JP3067516U - 携帯用緊急人工呼吸器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の携帯用緊急人工呼吸器においては、操
作者が人工呼吸操作中誤って吸気し、感染する等の危険
があった。 【解決手段】 本考案の携帯用緊急人工呼吸器は、前後
に操作者用及び患者用口蓋を設けた中空管と、この中空
管の先端に設けた患者の口内に挿入する空気吹込用ガイ
ドノズルと、上記中空管の後端に設けた空気吹込み口
と、上記中空管内に設けられた、上記吹込み口から上記
空気吹込用ガイドノズルに対する気流が生じたときのみ
開く逆止弁とにより構成する。上記逆止弁は、上記中空
管内に嵌合した筒状外匣と、この筒状外匣の下流側端面
にこれを塞ぐように配した薄膜と、この薄膜と重なるよ
うその上流側に配置した可動板と、この可動板を上記筒
状外匣に傾動自在に枢支する可撓片とより成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は携帯用緊急人工呼吸器、特に、仮死状態や、窒息状態等の人事不省の ときに応急的に使用される携帯用の人工呼吸器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種、携帯用緊急人工呼吸器としては、実用新案登録第３０４５４７１号の ものが知られている。

【０００３】 このような携帯用緊急人工呼吸器は、図４に示すように前方に患者側口蓋２を 設け、後方に操作者側口蓋１を設けた中空管３の先端に患者の気喉に挿入する空 気吹込用ガイドノズル４を設け、他側に空気（息）を送る吹込み口５を設け、前 記吹込み口５に、口蓋１１を付設したフレキシブル延長管９を連結したものであ る。

【０００４】 上記フレキシブル延長管９を中空管３に連結するときは、中空管３の端部の口 蓋１を省略することができる。

【０００５】 ７は、鼻を閉塞するため中空管３に紐８で連結した鼻孔を挟みつけるノーズク リップを示す。

【０００６】 図５は、このような携帯用緊急人工呼吸器の使用状態を示し、その使用に際し ては、患者の口に直接接触することがないので、違和感がなく送気でき、患者の 顔色や呼吸などの様子を伺いながら対処できる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、上記従来の携帯用緊急人工呼吸器においては、口による人工呼吸 を行なう場合、希に患者の呼気を吸い込むことがあり、患者に結核等の伝染性の 疾患がある場合、感染する等の危険があった。

【０００８】 本考案は上記の欠点を除くようにしたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案の携帯用緊急人工呼吸器は、前後に操作者用及び患者用口蓋を設けた中 空管と、この中空管の先端に設けた患者の口内に挿入する空気吹込用ガイドノズ ルと、上記中空管の後端に設けた空気吹込み口と、上記中空管内に設けた、上記 空気吹込み口から上記空気吹込用ガイドノズルに対する気流が生じたときのみ開 く逆止弁とより成ることを特徴とする。

【００１０】 上記逆止弁は、上記中空管内に嵌合した筒状外匣と、この筒状外匣の下流側端 面にこれを塞ぐように配置した薄膜と、この薄膜と重なるようその上流側に配置 した可動板と、この可動板を上記外匣内で傾動自在に枢支する可撓片とより成る ことを特徴とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下図面によって本考案の実施例を説明する。

【００１２】 本考案においては、図１に示すように中空管３の操作者側口蓋１の近傍に、操 作者から患者に向かう気流（下向気流）は遮断しないが、その逆の気流（上向気 流）は遮断する逆止弁１０を介挿せしめる。

【００１３】 この逆止弁１０としては、従来既知の任意のものを用い得るが、僅かな力で開 き得るよう例えば図２及び図３に示すように、上記中空管３内に嵌合した筒状外 匣６と、この外匣６の下流側端面にこれを塞ぐように配置した薄膜１２と、上記 外匣６の開口中心部を塞ぐよう上記薄膜１２の上流側に上記薄膜１２と重ねて配 置した剛性の可動板１３とにより構成する。

【００１４】 上記薄膜１２はその外周縁を略半周に亘り上記外匣６の下流側端面に接着せし め、上記可動板１３はその一側を可撓片１４を介して上記外匣６の内面に傾動自 在に枢支し、上記可動板１３の他側には上記外匣６の下流側端面と上記薄膜１２ の上記端面に接着されていない部分間に介挿されるストッパー片１５を一体に形 成せしめ、上記可動板１３は、下向気流によって可撓片１４を介して下流側を傾 き、その結果上記薄膜１２を押してこれを略半周に亘り開くようにすると共に、 上向気流が生じたときは上記可動板１３のストッパー片１５が上記外匣６の下流 側端面に接した状態で薄膜１２の外周縁が外匣６の下流側端面に貼り付き、上向 気流の通過を阻止するようにする。

【００１５】 本考案の携帯用緊急人工呼吸器は上記のような構成であるから、その使用に際 してはクリップ７で患者の鼻をつまみ、空気吹込用ガイドノズル４を患者の口に 差し込み、患者側口蓋２を患者の口に押し当て、操作者の口を操作者側口蓋１に あて吹込み口５から操作者の呼気を患者に送り込むようにする。

【００１６】 この場合、逆止弁１０が開くためその人工呼吸操作に何等支障を生じないが、 操作者が誤って吸気した場合には逆止弁１０が直ちに閉じ、患者からの気体吸引 が未然に防止されるようになる。

【００１７】

【考案の効果】

上記のように本考案の携帯用緊急人工呼吸器によれば、操作者と患者の口が互 に接することがなく、また、患者側からの上向気流が操作者に達することはない から、人工呼吸操作の間に生ずる感染その他の危険を未然に防止でき安心して救 急操作できる等大きな利益がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る人工呼吸器の一実施形態を示す斜
視図である。

【図２】本考案の携帯用緊急人工呼吸器における逆止弁
の正面図である。

【図３】図２に示す逆止弁の平面図である。

【図４】従来の携帯用緊急人工呼吸器の斜視図である。

【図５】従来の携帯用緊急人工呼吸器を使用して人工呼
吸を施している状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 口蓋 ２ 口蓋 ３ 中空管 ４ 空気吹込用ガイドノズル ５ 吹込み口 ６ 筒状外匣 ７ ノーズクリップ ８ 紐 ９ フレキシブル延長管 １０ 逆止弁 １１ 口蓋 １２ 薄膜 １３ 可動板 １４ 可撓片 １５ ストッパー片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後に操作者用及び患者用口蓋を設けた
   中空管と、この中空管の先端に設けた患者の口内に挿入
   する空気吹込用ガイドノズルと、上記中空管の後端に設
   けた空気吹込み口と、上記中空管内に設けた、上記空気
   吹込み口から上記空気吹込用ガイドノズルに対する気流
   が生じたときのみ開く逆止弁とより成ることを特徴とす
   る携帯用緊急人工呼吸器。
2. 【請求項２】 上記逆止弁が、上記中空管内に嵌合した
   筒状外匣と、この筒状外匣の下流側端面にこれを塞ぐよ
   うに配置した薄膜と、この薄膜と重なるようその上流側
   に配置した可動板と、この可動板を上記外匣内で傾動自
   在に枢支する可撓片とより成ることを特徴とする請求項
   １記載の携帯用緊急人工呼吸器。