JPH07250681A - Dna抽出精製方法及び装置 - Google Patents

Dna抽出精製方法及び装置

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JPH07250681A
JPH07250681A JP6996194A JP6996194A JPH07250681A JP H07250681 A JPH07250681 A JP H07250681A JP 6996194 A JP6996194 A JP 6996194A JP 6996194 A JP6996194 A JP 6996194A JP H07250681 A JPH07250681 A JP H07250681A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 形質転換体で複製増幅された核外遺伝子DN
A(プラスミドDNA)を、終夜培養液から安価に抽出
精製することのできるDNA抽出精製方法及び装置を提
供する。 【構成】 (1) 形質転換体培養液を第1のDNA抽出精
製用カートリッジに集菌する工程、(2) 溶菌及び不要R
NAの分解工程、(3) 第1のDNA抽出精製用カートリ
ッジによる不純物濾過工程、(4) 第2のDNA抽出精製
用カートリッジでDNAを吸着、洗浄、溶出する工程を
含むプラスミドDNAの抽出精製方法,及び少なくとも
トラップフィルター及びメンブランフィルターを含む第
1のDNA抽出精製用カートリッジと、少なくともガラ
ス繊維フィルターとガラスパウダー層とメンブランフィ
ルターとを含む第2のDNA抽出精製用カートリッジと
を含むDNA抽出精製装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多検体試料からDNA
を短時間に抽出精製するDNA抽出精製方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、大腸菌等を形質転換した形質転換
体からプラスミドDNA(核外遺伝子)を抽出精製する
方法として、煮沸法[BOILING METHOD ( Holmes, D. S.
及びM.Quigley, 1981, Anal. Biochem. 114:193) ]や
アルカリ溶菌法[ALKALINE LYSIS METHOD ( Birnboim,
H. C. 及びJ. Doly, 1979, Nucleic Acids Res. 7:151
3) ]等が行われている。しかし、これらの方法は、フ
ェノール,クロロホルム等の危険試薬を使用し、手間の
かかる方法であった。さらに、高純度の精製試料を得る
方法として、塩化セシウム密度勾配遠心分離法によるプ
ラスミドDNAの抽出精製方法がある。この方法は、高
純度精製の代表的なものであるが、実施に長時間を要
し、試料処理本数は、一度に10本程度である。また、
従来の方法を自動化した機器も開発されているが、この
ような機器も一般的に高価であったり、処理サンプル数
が少ない等の欠点を有しており、実用的には問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】形質転換法は、遺伝子
操作の基本技術であり、ライフサイエンスあるいはバイ
オテクノロジーの研究開発にとって不可欠である。した
がって、この方法によって得られた形質転換体(特に、
大腸菌等を形質転換したもの)から核外遺伝子DNA
を、高い安全性のもとに、短時間かつ高純度で抽出精製
することが望まれていた。
【0004】そこで、本発明の目的は、形質転換体で複
製増幅された核外遺伝子DNA(プラスミドDNA)
を、終夜培養液から安価に抽出精製することのできるD
NA抽出精製方法及び装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の要旨は、(1) 形質転換体培養液を
第1のDNA抽出精製用カートリッジに集菌する工程、
(2) 溶菌及び不要RNAの分解工程、(3) 第1のDNA
抽出精製用カートリッジによる不純物濾過工程、(4) 第
2のDNA抽出精製用カートリッジでDNAを吸着、洗
浄、溶出する工程を含むプラスミドDNAの抽出精製方
法にある。
【0006】上記目的を達成するため、請求項2の発明
の要旨は、少なくとも形質転換体捕集兼溶菌用フィルタ
ー(本明細書中では、トラップフィルターという)及び
メンブランフィルターを含む第1のDNA抽出精製用カ
ートリッジと、少なくともガラス繊維フィルターとガラ
スパウダー層とメンブランフィルターとを含む第2のD
NA抽出精製用カートリッジとを含むDNA抽出精製装
置にある。
【0007】本発明にかかるDNAの抽出精製方法は、
より詳しくは、以下の工程を含むことが好ましい。
【0008】(1) 形質転換体培養液を第1のカートリッ
ジに集菌する工程 この工程に先だって、形質転換体の終夜培養液を調製す
る。ここで、本発明の適用の対象となる形質転換体とし
ては、大腸菌[例えば、大腸菌JM101(ATCC 3387
6),大腸菌HB101(ATCC 33694),大腸菌JM109
(ATCC 53323)等]を宿主微生物として、これを形質転換
した形質転換体が代表的なものであるがこの他にアルカ
リ溶菌が可能な微生物を宿主とした形質転換体からの核
外遺伝子DNAの抽出精製にも用いることができる。こ
の形質転換は、当業者にとって公知の常法(例えば、Ha
nahan,D., 1983, J.Mol.Biol.,166 ,577)に従って行う
ことができる。上記終夜培養液は、通常適当な選択培地
に数時間終夜培養される。選択培地としては、大腸菌の
形質転換体の場合、プラスミド内の薬剤耐性遺伝子のた
め、アンピシリン(ampisilin) を代表とする抗生物質を
含むLB(Luria Bertani) 培地が好ましいが、この他に
も、NZCYM培地,SOC培地等を用いることがで
き、本発明の目的の達成を阻害しない限り、これらに限
定されるものではなく、当業者にとって公知の他の培地
を用いることができる。すなわち、窒素源、炭素源、リ
ン酸塩、マグネシウム塩、微量成分等を含む天然もしく
は人工培地を使用することができる。
【0009】本工程では、調製された終夜培養液を、第
1のDNA抽出精製用カートリッジに分注する。
【0010】このように、終夜培養液を分注した第1の
DNA抽出精製用カートリッジに真空ポンプによる減圧
操作あるいは遠心分離操作を施し、形質転換体を第1の
DNA抽出精製用カートリッジ上に集菌する。すなわ
ち、第1のDNA抽出精製用カートリッジのトラップフ
ィルターの立体網目構造に捕集され、形質転換体が集菌
される。
【0011】(2) 溶菌及び不要RNAの分解工程 この工程では、溶菌用試薬を第1のDNA抽出精製用カ
ートリッジのトラップフィルター上に添加し、形質転換
体を溶菌させ、核外遺伝子(プラスミドDNA)を細胞
外に溶出させる。また、この工程では、同時に溶菌用試
薬によって不要なRNAを消化する。したがって、上記
溶菌用試薬は、溶菌を行うための溶菌酵素とRNAを消
化するためのRNA分解酵素(リボヌクレアーゼ)を含
むことが好ましい。溶菌酵素としては、例えば、細菌細
胞壁加水分解酵素であるリゾチーム(lysozyme)を用いる
ことができ、RNA分解酵素としては、例えば、リボヌ
クレアーゼA(RNaseA)を使用することができる。これ
らは、一種のみを単独で用いても良く、また二種以上の
ものを組み合わせて用いることもできる。溶出させる核
外遺伝子(プラスミドDNA)は、周知のとおりベクタ
ーとして利用されるものであり、ここでいうプラスミド
DNAには、コスミドDNAも当然含まれる。この工程
は、溶菌用試薬を第1のDNA抽出精製用カートリッジ
のトラップフィルターに添加した後、室温にて5―10
分間放置して行われる。
【0012】(3) 第1のDNA抽出精製用カートリッジ
による不純物濾過工程 上記(2) の工程を終えた後、第1のDNA抽出精製用カ
ートリッジのトラップフィルター上に、試料の完全可溶
化処理のための試薬、例えば、0.2N水酸化ナトリウ
ム・1%ラウリル硫酸ナトリウム溶液を適量添加し、室
温にて2〜5分間放置することにより、試料の完全可溶
化処理を行う。次いで、例えば、3M酢酸カリウム(p
H4.8)を適量添加して、室温にて3〜5分間放置
し、塩基性溶液を中和するとともに、細胞構成タンパク
質及び染色体DNAを凝固処理する。そして、第1のD
NA抽出精製用カートリッジ(当初集菌したもの)に真
空ポンプによる減圧を用いた濾過操作あるいは遠心分離
による濾過操作を施し、プラスミドDNAを含む抽出液
を分離する(第1のDNA抽出精製用カートリッジの下
部より抽出される)。
【0013】(4) 第2のDNA抽出精製用カートリッジ
でDNAを吸着、洗浄、溶出する工程 この工程では、まず、上記(3)の工程で得られた抽出液
及び等量のDNA吸着のための試薬、例えば、8Mヨウ
化ナトリウムNaIを第2のDNA抽出精製用カートリ
ッジに添加する。これは、ガラスパウダーへのDNA吸
着はカオトロピックイオン(chaotropic ion)存在下で
促進されることに基づいている。さらにアガロースゲル
電気泳動で分離したDNA断片をアガロースゲルから抽
出精製する方法にもガラスパウダーへのDNA吸着法が
応用されている(Vogelstein, B.及び D. Gillespie, 1
979, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:615)。カオトロ
ピックイオンを生成する試薬として、LiClO4 ,K
I,NaI,LiCl,NaCHO2 等があるが、Na
I(ヨウ化ナトリウム)の入手が容易である。次いで、
この第2のDNA抽出精製用カートリッジに、真空ポン
プによる減圧を用いた操作あるいは遠心分離による操作
を施し、プラスミドDNAを、吸着させる。このカート
リッジは、後述するように、ガラス繊維フィルター(二
層)とガラスパウダー層とメンブランフィルターとから
成る少なくとも四重の構造である。プラスミドDNA
は、主として、ガラスパウダー層に吸着される。さら
に、この第2のDNA抽出精製用カートリッジに洗浄用
緩衝液、例えば、10mMトリス―塩酸(pH8.0)
・1mM EDTA・0.2MNaCl・50%エタノ
ールを添加し、真空ポンプによる減圧を用いた操作ある
いは遠心分離による操作を施し、洗浄を行う。最後に、
この第2のDNA抽出精製用カートリッジに、溶出用緩
衝液例えば、滅菌蒸留水/10mMトリス―塩酸(pH
8.0)・1mM EDTAを50―100μl添加し
て、真空ポンプによる減圧を用いた操作あるいは遠心分
離による操作を施し、プラスミドDNAのみを溶出精製
する。
【0014】
【実施例】以下に、本発明にかかるDNA抽出装置を添
付図面に示した実施例を参照しながら説明し、続いて、
このDNA抽出装置を用いて行った本発明にかかるDN
A抽出方法の試験例を説明する。しかし、これらの実施
例あるいは試験例は、本発明の技術的範囲を限定する意
図のものではなく、本発明の技術的思想の範囲内におけ
る、変更、付加、修飾は全て本発明の技術的範囲に含ま
れる。
【0015】図1は、本発明にかかるDNA抽出装置の
うち、第1のDNA抽出精製用カートリッジの実施例を
示し、図において、1はトラップフィルター、2はメン
ブランフィルター、3はカートリッジ容器である。
【0016】トラップフィルター1は、主として形質転
換体である大腸菌等の菌体を捕集し、溶菌するのための
層である。材質としては、ガラス繊維フィルターやポリ
エチレン樹脂フィルターや不織布フィルター等が好まし
く、大腸菌等の菌体を立体的に捕集する特性を備えてい
ることが好ましい。具体的には、東洋濾紙社製のガラス
繊維フィルター、スペイシーケミカル社製のポリエチレ
ン樹脂フィルター等を使用することができる。
【0017】メンブランフィルター2は、主として凝固
タンパク,染色体DNA等の不要物の濾過・除去のため
の層である。材質としては、酢酸セルロース,ポリフッ
化ビニリデン等が好ましく、生物学的不活性,低タンパ
ク吸着性の特性を備えていることが好ましい。具体的に
は、東洋濾紙社製のセルロースアセテートタイプメンブ
ランフィルター、ミリポア社製のデュラポアメンブラン
等を使用することができる。
【0018】カートリッジ容器3は、通常、外容器及び
フィルター固定用内筒で構成し、本体部分は、通常、円
柱状とし、大きさとしては、φ10〜20mm,長さ3
0〜50mmのものを使用することができる。
【0019】なお、図1の実施例では、トラップフィル
ター1、メンブランフィルター2、カートリッジ容器3
のみを模式的に表示しているが、必要に応じて他にマイ
クロチューブを設けることもできる。また、このような
カートリッジを使用する際に、必要な周辺機器、例え
ば、遠心機もしくは真空ポンプ及び吸引用カートリッジ
スタンドを、本発明の適用に伴って使用する。
【0020】図2は、本発明にかかるDNA抽出装置の
うち、第2のDNA抽出精製用カートリッジの実施例を
示し、図において、21はガラス繊維フィルター、22
はガラスパウダー層、23はガラス繊維フィルター、2
4はメンブランフィルター、25はカートリッジ容器で
ある。
【0021】ガラス繊維フィルター21,23は、主と
してプラスミド吸着補助のための層である。材質として
は、微細ホウケイ酸塩ガラス繊維等が好ましく、生化学
的液体に対して不活性の特性を備えていることが好まし
い。具体的には、東洋濾紙社製のGA―100,20
0,GC―50、ワットマン社製のGFシリーズ等を使
用することができる。
【0022】ガラスパウダー層22は、主としてDNA
吸着のための層である。材質としては、シリカマトリッ
クス等が好ましく、水中沈降速度0.25cm/min
以下の特性を備えていることが好ましい。具体的には、
旭硝子社製のガラスパウダー、BIO101社製のGL
ASSMILKTM等を使用することができる。
【0023】メンブランフィルター24、カートリッジ
容器25の機能及び材質等は、上記した図1のメンブラ
ンフィルター2、カートリッジ容器3と同様である。
【0024】第2のDNA抽出精製用カートリッジ作製
はメンブランフィルター,ガラス繊維フィルターを順に
積層した後、ガラスパウダー懸濁液20〜100μlを
添加する。このカートリッジを減圧吸引ないしはスイン
グロータで遠心してガラスパウダーをガラス繊維フィル
ター上に均一に密着させ、さらにガラス繊維フィルター
を積層して四重の層構造カートリッジを作製する。
【0025】なお、図2の実施例では、ガラス繊維フィ
ルター21、ガラスパウダー層22、ガラス繊維フィル
ター23、メンブランフィルター24、カートリッジ容
器25のみを模式的に表示しているが、必要に応じて他
にカートリッジフィルターの下に精製DNA溶出液を受
けるマイクロチューブを設けることもできる。また、こ
のようなカートリッジを使用する際に、必要な周辺機
器、例えば、遠心機もしくは真空ポンプ及び吸引用カー
トリッジスタンドを、本発明の適用に伴って使用する。
【0026】上記第1,第2のDNA抽出精製用カート
リッジの各々の層を構成する素材は、それら自体市場に
おいて安価に入手できるものである。したがって、本発
明にかかる装置の提供にあたり製造上のコスト的負担は
小さい。
【0027】次に、上記図1,図2に示した第1,第2
のDNA抽出精製用カートリッジを用いて行った本発明
にかかるDNA抽出精製方法の試験例を示す。
【0028】試験例(1) 形質転換体培養液を第1のカートリッジに集菌する
工程 この工程に先だって、形質転換体の終夜培養液を調製し
た。大腸菌[E.Coli HB101(ATCC 33694)を
宿主微生物として、これをHanahanの方法(Hana
han,D., 1983, J.Mol.Biol.,166 ,577)に従い形質転換
した形質転換体を使用した。選択培地としては、アンピ
シリン(ampisilin) を含むルリア・ベルタニ(LuriaBert
ani) 培地を使用した。この培地の組成は、以下のとお
りであった。 Bacto-tryptone : 10g/L Bacto-yeast extract : 5g/L NaCl : 10g/L Ampicilin : 35〜50mg/L 水酸化ナトリウムによってpHを7.5に調整した。こ
の培地3mlを使用して、終夜培養を行った。なお、培
地の容量は、図1,図2の第1,第2のDNA抽出精製
用カートリッジを用いる場合、1―3mlとすることが
好適である。調製された終夜培養液を、第1のDNA抽
出精製用カートリッジに分注した。このように、終夜培
養液を分注した第1のDNA抽出精製用カートリッジに
遠心分離操作を施し、形質転換体を第1のDNA抽出精
製用カートリッジのトラップフィルターに補集した。
【0029】(2) 溶菌及び不要RNAの分解工程 200μlの溶菌用試薬を上記第1のDNA抽出精製用
カートリッジのトラップフィルターに添加し、形質転換
体を溶菌させ、核外遺伝子(プラスミドDNA)を細胞
外に溶出させた。また、この工程で、同時に溶菌用試薬
によって不要なRNAを消化した。上記溶菌用試薬は、
溶菌酵素としては、リゾチーム(lysozyme)を含み、RN
A分解酵素として、リボヌクレアーゼAを含むものをを
使用した。本工程は、溶菌用試薬を第1のDNA抽出精
製用カートリッジのトラップフィルターに添加した後、
室温にて10分間放置して行った。
【0030】(3) 第1のDNA抽出精製用カートリッジ
による不純物濾過工程 上記(2) の工程を終えた後、第1のDNA抽出精製用カ
ートリッジのトラップフィルターに、試料の完全可溶化
処理のための試薬として0.2N水酸化ナトリウム・1
%ラウリル硫酸ナトリウム溶液を400μl添加し、室
温にて5分間放置することにより、試料の完全可溶化処
理を行った。次いで、3M酢酸カリウム(pH4.8)
を300μl添加して、室温にて5分間放置し、塩基性
溶液を中和するとともに、細胞構成タンパク質及び染色
体DNAを凝固処理した。そして、第1のDNA抽出精
製用カートリッジ(当初集菌したもの)に遠心分離によ
る濾過操作を施し、プラスミドDNAを含む抽出液を分
離した(第1のDNA抽出精製用カートリッジの下部よ
り抽出した)。
【0031】(4) 第2のDNA抽出精製用カートリッジ
でDNAを吸着、洗浄、溶出する工程 この工程では、まず、上記(3) の工程で得られた抽出液
及び等量のDNA吸着のための試薬として8Mヨウ化ナ
トリウムNaIを第2のDNA抽出精製用カートリッジ
に添加した。次いで、この第2のDNA抽出精製用カー
トリッジに、遠心分離による操作を施し、プラスミドD
NAを、このカートリッジのガラス繊維フィルター及び
ガラスパウダーに吸着させた。。さらに、この第2のD
NA抽出精製用カートリッジに洗浄用緩衝液として、1
0mMトリス―塩酸(pH8.0)・1mM EDTA
・0.2MNaCl・50%エタノールを350μl添
加し、遠心分離による操作を施し、洗浄を行った。最後
に、この第2のDNA抽出精製用カートリッジに、溶出
用緩衝液として、蒸留水/10mMトリス―塩酸(pH
8.0)・1mM EDTAを100μl添加して、遠
心分離による操作を施し、プラスミドDNAのみを溶出
精製した。
【0032】図3に、上記試験例で精製されたプラスミ
ドDNAのアガロースゲル電気泳動分離の結果を示す。
夾雑物であるRNA,染色体由来DNA,タンパク質の
混入は全く見られず、塩化セシウム密度勾配超遠心分離
精製プラスミドDNAと同等以上の純度が得られた。し
たがって、各種解析実験に支障なく使用可能であること
が確認された。
【0033】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明によれ
ば、形質転換体で複製増幅された核外遺伝子DNA(プ
ラスミドDNA)を、終夜培養液から安価に抽出精製す
ることのできるDNA抽出精製方法及び装置が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1のDNA抽出精製用カートリッジの構造を
示す模式図である。
【図2】第2のDNA抽出精製用カートリッジの構造を
示す模式図である。
【図3】試験例の電気泳動の結果を示すグラフである。
【符合の説明】
1 トラップフィルター 2 メンブランフィルター 3 カートリッジ容器 21 ガラス繊維フィルター 22 ガラスパウダー層 23 ガラス繊維フィルター 24 メンブランフィルター 25 カートリッジ容器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 形質転換体培養液を第1のDNA抽
    出精製用カートリッジに集菌する工程、(2) 溶菌及び不
    要RNAの分解工程、(3) 第1のDNA抽出精製用カー
    トリッジによる不純物濾過工程、(4) 第2のDNA抽出
    精製用カートリッジでDNAを吸着、洗浄、溶出する工
    程を含むプラスミドDNAの抽出精製方法。
  2. 【請求項2】 少なくともトラップフィルター及びメン
    ブランフィルターを含む第1のDNA抽出精製用カート
    リッジと、少なくともガラス繊維フィルターとガラスパ
    ウダー層とメンブランフィルターとを含む第2のDNA
    抽出精製用カートリッジとを含むDNA抽出精製装置。
  3. 【請求項3】 請求項2のDNA抽出精製装置の実施に
    直接使用する請求項2の第1のDNA抽出精製用カート
    リッジ。
  4. 【請求項4】 請求項2のDNA抽出精製装置の実施に
    直接使用する請求項2の第2のDNA抽出精製用カート
    リッジ。
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