JPH07245597A - スペクトラム拡散通信方法及び送受信装置 - Google Patents

スペクトラム拡散通信方法及び送受信装置

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JPH07245597A
JPH07245597A JP6032614A JP3261494A JPH07245597A JP H07245597 A JPH07245597 A JP H07245597A JP 6032614 A JP6032614 A JP 6032614A JP 3261494 A JP3261494 A JP 3261494A JP H07245597 A JPH07245597 A JP H07245597A
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JP
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signal
spread spectrum
modulation
code
phase
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JP6032614A
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Akio Fukushima
章雄 福島
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Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04JMULTIPLEX COMMUNICATION
    • H04J13/00Code division multiplex systems

Abstract

(57)【要約】 【目的】 相互相関の少ないSS多重化送受信方法及び
装置を提供する。 【構成】 送信手段は、基準信号を生成する位相可変手
段Dと、位相可変手段の生成した基準信号に基づいてス
ペクトラム拡散変調に係る符号化信号を生成する符号生
成手段4と、符号化信号に基づいて被送信信号をスペク
トラム拡散変調する変調手段3とを有し、受信手段は、
基準信号を生成する位相可変手段7と、基準信号に基づ
いてスペクトラム拡散変調に係る復号化信号を生成する
符号発生手段8と、復号化信号に基づいて多重化信号を
スペクトラム拡散復調する復調手段6とを有し、基準信
号は、スペクトラム拡散変調に係る符号化信号に同期し
且つ位相が制御可能に生成され、復調手段6は、基準信
号の位相を制御することにより、複数の被送信信号より
一の被送信信号を選択的にスペクトラム拡散復調する。
符号化信号及び復号化信号は、互いに同一のM系列符号
であって位相が異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆるスペクトラム
拡散変調により信号の多重化を行う伝送技術に係り、特
に、複数の送信装置においてスペクトラム拡散変調され
た信号の多重化通信方法及びその送受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム拡散(Spread Spectrum :
以下、SSという。)変調は、被送信信号の伝送に必要
な帯域幅より広い帯域幅で、被送信信号を伝送する変調
方式として使用されている。この技術は、通常の1次変
調した信号を更に特殊な疑似ランダム(PN)信号(ス
ペクトラム巡回符号)を用いて再度変調し、スペクトラ
ム分布を拡散するというものであり、詳しくは特開平5
−22251号公報等に掲載されている。
【0003】SS変調及び復調の基本動作を図9に基づ
いて説明する。図9(a)は、SS変調を説明するブロ
ック図である。マイク80より入力された被送信信号
は、情報変調手段81で1次変調信号kとされる。この
変調はアナログ−デジタルの任意の変調方式(例えば、
AM(Amplitude Modulation)、FM(Frequency Modu
lation)、ASK(Amplitude Shift Keying modulato
n)、FSK(FrequencyShift Keying modulation )
等)で行われる。この1次変調信号kは図9(b)に示
すような帯域幅を有している。次いで、巡回符号生成手
段88で生成された疑似ランダム信号である巡回符号に
より、拡散変調手段82でSS変調がなされ、図9
(c)のような帯域を有する2次変調信号lとして送信
機83より伝送される。受信機84はこの信号を受信
し、拡散復調手段85は巡回符号生成手段89の生成し
た同一の巡回符号を用いて、受信信号をSS復調し、再
び1次変調信号kと同一の1次復調信号mとする。そし
て、情報復調手段86はこの1次変調信号を音声信号に
復調してスピーカ87より出力する。
【0004】通常の伝送経路では、ノイズ等の妨害によ
り伝送信号が影響を受ける。図9(b)や(d)のよう
な限られた帯域幅の伝送信号では、搬送波周波数fc
近にノイズが存在すると、元の信号は復元できない。し
かし、図9(c)の如く、伝送信号が既にノイズレベル
以下のレベルであっても広帯域であれば、伝送信号が全
部失われることがなく、復元可能である。このように、
SS変調は、2次変調によってスペクトラムが拡散され
るので、ノイズ、外部干渉に強く、伝送路における信号
スペクトラム密度が小さい、秘匿性が高い等の特徴を有
する。
【0005】従来のSS変調の多重化通信における送受
信機の構成例を、図10に示す。図10に示すように、
送信機1〜Nから送信される信号は伝送路95内を多重
化されて送信される。各送信機内部では、データa〜x
がそれぞれデータ変調手段92により1次変調され、拡
散符号生成手段(1〜N)94が生成する巡回符号に基
づいて、拡散変調手段93により2次変調され伝送路9
5に出力される。異なる送信器に係る拡散符号生成手段
94同士は、互いに異なる巡回符号を発生する。
【0006】受信機90は、この多重化された受信信号
を入力する。拡散復調手段96は、拡散符号生成手段9
7の生成する巡回符号に基づき、受信信号を復調して1
次変調信号とし、データ復調手段98が元のデータzに
復調する。各送信機1〜Nは、巡回符号として相異なる
疑似雑音符号(例えば、ゴールド符号やM系列符号)を
用いており、受信機90の拡散符号生成手段97は、送
信器1〜Nの巡回符号に対応した複数の巡回符号を、位
相を同期させて発生する。従って、巡回符号(1〜N)
の内の一つのみが選択される。
【0007】図11は、従来のSS多重化通信の別の構
成例である。システムの基本的構成は、図10のものと
同様である。但し、送信器1〜Nの拡散符号生成手段9
4には同期クロック線91が供給されており、各拡散符
号生成手段94では各巡回符号の同期が取れている。送
信器間で同期を取るというこの方法では、複数の巡回符
号化された信号間での相互妨害が少ないという特徴があ
る。
【0008】なお、図10,11においては、ケーブル
等の伝送路が存在する如く記述したが、実際にはSS通
信は、無線通信により行われることが多い。これら、S
S変調による多重化信号の送受信装置に関しては、特開
昭62−45233号公報、特開昭62−23634号
公報等に、SS変調用の巡回符号として代表的なゴール
ド符号を用いたものが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
第1のSS多重化送受信装置(図10)では、他のチャ
ンネル間の相互相関が大きいという欠点があった。図8
(b)に、スペクトラム巡回符号としてM系列符号を用
いたときに、互いに異なるM系列符号間で生ずる相互相
関の様子を示す。横軸は、チップ数を表す。チップと
は、SS拡散のための巡回符号の位相をいい、所定のビ
ット数巡回して初期値に戻る際の1ビットクロックの位
相差を示す。
【0010】ここで、相関とは、二つの疑似ランダム符
号間において、ある時点での符号が一致する関係をい
い、相互相関とは異なる符号内容を有する符号間での相
関をいう。また、自己相関とは同じ符号間での相関を意
味する。相関の度合いは、相関値により示される。相関
値は、対比される符号系列をビット毎に比較した場合の
一致の個数から不一致の個数を引いたものとして表現さ
れる。この相関値が大きい程対比される符号は相関が強
く、相関値が小さい程相関は弱いといえる。そして、自
己相関の相関値が高いほど復調され易く、相互相関の相
関値が低いほど互いに干渉が少ない。従って、目的とす
るSS変調信号との巡回符号の自己相関は大きき程よ
く、他のSS変調信号との関係では相互相関は小さい程
よいといえる。
【0011】図8(b)では、縦軸の振幅が相関関係の
強さを示し、横軸は異なるM系列符号同士の符号化信号
の位相のズレを示している。本図によれば、位相の多少
に関わらず相互相関が存在し、特定の間隔をおいて強い
相関も出現している。
【0012】ここでは、異なる符号同士の相関が強すぎ
るといえる。また、同じSS変調の代表的符号として、
ゴールド符号があるが、異なる符号のSS変調信号同士
の相互相関は、M系列符号より若干優れるものの十分と
は言えない。相互相関値を向上させるためにゴールド符
号を用いると、今度はランダム性が劣ってしまうのであ
る。更に、通常のSS通信においては、もっと特殊な符
号を用いることもあるが、これらはゴールド符号よりラ
ンダム性が悪い。
【0013】一方、従来の第2のSS多重化送受信装置
(図11)では、送信器間の同期を正確に取らないと、
従来の第1のSS多重化送受信装置と同様に相互相関値
が変化してしまう。
【0014】更に、従来の第1及び第2のSS多重化送
受信装置とも、各送信器の符号発生用クロックにジッタ
が生じると、更に相互相関値が変化して特性が不安定に
なるという欠点もあった。
【0015】そこで、本発明の目的は、相互相関の少な
いSS多重化送受信方法及び装置を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】SS変調された信号は、
相関値が強い符号により完全に復号化でき、また、相関
値が少ない符号を用いる場合は復号ができず、復調手段
にとって、変調信号は単なる雑音でしかない。つまり、
複数の符号化されたSS変調信号が存在しても、相関値
の高い符号で変調された信号のみを選択して復調するこ
とが可能なのである。従って、SS変調の多重化におい
ては、求める信号との自己相関が高く、且つ、異なる信
号との間では相互相関が小さくなるような、変調の復調
に係る符号の相関関係が求められる。
【0017】SS符号における相関関係を調べるため、
ゴールド符号とM系列符号のスペクトラム分布を図7に
示す。図7(a)はゴールド符号のスペクトラム分布で
あり、図7(b)はM系列符号のスペクトラム分布であ
る。図7の分布の様子から判るように、ゴールド符号は
M系列符号に比べ、ランダム性で劣っている。通常、S
S通信の拡散性能は符号のランダム化の程度により決ま
る。よって、M系列は最もランダム性に優れた符号であ
り、M系列符号を用いたことにより拡散性能をより良好
なものとすることができる。
【0018】同じM系列符号同士の相互相関(自己相
関)を図8(a)に示す。図8(a)に示すように、符
号が同一のM系列符号の自己相関は、位相が一致したと
き(位相ゼロ)には最大となり、一致しないときには相
互相関が非常に小さくかつ一定であるので、多重化に適
しているといえる。異なるM系列符号を用いた場合は、
図8(b)に示すように、位相が一致若しくは不一致で
も相関関係の変動が激しく、多重化には好ましくない。
【0019】以上より、SS多重化において、同じ値を
有するM系列符号を使用するのが好ましいことが判る
が、無線通信により同じM系列符号を用いて多重化する
と以下の不都合が起こる。
【0020】無線の場合、電波の伝送には、直接伝わる
直接波と、ビルや山などに反射して伝わる反射波が幾つ
か存在することになる。このような伝送をマルチパス伝
送というが、場合によっては、反射波の方が直接波より
大きくなることがある。このとき、反射波は、直接波よ
り遅れて受信され、通常この遅延量は、拡散符号の周期
より小さい。よって、一つのSS変調波を受信するだけ
で、自己相関のピークが幾つも存在することになり、無
線により同じM系列符号を用いて伝送を行うのは現実的
でない。それに対して、ケーブルを用いてSS通信を行
う場合には、反射波による影響が殆ど考えられないので
良好な自己相関が得られる。
【0021】従って、本発明では、ケーブル通信による
SS変調通信を前提とし、疑似ランダム信号としてM系
列符号を用い、しかも、送信器同士及び受信機で使用す
るM系列符号を同一の符号をもって符号化・復号化を行
う。これにより、相互相関の非常に少ないSS多重通信
が行える。
【0022】そこで、上記目的を達成するために、請求
項1記載の発明は、スペクトラム拡散変調された複数の
被送信信号を多重化して伝送路を介して送受信するスペ
クトラム拡散通信方法において、送信側では、前記複数
の被送信信号は、互いに同一のM系列符号であって互い
に同期し且つ位相が異なる符号化信号によりそれぞれス
ペクトラム拡散変調され、受信側では、前記多重化され
た前記複数の被送信信号は、前記符号化信号に係る前記
M系列符号と同一のM系列符号であって前記符号化信号
に同期し且つ位相を変更可能な復号化信号によりスペク
トラム拡散復調され、前記復号化信号の位相を制御する
ことにより、前記複数の被送信信号のいずれか一つを選
択的に復調すること、を特徴とする。
【0023】請求項2記載の発明は、被送信信号をスペ
クトラム拡散変調する複数の送信手段を有するスペクト
ラム拡散送信装置において、一の送信手段は、スペクト
ラム拡散変調に係る符号化信号を位相可変に生成する符
号生成手段と、符号生成手段の生成した符号化信号に基
づいて被送信信号をスペクトラム拡散変調する変調手段
とを有し、複数の送信手段に係る符号化信号は、互いに
同一のM系列符号であって位相が異なるM系列符号であ
ること、を特徴とする。
【0024】請求項3記載の発明は、スペクトラム拡散
変調され多重化された複数の被送信信号を伝送路を介し
て受信し復調するスペクトラム拡散受信装置において、
スペクトラム拡散変調に係る復号化信号を位相可変に生
成する符号発生手段と、符号発生手段の発生した復号化
信号に基づいて多重化信号をスペクトラム拡散復調する
復調手段とを有し、復号化信号は、スペクトラム拡散変
調に係る符号化信号と同一のM系列符号を用いて位相可
変に生成され、復調手段は、復号化信号の位相を制御す
ることにより、複数の被送信信号より一の被送信信号を
選択的にスペクトラム拡散復調する。
【0025】請求項4記載の発明は、請求項2のスペク
トラム拡散送信装置と、請求項3のスペクトラム拡散受
信装置とを有し、スペクトラム拡散変調及び復調に係る
巡回符号は同一のものを用いる。
【0026】請求項5記載の発明は、請求項4のスペク
トラム拡散送受信装置において、スペクトラム拡散受信
装置は、基準信号に同期した同期信号をスペクトラム送
信装置に送信する同期信号送信手段を有し、スペクトラ
ム拡散送信装置において、符号化手段は同期信号に基づ
いて符号化信号を生成する。
【0027】
【作用】請求項1記載の発明によれば、送信器側では、
複数の被送信信号は、互いに巡回符号として同一のもの
を用い、また、位相関係が互いに異なるM系列符号たる
符号化信号によりそれぞれスペクトラム拡散変調されて
いるので、相互相関が著しく小さく且つ自己相関が生ず
る時間が異なり、これによりスペクトラム拡散変調の多
重化送信が行える。
【0028】また、受信機側では、スペクトラム拡散変
調に係るM系列符号たる符号化信号に同期した基準信号
をPLL等の手段で生成し、基準信号の位相を少しづつ
変更して復号化信号を生成すれば、複数の被送信信号の
中で自己相関が高い一の被送信信号のみを選択的にスペ
クトラム拡散復調できる。
【0029】請求項2記載の発明によれば、一の送信手
段内において、符号生成手段はスペクトラム巡回符号化
に係る基準信号を生成する。そして、生成した基準信号
に基づいてM系列符号たる符号化信号を生成する。
【0030】変調手段は、符号生成手段の生成した符号
化信号に基づいて被送信信号をスペクトラム拡散変調す
る。そして、複数の送信手段に係る符号化信号は、互い
に巡回符号として同一のものを用い位相が互いに異なる
よう設定されているので、相互相関が著しく小さく且つ
自己相関が生ずる時間が異なり、これによりスペクトラ
ム拡散変調の多重化送信装置が構成できる。
【0031】請求項3記載の発明によれば、符号発生手
段はスペクトラム拡散変調に係る復号化信号を位相可変
に生成する。復調手段は、符号発生手段の発生した復号
化信号に基づいて多重化信号をスペクトラム拡散復調す
る。そして、復号化信号は、スペクトラム拡散変調され
た際の符号化信号と同期し同一のM系列符号たる巡回符
号を用いて生成されている。
【0032】従って、復調手段は、復号化信号の位相を
制御することで、複数の被送信信号より自己相関の高い
一の被送信信号のみを選択的にスペクトラム拡散復調で
きる。
【0033】請求項4記載の発明によれば、同一のM系
列符号たる巡回符号を用い且つ符号化・復号化信号が同
期しているので、スペクトラム拡散多重化による送受信
が行える。
【0034】請求項5記載の発明によれば、スペクトラ
ム拡散受信装置側で、同期信号送信手段が基準信号に同
期した同期信号をスペクトラム送信装置に送信し、スペ
クトラム拡散送信装置では、この同期信号に基づいて、
符号生成手段が符号化信号を生成するので、位相関係の
制御ができる。
【0035】
【実施例】本発明のスペクトラム送受信装置に係る好適
な実施例を図面を参照して説明する。スペクトラム拡散変調の原理 まず、スペクトラム拡散変調の基本原理を図2を参照し
て説明する。
【0036】SS変調の概念を掴むため、単純な搬送波
をPSK(Phase Shift Keying)変調によりSS変調す
る例を図2(a)に示す。図2(a)に示すように、入
力した搬送波aは、変調器12に入力する。この変調器
12は符号発生器10の生成するデジタル信号bのビッ
ト状態(‘0’、‘1’)に応じて入力された搬送波a
をPSK変調する。すると、搬送波aは二次変調波形c
となって、伝送路14を伝播する。この二次変調cは、
符号発生器10の発生した符号の周波数によって周波数
帯域が分散させられる。従って、搬送波aの有する周波
数は、符号の有するランダム性に応じて周波数成分が拡
散し(つまり、スペクトラム分布が拡散=スペクトラム
拡散)、伝送路14を伝播する。
【0037】更に、二次変調波形cは復調器16に入力
される。符号発生器18では符号dを発生する。この符
号dは符号発生器10で生成された符号bと全く同じも
のであり、且つ符号bと同期したものである。その符号
dにより、復調器16がPSK復調を行うと、完全に元
の原信号eに復調できるのである。
【0038】ここでは、変調方式をPSK変調としてい
たが、変調方式が他のFSK、PAM(Pulse Amplitud
e Modulation)等でも可能なことは容易に判る。一般的
には、搬送波の検出、電力効率、回路の経済性等の理由
からPSKによる二次変調がより好適とされている。
【0039】さて、符号発生器で発生する符号として用
いるのがM系列符号である。SS変調における符号は非
常に重要な意味を有しており、使用される符号の型、符
号長、符号の速度によりシステムの性能を限定する。回
路構成上は、できるだけ簡単な回路でランダム性の高い
符号を発生でき、復調時にも簡単に変調時の符号が発生
できるものがよい。M系列符号はこの要求を満たし、通
信・測距の分野で一般的に用いられる最も優秀な符号系
列である。
【0040】図2(b)に、M系列符号発生器の基本回
路を示す。D0 〜Dk 、Dk 〜Dnは、遅延素子であ
り、具体的には、フリップフロップ等の遅延素子で構成
され、全体はシフトレジスタを構成していると考えられ
る。22は加算器であり、フリップフロップDk の出力
と最終出力とを加算して、再び入力信号とする。従っ
て、このシフトレジスタはシフトする度に異なる値を入
力し、その変化が出力に現れる。図2(b)のような回
路で生成される信号は最大周期系列(M系列)符号とい
われ、ランダム性の高い疑似ランダム信号となる。M系
列符号に係るシフトレジスタの段数をnとすると、この
M系列符号発生器で発生可能な符号系列は最長で2n
1となる。M系列符号の生成する疑似ランダム信号の列
は、シフトレジスタの段数と、初期値と、加算器への取
り出しタップの位置により、大幅に変化する。これらの
要素の組み合わせにより、初期値から再び同じ符号にな
るまで巡回に必要なクロック数が決まる。
【0041】本発明では、基準信号をシフトクロックと
する図2(b)のようなM系列符号発生器によりランダ
ム性の高い符号化信号が生成される。 (i)第1実施例 本実施例は、複数の送信器でSS変調された被送信信号
を多重化し、伝送路を介して受信機に送信するというも
のである。多重化は、送信器間で同期信号を共通にし、
符号の位相をずらせることで行う。
【0042】図1に本発明の第1実施例の構成を示す。
図1に示すように、本実施例のSS送受信装置は、複数
の送信器1〜(送信器)Nと、混合器5と、伝送路R
と、受信機1とを備えて構成される。
【0043】一の送信器は、被送信信号を1次変調する
データ変調回路2と、符号化信号により1次変調された
被送信信号のSS変調を行う拡散変調回路3と、M系列
符号の符号化信号を生成するM系列符号生成回路4と、
M系列符号生成回路4から出力される符号化信号の位相
を調整する位相調整素子D(送信器毎に遅延量が異な
る。)と、を備える。各送信器のM系列符号生成回路
は、同期クロック線0により相互に接続され、基準信号
O の同期が取れるようになっている。
【0044】受信機1は、伝送路Rより多重化信号を入
力し、復号化信号によりSS復調する拡散復調回路6
と、多重化信号に同期した基準信号を生成する位相ロッ
ク回路7と、位相ロック回路7の生成する基準信号に基
づいてM系列符号の復号化信号を生成するM系列符号生
成回路8と、SS復調された1次変調信号を元の被送信
信号に復調するデータ復調回路9と、を備える。
【0045】次に、第1実施例の動作を説明する。送信側 各送信器1〜Nは、それぞれ独自の被送信信号を入力す
る(データa〜データx)。各データは、アナログ信号
であってもデジタル信号であってもよい。データ変調回
路2は、所定の搬送波でこれら被送信信号を1次変調す
る。1次変調は、入力されている被送信信号のデータの
種類に応じて適当な変調方式を採用すればよい。但し、
本実施例では、受信機1において、一つのデータ復調回
路9により全ての送信器に係る1次変調信号の復調を行
うため、システム全体の1次変調方式及び搬送波周波数
を統一しておく必要がある。1次変調方式としては、振
幅変調(AM、PAM)、周波数変調(FM、FSK)
等が適用できる。
【0046】一方、各送信器1〜NのM系列符号発生回
路4では、基準信号CO に従って巡回符号を生成する。
M系列符号生成回路4は基準信号CO を入力する。M系
列符号生成回路4は、この基準信号CO に従ってシフト
レジスタを動作させM系列符号を発生する。このM系列
符号は位相調整素子D1 〜DN で遅延させられ、拡散変
調器3に供給される。ここで、各位相調整素子D1 〜D
N は、遅延位相量が互いに異なるように設定される。こ
れにより、各通信機毎のM系列符号は、互いに位相が異
なることになる。位相調整素子Dは、単純な遅延素子や
バッファ、マルチバイブレータ等で構成できる。
【0047】基準信号CO としては、図1の発振器OS
C等で生成し、同期クロック線0を介して各送信器1〜
Nに共通に供給してもよい。M系列符号生成回路4のM
系列符号発生器のシフトレジスタの段数には、特に制限
はないが、段数が多いほどランダム性が増す。複数のM
系列符号間での自己相関性を持たせるために、シフトレ
ジスタの段数及び初期設定の値は、全ての通信器に係る
M系列符号生成器4で同じであることが重要である。こ
れにより、各M系列符号生成回路4は、同じ巡回符号を
互いに異なるタイミングで発生することになる。この巡
回符号は、位相変調素子D1 〜DN に供給され、互いに
異なる位相とされた後、拡散変調回路2に供給される。
拡散変調回路3の採用する変調方式は、原理説明で述べ
たように適宜適用できる。
【0048】各送信器1〜Nの2次変調信号は、インピ
ーダンス整合等をとるために混合器5で加算され、伝送
路Rに供給される。なお、拡散変調回路3でインピーダ
ンス整合が取れる場合は、直接伝送路Rに接続してもよ
い。
【0049】図3にSS変調の多重化の様子を示す。横
軸は、位相を示している。M系列の符号が一巡して同じ
値になる周期を、1周期として示してある。また、一の
送信器には一のチャネルが対応している(例えば、送信
器1のSS変調信号はチャネル1となる。)。図3に示
すように、M系列符号の自己相関関係は周期的に現れ
る。この周期はM系列符号の符号速度、値、段数で一義
的に決まる。各通信器に係る符号化信号は、これらの要
素が全く同一で、位相のみが少しづつずれた関係になっ
ているので、自己相関関係が生じる位相が、チャネル毎
にずれて現れる。図9(c)に示す如く、このSS変調
された多重化信号は、周波数領域で見れば、ノイズレベ
ル以下の振幅でデータ変調回路2に係る搬送波周波数を
中心に広帯域に広がるスペクトラム分布を有する。よっ
て、雑音等の影響を受けずに伝送される。
【0050】なお、送信器側で生成するM系列符号の位
相を互いに異ならせるため、位相調整素子D1 〜DN
設けて遅延量を調整していたが、初期設定値におけるシ
フトレジスタの値をずらしておいてもよい。この場合、
各通信機の図示しないCPU等が、M系列符号生成回路
のシフトレジスタに設定する初期値を少しずつシフトさ
せた値とするような設定方法が考えられる。受信側 さて、受信機1は、伝送路Rから多重化されたSS変調
信号を受信信号として入力する。拡散復調回路6は、M
系列符号生成回路8から供給された復号化信号に基づい
て、2次変調された受信信号を1次変調信号に復調す
る。例えば、復号化信号の有するビット状態に応じて送
信器1〜Nの拡散変調回路3と同じ変調方式(例えば、
PSK変調)で多重化されたSS変調信号を復調する。
受信信号たる多重化されたSS変調信号のうち、最終的
に復調されるSS変調信号が何れの送信器に係るSS変
調信号であるかは、そのときの復号化信号の位相によっ
て決まる。しかし、M系列符号の自己相関は鋭い特性を
有しており(図8(a))、送信器に係る符号化信号
と、受信機に係る復号化信号との位相のずれが1ビット
以上ずれてしまうと信号が復調できないため、SS変調
における同期捕捉は一般に困難である。
【0051】そのために、位相ロック回路7は、まず、
内部のVCOを動作させ、内部のクロック発生器の発生
する基準信号の位相を小刻みにスライドさせる。このス
ライドは、例えば、1/10ビット、1/8ビットとい
うステップ状の変動である。M系列符号生成回路8は、
この位相が微動する基準信号に対応して、復号化信号を
発生する。拡散復調回路6では、この復号化信号と入力
した受信信号とを積算する。この拡散復調回路6で生成
される出力は、受信信号と非同期の復号化信号の積であ
る疑似雑音となる。次いで、基準信号の位相が図3の何
れかのチャネルとの同期点に達すると、コーヒレント出
力が得られ、データ復調回路9で受信する1次変調に係
る搬送波レベルが急激に上昇する。データ復調回路9
は、この信号の存在を示す量(相関出力)を位相ロック
回路7に入力する。位相ロック回路7は、この信号レベ
ルを元に、同期が取れたか否かを判定する。同期判定に
は、一般的なPLL回路、包絡線検波器による包絡線検
出等が用いられる。包絡線検出というのは、自己相関点
付近の急激な立ち上がりを利用するものある。これによ
りSS変調に係る符号化信号と受信機の復号化信号の時
間的な同期がとれる。位相ロック回路7の同期検出回路
は、相関出力のレベルを判定し、VCO回路を駆動して
クロック発生器の位相を調整することで、同期を掛ける
ことができる。
【0052】同期捕捉に続いて同期の追跡を行う。SS
変調では、一旦同期捕捉に成功した後は、基準信号によ
る復号化信号が、受信される符号化信号の位相を正確に
追従して、クロック状態を維持する必要がある。その精
度は、クロックの数分の1という精度で行われる。この
追従動作には、タウディザ追跡、遅延ロック、搬送波ロ
ック等の手法を用いる。タウディザは、相関関係が三角
形の波形となることを利用して、クロックを微変動さ
せ、三角形の頂点付近を捕捉するというものである。遅
延ロックは、拡散復調回路6から相関信号とそれから1
ビット遅延した相関信号とを入力し、一方の相関出力を
逆相にして加算する。すると、ゼロクロス点(追従点)
が出現するので(図4参照)、この追従点を捕捉して、
相関出力の頂点付近で位相同期をとるというものであ
る。何れの方法を用いても本実施例に適用できる。
【0053】最終的に、同期捕捉ができ追従が完了すれ
ば、位相ロック回路7はほぼ一定の基準信号をM系列符
号生成回路8に供給し、M系列符号生成回路8はその基
準信号に従って巡回符号たる復号化信号を拡散復調回路
6に供給する。データ復調回路9は、同期追従のための
相関出力を位相ロック回路7に供給する他、1次変調信
号を復調し原信号たるデータzとする。
【0054】同期捕捉するチャネル、つまり受信・復調
する送信器に係るSS変調信号を変更するには、供給さ
れるセレクト信号Sに応じて、M系列符号生成回路8が
出力データを遅延させる量を変更する。この変更には、
デジタルの遅延素子を利用できる。チャネル相互間で、
位相のずれの量が何ビットであるかを定めてあれば、M
系列符号生成回路8はそのビット数分だけの位相をシフ
トする。その間、同期を乱すことがないので、新たなチ
ャネルでも同期捕捉がすぐ行える。送信器1〜Nの送信
するデータの中に、自己のチャネル番号等の割付情報を
含ませておけば、希望するチャネルと、最初に同期捕捉
できたチャネルとの相対関係により、何ビットシフトさ
せれば新たなチャネルに同期可能かが判断できる。よっ
て、最終的に希望のチャネルへの同期合わせが行え、選
択ができる。セレクト信号Sは、システムのCPU(図
示せず。)等により管理されている。CPUは、ユーザ
の指定するチャネルと、現在捕捉中のチャネル番号を管
理し、適宜M系列符号生成回路8を制御することにな
る。
【0055】上記第1実施例によれば、M系列符号を用
いて多重化したSS変調信号の送受信が行える。多重化
密度は、M系列符号の段数、符号内容を調整することで
可能である。また、受信機側では、同期捕捉及び位相変
更を行うことで、多重化された信号の中から所望のチャ
ネルを選択し、対応する通信器の被送信信号を復調する
ことができる。本実施例によれば、特別に同期用の信号
を伝送路中に捕捉する必要がないので、簡単にシステム
を構成できる。 (ii)第2実施例 第2実施例は、CATV(Cable TV)に本発明を適用し
たものである。本実施例では、送信器にサービスを受け
る加入者が対応し、受信機にセンタが対応する。
【0056】第2実施例によるスペクトラム拡散送受信
装置を図5に示す。図5に示すように、本実施例では、
センタ60からの情報は、伝送路Rを介してユーザ1〜
Nに伝送される。
【0057】一のユーザは、コンバータ50と、CRT
(Cathord Ray Tube)とを備える。センタ60は、CA
TV放送に係る管理部分として、通常のTV放送を再度
周波数変換して送信する再放送ユニット68と、双方向
CATVのユーザから送信された上り信号及びユーザに
対する下り信号をデジタル変調データとして送受信する
データモデム69と、センタ60全体を統括管理するコ
ンピュータ67とを備える。
【0058】また、本発明に係るSS変調の受信を行う
ブロックとしては、入力する受信信号をSS復調し1次
変調信号とする拡散復調回路61と、1次変調信号を原
信号に復調するデータ復調回路62と、位相調整回路6
3と、M系列符号生成回路64とにより第1実施例の受
信機1と同等の内容を構成し、更に、同期捕捉の基準信
号を発生する同期信号変調器66とを備える。
【0059】再放送ユニット68、データモデム69、
同期信号変調器64からの信号は加算器56で重畳さ
れ、伝送路Rに接続される。また、各ユーザ1〜Nに
は、分配器54を介してセンタ60からの下り信号が伝
送され、ユーザからの上り信号がセンタ60で送信され
る。伝送路R、分配器54はここでは簡単に例示してあ
るが、実際には、広範囲に亘って配線され、複数の幹線
増幅器、幹線分岐増幅器、タップオフと、長距離の伝送
線により構成される。
【0060】図6に、ユーザの使用するコンバータ50
の符号発生部分のブロック図を示す。図6に示すよう
に、符号発生ブロックは、入力する信号を各回路にフィ
ルタ等で分配するブランチフィルタ70と、分岐された
同期信号を1/16に分周する16分周器71と、16
分周された同期信号をVCO74の局部発振周波数と位
相比較する位相比較回路72と、位相比較結果を波形成
形するローパスフィルタ73と、ローパスフィルタ73
の出力した駆動信号により基準信号周波数を増減させる
VCO回路74と、VCO回路74の発振する基準信号
によりM系列符号たる符号化信号を発生するシフトレジ
スタ75、加算器76と、ブランチフィルタ70とデジ
タル信号を送受信するデータモデム77と、データモデ
ム77を介してセンタ60とデジタルデータの送受信を
行い、また、シフトレジスタ75のリセットを適当なタ
イミングで行うためのリセット信号を出力するCPU7
8と、を備える。
【0061】次に第2実施例の動作を説明する。本実施
例は、第1実施例のように同期クロック線0(図1)に
より各送信器(ここではユーザ1〜N)の同期をとるよ
うなことはしない。送信器の存在する場所が互いに近接
していれば、同期クロック線のような配線を行うことが
できるので、第1実施例の動作が可能である。しかし、
CATVのように広範囲に送信器たるユーザが散在する
システムでは、このような配線は適用できない。そこ
で、本実施例では、センタ60より同期信号を伝送路R
に変調して送信し、各ユーザはそれに応じて送信する位
相を発生させる。
【0062】なお、CATVとは、契約を結んだ加入者
にセンタから伝送される情報サービスのことである。通
常のCATVでは、既設の放送局の信号を再放送、自主
番組による自主放送等がセンタからケーブルを介してユ
ーザの家庭へ伝送される(下り信号)。また、双方向C
ATVの場合は、下り信号の他に、加入者からセンタへ
の信号(上り信号)が伝送できるというものである。こ
れらの連絡は、ポーリング方式によって行われる。
【0063】センタ60において、拡散復調回路61、
データ復調回路62、位相調整回路63、M系列符号生
成回路64は第1実施例の同様な動作を行うので説明は
省略する。但し、位相調整回路63は、M系列符号生成
回路64に供給する基準信号とほぼ同期した同期信号を
同期信号変調器66に供給する。同期信号変調器66
は、この同期信号を所定の周波数(例えば、128〔MH
z 〕)の搬送波でデジタル変調(例えば、FSK変調)
して、伝送路Rに下り信号として供給する。
【0064】各ユーザ1〜Nはこの同期信号を受信し、
ブランチフィルタ70でこの所定の周波数帯の信号を分
離する。この同期信号は16分周器で1/16に分周さ
れ(同期信号が128〔MHz 〕なら8〔MHZ 〕)、位相
比較回路72に供給される。位相比較回路72,ローパ
スフィルタ73、VCO回路74はいわゆるPLLロッ
クループを形成しているので、VCO回路74の出力す
る基準信号は、センタ60の供給する同期信号に同期し
たものとして、シフトレジスタ75に供給される。
【0065】シフトレジスタ75は、CPU78により
リセット信号が解除されると、初期値より基準信号に従
ってM系列符号を生成していく。以下、第1実施例の送
信器と同様なので図示はしないが、このM系列符号は、
符号化信号として拡散変調回路に供給される。そして、
別途供給されている1次変調信号はこの符号化信号によ
りSS変調され、ブランチフィルタ70を介して伝送路
Rよりセンタ60へ上り信号として送信される。
【0066】ユーザ間のSS変調信号の位相調整を行う
ため、以下の動作が行われる。センタ60は、各ユーザ
1〜Nに割り付けられたアドレスを指定して、ユーザの
コンバータ50が保持している被送信信号を送信させる
ための送信許可のコマンドをデータモデム69を介して
各ユーザに送信する。同時に、M系列符号発生のための
リセットを解除する旨の信号をも送信する。各ユーザの
CPU78はデータモデム77より入力される下り信号
を監視し、当該ユーザのアドレスが指定されている場合
に、SS変調して送信するための準備をする。
【0067】まず、被送信信号を図示しないメモリ等か
ら読出し、送信準備をする。次いで、CPU78はリセ
ット信号を解除する。すると、シフトレジスタ75はそ
のタイミングから巡回符号を生成し、同時に、被送信信
号の変調が始まる。この被送信信号は、1次変調の後、
シフトレジスタ75の生成したM系列符号たる符号化信
号によりSS変調され、上り信号としてセンタに送信さ
れる。
【0068】リセット信号が送信されるタイミングは、
指定されたユーザにより異なったタイミングとなってい
るので、自己相関が生ずる位相はそれぞれ異なってい
る。従って、複数の指定されたユーザはそれぞれ被送信
信号を送信し、SS変調された信号を多重化することが
できる。これらSS多重化信号の伝送帯域は、例えば、
搬送波周波数を20〔MHz 〕、同期信号を128〔MHz
〕とした場合、符号化信号が8〔MHz 〕になるので、
20±8〔MHz 〕の広帯域伝送となる。
【0069】センタ60では、第1実施例と同様の動作
で、これら多重化されたSS変調信号の同期を捕捉し、
希望のチャンネルから順番に読み取ることができる。な
お、センタ20は、多重化がなされない状態で、一ユー
ザ毎にコマンドを送信し、データをSS変調で送信させ
てもよい。また、同期信号に基準となるトリガタイミン
グ情報を挿入し、ユーザ毎にそのトリガからリセットを
解除するまでのオフセット時間を指定するようにしても
よい。その際は、ユーザ側でそのトリガから所定の基準
信号をカウントした後リセットを解除する。このように
すれば、複数のユーザ間の多重化密度を上げることも可
能である。上記のように第2実施例によれば、送信器た
るユーザの間で同期を取る必要がなく、センタによる一
元管理が可能である。また、CATVという特性から、
加入者の端末装置からセンタに対して、有料番組視聴履
歴データ、有料番組視聴者申し込みデータ等の各種デー
タをケーブルを介してセンタに送信することができる。
ノイズレベル以下の広帯域伝送を行うので、外乱に強く
また符号化されているため、ある程度の秘匿性に優れる
ので、個人情報の送信であっても安心である。
【0070】また、サービス回線の他に電話回線にSS
変調し多重化して送信するシステムにも適用できる。更
に、第2実施例ではCATVを想定したが、CCTV
(Closed Circuit TV)等に対しても本発明は適用でき
る。その他の変形例 なお、上記スペクトラム拡散変調では、拡散変調方式は
PSK、QPSK、FSK、PAM等の各デジタル変調
方式に対応できる。
【0071】また、M系列符号の位相制御には、位相調
整素子等を用いたが、これは、デジタルのシフトレジス
タ、フリップフロップ等を用いるか、遅延線等を用いて
もよい。
【0072】
【発明の効果】以上の通り、請求項1記載の発明によれ
ば、送信側では、拡散性能が良好なM系列符号を用いて
SS変調多重送信が行える。また、受信側では、M系列
符号により多重化された多重化信号を外乱雑音による妨
害を受けることなく受信でき、一の前記被送信信号のみ
を選択的にスペクトラム拡散復調できる。また、送信側
の符号発生用クロックにジッタがあっても、相互相関値
が一定なのでシステム性能が安定する。
【0073】請求項2記載の発明によれば、拡散性能が
良好なM系列符号を用いてSS変調をし、多重化して送
信するSS変調多重化送信装置が提供できる。請求項3
記載の発明によれば、M系列符号により多重化された多
重化信号を外乱雑音による妨害を受けることなく受信で
き、一の前記被送信信号のみを選択的にスペクトラム拡
散復調できる。また、送信器側の符号発生用クロックに
ジッタがあっても、良好に受信できるSS変調多重化信
号の受信装置が提供できる。
【0074】請求項4記載の発明によれば、M系列符号
により多重化された多重化信号を外乱雑音による妨害を
受けることなく送受信でき、多くのSS変調信号を安定
して送受信できる送受信システムを提供できる。
【0075】請求項5記載の発明によれば、CATV等
の公共回線であっても、基準信号を共有できるので、送
信器側の同期合わせのための回路が必要なく、簡単にS
S変調多重化システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例によるスペクトラム拡散送受信装置
を示すブロック図である。
【図2】スペクトラム拡散の説明図であり、(a)はス
ペクトラム拡散の概念図であり、(b)はn次M系列符
号発生器の基本回路である。
【図3】本発明のスペクトラム拡散による多重化の説明
図である。
【図4】遅延ロックの追従点検出を説明する図である。
【図5】第2実施例によるスペクトラム拡散送受信装置
を示すブロック図である。
【図6】コンバータの符号発生部分を示す回路図であ
る。
【図7】巡回符号のスペクトラム分布を示し、(a)は
ゴールド符号のスペクトラム分布図であり、(b)はM
系列符号のスペクトラム分布図である。
【図8】相互相関の様子を示し、(a)は同一のM系列
符号同士の相互相関を示す説明図であり、(b)は異な
るM系列符号同士の相互相関を示す説明図である。
【図9】スペクトラム拡散方式の概念を示し、(a)は
スペクトラム拡散方式の基本構成を示し、(b)は信号
kを示すスペクトラム分布図であり、(c)は信号lを
示すスペクトラム分布図であり、(d)は信号mを示す
スペクトラム分布図である。
【図10】従来のスペクトラム拡散送受信装置の第1例
である。
【図11】従来のスペクトラム拡散送受信装置の第2例
である。
【符号の説明】
0…同期クロック線 1…受信機 2…データ変調回路 3…拡散変調回路 4…M系列符号生成回路 5…混合器 6…拡散復調回路 7…位相ロック回路 8…M系列符号生成回路 9…データ復調回路 10…符号発生器 12…変調器 14…伝送路 16…復調器 18…符号発生器 22…加算器 30、33、34…積算器 31…周波数変換器 32…復調器 35、36…包絡線検波器 37…コンパレータ 38…ローパスフィルタ 39…クロック発生器 40…遅延素子 41…半周期信号発生器 50…コンバータ 52…CRT(Cathord Ray Tube) 54…分配器 56…混合器 60…センタ 61…拡散復調回路 62…データ復調回路 63…位相制御回路 64…M系列符号生成回路 65…基準信号発生器 66…同期信号変調器 67…コンピュータ 68…再放送ユニット 69…データモデム 70…ブランチフィルタ 71…16分周器 72…位相比較回路 73…ローパスフィルタ 74…VCO回路 75…シフトレジスタ 76…加算器 77…データモデム 78…CPU 80…マイクロフォン 81…情報変調手段 82…拡散変調手段 83…送信手段 84…受信手段 85…拡散復調手段 86…情報復調手段 87…スピーカ 88、89…巡回符号生成手段 91…同期クロック線 92…データ変調回路 93…拡散変調回路 94、97…巡回符号生成回路 95…伝送路 96…拡散復調回路 98…データ復調回路 D1 〜DN …位相調整素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトラム拡散変調された複数の被送
    信信号を多重化して伝送路を介して送受信するスペクト
    ラム拡散通信方法において、 送信側では、前記複数の被送信信号は、互いに同一のM
    系列符号であって互いに同期し且つ位相が異なる符号化
    信号によりそれぞれスペクトラム拡散変調され、 受信側では、前記多重化された前記複数の被送信信号
    は、前記符号化信号に係る前記M系列符号と同一のM系
    列符号であって前記符号化信号に同期し且つ位相を変更
    可能な復号化信号によりスペクトラム拡散復調され、 前記復号化信号の位相を制御することにより、前記複数
    の被送信信号のいずれか一つを選択的に復調すること、 を特徴とするスペクトラム拡散通信方法。
  2. 【請求項2】 被送信信号をスペクトラム拡散変調する
    複数の送信手段を有するスペクトラム拡散送信装置にお
    いて、 前記一の送信手段は、前記スペクトラム拡散変調に係る
    符号化信号を位相可変に生成する符号生成手段と、 前記符号生成手段の生成した前記符号化信号に基づいて
    前記被送信信号をスペクトラム拡散変調する変調手段と
    を有し、 複数の前記送信手段に係る前記符号化信号は、互いに同
    一のM系列符号であって位相が異なること、 を特徴とするスペクトラム拡散送信装置。
  3. 【請求項3】 スペクトラム拡散変調され多重化された
    複数の被送信信号を伝送路を介して受信し復調するスペ
    クトラム拡散受信装置において、前記スペクトラム拡散
    変調に係る復号化信号を位相可変に生成する符号発生手
    段と、 前記符号発生手段の発生した前記復号化信号に基づいて
    前記多重化信号をスペクトラム拡散復調する復調手段と
    を有し、 前記復号化信号は、前記スペクトラム拡散変調に係る前
    記符号化信号と同一のM系列符号を用いて位相可変に生
    成され、 前記復調手段は、前記基準信号の位相を制御することに
    より、複数の前記被送信信号より前記一の被送信信号を
    選択的にスペクトラム拡散復調すること、 を特徴とするスペクトラム拡散受信方法。
  4. 【請求項4】 請求項2のスペクトラム拡散送信装置
    と、請求項3のスペクトラム拡散受信装置とを有し、前
    記スペクトラム拡散変調及び復調に係る前記巡回符号は
    同一のものを用いること、 を特徴とするスペクトラム拡散送受信装置。
  5. 【請求項5】 請求項4のスペクトラム拡散送受信装置
    において、 前記スペクトラム拡散受信装置は、前記基準信号に同期
    した同期信号を前記スペクトラム送信装置に送信する同
    期信号送信手段を有し、 前記スペクトラム拡散送信装置において、前記符号生成
    手段は前記同期信号に基づいて前記符号化信号を生成す
    ること、 を特徴とするスペクトラム拡散送受信装置。
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