JPH0725004Y2 - コンバインの横搬送スクリューコンベア支持部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンバインの横搬送スクリューコンベア支持
部構造に係り、詳しくは、穀粒タンクから送り出された
穀粒を上方へ搬送する縦搬送スクリューコンベアの上端
部に、横搬送スクリューコンベアを起伏揺動可能に連結
するとともに、倒伏格納姿勢の前記横送りスクリューコ
ンベアを機体に装着した支持部材上端の受止め部で支持
してあるコンバインの横送りスクリューコンベア支持部
構造に関する。

〔従来の技術〕

以前に、前記した構成を持つコンバインの一例として、
実願昭63-126488号で示されたものが本出願人によって
提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記提案技術では、横搬送スクリューコンベアを受止め
支持する支持部材は、機体のフレームから立設した角パ
イプ製で成り、上端に受止め部を載設してあるととも
に、前記支持部材の途中部を操縦搭に連結し、また、補
強板を添えて補強しながら機体フレームに取り付けてあ
るものであったが、次のような不具合のあることが判明
してきた。

すなわち、横搬送スクリューコンベアを下降揺動して受
止め部に載置するときの衝撃的荷重を繰り返し作用させ
ると、支持部材の補強部分に亀裂等の損傷の生じるおそ
れがあるのである。そして、それは、前記荷重による衝
撃がそのまま補強部分に伝達されてしまうことに起因し
ているということが判ってきた。

本考案は上記実状に鑑みて、前記不具合のない支持部構
造を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案は、冒頭に記載したコ
ンバインの横搬送スクリューコンベア支持部構造におい
て、前記支持部材を機体フレームから鉛直上方へ立設す
るとともに、前記支持部材に、前記受止め部に作用する
下方への荷重に対して弾性変位可能な屈曲部を設けてあ
ることを特徴構成とする。

〔作用〕

前記構成によれば、鉛直方向に立設したことによって、
その支持部材の耐座屈強さが最も有効に発揮されるよう
になるとともに、屈曲部の存在によって、受止め部に下
向きの衝撃的荷重が作用しても、その衝撃が屈曲部以下
には伝わり難くなる。

〔考案の効果〕

従って、横搬送スクリューコンベアの支持部材を機体フ
レームから鉛直方向に立設させたことによって、比較的
長さの長くなる支持部材の座屈のおそれを可及的に解消
できるとともに、横搬送スクリューコンベアを受止め部
に載置するときの衝撃は屈曲部によって吸収されるので
支持部材の補強部、取付部が前記衝撃の繰り返しによっ
て損傷するおそれも可及的に解消し得た。

しかも、その手段は支持部材の途中に屈曲部を形成する
だけの極めて簡単な改造によるものであるから経済的に
所期した効果を得られる利点もある。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図、および第３図に、本考案に係るコンバ
インが示されている。このコンバインは、機体前部の刈
取部（１）で刈取られ、縦搬送装置（２）で送られてき
た穀稈を、フィードチェーン（３）で縦送りしながら扱
ぎ処理する扱室（４）を機体左側後方に、および、扱ぎ
処理された処理物を貯留するグレンタンク（５）を機体
右側後方に備えるとともに、前記グレンタンク（５）内
の処理物を外部へ搬送するスクリューコンベア型のアン
ローダ装置（６）を設けてある。

前記扱室（４）は、第１図で示すように、扱胴（７）を
備えた上部扱室ケース（4a）を、フィードチェーン
（３）を備えた下部扱室ケース（4b）に対して、機体前
後方向の横軸芯（Ｐ₁）回りに揺動開閉可能に構成され
ている。

又、このコンバインでは前記縦搬送装置（２）が配置さ
れた穀稈搬送経路の上方を覆う防塵カバー（Ｅ）が上部
扱室ケース（4a）側に付設してあり、刈取部（１）で発
生する塵埃が操縦部（14）に侵入することを防止してい
る。

前記グレンタンク（５）内の処理物を外部へ搬送するス
クリューコンベア型のアンローダ装置（６）は、前記グ
レンタンク（５）の後部に、グレンタンク（５）内の処
理物を上方に揚送する縦搬送スクリューコンベア（８）
を取付け、この縦搬送スクリューコンベア（８）の上端
に、これからの処理物を横方向に搬送する横搬送スクリ
ューコンベア（９）を、軸心（Ｐ₂）周りに旋回自在
で、かつ、横向き軸心（Ｐ₃）周りに起伏揺動自在に連
設して構成されている。前記横搬送スクリューコンベア
（９）は、モータ（10）によって回転駆動されるととも
に、油圧シリンダ（11）によって起伏揺動されるように
構成してある。

第３図および第４図に示すように、グレンタンク（５）
の前方には操縦席（12）、操作板（13）等を備えた操縦
部（14）を配置してある。

第１図に示すように、操作板（13）の横側部で、入口プ
レート（図示せず）の搬送穀稈穂先側には、倒伏格納姿
勢の横搬送スクリューコンベア（９）を受止め支持する
支持部材（15）を機体フレーム（19）から鉛直上方へ立
設するとともに、前記支持部材（15）に、この支持部材
（15）の上端に形成の受止め部（16）に作用する下方へ
の荷重に対して弾性変位可能な屈曲部（20）を設けてあ
る。この支持部材（15）の下部と機体フレーム（19）と
に亘って補強部材（18）が架設されているとともに、そ
の支持部材（15）上端に、前記アンローダ装置（６）の
横搬送スクリューコンベア（９）を受止め支持する受止
め部としての受止具（16）を連設してある。

前記受止具（16）は、上向きＵ字状に形成してあり、円
筒状の横搬送スクリューコンベア（９）を載せるように
してある。

前記屈曲部（20）は正面視において扱室（４）側に開口
する半円弧形状であり、第２図に示すように断面を箱状
とした板材から成っている。そして、この屈曲部（20）
の上下面に上部支柱（15a）、下部支柱（15b）を鉛直同
心状に固着して支持部材（15）を構成している。

また、第１図に示すように前記屈曲部（20）は、その湾
入部分（21）に、扱室（４）を開いた状態における防塵
カバー（Ｅ）の角部（22）が入り込むように配置構成し
てあり、これによって扱室（４）の揺動開閉操作の妨げ
になることなく操作板（13）の横側部に支持部材（15）
を配設してあるものである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの横搬送スクリューコン
ベア支持部構造の実施例を示し、第１図は全体正面図、
第２図は支持部材の要部斜視図、第３図、第４図はそれ
ぞれコンバインの側面図、平面図である。 （５）……穀粒タンク、（８）……縦搬送スクリューコ
ンベア、（９）……横搬送スクリューコンベア、（15）
……支持部材、（16）……受止め部、（19）……機体フ
レーム、（20）……屈曲部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】穀粒タンク（５）から送り出された穀粒を
   上方へ搬送する縦搬送スクリューコンベア（８）の上端
   部に、横搬送スクリューコンベア（９）を起伏揺動可能
   に連結するとともに、倒伏格納姿勢の前記横送りスクリ
   ューコンベア（９）を機体に装着した支持部材（15）上
   端の受止め部（16）で支持してあるコンバインの横送り
   スクリューコンベア支持部構造であって、前記支持部材
   （15）を機体フレーム（19）から鉛直上方へ立設すると
   ともに、前記支持部材（15）に、前記受止め部（16）に
   作用する下方への荷重に対して弾性変位可能な屈曲部
   （20）を設けてあるコンバインの横搬送スクリューコン
   ベア支持部構造。