JPH07251288A - コイル状鋼管の製造方法 - Google Patents

コイル状鋼管の製造方法

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JPH07251288A
JPH07251288A JP6821194A JP6821194A JPH07251288A JP H07251288 A JPH07251288 A JP H07251288A JP 6821194 A JP6821194 A JP 6821194A JP 6821194 A JP6821194 A JP 6821194A JP H07251288 A JPH07251288 A JP H07251288A
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JP
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steel pipe
electric resistance
hot
tube
coil
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JP6821194A
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English (en)
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Hideki Kashiwamura
英樹 柏村
Yoshihiro Watabe
義広 渡部
Yasuhiko Shimizu
靖彦 清水
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH07251288A publication Critical patent/JPH07251288A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、管内面の耐溝食性の優れた長尺のコ
イル状鋼管を提供する。 【構成】内面ビードを切削した電縫溶接鋼管を熱間絞り
圧延してコイル状鋼管を製造する方法において、内面溶
接衝合部を中心に管周方向に3〜5mm、肉厚方向に肉
厚×(0.2〜0.5)mmの領域を溶融凝固して熱間
絞り圧延用素管を製造し、続いて前記熱間圧延素管を所
定の温度に加熱した後、熱間絞り圧延してコイル状に巻
き取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地熱、化学プラント、
油井天然ガス及び一般配管などに使用するコイル状鋼管
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、配管用コイル状鋼管は、溶接継ぎ
手の省略、施工効率の向上、信頼性の改善等の理由か
ら、融雪配管、計装配管、冷凍器用熱伝達管及び一般プ
ラント配管等に使用されている。コイル状鋼管は、電縫
溶接鋼管を素管として熱間ストレッチレデューサーによ
り絞り圧延した後、コイル状に巻き取り製造され、その
まま亦はその後、引抜加工などの二次加工処理され、各
種配管及び熱伝達用鋼管等に使用されている。
【0003】上記配管用コイル状鋼管を媒体輸送管や配
管として使用した場合、使用環境によっては溶接部が溝
状に選択腐食され、いわゆる溝食を起こすケースがあ
る。これは既に、配管用の電縫鋼管において知られてい
ることと同じである。こうした溝食は海水や工業用水配
管ばかりでなく上水配管でも発生することがある。
【0004】溝食の発生状態は腐食環境に大きく影響さ
れる。しかし、このような環境条件を変化させることは
極めて困難な場合が多いため鋼管内表面に特殊な防食を
施すか、電縫鋼管以外の鍛接管や継目無管を使用する
か、または次のような対策をとった電縫鋼管または電縫
鋼管を母管にして製造された熱間絞り圧延鋼管が用いら
れている。 (1)鋼中の硫黄含有量を低下させ、MnS等の硫黄化
合物を少なくすることにより、溶接部と母材部との腐食
の起点を減少させる。 (2)Cu,Ti等の合金元素を添加して、硫化物の無
害化を図り、耐食性向上及び溶接部と母材部との電位差
の減少を図る。 (3)溶接部のシーム熱処理を行い、急熱・急冷によっ
て生じた硫黄濃化部の減少と溶接部と母材部の組織均一
化によって電位差を減少させ、溝食発生の減少を図る。
【0005】上記に溝食防止対策は単独或いは組み合わ
せることでも効果が発揮されることは良く知られてい
る。しかしながら上記対策をとったとしても、電縫溶接
時の急熱・急冷によって発生した硫黄濃化部或いはその
結果として生じた衝合部と母材部との電位差は完全には
解消されない。その結果、一般に溝食が全く発生しない
シームレス鋼管や鍛接鋼管に比べると長期間かつ腐食環
境が厳しい場合には電縫溶接部における溝食の発生は避
けられない。更にこれらの対策をすべて施した場合製造
コストが大幅に上昇するため経済性も失われる。
【0006】また前記(3)の熱処理については溶接部
を高周波電流により局部的に加熱するシームノルマ等の
方法が取られることが多いが、加熱時間が短いため十分
な効果が得られない。加熱炉に入れて長時間加熱するこ
とによって上記硫黄濃化部が拡散消滅し溝食の発生は抑
制できるが、熱処理及び精製コストがかかり生産性と経
済性を重視する電縫鋼管を素材としたコイル状鋼管の製
造法としては実用的ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決する為にコイル状鋼管の製造に際し、前記コイル
状鋼管の内面の溶接部の硫黄富化部に起因する溶接部と
母材部の電位差を著しく小さくし、耐溝食性状を著しく
向上させることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、電縫溶接鋼管
を用いて、熱間絞り圧延してコイル状鋼管を製造する際
に、母管として使用する前記電縫溶接鋼管の内表面の溶
接衝合部を中心に管周方向に全幅3〜5mm、且つ肉厚
方向に肉厚×(0.2〜0.5)mmの領域を溶融凝固
して熱間絞り圧延用素管を製造し、続いて所定の温度に
加熱し、続いて続いて前記熱間絞り圧延し、コイル状に
巻き取る。
【0009】
【作用】以下に本発明のコイル状鋼管の製造方法及びコ
イル状鋼管について述べる。本発明のコイル状鋼管の製
造方法は、図3に示すように電縫溶接ミル1で造管され
た電縫溶接鋼管11の内面ビードを内面切削装置4で切
削した前記電縫溶接鋼管12の内表面の溶接衝合部を中
心に管周方向に全幅3〜5mm、且つ肉厚方向に肉厚×
(0.2〜0.5)mmの領域を図1に示すように溶融
凝固したした後、前記電縫溶接鋼管12を加熱炉5で9
00℃から1200℃に加熱し、前記電縫溶接鋼管をス
トレッチレデューサー6で熱管絞り圧延する。続いて前
記圧延管13をコイル状に巻き取ることによりコイル状
鋼管14を製造する。
【0010】電縫鋼管の溶接部は、2〜4mmの極めて
狭い幅のみが非常に短い時間で1600℃位の高温に加
熱・溶融され、更に続いて水冷されるという、急熱急冷
を受ける。一方、溶接部の非金属介在物としてのMnS
の融点は約1400℃であるために、MnSは電縫溶接
の際に溶融し、再析出する。しかし、急冷であるために
再析出、凝集しきれず不完全に析出したMnSのまわり
に硫黄濃化部が残るものと考えられる。従ってこのよう
な溶接部のMnSに対し、周囲の硫黄濃化部がアノード
になりやすく、この部分が電解質溶液中で短時間で腐食
されることになる。上記急熱急冷帯はその後のSR圧延
でさらに圧縮されその幅は1〜3mmとなる。
【0011】電縫鋼管の溝食の進行のメカニズムとして
は、溶接部が腐食環境にさらされると、図4aに示すよ
うに上記急速急冷帯を中心にある程度の広がりと深さを
持った局部腐食孔が生じる。このような局部腐食孔が生
と、図4bに示すようにその後は一般的な孔食成長の過
程を経て多くは逆三角形状にどんどん大きくなる。即ち
腐食孔内のpHの低下によるMnSの化学的溶解、ある
いは水溶液の流れ方の差異等により、腐食孔は大きくな
り、さらに腐食孔内部と外部との酸素濃淡電池の形成等
により溝食へと進行していく。従って、最初の幅の狭い
領域の腐食を防止すればその後の進行を防止できる。本
発明は該領域の表面を溶融することで腐食の原因となる
硫黄濃化部ひいては電位差発生源を無くし溝食を完全に
防止することを目的としている。
【0012】図3において電縫溶接ミル1で造管される
母管の電縫溶接鋼管11は、炭素鋼、低合金鋼を用いる
ことができる。内面ビードを切削した電縫溶接鋼管12
の内表面の溶接衝合部を中心に管周方向に全幅3〜5m
m、且つ肉厚方向に肉厚×(0.2〜0.5)mmの領
域を溶融する手段は、TIGアーク、レーザー光線等の
方法を用いることができる。溶融する工程は母管となる
電報鋼管の造管直後にインラインで、或いはオフライン
で実施することができる。
【0013】内面ビードを切削した前記電縫溶接鋼管を
加熱する加熱炉5は、バレル炉,ウォーキングビーム
炉,誘導加熱炉等を用いることができる。ストレッチレ
デューサー6は、2ロールまたは3ロールのロールハウ
ジングを連続的に10〜30スタンド配列した圧延機で
あり、内面ビードを切削した前記電縫溶接鋼管12は外
径が順次絞り圧延されながら相隣するスタンド間の周速
の差によって軸方向に延伸され、所望の外径,肉厚の圧
延管13は、ピンチローラー7で誘導され、巻取機8で
巻取られて所望のコイル状鋼管14となる。
【0014】本発明の構成の限定理由は以下の通りであ
る。熱間絞り圧延してコイル状鋼管を製造する際に、前
記電縫溶接鋼管の内表面の溶接衝合部を中心に管周方向
に全幅3〜5mm、且つ肉厚方向に肉厚×(0.2〜
0.5)mmの領域を溶融凝固することを限定したの
は、以下の理由による。即ち、前記電縫溶接した内表面
の溶接衝合部を中心に管周方向に全幅2〜4mmの領域
は、先に述べたように溝食の原因となる硫黄濃化部が存
在している。
【0015】本発明の電縫溶接鋼管の内表面の溶接衝合
部を中心に管周方向に全幅3〜5mm、且つ肉厚方向に
肉厚×(0.2〜0.5)mmの領域を溶融凝固するこ
とにより該硫黄濃化部は表面近傍において再溶融され前
記急熱急冷加工凝固組織は、熱間絞り圧延前の加熱炉で
900から1200℃に加熱されることにより再結晶
し、硫黄偏析のない母材部組織と同等な金属組織となる
(図2b)。
【0016】しかしながら、溶接衝合部を中心に管周方
向に幅5mmを超える領域を溶融凝固しても電位差がさ
らに増加する領域ではないためそれ以上の効果は期待で
きないばかりか広い範囲に溶かすために生産効率を低下
せしめる。また肉厚方向に肉厚×0.2mm未満しか溶
融凝固をさせないと全面腐食、摩耗、傷により内面の流
層媒体が非溶融凝固層に触れ溝食を生じさせる可能性が
ある。肉厚方向に肉厚×0.5を越えて溶融しても害は
ないがいたずらに溶融エネルギーが必要で電縫鋼管の経
済性をそこなう。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例についてその効果を述
べる。配管用及びラインパイプ用炭素鋼を用いて、電縫
溶接鋼管の溶接衝合部を中心に管周方向に幅3〜5m
m、且つ肉厚方向に肉厚×(0.2〜0.5)mmの領
域を溶融凝固して熱間絞り圧延により製造したコイル状
鋼管の耐溝食性の評価結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】本発明の製造方法により製造されたコイル
状鋼管は、その溶接衝合部において耐溝食性に有害な母
材との間の電位差が極めて小さいため、前記コイル状鋼
管の耐溝食性は従来のコイル状鋼管に比して大幅に向上
する。
【0020】
【発明の効果】本発明のコイル状鋼管は、熱間絞り圧延
してコイル状鋼管を製造する際、内面溶接部及び熱影響
部領域を再溶融凝固した電縫溶接鋼管を用いることによ
り熱間絞り圧延後のコイル状鋼管の内面溶接衝合部近傍
の母材間電位差を無くすことができる。更に本発明のコ
イル状鋼管は、内面溶接部近傍の母材間電位差発生防止
を図ったものであり、従来のコイル状鋼管に比し、耐溝
食性を飛躍的に向上させたものであり、工業的価値は絶
大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内面ビードを切削した電縫溶接鋼管の
内面溶接部近傍を溶融する方法の一例を示す図。
【図2】本発明の内面ビードを溶融凝固した組織
(a)、およびこの組織(a)を1100℃で加熱した
ときの組織の一例を示す図。
【図3】本発明のコイル状鋼管の製造法の一例を示す図
である。
【図4】電縫鋼管から発生した溝食の初期および進行し
たときの溶接部近傍の断面組織の一例を示す。
【符号の説明】
1 電縫溶接ミル 2 誘導コイル 3 スクイズロール 4 内面切削装置 5 加熱炉 6 ストレッチレデューサー 7 ピンチロール 8 巻取機 11 電縫溶接鋼管 12 内面ビード切削後の電縫溶接鋼管 13 圧延管 14 コイル状鋼管 A 電縫溶接部 B 内面切削装置で切削した面 C TIG溶接トーチ D 溶接部を示す

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面ビードを切削した電縫溶接鋼管を熱間
    絞り圧延してコイル状鋼管を製造する方法において、前
    記電縫溶接鋼管の内表面の溶接衝合部を中心に管周方向
    に3〜5mm、肉厚方向に肉厚×(0.2〜0.5)m
    mの領域を溶融凝固して熱間絞り圧延用素管を製造し、
    続いて前記熱間圧延素管を所定の温度に加熱し、続いて
    熱間絞り圧延してコイル状に巻き取ることを特徴とする
    コイル状鋼管の製造方法。
JP6821194A 1994-03-14 1994-03-14 コイル状鋼管の製造方法 Pending JPH07251288A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150412A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Jfe Steel Kk 溶接部に母材並の二次加工性を有する溶接鋼管及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006150412A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Jfe Steel Kk 溶接部に母材並の二次加工性を有する溶接鋼管及びその製造方法
JP4586515B2 (ja) * 2004-11-30 2010-11-24 Jfeスチール株式会社 溶接部に母材並の二次加工性を有する溶接鋼管及びその製造方法

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