JPH07246239A - 人口呼吸用具 - Google Patents

人口呼吸用具

Info

Publication number
JPH07246239A
JPH07246239A JP6663494A JP6663494A JPH07246239A JP H07246239 A JPH07246239 A JP H07246239A JP 6663494 A JP6663494 A JP 6663494A JP 6663494 A JP6663494 A JP 6663494A JP H07246239 A JPH07246239 A JP H07246239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
valve body
mouth
victim
bag body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6663494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3268935B2 (ja
Inventor
Kazuo Sugino
一男 杉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SENJIYOO KK
Original Assignee
SENJIYOO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SENJIYOO KK filed Critical SENJIYOO KK
Priority to JP06663494A priority Critical patent/JP3268935B2/ja
Publication of JPH07246239A publication Critical patent/JPH07246239A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3268935B2 publication Critical patent/JP3268935B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Respiratory Apparatuses And Protective Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】呼気の一方向のみの通気機能を有し、かつ手帳
や財布に容易挿入できる程度の嵩張らない状態に折り畳
める人口呼吸用具を提供する。 【構成】傷病者の口の周囲に被せられる柔軟なシート1
1,12からなるカバー1を設ける。カバー1の裏面
に、傷病者の口に挿入される細長い横断面形状を持った
弁体2を突設する。弁体2は、柔軟なシートからなる袋
体21と外套23とを有しており、袋体21はカバー表
面側1aに位置する一方の端部210が閉塞され、カバ
ー裏面側1bに突出する他方の端部220が開放されて
いる。外套23は袋体21を覆って、この袋体21との
間に、カバー表面側1aから裏面側1bへの通気路25
を形成する。表面側1aからの救助者の呼気は、通気路
25を通過して傷病者Hの気道Kに送りこまれる。傷病
者Hの呼気は、袋体21内にその開口部21aから入っ
て救助者側への逆流を阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人口呼吸法として一般
的に行われている呼気吹き込み人口呼吸(マウスツーマ
ウス)を行うに際し、人口呼吸を施す救助者の口が傷病
者の口に接触することなく行える人口呼吸用具に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】意識障害、呼吸停止、心停止またはこれ
に近い状態に陥った傷病者を救助するための救急蘇生法
の一種として、心肺蘇生法が効果的であることが知られ
ている。この心肺蘇生法は、傷病者のあごを上げるよう
にして空気が口から肺に達するまでの気道を確保したの
ちに、傷病者の鼻孔を塞いで、救助者の口を傷病者の口
に当て、空気が漏れないように傷病者の気道内に息を直
接吹き込んでマウスツーマウス人口呼吸を行い、かつ、
この人口呼吸と心臓マッサージとを交互に行うものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のマウ
スツーマウス人口呼吸法は、救助者の口が傷病者の口に
直接触れるため、病気に感染する恐れがある。そこで、
口の周辺を覆う柔軟なシートの中央部に呼気吹き込み口
を設けた人口呼吸用具が案出されている。この人工呼吸
用具は、シートを拡げて傷病者の口の周辺に被せるとと
もに、呼気吹き込み口を傷病者の口に挿入し、この呼気
吹き込み口を通じて傷病者の気道に息を吹き込むよう使
用する(例えば特公昭5−64074号)。
【0004】上記人口呼吸用具の呼気吹き込み口は、硬
質樹脂のような硬い材料で形成されて、救助者から傷病
者へ呼気を流す通気路を形成し、かつ、内部に傷病者か
ら救助者へ呼気が逆流するのを阻止する一方弁を収納し
ている。呼気吹き込み口がこのように硬い材料で形成さ
れているので、この人工呼吸用具は、折り畳んでも嵩張
るうえに、硬いため、手帳や財布などに入れて簡便に携
帯できるものとはなり難い。
【0005】そこで、本発明は、呼気の一方向のみの通
気機能を有し、かつ手帳や財布に容易に挿入できるよう
に嵩張らない状態に折り畳める人口呼吸用具を提供する
ことを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の発明に係る人口呼吸用具は、傷病者
の口の周囲に被せられる柔軟なシートからなるカバー
と、このカバーの裏面に突設されて傷病者の口に挿入さ
れる細長い横断面形状を持った弁体とを備え、この弁体
を、柔軟なシートからなり、上記カバーの表面側に位置
する一方の端部が閉塞され、カバーの裏面側に突出した
他方の端部が開放された袋体と、柔軟なシートからな
り、上記袋体を覆って、カバーの表面側から裏面側への
通気路を形成する外套とで形成したものである。
【0007】また、請求項2の発明に係る人口呼吸用具
は、上記柔軟なシートよりも硬いシートからなり、少な
くとも上記弁体の根元部を覆い、上記カバーを傷病者の
口の周囲に被せたとき、上記カバーにおける弁体の根元
部の近傍に位置する開口周辺部を支持して、上記通気路
のカバー表面側への開口を拡張させる弁支持部材を備え
ている。
【0008】さらに、請求項3の発明に係る人口呼吸用
具は、上記カバーが、弁体の長径上の根元部から延びる
折曲線に沿って折り畳まれたとき、この折曲線が、上記
根元部からカバー周縁部にかけて弁体と反対側にV字形
にせり上がっている。
【0009】
【作用および効果】請求項1の人口呼吸用具によれば、
この人口呼吸用具を用いてマウスツーマウス人口呼吸を
行うに際し、カバーの裏面から突出した弁体を傷病者の
口に挿入して、カバーを傷病者の口部の周囲に被せ、カ
バーの表面側から弁体内に息を吹き込む。弁体の袋体は
表面側の一方の端部が閉塞されているので、救助者の呼
気は、袋体には入らずに、袋体と外套との間の通気路を
膨らませながら、この通気路を通って傷病者の気道内に
吹き込まれる。一方、傷病者から吐き出された息は、共
に柔軟なシートであって相互に接触し易い外套と袋体と
の間よりも、開き易い袋体の方にその他端の開口部から
先ず入り込み、袋体を膨らませる。これにより、袋体の
柔軟なシートが外套に押し付けられて、外套と袋体とが
重合してその間が塞がれるので、傷病者の呼気は袋体内
に入り込む。
【0010】この袋体は、一方の端部が閉塞されている
から、傷病者の呼気を救助者側に逆流しないよう阻止す
る。つまり、この弁体は、簡単な構成でありながら一方
向弁として機能を有する。また、カバーにより呼気を漏
れることなく弁体に送り込める。
【0011】この人口呼吸用具は、全体が柔軟なシート
で構成されているので、極めて小さく折り畳んで手帳や
財布に容易に挿入できる。そのため、全く負担を感じな
い形態で常時携帯することができ、不意に生じた緊急時
に、取り出して即座に使用することができる。また、カ
バーの裏面から突出した弁体を傷病者の口に挿入して使
用するので、一人で心肺蘇生法を実施して心臓マッサー
ジと人工呼吸の両方を行う場合に、救助者が心臓マッサ
ージを行うために弁体から口を離しても、この弁体が傷
病者の口からずれたり、抜け落ちたりすることがなく、
使い勝手の良いものとなる。
【0012】請求項2の人口呼吸用具によれば、カバー
を傷病者の口の周囲に被せたとき、弁支持部材は、カバ
ーにおける弁体の根元部の近傍に位置する開口周辺部を
支持して、弁体の通気路のカバー表面側への開口を拡張
させるよう作用する。したがって、傷病者に対し使用状
態にセットしたときに、弁体の表面側が自動的に開口さ
れるので、救助者は即座に呼気を吹き込むことができ、
かつ、その呼気が抵抗なくスムーズに傷病者の気道に送
りこまれる。また、弁体の根元部を覆う比較的硬いシー
トからなる弁支持部材によって、弁体の傷病者の口への
挿入が容易になる。
【0013】請求項3の人口呼吸用具によれば、カバー
が弁体の長径上の根元部から延びる折曲線に沿って折り
畳まれたとき、この折曲線が上記根元部からカバー周縁
部にかけてV字形にせり上がっているから、このカバー
を拡げて傷病者に被せたとき、カバーは、その周縁部の
倒れ角が大きくなるから、周縁部が中央部を引っ張って
弁体の通気路のカバー表面側を開口させるよう作用す
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施例に係
る人口呼吸用具を示す。同図において、(a)は平面
図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は左側面
図を示す。また、図2は図1(a)のA−A線に沿って
切断した拡大断面図、図3は図1(a)のB−B線に沿
って切断した拡大断面図をそれぞれ示す。右側面図は
(d)の左側面図と、底面図は(a)の平面図とそれぞ
れ対称に現れる。
【0015】この人口呼吸用具は、傷病者の口の周囲に
被せられるカバー1と、このカバー1に突設されて傷病
者の口に挿入される弁体2と、弁体2を覆う弁支持部材
3とからなる。カバー1は、図1(a)に示すような矩
形状の柔軟な二枚のシート11,12を重合し、それら
の一辺部13を熱溶着のような接合手段により互いに接
合して形成されている。
【0016】一方、弁体2は、図2、図3に示すよう
に、柔軟なシートが二つ折りされてなる袋体21と、こ
の袋体21内に挿入された偏平なスポンジ体22と、カ
バー1の上下二枚の柔軟なシート11,12から一体に
突出されて袋体21を覆う外套23とからなる。この袋
体21とスポンジ体22と外套23とは、図1(a)に
示す溶着部24により互いに接合されて、図2に示すよ
うに、細長い横断面形状の弁体2を形成している。
【0017】この人口呼吸用具を使用する場合は、図4
に示すように、カバー1の両シート11,12を両方に
開いて、図5に示すように、弁体2を傷病者の口に挿入
して、カバー1を傷病者Hの口の周囲に被せる。したが
って、カバー1は、図4および図5における上方が救助
者に対向する表面側1aとなり、下方が弁体2の突出す
る裏面側1bとなる。上記袋体21は、図3に示すよう
に、カバー1の表面側1aに位置する一方の端部210
が折り返しによって閉塞され、かつカバー1の裏面側1
bに位置する他方の端部220が開放されており、この
袋体21と外套23との間に、カバー1の表面側1aか
ら裏面側1bへの通気路25が形成されている。
【0018】弁支持部材3は、上記シート11,12よ
りも硬い二枚のシート31,32が図1(a)に示す溶
着部24により互いに接合されて、弁体2を両側から挟
むように覆っている。上記二枚のシート31,32は、
溶着部24からカバー1側に突出する支持基部31a,
32aと、この支持基部31a,32aの中央部から突
出する細長い支持突片31b,32bとを備えている。
一方のシート31は、その支持基部31aおよび支持突
片31bの外縁34が、カバー1を構成する一方のシー
ト11に熱溶着され、他方のシート32も、その支持基
部32aおよび支持突片32bの外縁34が、カバー1
を構成する一方のシート11に熱溶着されている。
【0019】上記支持基部31a,32aおよび支持突
片31b,32bは、カバー1を図4に示すように開い
たときに、図6(a)に示す大きな曲率Rで互いに反対
方向に湾曲して拡開され、弁体2の短径SD上で対向す
る根元部2aの近傍に位置するカバー開口周辺部を支持
する。それにより、後述するように、弁体2に形成され
た通気路25におけるカバー表面側1aへの開口25a
を拡張させるよう作用する。
【0020】また、上記弁支持部材3を構成するシート
31,32のそれぞれには、図1(a)に示すように、
弁体2の突出した先端部2cに対応する開口端から、弁
体2の上記根元部2aに対応する部分に向かって入り込
んだ形状の切欠き35が形成されている。この切欠き3
5は、上記シート31,32の先端の開口端に位置する
幅広の三日月形の開放部35aと、この開放部35aに
連続して、奥に向かって徐々に狭くなるテーパ状の溝部
35bと、この溝部35bの奥に位置し、溝部35bに
沿ってシート31,32に亀裂が入るのを防止するため
の孔部35cとからなる。
【0021】一方、カバー1は、図1(a)に示すよう
に、細長い横断面形状を有する弁体2の長径LD上の根
元部2bを含む折曲線(溶着部13)に沿って折り畳ま
れたとき、この折曲線13が、弁体2の上記根元部2b
からカバー1の周縁部1cにかけて、弁体2と反対側へ
V字形にせり上がった形状となっている。
【0022】上記実施例の人口呼吸用具を用いてマウス
ツーマウス人口呼吸を行うに際し、まず、救助者(図示
せず)は、図5の傷病者Hの頭部を後方に僅かに倒し
て、そのあご先を上方に挙げさせることにより、図5に
示すように、空気が口から肺に達するよう気道Kを確保
する。つぎに、突出状態の弁体2の長径方向を傷病者H
の左右方向に合わせて弁体2を口に挿入したのちに、カ
バー1の二枚のシート11,12を拡げて傷病者Hの口
の周囲に被せる。このとき、弁体2は、図1の弁支持部
材3で覆われて、比較的硬くなっているので、傷病者H
の口への挿入を容易に行える。
【0023】一方、弁支持部材3の支持基部31a,3
2aおよび支持突片31b,32bは、図4に示すよう
に、両側に開かれれたシート11,12の荷重によっ
て、図6(a)に示す大きな曲率Rで両側に屈曲しなが
ら、弁体2の短径SD上の根元部2aの近傍に位置する
カバー開口周辺部を支持する。それにより、弁体2に形
成された通気路25におけるカバー表面側への開口25
aを拡張させるよう作用する。
【0024】また、カバー1は、図1(a)に示す弁体
2の長径LD上の根元部2bからカバー周縁部1cにか
けて弁体2と反対側へV字形にせり上がった形状の溶着
部13を折曲線として折り返されるので、カバー1を拡
げて傷病者Hの口の周囲に被せたとき、図7に示すよう
に、その周縁部1cの倒れ角θが、上記溶着部13を水
平な一直線状に設けた場合よりも大きくなる。これによ
り、図4に示すように、カバー周縁部1cがカバー中央
部を引っ張って、通気路25のカバー表面側1aへの開
口25aを一層拡張させるよう作用する。
【0025】上述のように、本発明の人口呼吸用具を図
5の傷病者Hに対し使用状態にセットしたとき、通気路
25のカバー表面側1aが自動的に大きく開口されるの
で、救助者は、自身の口を上記開口25aに接触させて
即座に呼気を吹き込むことができるとともに、その呼気
が通気路25を通ってスムーズに傷病者Hの気道Kに送
りこまれる。このとき、救助者は、カバー1を介さずに
直接傷病者Hの鼻をつまんで鼻孔を塞ぐ。
【0026】傷病者Hの口に挿入された弁体2は、図6
(a)に示すような状態になっている。袋体21は救助
者に対する表面側1aの一方の端部210が閉塞されて
いるから、救助者が弁体2内に吹き込んだ呼気は、図6
(b)に示すように、袋体21と23外套との間の通気
路25を膨らませながら通って傷病者Hの気道K(図
5)内に送り込まれる。このとき、弁支持部材3を構成
するシート31,32には切欠き35が設けられている
から、通気路25の拡大に追従して弁支持部材3が柔軟
に膨らむので、救助者の呼気吹き込み動作に大きな負担
がかからない。
【0027】一方、傷病者Hから吐き出された息は、袋
体21と外套23とが共に柔軟なシートであって相互に
接触し易いので、図6(c)に示すように、相互に接触
しにくい、つまり開き易い袋体21の他方の端部220
の開口部21aに先ず入り込み、袋体21を膨らませ
る。そのため、柔軟なシートからなる袋体21は外套2
3に押し付けられて重合し、通気路25が塞がれるの
で、傷病者Hの呼気は、表面側の端部を閉塞された袋体
21内に入り込み、救助者側に逆流しない。すなわち、
上記弁体2は、柔軟なシートおよびスポンジからなる偏
平で柔軟な構成でありながら、一方向弁としての機能を
備えている。また、袋体21にスポンジ体22が挿入さ
れているから、図6(a)に示すように、袋体21の開
口部21aが常に大きく開いた状態に保持されるので、
傷病者Hからの息が一層確実に袋体21内に導入され
る。
【0028】上記人口呼吸用具は、カバー1の裏面から
突出して弁保持部材3で覆われた弁体2を傷病者Hの口
に挿入して使用するものであるから、救助者が心臓マッ
サージを行うために弁体2から口を離したとき、弁体2
は、傷病者Hの口からずれたり、抜け落ちたりすること
なく口内に保持される。そのため、一人で心肺蘇生法を
実施する場合においても使い勝手の良いものとなる。
【0029】また、この人口呼吸用具は、二枚の柔軟な
シート11,12からなるカバー1と、偏平なスポンジ
体22と柔軟シートである袋体21および外套23とか
らなる弁体2と、比較的硬いシート31,32からなる
弁支持部材3とにより構成されているから、全体が極め
て偏平で柔軟なものになっている。したがって、この人
口呼吸用具は、手帳や財布に容易に挿入できる極めて小
さい形状に折り畳めるから、全く負担を感じないで常時
携帯することができ、不意に生じた緊急時に即座に取り
出して使用することができる。
【0030】ここで、弁支持部材3を構成するシート3
1,32は比較的硬いので、上記折り畳みにより折れ曲
がり癖が付きやすい。しかしながら、これらシート3
1,32の支持基部31a,32aおよび支持突片31
b,32bがカバー1を構成するシート11,12のそ
れぞれに熱溶着のような手段で接合されているから、シ
ート31,32は、例え折れ曲がり癖がついて変形して
も、カバー1のシート11,12から離れてしまうおそ
れがなく、常に確実にシート11,12に添う。したが
って、弁支持部材3の支持基部31a,32aおよび支
持突片31b,32bにより、図6(a)に示したよう
に、弁体2の短径SD上の根元部2aの近傍に位置する
カバー開口周辺部を確実に支持できる。
【0031】ただし、弁支持部材3のシート31,32
が折れ曲がり癖のつきにくい素材で形成されている場合
や、常にこれらシート31,32が折れ曲がらないよう
な折り目に沿って人工呼吸用具が折り畳まれる場合に
は、シート31,32の支持基部31a,32aおよび
支持突片31b,32bをカバー1のシート11,12
に接合する必要はない。
【0032】一方、上記人口呼吸用具は極めて用意に製
作できる。すなわち、図8に示すように、まず、比較的
硬い二枚のシート31,32を型抜きして、支持基部3
1a,32a、支持突片31b,32b、切欠き35な
どを形成しておく。これらシート31,32を、弁体2
の位置に合わせて、カバー1の二枚のシート11,12
の各々の外側面に重合し、その外縁34に沿って熱溶着
しておく。つぎに、二つ折りした柔軟なシート21A内
にスポンジ体22を挟み込む。さらに、この状態を保持
しながら、図9に示すように溶着部13,24に沿っ
て、硬いシート31,32、柔軟なシート11,12,
21Aおよびスポンジ体22を一括して熱溶着する。最
後に、溶着部13,24の外縁(図9における溶着部の
下側の縁部)に沿って切断すると、図1に示した人口呼
吸用具ができあがる。ここで、上記二つ折りしたシート
21Aが袋体21を形成する。
【0033】上記柔軟なシート11,12,21A,ス
ポンジ体22およびこれらよりも硬いシート31,32
の素材としては、塩化ビニルまたはポリエチレンのよう
な樹脂、気密性の高い紙などが好ましく用いられる。ま
た、上記熱溶着による接合方法を利用する製作法におい
ては、これらシート11,12,21A,31.32お
よびスポンジ体22として、何れも同質の素材の素材を
用いるのが好ましい。例えば、塩化ビニルを用いる場
合、柔軟なシート11,12,21Aおよびスポンジ体
22として、薄い軟質塩化ビニルを用い、これよりも硬
いシート31,32として、硬質塩化ビニル、または上
記シート11,12よりも厚い軟質塩化ビニルを用い
る。このように同質の素材を用いると、各素材の融点が
同一であるため、上述の一括した熱溶着が可能となる。
勿論、熱溶着に代えて、溶剤または接着剤などにより接
合してもよく、その場合には、これら素材を同質にする
必要はない。
【0034】図10は本発明の他の実施例の要部の縦断
面図を示す。この人口呼吸用具は、上記スポンジ体22
を除外して、その代わりに袋体21のカバー裏面側1b
の端部220に内方への折り返し部21bを設けてい
る。これら折り返し部21bは、互いに密着することは
なく、したがって、両折り返し部21b,21b間に開
口部21aを形成するとともに、その折り返しに伴う復
元力により、袋体21の短径SD上で対向する両主面部
21cを外套23側に近接させるよう作用する。袋体2
1は、救助者が呼気を吹き込んだときには、呼気の圧力
で屈曲して互いに接触し通気路25を十分に開放する一
方で、傷病者Hが呼気を吐いたとき、開口部21aから
呼気を袋体21内に取り込む。したがって、この実施例
の人口呼吸用具は、上記人口呼吸用具と同様に作用し、
かつ同様の効果を得られる。
【0035】なお、図1ないし図3に示した第1実施例
において、スポンジ体22を除外しても、袋体21の短
径上に対向する両側部は、一方の端部210の折り曲げ
による復元力により外套23に接触する方向に変位する
から、袋体21の他方の端部220の開口部21aが開
き易い状態となる。したがって、上記と同様の一方向弁
としての機能が得られる。
【0036】また、上記実施例では、弁支持部材3がそ
の切欠き部35を除いて弁体2の全体を覆う形状とした
が、弁支持部材3は弁体2の短径上の根元部2aを支持
する機能を有するものであるから、この根元部2aのみ
を覆う形状としてもよい。さらに、弁支持部材3は省略
することもでき、その場合でも、使用時に、広げたシー
ト1の中央部を指で押し広げて、通気路25の開口25
aを確保したうえで人工呼吸を行えばよい。また、袋体
21は、一枚のシートを二つ折りにして設ける以外に、
重ね合わせた二枚のシートの一方の端部210を互いに
熱溶着のような接合手段で接合して作成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例に係る人工呼吸用具
を示す平面図、(b)は同正面図、(c)は同背面図、
(d)は同左側面図である。
【図2】図1(a)のA−A線に沿って切断した縦断面
図である。
【図3】図1(a)のB−B線に沿って切断した縦断面
図である。
【図4】同上実施例のカバーを開いた状態の斜視図であ
る。
【図5】同上実施例の使用状態を示す断面図である。
【図6】(a)は弁体の通常状態の縦断面図、(b)は
救助者が呼気を吹き込んだときの弁体の縦断面図、
(c)は傷病者が呼気を吐いたときの弁体の縦断面図で
ある。
【図7】同上実施例の人工呼吸用具を傷病者に被せる状
態を示す説明図である。
【図8】同上実施例の製作過程を示す分解斜視図であ
る。
【図9】図8の状態から各部が熱溶着されたのちの状態
を示す人工呼吸用具の平面図である。
【図10】本発明の他の実施例の要部を示す縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1…カバー、2…弁体、3…弁支持部材、11,12…
軟質のシート、13,24…溶着部、21…袋体、23
…外套、25…通気路、31,32…硬いシート、H…
傷病者、LD…長径、SD…短径

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傷病者の口の周囲に被せられる柔軟なシ
    ートからなるカバーと、 このカバーの裏面に突設されて傷病者の口に挿入される
    細長い横断面形状を持った弁体とを備え、 この弁体は、 柔軟なシートからなり、上記カバーの表面側に位置する
    一方の端部が閉塞され、カバーの裏面側に突出した他方
    の端部が開放された袋体と、 柔軟なシートからなり、上記袋体を覆って、カバーの表
    面側から裏面側への通気路を形成する外套とを有してい
    る人口呼吸用具。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記柔軟なシートよ
    りも硬いシートからなり、少なくとも上記弁体の根元部
    を覆い、上記カバーを傷病者の口の周囲に被せたとき、
    上記カバーにおける弁体の根元部の近傍に位置する開口
    周辺部を支持して、上記通気路のカバー表面側への開口
    を拡張させる弁支持部材を備えた人工呼吸用具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、上記カバー
    が、このカバーにおける弁体の長径上の根元部から延び
    る折曲線に沿って折り畳まれたとき、この折曲線が上記
    根元部からカバー周縁部にかけて上記弁体と反対側へV
    字形にせり上がっている人工呼吸用具。
JP06663494A 1994-03-09 1994-03-09 人工呼吸用具 Expired - Fee Related JP3268935B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06663494A JP3268935B2 (ja) 1994-03-09 1994-03-09 人工呼吸用具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06663494A JP3268935B2 (ja) 1994-03-09 1994-03-09 人工呼吸用具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07246239A true JPH07246239A (ja) 1995-09-26
JP3268935B2 JP3268935B2 (ja) 2002-03-25

Family

ID=13321530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06663494A Expired - Fee Related JP3268935B2 (ja) 1994-03-09 1994-03-09 人工呼吸用具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3268935B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3268935B2 (ja) 2002-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6464242B2 (ja) 患者用インタフェース及びヘッドギア
EP0417026B1 (en) Protective device kit for use in pulmonary ventilation treatment by the mouth-to-mouth or mouth-to-nose methods
EP2032214B1 (en) Layered nasal devices
JP3628651B2 (ja) 折畳み式使い捨てmdiスペーサ
KR102473341B1 (ko) 압궤 가능 도관, 환자 인터페이스 및 헤드기어 연결부
JPH0564074B2 (ja)
US11484677B2 (en) Adhesive patient interface assembly with removal tabs
US20170028162A1 (en) Devices and methods for encouraging nasal breathing
JPH07246239A (ja) 人口呼吸用具
EP3471814B1 (en) Devices for encouraging nasal breathing
US5765551A (en) Portable face shield for performing artificial respiration
US10252021B2 (en) Bi-directional oxygenation apparatus for a non-intubated patient
EP0794806B1 (en) Respiration mask
US11724055B2 (en) Multi-layers cushion assembly for a patient interface
JP3237336U (ja) マスク
JP7248294B2 (ja) マスク
US20210187233A1 (en) Adhesive skin application system
JP3067516U (ja) 携帯用緊急人工呼吸器
JP4727312B2 (ja) 人工呼吸補助具
WO2022119886A1 (en) Improvements to nasal pillow sealing device
JP3014887U (ja) 口対口人工呼吸用感染防護具
WO2023277818A2 (en) Packaging for a patient interface
JP2008012289A (ja) 人工呼吸用補助具
JPH07222801A (ja) 人工呼吸用シート
JPH0731056U (ja) 口対口人口呼吸補助具

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080118

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140118

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees