JPH07244183A - 沸騰水型原子炉用燃料集合体 - Google Patents

沸騰水型原子炉用燃料集合体

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JPH07244183A
JPH07244183A JP6032522A JP3252294A JPH07244183A JP H07244183 A JPH07244183 A JP H07244183A JP 6032522 A JP6032522 A JP 6032522A JP 3252294 A JP3252294 A JP 3252294A JP H07244183 A JPH07244183 A JP H07244183A
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JP
Japan
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fuel assembly
coolant
fuel
boiling
subcool
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Application number
JP6032522A
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English (en)
Inventor
Daisuke Goto
大輔 後藤
Akira Mototani
朗 本谷
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】燃料集合体の冷却材流路に冷却材の撹拌手段を
設けてサブクールボイドの発生を低減し、地震等による
振動で急激に冷却材の混合が促進された場合に、炉心の
ボイド率の低下を抑制して異常な出力上昇を防止し、原
子炉の健全性と稼働率を向上した沸騰水型原子炉用燃料
集合体を提供する。 【構成】請求項1記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃
料集合体15は、多数の燃料棒2を上端に位置する上部タ
イプレート4と下端に位置する下部タイプレート5及び
その中間に位置する複数のスペーサ6で束ねてチャンネ
ルボックス7に収納して構成した燃料集合体において、
下部のサブクール沸騰領域に燃料棒2周囲を流れる冷却
材8の撹拌手段である旋回翼17を下部タイプレート16に
設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉において
炉心を形成する沸騰水型原子炉用燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に沸騰水型原子炉においては、多数
の燃料集合体と制御棒により炉心が形成されている。ま
た、図6(a)の縦断面図に示すように燃料集合体1
は、多数の燃料棒2をウォータロッド3と共に、上部タ
イプレート4と下部タイプレート5及びスペーサ6で束
ね、チャンネルボックス7に収納して構成している。さ
らに、冷却材8は下方より下部タイプレート5を経由し
て燃料集合体1内に流入し、燃料集合体1内の燃料棒2
で熱せられて蒸気(ボイド)を発生し、気液2相流とな
って上部タイプレート4から出ていく。
【0003】燃料集合体1に供給される冷却材8は、炉
心外にあるポンプ等で局所的な減圧状態が生じても減圧
沸騰(キャビテーション)が生じないように、炉心に対
する飽和温度よりも10〜15℃程度低温の状態(サブクー
ル状態)で燃料集合体1の入口に供給される。
【0004】したがって、冷却材8は図6(b)のボイ
ド分布図、及び図7(a)の沸騰開始部模式図に示すよ
うに、燃料集合体1内に入ってもすぐには沸騰を開始せ
ず、下部タイプレート5の上で燃料棒2の燃料有効部に
て熱せられ、燃料棒2の下端より若干上部位置において
冷却材温度が飽和温度以上になって初めて沸騰が始ま
る。この時の隣接した燃料棒2相互間の冷却材温度分布
を図7(b)のボイド率分布図と、図7(c)の温度分
布図に示す。
【0005】前記図6(b)及び図7に示すように、サ
ブクール沸騰開始点9の近傍では燃料棒2の表面は、飽
和温度をわずかに越えた状態(過飽和状態)の冷却材8
の膜(境界層10)で覆われている。一方、燃料棒2と他
の燃料棒2との中央部を流れるバルク冷却材11は飽和温
度に達していない。一般に、このようにバルク冷却材11
の温度が飽和温度に達していないにも関わらず生ずる沸
騰をサブクール沸騰と言い、この時に発生しているボイ
ドをサブクールボイド12と呼んでいる。
【0006】図6(b)で示すようにサブクールボイド
12は、サブクール沸騰開始点9と平衡沸騰開始点13との
間の斜線で示す部分で発生し、これがサブクールボイド
量14となる。また、このような現象はチャンネルボック
ス7と燃料棒2の間の流路でも生じるが、この場合はチ
ャンネルボックス7は発熱していないので、燃料棒2の
表面のみでサブクールボイド12が発生し、チャンネルボ
ックス7に近いほど冷却材温度は低くなる。
【0007】さらに、下部タイプレート5には燃料棒2
を支持するボスや、ウェブが設けられているため、燃料
棒2の表面付近の冷却材8の流速が遅くなり、このため
に、燃料棒2の表面で飽和温度をわずかに越えた状態
(過飽和状態)の冷却材8の膜による境界層10の温度が
上がり、バルク冷却材11との温度差を大きくするのでサ
ブクールボイド12が生じ易くなる。
【0008】通常、沸騰水型原子炉では、燃料集合体1
の入口近傍の冷却材流速は2 m/s程度で十分な乱流状態
であるが、燃料棒2の表面熱流速が高いために冷却材混
合が間に合わずにサブクール沸騰状態が生じて、サブク
ールボイド12が発生することになる。
【0009】さらに、例えば地震等によって燃料棒2が
急激に振動すると、これにより冷却材8の混合がさらに
促進される状態となり、前記バルク冷却材11とサブクー
ルボイド12の接触が進行して、運転条件によっては急速
にサブクールボイド12の一部が消滅して、炉心における
ボイド率が一時的に減少する可能性がある。なお、一般
にサブクール沸騰は、燃料棒2の下端から約1.5m上方ま
での領域で発生している。
【0010】また、チャンネルボックス7の内壁面は平
坦であり、発熱もないことから沸騰もなく、さらに、チ
ャンネルボックス7の外周はバイパス領域を流れる低温
の冷却材8によって冷やされているので、この付近には
比較的安定したサブクール水の膜が存在する。したがっ
て地震等により、燃料棒2が振動してチャンネルボック
ス7との間隔が狭くなるとチャンネルボックス7の内壁
部のサブクールボイド12は消滅し易い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】炉心における冷却材8
のボイド率が減少すると、炉心の反応度が高まって原子
炉の出力が増加する。また、ボイド率の減少が緩やかな
場合には、これによる出力増加によってボイド率が上昇
して負の反応度フィードバックを炉心に与えるので、そ
の結果として原子炉の出力上昇は小さなものとなる。
【0012】しかしながら、前述したように地震等によ
って燃料棒2が突然振動して、急激にボイド率が減少し
た場合を想定すると、燃料棒2の熱伝導による遅れ等の
ため、ボイド発生による負の反応度フィードバックが間
に合わずに、短い時間の間に出力上昇が生じることが予
想される。
【0013】通常、沸騰水型原子炉における炉心平均ボ
イド率は40%前後であるが、試算によれば、この状態か
ら若し急激に1%ボイドが減少したとすると、出力は 1
20%以上に達して原子炉がスクラムする不具合が生じ
る。
【0014】本発明の目的とするところは、燃料集合体
の冷却材流路に冷却材の撹拌手段を設けてサブクールボ
イドの発生を低減し、地震等による振動で急激に冷却材
の混合が促進された場合にも、炉心のボイド率の低下を
抑制して異常な出力上昇を防止し、原子炉の健全性と稼
働率を向上した沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体
は、多数の燃料棒を上端に位置する上部タイプレートと
下端に位置する下部タイプレート及びその中間に位置す
る複数のスペーサで束ねてチャンネルボックスに収納し
て構成した燃料集合体において、下部のサブクール沸騰
領域に燃料棒周囲を流れる冷却材の撹拌手段を設けたこ
とを特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明に係る沸騰水型原子炉
用燃料集合体は、燃料集合体下部のサブクール沸騰領域
に設けた冷却材の撹拌手段を、下部タイプレートに設置
したことを特徴とする。請求項3記載の発明に係る沸騰
水型原子炉用燃料集合体は、燃料集合体下部のサブクー
ル沸騰領域に設けた冷却材の撹拌手段を、スペーサの一
部または全部に設置したことを特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明に係る沸騰水型原子炉
用燃料集合体は、冷却材の撹拌手段が、螺旋状曲面より
なる旋回翼か、または冷却材の流れに傾斜して設けた邪
魔板であることを特徴とする。請求項5記載の発明に係
る沸騰水型原子炉用燃料集合体は、燃料集合体下部のサ
ブクール沸騰領域に設けた冷却材の撹拌手段が、配列し
た一部または全部について相互間隔を約 0.3m以下とし
たスペーサであることを特徴とする。
【0018】請求項6記載の発明に係る沸騰水型原子炉
用燃料集合体は、燃料集合体下部のサブクール沸騰領域
に設けた冷却材の撹拌手段が、チャンネルボックス内壁
の一部または全部に設けた突状溝であることを特徴とす
る。請求項7記載の発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集
合体は、サブクール沸騰領域が、収容した燃料棒の下端
より約 1.5m上までとしたことを特徴とする。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明は、燃料集合体内に流入し
た冷却材がサブクール沸騰領域において、冷却材の撹拌
手段により燃料棒に向けられることから、冷却材の混合
が行われて燃料棒表面付近とバルク冷却材との温度差が
小さくなり、サブクールボイド量が減少する。したがっ
て、燃料棒が振動しても、これによるサブクールボイド
率の減少は低く、燃料棒振動による炉心出力への影響が
少い。
【0020】請求項2記載の発明では、燃料集合体内に
流入した冷却材は、下部タイプレートに設置された撹拌
手段により燃料棒に向けられて、冷却材の混合が行われ
てサブクールボイド量を減少させる。
【0021】請求項3記載の発明では、燃料集合体内に
流入した冷却材は、サブクール沸騰領域に配列したスペ
ーサに設置された撹拌手段により燃料棒に向けられて、
冷却材の混合が行われることから、サブクールボイド量
が減少する。
【0022】請求項4記載の発明では、燃料集合体内に
流入した冷却材が、下部タイプレートまたはサブクール
沸騰領域に配列したスペーサに設置した撹拌手段であ
る、螺旋状曲面よりなる旋回翼か、または冷却材の流れ
に傾斜して設けた邪魔板により燃料棒に向けられて冷却
材の混合が行われる。
【0023】請求項5記載の発明では、燃料集合体内に
流入した冷却材は、燃料集合体下部のサブクール沸騰領
域において相互間隔を約 0.3m以下に配列したスペーサ
により、流れが乱されて燃料棒に向けられる。これによ
り、冷却材の混合が行われてサブクールボイドの発生が
減少する。
【0024】請求項6記載の発明では、燃料集合体内に
流入してチャンネルボックスの内壁に沿って流れる冷却
材が、チャンネルボックスの内壁に設けた突状溝により
燃料棒に向けられて冷却材の混合が行われる。
【0025】請求項7記載の発明は、燃料集合体におい
て撹拌手段により冷却材を燃料棒に向ける部分が、燃料
棒の下端より約 1.5m上までの主にサブクール沸騰が生
じている領域として、効果的にサブクールボイドの発生
を減少させる。
【0026】
【実施例】本発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。なお、上記した従来技術と同じ構成部分には同一符
号を付して詳細な説明を省略する。第1実施例を図1の
縦断面図に示す。なお、図1(a)は燃料集合体の下部
タイプレート近傍の要部拡大縦断面図で、図1(b)は
図1(a)のA−A矢視要部拡大断面図である。
【0027】燃料集合体15は、多数の燃料棒2を支持す
る下部タイプレート16に、冷却材の撹拌手段である旋回
翼17を設置したもので、この旋回翼17は短冊板を螺旋状
に成型し、燃料棒2相互間の流路に配置して、その一端
を撹拌手段付き下部タイプレート16の燃料棒2を支持す
るボス18と、これを連結するウェブ19に固定して構成す
る。
【0028】次に上記構成による作用について説明す
る。撹拌手段付き下部タイプレート16に流入した冷却材
8は、前記ボス18及びウェブ19間の流路から燃料集合体
15の内部に流入し、燃料棒2で相互間の冷却材8の流路
を経由して、この流路に配置した旋回翼17により撹拌さ
れる。
【0029】撹拌された冷却材8は水平方向に燃料棒2
の下部に送られて、燃料棒2の表面に形成される冷却材
8の膜による境界層10の温度を下げてバルク冷却材11と
の温度差を小さくする。また、旋回翼17はバルク冷却材
11も同様に燃料棒2の表面に送って冷却材混合を促すの
で、燃料集合体15の下部におけるサブクールボイド12の
発生を抑制する。
【0030】これにより、通常運転時におけるサブクー
ルボイド12の発生量が少ないことから、地震等により燃
料棒2が振動して冷却材混合が促進されても、この燃料
棒振動の影響により消滅するサブクールボイド量は少な
いため、サブクールボイド率の低下が少く、炉心に大き
な反応度変化を与えることがない。したがって、原子炉
出力が異常に急増することによる原子炉スクラムは安全
に回避される。
【0031】なお本第1実施例は、比較的に撹拌手段付
き下部タイプレート16の近くでボイドが発生し始める炉
心、すなわち、出力密度が高く燃料バンドル当りの炉心
流量が低い、あるいは炉心入口サブクーリングが小さい
傾向の炉心に対して特に有効である。
【0032】さらに冷却材の撹拌手段としては、上記し
た旋回翼17に限らず、冷却材8の流路に傾斜して設けた
た例えば図1(a)で示す上部が二股に開いた邪魔板17
a等で冷却材8に水平方向の速度を与えて、燃料棒2の
表面に形成される境界層10とバルク冷却材11の混合を促
進するものでも良く、これにより前記実施例と同様の作
用及び効果が得られる。
【0033】第2実施例について図2の断面図により説
明する。なお、図2(a)は燃料集合体のスペーサ近傍
の要部拡大縦断面図で、図2(b)は図2(a)のB−
B矢視要部拡大断面図である。燃料集合体20は、複数の
燃料棒2を束ねるスペーサ21に、冷却材の撹拌手段であ
る上記第1実施例と同様の構造の旋回翼17を、燃料棒2
相互間で形成される冷却材8の流路に配置し、その一端
をスペーサ21に固定して構成する。
【0034】また、第2実施例における旋回翼17を設置
した撹拌手段付きスペーサ21の配列位置は、燃料集合体
20のサブクール沸騰領域(燃料棒の下端から約 1.5mま
で)から考慮して、例えば燃料集合体20においてスペー
サが約 0.5m間隔で配列されている場合では、下から数
えて第2あるいは第3番目のスペーサまでに設置して構
成することが適切である。
【0035】この第2実施例における撹拌手段付きスペ
ーサ21による作用、及び効果は、上記第1実施例と同様
であるが、第2実施例においては、サブクール沸騰領域
に対応して、撹拌手段付きスペーサ21の位置及び配列数
を適宜選定して、その効果を最良に得ることができる。
なお、冷却材の撹拌手段としては、旋回翼17以外に冷却
材の流れに平行でなく傾斜させた、例えば図2(a)に
示す上部が二股に開いた邪魔板17aをスペーサ21に設け
る等、冷却材8に水平方向の速度成分を与えるものであ
れば良いことは、上記第1実施例と同様である。
【0036】第3実施例は、冷却材撹拌の作用と効果を
サブクール沸騰領域に配列したスペーサにより得るもの
で、図3の平面図に示すように、燃料集合体内において
多数の燃料棒を束ねるスペーサには、例えば図3(a)
の丸セル型スペーサ22と、図3(b)のグリッド型スペ
ーサ23があり、本第3実施例の燃料集合体は、上部に丸
セル型スペーサ22を、下部のサブクール沸騰領域にグリ
ッド型スペーサ23を配列した構成としている。
【0037】前記丸セル型スペーサ22は燃料棒2とほぼ
同形の丸セル22a内に燃料棒2を挿通するのに対して、
グリッド型スペーサ23は4角の格子セル23a内に円形の
燃料棒2を挿通しているため、燃料棒2相互間で形成さ
れる冷却材8の流路には、丸セル型スペーサ22に比べて
障害物が介在し、このために冷却材8を撹拌する効果が
強い性質となっている。
【0038】上記構成による作用は、燃料集合体の上部
には流路に障害物が少ないことから限界出力特性が良好
となり、燃料集合体の下部のサブクール沸騰領域では、
冷却材8の撹拌効果が強いグリッド型スペーサ23により
撹拌された冷却材8は燃料棒2の下部に送られる。
【0039】これにより、燃料棒2の表面に形成される
冷却材8の膜による境界層10の温度が下がってバルク冷
却材11との温度差を小さくすると共に、バルク冷却材11
も同様に燃料棒2の表面に送られて冷却材混合が促進さ
れ、燃料集合体のサブクール沸騰領域におけるサブクー
ルボイド12の発生を抑制する。
【0040】したがって、本第3実施例においては上記
第1実施例と同様の効果が得られると共に、さらに、流
路に障害物が少なく限界出力特性の良い丸セル型スペー
サ22を基本とする燃料集合体の下部において、幾つかの
丸セル型スペーサ22をグリッド型スペーサ23に置換する
ことで簡易に適用をすることができ、また、その効果を
最良とする調整も、上記第2実施例と同様にグリッド型
スペーサ23の位置と配列数により容易に選定できる。
【0041】第4実施例は図4の縦断面図に示すよう
に、燃料集合体24において、その下部でサブクールボイ
ド12が生じるサブクール沸騰領域について、スペーサ6
を通常は上下の間隔25が約 0.5mであるものを、約 0.3
m以下の間隔26として多数配列して構成する。
【0042】上記構成による作用は、一般のスペーサ6
については、それ自体が燃料集合体24内で冷却材8の流
れに沿って配列されていることから、冷却材8を撹拌し
て燃料棒2の表面に形成される冷却材8の膜とバルク冷
却材11との冷却材混合の機能を持っている。
【0043】したがって、このスペーサ6を短い間隔26
で配列することにより、燃料棒2の表面に生ずる冷却材
8の膜による境界層10における温度を下げて、サブクー
ルボイド12を抑えることができる。しかしながら、冷却
材8の圧力損失の観点からスペーサ6の配列数は限られ
てくる。
【0044】一般に燃料集合体24における水平方向の固
有振動数は通常3〜5Hzであるので、地震時に燃料棒2
が一振幅(1/2周期)を移動するのに要する時間は
0.1〜0.15秒程度である。一方、冷却材流速は、通常2
m/s程度なので、地震動一振幅の間に移動する距離は
0.2〜 0.3mとなる。
【0045】このことから、燃料集合体24の下部でサブ
クール沸騰領域において、予め距離26を 0.2〜 0.3m以
下の間隔26にスペーサ6を配置して、通常運転時にサブ
クールボイド12が消滅するようにしておけば、地震発生
により消滅する可能性のあるサブクールボイド率は非常
に少なくなる。
【0046】この第4実施例における効果は、上記第1
実施例と同様であるが、特にその構成が従来のスペーサ
6を採用することにより簡易であり、燃料集合体24内の
サブクール沸騰領域に対応して、スペーサ6の位置及び
配列数を適宜選定して、その効果を最良とすることは上
記第3実施例と同様である。
【0047】第5実施例は図5の要部拡大縦断面図に示
すように、燃料集合体27は、複数の燃料棒を束ねて、そ
の周囲をチャンネルボックス28で囲っているが、このチ
ャンネルボックス28の内壁に、燃料棒2の下端から約
1.5m上までのサブクール沸騰が発生する範囲に突状溝2
9を刻設して構成している。
【0048】上記構成による作用としては、通常運転状
態においてチャンネルボックス28の内側を流れるサブク
ール水は、内壁面の突状溝29により燃料棒2の表面の境
界層10と混合されることから、サブクールボイド12の発
生量は低く抑制される。したがって、地震により燃料棒
2が振動してチャンネルボックス28との間隔が狭くなっ
ても、チャンネルボックス28の内周部におけるサブクー
ルボイド12の消滅は少ない。このため、地震発生におけ
るサブクールボイド率の減少に起因する原子炉出力の急
激増加は少くなり、原子炉スクラムに至る可能性は低減
する。
【0049】なお、前記突状溝29の形成は、チャンネル
ボックス28の内壁を切削しても、また塑性変形等によっ
ても良く、溝形については冷却材8の流れを燃料棒2に
向ける様な形状にすれば良い。さらに、上記第1乃至第
5実施例は、必要に応じて組合わせて実施できるもの
で、夫々の組合わせによる効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上本発明によれば、通常運転時にもサ
ブクール沸騰が生じやすい燃料集合体下部の領域におい
て、燃料棒表面の境界層の冷却材とバルク冷却材の混合
を促進して、サブクールボイドの発生量を抑制するの
で、地震等により燃料棒が振動しても、この振動による
炉心におけるボイド率の低下を少くする。
【0051】これにより、炉心に大きな反応度が印加さ
れることを防止して原子炉の健全性を向上すると共に、
地震時の原子炉スクラムを防止して原子力発電プラント
の安全性を向上し、停電及び稼働率低下を防止して信頼
性も向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の縦断面図で、(a)
は燃料集合体の下部タイプレート近傍の要部拡大縦断面
図、(b)は(a)のA−A矢視要部拡大断面図。
【図2】本発明に係る第2実施例の断面図で、(a)は
燃料集合体のスペーサ近傍の要部拡大縦断面図、(b)
は(a)のB−B矢視要部拡大断面図。
【図3】本発明に係る第3実施例の平面図で、(a)は
丸セル型スペーサ、(b)はグリッド型スペーサを示
す。
【図4】本発明に係る第4実施例の縦断面図。
【図5】本発明に係る第5実施例の要部拡大縦断面図。
【図6】従来の燃料集合体で、(a)は燃料集合体の縦
断面図、(b)は燃料集合体内部のボイド分布図を示
す。
【図7】燃料集合体内部の沸騰部を示し、(a)は沸騰
開始点の模式図、(b)はボイド率分布図、(c)は冷
却材温度分布図。
【符号の説明】
1,15,20,24,27…燃料集合体、2…燃料棒、3…ウ
ォータロッド、4…上部タイプレート、5…下部タイプ
レート、6…スペーサ、7,28…チャンネルボックス、
8…冷却材、9…サブクール沸騰開始点、10…境界層、
11…バルク冷却材、12…サブクールボイド、13…熱平衡
沸騰開始点、14…サブクールボイド量(斜線部)、16…
撹拌手段付き下部タイプレート、17…旋回翼、17a…邪
魔板、18…ボス、19…ウェブ、21…撹拌手段付きスペー
サ、22…丸セル型スペーサ、22a…丸セル、23…グリッ
ド型スペーサ、23a…格子セル、25,26…間隔(スペー
サ距離)、29…突状溝。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の燃料棒を上端に位置する上部タイ
    プレートと下端に位置する下部タイプレート及びその中
    間に位置する複数のスペーサで束ねてチャンネルボック
    スに収納して構成した燃料集合体において、下部のサブ
    クール沸騰領域に燃料棒周囲を流れる冷却材の撹拌手段
    を設けたことを特徴とする沸騰水型原子炉用燃料集合
    体。
  2. 【請求項2】 燃料集合体下部のサブクール沸騰領域に
    設けた冷却材の撹拌手段を、下部タイプレートに設置し
    たことを特徴とする請求項1記載の沸騰水型原子炉用燃
    料集合体。
  3. 【請求項3】 燃料集合体下部のサブクール沸騰領域に
    設けた冷却材の撹拌手段を、スペーサの一部または全部
    に設置したことを特徴とする請求項1記載の沸騰水型原
    子炉用燃料集合体。
  4. 【請求項4】 冷却材の撹拌手段が、螺旋状曲面よりな
    る旋回翼か、または冷却材の流れに傾斜して設けた邪魔
    板であることを特徴とする請求項2または請求項3記載
    の沸騰水型原子炉用燃料集合体。
  5. 【請求項5】 燃料集合体下部のサブクール沸騰領域に
    設けた冷却材の撹拌手段が、配列した一部または全部に
    ついて相互間隔を約 0.3m以下としたスペーサであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の沸騰水型原子炉用燃料集
    合体。
  6. 【請求項6】 燃料集合体下部のサブクール沸騰領域に
    設けた冷却材の撹拌手段が、チャンネルボックス内壁の
    一部または全部に設けた突状溝であることを特徴とする
    請求項1記載の沸騰水型原子炉用燃料集合体。
  7. 【請求項7】 燃料集合体におけるサブクール沸騰領域
    が、収容した燃料棒の下端より約 1.5m上までとしたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の沸騰水型原
    子炉用燃料集合体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5875224A (en) * 1997-09-02 1999-02-23 General Electric Company Swirler attachment for a spacer of a nuclear fuel bundle
KR20200106218A (ko) * 2018-02-02 2020-09-11 웨스팅하우스 일렉트릭 컴퍼니 엘엘씨 핵 연료 고장 방지 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5875224A (en) * 1997-09-02 1999-02-23 General Electric Company Swirler attachment for a spacer of a nuclear fuel bundle
KR20200106218A (ko) * 2018-02-02 2020-09-11 웨스팅하우스 일렉트릭 컴퍼니 엘엘씨 핵 연료 고장 방지 방법

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