JPH0666B2 - Dnaの単離精製法 - Google Patents
Dnaの単離精製法Info
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- JPH0666B2 JPH0666B2 JP1113926A JP11392689A JPH0666B2 JP H0666 B2 JPH0666 B2 JP H0666B2 JP 1113926 A JP1113926 A JP 1113926A JP 11392689 A JP11392689 A JP 11392689A JP H0666 B2 JPH0666 B2 JP H0666B2
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- dna
- cells
- centrifugation
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は適当な培地で培養された真核細胞、原核細胞
およびウイルスで複製される2本鎖プラスミドDNAま
たは1本鎖バクテリオファージDNAの単離精製方法に
関する。
およびウイルスで複製される2本鎖プラスミドDNAま
たは1本鎖バクテリオファージDNAの単離精製方法に
関する。
従来の技術 組換えDNAの研究においては、DNA分子は一般に細
菌およびバクテリオファージーの培養物から単離され
る。例えば、2本鎖プラスミドDNAは液体の栄養肉汁
培地中で培養した大腸菌等の細菌の菌体内で生産され、
それを出発材料として単離される。バクテリオファージ
M131本鎖鋳型DNAは適当な大腸菌宿主中で増殖し
たバクテリオファージM13によって生産される。この
鋳型DNAは宿主菌から栄養肉汁培地中へ放出されたバ
クテリオファージから単離される。
菌およびバクテリオファージーの培養物から単離され
る。例えば、2本鎖プラスミドDNAは液体の栄養肉汁
培地中で培養した大腸菌等の細菌の菌体内で生産され、
それを出発材料として単離される。バクテリオファージ
M131本鎖鋳型DNAは適当な大腸菌宿主中で増殖し
たバクテリオファージM13によって生産される。この
鋳型DNAは宿主菌から栄養肉汁培地中へ放出されたバ
クテリオファージから単離される。
これらのプラスミドDNA分子もしくは鋳型DNA分子
を単離することによって、該分子の塩基配列分析が可能
となり、さらに単離されたDNAは診断、その他の分
析、重要なポリペプチドをコード化する遺伝子との組換
体の作製、および該ペプチドの生産に用いるベクター等
として有効に利用される。
を単離することによって、該分子の塩基配列分析が可能
となり、さらに単離されたDNAは診断、その他の分
析、重要なポリペプチドをコード化する遺伝子との組換
体の作製、および該ペプチドの生産に用いるベクター等
として有効に利用される。
細菌菌体からプラスミドDNAを単離する常用法として
ビルンボイム(H.C.Birnboim)とドリー(J.Doly)の方法が
例示される。[「ア・ラピッド・アルカライン・エクス
トラクシッション・プロセジュア・フオー・スクリーニ
ング・レコンビナント・プラスミド、ディー・エヌ・エ
ー(A Rapid Extoraction Procedure for Screening Rec
ombinant Plasmid DNA),Nucleic Acids Res.,第7巻、
第1513ページ−1523ページ(1979年)参
照]。1本鎖鋳型DNAは類似の方法によって単離され
る。[例えば、レーダー(Leder)らの報文、Scie
nce,第196巻、第175ページ(1977)参照]。
ビルンボイム(H.C.Birnboim)とドリー(J.Doly)の方法が
例示される。[「ア・ラピッド・アルカライン・エクス
トラクシッション・プロセジュア・フオー・スクリーニ
ング・レコンビナント・プラスミド、ディー・エヌ・エ
ー(A Rapid Extoraction Procedure for Screening Rec
ombinant Plasmid DNA),Nucleic Acids Res.,第7巻、
第1513ページ−1523ページ(1979年)参
照]。1本鎖鋳型DNAは類似の方法によって単離され
る。[例えば、レーダー(Leder)らの報文、Scie
nce,第196巻、第175ページ(1977)参照]。
一般にこれらの方法は、菌体を界面活性剤と塩溶液を含
む適当な反応液中でリゾチームで溶解させる溶解工程
と、DNAを含む該溶解物を低温で放置の後、フェーノ
ールもしくはクロロホルムまたはこれらの混合物を用い
て抽出もしくは除タンパク処理する除タンパク質工程で
構成される。その後、核酸は沈澱処理によって夾雑する
菌体成分の脂質、及び1部のタンパク質成分から分離さ
れる。
む適当な反応液中でリゾチームで溶解させる溶解工程
と、DNAを含む該溶解物を低温で放置の後、フェーノ
ールもしくはクロロホルムまたはこれらの混合物を用い
て抽出もしくは除タンパク処理する除タンパク質工程で
構成される。その後、核酸は沈澱処理によって夾雑する
菌体成分の脂質、及び1部のタンパク質成分から分離さ
れる。
これら2つの工程、すなわち、溶解と除タンパク質処理
は、溶解工程で用いる試薬と除タンパク質工程で用いる
試薬が混和しないために別々に行われる。従って、核酸
を菌体内のタンパク質夾雑物から分離するには、溶解と
除タンパク質処理の2工程の操作が必要であった。現在
使用されている種々の方法についてはマニアチス(Mania
is)らの「モレキュラー・クローニング・ア・ラボラト
リー・マニュアル(Molecular Cloning-A Laboratory Ma
nual)」、Cold Spring Harbor Laboratory(1982年)
に記載されている。
は、溶解工程で用いる試薬と除タンパク質工程で用いる
試薬が混和しないために別々に行われる。従って、核酸
を菌体内のタンパク質夾雑物から分離するには、溶解と
除タンパク質処理の2工程の操作が必要であった。現在
使用されている種々の方法についてはマニアチス(Mania
is)らの「モレキュラー・クローニング・ア・ラボラト
リー・マニュアル(Molecular Cloning-A Laboratory Ma
nual)」、Cold Spring Harbor Laboratory(1982年)
に記載されている。
これらの方法によるDNAの単離精製は煩雑に行われて
おり、また、マニアチスらの工程を実施するには多くの
時間を必要とするので、組換えDNAを取り扱う分野に
おいては、より効率的なDNAの単離方法が要請されて
いる。
おり、また、マニアチスらの工程を実施するには多くの
時間を必要とするので、組換えDNAを取り扱う分野に
おいては、より効率的なDNAの単離方法が要請されて
いる。
さらに、これらの従来法ではいずれもその作業を人手に
頼つているため、(1)低作業能率、(2)作業者の訓練、
(3)単離される核酸フラグメントの純度および収率のば
らつき、(4)作業者に対する安全性などの問題があっ
た。
頼つているため、(1)低作業能率、(2)作業者の訓練、
(3)単離される核酸フラグメントの純度および収率のば
らつき、(4)作業者に対する安全性などの問題があっ
た。
発明が解決しようとする課題 この発明はこのような要請に応え、より効率的なDNA
分子の単離精製法、ならびにその方法に適した装置を提
供するためになされたものである。
分子の単離精製法、ならびにその方法に適した装置を提
供するためになされたものである。
課題を解決するための手段 即ちこの発明は、培養液から遠心分離した細胞を室温下
で、 (i)グルコース含有等張性緩衝液(第1溶液)、 (ii)第1溶液、界面活性剤および塩を含有する溶液
(第2溶液)、および (iii)第2溶液およびDNAの溶解作用と除タンパク
質作用を有する試薬組成物を含有する溶液(第3溶液) の各溶液中における攪拌処理に順次付すことによって、
該細胞の溶解と除タンパク質処理をおこなった後、第3
溶液から細胞質残渣を遠心分離処理によって除去するこ
とを特徴とするDNAの単離精製法および該方法を実施
するのに好適な装置に関する。
で、 (i)グルコース含有等張性緩衝液(第1溶液)、 (ii)第1溶液、界面活性剤および塩を含有する溶液
(第2溶液)、および (iii)第2溶液およびDNAの溶解作用と除タンパク
質作用を有する試薬組成物を含有する溶液(第3溶液) の各溶液中における攪拌処理に順次付すことによって、
該細胞の溶解と除タンパク質処理をおこなった後、第3
溶液から細胞質残渣を遠心分離処理によって除去するこ
とを特徴とするDNAの単離精製法および該方法を実施
するのに好適な装置に関する。
培養液中の細胞を遠心分離処理によって、沈澱させ、培
養液中の主要な夾雑物と分離する。この方法を1本鎖鋳
型DNAの単離に適用する場合には、バクテリオファー
ジーと宿主細菌菌体とを低速遠心分離によって細菌菌体
は沈澱にし、バクテリオファージは液体培地中に残存さ
せて分離する事により目的が達せられる。また、宿主細
菌菌体から得られるプラスミドDNAとバクテリオファ
ージの鋳型DNAの両者が必要な時は、細菌菌体とバク
テリオファージを同時に沈澱させればよい。遠心分離の
速度と所要時間は使用する培養液の量を考慮して適宜調
整すればよく、望ましい遠心分離は約1500gで10
分間である。
養液中の主要な夾雑物と分離する。この方法を1本鎖鋳
型DNAの単離に適用する場合には、バクテリオファー
ジーと宿主細菌菌体とを低速遠心分離によって細菌菌体
は沈澱にし、バクテリオファージは液体培地中に残存さ
せて分離する事により目的が達せられる。また、宿主細
菌菌体から得られるプラスミドDNAとバクテリオファ
ージの鋳型DNAの両者が必要な時は、細菌菌体とバク
テリオファージを同時に沈澱させればよい。遠心分離の
速度と所要時間は使用する培養液の量を考慮して適宜調
整すればよく、望ましい遠心分離は約1500gで10
分間である。
上記のようにして培養液から分離された細胞は溶解と除
タンパク質処理に付される。
タンパク質処理に付される。
菌体を細胞壁溶解酵素(リゾチーム)不存在下で溶解さ
せ、ついで室温での除タンパク質処理を行う。菌体は等
張性緩衝液中で穏やかに攪拌する。望ましい緩衝液とし
てグルコース、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)お
よびトリス−塩酸を含有するpH約7.5の緩衝液が例示
される。上記の攪拌処理を行つた後、塩と界面活性剤溶
液を[望ましくは水酸化ナトリウムとドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)]を菌の懸濁液に添加する。この混合
物を攪拌処理に付した後、以下に詳述する新規なDNA
を溶解し、かつ除タンパク質作用を有する試薬組成物を
添加する。攪拌処理を行うことによって、DNAの溶解
と除タンパク質工程を同時に行う。用いる等張性緩衝
液、塩および界面活性剤は当該分野の常法に従い、選択
すれば良い。
せ、ついで室温での除タンパク質処理を行う。菌体は等
張性緩衝液中で穏やかに攪拌する。望ましい緩衝液とし
てグルコース、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)お
よびトリス−塩酸を含有するpH約7.5の緩衝液が例示
される。上記の攪拌処理を行つた後、塩と界面活性剤溶
液を[望ましくは水酸化ナトリウムとドデシル硫酸ナト
リウム(SDS)]を菌の懸濁液に添加する。この混合
物を攪拌処理に付した後、以下に詳述する新規なDNA
を溶解し、かつ除タンパク質作用を有する試薬組成物を
添加する。攪拌処理を行うことによって、DNAの溶解
と除タンパク質工程を同時に行う。用いる等張性緩衝
液、塩および界面活性剤は当該分野の常法に従い、選択
すれば良い。
上記の溶菌と除タンパク質処理をおこなった溶液系から
細胞質残渣を遠心分離処理によって除去することによっ
てDNA含有溶液が得られる。
細胞質残渣を遠心分離処理によって除去することによっ
てDNA含有溶液が得られる。
遠心分離の速度と所要時間は当業者であれば適宜選定で
きるが、好ましくは約1500gで約10分間行う。沈
澱を完全に除くために遠心分離を1−5回行つてもよ
く、また遠心分離の間に攪拌処理をはさむこともでき
る。
きるが、好ましくは約1500gで約10分間行う。沈
澱を完全に除くために遠心分離を1−5回行つてもよ
く、また遠心分離の間に攪拌処理をはさむこともでき
る。
上述の処理においては、沈澱がコンパクトになるので細
胞質残渣の遠心分離は一層容易におこなわれる。
胞質残渣の遠心分離は一層容易におこなわれる。
以上のようにして得られたDNA含有溶液はさらに以下
の後処理に付される。
の後処理に付される。
プラスミドDNAもしくは鋳型DNAをアルコールを添
加することによって、溶液中から沈澱させる。液の混合
を完全にするために攪拌を行ってもよい。沈澱したDN
Aは室温での遠心分離によって遠心管に付着させる。D
NAを沈澱させるのに使用するアルコール溶液としては
イソプロパノールが好ましいが、100%エタノールの
ような他の低級アルコールを使用してもよい。
加することによって、溶液中から沈澱させる。液の混合
を完全にするために攪拌を行ってもよい。沈澱したDN
Aは室温での遠心分離によって遠心管に付着させる。D
NAを沈澱させるのに使用するアルコール溶液としては
イソプロパノールが好ましいが、100%エタノールの
ような他の低級アルコールを使用してもよい。
この工程では通常の遠心管に変えてフイルター付きの遠
心管を用いることもできる。この場合の好ましいフイル
ターは孔径約0.8ミクロンのニトロセルロース製のフ
イルターである。この工程に適した別のフイルターとし
てナイロン製等のフイルターを使用してもよい。
心管を用いることもできる。この場合の好ましいフイル
ターは孔径約0.8ミクロンのニトロセルロース製のフ
イルターである。この工程に適した別のフイルターとし
てナイロン製等のフイルターを使用してもよい。
何れの遠心管を用いても適当な遠心分離パラメーターは
当業者であれば容易に決定することが出来る。
当業者であれば容易に決定することが出来る。
遠心管に付着したDNAを繰り返し洗浄することによ
り、洗浄液に可溶な夾雑物をDNA沈澱から除去する。
この洗浄処理はエタノールのような低級アルコールを用
いて行うことが出来るが、好ましくは70%エタノール
を用いて行ってもよい。夾雑物を除去するのに充分な洗
浄回数は1−約6回であるが、一般的には3回が好まし
い。
り、洗浄液に可溶な夾雑物をDNA沈澱から除去する。
この洗浄処理はエタノールのような低級アルコールを用
いて行うことが出来るが、好ましくは70%エタノール
を用いて行ってもよい。夾雑物を除去するのに充分な洗
浄回数は1−約6回であるが、一般的には3回が好まし
い。
洗浄したDNAを低イオン強度緩衝液中で、室温で放置
することにより溶解する。この種の緩衝液はRNA分解
酸素、トリス−塩酸緩衝液およびEDTAを含有しても
よい。また、DNA単離技術の分野において既知の他の
緩衝液をしてもよい。
することにより溶解する。この種の緩衝液はRNA分解
酸素、トリス−塩酸緩衝液およびEDTAを含有しても
よい。また、DNA単離技術の分野において既知の他の
緩衝液をしてもよい。
上述の本発明によるDNA単離精製法を実施するのに好
適な装置は、培養液からの細胞の遠心分離手段、分離し
た細胞の溶解と除タンパク質処理用溶液の供給手段、分
離した細胞を含有する該処理用溶液の攪拌手段および該
処理用溶液からの細胞質残渣の遠心分離手段を具備す
る。
適な装置は、培養液からの細胞の遠心分離手段、分離し
た細胞の溶解と除タンパク質処理用溶液の供給手段、分
離した細胞を含有する該処理用溶液の攪拌手段および該
処理用溶液からの細胞質残渣の遠心分離手段を具備す
る。
培養液からの細胞分離手段としては遠心分離器が好まし
い。この場合、本発明によるDNA単離精製操作は全て
約500〜2,000g以下の遠心力,並びに室温で実
施できるため、従来法の場合のような、約10,000
g以上の遠心力を発生する冷却保冷機構付き遠心分離器
は不要であり、冷却機構を具備しない約2,000g以
下の遠心力を発生する遠心分離器で十分である。
い。この場合、本発明によるDNA単離精製操作は全て
約500〜2,000g以下の遠心力,並びに室温で実
施できるため、従来法の場合のような、約10,000
g以上の遠心力を発生する冷却保冷機構付き遠心分離器
は不要であり、冷却機構を具備しない約2,000g以
下の遠心力を発生する遠心分離器で十分である。
分離した細胞の溶解と除タンパク質処理をおこなう前記
の第1溶液〜第3溶液の成分の供給手段としては輪液ポ
ンプが簡便である。
の第1溶液〜第3溶液の成分の供給手段としては輪液ポ
ンプが簡便である。
また、後処理に使用するアルコール溶液や低イオン強度
緩衝液等も輸液ポンプを用いて供給すればよい。
緩衝液等も輸液ポンプを用いて供給すればよい。
細胞を含有するこれらの処理溶液を攪拌する手段、例え
ば振盪ミキサー等は上記の遠心分離器に一体的に装着さ
せるのが好ましく、これによって作業工程の時間的短縮
を計ることができる。
ば振盪ミキサー等は上記の遠心分離器に一体的に装着さ
せるのが好ましく、これによって作業工程の時間的短縮
を計ることができる。
細胞質残渣の除去手段としても遠心分離器が好ましい。
従って、以下の実施例4において詳述するように、遠心
上澄の移し替え機構、遠心上澄の廃液機構および遠心管
の移動機構を装置させることによって一台の攪拌機構付
き遠心分離器によってDNAの一連の単離精製操作を自
動化させこることができる。
上澄の移し替え機構、遠心上澄の廃液機構および遠心管
の移動機構を装置させることによって一台の攪拌機構付
き遠心分離器によってDNAの一連の単離精製操作を自
動化させこることができる。
また、細胞の溶菌と除タンパク質処理によって生成する
沈澱の強度が高いので、沈澱がコンパクとになり、遠心
分離し易くなるので、前記の細胞の分離と細胞質残渣の
分離を一台の遠心分離器でおこなうことができ、装置の
小型化を計ることが可能となる。遠心上澄の移し替え等
はすべて傾斜法によっておこなうことができるので、装
置が簡単化されると共に該作業工程の時間的短縮を計る
ことができる。
沈澱の強度が高いので、沈澱がコンパクとになり、遠心
分離し易くなるので、前記の細胞の分離と細胞質残渣の
分離を一台の遠心分離器でおこなうことができ、装置の
小型化を計ることが可能となる。遠心上澄の移し替え等
はすべて傾斜法によっておこなうことができるので、装
置が簡単化されると共に該作業工程の時間的短縮を計る
ことができる。
上記のDNA分子の単離精製方法ならびに装置はプラス
ミドDNAおよび1本鎖鋳型DNA分子のいずれにも適
用できる。また、室温で安定な試薬を使用するので、1
本鎖鋳型DNAと2本鎖プラスミドDNAの両方の単離
と精製を単一の操作によって行うことが出来る。さらに
本発明方法によれば、従来技術に比べて、DNA分子の
収量が増加すると共に、純度も同等もしくはそれ以上に
なる。
ミドDNAおよび1本鎖鋳型DNA分子のいずれにも適
用できる。また、室温で安定な試薬を使用するので、1
本鎖鋳型DNAと2本鎖プラスミドDNAの両方の単離
と精製を単一の操作によって行うことが出来る。さらに
本発明方法によれば、従来技術に比べて、DNA分子の
収量が増加すると共に、純度も同等もしくはそれ以上に
なる。
本発明の工程は、原核細胞の他に種々の生体組織、例え
ば真核細胞のDNAの単離を含む種々のDNA単離法に
適用することが出来る。
ば真核細胞のDNAの単離を含む種々のDNA単離法に
適用することが出来る。
以下、本発明を実施例によってさらに説明する。
実施例1 除タンパク質作用を持つた試薬組成物の調製 5M酢酸カリウム48mlと氷酢酸32mlを混合し、第1
溶液を調製する(酢酸カリウムと酢酸との容量比は3:
2にするのが好ましい)。フェノール9.9mlに8−ヒ
ドロキシキノリン0.1重量%、クロロホルム9.9ml
およびイソアミルアルコール0.2mlをこの順序で添加
して第2溶液を調製する。上記2種の溶液を混合するこ
とによって、安定な単一相組成物(pH5)を得る。
溶液を調製する(酢酸カリウムと酢酸との容量比は3:
2にするのが好ましい)。フェノール9.9mlに8−ヒ
ドロキシキノリン0.1重量%、クロロホルム9.9ml
およびイソアミルアルコール0.2mlをこの順序で添加
して第2溶液を調製する。上記2種の溶液を混合するこ
とによって、安定な単一相組成物(pH5)を得る。
実施例2 フイルターを用いた細菌菌体からプラスミドDNAの単
離 SOBM培地(マニアチスらの前記文献、第69ページ
参照)5mlに大腸菌JM101およびM13mp19バク
テリオファージを接種し、37℃で一晩培養する。菌体
を3,000rpm(約1,600g)で10分間の遠心
分離処理で沈澱として集める。培地を除いた後、沈澱を
50mMグルコース、10mMMEDTAを含む10mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.5)0.3mlで懸濁し、室温で
攪拌を2分間おこなう。ついで1%SDSを含む0.2
NaOH0.6mlを添加し、該溶液を室温で15秒間穏
やかに攪拌を行つた後、30秒間放置し、さらに穏やか
な攪拌を15秒間行う。
離 SOBM培地(マニアチスらの前記文献、第69ページ
参照)5mlに大腸菌JM101およびM13mp19バク
テリオファージを接種し、37℃で一晩培養する。菌体
を3,000rpm(約1,600g)で10分間の遠心
分離処理で沈澱として集める。培地を除いた後、沈澱を
50mMグルコース、10mMMEDTAを含む10mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.5)0.3mlで懸濁し、室温で
攪拌を2分間おこなう。ついで1%SDSを含む0.2
NaOH0.6mlを添加し、該溶液を室温で15秒間穏
やかに攪拌を行つた後、30秒間放置し、さらに穏やか
な攪拌を15秒間行う。
この溶液に実施例1で調製した組成物0.54mlを添加
する。この混合物を穏やかに15秒間攪拌し、30秒間
放置した後、15秒間の攪拌を行い、次いで約1,50
0gで15分間の遠心分離処理に付す。
する。この混合物を穏やかに15秒間攪拌し、30秒間
放置した後、15秒間の攪拌を行い、次いで約1,50
0gで15分間の遠心分離処理に付す。
得られた上澄を、孔径0.8ミクロンの酢酸セルロース
製フイルターおよび5mlのレシーバー管を備えた遠心管
(シエリヒェ・アンド・シュエル社製)に移す。該試験
管内にイソプロパノール1.3mlを添加し、穏やかな攪
拌処理を行った後、室温で2分間放置する。試験管内の
内容物を室温下、約1,500gで4分間の遠心分離処
理し、DNAをフイルターに付着させる。DNAをフイ
ルターに付着させた状態で、70%エタノール0.5ml
を試験管内に入れ、遠心分離処理をさらに2分間行う。
この処理操作を3回以上繰り返すことによって夾雑物を
完全に除去する。
製フイルターおよび5mlのレシーバー管を備えた遠心管
(シエリヒェ・アンド・シュエル社製)に移す。該試験
管内にイソプロパノール1.3mlを添加し、穏やかな攪
拌処理を行った後、室温で2分間放置する。試験管内の
内容物を室温下、約1,500gで4分間の遠心分離処
理し、DNAをフイルターに付着させる。DNAをフイ
ルターに付着させた状態で、70%エタノール0.5ml
を試験管内に入れ、遠心分離処理をさらに2分間行う。
この処理操作を3回以上繰り返すことによって夾雑物を
完全に除去する。
レシバー管を除去し、蓋のないエッペンドルフ管(1.
5ml)を取り付ける。1mM EDTAおよび20μg/
mlのRNA分解酵素(RNase A)を含む10mMトリス
−塩酸緩衝液(pH8.0)0.1mlを該試験管内にい
れ、室温で30分間放置することによってDNAをフイ
ルターから溶出させる。該管とその内容物を室温下、約
1,500gで4分間の遠心分離処理に付す。
5ml)を取り付ける。1mM EDTAおよび20μg/
mlのRNA分解酵素(RNase A)を含む10mMトリス
−塩酸緩衝液(pH8.0)0.1mlを該試験管内にい
れ、室温で30分間放置することによってDNAをフイ
ルターから溶出させる。該管とその内容物を室温下、約
1,500gで4分間の遠心分離処理に付す。
得られた溶液10μlを別のエッペンドルフ管内に入れ
る。10倍濃度のEcoRI緩衝液[ニュー・イングラン
ド・バイオラブズ社(New England Biolabs)製]
1.2μlをEcoRI制御酵素1単位と共に添加し、得
られた溶液を37℃で2時間反応する。DNAフラグメ
ント含有溶液をゲル電気泳動法によって分析し、7.2
Kbの線状2本鎖DNAを確認する。
る。10倍濃度のEcoRI緩衝液[ニュー・イングラン
ド・バイオラブズ社(New England Biolabs)製]
1.2μlをEcoRI制御酵素1単位と共に添加し、得
られた溶液を37℃で2時間反応する。DNAフラグメ
ント含有溶液をゲル電気泳動法によって分析し、7.2
Kbの線状2本鎖DNAを確認する。
マニアチスらの前記文献に記載された方法によって同じ
培養液からDNAを精製した所、本発明による工程を用
いる上記方法の場合と同じ結果が得られることがゲル電
気泳動法による分析データーによって確認されたが、本
発明による工程を使用する事によって、単離されるDN
Aフラグメントの収量は著しく高くなる。
培養液からDNAを精製した所、本発明による工程を用
いる上記方法の場合と同じ結果が得られることがゲル電
気泳動法による分析データーによって確認されたが、本
発明による工程を使用する事によって、単離されるDN
Aフラグメントの収量は著しく高くなる。
実施例3 バクテリオファージM13からの鋳型DNAの単離 実施例2で用いた培養液を同様の低速遠心分離処理に付
す。バクテリオファージを含む遠心上澄を1.5M食塩
を含むポリエチレングリコール(PEG,分子量800
0)溶液2mlを入れておいた別の管に移す。この場合、
菌体を含む沈澱は用いない。攪拌を繰り返すことによっ
て、2種の溶液を管内で混合させ、これを室温で少なく
とも30分間放置する。
す。バクテリオファージを含む遠心上澄を1.5M食塩
を含むポリエチレングリコール(PEG,分子量800
0)溶液2mlを入れておいた別の管に移す。この場合、
菌体を含む沈澱は用いない。攪拌を繰り返すことによっ
て、2種の溶液を管内で混合させ、これを室温で少なく
とも30分間放置する。
該溶液を低速遠心分離処理(約1,500g)に10分
間付すことによってバクテリオファージを沈澱として分
離し、上澄は捨てる。
間付すことによってバクテリオファージを沈澱として分
離し、上澄は捨てる。
バクテリオファージをグルコース、EDTAを含トリス
−塩酸緩衝液(pH7.5)0.9ml中で攪拌処理により
懸濁した後、実施例1の試薬組成物0.7mlを加えて溶
解する。攪拌処理を行った後、残渣を低速遠心分離によ
って除去する。
−塩酸緩衝液(pH7.5)0.9ml中で攪拌処理により
懸濁した後、実施例1の試薬組成物0.7mlを加えて溶
解する。攪拌処理を行った後、残渣を低速遠心分離によ
って除去する。
得られた上澄を、孔径0.8ミクロンの酢酸セルロース
製フイルターおよび5mlのレシバー管を備えた遠心管
(シェリヒェ・アンド・シュエル社製)に移す。該試験
管内にイソプロパノール1.3mlを添加し、穏やかな攪
拌処理を行った後、室温で2分間放置する。試験官内の
内容物を室温下、約1,500gで4分間の遠心分離処
理し、DNAをフイルターに付着させる。DNAをフイ
ルターに付着させた状態で、70%エタノール0.5ml
を試験管内に入れ、遠心分離処理をさらに2分間行う。
この処理操作を3回以上繰り返すことによって夾雑物を
完全に除去する。
製フイルターおよび5mlのレシバー管を備えた遠心管
(シェリヒェ・アンド・シュエル社製)に移す。該試験
管内にイソプロパノール1.3mlを添加し、穏やかな攪
拌処理を行った後、室温で2分間放置する。試験官内の
内容物を室温下、約1,500gで4分間の遠心分離処
理し、DNAをフイルターに付着させる。DNAをフイ
ルターに付着させた状態で、70%エタノール0.5ml
を試験管内に入れ、遠心分離処理をさらに2分間行う。
この処理操作を3回以上繰り返すことによって夾雑物を
完全に除去する。
レシバー管を除去し、蓋のないエッペンドルフ管(1.
5ml)を取り付ける。1mM EDTAおよび20μg/
mlのRNA分解酵素(RNase A)を含む10mMト
リス−塩酸緩衝得(pH8.0)0.1mlを該試験管内に
いれ、室温で30分間放置することによってDNAをフ
イルターから溶出させる。該管とその内容物を室温下、
約1,500gで4分間の遠心分離処理に付す。
5ml)を取り付ける。1mM EDTAおよび20μg/
mlのRNA分解酵素(RNase A)を含む10mMト
リス−塩酸緩衝得(pH8.0)0.1mlを該試験管内に
いれ、室温で30分間放置することによってDNAをフ
イルターから溶出させる。該管とその内容物を室温下、
約1,500gで4分間の遠心分離処理に付す。
得られた溶液0.5μlをサンガーのジデオキシ・シ
ーケンシング・プロトコールにおいて使用する。DNA
フラグメント含有溶液をゲル電気泳動法によって分析
し、線状単鎖M13DNAを確認する。
ーケンシング・プロトコールにおいて使用する。DNA
フラグメント含有溶液をゲル電気泳動法によって分析
し、線状単鎖M13DNAを確認する。
マニアチスらの前記文献に記載された方法によって同じ
培養液からDNAを精製した所、本発明による工程を用
いる上記方法の場合と同じ結果が得られることがゲル電
気泳動法による分析データーによって確認されたが、本
発明による工程を使用する事によって、単離されるDN
Aフラグメントの収量は著しく高くなる。
培養液からDNAを精製した所、本発明による工程を用
いる上記方法の場合と同じ結果が得られることがゲル電
気泳動法による分析データーによって確認されたが、本
発明による工程を使用する事によって、単離されるDN
Aフラグメントの収量は著しく高くなる。
実施例4 自動化装置による2本鎖プラスミドDNAの単離 第1図に示す斜視図によって、自動化装置によるプラス
ミドの単離精製例を以下に説明する。
ミドの単離精製例を以下に説明する。
2倍濃度のL−broth5mlに、プラスミドpUC18で形
質転換した大腸菌JM101を接種し、37℃で一晩培
養する。該培養物を遠心管に移し、さらに試料保管部
(1)に、予め決められた順序にしたがってセツトする。
質転換した大腸菌JM101を接種し、37℃で一晩培
養する。該培養物を遠心管に移し、さらに試料保管部
(1)に、予め決められた順序にしたがってセツトする。
制御部(2)に試料数、遠心分離条件、各種試薬の添加量
などの必要なパラメーターを入力の後、スタートボタン
を押すことにより、操作を開始する。
などの必要なパラメーターを入力の後、スタートボタン
を押すことにより、操作を開始する。
試料を含む遠心管は遠心管の移動装置(3)によって遠心
分離器(4)を構成するローターの所定の位置に収納され
る。この状態の拡大斜視図を第2図に示す。予め定めら
れた数の遠心管を収納の後、制御部からの指令で4,0
00rpm(1,900g)、10分間の遠心分離によっ
て、プラスミドを含む菌体と培養液を分離する。
分離器(4)を構成するローターの所定の位置に収納され
る。この状態の拡大斜視図を第2図に示す。予め定めら
れた数の遠心管を収納の後、制御部からの指令で4,0
00rpm(1,900g)、10分間の遠心分離によっ
て、プラスミドを含む菌体と培養液を分離する。
遠心分離の終わった遠心管を遠心管の移動装置(3)を用
いて、廃液装置(5)に移動し、不用となった遠心上澄を
傾斜法で捨てる。菌体を含む遠心管は遠心管の移動装置
(3)を用い遠心分離器に戻す。
いて、廃液装置(5)に移動し、不用となった遠心上澄を
傾斜法で捨てる。菌体を含む遠心管は遠心管の移動装置
(3)を用い遠心分離器に戻す。
該遠心管に50mMグルコース、10mM EDTAおよび
10mMトリス−塩酸を含有する溶液(pH7.5)0.4
mlを加え、遠心器に付加した攪拌機能を利用した攪拌を
30秒間行い、菌体を懸濁する。ついで、1%SDSを
含有する0.2N NaOH0.6mlを添加し、同じ機
能を利用して該溶液を室温で30秒間穏やかに攪拌す
る。
10mMトリス−塩酸を含有する溶液(pH7.5)0.4
mlを加え、遠心器に付加した攪拌機能を利用した攪拌を
30秒間行い、菌体を懸濁する。ついで、1%SDSを
含有する0.2N NaOH0.6mlを添加し、同じ機
能を利用して該溶液を室温で30秒間穏やかに攪拌す
る。
この溶菌液に実施例1の試薬組成物0.6mlを添加す
る。該混合物を遠心器に付加した攪拌機能を用いて、室
温で30秒間攪拌し、ついで4,000rpm(1,90
0g)5分間の遠心分離処理を行う。この攪拌・遠心処
理を1−5回、好ましくは3回繰り返す。
る。該混合物を遠心器に付加した攪拌機能を用いて、室
温で30秒間攪拌し、ついで4,000rpm(1,90
0g)5分間の遠心分離処理を行う。この攪拌・遠心処
理を1−5回、好ましくは3回繰り返す。
遠心分離の終わった遠心管を遠心管の移動装置(3)によ
り、デカンテーシヨン装置(6)に移動し、上澄を予め遠
心管の移動装置(3)を用いてセツトしておいた新しい遠
心管に移す。
り、デカンテーシヨン装置(6)に移動し、上澄を予め遠
心管の移動装置(3)を用いてセツトしておいた新しい遠
心管に移す。
遠心上澄(1.2ml)を含む遠心管を遠心管の移動装置
(3)を用いて、遠心器にセツトし、該遠心管内にイソプ
ロパノール1.2mlを添加し、穏やかな攪拌処理を行っ
た後、生じた沈澱を4,000rpm(1,900g)で
10分間の遠心分離処理を行うことにより、プラスミド
を沈澱として得る。不用となった遠心上澄は遠心管の移
動装置(3)で遠心管を廃液装置(5)に移動し、デカンテー
シヨンにより取り除く。
(3)を用いて、遠心器にセツトし、該遠心管内にイソプ
ロパノール1.2mlを添加し、穏やかな攪拌処理を行っ
た後、生じた沈澱を4,000rpm(1,900g)で
10分間の遠心分離処理を行うことにより、プラスミド
を沈澱として得る。不用となった遠心上澄は遠心管の移
動装置(3)で遠心管を廃液装置(5)に移動し、デカンテー
シヨンにより取り除く。
プラスミドを含む該遠心管を再び遠心器にセツトし、7
0%エタノール1.0mlを加えた後、30秒間攪拌、
4,000rpm(1,900g)1分間の遠心分離処理
を行う。この処理操作を3回以上繰り返すことにより、
夾雑物を完全に除去する。なお、洗浄にもちいたエタノ
ールは遠心管の移動装置(3)と廃液装置(5)を併用するこ
とにより除く。
0%エタノール1.0mlを加えた後、30秒間攪拌、
4,000rpm(1,900g)1分間の遠心分離処理
を行う。この処理操作を3回以上繰り返すことにより、
夾雑物を完全に除去する。なお、洗浄にもちいたエタノ
ールは遠心管の移動装置(3)と廃液装置(5)を併用するこ
とにより除く。
沈澱状のプラスミドを含む遠心管に10mMトリス−塩酸
緩衝液(pH8.0)と1mM EDTAから成る試薬溶液
0.1mlを入れ、プラスミド溶液を得る。該遠心管を遠
心管の移動装置(3)を用いて、遠心管保管部(7)に、決め
られた順序でセツトする。
緩衝液(pH8.0)と1mM EDTAから成る試薬溶液
0.1mlを入れ、プラスミド溶液を得る。該遠心管を遠
心管の移動装置(3)を用いて、遠心管保管部(7)に、決め
られた順序でセツトする。
該DNA溶液10μlをゲル電気泳動法によって分析
し、2.7Kbの2本鎖DNAを確認する。
し、2.7Kbの2本鎖DNAを確認する。
マニアチスらの前記文献に記載された方法によって同じ
培養液からDNAを精製した所、本発明による工程を用
いる上記方法の場合と同じ結果が得られることがゲル電
気泳動法による分析データーによって確認されたが、本
発明による自動化装置を使用する事によって、単離され
るDNAフラグメントの収量は著しく高くなり、試料間
の収率の変動も少なくなる。さらにこのシステムによ
り、節約される時間は約40−50%であった。
培養液からDNAを精製した所、本発明による工程を用
いる上記方法の場合と同じ結果が得られることがゲル電
気泳動法による分析データーによって確認されたが、本
発明による自動化装置を使用する事によって、単離され
るDNAフラグメントの収量は著しく高くなり、試料間
の収率の変動も少なくなる。さらにこのシステムによ
り、節約される時間は約40−50%であった。
本発明による方法と装置は当業者であれば適宜修正変更
することができ、このような態様も本発明に包含される
ものである。
することができ、このような態様も本発明に包含される
ものである。
発明の効果 タンパク質や脂質が夾雑する菌体抽出液からDNAの単
離精製に本発明による方法および装置、特に自動化装置
を適用すれば従来法に比べて、DNA分子およびそのフ
ラグメントの単離精製を効率よく行うことが出来るだけ
でなく、DNA分子等の単離収量は著しく増加する。
離精製に本発明による方法および装置、特に自動化装置
を適用すれば従来法に比べて、DNA分子およびそのフ
ラグメントの単離精製を効率よく行うことが出来るだけ
でなく、DNA分子等の単離収量は著しく増加する。
第1図は本発明方法を実施するのに好適なDNA単離精
製用自動化装置の一態様を示す斜視図である。 第2図は第1図に示す装置に組み込まれた遠心分離器の
一態様を示す拡大斜視図である。 (1)は試料保管部、(2)は制御部、(3)は遠心管移動装
置、(4)は攪拌機構を有する遠心分離器、(5)は廃液装
置、(6)はデカンテーション装置、(7)は遠心管保管部を
示す。
製用自動化装置の一態様を示す斜視図である。 第2図は第1図に示す装置に組み込まれた遠心分離器の
一態様を示す拡大斜視図である。 (1)は試料保管部、(2)は制御部、(3)は遠心管移動装
置、(4)は攪拌機構を有する遠心分離器、(5)は廃液装
置、(6)はデカンテーション装置、(7)は遠心管保管部を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 篤機 京都府宇治市小倉町西浦82―15 (72)発明者 粕谷 明 京都府京都市左京区下鴨西半木町73
Claims (7)
- 【請求項1】培養液から遠心分離した細胞を室温下で、 (i)グルコース含有等張性緩衝液(第1溶液)、 (ii)第1溶液、界面活性剤および塩を含有する溶液
(第2溶液)、および (iii)第2溶液およびDNAの溶解作用と除タンパク
質作用を有する試薬組成物を含有する溶液(第3溶液) の各溶液中における攪拌処理に順次付すことによって、
該細胞の溶解と除タンパク質処理をおこなった後、第3
溶液から細胞質残渣を遠心分離処理によつて除去するこ
とを特徴とするDNAの単離精製法。 - 【請求項2】細胞が、真核細胞、原核細胞およびウイル
スで感染された細胞のいずれかである請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】DNAが2本鎖プラスミドDNAまたは1
本鎖バクテリオファージDNAを含む請求項1記載の方
法。 - 【請求項4】バクテリオファージがM13である請求項
3記載の方法。 - 【請求項5】培養液中に残存する宿主細胞を低速遠心分
離に付すことによって、バクテリオファージから分離
し、ついで該遠心上清をさらに遠心分離処理に付すこと
によって、培養液からバクテリオファージを分離させる
請求項1記載の方法。 - 【請求項6】第3溶液から細胞質残渣を除去した残液に
アルコールを添加することによってDNAを沈澱させ、
該沈澱を、アルコール溶液を用いて洗浄した後、低イオ
ン強度緩衝液を用いて溶解させる請求項1〜4いずれか
に記載の方法。 - 【請求項7】培養液からの細胞の遠心分離手段、分離し
た細胞の溶解と除タンパク質処理用溶液の供給手段、分
離した細胞を含有する該処理用溶液の攪拌手段および該
処理用溶液からの細胞質残渣の遠心分離手段を備えたこ
とを特徴とするDNAの単離精製用装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1113926A JPH0666B2 (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | Dnaの単離精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1113926A JPH0666B2 (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | Dnaの単離精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02295484A JPH02295484A (ja) | 1990-12-06 |
JPH0666B2 true JPH0666B2 (ja) | 1994-01-05 |
Family
ID=14624655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1113926A Expired - Fee Related JPH0666B2 (ja) | 1989-05-02 | 1989-05-02 | Dnaの単離精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0666B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU691574B2 (en) | 1994-02-07 | 1998-05-21 | Qiagen Gmbh | Process for producing endotoxin-free or endotoxin-poor nucleic acids and/or oligonucleotides for gene therapy |
DK1121460T3 (da) * | 1998-10-23 | 2010-09-20 | Qiagen Ges Mit Beschraenkter H | Fremgangsmåde og middel til isolering og oprensning af nucleinsyrer på overflader |
US7771716B2 (en) | 2001-12-07 | 2010-08-10 | Cytori Therapeutics, Inc. | Methods of using regenerative cells in the treatment of musculoskeletal disorders |
US8105580B2 (en) | 2001-12-07 | 2012-01-31 | Cytori Therapeutics, Inc. | Methods of using adipose derived stem cells to promote wound healing |
US7585670B2 (en) | 2001-12-07 | 2009-09-08 | Cytori Therapeutics, Inc. | Automated methods for isolating and using clinically safe adipose derived regenerative cells |
KR100930139B1 (ko) | 2001-12-07 | 2009-12-07 | 사이토리 테라퓨틱스, 인크. | 처리된 리포애스퍼레이트 세포로 환자를 치료하기 위한시스템 및 방법 |
US20050095228A1 (en) | 2001-12-07 | 2005-05-05 | Fraser John K. | Methods of using regenerative cells in the treatment of peripheral vascular disease and related disorders |
US9597395B2 (en) | 2001-12-07 | 2017-03-21 | Cytori Therapeutics, Inc. | Methods of using adipose tissue-derived cells in the treatment of cardiovascular conditions |
EP2380970B1 (en) * | 2003-06-25 | 2017-12-20 | Cytori Therapeutics, Inc. | Systems and methods for separating and concentrating regenerative cells from tissue |
WO2010021993A1 (en) | 2008-08-19 | 2010-02-25 | Cytori Therapeutics, Inc. | Methods of using adipose tissue-derived cells in the treatment of the lymphatic system and malignant disease |
AU2010242780B2 (en) | 2009-05-01 | 2016-04-21 | Puregraft Llc | Systems, methods and compositions for optimizing tissue and cell enriched grafts |
CN114703173B (zh) * | 2022-03-18 | 2023-06-06 | 福建省农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 | 一种λ噬菌体DNA提取试剂盒及提取方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6010056A (ja) * | 1983-06-30 | 1985-01-19 | 旭硝子株式会社 | 重ね下見板の施工方法 |
-
1989
- 1989-05-02 JP JP1113926A patent/JPH0666B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6010056A (ja) * | 1983-06-30 | 1985-01-19 | 旭硝子株式会社 | 重ね下見板の施工方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02295484A (ja) | 1990-12-06 |
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