JPH07247373A - シート状蛋白質成形材ならびにその製法 - Google Patents
シート状蛋白質成形材ならびにその製法Info
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- JPH07247373A JPH07247373A JP7825094A JP7825094A JPH07247373A JP H07247373 A JPH07247373 A JP H07247373A JP 7825094 A JP7825094 A JP 7825094A JP 7825094 A JP7825094 A JP 7825094A JP H07247373 A JPH07247373 A JP H07247373A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 感触、保湿性、透湿性等に優れ、軽量な蛋白
質由来の新規素材の提供 【構成】 粉末あるいは繊維状もしくは液状蛋白質をト
ランスグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダー
ゼ酵素で架橋接着させてシート状蛋白質成形材とする。
質由来の新規素材の提供 【構成】 粉末あるいは繊維状もしくは液状蛋白質をト
ランスグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダー
ゼ酵素で架橋接着させてシート状蛋白質成形材とする。
Description
【技術分野】本発明は動物性、植物性あるいは微生物由
来の蛋白質をトランスグルタミナーゼおよび/またはリ
ジルオキシダーゼにより架橋結合させて得られるシート
状の蛋白質成形材に関するものである。本発明はまたか
かるシート状蛋白質材の製造法にも関する。
来の蛋白質をトランスグルタミナーゼおよび/またはリ
ジルオキシダーゼにより架橋結合させて得られるシート
状の蛋白質成形材に関するものである。本発明はまたか
かるシート状蛋白質材の製造法にも関する。
【0002】
【従来技術】蛋白質素材の内、羊、カシミヤ、モヘア、
アンゴラ、ラクダ、アルパカ等の比較的長繊維長の獣毛
あるいはカイコ絹糸等は糸として編み物あるいは織布と
して利用され、また糸状に成しえない3cm程度までの
比較的短繊維長のものは不織布等として用いられてき
た。さらに動物性蛋白質の内、特にカゼイン等はフォル
ムアルデヒド変性のあと、加圧成形により、ボタン、櫛
あるいは装飾品等に利用されてきた。
アンゴラ、ラクダ、アルパカ等の比較的長繊維長の獣毛
あるいはカイコ絹糸等は糸として編み物あるいは織布と
して利用され、また糸状に成しえない3cm程度までの
比較的短繊維長のものは不織布等として用いられてき
た。さらに動物性蛋白質の内、特にカゼイン等はフォル
ムアルデヒド変性のあと、加圧成形により、ボタン、櫛
あるいは装飾品等に利用されてきた。
【0003】しかしながら、3cmに満たない短繊維状
あるいは粉末状の獣毛あるいはカイコ絹糸とか羽軸のあ
る羽毛、鳥獣類のひずめ、角、嘴、爪、うろこ、甲羅、
コラーゲン等の動物性蛋白質や、各種の植物性蛋白質材
料、微生物蛋白質を、シート、布あるいはマット材の様
なシート状製品とすることは技術的問題、ニーズあるい
はコスト面の問題等から従来全く省みられなかった。
あるいは粉末状の獣毛あるいはカイコ絹糸とか羽軸のあ
る羽毛、鳥獣類のひずめ、角、嘴、爪、うろこ、甲羅、
コラーゲン等の動物性蛋白質や、各種の植物性蛋白質材
料、微生物蛋白質を、シート、布あるいはマット材の様
なシート状製品とすることは技術的問題、ニーズあるい
はコスト面の問題等から従来全く省みられなかった。
【0004】人の皮膚、毛髪その他各種部位はもともと
蛋白質で構成されており、保温、通気、透湿性等の点で
極めてすぐれた特性を有するから、従来利用されていな
かった様な蛋白質からシート、布あるいはマット類等の
シート状成形物が得られるならば、保温性、通気性、透
湿性等物性の点で特段に優れ、しかも微生物による分解
で環境保全に役立ち、資源活用にも繋がる画期的新素材
が提供せられることとなる。
蛋白質で構成されており、保温、通気、透湿性等の点で
極めてすぐれた特性を有するから、従来利用されていな
かった様な蛋白質からシート、布あるいはマット類等の
シート状成形物が得られるならば、保温性、通気性、透
湿性等物性の点で特段に優れ、しかも微生物による分解
で環境保全に役立ち、資源活用にも繋がる画期的新素材
が提供せられることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】そこで従来十分には
活用されていなかった動物性蛋白質、植物性蛋白質ある
いは微生物由来の蛋白質素材から簡単な操作で、合成樹
脂等の接着剤を使用する事無くあるいはその量を極僅か
にして、シート状成形物が得られるならば、資源の活
用、環境保全のみならず、保温性、透湿性等での特段に
すぐれた特性を有する画期的な新素材が誕生することに
なり、産業上益するところ極めて大と言うべきである。
かかる課題に応えることが本発明目的である。
活用されていなかった動物性蛋白質、植物性蛋白質ある
いは微生物由来の蛋白質素材から簡単な操作で、合成樹
脂等の接着剤を使用する事無くあるいはその量を極僅か
にして、シート状成形物が得られるならば、資源の活
用、環境保全のみならず、保温性、透湿性等での特段に
すぐれた特性を有する画期的な新素材が誕生することに
なり、産業上益するところ極めて大と言うべきである。
かかる課題に応えることが本発明目的である。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明に従えば上記発明
目的が粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白質をトラ
ンスグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダーゼ
酵素で架橋接着させシート状蛋白質成形材を得ることに
より達成せられる。
目的が粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白質をトラ
ンスグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダーゼ
酵素で架橋接着させシート状蛋白質成形材を得ることに
より達成せられる。
【0007】本発明で使用せられる蛋白質素材は動物性
蛋白質素材、例えばイカ肉、鳥獣類のひずめ、角、嘴、
爪、うろこ、甲羅、羽毛、羊毛等の獣毛類、絹、コラー
ゲン、ゼラチン、革粉末、卵白、カゼイン等および植物
性蛋白質素材たとえば濃縮大豆蛋白、小麦蛋白、トウモ
ロコシ蛋白等あるいはそれらに脂質、炭水化物などを含
んだ天然素材、ならびに微生物由来の蛋白質、合成ポリ
アミノ酸、蛋白部分分解物等、由来のいかんを問わず任
意の動物性、植物性、及び微生物性蛋白質素材、あるい
はそれらの配合物が粉末状あるいは繊維状もしくは液状
で有効に利用せられる。特に注目せられる蛋白質素材は
繊維長3cm以下の従来糸あるいは不織布に利用されえ
なかった様な獣毛、羽毛、絹、イカ肉あるいは各種植物
性蛋白質および微生物蛋白質である。
蛋白質素材、例えばイカ肉、鳥獣類のひずめ、角、嘴、
爪、うろこ、甲羅、羽毛、羊毛等の獣毛類、絹、コラー
ゲン、ゼラチン、革粉末、卵白、カゼイン等および植物
性蛋白質素材たとえば濃縮大豆蛋白、小麦蛋白、トウモ
ロコシ蛋白等あるいはそれらに脂質、炭水化物などを含
んだ天然素材、ならびに微生物由来の蛋白質、合成ポリ
アミノ酸、蛋白部分分解物等、由来のいかんを問わず任
意の動物性、植物性、及び微生物性蛋白質素材、あるい
はそれらの配合物が粉末状あるいは繊維状もしくは液状
で有効に利用せられる。特に注目せられる蛋白質素材は
繊維長3cm以下の従来糸あるいは不織布に利用されえ
なかった様な獣毛、羽毛、絹、イカ肉あるいは各種植物
性蛋白質および微生物蛋白質である。
【0008】本発明ではこれら蛋白質が、トランスグル
タミナーゼおよび/またはリジルオキシダーゼ酵素で架
橋接着せしめられてシート状蛋白質成形材がつくられ
る。トランスグルタミナーゼおよびリジルオキシダーゼ
は高等動物の諸組織、血液細胞、血漿等に広く存在し、
またStreptoverticillium属の如き
ある種微生物の培養ろ液中にも分泌せられ、比較的量産
も可能となった酵素であり、同種あるいは異種蛋白質分
子間でとくにグルタミンとリジンの間あるいはリジンと
他のアミノ酸との間で共有結合性の架橋結合を形成せし
める作用がある。
タミナーゼおよび/またはリジルオキシダーゼ酵素で架
橋接着せしめられてシート状蛋白質成形材がつくられ
る。トランスグルタミナーゼおよびリジルオキシダーゼ
は高等動物の諸組織、血液細胞、血漿等に広く存在し、
またStreptoverticillium属の如き
ある種微生物の培養ろ液中にも分泌せられ、比較的量産
も可能となった酵素であり、同種あるいは異種蛋白質分
子間でとくにグルタミンとリジンの間あるいはリジンと
他のアミノ酸との間で共有結合性の架橋結合を形成せし
める作用がある。
【0009】天然の蛋白質素材の分子中にはグルタミン
もリジンも構成成分として含まれるので、粉末あるいは
繊維状の蛋白質にこういった酵素を作用させると0゜〜
90℃の温度で10数分〜24時間で前述の如き架橋が
同一あるいは異種分子間で生じ粉末あるいは繊維状蛋白
質の結合による接合がえられる。
もリジンも構成成分として含まれるので、粉末あるいは
繊維状の蛋白質にこういった酵素を作用させると0゜〜
90℃の温度で10数分〜24時間で前述の如き架橋が
同一あるいは異種分子間で生じ粉末あるいは繊維状蛋白
質の結合による接合がえられる。
【0010】かかる酵素は単離精製された粉体のままで
も、あるいは該酵素と酵素を失活せしめない添加増量剤
との配合物の形であっても、あるいはこれら酵素産生微
生物菌の培養物を生菌のまま直接使用してもかまわな
い。
も、あるいは該酵素と酵素を失活せしめない添加増量剤
との配合物の形であっても、あるいはこれら酵素産生微
生物菌の培養物を生菌のまま直接使用してもかまわな
い。
【0011】本発明のシート状蛋白質成形材は最も単純
には粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白質を例えば
カード機その他によりシート状に成形し、乾式法ではト
ランスグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダー
ゼを粉末あるいは水性液散布のかたちで、また湿式法で
は前記水性液中に成形物を浸漬して液を含浸させるかた
ちで適用し、高湿度雰囲気あるいは大気中に保持するこ
とにより、蛋白質分子間の架橋を行わしめ、蛋白質のみ
からなるシート状物を得ることが出来る。
には粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白質を例えば
カード機その他によりシート状に成形し、乾式法ではト
ランスグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダー
ゼを粉末あるいは水性液散布のかたちで、また湿式法で
は前記水性液中に成形物を浸漬して液を含浸させるかた
ちで適用し、高湿度雰囲気あるいは大気中に保持するこ
とにより、蛋白質分子間の架橋を行わしめ、蛋白質のみ
からなるシート状物を得ることが出来る。
【0012】本発明においてはまたこのトランスグルタ
ミナーゼあるいはリジルオキシダーゼを該酵素を失活せ
しめない添加増量剤とともに粉体の形状で、または水あ
るいは水と水混和性有機溶剤の混液に溶解ないしは分散
させた水性液の形で用い、こういった添加増量剤自体に
よる接着、粉末あるいは繊維状蛋白質素材の絡み合い、
及びトランスグルタミナーゼあるいはリジルオキシダー
ゼの作用による蛋白質分子間の架橋反応による結合でよ
り好ましい接合を達成することも出来る。
ミナーゼあるいはリジルオキシダーゼを該酵素を失活せ
しめない添加増量剤とともに粉体の形状で、または水あ
るいは水と水混和性有機溶剤の混液に溶解ないしは分散
させた水性液の形で用い、こういった添加増量剤自体に
よる接着、粉末あるいは繊維状蛋白質素材の絡み合い、
及びトランスグルタミナーゼあるいはリジルオキシダー
ゼの作用による蛋白質分子間の架橋反応による結合でよ
り好ましい接合を達成することも出来る。
【0013】この場合添加増量剤としては酵素活性を阻
害することの無い任意の増量剤、例えばデンプン、タル
ク、リン酸塩、L−アスコルビン酸塩、乳酸カルシウム
等が用いられ、また合成あるいは天然接着剤等であって
もかまわないが、特に好ましい増量剤としてはイカ肉、
カゼイン、ゼラチン、卵白、にかわ、コラーゲン、大豆
タンパク、小麦タンパク等の蛋白質、合成ポリアミノ
酸、蛋白部分分解物等も増量目的に使用出来、その場合
はこれら蛋白質、ポリアミノ酸は前記の酵素で蛋白質素
材と架橋反応し得るものである。さらに前述の如く酵素
産生微生物、例えばStreptoverticill
ium属菌、の培養液あるいはその凍結乾燥物を使用す
ることも出来る。
害することの無い任意の増量剤、例えばデンプン、タル
ク、リン酸塩、L−アスコルビン酸塩、乳酸カルシウム
等が用いられ、また合成あるいは天然接着剤等であって
もかまわないが、特に好ましい増量剤としてはイカ肉、
カゼイン、ゼラチン、卵白、にかわ、コラーゲン、大豆
タンパク、小麦タンパク等の蛋白質、合成ポリアミノ
酸、蛋白部分分解物等も増量目的に使用出来、その場合
はこれら蛋白質、ポリアミノ酸は前記の酵素で蛋白質素
材と架橋反応し得るものである。さらに前述の如く酵素
産生微生物、例えばStreptoverticill
ium属菌、の培養液あるいはその凍結乾燥物を使用す
ることも出来る。
【0014】上記の酵素あるいは酵素含有配合物あるい
は培養物を水性液の形で使用する場合、酵素濃度として
は製品の所望結合強度を考慮し0.01〜10重量%程
度の液を用いることが好ましい。なを該水性液には補酵
素、賦活剤、pH緩衝剤等も所望により添加せられる。
は培養物を水性液の形で使用する場合、酵素濃度として
は製品の所望結合強度を考慮し0.01〜10重量%程
度の液を用いることが好ましい。なを該水性液には補酵
素、賦活剤、pH緩衝剤等も所望により添加せられる。
【0015】予め成形された蛋白質シートをこのトラン
スグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダーゼ酵
素あるいは該酵素を失活せしめない添加増量剤を含む水
性液中に浸漬し、余分な液を除去してから高湿度雰囲気
あるいは大気中で蛋白質分子間の架橋を蛋白質シートの
全厚みにわたり生ぜしめることも出来るし、またスプレ
ーあるいは塗布により予め成形された蛋白質シートの表
面に適用し0゜〜90℃の温度で溶液の一部をシート地
に浸透せしめつつ、蛋白質分子間の架橋、接合を実施せ
しめ、傾斜性を有する蛋白質シート状成形物を得ること
も出きる。
スグルタミナーゼおよび/またはリジルオキシダーゼ酵
素あるいは該酵素を失活せしめない添加増量剤を含む水
性液中に浸漬し、余分な液を除去してから高湿度雰囲気
あるいは大気中で蛋白質分子間の架橋を蛋白質シートの
全厚みにわたり生ぜしめることも出来るし、またスプレ
ーあるいは塗布により予め成形された蛋白質シートの表
面に適用し0゜〜90℃の温度で溶液の一部をシート地
に浸透せしめつつ、蛋白質分子間の架橋、接合を実施せ
しめ、傾斜性を有する蛋白質シート状成形物を得ること
も出きる。
【0016】またべつの態様において粉末、繊維状ある
いは液状蛋白質と、トランスグルタミナーゼおよび/ま
たはリジルオキシダーゼ、あるいはこれら酵素と上述の
如き他の増量剤との溶液あるいは酵素産生微生物の培養
液を混合し離型紙に塗布したものを、予め織物、編み
物、不織布等に成形せられた蛋白質を含むシートに酵素
あるいは酵素の添加された蛋白質層が面接する様に押し
当て、この積層物を例えば約20〜60℃に保持して蛋
白質を接合せしめた後、離型紙を剥離することにより皮
質層を有する蛋白質シートを作ることも出来る。
いは液状蛋白質と、トランスグルタミナーゼおよび/ま
たはリジルオキシダーゼ、あるいはこれら酵素と上述の
如き他の増量剤との溶液あるいは酵素産生微生物の培養
液を混合し離型紙に塗布したものを、予め織物、編み
物、不織布等に成形せられた蛋白質を含むシートに酵素
あるいは酵素の添加された蛋白質層が面接する様に押し
当て、この積層物を例えば約20〜60℃に保持して蛋
白質を接合せしめた後、離型紙を剥離することにより皮
質層を有する蛋白質シートを作ることも出来る。
【0017】あるいはまた粉末あるいは繊維状もしくは
液状の蛋白質と、トランスグルタミナーゼおよび/また
はリジルオキシダーゼ酵素あるいは該酵素を失活せしめ
ない添加増量剤と酵素との配合物あるいは酵素産生微生
物培養物を水あるいは水と水混和性有機溶剤の混液と混
合し、シート状に塗布あるいは押し出し成形した後、蛋
白質を接合せしめることにより目的のシート状蛋白質成
形材を得ることも出来る。トランスグルタミナーゼおよ
び/またはリジルオキシダーゼ酵素による蛋白質の架橋
は 0〜90℃の温度で、好適には20〜60℃の温度
で十分な架橋が達成せられるまで実施せられるが、たと
えば酵素1%の水性液を用いた場合40〜50℃で数時
間の架橋を実施すればよい。
液状の蛋白質と、トランスグルタミナーゼおよび/また
はリジルオキシダーゼ酵素あるいは該酵素を失活せしめ
ない添加増量剤と酵素との配合物あるいは酵素産生微生
物培養物を水あるいは水と水混和性有機溶剤の混液と混
合し、シート状に塗布あるいは押し出し成形した後、蛋
白質を接合せしめることにより目的のシート状蛋白質成
形材を得ることも出来る。トランスグルタミナーゼおよ
び/またはリジルオキシダーゼ酵素による蛋白質の架橋
は 0〜90℃の温度で、好適には20〜60℃の温度
で十分な架橋が達成せられるまで実施せられるが、たと
えば酵素1%の水性液を用いた場合40〜50℃で数時
間の架橋を実施すればよい。
【0018】本発明のシート状蛋白質成形材は、原料素
材の選択ならびに配合割合、圧力の適用、発泡材の使用
等により1mm以下の緻密なシートから数10センチあ
るいはそれ以上の極めて嵩高い発泡あるいは気泡含有シ
ート材まで自由に製品をつくることが可能である。また
粉末あるいは繊維状の蛋白質を酵素あるいは酵素含有蛋
白質を用いて接合させることにより100%蛋白質から
なるシート材が得られるだけでなく、原料素材に他の非
蛋白質素材、例えばセルローズ、キチン等の天然繊維あ
るいはポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、ポリ
スチレン、ポリウレタン等の合成繊維、ゴム等を所望に
より配合し、それらとの混合シート材、および長繊維で
はニードルパンチ機などで三次元化し複合シート材をう
ることも出来る。模様入りの離型紙をもちいるとか、平
滑なシート表面を型押しで模様入りにすることも自在で
ある。さらに、所望により接着目的で他の接着剤を併用
することもできるし、蛋白質素材に、所望により柔軟
剤、可塑剤、染料、顔料、抗菌剤、紫外線吸収剤等通常
のシート材添加物を配合することも可能である。なお得
られたシート材を例えばアルデヒド処理、紫外線照射、
電子線照射等での後処理にふし、シート強度をさらに増
すこともできる。羽毛分の増量あるいは発泡材の使用で
独立気泡あるいは連続気泡の通気性、保温性の特に優れ
た素材をあたえることも出来、これらはいずれも本発明
の技術的範囲内に属する。
材の選択ならびに配合割合、圧力の適用、発泡材の使用
等により1mm以下の緻密なシートから数10センチあ
るいはそれ以上の極めて嵩高い発泡あるいは気泡含有シ
ート材まで自由に製品をつくることが可能である。また
粉末あるいは繊維状の蛋白質を酵素あるいは酵素含有蛋
白質を用いて接合させることにより100%蛋白質から
なるシート材が得られるだけでなく、原料素材に他の非
蛋白質素材、例えばセルローズ、キチン等の天然繊維あ
るいはポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、ポリ
スチレン、ポリウレタン等の合成繊維、ゴム等を所望に
より配合し、それらとの混合シート材、および長繊維で
はニードルパンチ機などで三次元化し複合シート材をう
ることも出来る。模様入りの離型紙をもちいるとか、平
滑なシート表面を型押しで模様入りにすることも自在で
ある。さらに、所望により接着目的で他の接着剤を併用
することもできるし、蛋白質素材に、所望により柔軟
剤、可塑剤、染料、顔料、抗菌剤、紫外線吸収剤等通常
のシート材添加物を配合することも可能である。なお得
られたシート材を例えばアルデヒド処理、紫外線照射、
電子線照射等での後処理にふし、シート強度をさらに増
すこともできる。羽毛分の増量あるいは発泡材の使用で
独立気泡あるいは連続気泡の通気性、保温性の特に優れ
た素材をあたえることも出来、これらはいずれも本発明
の技術的範囲内に属する。
【0019】本発明の蛋白質シート状成形物は合成樹脂
等の接着剤を使用していないので、あるいは併用すると
しても合成樹脂接着剤量が僅かですみ、製造に際し公害
等の問題を生じることなく、また粉末あるいは繊維状の
蛋白質の接合が分子間の架橋によるものであるため強固
な接合となっていて繊維のほぐれ等脱落が少なく、蛋白
質繊維の特性例えば触感、保温性、吸湿透湿性、通気性
等が100%発揮され、適当な型を用いればその成形の
自由であって、たとえばキルテイング芯材、布地、芯
地、クッション材、寝装具、ロ過材、フィルターキレー
ト材、不織布、合成皮革、人工皮革、再生皮革、断熱保
温材、壁紙、床材、カーペット材、コーテイング材、べ
つ甲、装飾品、印鑑材、象牙、ボタン、クシ母材、全天
候型タイヤ等の分野で有用でありあるいは長繊維糸にも
なり得る極めて有用な新規素材である。しかも蛋白質は
生分解性であるから環境保全のうえからも極めて望まし
い新規素材というべきである。
等の接着剤を使用していないので、あるいは併用すると
しても合成樹脂接着剤量が僅かですみ、製造に際し公害
等の問題を生じることなく、また粉末あるいは繊維状の
蛋白質の接合が分子間の架橋によるものであるため強固
な接合となっていて繊維のほぐれ等脱落が少なく、蛋白
質繊維の特性例えば触感、保温性、吸湿透湿性、通気性
等が100%発揮され、適当な型を用いればその成形の
自由であって、たとえばキルテイング芯材、布地、芯
地、クッション材、寝装具、ロ過材、フィルターキレー
ト材、不織布、合成皮革、人工皮革、再生皮革、断熱保
温材、壁紙、床材、カーペット材、コーテイング材、べ
つ甲、装飾品、印鑑材、象牙、ボタン、クシ母材、全天
候型タイヤ等の分野で有用でありあるいは長繊維糸にも
なり得る極めて有用な新規素材である。しかも蛋白質は
生分解性であるから環境保全のうえからも極めて望まし
い新規素材というべきである。
【0020】以下実施例により本発明を説明する。
【0021】
【実施例1】 湿式法によるシート 羽軸除去羽毛(平均繊維長0.5cm)とコラーゲン粒
子(平均粒径60μm)の7:3重量比からなる抄紙液
より抄紙し、トランスグルタミナーゼ1%(w/w),
Cacl2 0.2%(w/w)を含有するカゼイン1
0%(w/w)水溶液を均一にスプレー塗布した。これ
を50℃、95%相対湿度で2時間保持した後、100
℃でトランスグルタミナーゼの失活と乾燥を同時におこ
なわせた。かくして得られたシートは適度に点接着され
脱落もなく、触感、保温性、通気性、吸透湿性、防縮
性、強度に優れた蛋白質シートであった。
子(平均粒径60μm)の7:3重量比からなる抄紙液
より抄紙し、トランスグルタミナーゼ1%(w/w),
Cacl2 0.2%(w/w)を含有するカゼイン1
0%(w/w)水溶液を均一にスプレー塗布した。これ
を50℃、95%相対湿度で2時間保持した後、100
℃でトランスグルタミナーゼの失活と乾燥を同時におこ
なわせた。かくして得られたシートは適度に点接着され
脱落もなく、触感、保温性、通気性、吸透湿性、防縮
性、強度に優れた蛋白質シートであった。
【0022】
【実施例2】 バルキー材 羽軸除去羽毛(平均繊維長1cm)と熱融着性カプロラ
クトン変性ポリエステル繊維の8:2重量比からなる混
合物をカード機により均一な厚さとなし、上部より1/
2の厚みにまで圧縮し、150℃で3分間加熱しポリエ
ステル繊維の融着によりシート状になした。 この物は
バルキー性を有するが、短繊維部分の脱落がありそのま
までは実用にたえぬ物である。この予備成形された物を
つぎに、トランスグルタミナーゼ0.5%(w/w)、
CaCl2 0.1%(w/w)を含有するゼラチン5
%(w/w)水溶液に浸漬させ、余分な液を除去後、5
0℃、95%相対湿度で2時間保持した後、100℃で
トランスグルタミナーゼの失活と乾燥を同時におこなわ
せた。この様にして得られた成形物は繊維の脱落もな
く、バルキー性に優れた、断熱性、保温性、通気性、吸
透湿性を有する新規バルキー材であった。
クトン変性ポリエステル繊維の8:2重量比からなる混
合物をカード機により均一な厚さとなし、上部より1/
2の厚みにまで圧縮し、150℃で3分間加熱しポリエ
ステル繊維の融着によりシート状になした。 この物は
バルキー性を有するが、短繊維部分の脱落がありそのま
までは実用にたえぬ物である。この予備成形された物を
つぎに、トランスグルタミナーゼ0.5%(w/w)、
CaCl2 0.1%(w/w)を含有するゼラチン5
%(w/w)水溶液に浸漬させ、余分な液を除去後、5
0℃、95%相対湿度で2時間保持した後、100℃で
トランスグルタミナーゼの失活と乾燥を同時におこなわ
せた。この様にして得られた成形物は繊維の脱落もな
く、バルキー性に優れた、断熱性、保温性、通気性、吸
透湿性を有する新規バルキー材であった。
【0023】
【実施例3】 合成皮革 トランスグルタミナーゼ0.5%(w/w),CaCl
2 0.1%(w/w)を含有する、コラーゲン粉末
(粒子径20μm)5%(w/w)、グリセリン(可塑
剤)5%(w/w)、大豆濃縮蛋白質20%(w/w)
のペーストを、離型紙DN−TP上に湿潤膜厚500μ
mでキャスチング後、0.9mm厚のウール織布を適当
な圧力下で圧着させ、前記ペーストの一部をウール織布
に湿潤浸透させ、45℃、95%相対湿度で4時間保持
した後、100℃でトランスグルタミナーゼの失活と乾
燥を同時におこなわせた。乾燥後、離型紙から剥離させ
ると、表面にエンボスの入った蛋白質層が基材ウール織
布に強固に接着されたシート材が得られた。
2 0.1%(w/w)を含有する、コラーゲン粉末
(粒子径20μm)5%(w/w)、グリセリン(可塑
剤)5%(w/w)、大豆濃縮蛋白質20%(w/w)
のペーストを、離型紙DN−TP上に湿潤膜厚500μ
mでキャスチング後、0.9mm厚のウール織布を適当
な圧力下で圧着させ、前記ペーストの一部をウール織布
に湿潤浸透させ、45℃、95%相対湿度で4時間保持
した後、100℃でトランスグルタミナーゼの失活と乾
燥を同時におこなわせた。乾燥後、離型紙から剥離させ
ると、表面にエンボスの入った蛋白質層が基材ウール織
布に強固に接着されたシート材が得られた。
Claims (5)
- 【請求項1】 蛋白質をトランスグルタミナーゼおよび
/またはリジルオキシダーゼ酵素で架橋接着させて得ら
れるシート状蛋白質成形材 - 【請求項2】 粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白
質をシート状に成形した後、トランスグルタミナーゼお
よび/またはリジルオキシダーゼ酵素あるいは該酵素を
失活せしめない添加増量剤と酵素との配合物あるいは該
酵素産生菌培養物を粉体としてシート表面に適用し高湿
度雰囲気中に保持して蛋白質を接合せしめることを特徴
とするシート状蛋白質成形材の製造法。 - 【請求項3】 粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白
質をシート状に成形した後、トランスグルタミナーゼお
よび/またはリジルオキシダーゼ酵素あるいは該酵素を
失活せしめない添加増量剤と酵素との配合物あるいは該
酵素産生菌培養物を水性液としてシートに適用し0〜9
0℃で蛋白質を接合せしめることを特徴とするシート状
蛋白質成形材の製造法。 - 【請求項4】 粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白
質と、トランスグルタミナーゼおよび/またはリジルオ
キシダーゼ酵素あるいは該酵素を失活せしめない添加増
量剤と酵素との配合物あるいは該酵素産生菌培養物を、
水あるいは水と水混和性有機溶剤と混合し、シート状に
塗布あるいは押し出した後、0〜90℃で蛋白質を接合
せしめることを特徴とするシート状蛋白質成形材の製造
法。 - 【請求項5】 粉末あるいは繊維状もしくは液状の蛋白
質と、トランスグルタミナーゼおよび/またはリジルオ
キシダーゼ酵素あるいは該酵素失活せしめない添加増量
剤と酵素との配合物あるいは該酵素産生菌培養物の水性
液を離型紙に適用して得た皮質層含有離型紙を、該皮質
層が予めシート状に成形されてる蛋白質を含むシートの
表面と接するよう重ねあわせ、高湿度雰囲気中20〜6
0℃の温度に保持して蛋白質どうしを架橋接合せしめた
後、離型紙を剥離し蛋白質を含むシート上に皮質層を形
成せしめることを特徴とするシート状蛋白質成形材の製
造法。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7825094A JPH07247373A (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | シート状蛋白質成形材ならびにその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7825094A JPH07247373A (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | シート状蛋白質成形材ならびにその製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07247373A true JPH07247373A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=13656761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7825094A Pending JPH07247373A (ja) | 1994-03-09 | 1994-03-09 | シート状蛋白質成形材ならびにその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07247373A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007070766A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Yukisumi Koike | シート状蛋白質成形材の製造方法及びこの方法により製造された蛋白質成形材 |
WO2017131195A1 (ja) * | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 成形体及びその製造方法、並びに成形体の結晶化度を向上させる方法 |
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JP2019210366A (ja) * | 2018-06-04 | 2019-12-12 | 国立大学法人信州大学 | 成形体、成形体の製造方法及び被切削加工材 |
JPWO2021241409A1 (ja) * | 2020-05-25 | 2021-12-02 |
-
1994
- 1994-03-09 JP JP7825094A patent/JPH07247373A/ja active Pending
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JPWO2017131196A1 (ja) * | 2016-01-29 | 2018-11-22 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 成形体及びその製造方法、並びに成形体のタフネスを向上させる方法 |
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WO2021241409A1 (ja) * | 2020-05-25 | 2021-12-02 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、シート状成形体、人工皮革およびシート状成形体の製造方法 |
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