JPH07251188A - 軽石濾過装置 - Google Patents

軽石濾過装置

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JPH07251188A
JPH07251188A JP6045944A JP4594494A JPH07251188A JP H07251188 A JPH07251188 A JP H07251188A JP 6045944 A JP6045944 A JP 6045944A JP 4594494 A JP4594494 A JP 4594494A JP H07251188 A JPH07251188 A JP H07251188A
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Makoto Kuno
誠 久納
Kaoru Niwa
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Minister for Public Works for State of New South Wales
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理の厄介な軽石を濾過材として利用して、
湖沼の表層水に浮遊藻類が異常増殖するのを事前に抑制
することができ、また湖沼水又は河川水の濁質を除去で
き、また濾過材に発生する付着物の除去が容易であっ
て、目詰りが発生することがなくてメンテナンスが容易
であり、さらに濾過材のコストが安いことから、大量の
湖沼水又は河川水を安価に処理することができる軽石濾
過装置を提供する。 【構成】 湖沼の表層水又は河川水が流入される流入口
を有する濾過槽を具備し、この濾過槽には前記流入口の
下方において、多孔部材によって支持されて、前記表層
水中の浮遊藻類又は濁質、もしくは河川水中の有機物と
濁質とを濾過して除去する軽石層が装填されており、多
孔部材の下部に処理水受部が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、湖沼水又は河川水に
含まれる浮遊藻類、有機物又は濁質を濾過して除去する
軽石層が装填されている軽石濾過装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、(１)湖沼の表層水に異常増殖した
浮遊藻類を除去する装置としては、霞ヶ浦にみられるよ
うなあおこ回収船や、福岡市の大濠公園にみられるよう
に砂を使用して急速に水を濾過する濾過装置等があり、
また(２)大量の河川水の水質を浄化する装置としては礫
間装置があり、さらに(３)濾過材として砂、発泡プラス
チック、活性炭等を使用する濾過装置がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(１)のあおこ回収船は、湖沼の表層水に浮遊藻類が異常
増殖した後に有効であって、あおこの異常増殖を事前に
抑制することができず、また(２)の礫間装置は、処理水
量が大量ではあるが、浄化時に発生する付着物等を洗浄
することが行われないで、濾過材の目詰りが発生するこ
とから、そのメンテナンスが困難であり、さらに(３)の
濾過装置は濾過材のコストが高いことから、大規模な湖
沼の水を処理するには不適当であるというような各種の
問題がある。(４)一方九州等における公共事業において
は、土木工事の際発生する土砂の一部として軽石が発生
し、これの処理が厄介であるという問題がある。
【０００４】そこでこの発明の目的は、前記の湖沼水又
は河川水の浄化装置及び軽石処理等のもつ各種の問題を
解消し、処理の厄介な軽石を濾過材として利用して、湖
沼の表層水に浮遊藻類が異常増殖するのを事前に抑制す
ることができ、また湖沼水又は河川水の濁質を除去で
き、また濾過材に発生する付着物の除去が容易であっ
て、目詰りが発生することがなくてメンテナンスが容易
であり、さらに濾過材のコストが安いことから、大量の
湖沼水又は河川水を安価に処理することができる軽石濾
過装置を提供するにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記のよう
な目的を達成するために、請求項１の発明は、湖沼の表
層水又は河川水が流入される流入口を有する濾過槽を具
備し、この濾過槽には前記流入口の下方において、多孔
部材によって支持されて、前記表層水中の浮遊藻類又は
濁質、もしくは河川水中の有機物と濁質とを濾過して除
去する軽石層が装填されており、多孔部材の下部に処理
水受部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項２の発明は、請求項１の発明において、濾過槽の
上部に軽石に向けて気泡と水とが混合した洗浄水を噴射
して、軽石に付着した物質を除去する移動可能な洗浄水
噴射手段を設けたことを特徴とするものである。請求項
３の発明は、請求項１又は２の発明において、濾過槽は
地下に設けられていることを特徴とするものである。請
求項４の発明は、請求項３の発明において、濾過槽に多
孔部材の上部に設けた洗浄水排水管で濁水沈澱槽を連接
していることを特徴とするものである。請求項５の発明
は、請求項４の発明において、濾過槽及び濁水沈澱槽は
地下に設けられていることを特徴とするものである。
【０００６】
【作用】前記のようなものにおいてこれを稼働して湖沼
水又は河川水を濾過するに際しては、洗浄水排水管を閉
鎖して、流入口から湖沼の表層水又は河川の流水を濾過
槽に流入させて、ここに取付けられた多孔部材に支持さ
れた軽石層によって前記表層水又は河川水中の浮遊藻
類、濁質又は有機物を濾過して除去し、このようにして
処理されて処理水受部へ通過した処理水を、湖沼又は河
川に返流する。この場合濾過材の軽石は多孔貭であって
表面積が大きいので、細菌等の微生物が生息する生物膜
の面積が大きくて付着機能が高くて、浮遊藻類、濁質又
は有機物を効率よく除去することとなるが、軽石層に大
量の濁質と有機物とが付着して目詰まりを発生すること
となる。そこでこのような場合には、稼働を停止して処
理水排水管を閉鎖するとともに洗浄水排水管を開口し、
洗浄水噴射手段を移動しながら気泡が混合している洗浄
水を軽石層中に噴射して軽石層に付着している浮遊藻
類、濁質又は有機物を除去し、これにより濾過槽の上層
に浮上した物質を洗浄水排水管を介して濁水沈澱槽に回
収し、上澄水を湖沼又は河川に返流し、沈降汚泥を取り
出して肥料等に利用する。
【０００７】
【実施例】図１に示すこの発明の実施例において、１は
地盤２の中に設置された濾過槽を示し、この濾過槽１の
側壁には図２，３に示す湖沼３の表層水又は河川４の流
水が流入される流入管６を取付け、底部には濾過部７と
洗浄水供給路８とが設けられている。濾過部７には横向
きの多孔部材９を取付け、この多孔部材９によって前記
表層水中の浮遊藻類又は濁質、もしくは河川水中の有機
物と濁質とを濾過して除去する軽石層11を支持し、多孔
部材９の下部に処理水受部12が設けられ、この処理水受
部12には開閉弁13が設けられている処理水排水管14が設
けられている。濾過部７の周囲には上部が開口した洗浄
水排水部16を形成し、洗水水排水部16を開閉弁17が設け
られている洗浄水排水管18で濁水沈殿槽19に連接してい
る。15は濁水沈殿槽19の底部側壁に設けられた開閉弁付
上澄水管、20は湖沼１の表層水の取水装置を示す。この
装置の軽石は粒径がほぼ３mmで、層厚をほぼ25mm程度と
する。
【０００８】濾過部７及び洗浄水供給路８の上部に軽石
層11に向けて気泡と水とが混合した洗浄水を噴射して、
軽石層11に付着した物質を除去する洗浄水噴射手段21が
設けられており、この洗浄水噴射手段21は車輪が、濾過
槽１の底部及び側壁に設置したレール22，23に案内され
て移動する枠体24を有し、この枠体24にポンプ26、コン
プレッサ27が設置され、ポンプ26によって洗浄水供給路
８から洗浄水が吸い上げられ、この洗浄水にコンプレッ
サ27による給気が気泡となって混合されて、軽石層11中
に挿入される噴水管28によって噴射されて混合するよう
になっている。25は越流管、29は洗浄水噴射手段21の図
示しない作動部材に給電する受電部材を示す。
【０００９】前記のようなものにおいて、これを稼働し
て湖沼水又は河川水を濾過するに際しては、洗浄水排水
管18の開閉弁17を閉鎖して、流入口６から湖沼３の表層
水又は河川４の流水を濾過槽１の濾過部７に流入させ
て、オーバーフローする分は越流管25から湖沼又は河川
に返流し、残りはここに取付けられた多孔部材９に支持
された軽石層11によって前記表層水又は河川水中の浮遊
藻類、濁質又は有機物をほぼ１ｍ／１時間の濾過速度を
もって濾過して除去し、このようにして処理されて処理
水受部12へ通過した処理水を、開閉弁13を開口して処理
水排水管14を介して湖沼３又は河川４に返流する。この
場合濾過材の軽石は多孔貭であって表面積が大きいの
で、細菌等の微生物が生息する生物膜の面積が大きくて
付着機能が高くて、浮遊藻類、濁質又は有機物を効率よ
く除去することとなる。
【００１０】前記の稼働により軽石層11に大量の濁質と
有機物とが付着して目詰まりが発生しないように、例え
ば１週間に１度というように定期的に稼働を停止して、
処理水排水管14の開閉弁13を閉鎖するとともに、洗浄水
排水管18の開閉弁17を開口し、洗浄水噴射手段21を受電
部材29によって供給される電力によって、図示しない作
動部材を作動してレール22，23に沿って移動し、ポンプ
26によって洗浄水供給路８から洗浄水を吸い上げ、この
洗浄水にコンプレッサ27によって給気して気泡として混
合し、このような洗浄水を軽石層11中に挿入した噴水管
28によって噴射し、これによって噴水管28の周辺は水流
と気泡で完全に流動化して、噴水管28に対する抵抗がな
くなり、噴水管28は円滑に移動することができる。この
ようなことを所望回数繰り返すことにより軽石層11に付
着している浮遊藻類、濁質又は有機物を除去し、この際
除去された物質は濾過部７の上層に浮上し、濾過部７の
周囲に形成された洗浄水排水部16、洗浄水排水管18を経
て、濁水沈殿槽19に放流して濁質を沈降させる。このよ
うにして数時間放置しておくと、全体の95％以上が上澄
水として分離し、この上澄水はオルトリン酸リン濃度が
低いため、上澄水管15を介して湖沼３又は河川４に返流
し、沈降汚泥30を取り出した後脱水して肥料等として利
用することとなる。前記のような洗浄によっても、濾過
機能を有する軽石の表面の生物膜が残存しているため、
これによる浮遊藻類の除去作用は、洗浄直後も洗浄直前
と同じレベルを維持することができる。
【００１１】前記の実施例は、濾過槽又は濁水沈澱槽を
地盤中に設けたものとなっているが、これとは別に地盤
上に設けてもよいが、実施例のようになっている場合
は、地表を駐車場又はリクリエーション等の施設を設け
ることができて、土地の有効利用を図ることができると
いう利点がある。
【００１２】
【発明の効果】この発明は前記のようであって、請求項
１の発明は、湖沼の表層水又は河川水が流入される流入
口を有する濾過槽を具備し、この濾過槽には前記流入口
の下方において、多孔部材によって支持されて、前記表
層水中の浮遊藻類又は濁質、もしくは河川水中の有機物
と濁質とを濾過して除去する軽石層が装填されており、
多孔部材の下部に処理水受部が設けられているので、処
理の厄介な軽石を濾過材として利用して、湖沼の表層水
に浮遊藻類が異常増殖するのを事前に抑制することがで
き、また湖沼水又は河川水の濁質を除去でき、また濾過
材のコストが安いことから、大量の湖沼水又は河川水を
安価に処理することができるという効果がある。請求項
２の発明は、請求項１の発明において、濾過槽の上部に
軽石に気泡と水とが混合した洗浄水を噴射して、軽石に
付着した過剰物質を除去する洗浄水噴射手段を設け、こ
の洗浄水噴射手段は移動可能となっているので、軽石層
に大量の濁質と有機物とが付着して目詰まりが発生しな
いように、洗浄水噴射手段を移動しながら気泡が混合し
ている洗浄水を軽石層中にから噴射して、軽石層に付着
している浮遊藻類、濁質又は有機物を短時間に確実に除
去することができて、装置の永続的な稼働が確保される
という効果がある。請求項４の発明は、請求項３の発明
において、濾過槽に多孔部材の上部に設けた洗浄水排水
管で濁水沈澱槽を連接しているので、洗浄水噴射手段の
作動によって軽石層から除去された浮遊藻類、濁質又は
有機物は濾過槽の上層に浮上し、洗浄水排水管を経て濁
水沈殿槽に放流されて濁質が沈降し、上澄水として分離
した水を湖沼又は河川に返流し、沈降汚泥は肥料等とし
て利用することができるという効果がある。請求項３，
５の発明は、濾過槽及び濁水沈澱槽は地下に設けられて
いるので、地表を駐車場又はリクリエーション等の施設
を設けることができて、土地の有効利用を図ることがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例の洗浄水噴射手段を除去した
状態の縦断正面図である。
【図２】同上の洗浄水噴射手段を設置した状態の縦断正
面図である。
【図３】同上の実施例を湖沼に適用した例の概略斜面図
である。
【図４】同上の河川に適用した例の概略斜面図である。
【符号の説明】
１ 濾過槽 ２ 地盤 ３ 湖沼 ４ 河川 ６ 流入管 ７ 濾過部 ８ 洗浄水供給路 ９ 多孔部材 11 軽石層 12 処理水受部 13 開閉弁 14 処理水排水管 15 上澄水管 16 洗浄水排水部 17 開閉弁 18 洗浄水排水管 19 濁水沈殿槽 21 洗浄水噴射手段 24 枠体 26 ポンプ 27 コンプレッサ 28 噴水管
【手続補正書】
【提出日】平成７年３月２４日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、湖沼水又は河川水に
含まれる浮遊藻類、有機物又は濁質を濾過して除去する
軽石層が装填されている軽石濾過装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、（１）湖沼の表層水に異常増殖し
た浮遊藻類を除去する装置としては、霞ヶ浦にみられる
ようなあおこ回収船や、福岡市の大濠公園にみられるよ
うに細砂を使用して急速に水を物理的に濾過する濾過装
置等があり、また（２）大量の河川水の水質を浄化する
装置としては礫間装置があり、さらに（３）濾過材とし
て発泡プラスチック、活性炭等を使用する濾過装置があ
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
（１）のあおこ回収船は、湖沼の表層水に浮遊藻類が異
常増殖した後に有効であって、あおこの異常増殖を事前
に抑制することができず、また細砂使用の濾過装置は、
高い洗浄頻度と人工的メンテナンスが必要であり、
（２）の礫間装置は、処理水量が大量ではあるが、浄化
時に発生する付着物等を洗浄することが行われないで、
濾過材の目詰りを発生し、さらに（３）の濾過装置は濾
過材のコストが高いことから、大規模な湖沼の水を処理
するには不適当であるというような各種の問題がある。
（４）一方において火山地域等における公共事業におい
ては、土木工事の際発生する土砂の一部として軽石が発
生し、これの処分が厄介であるという問題がある。
【０００４】そこでこの発明の目的は、前記の湖沼水又
は河川水の浄化装置及び軽石処理等のもつ各種の問題を
解消し、処分の厄介な軽石を濾過材として利用して、湖
沼の表層水に浮遊藻類が異常増殖するのを事前に抑制す
ることができ、また湖沼水又は河川水の濁質を除去で
き、また濾過材に発生する付着物の除去が容易であっ
て、目詰りが発生することがなくてメンテナンスが容易
であり、さらに濾過材のコストが安いことから、大量の
湖沼水又は河川水を安価に処理することができる軽石濾
過装置を提供するにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記のよう
な目的を達成するために、請求項１の発明は、湖沼の表
層水又は河川水が流入される流入口を有する濾過槽を具
備し、この濾過槽には前記流入口の下方において、多孔
部材によって支持されて、前記表層水中の浮遊藻類又は
濁質、もしくは河川水中の有機物と濁質とを濾過して除
去する軽石層が装填されており、多孔部材の下部に処理
水受部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項２の発明は、請求項１の発明において、濾過槽の
上部に軽石に向けて気泡と水とが混合した洗浄水を噴射
して、軽石に付着した物質を除去する移動可能な洗浄水
噴射手段を設けたことを特徴とするものである。請求項
３の発明は、請求項１又は２の発明において、濾過槽は
地下に設けられていることを特徴とするものである。請
求項４の発明は、請求項３の発明において、濾過槽に多
孔部材の上部に設けた洗浄水排水管で濁水沈澱槽を連接
していることを特徴とするものである。請求項５の発明
は、請求項４の発明において、濾過槽及び濁水沈澱槽は
地下に設けられていることを特徴とするものである。
【０００６】
【作用】前記のようなものにおいてこれを稼働して湖沼
水又は河川水を濾過するに際しては、洗浄水排水管を閉
鎖して、流入口から湖沼の表層水又は河川の流水を濾過
槽に流入させて、ここに取付けられた多孔部材に支持さ
れた軽石層によって前記表層水又は河川水中の浮遊藻
類、濁質又は有機物を濾過して除去し、このようにして
処理されて処理水受部へ通過した処理水を、湖沼又は河
川に返流する。この場合濾過材の軽石の表面は微細なひ
だ状であって表面積が大きいので、細菌等の微生物が生
息する生物膜の面積が大きくて付着機能が高くて、浮遊
藻類、濁質又は有機物を効率よく除去することとなる
が、軽石層に大量の濁質と有機物とが付着して目詰りを
発生することとなる。そこで目詰りが発生する以前に、
稼働を停止して処理水排水管を閉鎖するとともに洗浄水
排水管を開口し、洗浄水噴射手段を移動しながら気泡が
混合している洗浄水を軽石層中に噴射して軽石層に付着
している浮遊藻類、濁質又は有機物を除去し、これによ
り濾過槽の上層に浮上した物質を洗浄水排水管を介して
濁水沈澱槽に回収し、上澄水を湖沼又は河川に返流し、
沈降汚泥を取出して有機肥料等に利用する。
【０００７】
【実施例】図面に示すこの発明の実施例において、１は
地盤２の中に設置された濾過槽を示し、この濾過槽１の
側壁には湖沼３の表層水又は河川４の流水が流入される
流入管６を取付け、底部には濾過部７と洗浄水供給路８
とが設けられている。濾過部７には横向きの多孔部材９
を取付け、この多孔部材９によって前記表層水中の浮遊
藻類又は濁質、もしくは河川水中の有機物と濁質とを濾
過して除去する軽石層11を支持し、多孔部材９の下部に
処理水受部12が設けられ、この処理水受部12には開閉弁
13が設けられている処理水排水管14が設けられている。
濾過部７の周囲には上部が開口した洗浄水排水部16を形
成し、洗浄水排水部16を開閉弁17が設けられている洗浄
水排水管18で濁水沈殿槽19に連接している。15は濁水沈
殿槽19の底部側壁に設けられた開閉弁付上澄水管、20は
湖沼３の表層水の取水装置を示す。この装置の軽石は粒
径がほぼ３mmで、層厚をほぼ25cm程度とする。
【０００８】濾過部７及び洗浄水供給路８の上部に軽石
層11に向けて気泡が混合した洗浄水を噴射して、軽石層
11に付着した物質を除去する洗浄水噴射手段21が設けら
れており、この洗浄水噴射手段21は車輪が、濾過槽１の
底部及び側壁に設置したレール22，23に案内されて移動
する枠体24を有し、この枠体24にポンプ26、コンプレッ
サ27が設置されている。図５，６には洗浄水噴射手段21
の噴射部32の詳細が示されており、この噴射部32はポン
プ26に連結される給水管33が頂部に設けられた噴水部本
体34と、コンプレッサ27に連結される給気管35が頂部に
設けられた給気部本体36とを有している。噴水部本体34
は水平方向に延びる中空のケーシング37を有し、このケ
ーシング37の下部には複数の噴水管28が並列して取付け
られており、噴水管28の出口部には洗浄水が出口部の両
端より強く噴出するように山形状の分水板38が取付けら
れている。給気部本体36は水平方向に延びる中空のケー
シング39を有し、このケーシング39の下部には複数の給
気管41が並列して取付けられ、この給気管41は噴水管28
の上部に挿入されている。なお25は越流管、29は洗浄水
噴射手段21の図示しない作動部材に給電する受電部材を
示す。
【０００９】前記のようなものにおいて、これを稼働し
て湖沼水又は河川水を濾過するに際しては、洗浄水排水
管18の開閉弁17を閉鎖して、流入管６から湖沼３の表層
水又は河川４の流水を濾過槽１の濾過部７に流入させ
て、オーバーフローする分は越流管25から湖沼又は河川
に返流し、残りはここに取付けられた多孔部材９に支持
された軽石層11によって前記表層水又は河川水中の浮遊
藻類、濁質又は有機物をほぼ１ｍ/１時間の濾過速度を
もって濾過して除去し、このようにして処理されて処理
水受部12へ通過した処理水を、開閉弁13を開口して処理
水排水管14を介して湖沼３又は河川４に返流する。この
場合濾過材の軽石はその表面がひだ状であって表面積が
大きいので、細菌等の微生物が生息する生物膜の面積が
大きくて付着機能が高くて、浮遊藻類、濁質又は有機物
を効率よく除去することとなる。
【００１０】前記の稼働により軽石層11に大量の濁質と
有機物とが付着して目詰まりが発生しないように、例え
ば１週間に１度というように定期的に稼働を停止して、
処理水排水管14の開閉弁13を閉鎖するとともに、洗浄水
排水管18の開閉弁17を開口し、洗浄水噴射手段21を受電
部材29によって供給される電力によって、図示しない作
動部材を作動してレール22，23に沿って移動し、ポンプ
26によって洗浄水供給路８から洗浄水を吸上げ、この洗
浄水を給水管33によって洗浄幅１ｍ当たり150〜200ｌ/m
inの流量で噴射部32の噴水部本体34の中空のケーシング
37に送給し、噴水管28から軽石層11に向けて噴水するこ
ととなるが、その際それと同時にコンプレッサ27によっ
て給気管35から洗浄幅１ｍ当たり300〜400ｌ/minの流量
で給気部本体36の中空のケーシング39に給気し、給気管
41から噴水管28中を流れる洗浄水にこの空気を噴射して
気泡として混合する。そしてこのような気泡混合洗浄水
を軽石層11中に挿入した噴水管28によって噴射し、これ
によって噴水管28の周辺は水流と気泡で完全に流動化し
て、粒子間が有機物で固化した軽石層を切り崩し、切り
崩された軽石又は細砂は気泡によって水中に舞い上が
る。このようなことを所望回数繰り返すことにより洗浄
作業を終了する。
【００１１】前記のようにして除去された付着物質は比
重が1.0に近く軽石の比重は1.2程度であるため、舞い上
がった軽石は先に沈み付着物質は濾過部７の上層に浮上
する。そして付着物質は濾過部７の周囲に形成された洗
浄水排水部16、洗浄水排水管18を経て、濁水沈殿槽19に
放流して濁質を沈降させ１日から数日間放置しておく
と、全体の95％以上が上澄水として分離し、この上澄水
はオルトリン酸態リン濃度が低いため、上澄水管15を介
して湖沼３又は河川４に返流し、沈降汚泥30を取出した
後脱水して有機肥料等として利用することとなる。前記
のような洗浄によっても、濾過機能を有する軽石の表面
の生物膜が残存しているため、これによる浮遊藻類の除
去作用は、洗浄直後も洗浄直前と同じレベルを維持する
ことができる。
【００１２】このような洗浄作業時には洗浄排水を少し
でも減量させたいことから、水深は浅い方が望ましいの
であるが、軽石を水中に舞い上がらせるためには、10cm
以上の水深とすることが必要であり、そのため水深を図
８に示すように15cmとした。このほか図10には水位を上
昇して濾過作用を再開させる状態が示されている。
【００１３】そして軽石の洗浄は通常前記のように１週
間に１回行うことになるが、捕捉される浮遊藻類の種類
によってはかなり固化されるため、軽石層の洗浄は全層
を一度に行わずに上半分の表層と下半分の深層との２層
に分けて行う。表層の洗浄時には図11に示すように、噴
水管28をほぼ垂直として往復移動させ、深層の洗浄時に
は噴水管28を進行させる際に、噴水管28の前面に働く軽
石層の抵抗を減少させるために、図12，13に示すように
噴水管28を往復移動方向に対してそれぞれほぼ15°傾斜
させる。
【００１４】軽石から剥離した濁質の比重は1.0に近い
が、軽石の比重は1.2程度であるため、水中に舞い上っ
た軽石は先に沈み、一時的に濁質だけが水中に残る。こ
のため濁質が水中に残っている間に排水を急ぐととも
に、軽石層の表面に数ミリメートルの厚さで堆積した濁
質の膜を図９に示すように噴水管28からの水流によって
側方の排水路16に押し流す。
【００１５】軽石層は洗浄しすぎると、洗浄直後の浮遊
藻類の除去率が著しく低下し、軽石層の洗浄程度を表す
指標として強熱減量をあげることができ、表１に軽石洗
浄の強熱減量の代表的な値を示す。
【表１】
【００１６】前記の実施例は、濾過槽又は濁水沈澱槽を
地盤中に設けたものとなっているが、これとは別に地盤
上に設けてもよいが、実施例のようになっている場合
は、地表を駐車場又はリクリェーション等の施設を設け
ることができて、土地の有効利用を図ることができると
いう利点がある。
【００１７】
【発明の効果】この発明は前記のようであって、請求項
１の発明は、湖沼の表層水又は河川水が流入される流入
口を有する濾過槽を具備し、この濾過槽には前記流入口
の下方において、多孔部材によって支持されて、前記表
層水中の浮遊藻類又は濁質、もしくは河川水中の有機物
と濁質とを濾過して除去する軽石層が装填されており、
多孔部材の下部に処理水受部が設けられているので、処
分の厄介な軽石を濾過材として利用して、湖沼の表層水
に浮遊藻類が異常増殖するのを事前に抑制することがで
き、また湖沼水又は河川水の濁質を除去でき、また濾過
材のコストが安いことから、大量の湖沼水又は河川水を
安価に処理することができるという効果がある。請求項
２の発明は、請求項１の発明において、濾過槽の上部に
軽石に気泡と水とが混合した洗浄水を噴射して、軽石に
付着した過剰物質を除去する洗浄水噴射手段を設け、こ
の洗浄水噴射手段は移動可能となっているので、軽石層
に大量の濁質と有機物とが付着して目詰まりが発生しな
いように、洗浄水噴射手段を移動しながら気泡が混合し
ている洗浄水を軽石層中に噴射して、軽石層に付着して
いる浮遊藻類、濁質又は有機物を短時間に確実に除去す
ることができて、装置の永続的な稼働が確保されるとい
う効果がある。請求項４の発明は、請求項３の発明にお
いて、濾過槽に多孔部材の上部に設けた洗浄水排水管で
濁水沈澱槽を連接しているので、洗浄水噴射手段の作動
によって軽石層から除去された浮遊藻類、濁質又は有機
物は濾過槽の上層に浮上し、洗浄水排水管を経て濁水沈
殿槽に放流されて濁質が沈降し、上澄水として分離した
水を湖沼又は河川に返流し、沈降汚泥は有機肥料等とし
て利用することができるという効果がある。請求項３，
５の発明は、濾過槽及び濁水沈澱槽は地下に設けられて
いるので、地表を駐車場又はリクリェーション等の施設
を設けることができて、土地の有効利用を図ることがで
きるという効果がある。
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例の洗浄水噴射手段を除去した
状態の縦断正面図である。
【図２】同上の洗浄水噴射手段を設置した状態の縦断正
面図である。
【図３】同上の実施例を湖沼に適用した例の概略斜面図
である。
【図４】同上の河川に適用した例の概略斜面図である。
【図５】同上の洗浄水噴射手段の噴射部の縦断正面図で
ある。
【図６】同上の線６−６に沿ってみた図面である。
【図７】同線６−６に沿ってみた断面図である。
【図８】同濾過槽における水位を約15cmとした洗浄作業
時の状態を示す縦断正面図である。
【図９】同濾過槽における濾過再開時の状態を示す縦断
正面図である。
【図１０】同濾過槽における水位上昇時の状態を示す縦
断正面図である。
【図１１】表層洗浄時における噴水管の往復移動時にお
ける状態を示す縦断正面図である。
【図１２】深層洗浄時における噴水管の往路移動時の状
態を示す縦断正面図である。
【図１３】深層洗浄時における噴水管の復路移動時の状
態を示す縦断正面図である。
【符号の説明】 １ 濾過槽 ２ 地盤 ３ 湖沼 ４ 河川 ６ 流入管 ７ 濾過部 ８ 洗浄水供給路 ９ 多孔部材 11 軽石層 12 処理水受部 13 開閉弁 14 処理水排水
管 15 上澄水管 16 洗浄水排水
部 17 開閉弁 18 洗浄水排水
管 19 濁水沈殿槽 21 洗浄水噴射
手段 24 枠体 26 ポンプ 27 コンプレッサ 28 噴水管
【手続補正３】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図５
【補正方法】追加
【補正内容】
【図５】
【手続補正４】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図６
【補正方法】追加
【補正内容】
【図６】
【手続補正５】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図７
【補正方法】追加
【補正内容】
【図７】
【手続補正６】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図８
【補正方法】追加
【補正内容】
【図８】
【手続補正７】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図９
【補正方法】追加
【補正内容】
【図９】
【手続補正８】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図１０
【補正方法】追加
【補正内容】
【図１０】
【手続補正９】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図１１
【補正方法】追加
【補正内容】
【図１１】
【手続補正１０】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図１２
【補正方法】追加
【補正内容】
【図１２】
【手続補正１１】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図１３
【補正方法】追加
【補正内容】
【図１３】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 湖沼の表層水又は河川水が流入される流
    入口を有する濾過槽を具備し、この濾過槽には前記流入
    口の下方において、多孔部材によって支持されて、前記
    表層水中の浮遊藻類又は濁質、もしくは河川水中の有機
    物と濁質とを濾過して除去する軽石層が装填されてお
    り、多孔部材の下部に処理水受部が設けられていること
    を特徴とする軽石濾過装置。
  2. 【請求項２】 濾過槽の上部に軽石に向けて気泡と水と
    が混合した洗浄水を噴射して、軽石に付着した物質を除
    去する移動可能な洗浄水噴射手段を設けたことを特徴と
    する請求項１の軽石濾過装置。
  3. 【請求項３】 濾過槽は地下に設けられていることを特
    徴とする請求項１又は２の軽石濾過装置。
  4. 【請求項４】 濾過槽に多孔部材の上部に設けた洗浄水
    排水管で濁水沈澱槽を連接していることを特徴とする請
    求項３の軽石濾過装置。
  5. 【請求項５】 濾過槽及び濁水沈澱槽は地下に設けられ
    ていることを特徴とする請求項４の軽石濾過装置。
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