子社製 フレミオンEX126)、そして陰イオ
ン交換膜は炭化水素系膜(旭硝子社製 セレミオンAA
V)を用いた。電流密度2KA/m2 、温度55℃、硫
酸濃度10重量%、苛性ソーダ濃度18重量%になるよ
う酸室及びアルカリ室に水を供給して運転を行った。運
転の結果、電流効率75%、ユニットセル電圧2.9V
であった。得られた苛性ソーダ水溶液中のNa2 SO4
0.2重量%、また硫酸中のNa2 SO4 は0.3重量
%であった。
【0013】[実施例2]濃度50重量%に調合した硝
酸アンモニア(以下硝安と記す)水溶液に濃度18重量
%の苛性ソーダ水溶液を硝安の1.03倍(当量比)仕
込み、撹拌しながら80℃に昇温して50φ×12段
(段間隔300mm、有効高さ3.6m)の蒸留塔の頭
部に5Kg/Hの量で連続的に供給し、蒸留塔の底部か
ら水蒸気1Kg/Hの量で連続供給した。蒸留塔頭部か
らのアンモニアと水蒸気の混合ガスをガラス製冷却器に
通し、冷却水にて25〜30℃に冷却しアンモニアガス
をとりだした。アンモニア濃度として97重量%のガス
を得た。
【0014】一方、蒸留塔の底部からは濃度約22重量
%のNaNO3 水溶液(pH10、残留NH3 0.0
01N)を得た。この22%のNaNO3 水溶液の一部
を取り出し760gの量で有効面積1.17dm2 、セ
ル数3の3室型バイポーラ電気透析槽の塩室に供給し
た。各イオン交換膜は実施例1と同じ膜を用いた。
【0015】電流密度2KA/m2 、温度55℃、硝酸
濃度10重量%、苛性ソーダ濃度18重量%になるよう
酸室及びアルカリ室に水を供給して運転を行った。運転
の結果、電流効率76%、ユニットセル電圧2.85V
であった。得られた苛性ソーダ水溶液中のNa2 NO3
濃度は0.3重量%、また硝酸水溶液中のNa2 NO3
は0.3重量%であった。
【0016】
【発明の効果】本発明は、副生するアンモニウム塩から
有用なアンモニアと酸とを効率よく製造し、環境問題の
解決と原料として再利用し得る経済的効果を併せ持つこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例によるアンモニウム塩(硫酸アン
モニウム)からアンモニアと酸を製造する工程を示す工
程図。
【符号の説明】
3:調合槽 6:蒸留塔 8:冷却器 11:濾過器 13:キレート樹脂塔 15:Na2 SO4 受槽 19:バイポーラ電気透析槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 61/46 500 6953−4D C01B 17/90 ZAB E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝
    酸アンモニウム、フッ化アンモニウム等のアンモニウム
    塩に苛性アルカリ等のアルカリを加え、この液を蒸留塔
    の頭部に導入し底部より蒸気を送り込んでアンモニアガ
    スを頭部から水蒸気とともに取り出し冷却器にて水蒸気
    を凝縮してアンモニアガスを分離;回収し蒸留塔底部か
    ら得られるアルカリ塩をバイポーラ膜を用いた電気透析
    槽にかけてアルカリと酸を製造することを特徴とする、
    アンモニウム塩からアンモニアと酸を製造する方法。
JP16952693A 1993-06-16 1993-06-16 アンモニウム塩からアンモニアと酸を製造する方法 Pending JPH072514A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348222A (ja) * 2000-02-01 2001-12-18 Basf Ag 蒸留によるアンモニア精製方法
CN104355472A (zh) * 2014-10-28 2015-02-18 北京赛科康仑环保科技有限公司 一种含无机铵盐废水处理系统、处理工艺及其应用
CN106044795A (zh) * 2016-07-14 2016-10-26 亚氨科技股份有限公司 电子级氨水制造系统及其方法

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