JP3906009B2 - 過渡事象でのドライアウト性能を改善した沸騰水型原子炉用燃料集合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉用燃料集合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来から使用されている沸騰水型原子炉用燃料集合体の概略構成を示す側面図である。図に示す通り、中心部に水管(図示せず)を配し、この水管の周囲に燃料棒(51)をバンドル状に束ねた棒状要素の上下端部を、上部タイプレート(52)と下部タイプレート(53)とで支持している。棒状要素の軸方向には、発熱部(A)にあっては、所定間隔でスペーサ(54a)〜(54g)が通常7個配置されている。
【0003】
ところで、このスペーサ(54a)〜(54g)は一般に、
(イ) 燃料棒及び水管の間隔を一定に保つ。
(ロ) 燃料棒の流力振動を小さくする。
(ハ) 乱流促進効果により、燃料棒のドライアウト余裕を向上させる。
等の機能を持つものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの機能をすべて確保しようとするためには、その構造が複雑なものとなり、その投影断面積は大きなものとなる。このため、スペーサ下流での冷却材の乱流効果は大きくなるが、圧力損失は大きくなる。従って、集合体圧損が高くなり、再循環ポンプの負荷が大きくなる等の問題があった。
【0005】
そのため、本発明者は、ドライアウト発生機構並びにドライアウト発生の実状について種々の考察、実験を重ねた結果、実物大形状のドライアウト実験によれば、通常の運転条件でドライアウトが生じるのは、下から数えて第6、第7スペーサの直上流(下面側)であることを知見した。また、過渡事象(タービントリップ、バイパス弁不作動、ABWR循環ポンプトリップ等)及び異常事象(部分的負荷喪失、蒸気管破断等)が発生した際には、ドライアウトが生じる点は上流側に移行し、第3スペーサの直上流(下面側)においても発生する可能性があることも判明した。
【0006】
本発明は係る知見に立脚し、これに基づき、ドライアウト性能を改善するスペーサ配置を行うと共に、その他のスペーサは最大限の低圧損化を図る。これにより、高ドライアウト、低圧損の燃料集合体を得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体は、上部タイプレートと下部タイプレートとの間に平行配列された燃料棒を含む複数の棒状要素を、これら棒状要素を相互に間隔を開けて保持するスペーサによって、バンドル状に装荷した沸騰水型原子炉用燃料集合体において、
棒状要素の軸方向の上下タイプレート間を7位置で区切り、冷却剤の流れ方向に対し上流側から下流側に向かって順に第1位置〜第7位置とした際に、
第1位置及び第7位置に配置されるスペーサに低圧損スペーサを用い、
第2〜6位置に配置されるスペーサに冷却剤のミキシング効果大なるスペーサを用いたものである。
【0008】
請求項2に記載された発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体は、請求項1に記載されたミキシング効果の大なるスペーサとして、ミキシング用の羽根をスペーサ下流側面に設けた格子型スペーサを用い、
請求項1に記載された低圧損スペーサとして、前記ミキシング用の羽根のない格子型スペーサを用いてなるものである。
【0009】
請求項3に記載された発明に係る沸騰水型原子炉用燃料集合体は、請求項1に記載されたミキシング効果の大なるスペーサとして、ミキシング用の羽根をスペーサ下流側面に設けた格子型スペーサを用い、
請求項1に記載された低圧損スペーサとして、インコネル製のスペーサを用いてなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、上部タイプレートと下部タイプレートとの間に平行配列された燃料棒を含む複数の棒状要素を、これら棒状要素を相互に間隔を開けて保持するスペーサによって、バンドル状に装荷した沸騰水型原子炉用燃料集合体において、棒状要素の軸方向の上下タイプレート間を7位置で区切り、冷却剤の流れ方向に対し上流側から下流側に向かって順に第1位置〜第7位置とした際に、第1位置及び第7位置に配置されるスペーサに低圧損スペーサを用い、第2〜6位置に配置されるスペーサに冷却剤のミキシング効果大なるスペーサを用いたものであるため、高ドライアウト性能、且つ、低圧損化を図ったスペーサの配置構成を持つ燃料集合体を得ることができる。
【0011】
具体的には、本発明では、沸騰水型原子炉用燃料集合体において、棒状要素の軸方向の上下タイプレート間を7位置で区切り、冷却剤の流れ方向に対し上流側から下流側に向かって順に第1位置〜第7位置とした場合に、
(イ) 第1位置に配置されるスペーサに低圧損スペーサを用いる。
(ロ) 第2〜6位置に配置されるスペーサにミキシング効果の大なるスペーサを用いる。
(ハ) 第7位置に配置されるスペーサに低圧損スペーサを用いる。
【0012】
ここで、ミキシング効果の大なるスペーサとは、加圧水型原子炉用燃料集合体のスペーサのように、下流側面にミキシング用の羽根を設けた格子スペーサであり、また、低圧損型スペーサとは、投影断面積の小さいスペーサを指し、通常ミキシング用の羽根のない格子型スペーサや高強度のため薄肉化できるインコネル合金製のインコネル型スペーサである。
【0013】
即ち、第2〜6位置に配置されるスペーサにミキシング効果の大きいスペーサが用いられていることから、それらの下流でのドライアウト性能の向上が期待でき、第3〜7スペーサ直上流においてドライアウトは生じない。
【0014】
第1位置に配置されるスペーサは単層流領域に位置するため、ドライアウトに直接寄与することはないので、低圧損スペーサを用いることにより低圧損化が図られる。また、第7位置に配置されるスペーサもその下流側(上面側)でドライアウトが生じることはないことから、低圧損スペーサを用いることにより、低圧損化を図る。
【0015】
このようにして、結局、全体として集合体の低圧損化を図り、且つドライアウト性能を改善した集合体の設計を可能とする。
【0016】
【実施例】
以下に本発明の具体的実施例を添付図面に従って説明する。図1は本発明の燃料集合体の側面図である。図2は図1の燃料集合体のスペーサの内ミキシング効果の大きいスペーサの一実施例を示す格子型スペーサの平面図である。図3は図2の要部を拡大した説明図である。図4は投影断面積の小さい低圧損スペーサの一例を示す格子型スペーサの平面図である。
【0017】
図1に示す通り、中心部に水管(図示せず)を配し、この水管の周囲に燃料棒(11)をバンドル状に束ねた棒状要素の上下端部を、上部タイプレート(12)と下部タイプレート(13)とで支持している。棒状要素の軸方向には、発熱部(A)にあっては、ほぼ等間隔でスペーサ(14a)〜(14g)が7個配置されている。
【0018】
それらのスペーサ(14a)〜(14g)として、冷却剤が流れる方向に対して上流側(即ち、下)から順に、第1スペーサ(14a) 及び第7スペーサ(14g) に低圧損の格子型スペーサ(4B)を用い、第2スペーサ(14b) 、第3スペーサ(14c) 、第4スペーサ(14d) 、第5スペーサ(14e) 及び第6スペーサ(14f) にミキシング効果が大なる格子型スペーサ(4A)を配置している。
【0019】
図3に示す通り、ミキシング効果が大なる格子型スペーサ(4A)では、格子板の各交差部の下流側面(即ち、上面)に流れに沿って傾斜するように、延出する羽根(31)を格子枠(32)と一体に四方に設けているため、冷却材の混合が促進されてこの下流側でのドライアウトの発生を防止する。
【0020】
即ち、第2〜第6スペーサにミキシング効果の大きいスペーサ(4A)が用いられていることから、それらの下流でのドライアウト性能の向上が期待でき、第3〜第7スペーサ直上流においてドライアウトは生じない。
【0021】
ここで、スペーサの設計において、第2〜第6スペーサ以外はミキシング効果の向上を除外することができるので、低圧損スペーサ(4B)の設計は、機械的強度のみを満足すれば良く、例えばジルカロイを用いず、より強度の強いインコネル板を用いて薄肉化を図ることが可能である。
【0022】
即ち、図4に示す通り、第1スペーサは、単相流領域に位置するため、ドライアウトに直接寄与することはないので、低圧損スペーサ(4B)を用いることにより低圧損化が図られ、また、第7スペーサもその下流側でドライアウトが生じることはないことから、低圧損スペーサ(4B)を用いることにより低圧損化を図る。
【0023】
このようにして、結局全体として集合体の低圧損化を図り、且つ、ドライアウト性能を改善した両性能を両立した集合体の設計を可能とする。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、高ドライアウト性能、且つ、低圧損化を図ったスペーサの配置構成を持つ燃料集合体を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す沸騰水型原子炉用燃料集合体の側面図である。
【図2】図1の燃料集合体のスペーサのうち、ミキシング効果の大きいスペーサ(4A)の一実施例を示す格子型スペーサの平面図である。
【図3】図2の要部を拡大した説明図である。
【図4】図1の燃料集合体のスペーサのうち、投影断面積の小さい低圧損スペーサ(4B)の一実施例を示す格子型スペーサの平面図である。
【図5】従来から使用されている沸騰水型原子炉用燃料集合体の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
(11)…燃料棒、
(12)…上部タイプレート、
(13)…下部タイプレート、
(14a)(14b)(14c)(14d)(14e)(14f)(14g)…スペーサ、
(4A)…ミキシング効果が大なる格子型スペーサ、
(4B)…低圧損の格子型スペーサ、
(31)…羽根、
(32)…格子枠、
Claims (3)
- 上部タイプレートと下部タイプレートとの間に平行配列された燃料棒を含む複数の棒状要素を、これら棒状要素を相互に間隔を開けて保持するスペーサによって、バンドル状に装荷した沸騰水型原子炉用燃料集合体において、
棒状要素の軸方向の上下タイプレート間を7位置で区切り、冷却剤の流れ方向に対し上流側から下流側に向かって順に第1位置〜第7位置とした際に、
第1位置及び第7位置に配置されるスペーサに低圧損スペーサを用い、
第2〜6位置に配置されるスペーサに冷却剤のミキシング効果大なるスペーサを用いたことを特徴とする過渡事象でのドライアウト性能を改善した沸騰水型原子炉用燃料集合体。 - 前記ミキシング効果の大なるスペーサとして、ミキシング用の羽根をスペーサ上面に設けた格子型スペーサを用い、
前記低圧損スペーサとして、前記ミキシング用の羽根のない格子型スペーサを用いてなることを特徴とする請求項1に記載された過渡事象でのドライアウト性能を改善した沸騰水型原子炉用燃料集合体。 - 前記ミキシング効果の大なるスペーサとして、ミキシング用の羽根をスペーサ上面に設けた格子型スペーサを用い、
前記低圧損スペーサとして、インコネル製のスペーサを用いてなることを特徴とする請求項1に記載された過渡事象でのドライアウト性能を改善した沸騰水型原子炉用燃料集合体。
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