JPH0724732Y2 - 発色反射鏡つき照射用ランプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、点灯したランプが前方を照射した際、反射
光の強い眩しさを軽減することを目的とした、発色反射
鏡つき照射用ランプに関するものである。

（従来の技術） 従来、ランプの反射鏡は、主として光源後半分の放射光
を反射鏡全面で集光反射させるため、反射面を平滑な鏡
面状に形成し、高輝度の光源と組み合わせることにより
強い反射光を前方に照射し明るい視界を得るという構成
のものであった。

（考案が解決しようとする課題） しかし視界を明るくするとはいえ、反面では反射鏡の光
を見ると一瞬目がくらむほど強烈な反射光で照らすので
到底まともに見ることはできない大きな欠点があった。

こうした問題については解決するための有効な手段は今
までなかった。

本考案はその強い反射光を真正面から見ても、眩しさを
強く感じさせない反射鏡をもつ、前方照射用ランプを提
供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記の欠点を除く手段としてはまず、反射面において光
源の後半分の放射光を発色する光に変えて反射し、前半
分の放射光を、そのまゝの白色光で前方を照射するよう
に、光源の放射光を二つに分けるようにする。

反射鏡面で発色させるためには、凹面状の金属反射面に
凹凸をもうける。この凹凸は他の方法で作っても良い
が、本構成では平滑な鏡面状にした反射面に、レーザー
光線で加工形成した極めて微小な凹凸を高密度にもうけ
たものにしている。そしてこの反射面に入射した白色光
を反射状に発色させるようにする。

光源には主として通常の光源電球などを用いるが、光源
は発色のほかに遠方の照射もできるようにする。遠くま
で照射距離を伸ばすには、頭部凸レンズつき電球か、放
物面レンズもしくは凸状レンズを前面レンズにもうけた
ものにする。この場合、光源との間を調節した位置に独
立してレンズをもうけても良い。また照射距離を調節で
きるように電源スイッチなどに連結した支持片ごと前後
に動かせるようにソケットをもうけ通常電球を用いる。
さらに前方えの集光効率を高めるため光源から一定の間
隔をあけて、前半の上方向などに放散する放射光を受け
る位置に（第６図参照）底部が開口した小反射鏡をもう
けるという手段を講じる。

（作用） まず発色反射の作用を説明する。

光源を点灯すると、光源後半部からの入射光線は反射面
で反射するが、光源からみると、この丸みをもつ反射面
は、傾きが少しずつ変っていく凹面状をしていてその表
面には、肉眼では目視できないほど微小で、かつ光沢を
もつミクロン単位の凹凸が密集した反射面を形成してい
る。この凹状の凹凸面に放射状に入射する白色光線は、
鏡面で一部はそのまゝ表面反射し、他の分は凹凸面にあ
る無数の凸状突起の出張り部で強い回折現象が生じる。
回折した光は、入射光の入射角に応じた光の分散作用を
受ける。分散した光は虹状のいろいろな色の光に分かれ
て着色光に変る。

着色光に変った光は、反射鏡の全内周面で丸い帯状の縞
模様になる。このようにして従来の白色反射とは異なる
連続スペクトル状になった着色光が眩しくない反射面の
光として働らく。

しかし、反射鏡内で光源を前後に動かして分散作用の位
置がずれるようにすると、光源の位置によりスペトクル
が発色したり、しなかったり、あるいは入れ替ったりす
るので発色のコントロールができる。ただし光源の位置
は通常固定状にしておき、ほゞ後半分の放射光で発色反
射するようにしているから反射面での発色の形態は一定
を保つようになる。発色中は反射面から僅かに着色光が
放出されるが、その放散光は弱いので外方空間に吸収さ
れるように消散する。したがって前方には混じりのない
白色光を照射する。代表的な一例をあげれば、多様に発
色して放映しているカラーテレビの画面から出た着色放
射光がすぐ消えるのに似ている。さらに前方照射光と発
色時の反射鏡との関連についてさらに一例をつけ加える
と、あたかも発色しているテレビ画面の中央部に点灯し
た照射ランプをおいたのと同じ状態であって、光源の放
射光を前半と後半に使い分けているので一方の反射面で
は発色しているが、他方は前方を照射しているというこ
とになりそれぞれが支障をきたすことはない。

次に様々な前方照射について説明すれば、この反射鏡に
通常の光源電球を用いた場合、光源自体の前半放射光の
ほかに凹凸鏡面や表層透明体から表面反射する白色光が
あるのでほぼ従来同様の光量で照射する。頭部凸レンズ
つき電球を使用した場合、凸レンズは前方放射光を平行
状に集光するので近くを照らすとともに、通常電球より
は、照射距離が遠くまでのびるようになる。また前面レ
ンズに放物面状などの凸レンズをもうけた場合は、光源
との距離を調節して適合位置にセットするので通常の光
源電球でも光量、光束ともに集光効率が良くなり照射光
の巾を広げ、かつ照射距離も一段と向上する。また電源
スイッチその他と連動する支持片上に光源をもうけた場
合は、光源電球を引き戻すように動かしていくと反射鏡
は白色に反射し、照射光は集光して遠くを照らすように
なる。逆に押し出すと反射面は発色し、照射光が広がっ
て近くを照らすように遠近二通りに変わるようになる。
この場合、球面状反射鏡でも同様になるが集光効率の良
い放物面反射鏡の方が円滑に変えやすい。

また、前半分および後半分の放射光を出す光源フィラメ
ントの中心部付近の上方周辺を笠で囲い込むようにして
小反射鏡をもうけた場合、光源から上方向など無駄に放
散する放射光をも合わせて集光するので光量は増大し、
より強い照射光を得られる。

（実施例） 実施例を図面を参照して説明すると、第１図は発色反射
鏡２の一部切断拡大断面図である。

実施例１ 第２図の第１実施例において凹面状の反射鏡２には鍍金
などして鏡面状に反射するようにした極めて微小な凹凸
３をもつ金属反射面１をもうけている。この金属反射面
１の少なくも、微小凹凸部３の表面もしくは両面には、
ガラスか合成樹脂の透明体４をもうけて金属反射面１を
支持し、かつ微小凹凸部３を保護するために層状に貼り
合わせている。そして該反射鏡２の中心底部にソケット
６をもうける。ソケット６には光源電球５を装着し、該
反射鏡２の前端部とはまり合う前面レンズ７をはめ込み
一体状に形成している。以上のようにして発色反射鏡つ
き照射用ランプを形成する。

実施例２ 第３図は第２実施例を示している。第２実施例では第２
図の実施例と同様の反射鏡２に、第２図の光源電球５で
はなく、凸レンズ8aを頭部にもうけた光源電球８を、ソ
ケット６に装着し、前面レンズ７とともに一体状に形成
している。

実施例３ 第４図は第３実施例を示している。第３実施例では、第
２図の実施例と同様の反射鏡２を用い、前面レンズは、
第２図の実施例のものではなく、放物面レンズもしくは
凸レンズ9aを皿状にした前面レンズ９にもうけ、ソケッ
ト６に光源電球５を装着して、ともに一体状に形成して
いる。この場合、照射範囲など設定のため、皿状レンズ
９の代りに第２図に示した前面レンズ７など他の形状の
前面レンズに放物面レンズもしくは凸レンズ9aをもうけ
ても良い。

実施例４ 第５図は、第４実施例に示している。第４実施例では、
第２図の実施例と同様に形成した反射鏡２を用い、電源
スイッチなどと連動する支持片10にソケット12を固定し
てもうけ、光源電球４を装着し、共に前後に動くように
して前面レンズ７とともに一体状に形成している。なお
この場合、光源電球５でなく第３図に示した凸レンズ8a
を頭部にもつ光源電球８を用いても良い。

実施例５ 第６図は、第５実施例を示している。第５実施例では第
２図の実施例と同様の反射鏡２を用い、ソケット６には
光源電球５を装着し、光源フィラメント14の中心付近の
上方周辺を笠状に囲い込んだ位置に固定脚15をもつ小反
射鏡13を反射鏡２に取り付け前面レンズ７とともに一体
状に形成している。なおこの小反射鏡13を第２、３図に
記載した各実施例に用いれば、前方の照射光量は一層増
大する。

なお各実施例においての前方照射光量が不足することは
ないが、光源を約10パーセントていど強くすれば、十二
分の光量を得る。そして反射鏡面において良好に発色さ
せ、かつ、充分な照射距離などを得るため、前記第２、
３、４、５、６の各実施例においては、反射鏡、光源、
およびレンズ各々の中心を一線上にそろえることが望ま
しい。

以上の各実施例において、微小な凹凸をもつ金属反射面
の表裏にガラスもしくは合成樹脂の透明体を層状に貼り
合わせて形成しているが、微小な凹凸を金属箔にもう
け、あるいは合成樹脂の薄膜に金属蒸着などして形成し
たフィルムシート状のものを、反射鏡を作る素地の内周
面部に貼り合わせても良く、硬質透明な反射鏡素地なら
ば上記同様に形成したものを、微小凹凸面が内面を向く
ようにして外周面上に貼り合わせても良い。実施例では
微小凹凸の構成を反射面の全内周面にもうけているが従
来の平滑な反射面に部分的にもうけることもできるほ
か、密閉一体型のいわゆるシールドビーム方式のランプ
にも上記実施例の第２、３、４、６図に示した微小凹凸
の構成を反射面に形成できる。また微小凹凸の形状では
なく極細の溝を高密度の渦巻状にして反射面に形成して
も良い。

（発明の効果） なお光源後方の放射光で反射鏡面を発色させ、かつ同じ
光源の前方放射光で、有効な白色光を前方に照射すると
いうことは、通常できないと考えがちだが上記の説明に
より次のような効果を有するものである。

この発明に係る発色反射鏡つき照射用ランプにおいて
は、反射鏡面に微小な凹凸を形成したことにより、発色
した反射光が、従来の白色反射光によるような強い眩し
さを抑制するとともに、あわせて白色光による前方照射
ができる。

そして反射鏡面に微小な凹凸を形成して発色させ、かつ
凸レンズつきの光源電球を用いたことにより、従来の白
色反射光によるような強い眩しさを抑制し、あわせて近
間を照射するとともに集光した白色の前方照射光で照射
距離を伸ばすことができる。

さらに反射鏡面に微小な凹凸を形成して発色反射させ、
かつ前面レンズに放物面レンズもしくは凸レンズをもう
けたことにより、従来の白色反射光によるような強い眩
しさを抑制するとともに、あわせて白色の前方照射光の
集光力が高まり、近間を照射するとともにさらに照射距
離を伸ばすことができる。また、反射鏡面に微小な凹凸
を形成して発色反射させ、かつ光源電球を支持片ととも
に連動する構成を採用することによって、従来の白色反
射光によるような強い眩しさを抑制し、遠近の前方照射
距離の調整や発色の有無など任意に変えることができ
る。

また反射鏡面に微小な凹凸を形成して発色反射させ、か
つ光源電球のフィラメントの中心寄り付近の上方周辺部
位に小反射鏡をもうけたことにより、従来の白色反射光
によるような強い眩しさを抑制するとともに、あわせて
四方に放散する光の漏れを有効に集光するので光量が増
し、遠近ともどもより明るく前方を照射することができ
る。

また反射面は、光源のまわりを取り巻くように赤、青、
黄など７色の円心円の輪が鮮明に発色し、見た目も美し
いので実用的であるほかに斬新なランプとして興味ある
別の効果も期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は発色反射鏡の一部切断拡大断面図である。第
２、３、４、５、６図は実施例を示すもので光源電球を
除く縦断面図である。 １……膜、箔、板状の反射面部、２……発色反射鏡、３
……微小凹凸部、４……片面もしくは両面の透明体、５
……光源電球、６……ソケット、７……前面レンズ、８
……凸レンズつき光源電球、8a……凸レンズ、９……凸
レンズ付前面レンズ、9a……凸レンズ、10……ソケット
支持片、12……支持片固定ソケット、13……小反射鏡、
14……フィラメント、15……脚、16……ランプケース

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】照射用ランプにおいてランプ反射鏡の反射
   面（１）に極めて微小な凹凸（３）を無数にもうけた反
   射鏡（２）を形成し、光源電球（５）と前面レンズ
   （７）をともに組み込み、一体状に形成した発色反射鏡
   つき照射用ランプ。
2. 【請求項２】反射鏡（２）に、頭部に凸レンズ（8a）を
   もつ光源電球（８）と、前面レンズ（７）をともに組み
   込み、一体状に形成した請求項１項記載の発色反射鏡つ
   き照射用ランプ。
3. 【請求項３】反射鏡（２）に、放物面レンズもしくは凸
   レンズ（9a）をもうけた前面レンズ（９）と、光源電球
   （５）を組み込み一体状に形成した請求項第１項記載の
   発色反射鏡つき照射用ランプ。
4. 【請求項４】連動するソケット支持片（10）に、ソケッ
   ト（12）をもうけて光源電球（５）を装着し、反射鏡
   （２）と前面レンズ（７）をともに組み込み一体状に形
   成した請求項第１項記載の発色反射鏡つき照射用ラン
   プ。
5. 【請求項５】装着した光源電球（５）のフィラメント
   （14）の上方周辺部位に、固定脚（15）をもつ小反射鏡
   （13）を反射鏡（２）に取り付け、反射鏡（２）と前面
   レンズ（７）をともに組み込み一体状に形成した請求項
   第１項記載の発色反射鏡つき照射用ランプ。